説明

部品管理システム

【課題】 企業としての方針(自社への協力度や環境対応度等)を満たしつつ、各事業所の製品特性に適した部品(品質等が適切な部品)を選択させるようにすること。
【解決手段】 採用部品の候補それぞれについて、企業推奨度合いの情報と事業所推奨度合いの情報とを設計者用端末11のCRT14に表示するようにした。そのため、それら両推奨度合いの大きい部品の採用をA事業所の設計者に選択させることができ、その結果、企業としての方針(自社への協力度や環境対応度等)を満たしつつ、各事業所で製造する製品に適した部品(品質等が適切な部品)を設計者に選択させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織の各部門での製品等に採用する部品(採用部品)を選択するときに、その採用部品を複数の部品から選択するための部品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な製品を開発・製造するために、各企業は多くの部品を購入している。しかし、部品は頻繁に価格や性能が改変されるので、企業として部品に関する情報を各事業書で選択し易いようにデータベースに登録して一括して管理を行っている。その際、部品の選択に客観性を持たせるために、企業としての方針に基づいて、どの部品を推奨するかを全社の推奨度合い情報として定め、各事業所が部品を採用する際の参考情報としている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003―178113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術にあっては、企業としての推奨度合いの情報、つまり、企業としての方針の満足度合いのみを示す情報を表示するようになっているため、例えば、精度の高い製品を製造する事業所での採用部品の候補として低精度の部品が提示されたり、安価な量産品を製造する事業所での採用部品の候補として高価な部品が提示されたりし、その結果、各事業所の製品特性に適した部品採用が阻害されてしまう恐れがあった。
【0004】
本発明は、上記従来技術の未解決の問題点を解決することを目的とするものであって、組織としての方針を満たしつつ、当該組織の各部門の製品特性に適した部品を選択させることができる部品管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、第1の発明である部品管理システムは、組織の各部門での採用部品を複数の部品から選択するための部品管理システムであって、前記複数の部品それぞれについて前記組織としての推奨度合いの情報と前記各部門としての推奨度合いの情報とを格納する格納手段と、前記採用部品の候補を特定可能な情報が入力されると、その入力された情報で特定される前記採用部品の候補に対応する情報を前記格納手段に格納されている情報から検索する検索手段と、その検索された情報を提示する提示手段とを備えたことを特徴とする。なお、組織としては、複数の部門を含むものであればよく、例えば、企業や企業の事業所等を挙げることができる。また、部門としては、一つの組織を構成するものであればよく、例えば、企業の事業所や部等を挙げることができる。さらに、採用部品の候補を特定可能な情報としては、採用部品の候補の型名や、部品分類等の情報を挙げることができる。また、情報を提示する方法としては、その情報に対応する画像や文字をディスプレイに表示する方法や、音声をスピーカで出力する方法等を挙げることができる。
【0006】
この第1の発明によれば、採用部品の候補それぞれについて組織としての推奨度合いの情報と各部門としての推奨度合いの情報とを提示することができる。そのため、それら両推奨度合いの大きい部品の採用を選択させることができ、その結果、組織としての方針を満たしつつ、当該組織の各部門で製造する製品に適した部品を選択させることができる。
