説明

郵便物区分機および宛名読取方法

【課題】宛名の読み取りに失敗した場合におけるオペレータの手間を軽減することが可能な郵便物区分機を提供する。
【解決手段】宛名読取部2が宛名読取用画像からの宛名の読取に失敗すると、表示部は、郵便物の画像を表示する。その後、入力部が濃淡調節指示を受け付けると、宛名読取部2は、その濃淡調節指示に応じて宛名読取画像の濃淡を調節し、その濃淡が調節された宛名読取画像から宛名を読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵便物区分機および宛名読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
郵便物の宛名を読み取り、読み取った宛名に応じて郵便物を自動的に区分する郵便物区分機において、宛名の読み取りに失敗した場合に、その郵便物の画像を表示する郵便物区分機が存在する。この郵便物区分機のオペレータは、表示された画像を目視して、その宛名を確認する。その後、オペレータは、確認した宛名を郵便物区分機に入力する。これにより、郵便物区分機が、宛名の読み取りに失敗しても、その郵便物を区分することが可能になっている。しかしながら、オペレータが宛名を全て入力するのは手間がかかる。
【0003】
また、オペレータが宛名の一部を入力し、入力された宛名の一部に基づいて、その宛名の他の部分を読み取る郵便物区分機も存在する。しかしながら、宛名の一部が入力されても、郵便物区分機が宛名の読み取りを失敗すると、オペレータは、宛名を全て入力しなければならない。
【0004】
特許文献1(特開平08−101890号公報)には、特定の方法で郵便物の宛名の読み取りに失敗すると、他の方法を用いて、宛名の読み取りを再び行なうビデオコーディングシステムが記載されている。これにより、郵便物区分機が宛名の読み取りに失敗した後に、オペレータが宛名を入力する郵便物の量を軽減することが可能になる。
【特許文献1】特開平08−101890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載にビデオコーディングシステムでは、宛名の読み取りが2回とも失敗されると、オペレータは、宛名を入力しなければならない。このため、手間がかかる。
【0006】
本発明の目的は、宛名の読み取りに失敗した場合におけるオペレータの手間を軽減することが可能な郵便物区分機および宛名読取方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の郵便物区分機は、宛名が記載された郵便物の画像を取得する取得部と、前記取得部が取得した画像から宛名読取用画像を生成し該宛名読取用画像から前記宛名を読み取る宛名読取部と、前記宛名読取部が前記宛名の読み取りに失敗した場合に前記宛名読取用画像を表示する表示部と、前記宛名読取部が読み取りに失敗した宛名を受け付ける入力部と、を含む郵便区分機において、前記入力部は、前記宛名読取用画像の濃淡を調節するための濃淡調節指示を受け付け、前記宛名読取部は、前記入力部が受け付けた濃淡調節指示に応じて、前記宛名読取用画像の濃淡を調節し、前記濃淡が調節された宛名読取画像から前記宛名を読み取る、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の宛名読取方法は、郵便区分機が行なう宛名読取方法であって、宛名が記載された郵便物の画像を取得する取得ステップと、前記取得された画像から宛名読取用画像を生成する生成ステップと、前記生成された宛名読取用画像から前記宛名を読み取る読取ステップと、前記読取ステップにて前記宛名の読み取りが失敗された場合に、前記宛名読取用画像を表示する表示ステップと、前記宛名読取用画像の濃淡を調節するための濃淡調節指示を受け付ける受付ステップと、前記受け付けられた濃淡調節指示に応じて、前記宛名読取用画像の濃淡を調節する調節ステップと、前記濃淡が調節された宛名読取画像から前記宛名を読み取る再読取ステップと、を含む。
【0009】
上記の発明によれば、宛名読取用画像からの宛名の読み取りが失敗されると、宛名読取用画像の濃淡を調節するための濃淡調節指示が受け付けられる。その後、濃淡調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から宛名が読み取られる。
【0010】
