説明

避妊用組成物

本発明は、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物を含有する、避妊用組成物に関する。本発明の避妊用組成物は抗菌活性をも示し得る。本発明はまた、ヒトを含む雌性動物における受胎を低下しまたは予防するための方法に関し、ここで、該方法は、該動物に有効量の避妊用組成物を投与することを含み、そして該組成物は、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物、および妊娠を予防する方法、特にナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物の使用、に関する。本発明は、国立衛生研究所(NIH)によって与えられたU19 AI060598下の米国政府機関によって行なわれた。該機関が本発明の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
殺精子薬は、先行技術において知られる多数の避妊方法の1つである。最も一般的な殺精子薬は、活性成分としてノノキシノール−9(N9)を含む。しかしながら、N9は、性行為感染症(STIs)(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、並びに他のウイルス性および微生物性病原体)からの保護をユーザーに提供しない。事実、洗浄剤をベースとする殺精子薬であるN9は実際には、STIsの予防において有害な影響を有し得る。それら洗浄剤はHIV膜およびHSV膜を破壊するために作用する一方で、それらはまた天然の膣バリヤーを損ない、そして感染症に対する感受性を有意に増大し得る。
【0003】
本出願人による国際特許出願番号PCT/AU02/00407(WO 02/079299)(この内容は引用によって本明細書中に取り込む)は、最小の毒性で広範囲の抗ウイルス活性および抗菌活性を示すことが分かった、1クラスのデンドリマー(ポリアニオン性またはカチオン性の表面基の限定されたエンベロープを有する非常に枝分かれした巨大分子)を開示する。
【0004】
例えば、以下の式I〜IIIによって示されそしてナフチルジスルホン酸表面基を有する化合物を含有する、ポリリジン、ポリアミドアミン(PAMAM)、ポリ(エーテルヒドロキシルアミン)(PEHAM)およびポリプロピレンイミンのデンドリマーは、抗菌活性、特に抗ウイルス活性を示すことが分かった。
【化1】

【化2】

上記式中、Rは式IV:
【化3】

の基である。
【0005】
従って、避妊用化合物(これは、STIsの予防または伝染において副作用を有しない)が当該分野において現在知られるN9を含む殺精子薬の代替物として提供することができるならば、当該分野において有意な進展となろう。
【発明の開示】
【0006】
(発明の概要)
本出願人は、ナフチルジスルホン酸表面基を有し並びに抗菌活性を示すデンドリマー化合物がまた避妊薬として機能し得ることを驚くべきことに発見した。
【0007】
本発明の第1の態様において、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物を含有する、避妊用組成物を提供する。
【0008】
該避妊用組成物は、局所的な形態(例えば、泡剤、ゲル剤、クリーム剤、フィルム剤など)で供給し得る。該組成物は、性交の間のいずれかの時(性交の前およびその間が好ましい)に投与し得る。
【0009】
更なる実施態様において、該避妊用組成物は更に第2の医薬的に活性な成分を含み得る。
【0010】
好ましい実施態様において、該避妊用組成物はまた、抗菌活性を示し得る。該抗菌活性は、性行為感染症(STIs)に対するものであることが好ましい。該抗菌活性は、ウイルス性行為感染症(STIs)(例えば、HIV、HSV、B型肝炎およびC型肝炎(HBVおよびHCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、並びにサイトメガロウイルス(CMV)を含む)に対する抗ウイルス活性であることが好ましい。
【0011】
本発明の別の態様において、雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防する方法を提供する。本発明の方法は、有効量の避妊用組成物を該動物に投与することを含み、ここで、該組成物は、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物を含む。
【0012】
該方法に含まれる該組成物は更に、第2の医薬的に活性な成分を含み得る。
【0013】
更なる別の態様において、該避妊用組成物は、適合し得る予防的なデバイスの表面上で運搬し得る。
【0014】
(詳細な記載)
本明細書および特許請求の範囲で使用する、単数形「訳さず(a)」、「訳さず(an)」および「該(the)」とは、特に内容をそれ以外であると明確に断らない限り、複数の対象を含む。
【0015】
本明細書および特許請求の範囲で使用する用語「含有する」(または、その文法上の改変)とは、用語「含む」と等価であり、そしてこれは、他の要素および特徴の存在を排除するものと解釈すべきではない。
【0016】
ナフチルジスルホン酸表面基を有するデンドリマー化合物を含有する組成物は予期しない避妊用活性を示した。本明細書および特許請求の範囲において使用する用語「避妊活性」とは、雌性動物が妊娠しまたは出生する可能性を予防しまたは低下する活性を意味する。
【0017】
通常、組成物の避妊活性は、多数の手段によって与えられ得る。
【0018】
例えば、N9は、殺精子剤、卵子が受精するのを予防するために精子を殺すものである。非−殺精子性避妊用組成物は、膣内の環境を変えるために機能し得る。例えば、高浸透圧性組成物は、頚管粘液の硬化を生じ得て、その結果、子宮頚部中への精子の侵入を防止しまたは妨害する。他の組成物は、膣内での射精と接触するときにマトリックス(これは、精子を捕捉し、そして再びそれらが子宮頸部に達する能力を制限する)を形成し得る。該膣との酸性環境を保つことはまた、該膣pHが、約4からより「精子に都合のよい」中性〜僅かに塩基性の環境へ増大するとき、特に射精後に、精子を失活するのを助け得る。
【0019】
別法として、避妊用組成物は、先体の損失を誘起し得る。先体は、精子の卵子への進入を可能とする酵素を含む。同様に、酵素ヒアルロニダーゼは、卵子を囲む濾胞細胞を分散するのに必要であり、その結果、精子の進入を可能とする。例えば、この酵素を阻害し得る組成物は、避妊活性を有し得る。
【0020】
本発明の同じ避妊用組成物は、更に抗菌活性を示した。本明細書および請求の範囲中で使用する用語「抗菌活性」とは、微生物(例えば、細菌、ウイルス、真菌、および寄生虫)を殺しまたはそれの増殖を阻害する組成物または成分を意味する。
【0021】
本明細書および請求の範囲中で使用する用語「デンドリマー化合物」とは、いずれかの適当な非常に枝分かれした巨大分子を意味する。該デンドリマー化合物は、いずれかの適当なタイプであり得る。該デンドリマー化合物は、ポリリジン、ポリアミドアミン(PAMAM)、ポリ(エーテルヒドロキシルアミン)(PEHAM)、またはポリプロピレンイミンのデンドリマー骨格を含むことが好ましい。該デンドリマー化合物は、式I、II、またはIII:
【化4】

