説明

部品運搬用容器

【課題】塵、埃等の異物の混入を防止することができ、段積みした際の占有スペースを縮小させることができる部品運搬用容器を提供すること。
【解決手段】部品運搬用容器1は、本体側収容部22及び本体側凹状空間23を備えた容器本体2と、蓋側収容部32及び蓋側凹状空間33を備えた容器蓋3とからなる。部品運搬用容器1は、複数の部品運搬用容器1を相互に180°位相をずらした状態で上下に段積みしたときには、上側の部品運搬用容器1Aにおける本体側凹状空間23に、下側の部品運搬用容器1Bにおける蓋側収容部32が配置されると共に、下側の部品運搬用容器1Bにおける蓋側凹状空間33に、上側の部品運搬用容器1Aにおける本体側収容部22が配置されて、上側の部品運搬用容器1Aにおける容器蓋3の最外形ラインLAと、下側の部品運搬用容器1Bにおける容器蓋3の最外形ラインLBとが上下方向において一致するよう構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体と容器蓋とによって、複数の軸状部品を収容して運搬するための部品運搬用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、オートマチックトランスミッション等の油圧回路においては、油圧力によってスライドするリニアソレノイド用バルブ等の軸状部品が多用されている。この軸状部品は、リニアソレノイド(油圧制御弁)のバルブ部内をスライドさせるため、リニアソレノイドに組み付ける際には、静電気等により塵、埃等の異物が付着していないことが必要である。そして、軸状部品を製造する製造工程と、軸状部品をリニアソレノイドに組み付ける組付工程とは、別々になっている。そのため、製造工程において製造した多数の軸状部品は、所定形状の部品運搬用容器内に収容して、組付工程まで運搬する。
【0003】
しかしながら、従来の部品運搬用容器においては、その形状に特別な工夫を行っていなかった。そのため、組付工程を行う前には、多数の軸状部品を部品運搬用容器内から取り出し、この多数の軸状部品の洗浄を行い、この多数の軸状部品に付着した塵、埃等の異物を除去していた。
従って、従来の部品運搬用容器によって運搬した多数の軸状部品は、組付工程を行う前に必ず洗浄工程を行う必要があった。
【0004】
また、従来の部品運搬用容器においては、この部品運搬用容器同士を上下に段積みしたときに、当該上下の部品運搬用容器が占める体積を縮小するための工夫はなされていなかった。そのため、例えば、複数の部品運搬用容器を段積みした状態で運搬用箱内に配置し、この運搬用箱によってまとめて複数の部品運搬用容器を運搬する際には、運搬用箱内にコンパクトに複数の部品運搬用容器を収納するためには十分ではなかった。
また、複数の部品運搬用容器を段積みした状態で保管する際にも、複数の部品運搬用容器が占有するスペースを縮小するためには十分ではなかった。
【0005】
ところで、例えば、引用文献1においては、複数の卵を収容して運搬するための業務用のプラスチック製卵容器が開示されている。このプラスチック製卵容器においては、3つの容器本体と蓋体とを用いて、容器本体の積み重ね状態においても多数の卵を安定して保持することができる工夫が行われている。すなわち、このプラスチック製卵容器は、3つの容器本体を90度づつ交互に水平回転させて、その向きを変えて積み重ねることにより、容器本体同士の間の空間を有効に利用して、多数の卵を運搬中においても落下しないよう安定して保持するよう構成されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1のプラスチック製卵容器においても、塵、埃等の異物の混入を防止するための工夫はなされておらず、複数の部品運搬用容器を段積みした際の占有スペースを縮小させるための工夫はなされていない。
【0007】
【特許文献1】登録実用新案第3064181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、塵、埃等の異物の混入を防止することができ、段積みした際の占有スペースを縮小させることができる部品運搬用容器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下側に配置する容器本体と、該容器本体の開口部を上側から覆う容器蓋とからなり、該容器本体と該容器蓋とを合わせたときに、該容器本体によって複数の軸状部品の軸方向一方側を収容すると共に該容器蓋によって上記複数の軸状部品の軸方向他方側を収容するよう構成した部品運搬用容器であって、
上記容器本体は、本体側基準板部から下方に突出して成形され上記複数の軸状部品の軸方向一方側を内部に配置するための複数の本体側収容部と、上記本体側基準板部の下側面において上記複数の本体側収容部に囲まれて形成された複数の本体側凹状空間とを有しており、
上記容器蓋は、蓋側基準板部から上方に突出して成形され上記複数の軸状部品の軸方向他方側を内部に配置するための複数の蓋側収容部と、上記蓋側基準板部の上側面において上記複数の蓋側収容部に囲まれて形成された複数の蓋側凹状空間とを有しており、
上記容器蓋の上記蓋側基準板部の縁部の全周には、上記容器本体の上記本体側基準板部の縁部の全周を覆うためのフランジが起立して形成してあり、
当該2つの部品運搬用容器を相互に90°又は180°位相をずらした状態で上下に段積みしたときには、上側の部品運搬用容器における上記本体側凹状空間に、下側の部品運搬用容器における上記蓋側収容部が配置されると共に、下側の部品運搬用容器における上記蓋側凹状空間に、上側の部品運搬用容器における上記本体側収容部が配置されて、上側の部品運搬用容器における上記容器蓋の最外形ラインと、下側の部品運搬用容器における上記容器蓋の最外形ラインとが上下方向において一致するよう構成してあることを特徴とする部品運搬用容器にある(請求項1)。
