説明

部品供給装置及び部品供給装置の部品供給方法

【課題】同じ部品を向かい合わせで複数個使用する製品の組立工程に対して、向かい合った一組の部品を同時に組立工程に供給できる部品供給装置を提供する。
【解決手段】姿勢がバラバラな状態の部品1をストックするボウル容器11と、
部品1の外形の特徴を利用することにより部品1の表裏・前後・左右の判定をして部品1を所定の姿勢に整列する部品整列手段と、回転盤21の周囲に等間隔に放射状に設けたポケット23に、整列した部品1をストックするインデックスステージ20とを有し、
インデックスステージ20は、インデックスステージ20の外周部であって、回転盤21の中心27に対して対称な位置に、2ケ所の部品排出口25を有し、
それぞれの部品排出口25に対して、中心27からいずれも90度となる外周部に1ケ所の部品供給口24を有する部品供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、小型の金属部品を所定の姿勢に整列して供給する部品供給装置、およびその装置を使用した部品供給方法に関し、とりわけ所定の姿勢の部品を停滞することなく連続的に供給するための部品供給装置、およびその部品供給装置の部品供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電磁開閉器の接触子などの小型の金属部品は、金属板をプレス加工で打ち抜き、曲げ加工を施した後、めっき処理をされるものが多い。
これら部品の供給形態は、袋詰め渡しが一般的で、部品の姿勢はバラバラであるため、電磁開閉器の組立工程の前段階として、まず部品を所定の姿勢に整列して、それを1つずつ供給する部品供給装置が必要となる。
従来の振動式部品供給装置は、螺旋状の搬送路を有するボウルフィーダと、直線状の搬送路を有するリニアフィーダ(直進フィーダとも呼ばれる)を組み合わせた装置が一般的である。例えば、特許文献1のような部品供給装置と、その部品供給方法が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−96559号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、電磁開閉器のような、同じ部品を向かい合わせに複数個使用する製品を組み立てるために振動式部品供給装置を使用する場合は、
(1)組立工程側で電磁開閉器の本体を回転させて2回に分けて組み立てるか、
(2)部品供給装置で整列させた部品をさらに向かい合わせに並べ直すか、
(3)或いは部品供給装置を2式用意して向かい合わせに配置するか、
のいずれかの方法を採用するしかなかった。
しかしながら、
(1A)電子開閉器の本体を回転させて2回に分けて組み立てる場合は、組立に時間がかかる。
(2A)部品供給装置で整列された部品をさらに向かい合わせに並べ直す場合は、部品供給装置とは別の、移載ユニットのような機構が別途必要になる。
(3A)部品供給装置を2式用意して向かい合わせに配置する場合は、設備が大型化する上に費用も余分に掛かる。
このように、どの方法でも組立時間やスペース、費用の問題があった。
【0005】
この発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、部品供給装置を大型化させたり、コストを倍増させることなく、向かい合わせに整列させた部品を連続して供給できる部品供給装置と、当該装置を用いた部品供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る部品供給装置は、
部品をストックする部品ストック手段と、
部品の外形の特徴を利用することにより部品の表裏・前後・左右の判定をして部品を所定の姿勢に整列する部品整列手段と、
回転盤の周囲に等間隔に放射状に設けたポケットに、整列した部品をストックするインデックスステージとを有し、
インデックスステージは、
インデックスステージの外周部であって、回転盤の中心に対して対称な位置に、2ケ所の部品排出部を有し、
それぞれの部品排出部に対して、中心からいずれも90度となる外周部に1ケ所の部品供給部を有するものである。
【0007】
また、この発明に係る部品供給装置の部品供給方法は、
ポケットの内、中心に対して、順に90度の位相差を有する位置関係にある4つのポケットを1つのグループとしてグループ分けを行い、少なくとも1つのグループの、中心に対して対称な位置関係にある2つのポケットの両方に部品が搭載されている状態を維持できるように、インデックスステージの回転を制御するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る部品供給装置のインデックスステージは、