【化5】

(式中、Rは式IV:
【化6】

の基である)
の化合物から選ばれることがより好ましい。
【0022】
従って、本発明の第1の態様において、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物を提供する。式Iのデンドリマー化合物が特に好ましい。
【0023】
該デンドリマー化合物は、いずれかの適当な量で該避妊用組成物中に存在し得る。該デンドリマー化合物は、該組成物の総重量基準で約0.5重量%〜70重量%の量で該組成物中に存在することが好ましい。該デンドリマー化合物は、該組成物の総重量基準で約1重量%〜50重量%の量で(約1重量%〜30重量%の量が最も好ましい)、該組成物中に存在することがより好ましい。
【0024】
適当な医薬的に許容し得る塩基付加塩は、例えば金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、および亜鉛塩);有機アミン(N,N’’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジシクロへキシルアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカイン、第4級アミン(例えば、コリン)から調製される有機塩、並びにスルホニウム塩およびホスホニウム塩、を含むが、これらに限定されない。
【0025】
該避妊用組成物は局所組成物であり得て、発泡剤、ゲル剤、クリーム剤、フィルム剤、またはその他の形態で供されることが好ましい。適当な医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および希釈物は、いずれかのおよび全ての通常の溶媒、分散媒質、充填剤、固体担体、水性液剤、コーティング剤、局所投与に適当なビヒクル、他の抗菌剤、等張性および吸収性の増大または遅延薬剤、医薬的な活性な物質のための活性を増大しまたは遅延する薬剤の1個以上を含み得て、そしてそれらは当該分野においてよく知られる。それらは、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18版, Mack Publishing Company, Pennsylvania, USA中に記載されている。いずれかの通常の担体、賦形剤、または希釈剤が活性成分と不適合である限りを除いて、本発明の避妊用組成物においてそれらの使用を企図する。
【0026】
局所投与に適当なビヒクルは、水中油滴および油中水滴の乳剤、白色ワセリン、親水ワセリン、ラノリン乳剤、ポリエチレングリコール、カカオバター、粘膜接着剤、ゲル化剤、緩衝化剤、化粧オイル(例えば、水溶性油状物(例えば、ポリエチレングリコール)、滑沢ゲル剤(例えば、水、プロピレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、安息香酸、および水酸化ナトリウムを含む)、水溶性油状物(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリクオタニウム5番、メチルパラベン、およびプロピルパラベンを含む)、クリーム剤(例えば、ベンジルアルコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ワックス、オクチルドデカノール、ポリソルベート60、精製水、およびソルビタンモノステアレートを含む)およびその他を含む。
【0027】
該担体、賦形剤、および/または希釈剤は、水酸化ナトリウム、水溶性油状物、粘膜接着剤、ゲル化剤、緩衝化剤、滑沢ゲル剤、プロピレングリコール、グリセリン、および水からなる群から選ばれる1個以上を含むことが好ましい。
【0028】
該担体、賦形剤、および/または希釈剤は、水酸化ナトリウム、水溶性油状物、カルボポール(登録商標)、プロピレングリコール、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、および水からなる群の1個以上を含むことがより好ましい。それらは、水酸化ナトリウム、EDTAジナトリウムジ水和物、メチルパラベン、プロピルパラベン、カルボポール(登録商標)971P、プロピレングリコール、グリセリン、精製水、およびそれらの組合せを含むことがより好ましい。
【0029】
