説明

配位子、該配位子を含む金属錯体化合物及びその製造方法、並びに分子デバイスの製造方法

【課題】導電性ワイヤー部として機能する連結分子を別途導入する必要がなく、金属錯体ユニットのみをビルディングブロックとして金属錯体集積構造物を構築することができると共に、分子量を小さくすることができる配位子、該配位子を含む金属錯体化合物及びその製造方法、並びに分子デバイスの製造方法の提供。
【解決手段】本発明の配位子は、ベンゾイミダゾール骨格を有し、該ベンゾイミダゾール骨格の5位及び6位に、金属と配位結合可能であって、窒素原子を有する官能基を有してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配位子、該配位子を含む金属錯体化合物及びその製造方法、並びに分子デバイスの製造方法に関し、特に、分子素子、マトリクス回路、分子機能デバイス、論理回路等のナノスケールデバイスの構築に好適であり、情報通信分野における演算装置、ディスプレー、メモリ等の各種機器の微細化・精密化に応用可能な金属錯体集積構造物、該金属錯体集積構造物の好適に用いることができる新規な配位子、該配位子を含む金属錯体化合物及びその製造方法、並びに分子デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報通信分野、コンピュータ分野等における技術は、半導体装置を用いた電子回路によって支えられている。この半導体装置については、従来より、基板上にプリントする配線の線幅を微細化し、集積度を上げることにより処理能力を高める研究が行われてきた。
【0003】
しかし、このようなトップダウン法による微細化の技術は量子論的な影響により限界があるため、近年では、分子乃至分子集合体をデバイスとして機能させる分子素子(ボトムアップ法)が注目されている。
【0004】
前記分子素子乃至それを用いた電子回路の設計乃至構築においては、個々の分子の配置・配列、個々の分子の認識、個々の分子素子へのアクセス、特定の分子素子間を緻密に繋ぎ回路を形成するための配線、アドレッシング等をどのように行うのかが問題となる。複雑な電子回路を、個々の分子を動かすことにより構築していくのは現実的ではない。
【0005】
そこで、単純な構造体を構築し、制御の仕方で複雑な機能を引き出す方法が研究されている。例えば、ナノワイヤーを直交させた交点でのスイッチングを該ナノワイヤーからの入力で制御する、いわゆるクロスバースイッチは、複雑な加工を要しないナノデバイスの候補として近年研究が盛んであり(非特許文献1参照)、前記ナノワイヤーによるアレイを分子レベルでかつボトムアップ的に構築することができれば、極めて高密度なデバイスを比較的容易に実現できる点で期待される。
【0006】
本発明者等はこれまで、金属錯体の自己配列乃至自己集積化を利用して、素子と配線(ワイヤー)との両者の機能を同時に実現することができる金属錯体集積構造物の合成を目指して、金属錯体一次元鎖と、ドナーないしアクセプター性分子からなる一次元導電性ワイヤーとが、マトリクス状に配列したワイヤアレイ構造の構築について検討してきた。そして、そのためのビルディングブロックとして用いる種々の複核金属錯体を開発した(特許文献1参照)。この複核金属錯体は、自発的に形成される結晶乃至薄膜中で分子鎖を交差させ、交点における電荷移動により、金属錯体鎖の電気伝導性を変化させ、スイッチングを実現するものである。
【0007】
しかしながら、この場合、複核金属錯体をビルディングブロックとして、金属錯体集積構造物を形成するためには、金属錯体ユニットとは別の連結分子(導電性ワイヤー部)を導入して、該導電性ワイヤーを水素結合で連結する必要がある。前記金属錯体集積構造物が多成分系になるため、配列制御が困難となったり、大きな導電特性が期待できないといった問題がある。
さらに、前記複核金属錯体を形成するための配位子は、1分子で形成されているために必然的に分子量が大きくなり、該配位子に金属が取り込まれた複核金属錯体の溶解性が低下して金属錯体集積構造物を形成することが困難となるという問題がある。
【0008】
【非特許文献1】James R. Heath, Philip J. Kuekes, Gregory S. Snider, R. Stanley Williams, Science Vol.280(1998)
【特許文献1】国際公開第03/078384号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、導電性ワイヤー部として機能する連結分子を別途導入する必要がなく、金属錯体ユニットのみをビルディングブロックとして金属錯体集積構造物を構築することができると共に、分子量を小さくすることができる配位子、該配位子を含む金属錯体化合物及びその製造方法、並びに分子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に記載した通りである。
本発明の配位子は、ベンゾイミダゾール(ベンズイミダゾール)骨格を有し、該ベンゾイミダゾール骨格の5位及び6位に、金属と配位結合可能であって、窒素原子を有する官能基を有してなることを特徴とする。
【0011】
該配位子においては、ベンゾイミダゾール骨格が予め配位子末端に導入され、この導入されたベンゾイミダゾール骨格が集積化時に相互作用して、導電性ワイヤー部として機能するので、導電性ワイヤー部として機能する連結分子を別途導入する必要がなく、金属錯体ユニットのみをビルディングブロックとして金属錯体集積構造物を構築することができる。
また、該配位子においては、複数の配位子が1つの金属に対して配位する形態をとるので、配位子の分子量を小さくすることができる。
【0012】
本発明の金属錯体化合物は、下記式(4)で表されることを特徴とする。
【化5】