インデックスステージの外周部であって、回転盤の中心に対して対称な位置に、2ケ所の部品排出部を有し、
それぞれの部品排出部に対して、中心からいずれも90度となる外周部に1ケ所の部品供給部を有するものなので、
電磁開閉器のように、同じ部品を向かい合わせで複数個使用する製品の組立工程においても、一組の部品を同時に組立工程に供給できる。
また、ボウルフィーダから排出される部品1の供給の時間的なばらつきを吸収して、組立工程のサイクルタイムに合わせて、正対して整列させて部品を連続的に供給することができるので、組立時間の短縮や装置の小型化、費用の削減が可能となる。
【0009】
また、この発明に係る部品供給装置の部品供給方法は、
ポケットの内、中心に対して、順に90度の位相差を有する位置関係にある4つのポケットを1つのグループとしてグループ分けを行い、少なくとも1つのグループの、中心に対して対称な位置関係にある2つのポケットの両方に部品が搭載されている状態を維持できるように、インデックスステージの回転を制御するものなので、ボウルフィーダから排出される部品1の供給の時間的なばらつきを吸収して、組立工程のサイクルタイムに合わせて、正対して整列させて部品を連続的に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る部品供給装置を用いて、後の組立工程に供給する電磁開閉器用の小型金属部品の一例を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る部品供給装置の平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るインデックスステージの動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に係る部品供給装置の平面図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るインデックスステージの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る部品供給装置100(以下装置100という)と、この装置100を利用した部品供給方法について図を用いて説明する。
図1は、装置100によって、後の組立工程に供給される電磁開閉器用の小型金属部品1(以下部品1という)の一例を示す斜視図である。
部品1は、金属板からプレス加工で打ち抜かれ、曲げ加工を施された後、めっき処理を施されている。
部品1の大きさは、概ね、W7.5mm×H10mm×D20mm程度である。
【0012】
図2は、この発明の実施の形態1に係る装置100の平面図である。
装置100は、大きく分けて、部品1の向きを揃えるボウルフィーダ10と、整列した部品1を1個ずつポケット23に挿入して運搬するインデックスステージ20と、インデックスステージ20から、向かい合った状態の一組の部品1を受け取って、後の組立ステージ40に部品1を搬送する搬送シャトル30と、これらの部品1の搬送を制御する制御装置50で構成される。
【0013】
電磁開閉器のように、同じ部品1を向かい合わせで複数個使用する場合、図2に示すように、搬送シャトル30の搬送トレイ31をインデックスステージ20の回転盤21の中心27に対して対称な位置に隣接して2式用意し、それぞれの位置にインデックスステージ20のポケット23から部品1を排出する部品排出口25を設けて、搬送トレイ31に部品1を供給すれば、部品1の姿勢も自ずと向かい合わせになる。
これは、部品1を電磁開閉器に同時に組み付ける上で大変都合が良い。
【0014】
以下、装置100の構成を、更に詳細に説明する。
ボウルフィーダ10は、円筒形のボウル容器11とボウル容器11の下に設置された振動体(図示しない)で構成される。
ボウル容器11(部品ストック手段)の内周側面には、ボウル底部からボウル上部に向かって、内周面に沿った螺旋状の搬送路12を備えている。
更に搬送路12には、所定の姿勢に部品1を整列するためのスリットや排除板(図示しない部品整列手段)が設けられている。
更に、搬送路12の最上部は直線状になっていて、終点には、部品1をインデックスステージ20に供給するためのプッシャ13が備えられている。
【0015】
インデックスステージ20は、回転盤21とその周囲を取り囲むガイド盤22、および、回転盤21を回転させるモータ(図示しない)で構成される。回転盤21の外周には、部品1の形状に合わせたポケット23が等間隔に放射状に設けられている。
ポケット23の数は後の組立工程でのサイクルタイムによって増減するが、20〜40個で、かつ4の倍数である。(図2では36個である。)