また、第2の発明である部品管理システムにあっては、組織の各部門での採用部品を複数の部品から選択するための部品管理システムであって、前記複数の部品それぞれについて前記組織としての推奨度合いの情報と前記各部門としての推奨度合いの情報とを格納する格納手段と、前記採用部品の候補を特定可能な情報が入力されると、その入力された情報で特定される前記採用部品の候補に対応する情報を前記格納手段に格納されている情報から検索する検索手段と、その検索された情報に基づいて前記採用部品の候補の総合的な推奨度合いを判定する判定手段と、その判定結果の情報を提示する提示手段とを備えたことを特徴とする。なお、採用部品の総合的な推奨度合いの判定結果の情報を提示する方法としては、◎、○、×等の記号をディスプレイに表示する方法を挙げることができる。
【0007】
さらに、第3の発明である部品管理システムにあっては、前記組織としての推奨度合いと前記部門としての推奨度合いとの組み合わせに応じて前記複数の部品の総合的な推奨度合いを規定するテーブルを備え、前記判定手段は、前記検索手段で検索された情報に基づき、前記テーブルの規定に従って、前記採用部品の候補の総合的な推奨度合いを判定することを特徴とする。なお、総合的な推奨度合いを規定するテーブルは、各部門で同じテーブルを用いるようにしてもよく、各部門毎に異なるテーブルを用いるようにしてもよい。
【0008】
また、第4の発明である部品管理システムにあっては、前記テーブルは、前記組織としての推奨度合いに基づいて前記総合的な推奨度合いの上限を設定することを特徴とする。
これら第2〜第4の発明によれば、採用部品の候補それぞれについて総合的な推奨度合い、つまり、組織としての推奨度合いの情報と各部門としての推奨度合いの情報とを総合した推奨度合いを利用者に提示することができる。そのため、その提示された総合的な推奨度合いが大きい部品を選択させることで、組織としての推奨度合いと各部門としての推奨度合いの大きい部品の採用を選択させることができ、その結果、組織としての方針を満たしつつ、当該組織の各部門で製造する製品に適した部品を選択させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の部品管理システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
<部品管理システムの構成>
図1は、本実施形態の部品管理システムの概略構成を示すブロック図である。この図1に示すように、部品管理システム1は、企業の本体となる本社に設けられた本社用システム2及び、本社から分かれて設けられた3つの事業所(A事業所、B事業所及びC事業所)それぞれに設けられた事業所用システム3を含んで構成され、各システム2及び3は、インターネット4を介して互いにデータ通信可能に接続されている。
【0010】
本社用システム2は、複数の本社判断入力用端末5、部品情報データベースサーバ6及び部品情報データベース7を含んで構成され、部品情報データベース7を除く各部は、本社用LAN8を介して互いにデータ通信可能に接続されている。また、本社用システム2は、インターネットゲートウェイ9、インターネット4及びインターネットゲートウェイ13(後述)を介して設計者用端末11(後述)ともデータ通信可能に接続されている。
【0011】
ここで、本社判断入力用端末5は、文字キー等の各種キーを備えたキーボード(不図示)や、マウス(不図示)等の入力デバイスを備えている。そして、本社判断入力用端末5は、キーボード(不図示)や、マウス(不図示)が操作され、部品分類、部品の型名、メーカ名及び企業推奨度合いの情報が利用者によって入力されると、それらの情報を部品情報データベース7に格納させるSQL(S tructured Query Language)文(以下、「本社判断格納指令文」とも呼ぶ。)を部品情報データベースサーバ6に送信する。
【0012】
なお、企業推奨度合いは、各部品について企業としての推奨度合いを示す情報であり、1.採用を積極的に推奨する部品であることを示す「推奨品」、2.所定の用途(例えば、パソコン)で標準品として使用する部品(「推奨品」の次に推奨する部品)であることを示す「用途標準」、3.所定の機種(例えば、パソコンの特定機種)で標準品として使用する部品(「用途標準」の次に推奨する部品)であることを示す「機種標準」、4.新規に登録した部品(「機種標準」の次に推奨する部品)であることを示す「新規品」、5.特殊な製品や特殊な目的に使われる部品(推奨しない部品)であることを示す「特殊品」、6.採用してはいけない部品であることを示す「採用不可」、7.生産が中止または終了した部品(推奨しない部品)であることを示す「廃型」、8.廃型となった製品の保守用として使われる部品(推奨しない部品)であることを示す「廃型保守」、9.登録を審査中の部品(まだ推奨されていない部品)であることを示す「保留」等を挙げることができる。