このため、宛名の読み取りが一度失敗されても、オペレータが濃淡調節指示を入力するだけで、宛名を読み取ることが可能になる。よって、郵便物の読み取りに失敗した場合におけるオペレータの手間を軽減することが可能になる。
【0011】
また、前記入力部が受け付けた濃淡調節指示に応じて、前記宛名読取用画像の濃淡を調節する制御部、をさらに含み、前記表示部は、前記制御部が前記濃淡を調節した宛名読取用画像を表示することが望ましい。
【0012】
上記の発明によれば、濃淡が調節された宛名読取画像が表示される。このため、オペレータは、適当な濃淡調節指示を入力したか否かを確認することが可能になる。
【0013】
また、前記制御部は、前記濃淡が調節された宛名読取用画像から、前記宛名読取部が前記宛名の一部を読み取ることが可能か否かをテストし、前記表示部は、前記制御部がテストしたテスト結果を表示することが望ましい。
【0014】
宛名読取用画像からの宛名の読み取りには時間がかかる。このため、オペレータは、濃淡調節指示を入力してから、その濃淡調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から宛名を読み取ることが可能か否かを確認するまでに、時間がかかる。
【0015】
上記の発明によれば、受け付けられた濃淡調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から宛名の一部を読み取ることが可能か否かがテストされ、そのテスト結果が表示される。
【0016】
このため、テスト時間は、宛名読取画像から宛名の全てを読み取る時間よりも短くなる。よって、オペレータは、濃淡調節指示を入力してから、濃淡調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から宛名を読み取ることが可能か否かを確認するまでの時間を短縮することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、宛名の読み取りに失敗した場合におけるオペレータの手間を軽減することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例の郵便物区分機の構成を示したブロック図である。図1において、郵便物区分機は、本体部1と、宛名読取部2と、処理部3とを含む。
【0020】
本体部1は、郵便物の画像を取得する。また、本体部1は、郵便物を区分するための区分コードに応じて郵便物を区分する。
【0021】
図2は、本体部1の一例を示したブロック図である。図2において、本体部1は、画像収集部10と、管理部11とを含む。
【0022】
画像収集部10は、例えば、スキャナであり、郵便物の画像を取得する。郵便物の画像は、濃淡画像(例えば、256階調のグレースケール画像)である。
【0023】
管理部11は、画像収集部10が郵便物の画像を取得すると、その郵便物の画像を宛名読取部2に出力する。
【0024】
また、管理部11は、宛名読取部2または処理部3から郵便物を区分するための区分コードを示す最終結果を受け付けると、その最終結果に基づいて郵便物を区分する。なお、区分コードは、郵便物に記載された宛名と対応づけられている。
【0025】
宛名読取部2は、本体部1が取得した郵便物の画像から宛名を読み取り、読み取った宛名に対応した区分コードを示す最終結果を作成する。具体的には、宛名読取部2は、その郵便物の画像から宛名読取用画像を生成し、その宛名読取用画像から宛名を読み取る。なお、宛名読取部2は、宛名読取用画像を所定の濃淡の宛名読取用画像を生成する。
【0026】
宛名読取用画像は、例えば、2値化画像である。なお、宛名読取用画像は、2値化画像に限らず、適宜変更可能である。宛名読取用画像が2値化画像の場合、宛名読取部2は、その郵便物の画像から所定の閾値を用いて2値化画像を生成し、その2値化画像から宛名を読み取る。
【0027】
宛名読取部2は、読取部4と再読取部5とを含む。
【0028】
図3は、読取部4の構成の一例を示したブロック図である。図3において、読取部4は、画像認識部20と、区分作成部21とを含む
画像認識部20は、例えば、光学的文字読み取り装置(OCR:Optical Character Reader)またはバーコードリーダを含み、画像収集部10が郵便物の画像を取得すると、その郵便物の画像から宛名を読み取る。具体的には、画像認識部20は、郵便物の画像から宛名読取用画像を生成し、その宛名読取用画像から宛名を読み取る。