【0016】
また、ガイド盤22には、ボウルフィーダ10から部品を供給する部品供給口24(部品供給部)と搬送トレイ31に部品を排出する部品排出口25(部品排出部)を設けている。
部品供給口24と部品排出口25には、それぞれ任意のタイミングで上下させることができる図示しないゲートを備えている。
普段は、ゲートは上側にあって部品供給口24及び部品排出口25は閉まっている。
そして、部品1を供給、排出するタイミングでゲートを下側に下げると、部品を移動できるようになっている。
【0017】
部品排出口25にはプッシャ26が備わっている。
ここで、部品排出口25とプッシャ26は回転盤21の中心27に対して対象の位置(図2では12時と6時の位置)に1つずつ備わっていて、部品供給口24は、中心27から見て、各部品排出口25と90度の位置関係(図2では3時の位置)になるように配置されている。
【0018】
ポケット32を有する搬送トレイ31とアクチュエータ(図示しない)からなる2式の搬送シャトル30は、インデックスステージ20の部品排出口25と組立ステージ40の間を、部品1を搬送するために往復する。
【0019】
次に、これらの一連の動作について説明する。
まず、姿勢がバラバラな状態の部品1をボウル容器11に投入する。すると、ボウル容器11の下に設置された図示しない振動体の振動によってボウル容器11の底部に集まっている部品1が、螺旋状の搬送路12を連続的に上昇していく。
この搬送路12を部品1が上昇していく過程で、部品1の外形の特徴を利用して、部品1の表裏・前後・左右の整列がなされ、最終的に所定の姿勢の部品1だけが搬送路12の最上部に導かれる。
【0020】
但し、部品1を所定の姿勢に整列する過程で、所定の姿勢でない部品1はボウル容器11の底部に戻されてしまうため、搬送路12の最上部に導かれる部品1は時間的にランダムに供給される。
従って、このままでは後の組立工程のサイクルタイム(組み立て周期)に影響が出てしまう。
そこで、ボウルフィーダ10で所定の姿勢に整列させられた部品1を、インデックスステージ20に一度ストックすることで時間的な部品1の供給のばらつきを吸収し、後の組立工程のサイクルタイムに合わせたタイミングで、部品1を組立工程に供給することが可能となる。
ここで、ボウルフィーダ10からの部品1の供給は時間的にランダムではあるが、時間平均をすれば、後の組立工程で必要な数以上の部品1の供給能力があることはいうまでもない。
【0021】
搬送路12の最上部に部品1が到着すると、ガイド盤22に設けた部品供給口24のゲートを下げてプッシャ13で部品1を押し出す。
これにより、部品1は、部品供給口24を通って回転盤21のポケット23に移載される。
その後、部品供給口24のゲートを上げ、回転盤21を回転させて次の空のポケット23を部品供給口24の正面に準備する。このような動作を繰り返すことで、回転盤21のポケット23に順次部品1がストックされていく。
ここで、各々のポケット23に部品1が入っているか、入っていないかの情報は制御装置50の中のメモリーにフラグとして記憶されている。
【0022】
一組の搬送シャトル30への部品1の排出は、搬送トレイ31のポケット32を部品排出口25に正対させた後、2つの部品排出口25のゲートを下げてプッシャ26を作動させる。
部品1は、回転盤21のポケット23から部品排出口25を通って、それぞれの搬送トレイ31のポケット32に移載される。
この動作を3回繰り返すことで、2つの搬送トレイ31の全てのポケット32に部品1を搭載できる。
その後、2つの搬送シャトル30を図示しないアクチュエータによって同時に組立ステージ40に移動させる。
ここで、組立ステージ40への部品1の供給は、組立工程のサイクルタイムに合わせたタイミングで、一定間隔に行われる必要がある。
【0023】
ボウルフィーダ10からインデックスステージ20に供給される部品1は、時間的にランダムなため、両者を調整して組立工程のサイクルタイムに影響が出ないように搬送シャトル30を動作させる必要がある。その詳細を以下に説明する。
【0024】
組立ステージ40へ部品1を供給するには、2つの搬送トレイ31に同時に部品1を移載することが好ましい。
そこで、制御装置50は、回転盤21の中心27に対して対称の位置にある2つのポケット23の両方に部品1が搭載されている状態とするようにインデックスステージ20の回転を制御する。
【0025】
制御装置50は、インデックスステージ20上にあって回転盤21の中心27を挟んで対象の位置にある2つのポケット23と、回転盤21の中心27を通ってこの2つのポケット23を結ぶ直線と垂直に交わる直線上にある2つのポケット23の計4つのポケット23を1つのグループとして管理する。
