説明

遺伝子操作されたウサギ抗体可変ドメイン及びその使用

本発明は、抗原と免疫特異的に結合し、ウサギ免疫グロブリン由来の結合ドメインを含むポリペプチドをスクリーニング及び産生するための方法に関する。本発明の方法は、ウサギ抗体重鎖又は軽鎖スキャフォールドの使用により、特にげっ歯動物抗体由来のドメインと比べて、単離された免疫グロブリン可変ドメインに安定性及び/又は親和性の増強を付与する新規なCDRループ及びフレームワーク領域の同定を可能にする。本発明の可変ドメインの安定性及び/又は親和性の増強により、単一ドメイン免疫特異的ポリペプチドを含む、つまりV又はVドメインの一方を含む研究ツール又は治療用免疫特異的ポリペプチドの産生におけるそれらの使用が可能になる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗原と免疫特異的に結合するウサギV又はVドメインを作製するための方法であって、
a)ファージ発現ライブラリーから、前記抗原と免疫特異的に結合するV又はVドメインをコードする一組のDNA配列を選択するステップであって、前記ファージ発現ライブラリーが、免疫グロブリンを発現する細胞を含有するウサギの生体試料から取得された、V又はVドメインをコードするDNA又はcDNA配列から調製されるステップと;
b)前記一組の配列又はそのサブセットをCATとの融合タンパク質として細菌内で発現させ、CAT発現によるクロラムフェニコール耐性を有する細菌を選択し、前記選択された細菌からウサギV又はVドメインをコードする配列を取得するステップとを含む方法。
【請求項2】
抗原と免疫特異的に結合するウサギV又はVドメインを作製するための方法であって、
a)V又はVドメインをコードするDNA又はcDNA配列をCATとの融合タンパク質として細菌内で発現させるステップであって、前記DNA又はcDNA配列が、免疫グロブリンを発現する細胞を含有するウサギの生体試料から取得されたステップと;
b)CAT発現によるクロラムフェニコール耐性を有する細菌を選択し、前記選択された細菌からウサギV又はVドメインをコードする一組の配列を取得するステップと;
c)前記抗原と免疫特異的に結合するV又はVドメインをコードするファージ発現ライブラリーDNA配列を選択するステップであって、前記ライブラリーが前記一組の配列又はそのサブセットから調製されるステップとを含む方法。
【請求項3】
ウサギ生体試料が、抗原で免疫されたウサギに由来する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップa)が1回又は複数回繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップc)が1回又は複数回繰り返される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
生体試料が形質細胞を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
生体試料が、リンパ系組織、骨髄組織、又は虫垂組織を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
試料がリンパ系組織を含み、前記リンパ系組織が脾臓組織である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
試料がリンパ系組織を含み、前記リンパ系組織がリンパ節組織である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に従って作製されたV又はVドメインを含む抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項11】
抗体が単鎖抗体である、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項12】
抗体が単一ドメイン抗体である、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項13】
抗体が抗体断片である、請求項10に記載の抗体。
【請求項14】
Fab、Fab’、F(ab’)、又はFv断片である、請求項13に記載の断片。
【請求項15】
抗体がミニボディである、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項16】
抗体がダイアボディである、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項17】
抗体が二重特異性抗体である、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項18】
抗体がナノボディである、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項19】
抗体がCHドメインを含まない、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項20】
請求項10〜19のいずれかに記載の抗体又は断片のキメラ型。
【請求項21】
請求項9〜11のいずれかに記載の抗体又は断片のヒト化型。
【請求項22】
抗原がマウス又はラットにおいて免疫原性でない、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項23】
抗原がマウス又はラットにおいて免疫原性でない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(b)において選択が、少なくとも1.8mMのクロラムフェニコール濃度での選択である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項25】
組換えV又はVドメインが少なくとも54℃のTmを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項26】
組換えV又はVドメインが、抗原に対して20nM以下のKdを示す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項27】
抗原と免疫特異的に結合するポリペプチドであって、ウサギV又はVドメインの一方又は両方を含み、CHドメイン、CHドメイン、CHドメイン、又はCLドメインの1又は複数を有していない;又はV若しくはVドメインの一方を有していないポリペプチド。