【0029】
なお、画像認識部20は、宛名として、各住所階層を読み取る。住所階層は、例えば、郵便番号、都道府県、市町村、丁目、番地、会社名、宛先氏名などである。また、画像認識部20は、区分コードを特定することが可能な住所階層を宛名として読み取ることが望ましい。しかしながら、例えば、郵便物に記載された宛名が薄いなどの場合、画像認識部20は、区分コードを特定することが可能な住所階層の全てを宛名として読み取ることができないことがある。
【0030】
区分作成部21は、画像認識部20が宛名を読み取ると、その宛名に対応する区分コードを示す最終結果を作成するための作成処理を実行する。区分作成部21は、作成処理を実行しても、画像認識部20が宛名の読み取りに失敗していると、最終結果を作成できない。
【0031】
区分作成部21は、作成処理にて最終結果の作成が成功されると、その最終結果を本体部1に出力する。一方、区分作成部21は、作成処理にて最終結果の作成が失敗されると、換言すれば、画像認識部20が宛名の読み取りに失敗すると、画像収集部10が取得した郵便物の画像を再読取部5に出力する。
【0032】
再読取部5は、読取部4と異なる方法で、郵便物の画像から宛名を読み取る。
【0033】
図4は、再読取部5の構成を示したブロック図である。図4において、再読取部5は、再画像認識部30と、区分生成部31とを含む。
【0034】
区分作成部21が最終結果を作成できなかった場合、再画像認識部30は、所定の濃淡の宛名読取用画像を生成し、その宛名読取画像から、画像認識部20と異なる方法で、宛名を読み取る。異なる方法として、具体的には宛名を読み取るためのアルゴリズムの変更、郵便物の画像への画像処理の適用、処理時間の変更などがある。また、画像認識部20は、例えば、光学的文字読み取り装置またはバーコードリーダを含む。
【0035】
また、再画像認識部30は、処理部4から、宛名を読み取る旨の実行要求を受け付ける。実行要求は、郵便物の画像と、その郵便物の画像から生成する宛名読取用画像の濃淡を調節するための濃淡調節指示とを含む。
【0036】
再画像認識部30は、処理部4から実行要求を受け付けると、その実行要求が含む濃淡調節指示に応じて宛名読取用画像の濃淡を調節し、その濃淡が調節した画像から宛名を読み取る。具体的には、再画像認識部30は、その実行要求が含む郵便物の画像から、その実行要求が含む濃淡調節指示に応じた濃淡の宛名読取用画像を生成し、その宛名読取用画像から宛名を読み取る。
【0037】
なお、宛名読取用画像が2値化画像の場合、実行要求は、郵便物の画像と、その郵便物の画像を2値化するための閾値とを含む。この場合、再画像認識部30は、その郵便物の画像から、その閾値を用いて2値化画像を生成し、その2値化画像から宛名を読み取る。
【0038】
また、実行要求は、郵便物の画像と、その郵便物の宛名の一部とを含んでも良い。この場合、再画像認識部30は、実行要求が含む郵便物の画像から所定の濃淡の宛名読取用画像を生成し、その宛名読取用画像から、実行要求が含む宛名の一部を利用して、宛名の他の部分を読み取る。
【0039】
区分生成部31は、再画像認識部30が宛名を読み取ると、その宛名に対応された区分コードを示す最終結果を作成するための作成処理を実行する。
【0040】
区分生成部31は、最終結果を作成できた場合、その最終結果を本体部1に出力する。一方、区分生成部31は、最終結果を作成できなかった場合、その郵便物の画像を処理部4に出力する。なお、区分生成部31は、再画像認識部30が宛名の一部を読み取っても最終結果を作成できなかった場合、読み取られた宛名の一部と郵便物の画像とを処理部4に出力する。
【0041】
図5は、処理部4の構成の一例を示したブロック図である。図5において、処理部4は、表示部40と、入力部41と、制御部42とを含む。
【0042】
入力部41は、例えば、マウスおよびキーボードであり、ユーザから、濃淡調節指示、宛名、再び宛名の読み取りを実行する旨の再読取指示、および、宛名の読み取りが不可能な旨の不可情報、を受け付ける。
【0043】
制御部42は、区分生成部31が最終結果を作成できなかった場合、郵便物の画像から所定の濃淡の宛名読取用画像を生成する。制御部42は、宛名読取用画像を生成すると、オペレータによる入力を支援するための支援情報を表示部40に表示する。支援情報は、例えば、郵便物の画像、宛名読取画像、宛名などを含む。