即ち、1つのグループの4つのポケット23は、回転盤21の中心27に対して、順に90度の位相差をもって配置されている。
【0026】
例えば、図2のインデックスステージ20では、36個/4=9つのグループが存在することになる。
制御装置50は、この9つのグループの内少なくとも3つのグループについて、回転盤21の中心27に対して対称な位置関係にある2つのポケット23の両方に部品1が搭載されている状態(以下状態Aとする)が維持できるようにインデックスステージ20の回転を制御する。
【0027】
以下、装置100をスタートさせて、部品1をインデックスステージ20に供給し、搬送シャトル30に移載するまでの動作を、図3を用いて説明する。
【0028】
図3は、装置100のインデックスステージ20の動作を示すフローチャートである。
装置100が起動すると、制御装置50は、先述の状態Aを構成するように、インデックスステージ20への部品1の供給動作を行う。
まず、制御装置50は、上述の状態Aが既に形成されているか否かを調べる。(S001)
状態Aが既に形成されている場合(S001−YES)、搬送シャトル30への部品1の排出を要求するフラグが立っているか否かを調べる。(S002)
【0029】
排出フラグが立っている場合は(S002−YES)、部品排出動作に移行する。(S003)
部品排出動作は、回転盤21の中心27に対して対称な位置関係にある2つのポケット23の両方に部品1が搭載されているグループの内から部品排出口25に最も近いグループを選択して12時と6時の位置に当該グループのポケット23を移動する。(S004)
そして、部品排出口25のゲートを下げて、プッシャ26によって部品1を搬送トレイ31に排出する。(S005)
この時、3時の位置のポケット23がもし空であって、ボウルフィーダ10からの部品1の供給が可能であれば、同時に部品供給動作を行う。(S006)
この動作を3回繰り返して、搬送トレイ31の全てのポケット32に部品1を排出する。(S007)
【0030】
次に、S001において、状態Aが形成されていなかった場合(S001−NO)について説明する。
制御装置50は、インデックスステージ20への部品1の供給動作(S008)を指示する。
まず、全てのグループについて、ポケット23に部品1が搭載されていないかを調べる。(S008)
次に、回転盤21の中心27に対して対称な位置関係にあるポケット23の内、片方だけが空のポケットである組み合わせが存在するか否かをチェックする。(S009)
両方のポケット23に部品1が搭載されていない場合、(インデックスステージ20の全てのポケットが空の場合もこれに含まれる)最も近い空ポケット23を、図2の3時の位置に移動して(S010)部品1をポケット23に供給する。(S012)
【0031】
2つのポケット23の片方にのみ部品1があって、もう片方のポケット23が空の組み合わせが存在する場合は、当該ポケット23を3時の位置に移動させて(S011)、部品1を供給し(S012)、これを繰り返す。
【0032】
このようにして、1つのグループの回転盤21の中心27に対して対称な位置関係にある2つのポケット23の両方に部品1が搭載される。
さらに、これを数回繰り返せば6個の部品1がインデックスステージ20に搭載され、状態Aが完成する。
【0033】
状態Aが完成した後は、搬送シャトル30への部品1の排出要求を示すフラグが上がっているか、降りているかで動作が異なる。
部品排出要求のフラグが降りている場合は、上述の部品供給動作を繰り返す。
部品排出要求のフラグが上がった場合は、先に述べた部品排出動作を行う。
【0034】
部品排出動作を3回繰り返すと、搬送トレイ31の全てのポケット23に部品1が搭載され、搬送シャトル30が組立ステージ40側に移動して部品1の排出要求のフラグは降ろされる。
次に部品1の排出要求のフラグが上がるまでは、再び部品供給動作を繰り返せばよい。
ボウルフィーダ10からの部品1の供給が連続的で途切れることがないと仮定すれば、インデックスステージ20のグループ数は3つだけで十分である。
しかしながら、実際には前述のとおり、ボウルフィーダ10からの部品1の供給は、時間的にランダムであるため、インデックスステージ20への部品1の供給と、搬送シャトル30への部品1の排出動作を繰り返しながら、ボウルフィーダ10からの部品1の供給に余裕がある時に他のグループのポケット23にも部品1を移載してストックする。
このように装置100を制御することで、ボウルフィーダ10からの部品1の供給が一時的に途切れた時でも、他のいずれかのグループから、搬送シャトル30への部品1の供給を継続できる。
【0035】