【0013】
該金属錯体化合物においては、ベンゾイミダゾール骨格が予め配位子末端に導入され、この導入されたベンゾイミダゾール骨格が集積化時に相互作用して、導電性ワイヤー部として機能するので、導電性ワイヤー部として機能する連結分子を別途導入する必要がなく、金属錯体ユニットのみをビルディングブロックとして金属錯体集積構造物を構築することができる。
また、該金属錯体化合物においては、複数の配位子が1つの金属に対して配位する形態をとるので、出発原料としての配位子の分子量を小さくすることができ、もって、金属錯体化合物の分子量を小さくすることができる。
【0014】
本発明の金属錯体化合物の製造方法は、本発明の配位子と金属含有溶液とを混合して混合液を作製する混合工程と、前記混合液を濃縮する濃縮工程とを含むことを特徴とする。
該金属錯体化合物の製造方法では、前記混合工程において、本発明の配位子と金属含有溶液とが混合されて混合液が作製される。前記濃縮工程において、前記混合液が濃縮される。その結果、効率よく、金属錯体化合物が得られる。
【0015】
本発明の分子デバイスの製造方法は、本発明の金属錯体化合物を自己配列乃至自己集積させる自己配列乃至自己集積化工程を含むことを特徴とする。
該分子デバイスの製造方法においては、前記自己配列乃至自己集積化工程において、本発明の金属錯体化合物が自己配列乃至自己集積される。その結果、極めて高密度な分子デバイスが比較的容易に得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、導電性ワイヤー部として機能する連結分子を別途導入する必要がなく、金属錯体ユニットのみをビルディングブロックとして金属錯体集積構造物を構築することができると共に、分子量を小さくすることができる配位子、該配位子を含む金属錯体化合物及びその製造方法、並びに分子デバイスの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(配位子)
本発明の配位子は、ベンゾイミダゾール骨格と、導電性ワイヤー部と有してなり、更に必要に応じて置換基等を有してなる。
【0018】
<ベンゾイミダゾール骨格>
前記ベンゾイミダゾール骨格としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ピリジニウム基、ブロモピリジニウム基、及び4−4´ビピリジニウム基等のピリジニウム誘導体が導入されたベンゾイミダゾール骨格、などが挙げられる。中でも、4−4´ビピリジニウム基が導入されたベンゾイミダゾール骨格が導電特性の点で、好ましい。
前記ブロモピリジニウム基が導入されたベンゾイミダゾール骨格は、電解重合により、Br末端が他のベンゾイミダゾール骨格と結合する。
4−4´ビピリジニウム基における窒素は、直接金属と配位することで、後述する金属錯体化合物同士を連結する作用がある。
【0019】
<官能基>
前記官能基としては、該ベンゾイミダゾール骨格の5位及び6位に導入され、金属と配位結合可能であって、窒素原子を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ基が好ましい。前記官能基は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよいが、2つのアミノ基が存在することが好ましい。
【0020】
<置換基>
前記置換基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、及びハロゲン原子の少なくともいずれかが好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
【0021】
本発明の配位子の具体例としては、下記式(1)〜式(3)の少なくともいずれかで表される化合物が挙げられる。
【0022】
【化6】