【0013】
また、部品情報データベースサーバ6は、本社判断入力用端末5から本社判断格納指令文が送信されると、その本社判断格納指令文に応じた情報(部品分類、部品の型名、メーカ名及び企業推奨度合いの情報)を部品情報データベース7に格納させる。また、部品情報データベースサーバ6は、事業所判断入力用端末10(後述)から事業所判断格納指令文(後述)が送信されると、その事業所判断格納指令文に応じた情報(部品分類、部品の型名、メーカ名、事業所推奨度合い及び事業所資材コード(事業所固有の部品ID)の情報)を部品情報データベース7に格納させる。さらに、部品情報データベースサーバ6は、設計者用端末11(後述)から検索指令文(後述)が送信されると、その検索指令文に応じた部品分類に対応する部品に関する全ての情報を、部品情報データベース7に格納されている情報から検索し、その検索結果を設計者用端末11(後述)に送信する。なお、事業所推奨度合いは、各部品について事業所としての推奨度合いを示す情報であり、企業推奨度合いと同様に、「推奨品」、「用途標準」、「機種標準」、「新規品」、「特殊品」、「採用不可」、「廃型」、「廃型保守」、「保留」等を挙げることができる。
【0014】
さらに、部品情報データベース7は、図2に示すように、各部品について、部品分類、部品の型名、メーカ名、企業推奨度合い、A事業所推奨度合い(A事業所の事業所判断入力用端末10(後述)から入力された事業所推奨度合い)、A事業所資材コード(A事業所の事業所判断入力用端末10(後述)から入力された事業所資材コード)、B事業所推奨度合い(B事業所の事業所判断入力用端末10(後述)から入力された事業所推奨度合い)、B事業所資材コード(B事業所の事業所判断入力用端末10(後述)から入力された事業所資材コード)、C事業所推奨度合い(C事業所の事業所判断入力用端末10(後述)から入力された事業所推奨度合い)及びC事業所資材コード(C事業所の事業所判断入力用端末10(後述)から入力された事業所資材コード)等の情報を格納する。
【0015】
さらに、図1に戻って、事業所用システム3は、複数の事業所判断入力用端末10及び複数の設計者用端末11を含んで構成され、各部は、事業所用LAN12を介して互いにデータ通信可能に接続されている。また、事業所用システム3は、インターネットゲートウェイ13、インターネット4及びインターネットゲートウェイ9を介してデータベースサーバ7ともデータ通信可能に接続されている。
【0016】
ここで、事業所判断入力用端末10は、文字キー等の各種機能キーを備えたキーボード(不図示)や、マウス(不図示)等の入力デバイスを備えている。そして、事業所判断入力用端末10は、キーボード(不図示)やマウス(不図示)が操作され、部品分類、部品の型名、メーカ名、事業所推奨度合い及び事業所資材コードの情報が利用者によって入力されると、それらの情報を部品情報データベース7に格納させるSQL文(以下、「事業所判断格納指令文」とも呼ぶ。)を部品情報データベースサーバ6に送信する。
【0017】
さらに、設計者用端末11は、文字キー等の各種キーを備えたキーボード(不図示)やマウス(不図示)等の入力デバイスと、CRT(Cathode-Ray Tube)14等の出力デバイスとを備えている。そして、設計者用端末11は、キーボード(不図示)やマウス(不図示)が操作され、部品分類が設定されている回路図のCADデータから任意の部品図が利用者によって指定されると、その指定された部品図の部品分類(採用部品の候補を特定可能な情報)を当該CADデータに基づいて検出し、その検出された部品分類に対応する部品(採用部品の候補)に関する全ての情報(部品分類、部品の型名、メーカ名、企業推奨度合い、A事業所推奨度合い、A事業所資材コード、B事業所推奨度合い、B事業所資材コード、C事業所推奨度合い及びC事業所資材コード)を、部品情報データベース7に格納されている情報から検索させ、その検索結果を送信させるSQL文(以下、「検索指令文」とも呼ぶ。)を部品情報データベースサーバ6に送信する。また、設計者用端末11は、部品情報データベースサーバ6から検索結果が送信されると、その検索結果に含まれている情報(採用部品の候補に関する情報)をCRT14に表示する。