好ましい実施態様において、該避妊用組成物はまた抗菌活性を示し得る。該抗菌活性は、性行為感染症(STIs)を引き起こす微生物に対するものであることが好ましい。本発明の避妊用組成物は、性行為感染症の予防に十分な量で投与し得る。この量は、予防することが求められる特定の性行為感染症、個々の患者のパラメータ(例えば、年齢、健康状態、サイズ、体重を含む)、および併用処置に依存し得る。これらの因子は、当該分野の当業者にとってよく知られそしてほんの通常の実験で取り組むことができる。
【0030】
STIsの通常の原因は例えば、パピローマウイルス、クラミジア・トラコマティス、カンジダ・アルビカンス、トリコモナス腟炎、単純ヘルペスウイルス(HSV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ナイセリア・ゴノレア、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒トレポネーマ、B型肝炎およびC型肝炎ウイルス(HBVおよびHCV)、鼡径部肉芽腫(Calymmato bacterium granulomatis)、ヘモフィルス・デュクレイ、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabeie)、ケジラミ、マイコプラズマ、腟ガードネレラを含むが、これらに限定されない。
【0031】
該抗菌活性は、性行為感染ウイルス(例えば、HIV、HSV、HCV、HBV、ヒトパピローマウイルス(HPV)、およびCMVを含む)に対する活性を示す抗ウイルス性であることが好ましい。
【0032】
本発明の避妊用組成物は更に、以下のものからなる群から選ばれる1個以上の化合物によって例示されるがこれらに限定されない、第2の医薬的に活性な成分を含み得る。
麻酔薬、鎮痛薬、駆虫薬、
抗菌薬、抗体、抗ウイルス薬、
抗真菌薬、抗炎症薬、抗原虫薬、
抗感染薬、抗微生物薬、生物薬、
避妊薬、ホルモン薬およびそのアナログ、ミネラル、
筋弛緩薬、天然物、栄養補助食品および栄養食品、
痛み治療薬、ペプチドおよびポリペプチド、ビタミン類。
【0033】
該第2の医薬的に活性な成分は、第2の殺菌成分、殺精子薬、および避妊用薬からなる群の1個以上から選ばれることが好ましい。該第2の医薬的に活性な成分は、ポドフィリン、テトラサイクリン、ニスタチン、フルコナゾール、メトロニダゾール、アシクロビル、ペニシリン、セフォタキシム、スペシノマイシン、レトロビル、エリスロマイシン、セフトリアキソン、コトリモキサゾール、コトリモキサゾール、安息香酸ベンジル、マラチオン、メンフェゴール、プロゲスチン、エストロゲン、エストラジオール、およびその他(これらに限定されない)からなる群の1個以上から選ばれ得る。避妊を予防しそして好ましくはSTIsを予防するのに適当な他の適当な第2の医薬的に活性な成分は、当業者にとって知られる。
【0034】
1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、
医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物、
を含有する避妊用抗菌性組成物をも提供する。
【0035】
該組成物は、受胎を選択的に低下しまたは予防しそして性行為感染症(特に、ウイルス性行為感染症)を予防するのに使用し得る。
【0036】
本発明の更なる態様において、ヒトを含む雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防するための方法を提供し、該方法は、該動物に、避妊用組成物(該組成物は、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物を含む)の有効量を投与することを含む。
【0037】
該避妊用組成物は、いずれかの時、すなわち、性交の前および/またはその間および/またはその後に投与し得るが、性交の前および/またはその間が好ましい。
【0038】
本発明の方法において含まれる避妊用組成物は更に、上記の第2の医薬的に活性な成分を含み得る。
【0039】
上記のデンドリマー化合物はまた、雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防するための医薬の製造において使用し得る。
【0040】
該デンドリマー化合物は、ポリリジン、ポリアミドアミン(PAMAM)、ポリ(エーテルヒドロキシルアミン)(PEHAM)、またはポリプロピレンイミンのデンドリマー骨格を含むことが好ましい。該デンドリマー化合物は、式I、II、またはIII:
【化7】