【0023】
【化7】

【0024】
【化8】

【0025】
本発明の配位子は、中心金属イオンと組み合わせることにより、金属錯体(例えば、下記式(4)及び下記(5)の金属錯体)とすることができ、また、金属錯体をビルディングブロックとして積層させると、金属錯体集積構造物が形成可能である。本発明の配位子は、超高密度、超高速で作動可能なナノスケールのデバイス、例えば分子素子、マトリクス回路、分子機能デバイス、論理回路等の構築、情報通信分野における演算装置、ディスプレー、メモリ等に好適であり、これらの各種素子・機器の微細化・精密化に好適である。
【0026】
【化9】

【0027】
【化10】

【0028】
本発明の配位子は、適宜選択した方法により合成することができる。
【0029】
(金属錯体化合物及びその製造方法)
本発明の金属錯体化合物は、下記式(4)で表されることを特徴とする。
【化11】

【0030】
また、本発明の金属錯体化合物の製造方法は、少なくとも、混合工程と、濃縮工程とを含み、さらに、必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含む。
【0031】
−混合工程−
前記混合工程は、本発明の配位子と金属含有溶液とを混合して混合液を作製する工程である。
前記金属含有溶液における金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Ni、Pd、Pt、Zn、などが挙げられる。
【0032】
−濃縮工程−
前記濃縮工程は、前記混合液を濃縮する工程である。前記混合液が濃縮されることにより、金属錯体化合物が得られる。
【0033】
このような分子設計のもと、5,6−ジアミノベンゾイミダゾール骨格の2位へピリジニウム誘導体を導入した新規な配位子(式(1)〜(3))を用い、ニッケル等の金属錯体を合成することで、分子ワイヤ形成に好適な物質を実現することができる。さらに、配位子中にイミダゾールおよびピリジニウムを有する本発明の金属錯体化合物(式(4))は、電子移動を誘起する特性に優れ、分子素子に必要なスイッチングの機能を発現することが期待される。
【0034】
(分子デバイスの製造方法)
本発明の分子デバイスの製造方法は、少なくとも、自己配列乃至自己集積化工程を含み、さらに、必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含む。
−自己配列乃至自己集積化工程−
前記自己配列乃至自己集積化工程は、本発明の金属錯体化合物を自己配列乃至自己集積させる工程である。
前記金属錯体化合物の自己配列乃至自己集積により、分子間の相互作用及び分子鎖の配列がより合目的的に制御された金属錯体集積構造物が得られる。
前記金属錯体集積構造物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記金属錯体化合物を含む溶液を、電解反応(電解合成)及びラングミュア・ブロジェット(Langmuir Blodgett)法の少なくともいずれかの方法により結晶化乃至成膜化することにより製造することができる。
前記電解反応(電解合成)においては、前記金属錯体化合物等を、アルコール等の溶媒に溶解させ、電気分解により所定の電極上に金属錯体鎖が集積してなる金属錯体集積構造物を析出させることができる。
【0035】
なお、前記電解反応(電解合成)において用いる電極としては、例えば、白金線、白金板、ITOを蒸着させたガラス板などが挙げられる。また、前記支持電解質としては、例えば、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
前記結晶化乃至成膜化においては、前記金属錯体化合物が自己集積化される。本発明においては、前記結晶化乃至成膜化を複数回繰り返して行ってもよい。
【0036】
また、前記金属錯体集積構造物は、前記金属錯体化合物が、その多様な相互作用(化学的結合乃至分子の自己配列乃至自己集積化等)により、自発的に固体中で規則的に配列し集積する性質を利用して製造することもできる。
この場合、前記金属錯体化合物が、その相互作用(各種の結合等)により導電可能に配列し、二次元的又は三次元的ネットワーク構造が一時に形成されるため、単結晶乃至薄膜の構造を有する前記金属錯体集積構造物を効率的に製造可能である。
本発明においては、製造条件、材料の組合せ等を適宜調整することにより、前記金属錯体集積構造物を単結晶乃至薄膜等の形態にすることができる。また、該金属錯体集積構造物を基本ユニットとして集積することにより、微細でばらつきがなく、精密かつ正確な構造の分子素子をボトムアップ的に効率よく形成することができる。
【0037】
−金属錯体集積構造物の分子デバイスへの適用−
前記金属錯体集積構造物は、以下に述べるように、ナノスケールの分子素子、マトリクス回路、分子機能デバイス、論理回路等の分子デバイスとして好適に応用可能である。