【0018】
<部品情報データベースに情報を格納させる手順>
次に、部品情報データベース7に、各部品の情報を格納させる手順を説明する。
まず、本社の審査部門で、自社への協力度や環境対応度等に基づいて、各部品の企業推奨度合いを決定した後、その審査部門の構成員(審査員)が、各部品について部品分類、部品の型名、メーカ名及び企業推奨度合いの情報を本社判断入力用端末5にそれぞれ入力したとする。すると、本社判断入力用端末5によって、それらの情報に応じた本社判断格納指令文が部品情報データベースサーバ6にそれぞれ送信され、部品情報データベースサーバ6によって、それらの本社判断格納指令文に応じた情報、つまり、部品分類、部品の型名、メーカ名及び企業推奨度合いの情報が部品情報データベース7に格納される。
【0019】
また、各事業所(A事業所、B事業所、C事業所)毎に設計部門や製造部門、購買部門等の各部門の協議で、納品の迅速さや、供給する部品の品質及び価格等に基づいて、各事業所で製造している製品に適した部品の推奨度合いが大きくなるように事業所推奨度合いを決定した後、いずれかの部門の構成員が、その事業所推奨度合いが決定された部品について、部品分類、部品の型名、メーカ名、事業所推奨度合い及び事業所資材コードの情報を事業所判断入力用端末10にそれぞれ入力したとする。すると、事業所判断入力用端末10によって、それらの情報に応じた事業所判断格納指令文が部品情報データベースサーバ6にそれぞれ送信され、部品情報データベースサーバ6によって、それらの事業所判断格納指令文に応じた情報、つまり、部品分類、部品の型名、メーカ名、事業所推奨度合い及び事業所資材コードの情報が部品情報データベース7に格納される。
【0020】
<部品管理システムの動作>
次に、本実施形態の部品管理システム1の動作を具体的状況に基づいて説明する。
まず、各部品に部品分類を設定した回路図のCADデータから、A事業所の設計者が「コンデンサ」の部品図をA事業所の設計者用端末11に指定したとする。すると、設計者用端末11によって、その指定された部品図の部品分類「コンデンサ」が当該CADデータに基づいて検出され、その検出された部品分類「コンデンサ」に応じた検索指令文が部品情報データベースサーバ6に送信される。そして、部品情報データベースサーバ6によって、その検索指令文に応じた部品分類「コンデンサ」に対応する部品に関する全ての情報、つまり、採用部品の候補の部品分類、部品の型名、メーカ名、企業推奨度合い、A事業所推奨度合い、A事業所資材コード、B事業所推奨度合い、B事業所資材コード、C事業所推奨度合い及びC事業所資材コードが、部品情報データベース7に格納されている情報から検索され、その検索結果が設計者用端末11に送信され、設計者用端末11によって、その検索結果に含まれている情報がCRT14に表示される。
【0021】
このように、本実施形態の部品管理システム1にあっては、採用部品の候補それぞれについて、企業推奨度合いの情報とA事業所推奨度合いの情報とを設計者用端末11のCRT14に表示することができる。そのため、それら両推奨度合いの大きい部品の採用をA事業所の設計者に選択させることができ、その結果、企業としての方針(環境対応度等)を満たしつつ、A事業所で製造する製品に適した部品を選択させることができる。
【0022】
また、他の事業所の事業所推奨度合い(B事業所推奨度合い及びC事業所推奨度合い)の情報も設計者用端末11のCRT14に表示することができる。そのため、CRT14に表示された情報のなかに、A事業所、つまり、自己の事業所の事業所推奨度合いの情報がないときには、自己の事業所の推奨度合いに代えて、自己の製品に一番近い製品を取り扱っている事業所の事業所推奨度合いの情報を参考にすることで、A事業所の設計者に適切な部品を選択させることができる。いいかえれば、自己の事業所の事業所推奨度合いの情報が表示されていないときには、企業としての方針をかろうじて満たす部品、つまり、企業推奨度合いが低い部品であるが、自己の製品に一番近い製品を取り扱っている事業所の事業所推奨度合いがとても高い部品を積極的に選択させることもでき、例えば、企業推奨度合い及び自己の事業所の事業所推奨度合いのみをCRT14に表示する方法に比べ、各事業所で製造する製品に適した部品をより適切に選択させることができる。