【化8】

(式中、Rは式IV:
【化9】

の基である)の化合物から選ばれることがより好ましい。
【0041】
式Iのデンドリマー高分子は特に好ましい。
【0042】
本発明の更なる別の態様において、ヒトを含む雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防しそして1個以上の性行為感染症を予防するための方法を提供する。該方法は、該動物に、避妊用組成物(該組成物は、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物を含む)の有効量を投与することを含む。
【0043】
予防されるSTIsは、ウイルスSTIs(例えば、HIV、HSV、HBV、HCV、HPV、およびCMV感染症を含む)であることが好ましい。
【0044】
上記のデンドリマー化合物はまた、雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防しそして1個以上の性行為感染症を予防するための医薬の製造において使用し得る。
【0045】
本発明の一層更なる態様において、該避妊用組成物は、適合し得る予防的なデバイスの表面で運搬され得る。従って、ヒトを含む雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防するための方法であって、該方法は、1個以上のナフチルスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物、または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物;および、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物、を含有する避妊用組成物の有効量;並びに、
予防的なデバイス、
を供することを含み、
該避妊用組成物は、該予防的なデバイスの表面上で運搬されそしてそれと適合し得る、
該方法を提供する。
【0046】
予防的なデバイスはいずれかの適当なタイプであり得る。コンドーム、頸管キャップ(cervical cap)、避妊用隔膜、膣スポンジ、子宮内避妊器具、ペッサリー、またはその他を使用し得る。コンドームが好ましい。
【0047】
デンドリマー化合物は、いずれかの適当な様式で該予防的なデバイスの表面と接触し得る。例えば、該デンドリマー化合物は、該予防的なデバイスの1個以上の表面上にコーティングし得るか、あるいは含浸し得る。該デンドリマー化合物は、該予防的なデバイスの1個以上の表面と共有結合し得る。
【0048】
本発明の方法に記載する該デンドリマー化合物は、妊娠を予防するのに十分な量で投与し得る。
【0049】
例えば、本発明の避妊用組成物において含まれるデンドリマー化合物の量は、該組成物の総重量基準で0.5〜70重量%の範囲であり得る。
【0050】
投与される避妊用組成物の量は、0.1〜10g、好ましくは0.5〜8g、最も好ましくは1〜5gの範囲であり得る。
【0051】
好ましい実施態様において、上記の方法において使用される避妊用組成物はまた、上記の抗菌活性を示し得る。
【0052】
本発明の更なる特徴は以下の実施例(これは、例示の様式によって含まれるが、本発明を限定するものではない)から明らかである。
【実施例】
【0053】
実施例1:避妊用組成物(3重量%活性成分)の製造
【表1】