【0038】
<分子素子>
前記金属錯体集積構造物は、上述のような構造及び機能を有するため、分子素子に応用可能である。前記金属錯体集積構造物を該分子素子に応用した場合、該分子素子においては、金属イオンと、導電性ワイヤー部として機能する配位子とからなる金属錯体鎖が、互いに交差された単結晶乃至薄膜状の構造を有し、該単結晶乃至薄膜の端部まで前記金属錯体鎖における配位子(導電性ワイヤー)が延設されているため、前記配位子(導電性ワイヤー)に電圧を印加し、電気信号を伝達させると、該配位子(導電性ワイヤー)から前記金属錯体鎖へと電荷移動が生ずる。これによって、前記金属錯体鎖に注入させるキャリア濃度を、単結晶乃至薄膜の外部から制御することができ、前記金属錯体鎖の集積方向の電気伝導性を好適に制御することができる。その結果、配線の問題等がなく、分子レベルでの微細なスイッチング素子機能を有する分子素子を設計することができる。
【0039】
<マトリクス回路>
前記金属錯体集積構造物は、上述のような構造及び機能を有するため、マトリクス回路に応用可能である。前記金属錯体集積構造物を該マトリクス回路に応用した場合、例えば、図1及び図2に示されるように、金属イオン(例えば、Niイオン)が配位子により連結された金属錯体鎖を、互いに直交させると、三次元的なネットワーク構造を有するマトリクス回路とすることができる。前記マトリクス回路における該三次元的ネットワーク構造は、金属錯体鎖の自己配列乃至自己集積化によって形成された単結晶乃至薄膜であり、金属錯体鎖は、該単結晶乃至薄膜の末端部まで延設された構造となっている。
【0040】
したがって、分子素子としての金属錯体鎖の各金属錯体と、前記アクセプター性の配位子(導電性ワイヤー)とからなる金属錯体鎖を、例えば、図3に示すように、それぞれX方向、Y方向のアドレスラインとして、これらに、X軸、Y軸の電極端子を接続し各分子素子に入出力信号を伝達する機能を担わせることにより、X軸、Y軸の電場入力によって交差点における分子素子を個別にON/OFF切替することが可能となる。なお、図3における積層構造のうち、最下層は、基板電極を意味し、その上の層は、マトリクス層を意味し、その上の層は発光分子層を意味し、最上層は、透明電極を意味する。また、最上層から上方に向かう矢印は、発光を意味し、X軸及びY軸に沿って伸びる直線は、アドレスラインを意味する。
このように、金属錯体鎖の間に、電気伝導性の相互作用を持たせることにより、分子レベルの微細なマトリクス回路が得られる。
【0041】
<分子機能デバイス>
前記金属錯体集積構造物は、上述のような構造及び機能を有するため、分子機能デバイスに応用可能である。該分子機能デバイスとしては、前記金属錯体鎖における前記金属錯体の前記中心金属イオン及び前記配位子(導電性ワイヤー)等を含み、かつそれが2種以上からなるものを含む多層薄膜構造を有するものなどが好適に挙げられる。
【0042】
前記多層薄膜構造を製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、電解合成法又はLB法の操作を繰り返して成膜する方法、などが挙げられる。
該多層薄膜構造を形成すると、互いに機能の異なる2種以上の分子層が計画的に積層された超格子構造の分子機能デバイスが得られる。このような分子機能デバイスは、電子状態の変化乃至それに伴う発光、記憶、構造変化、及び演算の少なくともいずれかの機能を分子単位で制御可能である。
【0043】
前記分子機能デバイスにおいては、その金属錯体鎖が、該金属錯体鎖と相互作用可能な機能性分子を末端に有してもよい。
この場合、該分子機能デバイスに該機能性分子に基づく新たな機能、例えば発光、記憶、構造変化、演算等の機能を付与することができ、このような機能が付与された分子機能デバイスは、演算装置、ディスプレイ、メモリ等として応用可能である。
【0044】
前記機能性分子を末端に導入した前記分子機能デバイスの具体例としては、図4に示すように、該金属錯体鎖(図4中、「M」を包含する楕円が上下方向に伸びる直線で結ばれたもの)が末端にアルキル鎖(アルキル基、図4中「R」で表されたもの)を有し、該アルキル基に前記機能性分子としてのフラーレン(図4中、サッカーボール構造に示されたもの)を捕捉させてなる態様、などが挙げられる。
また、前記機能性分子を末端に導入した前記分子機能デバイスの具体例としては、図3に示すように、該金属錯体鎖の一端側に発光分子層、透明電極をこの順に積層し、他端側に基板電極を設けることにより、前記金属錯体鎖からの通電によって発光可能なディスプレイが実現される。
なお、このディスプレイにおいては、前記金属錯体鎖に対し個々に導電可能な接続を行うことが不要であり、上下から挟み込む電極基板間に通電を行うのみでディスプレイとして機能するので、微細な加工等は不要である。
更に、前記発光分子層に代えて、光学特性可変層、分子構造可変層、分子認識層、などを設けることができ、各種機能を有する分子機能デバイスを設計することができる。