【0010】
本発明の部品運搬用容器は、容器本体と容器蓋とによって、複数の軸状部品を収容して運搬するものである。この部品運搬用容器においては、容器本体の本体側基準板部の対向内側面と、容器蓋の蓋側基準板部の対向内側面とを合わせて、複数の軸状部品を収容する際には、容器本体の各本体側収容部と、容器蓋の各蓋側収容部とによって各軸状部品をそれぞれ保持する。このとき、容器本体の本体側基準板部の縁部の全周を、容器蓋の蓋側基準板部の縁部の全周に形成したフランジによって覆うことができる。
【0011】
これにより、複数の軸状部品を部品運搬用容器によって収容したときには、容器本体と容器蓋との間の隙間から、各本体側収容部内及び各蓋側収容部内へ、塵、埃等の異物が混入してしまうことを防止することができる。そのため、例えば、複数の軸状部品の製造を行った後、部品運搬用容器内に収容した複数の軸状部品は、種々のボディ等の部材に組み付ける前に、洗浄を行うことを不要にすることができる。
【0012】
また、本発明の部品運搬用容器においては、複数の部品運搬用容器を上下に段積みした際の占有スペースを縮小させるための工夫を行っている。
すなわち、本発明の部品運搬用容器は、2つの部品運搬用容器を相互に90°又は180°位相をずらした状態(向きを変えた状態)で上下に段積みしたときには、上側の部品運搬用容器における本体側凹状空間に、下側の部品運搬用容器における蓋側収容部が配置されると共に、下側の部品運搬用容器における蓋側凹状空間に、上側の部品運搬用容器における本体側収容部が配置されて、上側の部品運搬用容器における容器蓋の最外形ラインと、下側の部品運搬用容器における容器蓋の最外形ラインとが上下方向において一致するよう構成してある。
【0013】
これにより、上下に段積みした複数の部品運搬用容器が、上下方向及び水平方向(上下方向に直交する方向)において占める占有スペースを縮小することができる。
従って、本発明の部品運搬用容器は、例えば、複数の部品運搬用容器を段積みすると共に、この段積み状態の複数の部品運搬用容器を水平方向に整列配置した状態で、運搬用箱内に配置するときには、この運搬用箱内にコンパクトに収納することができる。また、本発明の部品運搬用容器は、例えば、複数の部品運搬用容器を段積みすると共に、段積み状態の複数の部品運搬用容器を水平方向に整列配置した状態で保管するときには、これらの部品運搬用容器が占める占有スペースを縮小することができる。
【0014】
それ故、本発明の部品運搬用容器によれば、塵、埃等の異物の混入を防止することができ、段積みした際の占有スペースを縮小させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記本体側収容部と蓋側収容部とによって収容する上記軸状部品は、必ずしも同一形状のものである必要はなく、種々の形状のものとすることができる。
【0016】
また、上記容器本体の上記本体側基準板部の縁部は、互いに平行に形成した一対の本体側第1辺部と、該本体側第1辺部と直交して互いに平行に形成した一対の本体側第2辺部とによる略四角形状を有しており、上記容器蓋の上記蓋側基準板部の縁部は、上記本体側第1辺部に沿うよう互いに平行に形成した一対の蓋側第1辺部と、該蓋側第1辺部と直交して、上記本体側第2辺部に沿うよう互いに平行に形成した一対の蓋側第2辺部とによる略四角形状を有しており、上記複数の本体側収容部は、上記本体側第1辺部に平行に所定の第1ピッチ間隔で複数並べると共に上記本体側第2辺部に平行に所定の第2ピッチ間隔で複数並べて、格子状に配列して形成してあり、上記複数の蓋側収容部は、上記蓋側第1辺部に平行に上記第1ピッチ間隔で複数並べると共に上記蓋側第2辺部に平行に上記第2ピッチ間隔で複数並べて、格子状に配列して形成してあり、一方の上記蓋側第1辺部に最も近い位置において該蓋側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部の中心から、当該一方の蓋側第1辺部までの一方側第1寸法は、他方の上記蓋側第1辺部に最も近い位置において該蓋側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部の中心から、当該他方の蓋側第1辺部までの他方側第1寸法に、上記第2ピッチの半分を加えた寸法になっており、一方の上記蓋側第2辺部に最も近い位置において該蓋側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部の中心から、当該一方の蓋側第2辺部までの一方側第2寸法は、他方の上記蓋側第2辺部に最も近い位置において該蓋側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部の中心から、当該他方の蓋側第2辺部までの他方側第2寸法に、上記第1ピッチの半分を加えた寸法になっており、上記部品運搬用容器は、当該2つの部品運搬用容器を相互に180°位相をずらした状態で上下に段積みしたときに、上側の部品運搬用容器における上記容器蓋の最外形ラインと、下側の部品運搬用容器における上記容器蓋の最外形ラインとが上下方向において一致するよう構成することが好ましい(請求項2)。
【0017】
この場合には、平面略四角形状の部品運搬用容器に、多数の軸状部品を格子状に配列して収容することができ、部品運搬用容器の単位面積あたりの軸状部品の収容個数を効果的に増大させることができる。
また、この場合には、一方側第1寸法を、他方側第1寸法に第2ピッチの半分を加えた寸法に形成し、一方側第2寸法を、他方側第2寸法に第1ピッチの半分を加えた寸法に形成したことにより、2つの部品運搬用容器を180°位相をずらした状態(向きを変えた状態)で上下に段積みしたときに、上側の部品運搬用容器における容器蓋の最外形ラインと、下側の部品運搬用容器における容器蓋の最外形ラインとが上下方向において一致する構成を容易に形成することができる。