【0054】
プロトコール
i.該装置は、製造するまえに、衛生化し(sanitised)、そしてすすぐ。
ii.ステンレススチール瓶中で、水酸化ナトリウム, NFを精製水に溶解する。
iii.ステンレススチール容器中で、EDAジナトリウムジ水和物, USPを精製水に加え、そして溶解するまで高いせん断ミキサーを用いて撹拌する。
iv.メチル−およびプロピル−パラベン, NFを1回で加え、そして十分に分散するまで混合する。
v.カルボポール(登録商標)971P, NFをゆっくりと加え、そして該カルボポール(登録商標)971P、NFが十分に分散するまで混合し、そして滑らかなゲルを得る。
vi.プロピレングリコール, USPおよびグリセリン, USPを該容器に加え、そして該溶液を内容物が十分に分散するまで混合する。
vii.工程ii由来の水酸化ナトリウム溶液をpHが4.0以上になるまで加える。
viii.SPL7013を3重量%ゲル剤を与えるように算出された適当な量で加える。
ix.工程ii由来の水酸化ナトリウム溶液を、目的のpHが達成されるまで(例えば、pH4.5または5.0)加える。
x.pH測定後、精製水を塊に加え、そして全ての成分が分散しそして均一なゲルが得られるまで該溶液を混合する。
xi.該バルク収率を測定する。
【0055】
実施例2:殺精子活性試験
変法サンダー−クレマーアッセイ(Sander-Cramer Assay)を、本発明該避妊用組成物の殺精子活性を評価するのに行なった。このアッセイは、精子不動化最小有効濃度(MEC)を測定する。
【0056】
連続的な2倍希釈物を、2%(水溶性化合物について)または4%(水不溶性化合物について)のストック溶液から調製した。各希釈物の250μLを、60×10運動精子/mLを含有する正常な精液試料の50mLと一緒に混合した。該精液試料の正常性は、CASAシステム(ハミルトンソーン(Hamilton-Thome), IVOS; ベヴァリー, MA)を用いて評価した。精液および化合物のアリコートを、室温で30秒間インキュベートしながら、顕微鏡観察を行なった。最初の観察または媒質中での1時間インキュベート後のいずれかにおいて運動精子が存在する場合には、該希釈物は「失敗」とラベルした。ある化合物についてのMECを、全精子不動化を導く最大希釈を用いて算出した。6〜10個の精液試料を用いて、より信頼できる結果を得た。N9(MEC=〜0.1−0.2mg/mL)および溶媒を対照として行なった。1mg/mL未満のMECを示す化合物は、強力な精子不動化活性を有する。
【0057】
結果および結論
本発明の該組成物は「失敗」とラベルされ、そしてMECは確立されなかった。
【0058】
本発明の組成物の避妊活性は殺精子活性の結果ではないと考えられる。対照薬N9の殺精子活性はこの薬物の細胞毒性性質に基因する。従って、該避妊用組成物の殺精子不活性は、それがN9と相違しそしてヒトにおいて細胞毒性ではないことを示唆する。
【0059】
実施例3:ウサギにおける避妊有効性
ニュージーランドホワイトウサギ(New Zealand White rabbit)の典型的な射精は約2〜3×10精子を含み、これはカニューレによって頸膣部へ送達される場合には、約5000受精用量50(FD50)を送達する。本明細書中で使用する1受精用量50は、ある個体群のウサギの50%が妊娠を生じる精子の量であると定義する。それに対して、該ヒトの射精は、1 FD50未満を送達する。従って、ヒトにおける避妊効力の予測に対してより関連させるために、被験薬および精子の両方を頸膣部に送達すべきであり、そして送達される精子の総数を減少すべきである。
【0060】
該ウサギプロトコールを用いて、例えばヒドロキシセルロース(HEC)偽薬ゲル剤を含めた多数の製剤を試験した。該被験対象を表2に示す通り分けた。
【表2】

【0061】
雌性ニュージーランドウサギ(〜71bs=〜3kg)は、1mLシリンジ上の30−ゲージ針を用いて皮下的に100 IUヒト絨毛性ゴナドトロピン(0.1mL;シグマ社製)を注射することによって調製した。該被験製剤(2mL)を、5mLシリンジへ連結したタイゴンチューブのフレキシブルなカニューレを用いて該ウサギの頸膣部中に沈着させた。2雄性ウサギから収集した新しいウサギ精子を貯蔵しそしてウサギ精漿を用いて5倍に希釈した。被験製剤の投与の5分後に、希釈精液の0.5mL(0.1mLの精液を0.4mLの精漿を用いて希釈する)を、被験製剤と同じ該頸膣部の領域中に沈積した。この授精用量は〜10 FD50(これは、ウサギ当たり平均7胎仔を生むのに十分である)を送達した。
【0062】
避妊効力は、授精の15日後に該動物を殺し、動物が妊娠しているかどうかを測定するために子宮角を解剖して取り出し、そして妊娠動物の場合には、埋め込まれている胎仔の数をカウントすることによって測定した。
【0063】
結果
【表3】

【0064】
従って、HECまたは実施例1の製剤中の活性物質は、HEC偽薬ゲル剤と比較すると、ウサギモデルにおいて有意な避妊効果を示した。該HECまたは実施例1の製剤中の活性物質の避妊効果の比較は、有意な差違がなかった。
【0065】
上記試験の完結後に、パイロット観察を行なって避妊効力の持続期間を評価し、そして該結果を以下の表中にまとめる。
【表4】