【0044】
図6は、表示部に表示された支援情報の一例を示した平面図である。具体的には、宛名読取用画像が2値化画像の場合の支援情報の一例を示した平面図である。図6には、支援情報として、2値化閾値60と、256階調グレースケール画像61、再読取用2値化画像62、オペレータ入力回数63、再読取指示入力ボタン64、不可情報入力ボタン65、および、宛名ボックス66が表示されている。
【0045】
2値化閾値60は、郵便物の画像を2値化するための閾値である。256階調グレースケール画像61は、郵便物の画像である。再読取用2値化画像62は、宛名読取用画像であり、256階調グレースケール画像61が2値化閾値60で2値化された画像である。
【0046】
オペレータ入力回数63は、入力部41がオペレータから再読取指示を受け付けた回数である。
【0047】
再読取指示入力ボタン64は、オペレータが再読取指示を入力するためのボタンである。不可情報入力ボタン65は、オペレータが不可情報を入力するためのボタンである。オペレータは、マウスを用いて、再読取指示入力ボタン64または不可情報入力ボタン65を押下することで、再読取指示または不可情報を入力する。
【0048】
なお、再読取指示入力ボタン64または不可情報入力ボタン65がキーボードの特定のキーと対応づけられ、オペレータが、その特定のキーを押下して、再読取指示および不可情報を入力することもできることが望ましい。例えば、ENTERキーが押下されると、再読取指示が入力され、ESCキーが押下されると、不可情報が入力される。
【0049】
宛名ボックス66には、再読取部5が読み取った宛名、または、入力部41がオペレータから受け付けた宛名、が表示される。
【0050】
オペレータは、256階調グレースケール画像61を目視して、256階調グレースケール画像61に記載された宛名の濃淡のために、宛名読取部2が宛名を読み取ることができなかったか否かを判断する。
【0051】
その宛名の濃淡のために宛名読取部2が宛名を読み取ることができなかった場合、オペレータは、入力部41を用いて、宛名の読み取りを新たに行なうための閾値を入力する。なお、宛名の読み取りを新たに行なうための閾値を濃淡調節指示として用いる。またオペレータは、例えば、マウスの中央のスクロールホイールを回転することにより、閾値を入力する。
【0052】
なお、閾値として入力が可能な階調の数は、4、8または16などである。例えば、閾値として入力が可能な階調の数が4の場合、オペレータがスクロールホイールを回転するごとに、入力される閾値が50、100、150および200となる。
【0053】
一方、宛名読取部2が宛名を読み取ることができなかった理由が宛名の濃淡のためではない場合、オペレータは、宛名ボックス66に入力部41(例えば、キーボード)を用いて宛名(宛名の一部でも良い)を入力する。
【0054】
制御部42は、入力部41が濃淡調節指示を受け付けると、その濃淡調節指示に応じて宛名読取用画像の濃淡を調節し、その濃淡が調節された宛名読取用画像からの宛名の読み取りテストを行なう。具体的には、制御部42は、その濃淡が調節された宛名読取用画像から宛名の一部(例えば、郵便番号)を読み取ることが可能か否かをテストする。なお、制御部42が宛名読取用画像から宛名を読み取る方法は、再読取部5が宛名を読み取る方法と同一である。
【0055】
制御部42は、宛名の読み取りテストを行なうと、そのテスト結果および濃淡が調節された宛名読取用画像を表示部40に表示する。テスト結果は、読み取った宛名または宛名が読み取れなかった旨のエラーメッセージを示す。また、制御部42は、宛名読取用画像を、読み取った宛名の位置を赤枠で囲った画像で表示部40に表示する。
【0056】
また、制御部42は、入力部41が宛名を受け付けると、その宛名を表示部40に表示する。
【0057】
制御部42は、入力部41が濃淡調節指示を受け付けた後に再読取指示を受け付けると、その濃淡調節指示および郵便物の画像を含む実行要求を作成し、その実行要求を宛名読取部2(具体的には、再読取部5)に出力する。なお、制御部42は、入力部41が再読取指示を受け付けると、オペレータ入力回数を1だけ増やし、そのオペレータ入力回数を表示部40に表示する。
【0058】