【請求項28】
ウサギVドメインを含まない、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項29】
ウサギ以外の種のVドメインを含まない、請求項28に記載のポリペプチド。
【請求項30】
ウサギVドメインを含まない、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項31】
ウサギ以外の種のVドメインを含まない、請求項30に記載のポリペプチド。
【請求項32】
CHドメインを含まない、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項33】
CHドメインを含まない、請求項27又は請求項32に記載のポリペプチド。
【請求項34】
CHドメインを含まない、請求項27、32、又は33に記載のポリペプチド。
【請求項35】
抗原がマウス又はラットにおいて免疫原性でない、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項36】
単鎖抗体である、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項37】
単一ドメイン抗体である、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項38】
抗体断片である、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項39】
Fab、Fab’、F(ab’)、又はFv断片である、請求項38に記載の断片。
【請求項40】
ミニボディである、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項41】
ダイアボディである、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項42】
二重特異性抗体又は多特異性抗体である、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項43】
ポリペプチドがナノボディである、請求項27に記載のポリペプチド又は断片。
【請求項44】
治療用作用剤、アルブミン相互作用ペプチド、フィブロネクチン相互作用ペプチド、フィブロネクチン、アルブミン、プロテインA、又はプロテインGをさらに含む請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項45】
治療用作用剤が細胞毒素である、請求項44に記載のポリペプチド。
【請求項46】
治療用作用剤、アルブミン相互作用ペプチド、フィブロネクチン相互作用ペプチド、フィブロネクチン、アルブミン、プロテインA、又はプロテインGとさらにコンジュゲートしている、請求項27に記載のポリペプチド。
【請求項47】
治療用作用剤が細胞毒素又はsiRNAである、請求項46に記載のポリペプチド。
【請求項48】
治療用作用剤、アルブミン相互作用ペプチド、フィブロネクチン相互作用ペプチド、フィブロネクチン、アルブミン、プロテインA、又はプロテインGとさらにコンジュゲートしている、請求項10に記載の抗体又は断片。
【請求項49】
治療用作用剤が細胞毒素又はsiRNAである、請求項48に記載のポリペプチド。
【請求項50】
抗原と免疫特異的に結合するポリペプチドであって、ウサギV又はVドメインの一方又は両方を含み、かつ
(a)アミノ酸配列QEQLMETESGGGAEGGLVKPGASLTLTCTAS(配列番号57)を有するV FR1ドメイン;
(b)アミノ酸配列WVRQAPGKGLEWIG(配列番号69)を有するV FR2ドメイン;
(c)アミノ酸配列YATWVNGRFTLSRDIDQSTGCLQLNSLTAADTATYYCAR(配列番号95)を有するV FR3ドメイン;
(d)アミノ酸配列WGQGTLVTVSS(配列番号139)を有するV FR4ドメイン;
(e)アミノ酸配列ELVLTQTPPSLSASVGETVRIRC(配列番号150)又はELVLTQTPSSVSAAVGGTVTINC(配列番号155)を有するV FR1ドメイン;
(f)アミノ酸配列WYQQKPEKPPTLLIS(配列番号174)又はWYQQKPGQRPKLLIY(配列番号181)を有するV FR2ドメイン;
(g)アミノ酸配列GVPPRFSGSGSGTDYTLTIGGVQAEDVATYYC(配列番号183)又はGVSSRFKGSGSGTQFTLTISGVQCADAATYYC(配列番号205)を有するV FR3ドメイン;又は
(h)アミノ酸配列FGAGTNVEIK(配列番号206)又はFAFGGGTELEIL(配列番号210)を有するV FR4ドメインの少なくとも1つを含むポリペプチド。
【請求項51】
抗原と免疫特異的に結合するポリペプチドであって、ウサギV又はVドメインの一方又を含み、かつ、
(a)V FR2ドメインの46位フェニルアラニン;
(b)V FR2ドメインの53位グルタミン酸;
(c)V FR2ドメインの54位アルギニン;
(d)V FR2ドメインの56位グリシン;
(e)V FR2ドメインの58位アラニン;
(f)V CDR1ドメインの44位システイン;
(g)V CDR2ドメインの59位システイン;
(h)V FR4ドメインの126位アルギニン;
(i)V FR2ドメインの39位フェニルアラニン又はチロシン;
(j)V FR2ドメインの45位リジン;又は
(k)V FR3ドメインの91位システインの少なくとも1つを含み、
前記位置が、それぞれ図3及び4のVドメイン配列アラインメント又はVドメイン配列アラインメントの位置に一致するポリペプチド。

【公表番号】特表2010−525808(P2010−525808A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506111(P2010−506111)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/PT2008/000018
【国際公開番号】WO2008/136694
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509302467)テクノファージ, インベスティガサン エ デセンボルビメント エム ビオテクノロジア,エスエー (2)
【Fターム(参考)】