【0066】
これらのパイロット結果を合わせると、HECまたは実施例1の製剤中に活性物質を有する製剤は適用後〜24時間非常に有効な避妊薬であることを示す。妊娠または胎仔の数のいずれかの分析に基づいた表4中のデータの統計学的な分析は、(i)妊娠:フィッシャーの正確確率の両側検定によればP=0.05、(ii)胎仔:マンホイットニーの対応のないノンパラメトリック両側検定によればP=0.016を示した。加えて、48時間および7日での結果は、この妊娠効果が可逆的であることを強く示唆する。
【0067】
結論
HECまたは実施例1のいずれか中に製剤化された本発明の組成物は、人工授精の5分前(表3)および授精の〜24時間前(表4)に送達された場合に、ウサギモデルにおいて有意な避妊効果を示す。
【0068】
実施例4:本発明の避妊用組成物のHSV−2感受性に及ぼす効果を評価するための研究
該研究は、単純ヘルペスウイルスタイプ2(HSV−2)(該ウイルスは、最もよくある原因の性器ヘルペスである)による感染に対するマウスの感受性を測定することによって、本発明の避妊用組成物の潜在的な有害な影響を検出するために実施した。このことは、殺精子剤組成物(例えば、N9)が天然膣バリヤーを損ない、そして通常のSTIsからの感染症に対する感受性を有意に増大することが示唆されているので、重要である。
【0069】
マウスHSV−2膣感染モデルは、病原体(例えば、HSV−2)に対する感受性を生じ得る殺精子剤および他の避妊用組成物に関する毒性を評価するのに、ジョンホプキンス大学(ベルチモア、米国)のリチャードコーン(Richard Cone)によって使用されている。
【0070】
方法
マウスモデル:
感受性の評価の前に、6〜8週齢の雌性CF−1マウス(ハーラン(Harlan)、インディアナポリス、IN、米国)を、プロゲスチン(デポ プロヴェラ(Depo Provera)(登録商標)、メドキシプロゲステロンアセテート)で処置してHSV−2感受性を増大させ、そして該マウスを発情サイクルの異なるステージにあるマウスよりも感受性の観点でより均一とした。
【0071】
ウイルス接種:
HSV−2のG株、5×10 TCID50/mL
【0072】
方法:
本発明の避妊用組成物の20μLを膣に投与し、その12時間後に、バルテルズ(Bartels)媒質(10μL)中で送達されるHSV−2の低用量接種(0.1 ID50)を投与した。対照動物は、被験物の代わりにPBSの20μLを受け取った。
【0073】
これまでの実験(文献: Cone RA, Hoen TE, Wang XX & Moench TR.著, Microbicidal Detergents Increase HSV Susceptibility in Mice Without Causing Visible Epithelial Defects. Abstract # 02421, ''Microbicides 2004'' Conference, London, UK; March 2004)は、このときがHSV−2感染に対するピーク感受性がN9の投与後に起こる時であると示している理由で、該接種を被験物の適用12時間後に送達した。
【0074】
この研究において、総計40匹のマウスが本発明の避妊用組成物を受け取り、そして総計40匹のマウスがPBSを受け取った。
【0075】
結果
本発明の避妊用組成物を用いて処置した該40匹マウスの内の1匹だけがHSV−2に感染した。それに対して、対照群における40匹マウスのうちの7匹が感染した。言い換えれば、本発明の避妊用組成物の投与後に感受性の増大はなかった。
【0076】
これまでの研究において、N9で処置した42匹動物のうちの29匹、殺精子成分1で処置した30匹動物のうちの29匹、および殺精子成分2で処置した41匹動物のうちの25匹が、感染した。
【0077】
これまでの研究におけるマウスの相対的感受性を測定するために、対照マウスの2群は、被験物で処置したマウスの全群についてPBSで処置した。1対照群は0.1 ID50で接種し、一方でその他は10 ID50で接種した。次いで、各対照群において感染した動物のフラクションを用いて用量−応答グラフ(感染したフラクション 対 ログ対数ID)を構築した。これは、低および高用量点の間での線形内挿を図示する。次いで、被験群における感染マウスのフラクションをこのグラフ上にプロットし、この被験群における低用量接種の有効IDを測定した。相対的感受性は、被験マウスに送達される低用量接種を対照動物に送達されるIDによって割った値を有効IDと定義した。
【0078】
N9を用いて処置した動物は、対照動物よりもHSV−2感染症に対して29.7倍以上感受性であり(P<0.001、フィッシャーの正確確率の両側t検定)、一方で、殺精子成分1および2を用いて処理した動物はそれぞれ、29.1(P<0.001)および17.5(P<0.001)倍以上感受性であった。
【0079】
結論
本発明の避妊用組成物は、HSV−2感染症のマウス−モデルにおいて感受性の増大を生じないと考えられる。この研究は、避妊用組成物が非−細胞毒性であることを示し、そしてそれがヒトにおける使用にとって安全であることを示唆する。N9および他の殺精子性殺菌剤は感受性の増大を生じ得る(文献:Cone RA, Hoen TE, Wang XX & Moench TR.著, Microbicidal Detergents Increase HSV Susceptibility in Mice Without Causing Visible Epithelial Defects. Abstract # 02421, ''Microbicides 2004'' Conference, London, UK; March 2004)。
【0080】
実施例5:カルボポール(登録商標)ゲル中の3重量%活性成分のコンドーム適合性(compatability)の研究
膣内製剤中のある成分はコンドーム完全性を損ない得る。この方法を用いて、本発明の組成物のコンドームに与える影響を測定した。
【0081】
個別にパッケージした男性用コンドームを天然ゴムラテックスから製造し、そしてこれは、ASTM Designation: D 3492-97(米国材料試験協会、ゴム避妊薬の男性コンドームの標準規格(Standard Specification for Rubber Contraceptives Male Condoms))の試験方法において特定されている最少用件を満たした単独使用を意図した。該試験方法は、コンドームが一定の質であることを保証するために設計されている。以下のパラメータを、処理済および未処理のコンドームについて測定した;破裂時の圧力、破裂時の容量、長さ、厚さ、および幅。該組成物がコンドームを損なう場合には、破裂時の圧力および容量は低いと予想される。該コンドームの長さも、同様な影響を受け得る。
【0082】
全ての試験について、コンドームをそれらの個別のパッケージから取り出し、そして広げた。ソフトブラシを使用して、各コンドームの完全長を本発明の組成物のゲル製剤を用いてコーティングした。個々のコンドームをライントレイ上に置き、そしてこれを37℃および90%の相対湿度で1時間未満インキュベートした。各インキュベート期間後、および試験前に、過剰量のゲル剤を、乾燥摩耗防止用布を用いて、コンドームから除去した。各々の処理したコンドームを、空中破裂の圧力および容量について連続的な順番で試験した。比較のために、ベースラインデータを、未処理コンドーム、およびいずれの活性医薬成分をも欠く偽薬ゲル剤を用いて処理したコンドームについて同様な試験を行なうことによって得た。
【0083】
これらの実験に関するデータを表5に提示する。
【表5】