【0018】
また、上記容器本体の上記本体側基準板部と、上記容器蓋の上記蓋側基準板部とは、略長方形状又は略正方形状に形成することができる。
また、上記第1ピッチ間隔及び上記第2ピッチ間隔で並べて形成した複数の蓋側収容部は、必ずしも本体側第1辺部と本体側第2辺部とに平行な格子状に配列する必要はなく、本体側第1辺部及び本体側第2辺部に対して傾斜する格子状(千鳥掛状)に配列することもできる。この場合には、例えば、互いに隣接する蓋側収容部同士を、45°の角度を有して配列することができる。
【0019】
また、この場合の容器蓋においては、上記一方側第1寸法、他方側第1寸法、一方側第2寸法及び他方側第2寸法は、すべて同じにすることができる。また、上記一方側第1寸法と他方側第1寸法とを同じにし、一方側第2寸法と他方側第2寸法とを同じにすることもできる。そして、容器本体の本体側基準板部及び容器蓋の蓋側基準板部を略正方形状に形成したときには、上下の部品運搬用容器を90°又は180°位相をずらして段積みしたときに、上側の部品運搬用容器における容器蓋の最外形ラインと、下側の部品運搬用容器における容器蓋の最外形ラインとを上下方向において一致させることができる。また、容器本体及び容器蓋を略長方形状に形成したときには、上下の部品運搬用容器を180°位相をずらして段積みしたときに、上側の部品運搬用容器における容器蓋の最外形ラインと、下側の部品運搬用容器における容器蓋の最外形ラインとを上下方向において一致させることができる。
【0020】
また、上記容器本体は、上記本体側基準板部から下方に向けて上記複数の本体側収容部の形成領域の全体を段差状に絞り成形してなる本体側絞り段差部を有しており、上記複数の本体側収容部は、上記本体側絞り段差部からさらに絞り成形してなることが好ましい(請求項3)。
この場合には、本体側基準板部に対して絞り成形した本体側絞り段差部に対し、複数の本体側収容部を絞り成形することができる。そのため、複数の本体側収容部を容易に深く絞り成形することができる。
【0021】
また、上記容器蓋は、上記蓋側基準板部から上方に向けて上記複数の蓋側収容部の形成領域の全体を段差状に絞り成形してなる蓋側絞り段差部を有しており、上記複数の蓋側収容部は、上記蓋側絞り段差部からさらに絞り成形してなることが好ましい(請求項4)。
この場合には、蓋側基準板部に対して絞り成形した蓋側絞り段差部に対し、複数の蓋側収容部を絞り成形することができる。そのため、複数の蓋側収容部を容易に深く絞り成形することができる。
【0022】
また、上記本体側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の本体側収容部同士、及び上記本体側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の本体側収容部同士は、上記本体側基準板部から下方に向けて成形した本体側絞り壁部によって連結してあることが好ましい(請求項5)。
この場合には、容器本体における複数の本体側収容部の強度を容易に向上させることができる。
【0023】
また、上記一対の本体側第1辺部に最も近い位置において該本体側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の本体側収容部同士を連結する上記本体側絞り壁部、及び上記一対の本体側第2辺部に最も近い位置において該本体側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の本体側収容部同士を連結する上記本体側絞り壁部は、残りの上記本体側絞り壁部の深さよりも深く成形してあることが好ましい(請求項6)。
この場合には、容器本体における複数の本体側収容部のうち、最も荷重が加わり易い最外周位置にある本体側収容部の強度を、残りの本体側収容部の強度よりも向上させることができる。
【0024】
また、上記蓋側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部同士、及び上記蓋側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部同士は、上記蓋側基準板部から上方に向けて成形した蓋側絞り壁部によって連結してあることが好ましい(請求項7)。
この場合には、容器蓋における複数の蓋側収容部の強度を容易に向上させることができる。
【0025】
また、上記一対の蓋側第1辺部に最も近い位置において該蓋側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部同士を連結する上記蓋側絞り壁部、及び上記一対の蓋側第2辺部に最も近い位置において該蓋側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部同士を連結する上記蓋側絞り壁部は、残りの上記蓋側絞り壁部の深さよりも深く成形してあることが好ましい(請求項8)。
この場合には、容器蓋における複数の蓋側収容部のうち、最も荷重が加わり易い最外周位置にある蓋側収容部の強度を、残りの蓋側収容部の強度よりも向上させることができる。
【0026】
また、上記容器本体の上記本体側基準板部は、上記本体側第2辺部の中間位置を切り欠いて形成した本体側容器取扱い用凹部を有しており、上記容器蓋の上記蓋側基準板部は、上記蓋側第2辺部の中間位置であって上記本体側容器取扱い用凹部に対応する位置を切り欠いて形成した蓋側容器取扱い用凹部を有しており、上記フランジは、当該蓋側基準板部の形状に沿って形成してあることが好ましい(請求項9)。