【0045】
<論理回路>
前記金属錯体集積構造物は、前述のような構造及び機能を有するため、論理回路に応用可能である。前記金属錯体集積構造物においては、前記前記金属錯体鎖における配位子(導電性ワイヤー)が、該単結晶乃至薄膜の末端部まで延設された構造をとる。該金属錯体集積構造物における前記配位子(導電性ワイヤー)等における末端入力部を、幾つかの領域に分割して各々に電場の入力を与えることにより、前記金属錯体鎖方向に特定の出力を与えることが可能な分子レベルの微細な論理回路を設計することができる。
【0046】
図5は、本発明の金属錯体集積構造物を論理回路としてのAND回路(図5A)及びOR回路(図5B)に応用した一例を示す概略説明図である。なお、図5A及び図5B中、手前側から奥方向に向かう矢印は、入力A及び入力Bを意味し、上方に向かう矢印は、出力Cを意味し、三層構造における中間層は、鎖間導電層を意味する。
図5Aに示すように、1の金属錯体鎖方向に沿って2つの領域に分割し、他の金属錯体鎖における各々の導電性ワイヤーに対する電場印加を入力(入力A及び入力B)、1の金属錯体鎖方向の電流を出力(出力C)可能に設計した論理回路は、図5Aに示すように、入力A及び入力Bが共に入力された場合にのみ出力Cが出力するAND回路として機能する。
【0047】
また、図5Bに示すように、1の金属錯体鎖間に電流を伝える導電層を挿入することで、1の金属錯体鎖方向に分割された一方を、更に、1の金属錯体鎖間方向に分けて各々に対する電場印加を入力(各々入力A及び入力B)、1の金属錯体鎖間導電層の反対側に流れる電流を出力(出力C)可能に設計した論理回路は、図5Bに示すように、入力A又は入力Bのいずれかから入力があった場合に出力Cが出力するOR回路として機能する。
このように、電流の入力方法を変えることによって、多様な論理回路を設計することができる。
前記論理回路における演算素子の大きさは、電極端子を接続する精度によって決まり、結晶に端子をペースト等で接着した場合は多数の分子が塊として動作し、走査トンネル顕微鏡(STM)等で分子ワイヤー1本ごとに信号を与えた場合は、分子単位で駆動するナノスケールのデバイスとなる。
【0048】
以上のように、前記金属錯体鎖を互いに相互作用可能に交差させて形成した金属錯体集積構造物は、分子レベルのスイッチング素子及びその間の配線を同時に実現した、極めて高機能なナノスケールデバイスに応用可能である。これは、前記金属錯体及び前記配位子(導電性ワイヤー)からなる金属錯体鎖の自己配列乃至自己集積化による分子の自発的なパッキングによる作用乃至効果に基づくものであり、これにより、物質的に実現し得る最小スケールの電子回路などが設計可能である。また、前記金属錯体集積構造物は、均一な格子構造で得られることから、接続精度の向上に対応して、分子素子の大きさが数分子単位の束になったものから、究極的には単分子サイズまで、何れの段階でも好適に駆動させることができ、目的に応じたスケールのデバイスに応用可能である。
【0049】
なお、クロスバースイッチの実施可能な形態(図6)が、SCIENCE・VOL280・12 JUNE 1998の第1716頁〜第1720頁に説明されている。なお、図6中、α及びδは、それぞれ、アドレスライン及びデータラインを表し、βは、スイッチを表す。前記アドレスラインは、ビットを配置するのに用いられる。一旦、ビットが配置されると、2本のデータライン間の接続が短絡され、ビット状態が読み込まれる。前記スイッチは、2本のアドレスラインに接続される半導体量子ドットであってもよい。前記ドットは、トンネル現象が引き起こされるか、又は、2本のデータワイヤーとオーム接触する。前記ドットを前記4本のワイヤーに接続する配位子は、接続の性状を制御する。このスイッチは、デュアルゲート型単電子トランジスタである。2本のアドレスラインが印加されると、前記量子ドットがクーロン閉塞電圧領域外にシフトされ、前記データラインは、効率的に短絡される。
【実施例】
【0050】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0051】
(実施例1)
<配位子1の合成>
下記合成スキームに示すように、2−ベンゾイミダゾロン10gを「硝酸(1.38)」100ml中で70℃、1時間加熱攪拌の後、冷水で希釈することで、黄緑色の5,6−ジニトロ−2−ベンゾイミダゾロンを得た(収率76.5%)。得られた5,6−ジニトロ−2−ベンゾイミダゾロンをオキシ塩化リン中で140℃、7時間還流した後、過剰のオキシ塩化リンを減圧留去し、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和することで、2位が塩素化された黄色の5,6−ジニトロ−2−クロロベンゾイミダゾールを得た(収率64.7%)。
【0052】
【化12】