【0084】
該空中破裂の圧力および容量の試験に加えて、本発明の組成物のゲル製剤を用いた処理後のコンドームの引っ張り強さを調べた。これらの試験において、コンドームをそれらの個別のパッケージから取り出し、そして広げた。該コンドーム物質の試験片をISO 4074:2002に従って該コンドームから切断して、そしてこれらの片をライントレイ上に置いた。該切断したコンドームの試験片を該ゲル剤を用いて全コーティングし、そして37℃および90%相対湿度で1時間未満インキュベートした。該インキュベート期間後および試験前に、過剰量の滑沢剤は、イソプロピルアルコールを用いて試料片から除去し、そして該試験片を完全に乾燥させた。試験片の引っ張り強さを、ISO 4074:2002において特定されている方法に従って測定した。
【0085】
これらのアッセイからのデータを表6に提示する。
【表6】

【0086】
結果
空中破裂の性質および引っ張り強さによって測定される、避妊用組成物および偽薬組成物を塗布したコンドームの完全性は、避妊用組成物によって損なわれなかった。
【0087】
改変および修飾は、本発明の精神および範囲を逸脱することがない限り、具体的に記載されているもの以外に本明細書中に広義に記載されているものとして、本発明について行なうことができると認められる。本発明は全てのそれら改変および修飾を含むように拡張し得るものと理解されるべきである。本明細書中に開示されおよび定義されている発明は、明細書または図面等に記載された個々の特徴またはそれら由来の個々の事象の2つ以上の全ての代替の組み合わせにまで拡張し得るとも理解される。これらの異なる組み合わせの全ては、本発明の様々な代替の別態様を構成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物、または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、
医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物
を含有する、避妊用組成物。
【請求項2】
該デンドリマー化合物は、ポリリジン、ポリアミドアミン(PAMAM)、ポリ(エーテルヒドロキシルアミン)(PEHAM)、またはポリプロピレンイミンのデンドリマー骨格を含む、請求項1記載の避妊用組成物。
【請求項3】
該デンドリマー化合物は、式I、II、もしくはIII:
【化1】