この場合には、部品運搬用容器を持つ作業者は、本体側容器取扱い用凹部を覆う蓋側容器取扱い用凹部に指を掛けて、当該部品運搬用容器を持つことができる。そのため、例えば、上記作業者は、水平方向(上下方向に直交する方向)に並べて配置した状態にある部品運搬用容器であっても、容易に持ち上げることができる。
【0027】
また、上記容器本体及び上記容器蓋は、導電性を有する樹脂シート材を真空成形法により成形してなることが好ましい(請求項10)。
この場合には、薄肉かつ軽量の容器本体及び容器蓋を容易に成形することができる。また、静電気等により、容器本体及び容器蓋に、塵、埃等の異物が付着することを効果的に防止することができる。
【0028】
また、上記軸状部品は、リニアソレノイド用バルブであることが好ましい(請求項11)。
この場合には、複数のリニアソレノイド用バルブを、塵、埃等の異物の混入を防止した状態で、安定して部品運搬用容器内に収容することができる。
【実施例】
【0029】
以下に、本発明の部品運搬用容器にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の部品運搬用容器1は、図1〜図4に示すごとく、下側に配置する容器本体2と、この容器本体2の開口部を上側から覆う容器蓋3とからなり、容器本体2と容器蓋3とを合わせたときに、容器本体2によって多数の軸状部品7の軸方向一方側を収容すると共に容器蓋3によって多数の軸状部品7の軸方向他方側を収容するよう構成してある。
【0030】
容器本体2は、図2〜図4に示すごとく、本体側基準板部21から下方に突出して成形され多数の軸状部品7の軸方向一方側を内部に配置するための多数の本体側収容部22と、本体側基準板部21の下側面202において多数の本体側収容部22に囲まれて形成された多数の本体側凹状空間23とを有している。
容器蓋3は、図1、図3、図4に示すごとく、蓋側基準板部31から上方に突出して成形され多数の軸状部品7の軸方向他方側を内部に配置するための多数の蓋側収容部32と、蓋側基準板部31の上側面302において多数の蓋側収容部32に囲まれて形成された多数の蓋側凹状空間33とを有している。
【0031】
また、図3、図4に示すごとく、容器蓋3の蓋側基準板部31の縁部の全周には、容器本体2の本体側基準板部21の縁部の全周を覆うためのフランジ313が起立して形成してある。
そして、図5〜図7に示すごとく、本例の部品運搬用容器1は、2つの当該部品運搬用容器1を相互に180°位相をずらした状態(向きを変えた状態)で上下に段積みしたときには、上側の部品運搬用容器1Aにおける本体側凹状空間23に、下側の部品運搬用容器1Bにおける蓋側収容部32が配置されると共に、下側の部品運搬用容器1Bにおける蓋側凹状空間33に、上側の部品運搬用容器1Aにおける本体側収容部22が配置されて、上側の部品運搬用容器1Aにおける容器蓋3の最外形ラインLAと、下側の部品運搬用容器1Bにおける容器蓋3の最外形ラインLBとが上下方向において一致するよう構成してある。
【0032】
なお、容器蓋3の最外形ラインLA(LB)とは、容器蓋3の蓋側基準板部31の最外形部を結ぶラインのことをいい、図1、図7において、後述する蓋側容器取扱い用凹部35がある場合には、この蓋側容器取扱い用凹部35の形成部分を2点鎖線で補ったラインのことをいう。
【0033】
以下に、本例の部品運搬用容器1につき、図1〜図9と共に詳説する。
図5に示すごとく、本例の部品運搬用容器1において収容し運搬する軸状部品7は、オートマチックトランスミッションの油圧回路を構成するリニアソレノイドのバルブ部内に配置するリニアソレノイド用バルブ7である。このリニアソレノイド用バルブ7は、小径部71と、この小径部71よりも拡径した大径部72とを有しており、大径部72の軸方向端面に加わる油圧力によって、リニアソレノイドのバルブ部内をスライドするものである。
【0034】
また、本例の部品運搬用容器1においては、多数の本体側収容部22と蓋側収容部32とによって、種々の形状のリニアソレノイド用バルブ7を収容することができる。
図8、図9に示すごとく、本例の部品運搬用容器1は、上下方向に段積みすると共に、水平方向(上下に直交する方向)に並べた状態で、箱状の運搬用コンテナ8内に複数個配置し、この運搬用コンテナ8を介してまとめて運搬することができるものである。
また、運搬用コンテナ8は、略矩形状の底部81と、この底部81の4辺の縁部から立設した側壁部82とによって構成されている。そして、本例の運搬用コンテナ8は、2段積み状態の部品運搬用容器1を、横方向に2列、縦方向に3列の状態で収納できるよう構成してある。
【0035】
本例の容器本体2及び容器蓋3は、導電性を有する樹脂シート材を真空成形法により成形してなる。これにより、本例の部品運搬用容器1は、製造コストを低く抑えて、薄肉かつ軽量に成形することができる。本例の容器本体2及び容器蓋3は、導電性を有する材料がプリントされたポリエチレンテレフタレートのシートに真空成形を行って成形してある。本例では、容器本体2及び容器蓋3に、カーボン以外の材料を採用したため、カーボンを使用した場合と比べ、光透過性が高く、部品運搬用容器1内に収容する軸状部品7の視認性に優れている。
【0036】
本例の部品運搬用容器1は、平面略矩形状を有しており、多数の軸状部品7を起立状態で格子状に配列して収容するよう構成してある。
また、図2に示すごとく、容器本体2の本体側基準板部21の縁部は、互いに平行に形成した一対の本体側第1辺部211と、この本体側第1辺部211と直交して互いに平行に形成した一対の本体側第2辺部212とによる略矩形状を有している。また、図1に示すごとく、容器蓋3の蓋側基準板部31の縁部は、本体側第1辺部211に沿うよう互いに平行に形成した一対の蓋側第1辺部311と、この蓋側第1辺部311と直交して、本体側第2辺部212に沿うよう互いに平行に形成した一対の蓋側第2辺部312とによる略矩形状を有している。