本発明の実施の形態1に係る装置100および装置100を利用する部品供給方法によれば、電磁開閉器のように、同じ部品を向かい合わせで複数個使用する製品の組立工程においても、一組の部品1を同時に組立工程に供給できる。
また、ボウルフィーダから排出される部品1の供給の時間的なばらつきを吸収して、組立工程のサイクルタイムに合わせて、正対して整列させて部品1を連続的に供給することができるので、組立時間の短縮や装置の小型化、費用の削減が可能となる。
【0036】
なお、本実施の形態ではボウルフィーダ10からインデックスステージ20への部品1の移動と、インデックスステージ20から搬送シャトル30への部品1の移動手段としてプッシャ13,26による方法を示したが、特にこれに限定するものではなく、例えば、ゲートモーションを行うピックアップユニットによる方法を利用しても同様の効果が得られる。
また、この実施の形態では、状態Aを構成するグループ数を3グループとしたが、搬送トレイ31のポケット数に合わせて、状態Aを構成するグループ数は変動する。
【0037】
実施の形態2.
以下、この発明に係る部品供給装置200(以下装置200という)と、装置200を利用した部品供給方法について図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図4は、装置200の平面図である。
ボウルフィーダ10の構成は、実施の形態1における構成と同一のため、説明を省略する。
インデックスステージ220は、回転盤221、ガイド盤222、ポケット223で構成される。この実施の形態では、ポケット223の数が20〜40個でかつ搬送トレイ231のポケット232の数と、4の公倍数である必要がある。
すなわち、図4の場合、搬送トレイ231のポケット232の数は3個であるので、インデックスステージ220のポケット223の数は24個または36個である必要がある。(図4では36個)
【0038】
更に、実施の形態1では、ポケット23は回転盤221の外周に等間隔で放射状に設けられていたが、本実施の形態では、搬送トレイ231のポケット232と同じ配置(ポケットの数や間隔が同じ)で、所定の間隔を開けて複数配置しているところが実施の形態1と異なる。
以後、隣接する3つのポケット223のセットをポケットユニット28と呼ぶ。
回転盤221から搬送トレイ231への部品1の排出は、ゲートモーションを行うピックアップユニット(図示しない)によっておこなう。
ピックアップユニットは、ポケットユニット28の3個の部品1を同時に搬送トレイ231に移載することができる。
【0039】
ここで、部品1の排出用ピックアップユニットは、回転盤221の中心227に対して対象の位置(図4では12時と6時の位置)に2つ備えられていて、さらに移載用のピックアップユニット(図示しないが図4では3時の位置)とは90度の位置になるように配置されている。
搬送シャトル230は、実施の形態1と同一のため、説明を省略する。
次に、インデックスステージ220への部品1供給と、搬送シャトル230への部品1の排出動作について説明する。
【0040】
ボウルフィーダ10に投入された部品1がボウルフィーダ10の搬送路12で整列され、回転盤221のポケット223に移載され、さらに回転盤221から搬送トレイ231に排出されて組立ステージ40に搬送される流れは実施の形態1と同じである。
ただし、本実施の形態では、搬送路12から回転盤221のポケット223への部品1の移載と、回転盤221のポケット223から搬送トレイ231への部品1の排出には、ゲートモーションを行うピックアップユニット(図示しない)を使用するので、複数の部品1(図4の場合は3個)を同時に移載できる。
更に、インデックスステージ220に部品1を供給するピックアップユニットには、搬送路12上では密着している部品1を、ポケット223と同じ間隔に広げて移載する機構(特に指定しない)が備わっている。
このようにピックアップユニットを利用することによって移載と排出のスピードアップが図られる。
【0041】
組立ステージ40へ部品1を供給するには、2つの搬送トレイ231に同時に部品1を移載することが好ましいのは実施の形態1と同様である。
そこで、制御装置250は、回転盤221の中心227に対して対称の位置にある2つのポケットユニット28の全てのポケット223に部品1が搭載されている状態となるように装置200を制御する。
【0042】
制御装置250は、インデックスステージ220上にあって、回転盤221の中心227を挟んで対象の位置にある2つのポケットユニット28と、回転盤221の中心227を通ってこの2つのポケットユニット28の中心を結ぶ直線と垂直に交わる直線上にある2つのポケットユニット28の計4つのポケットユニット28を1つのグループとして管理する。