【0023】
ちなみに、企業推奨度合い及び自己の事業所の事業所推奨度合いのみを表示し、他の事業所の事業所推奨度合いを表示しない方法にあっては、CRT14に表示された情報のなかに、自己の事業所の推奨度合いの情報がなく、企業推奨度合いの情報しか表示されなかったときには、企業としての方針を満たすことができる部品を選択させることができるものの、自己の事業所で製造する製品に適した部品を選択させることができない。
【0024】
<第2実施形態>
次に、本発明の部品管理システムの第2実施形態を図面に基づいて説明する。
この第2実施形態は、企業推奨度合いの情報と事業所推奨度合いの情報とを表示することに代えて、それらの情報に基づいて、採用部品の候補の総合的な推奨度合い(以下、「総合推奨度合い」とも呼ぶ。)を判定し、その判定結果(総合推奨度合い)を、設計者用端末11のCRT14に表示するようにした点が、前記第1実施形態と異なる。
具体的には、部品情報データベースサーバ6は、図3に示すように、企業推奨度合いと事業所推奨度合いとの組み合わせに応じて総合推奨度合いを規定する(例えば、企業推奨度合いが「推奨品」であり、事業所推奨度合いが「機種標準」であるときの総合推奨度合いを「○」と規定する)テーブルを備えている。そして、部品情報データベースサーバ6は、設計者用端末11から検索指令文が送信されると、その検索指令文に応じた部品分類に対応する部品(採用部品の候補)に関する全ての情報を、部品情報データベース7に格納されている情報から検索し、その検索結果に含まれる企業推奨度合いの情報と、前記送信された検索指令文の送信元の設計者用端末11を備えている事業所の事業所推奨度合いの情報とに基づき、前記テーブルの規定に従って、当該採用部品の候補の総合推奨度合いを判定し、その判定結果を設計者用端末11に送信するようになっている。
【0025】
なお、総合推奨度合いとしては、採用を積極的に推奨する部品であることを示す「◎」、採用できる部品(「◎」の次に推奨する部品)であることを示す「○」、採用してはいけない部品であることを示す「×」及び総合推奨度合いを判定できるほどの情報がない部品であることを示す「_(空欄)」等を挙げることができる。また、図3のテーブルは、企業推奨度合いに基づいて、取りうる総合推奨度合いの上限が設定されている。つまり、全社推奨度合いが「推奨品」や「用途標準」である場合には総合推奨度合いの上限は「◎」となるが、全社推奨度合いが「機種標準」や「新規品」である場合には総合推奨度合いの上限は「○」となり、全社推奨度合いが「特殊品」、「採用不可」、「廃型」、「廃型保守品」、「保留」、「_(空欄)」であると、総合推奨度合いは全て「×」となる。
【0026】
また、設計者用端末11は、部品情報データベースサーバ6から総合推奨度合いの判定結果が送信されると、その判定結果(総合推奨度合い)の情報をCRT14に表示する。
このように、本実施形態の部品管理システム1にあっては、採用部品の候補それぞれについて、総合推奨度合い、つまり、企業推奨度合いの情報と自身の事業所の事業所推奨度合いの情報とを総合した推奨度合いを設計者用端末11に表示することができる。そのため、その表示された総合推奨度合いが大きい部品を選択させることで、企業としての推奨度合いと各事業所としての推奨度合いの大きい部品の採用を選択させることができ、その結果、企業としての方針(自社への協力度や、環境対応度等)を満たしつつ、各事業所で製造する製品に適した部品(品質等が適切な部品)を選択させることができる。
【0027】
なお、上記実施形態では、検索指令文の送信元の設計者用端末11を備えている事業所(送信元事業所)の事業所推奨度合いと企業推奨度合いの情報との組み合わせに応じて総合推奨度合いを設定する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、送信元事業所の事業所推奨度合いの情報が格納されていない場合には、送信元事業所の推奨度合いに代えて、送信元事業所の製品に一番近い製品を取り扱っている事業所の推奨度合いと企業推奨度合いの情報との組み合わせに応じて総合推奨度合いを設定してもよい。