【0037】
ここで、本例の容器本体2においては、一対の本体側第1辺部211と平行な方向を横方向Sといい、一対の本体側第2辺部212と平行な方向を縦方向Uという。また、本例の容器蓋3においては、一対の蓋側第1辺部311と平行な方向を横方向Sといい、一対の蓋側第2辺部312と平行な方向を縦方向Uという。
【0038】
図2に示すごとく、本例の多数の本体側収容部22は、本体側第1辺部211に平行に所定の第1ピッチP1の間隔で多数並べると共に、本体側第2辺部212に平行に所定の第2ピッチP2の間隔で多数並べて、格子状に配列して形成してある。そして、本体側収容部22は、容器本体2の本体側基準板部21において、横方向S及び縦方向Uのいずれの方向にも平行に並んで形成されている。
また、図1に示すごとく、本例の多数の蓋側収容部32は、蓋側第1辺部311に平行に上記第1ピッチP1の間隔で多数並べると共に、蓋側第2辺部312に平行に上記第2ピッチP2の間隔で多数並べて、格子状に配列して形成してある。そして、蓋側収容部32は、容器蓋3の蓋側基準板部31において、横方向S及び縦方向Uのいずれの方向にも平行に並んで形成されている。
【0039】
図1に示すごとく、本例の容器蓋3においては、一方の蓋側第1辺部311Aに最も近い位置においてこの蓋側第1辺部311に平行に並ぶ多数の蓋側収容部32の中心から、当該一方の蓋側第1辺部311Aまでの一方側第1寸法S1は、他方の蓋側第1辺部311Bに最も近い位置においてこの蓋側第1辺部311に平行に並ぶ多数の蓋側収容部32の中心から、当該他方の蓋側第1辺部311Bまでの他方側第1寸法S2に、第2ピッチP2の半分を加えた寸法になっている。すなわち、本例の一方側第1寸法S1は、他方の蓋側第1辺部311Bに最も近い位置においてこの蓋側第1辺部311に平行に並ぶ多数の蓋側凹状空間33の中心から、当該他方の蓋側第1辺部311Bまでの他方側凹部第1寸法T1と同じになっている。
【0040】
また、同図に示すごとく、本例の容器蓋3においては、一方の蓋側第2辺部312Aに最も近い位置においてこの蓋側第2辺部312に平行に並ぶ多数の蓋側収容部32の中心から、当該一方の蓋側第2辺部312Aまでの一方側第2寸法U1は、他方の蓋側第2辺部312Bに最も近い位置においてこの蓋側第2辺部312に平行に並ぶ多数の蓋側収容部32の中心から、当該他方の蓋側第2辺部312Bまでの他方側第2寸法U2に、上記第1ピッチP1の半分を加えた寸法になっている。すなわち、本例の一方側第2寸法U1は、他方の蓋側第2辺部312Bに最も近い位置においてこの蓋側第2辺部312に平行に並ぶ多数の蓋側凹状空間33の中心から、当該他方の蓋側第2辺部312Bまでの他方側凹部第2寸法V1と同じになっている。
【0041】
上記各寸法の構成により、図5、図7に示すごとく、複数の部品運搬用容器1を相互に180°位相をずらした状態で上下に段積みしたときに、上側の部品運搬用容器1Aにおける容器蓋3の最外形ラインLAと、下側の部品運搬用容器1Bにおける容器蓋3の最外形ラインLBとを上下方向において一致させることができる。
【0042】
また、図1、図3に示すごとく、本例の容器蓋3は、蓋側基準板部31から上方に向けて多数の蓋側収容部32の形成領域の全体を段差状に絞り成形してなる蓋側絞り段差部310を有している。また、多数の蓋側収容部32は、蓋側絞り段差部310から絞り成形してなる。
そして、本例の容器蓋3は、導電性を有する樹脂シート材から真空成形法により成形する際には、蓋側基準板部31に対して絞り成形した蓋側絞り段差部310に対し、多数の蓋側収容部32をさらに絞り成形して成形することができる。そのため、多数の蓋側収容部32を容易に深く絞り成形することができる。
【0043】
また、図2〜図4に示すごとく、本例の容器本体2においては、本体側第1辺部211に平行に並ぶ多数の本体側収容部22同士、及び本体側第2辺部212に平行に並ぶ多数の本体側収容部22同士は、本体側基準板部21から下方に向けて絞り成形した本体側絞り壁部24によって連結してある。
また、図1、図3、図4に示すごとく、本例の容器蓋3においては、蓋側第1辺部311に平行に並ぶ多数の蓋側収容部32同士、及び蓋側第2辺部312に平行に並ぶ多数の蓋側収容部32同士は、蓋側基準板部31から上方に向けて絞り成形した蓋側絞り壁部34によって連結してある。
【0044】
そして、容器本体2を下側に位置させて複数の部品運搬用容器1を、上下に段積みしたときには、容器蓋3における蓋側収容部32の周りを、容器本体2における本体側絞り壁部24によって囲むことができる。また、このときには、容器本体2における本体側収容部22の周りを、容器蓋3における蓋側絞り壁部34によって囲むことができる。これにより、段積み状態の部品運搬用容器1同士が、互いに水平方向にずれ難くすることができる。
【0045】
また、図4に示すごとく、本例の容器本体2においては、一対の本体側第1辺部211に最も近い位置においてこの本体側第1辺部211に平行に並ぶ多数の本体側収容部22同士を連結する本体側絞り壁部24A、及び一対の本体側第2辺部212に最も近い位置においてこの本体側第2辺部212に平行に並ぶ多数の本体側収容部22同士を連結する本体側絞り壁部24Aは、残りの本体側絞り壁部24の絞り深さよりも深く絞り成形してある。これにより、容器本体2における多数の本体側収容部22のうち、最も荷重が加わり易い最外周位置にある本体側収容部22の強度を、残りの本体側収容部22の強度よりも向上させることができる。
【0046】