また、制御部42は、入力部41が不可情報を受け付けると、郵便物の区分ができない旨の区分コードを示す最終結果を本体部1に出力する。
【0059】
次に動作を説明する。図7は、郵便物区分機の動作を説明するためのフローチャートである。
【0060】
ステップS701では、本体部1の画像収集部10は、郵便物の画像を取得し、その郵便物の画像を管理部11に出力する。管理部11は、郵便物の画像を受け付けると、その郵便物の画像を読取部4の画像認識部20に出力する。画像認識部20は、郵便物の画像を受け付けると、ステップS702を実行する、
ステップS702では、画像認識部20は、郵便物の画像から所定の濃淡の宛名読取用画像を生成し、その宛名読取用画像から宛名を読み取る。画像認識部20は、宛名を読み取ると、その宛名および郵便物の画像を区分作成部21に出力する。区分作成部21は、宛名および郵便物の画像を受け付けると、ステップS703を実行する。
【0061】
ステップS703では、区分作成部21は、作成処理を実行し、その作成処理にて最終結果が作成されたか否かを確認する。区分作成部21は、最終結果が作成されると、ステップS704を実行し、最終結果が作成されないと、ステップS705を実行する。
【0062】
ステップS704では、区分作成部21は、その最終結果を管理部11に出力する。管理部11は、最終結果を受け付けると、ステップS717を実行する。
【0063】
ステップS705では、区分作成部21は、郵便物の画像を再画像認識部30に出力する。再画像認識部30は、郵便物の画像を受け付けると、その郵便物の画像から所定の濃淡の宛名読取用画像を生成し、その宛名読取用画像から、画像認識部20と異なる方法で、宛名を読み取る。再画像認識部30は、その宛名読取用画像から宛名を読み取ると、その宛名および郵便物の画像を区分生成部31に出力する。区分生成部31は、宛名および郵便物の画像を受け付けると、ステップS706を実行する。
【0064】
ステップS706では、区分生成部31は、作成処理を実行し、その作成処理にて最終結果が作成されたか否かを確認する。区分生成部31は、最終結果が作成されると、ステップS707を実行し、最終結果が作成されないと、ステップS708を実行する。
【0065】
ステップS707では、区分生成部31は、最終結果を管理部11に出力する。管理部11は、最終結果を受け付けると、ステップS717を実行する。
【0066】
ステップS708では、区分生成部31は、その宛名および郵便物の画像を制御部42に出力する。制御部42は、宛名および郵便物の画像を受け付けると、郵便物の画像から所定の濃淡の宛名読取用画像を生成する。制御部42は、宛名読取画像を生成すると、支援情報を表示部40に表示する。制御部42がステップS708を終了すると、入力部41がステップS709を実行する。
【0067】
ステップS709では、入力部41は、濃淡変更指示を受け付けたか否かを確認する。入力部41は、濃淡変更指示を受け付けると、ステップS710を実行し、濃淡変更指示を受け付けないと、ステップS711を実行する。
【0068】
ステップS710では、入力部41は、濃淡変更指示を制御部42に出力する。制御部42は、濃淡変更指示を受け付けると、その濃淡変更指示に応じて宛名読取用画像の濃淡を調節し、その濃淡を調節した宛名読取用画像からの宛名の読み取りテストを行なう。制御部42は、読み取りテストを行なうと、そのテスト結果および宛名読取用画像を表示部40に表示する。制御部42がステップS710を終了すると、入力部41がステップS709を実行する。
【0069】
ステップS711では、入力部41は、宛名を受け付けたか否かを確認する。入力部41は、宛名を受け付けると、ステップS712を実行し、宛名を受け付けないと、ステップS713を実行する。
【0070】
ステップS712では、入力部41は、宛名を制御部42に出力する。制御部42は、宛名を受け付けると、その宛名を表示部40に表示する。制御部42がステップS712を終了すると、入力部41がステップS709を実行する。
【0071】
ステップS713では、入力部41は、再読取指示を受け付けたか否かを確認する。入力部41は、再読取指示を受け付けると、ステップS714を実行し、再読取指示を受け付けないとステップS715を実行する。
【0072】