【化2】

(式中、Rは、式IV:
【化3】

の基である)
の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物から選ばれる、請求項1記載の避妊用組成物。
【請求項4】
デンドリマー化合物は式Iの化合物である、請求項3記載の避妊用組成物。
【請求項5】
デンドリマー化合物は、式I、II、またはIIIの化合物の医薬的に許容し得る塩である、請求項3記載の避妊用組成物。
【請求項6】
塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛の塩の1個以上からなる群から選ばれる金属塩である、請求項5記載の避妊用組成物。
【請求項7】
塩は、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、およびプロカインの1個以上からなる群から選ばれる有機塩である、請求項5記載の避妊用組成物。
【請求項8】
塩は、第4級アミン、スルホニウム塩、およびホスホニウム塩からなる群の1個以上から選ばれる、請求項5記載の避妊用組成物。
【請求項9】
組成物はまた抗菌活性を示す、請求項1記載の避妊用組成物。
【請求項10】
抗菌活性は性行為感染性微生物に対するものである、請求項9記載の避妊用組成物。
【請求項11】
性行為感染性微生物は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、単純ヘルペス(HSV)、B型肝炎およびC型肝炎ウイルス(HBVおよびHCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、およびサイトメガロウイルス(CMV)の1個以上から選ばれるウイルスである、請求項10記載の避妊用組成物。
【請求項12】
デンドリマー化合物は、組成物の総重量ベースで約0.5重量%〜約70重量%の量で組成物中に存在する、請求項1記載の避妊用組成物。
【請求項13】
組成物は更に第2の医薬的に活性な化合物を含む、請求項1記載の避妊用組成物。
【請求項14】
第2の医薬的に活性な化合物は、ポドフィリン、テトラサイクリン、ニスタチン、フルコナゾール、メトロニダゾール、アシクロビル、ペニシリン、セフォタキシム、スペシノマイシン、レトロビル、エリスロマイシン、セフトリアキソン、コトリモキサゾール、コトリモキサゾール、安息香酸ベンジル、マラチオン、メンフェゴール、プロゲスチン、エストロゲン、およびエストラジオールからなる群の1個以上から選ばれる、請求項13記載の避妊用組成物。
【請求項15】
1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、
医薬的に許容し得る担体、賦形剤および/または希釈物を含有する、
避妊用抗菌性組成物であって、
該抗菌剤は性行為感染ウイルスに対して活性である、
該組成物。
【請求項16】
性行為感染性ウイルスは、HIV、HSV、HBV、HCV、HPV、またはCMVから選ばれる、請求項12記載の避妊用抗菌性組成物。
【請求項17】
ヒトを含む雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防する方法であって、有効量の避妊用組成物を該動物に投与することを含み、
該組成物は、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、
医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物を含む、
該方法。
【請求項18】
デンドリマー化合物は式I:
【化4】

の化合物である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
避妊用組成物は更に第2の医薬的に活性な成分を含む、請求項17記載の方法。
【請求項20】
第2の医薬的に活性な化合物は、ポドフィリン、テトラサイクリン、ニスタチン、フルコナゾール、メトロニダゾール、アシクロビル、ペニシリン、セフォタキシム、スペシノマイシン、レトロビル、エリスロマイシン、セフトリアキソン、コトリモキサゾール、コトリモキサゾール、安息香酸ベンジル、マラチオン、メンフェゴール、プロゲスチン、エストロゲン、およびエストラジオールからなる群の1個以上から選ばれる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは防止しそして1個以上の性行為感染症を予防する方法であって、
該方法は、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;並びに、
医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物
を供給することを含む、該方法。
【請求項22】
性行為感染症は、HIV、HSV、HBV、HCV、HPV、およびCMVから選ばれるウイルス感染症である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
ヒトを含む雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防する方法であって、
該方法は、1個以上のナフチルスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の有効量;および、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および/または希釈物
を含有する避妊用組成物;並びに、
予防的なデバイス
を供給することを含み、
該避妊用組成物は、該予防的なデバイスの表面上で運搬されそしてこれと適合し得る、
該方法。
【請求項24】
予防的なデバイスはコンドームである、請求項23記載の方法。
【請求項25】
避妊用組成物は予防的なデバイスの外側表面上で運搬される、請求項23記載の方法。
【請求項26】
避妊用組成物は更に第2の医薬的に活性な化合物を含む、請求項23記載の方法。
【請求項27】
第2の医薬的に活性な化合物は、ポドフィリン、テトラサイクリン、ニスタチン、フルコナゾール、メトロニダゾール、アシクロビル、ペニシリン、セフォタキシム、スペシノマイシン、レトロビル、エリスロマイシン、セフトリアキソン、コトリモキサゾール、コトリモキサゾール、安息香酸ベンジル、マラチオン、メンフェゴール、プロゲスチン、エストロゲン、およびエストラジオールからなる群の1個以上から選ばれる、請求項26記載の方法。
【請求項28】
雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防するための医薬の製造における、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物、または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩または溶媒和物の使用。
【請求項29】
雌性動物における受胎を選択的に低下しまたは予防しそして1個以上の性行為感染症を予防するための医薬の製造における、1個以上のナフチルジスルホン酸表面基を含有するデンドリマー化合物、または該デンドリマー化合物の医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の使用。

【公表番号】特表2009−530316(P2009−530316A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500668(P2009−500668)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/AU2007/000352
【国際公開番号】WO2007/106944
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(501102564)スターファーマ・プロプライエタリー・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】STARPHARMA PTY LTD
【Fターム(参考)】