また、同図に示すごとく、本例の容器蓋3においては、一対の蓋側第1辺部311に最も近い位置においてこの蓋側第1辺部311に平行に並ぶ多数の蓋側収容部32同士を連結する蓋側絞り壁部34A、及び一対の蓋側第2辺部312に最も近い位置においてこの蓋側第2辺部312に平行に並ぶ多数の蓋側収容部32同士を連結する蓋側絞り壁部34Aは、残りの蓋側絞り壁部34の絞り深さよりも深く絞り成形してある。これにより、容器蓋3における多数の蓋側収容部32のうち、最も荷重が加わり易い最外周位置にある蓋側収容部32の強度を、残りの蓋側収容部32の強度よりも向上させることができる。
【0047】
また、図1、図2に示すごとく、容器本体2の本体側基準板部21は、本体側第2辺部212の中間位置を切り欠いて形成した本体側容器取扱い用凹部25を有している。一方、容器蓋3の蓋側基準板部31は、蓋側第2辺部312の中間位置であって本体側容器取扱い用凹部25に対応する位置を切り欠いて形成した蓋側容器取扱い用凹部35を有している。そして、容器蓋3の蓋側基準板部31の縁部の全周に形成したフランジ313は、蓋側容器取扱い用凹部35の形状を含め蓋側第2辺部312の形状に沿って形成してある。
【0048】
本体側容器取扱い用凹部25及び蓋側容器取扱い用凹部35の形成により、部品運搬用容器1を持つ作業者は、本体側容器取扱い用凹部25を覆う蓋側容器取扱い用凹部35に指を掛けて、当該部品運搬用容器1を持つことができる。そのため、作業者は、運搬用コンテナ8内において、水平方向(上下方向に直交する方向)に並べて配置した状態にある部品運搬用容器1であっても、容易に持ち上げることができる。
【0049】
本例の部品運搬用容器1は、容器本体2を下側にして多数の軸状部品7を本体側収容部22内に配置し、この容器本体2に容器蓋3を被せることにより、多数の軸状部品7を収容して運搬するものである。この部品運搬用容器1においては、容器本体2の本体側基準板部21の対向内側面201と、容器蓋3の蓋側基準板部31の対向内側面301とを合わせて、多数の軸状部品7を収容する際には、容器本体2の各本体側収容部22と、容器蓋3の各蓋側収容部32とによって各軸状部品7をそれぞれ保持する。このとき、容器本体2の本体側基準板部21の縁部の全周を、容器蓋3の蓋側基準板部31の縁部の全周に形成したフランジ313によって覆うことができる。
【0050】
これにより、多数の軸状部品7を部品運搬用容器1によって収容したときには、容器本体2と容器蓋3との間の隙間から、各本体側収容部22内及び各蓋側収容部32内へ、塵、埃等の異物が混入してしまうことを防止することができる。そのため、多数の軸状部品7の製造を行った後、部品運搬用容器1内に収容した多数の軸状部品7(本例ではリニアソレノイド用バルブ7)は、種々のボディ(本例ではリニアソレノイド)等の部材に組み付ける前に、洗浄を行うことを不要にすることができる。
【0051】
また、本例の部品運搬用容器1においては、複数の部品運搬用容器1を上下に段積みした際の占有スペースを縮小させるための工夫を行っている。
すなわち、図5、図7に示すごとく、本例の部品運搬用容器1は、複数の部品運搬用容器1を相互に180°向きを変えた状態で上下に段積みしたときには、上側の部品運搬用容器1Aにおける本体側凹状空間23に、下側の部品運搬用容器1Bにおける蓋側収容部32が配置されると共に、下側の部品運搬用容器1Bにおける蓋側凹状空間33に、上側の部品運搬用容器1Aにおける本体側収容部22が配置されて、上側の部品運搬用容器1Aにおける容器蓋3の最外形ラインLAと、下側の部品運搬用容器1Bにおける容器蓋3の最外形ラインLBとが上下方向において一致するよう構成してある。
【0052】
これにより、容器本体2を下側に位置させて多数の軸状部品7を収容する複数の部品運搬用容器1を、上下に段積みしたときには、この段積みした複数の部品運搬用容器1が上下方向及び水平方向(上下方向に直交する方向)において占める占有スペースを縮小することができる。
【0053】
従って、図8、図9に示すごとく、本例の部品運搬用容器1は、複数の部品運搬用容器1を段積みすると共に、この段積み状態の複数の部品運搬用容器1を水平方向に整列配置した状態で、運搬用コンテナ8内に配置するときには、この運搬用コンテナ8内にコンパクトに収納することができる。また、本例の部品運搬用容器1は、複数の部品運搬用容器1を段積みすると共に、段積み状態の複数の部品運搬用容器1を水平方向に整列配置した状態で保管するときには、これらの部品運搬用容器1が占める占有スペースを縮小することもできる。
【0054】
それ故、本例の部品運搬用容器1によれば、塵、埃等の異物の混入を防止することができ、段積みした際の占有スペースを縮小させることができる。
【0055】
なお、上記第1ピッチP1の間隔又は上記第2ピッチP2の間隔で並べて形成した複数の本体側収容部22及び複数の蓋側収容部32は、必ずしも上記横方向S及び縦方向Uに平行な格子状に配列する必要はなく、例えば、図10、図11に示すごとく、横方向S及び縦方向Uに対して傾斜する格子状(千鳥掛状)に配列することもできる。この場合には、容器本体2において、互いに隣接する本体側収容部22を、45°の角度を有して配列することができ、容器蓋3においても、同様に互いに隣接する蓋側収容部32を、45°の角度を有して配列することができる。
【0056】
この場合において、容器本体2の本体側基準板部21及び容器蓋3の蓋側基準板部31は、図10に示すごとく、略長方形状に形成するだけでなく、図11に示すごとく、略正方形状に形成することもできる。
また、この場合の容器蓋3においては、上記一方側第1寸法S1、他方側第1寸法S2、一方側第2寸法U1及び他方側第2寸法U2は、すべて同じにすることができる。また、上記一方側第1寸法S1と他方側第1寸法S2とを同じにし、一方側第2寸法U1と他方側第2寸法U2とを同じにすることもできる。