即ち、1つのグループの4個のポケットユニット28は、回転盤221の中心227に対して、順に90度の位相差をもって配置されている。
例えば、図4に示すインデックスステージ220では、3つのグループが存在することになる。
【0043】
組立ステージ(組立工程)への部品1の供給は、2つの搬送トレイ231によって同時に行われる必要があるため、回転盤221の中心227に対して対称な位置関係にある2つのポケットユニット28の両方に部品1が搭載されていることが望ましい。
そこで、制御装置250は、この3グループの内、少なくとも1つのグループの、回転盤221の中心227に対して対称な位置関係にある2つのポケットユニット28の両方のポケット223に部品1が搭載されている状態(以下状態Bとする)が維持できるようインデックスステージ220の動作を制御する。
【0044】
以下、装置200をスタートさせて、部品1をインデックスステージ220に供給し、搬送シャトル230に移載するまでの動作を、図5を用いて説明する。
【0045】
図5は、装置200のインデックスステージ220の動作を示すフローチャートである。
装置200が起動すると、制御装置250は、先述の状態Bを構成するように、インデックスステージ20への部品1の供給動作を行う。
【0046】
まず、制御装置250は、上述の状態Bが既に形成されているか否かを調べる。(S201)
状態Bが既に形成されている場合(S201−YES)、搬送シャトル230への部品1の排出を要求するフラグが立っているか否かを調べる。(S202)
【0047】
排出フラグが立っている場合は(S202−YES)、部品排出動作に移行する。(S203)
部品排出動作は、回転盤221の中心227に対して対称な位置関係にある2つのポケットユニット28の両方の3つのポケット223に部品1が搭載されているグループの内から、排出用ピックアップユニットに最も近いグループを選択して、12時と6時の位置に当該グループのポケットユニット28を移動する。(S204)
そして、図示しないピックアップユニットを使用して、ポケットユニット28の3つのポケット223から部品1を一度に搬送トレイ231の3つのポケット232に排出する。(S205)
この時、3時の位置のポケットユニット28のポケット223がもし空であって、ボウルフィーダ10からの部品1の供給が可能であれば、同時に図示しないピックアップユニットを使用して部品供給動作を行う。(S206)
【0048】
次に、S201において、状態Bが形成されていなかった場合(S201−NO)について説明する。
制御装置250は、インデックスステージ220への部品1の供給動作(S208)を指示する。
まず、全てのグループについて、ポケットユニット28に部品1が搭載されていないかを調べる。(S208)
次に、回転盤221の中心227に対して対称な位置関係にあるポケットユニット28の内、片方だけのポケット223が空である組み合わせが存在するか否かをチェックする。(S209)
両方のポケットユニット28に部品1が搭載されていない場合、(インデックスステージの全てのポケットが空の場合もこれに含まれる)最も近い空ポケットユニット28を、図2の3時の位置に移動して(S210)部品1をポケットユニット28に供給する。(S212)
【0049】
2つのポケットユニット28の片方にのみ部品1があって、もう片方のポケットユニット28が空の組み合わせが存在する場合は、当該ポケットユニット28を3時の位置に移動させて(S211)、部品1を供給し(S212)、これを繰り返す。
【0050】
このようにして、1つのグループの回転盤221の中心227に対して対称な位置関係にある2つのポケットユニット28のポケット223に部品1が搭載される。
さらに、これを繰り返せばインデックスステージ220に状態Bが完成する。
【0051】
状態Bが完成した後は、搬送シャトル230への部品1の排出要求を示すフラグが上がっているか、降りているかで動作が異なる。
部品排出要求のフラグが降りている場合は、上述の部品供給動作を繰り返す。
部品排出要求のフラグが上がった場合は、先に述べた部品排出動作を行う。
【0052】
この実施の形態の装置200は、部品排出動作1回で、搬送トレイ231の全てのポケット232に部品を搭載できることになる。
搬送シャトル230が組立ステージ40側に移動すると、部品1の排出要求のフラグは降ろされる。
次に再度、部品1の排出要求のフラグが上がるまでは、再び部品供給動作を繰り返せばよい。
ボウルフィーダ10からの部品1の供給が連続的で途切れることがないと仮定すれば、インデックスステージ220のグループ数は1つだけでも良い。