【0028】
以上、図1の部品情報データベース7が特許請求の範囲に記載の格納手段を構成し、以下同様に、図1の部品情報データベースサーバ6及び設計者用端末11が検索手段を構成し、図1の設計者用端末11及びCRT14が提示手段を構成する。
なお、本発明の部品管理システムは、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0029】
例えば、自社への協力度や環境対応度等に基づいて企業推奨度合いを設定し、納品の迅速さや、供給する部品の品質及び価格等に基づいて事業所推奨度合いを設定する例、つまり、企業推奨度合いと事業所推奨度合いとを異なる基準を用いて設定する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、事業所推奨度合いの設定に用いられた納品の迅速さや価格等を用いて企業推奨度合いを設定するようにしてもよく、また、企業推奨度合いの設定に用いられた情報に基づいて事業所推奨度合いを設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の部品管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の部品情報データベースに格納される情報を説明するための説明図である。
【図3】採用部品の候補の総合的な推奨度合いを判定するためのテーブルである。
【符号の説明】
【0031】
1は部品管理システム
2は本社用システム
3は事業所用システム
4はインターネット
5は本社判断入力用端末
6は部品情報データベースサーバ
7は部品情報データベース
8は本社用LAN
9はインターネットゲートウェイ
10は事業所判断入力用端末
11は設計者用端末
12は事業所用LAN
13はインターネットゲートウェイ
14はCRT

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の各部門での採用部品を複数の部品から選択するための部品管理システムであって、
前記複数の部品それぞれについて前記組織としての推奨度合いの情報と前記各部門としての推奨度合いの情報とを格納する格納手段と、前記採用部品の候補を特定可能な情報が入力されると、その入力された情報で特定される前記採用部品の候補に対応する情報を前記格納手段に格納されている情報から検索する検索手段と、その検索された情報を提示する提示手段とを備えたことを特徴とする部品管理システム。
【請求項2】
組織の各部門での採用部品を複数の部品から選択するための部品管理システムであって、
前記複数の部品それぞれについて前記組織としての推奨度合いの情報と前記各部門としての推奨度合いの情報とを格納する格納手段と、前記採用部品の候補を特定可能な情報が入力されると、その入力された情報で特定される前記採用部品の候補に対応する情報を前記格納手段に格納されている情報から検索する検索手段と、その検索された情報に基づいて前記採用部品の候補の総合的な推奨度合いを判定する判定手段と、その判定結果の情報を提示する提示手段とを備えたことを特徴とする部品管理システム。
【請求項3】
前記組織としての推奨度合いと前記部門としての推奨度合いとの組み合わせに応じて前記複数の部品の総合的な推奨度合いを規定するテーブルを備え、前記判定手段は、前記検索手段で検索された情報に基づき、前記テーブルの規定に従って、前記採用部品の候補の総合的な推奨度合いを判定することを特徴とする請求項2に記載の部品管理システム。
【請求項4】
前記テーブルは、前記組織としての推奨度合いに基づいて前記総合的な推奨度合いの上限を設定することを特徴とする請求項3に記載の部品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−18344(P2006−18344A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192521(P2004−192521)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】