【0057】
そして、図10の部品運搬用容器1においては、上下の部品運搬用容器1を180°位相をずらして段積みしたときに、上側の部品運搬用容器1における容器蓋3の最外形ラインLAと、下側の部品運搬用容器1における容器蓋3の最外形ラインLBとを上下方向において一致させることができる。また、図11の部品運搬用容器1においては、上下の部品運搬用容器1を90°又は180°位相をずらして段積みしたときに、上側の部品運搬用容器1における容器蓋3の最外形ラインLAと、下側の部品運搬用容器1における容器蓋3の最外形ラインLBとを上下方向において一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施例における、部品運搬用容器における容器蓋を示す平面図。
【図2】実施例における、部品運搬用容器における容器本体を示す平面図。
【図3】実施例における、部品運搬用容器における容器本体及び容器蓋を示す図で、図2におけるA−A線相当の断面説明図。
【図4】実施例における、部品運搬用容器における容器本体及び容器蓋を示す図で、図2におけるB−B線相当の断面説明図。
【図5】実施例における、部品運搬用容器を上下に段積みした状態を示す断面説明図。
【図6】実施例における、部品運搬用容器を上下に段積みする際に、容器本体の本体側基準板部の下側面と、容器蓋の蓋側基準板部の上側面とを相互に180°向きを変えた状態で対向させる状態を示す断面説明図。
【図7】実施例における、部品運搬用容器を上下に段積みする様子を模式的に示す平面図。
【図8】実施例における、複数の部品運搬用容器を運搬用コンテナに収納した状態を示す平面図。
【図9】実施例における、複数の部品運搬用容器を運搬用コンテナに収納した状態を示す断面図。
【図10】実施例における、他の部品運搬用容器における容器蓋を示す平面図。
【図11】実施例における、他の部品運搬用容器における容器蓋を示す平面図。
【符号の説明】
【0059】
1 部品運搬用容器
2 容器本体
201 対向内側面
202 下側面
21 本体側基準板部
211 本体側第1辺部
212 本体側第2辺部
22 本体側収容部
23 本体側凹状空間
24 本体側絞り壁部
25 本体側容器取扱い用凹部
3 容器蓋
301 対向内側面
302 上側面
31 蓋側基準板部
310 蓋側絞り段差部
311 蓋側第1辺部
312 蓋側第2辺部
313 フランジ
32 蓋側収容部
33 蓋側凹状空間
34 蓋側絞り壁部
35 蓋側容器取扱い用凹部
7 軸状部品
8 運搬用コンテナ
LA、LB 最外形ライン
S1 一方側第1寸法
S2 他方側第1寸法
U1 一方側第2寸法
U2 他方側第2寸法
P1 第1ピッチ
P2 第2ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側に配置する容器本体と、該容器本体の開口部を上側から覆う容器蓋とからなり、該容器本体と該容器蓋とを合わせたときに、該容器本体によって複数の軸状部品の軸方向一方側を収容すると共に該容器蓋によって上記複数の軸状部品の軸方向他方側を収容するよう構成した部品運搬用容器であって、
上記容器本体は、本体側基準板部から下方に突出して成形され上記複数の軸状部品の軸方向一方側を内部に配置するための複数の本体側収容部と、上記本体側基準板部の下側面において上記複数の本体側収容部に囲まれて形成された複数の本体側凹状空間とを有しており、
上記容器蓋は、蓋側基準板部から上方に突出して成形され上記複数の軸状部品の軸方向他方側を内部に配置するための複数の蓋側収容部と、上記蓋側基準板部の上側面において上記複数の蓋側収容部に囲まれて形成された複数の蓋側凹状空間とを有しており、
上記容器蓋の上記蓋側基準板部の縁部の全周には、上記容器本体の上記本体側基準板部の縁部の全周を覆うためのフランジが起立して形成してあり、
当該2つの部品運搬用容器を相互に90°又は180°位相をずらした状態で上下に段積みしたときには、上側の部品運搬用容器における上記本体側凹状空間に、下側の部品運搬用容器における上記蓋側収容部が配置されると共に、下側の部品運搬用容器における上記蓋側凹状空間に、上側の部品運搬用容器における上記本体側収容部が配置されて、上側の部品運搬用容器における上記容器蓋の最外形ラインと、下側の部品運搬用容器における上記容器蓋の最外形ラインとが上下方向において一致するよう構成してあることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項2】
請求項1において、上記容器本体の上記本体側基準板部の縁部は、互いに平行に形成した一対の本体側第1辺部と、該本体側第1辺部と直交して互いに平行に形成した一対の本体側第2辺部とによる略四角形状を有しており、
上記容器蓋の上記蓋側基準板部の縁部は、上記本体側第1辺部に沿うよう互いに平行に形成した一対の蓋側第1辺部と、該蓋側第1辺部と直交して、上記本体側第2辺部に沿うよう互いに平行に形成した一対の蓋側第2辺部とによる略四角形状を有しており、
上記複数の本体側収容部は、上記本体側第1辺部に平行に所定の第1ピッチ間隔で複数並べると共に上記本体側第2辺部に平行に所定の第2ピッチ間隔で複数並べて、格子状に配列して形成してあり、
上記複数の蓋側収容部は、上記蓋側第1辺部に平行に上記第1ピッチ間隔で複数並べると共に上記蓋側第2辺部に平行に上記第2ピッチ間隔で複数並べて、格子状に配列して形成してあり、
一方の上記蓋側第1辺部に最も近い位置において該蓋側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部の中心から、当該一方の蓋側第1辺部までの一方側第1寸法は、他方の上記蓋側第1辺部に最も近い位置において該蓋側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部の中心から、当該他方の蓋側第1辺部までの他方側第1寸法に、上記第2ピッチの半分を加えた寸法になっており、