ステップS714では、入力部41は、再読取指示を制御部42に出力する。制御部42は、再読取指示を受け付けると、実行要求を作成し、その実行要求を再読取部3の再画像認識部30に出力する。再画像認識部30は、実行要求を受け付けると、受け付けた実行要求に従って、実行要求が含む郵便物の画像から宛名を読み取る。再画像認識部30は、宛名を読み取ると、その宛名および郵便物の画像を区分生成部31に出力する。区分生成部31は、宛名および郵便物の画像を受け付けると、ステップS706を実行する。
【0073】
ステップS715では、入力部41は、不可情報を受け付けたか否かを確認する。入力部41は、不可情報を受け付けると、ステップS716を実行し、不可情報を受け付けないとステップS709を実行する。
【0074】
ステップS716では、入力部41は、不可情報を制御部42に出力する。制御部42は、不可情報を受け付けると、郵便物の区分ができない旨の区分コードを示す最終結果を作成し、その最終結果を本体部1の管理部11に出力する。管理部11は最終結果を受け付けると、ステップS717を実行する。
【0075】
ステップS717では、管理部11は、最終結果に基づいて郵便物を区分する。
【0076】
本実施例によれば、宛名読取部2が宛名読取用画像からの宛名の読取に失敗すると、表示部40は、郵便物の画像を表示する。その後、入力部41が濃淡調節指示を受け付けると、宛名読取部2は、その濃淡調節指示に応じて宛名読取画像の濃淡を調節し、その濃淡が調節された宛名読取画像から宛名を読み取る。
【0077】
このため、宛名読取用画像からの宛名の読み取りが失敗されると、濃淡調節指示が受け付けられ、濃淡調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から宛名が読み取られる。
【0078】
このため、宛名の読み取りが一度失敗されても、オペレータが濃淡調節指示を入力するだけで、宛名を読み取ることが可能になる。よって、郵便物の読み取りに失敗した場合におけるオペレータの手間を軽減することが可能になる。
【0079】
また、本実施例では、制御部42は、濃度調節指示に応じて宛名読取用画像の濃淡を調節する。表示部40は、その濃淡が調節された宛名読取画像を表示する。
【0080】
この場合、オペレータは、適当な濃淡調節指示を入力したか否かを確認することが可能になる。
【0081】
また、本実施例では、制御部42は、濃度調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から、宛名の一部を読み取ることが可能か否かをテストする。表示部40は、そのテスト結果を表示する。
【0082】
宛名読取用画像からの宛名の読み取りには時間がかかる。このため、オペレータは、濃淡調節指示を入力してから、その濃淡調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から宛名を読み取ることが可能か否かを確認するまでに、時間がかかる。
【0083】
本実施例の場合、濃淡調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から宛名の一部を読み取ることが可能か否かがテストされ、そのテスト結果が表示される。
【0084】
このため、テスト時間は、宛名読取画像から宛名の全てを読み取る時間よりも短くなる。よって、オペレータは、濃淡調節指示を入力してから、濃淡調節指示に応じて濃淡が調節された宛名読取画像から宛名を読み取ることが可能か否かを確認するまでの時間を短縮することが可能になる。
【0085】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0086】
例えば、区分作成部21および区分生成部31が行なう処理を、一つの作成部が行なっても良い。具体的には、宛名読取部2が作成部をさらに含み、その作成部が最終結果を作成するための作成処理を行なっても良い。
【0087】
この場合、画像認識部20が郵便物の画像から宛名を読み取ると、作成部が宛名に対応された区分コードを示す最終結果を作成するための作成処理を実行する。作成部は、最終結果の作成に成功すると、その最終結果を本体部1に出力し、最終結果の作成に失敗すると、その郵便物の画像を再画像認識部に出力する。
【0088】