しかしながら、実際には前述のとおり、ボウルフィーダ10からの部品1の供給は、時間的にランダムであるため、インデックスステージ220への部品1の供給と、搬送シャトル230への部品1の排出動作を繰り返しながら、ボウルフィーダ10からの部品1の供給に余裕がある時に他のグループのポケットユニット28にも部品1を移載してストックする。
このように装置200を制御することで、ボウルフィーダ10からの部品1の供給が一時的に途切れた時でも、他のいずれかのグループから、搬送シャトル230への部品1の供給を継続できる。
【0053】
本発明の実施の形態2に係る装置200によれば、実施の形態1で述べた効果に加えて、組立工程で必要な全ての部品を一度に排出、運搬できるので、余裕のある部品供給が可能となる。
【符号の説明】
【0054】
1 小型金属部品、10 ボウルフィーダ、11 ボウル容器、
100,200 部品供給装置、12 搬送路、13 プッシャ、
20,220 インデックスステージ、21 回転盤、22,222 ガイド盤、
221 回転盤、23,223 ポケット、230 搬送シャトル、
231 搬送トレイ、232 ポケット、24 部品供給口、25 部品排出口、
26 プッシャ、27,227 中心、28 ポケットユニット、30 搬送シャトル、31 搬送トレイ、32 ポケット、40 組立ステージ、50,250 制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品をストックする部品ストック手段と、
前記部品の外形の特徴を利用することにより前記部品の表裏・前後・左右の判定をして前記部品を所定の姿勢に整列する部品整列手段と、
回転盤の周囲に等間隔に放射状に設けたポケットに、整列した前記部品をストックするインデックスステージとを有し、
前記インデックスステージは、
前記インデックスステージの外周部であって、前記回転盤の中心に対して対称な位置に、2ケ所の部品排出部を有し、
それぞれの前記部品排出部に対して、前記中心からいずれも90度となる前記外周部に1ケ所の部品供給部を有する部品供給装置。
【請求項2】
前記ポケットの数は、20個〜40個の範囲内で、かつ4の倍数である請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
2ケ所の前記部品排出部から同時に前記部品を排出すると同時に、前記部品供給部から前記部品を前記インデックスステージの前記ポケットに供給する請求項1又は請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記ポケットの数は、1ケ所の前記部品排出部から一度に排出する部品の数の倍数である請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記排出部から排出された1組の前記部品を、互いに正対する位置関係を保って搬送する1組の部品搬送シャトルを備えた請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記部品搬送シャトルは、前記部品を使用する組立工程のサイクルタイムに合わせて、連続的に前記部品を前記組立工程に搬送する請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記ポケットの内、前記中心に対して、順に90度の位相差を有する位置関係にある4つのポケットを1つのグループとしてグループ分けを行い、少なくとも1つのグループの、前記中心に対して対称な位置関係にある2つの前記ポケットの両方に前記部品が搭載されている状態を維持できるように、前記インデックスステージの回転を制御する請求項2又は請求項3に記載の部品供給装置の部品供給方法。
【請求項8】
前記ポケットの内、前記中心に対して、順に90度の位相差を有する位置関係にある4つのポケットを1つのグループとしてグループ分けを行い、少なくとも前記部品排出部から一度に排出する部品の数と同じ数のグループの、前記中心に対して対称な位置関係にある2つの前記ポケットの両方に前記部品が搭載されている状態を維持できるように、前記インデックスステージの回転を制御する請求項4に記載の部品供給装置の部品供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−240828(P2012−240828A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115298(P2011−115298)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】