一方の上記蓋側第2辺部に最も近い位置において該蓋側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部の中心から、当該一方の蓋側第2辺部までの一方側第2寸法は、他方の上記蓋側第2辺部に最も近い位置において該蓋側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部の中心から、当該他方の蓋側第2辺部までの他方側第2寸法に、上記第1ピッチの半分を加えた寸法になっており、
当該2つの部品運搬用容器を相互に180°位相をずらした状態で上下に段積みしたときに、上側の部品運搬用容器における上記容器蓋の最外形ラインと、下側の部品運搬用容器における上記容器蓋の最外形ラインとが上下方向において一致するよう構成してあることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記容器本体は、上記本体側基準板部から下方に向けて上記複数の本体側収容部の形成領域の全体を段差状に絞り成形してなる本体側絞り段差部を有しており、
上記複数の本体側収容部は、上記本体側絞り段差部からさらに絞り成形してなることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記容器蓋は、上記蓋側基準板部から上方に向けて上記複数の蓋側収容部の形成領域の全体を段差状に絞り成形してなる蓋側絞り段差部を有しており、
上記複数の蓋側収容部は、上記蓋側絞り段差部からさらに絞り成形してなることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項において、上記本体側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の本体側収容部同士、及び上記本体側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の本体側収容部同士は、上記本体側基準板部から下方に向けて成形した本体側絞り壁部によって連結してあることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項6】
請求項5において、上記一対の本体側第1辺部に最も近い位置において該本体側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の本体側収容部同士を連結する上記本体側絞り壁部、及び上記一対の本体側第2辺部に最も近い位置において該本体側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の本体側収容部同士を連結する上記本体側絞り壁部は、残りの上記本体側絞り壁部の深さよりも深く成形してあることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか一項において、上記蓋側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部同士、及び上記蓋側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部同士は、上記蓋側基準板部から上方に向けて成形した蓋側絞り壁部によって連結してあることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項8】
請求項7において、上記一対の蓋側第1辺部に最も近い位置において該蓋側第1辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部同士を連結する上記蓋側絞り壁部、及び上記一対の蓋側第2辺部に最も近い位置において該蓋側第2辺部に平行に並ぶ上記複数の蓋側収容部同士を連結する上記蓋側絞り壁部は、残りの上記蓋側絞り壁部の深さよりも深く成形してあることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項において、上記容器本体の上記本体側基準板部は、上記本体側第2辺部の中間位置を切り欠いて形成した本体側容器取扱い用凹部を有しており、
上記容器蓋の上記蓋側基準板部は、上記蓋側第2辺部の中間位置であって上記本体側容器取扱い用凹部に対応する位置を切り欠いて形成した蓋側容器取扱い用凹部を有しており、上記フランジは、当該蓋側基準板部の形状に沿って形成してあることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項において、上記容器本体及び上記容器蓋は、導電性を有する樹脂シート材を真空成形法により成形してなることを特徴とする部品運搬用容器。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項において、上記軸状部品は、リニアソレノイド用バルブであることを特徴とする部品運搬用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−87781(P2008−87781A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267933(P2006−267933)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(506331125)株式会社トーヨーパック (1)
【出願人】(505401322)株式会社エル・ジーシー (2)
【Fターム(参考)】