また、再画像認識部30が郵便物の画像から宛名を読み取ると、作成部が宛名に対応された区分コードを示す最終結果を作成するための作成処理を実行する。作成部が最終結果の作成に成功すると、その最終結果を本体部1に出力し、作成部が最終結果の作成に失敗すると、郵便物の画像を処理部2に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の一実施例の郵便区分機の構成を示したブロック図である。
【図2】本体部の構成の一例を示したブロック図である。
【図3】読取部の構成の一例を示したブロック図である。
【図4】再読取部の構成の一例を示した図である。
【図5】処理部の構成の一例を示した図である。
【図6】支援情報の一例を示した図である。
【図7】郵便区分機の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 本体部
2 宛名読取部
3 処理部
4 読取部
5 再読取部
10 画像収集部
11 管理部
20 画像認識部
21 区分作成部
30 再画像認識部
31 区分生成部
40 表示部
41 入力部
42 制御部
60 2値化閾値
61 256階調グレースケール画像
62 再読取用2値化画像
63 オペレータ入力回数
64 再読取指示入力ボタン
65 不可情報入力ボタン
66 宛名ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宛名が記載された郵便物の画像を取得する取得部と、前記取得部が取得した画像から宛名読取用画像を生成し該宛名読取用画像から前記宛名を読み取る宛名読取部と、前記宛名読取部が前記宛名の読み取りに失敗した場合に前記宛名読取用画像を表示する表示部と、前記宛名読取部が読み取りに失敗した宛名を受け付ける入力部と、を含む郵便区分機において、
前記入力部は、前記宛名読取用画像の濃淡を調節するための濃淡調節指示を受け付け、
前記宛名読取部は、前記入力部が受け付けた濃淡調節指示に応じて、前記宛名読取用画像の濃淡を調節し、前記濃淡が調節された宛名読取画像から前記宛名を読み取る、ことを特徴とする郵便区分機。
【請求項2】
請求項1に記載の郵便物区分機において、
前記入力部が受け付けた濃淡調節指示に応じて、前記宛名読取用画像の濃淡を調節する制御部、をさらに含み、
前記表示部は、前記制御部が前記濃淡を調節した宛名読取用画像を表示する、郵便区分機。
【請求項3】
請求項2に記載の郵便物区分機において、
前記制御部は、前記濃淡が調節された宛名読取用画像から、前記宛名読取部が前記宛名の一部を読み取ることが可能か否かをテストし、
前記表示部は、前記制御部がテストしたテスト結果を表示する、郵便物区分機。
【請求項4】
郵便区分機が行なう宛名読取方法であって、
宛名が記載された郵便物の画像を取得する取得ステップと、
前記取得された画像から宛名読取用画像を生成する生成ステップと、
前記生成された宛名読取用画像から前記宛名を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにて前記宛名の読み取りが失敗された場合に、前記宛名読取用画像を表示する表示ステップと、
前記宛名読取用画像の濃淡を調節するための濃淡調節指示を受け付ける受付ステップと、
前記受け付けられた濃淡調節指示に応じて、前記宛名読取用画像の濃淡を調節する調節ステップと、
前記濃淡が調節された宛名読取画像から前記宛名を読み取る再読取ステップと、を含む宛名読取方法。
【請求項5】
請求項4に記載の宛名読取方法において、
前記濃淡が調節された宛名読取用画像を表示する画像表示ステップ、をさらに含む宛名読取方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の宛名読取方法において、
前記濃淡が調節された宛名読取用画像から、前記宛名の一部を読み取ることが可能か否かをテストするテストステップと、
前記テストステップにてテストされたテスト結果を表示するテスト表示ステップと、をさらに含む宛名読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−188297(P2007−188297A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5970(P2006−5970)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】