【0053】
下記合成スキームに示すように、得られた5,6−ジニトロ−2−クロロベンゾイミダゾールをピリジン中で5時間還流後、濃縮することで黄色微結晶を得た。得られた黄色微結晶は、単結晶X線構造解析により、図7に示す構造(下記式(1a))であることが確認された。単結晶X線構造解析データを以下に示す。
【0054】
<単結晶X線構造解析データ>
晶系:三斜晶系、空間群:P1、a=6.216(2)、b=8.589(3)、c=12.109(5)(Å)、α=73.86(3)、β=74.69(3)、γ=76.71(3)°、V=590.3(5)(Å
【0055】
さらに、下記合成スキームに示すように、得られた黄色微結晶を2−メトキシエタノール溶液中、パラジウム活性炭素を触媒として水素雰囲気下で5時間撹拌後、ろ液をエバポレータで濃縮することにより、ニトロ基をアミノ基に変換した配位子1(下記式(1))を得た。IRスペクトルより、5,6位のニトロ基がアミノ基に変換されていることが確認された(図8)。
【0056】
【化13】

【0057】
(実施例2)
<配位子2の合成>
下記合成スキームに示すように、5,6−ジニトロ−2−クロロベンゾイミダゾールを2−ブトキシエタノール中で4−ブロモピリジンと160℃で5時間加熱撹拌後、濃縮することで黄褐色沈殿(下記式(2a))を得た。
【0058】
さらに、下記合成スキームに示すように、得られた黄褐色沈殿を2−メトキシエタノール溶液中、パラジウム活性炭素を触媒として水素雰囲気下で5時間撹拌後、ろ液をエバポレータで濃縮することにより、ニトロ基をアミノ基に変換した配位子2(下記式(2))を得た。IRスペクトルより、5,6位のニトロ基がアミノ基に変換されていることが確認された(図9)。
【0059】
【化14】

【0060】
(実施例3)
<配位子3の合成>
下記合成スキームに示すように、5,6−ジニトロ−2−クロロベンゾイミダゾールを2−ブトキシエタノール中で4,4’−ビピリジニウムと160℃で5時間加熱撹拌後、濃縮することで橙色沈殿を得た。得られた橙色沈殿は、単結晶X線構造解析により、図10に示す構造(下記式(3a))であることが確認された。単結晶X線構造解析データを以下に示す。
【0061】
<単結晶X線構造解析データ>
晶系:単斜晶系、空間群:P21/a、a=7.791(4),b=22.06(1),c=9.257(5)(Å),α=γ=90,β=107.84(1)°,V=1514.5(1)(Å)。
【0062】
さらに、下記合成スキームに示すように、得られた橙色沈殿を2−メトキシエタノール溶液中、パラジウム活性炭素を触媒として水素雰囲気下で5時間撹拌後、ろ液をエバポレータで濃縮することにより、ニトロ基をアミノ基に変換した配位子3(下記式(3))を得た。IRスペクトルより、5,6位のニトロ基がアミノ基に変換されていることが確認された(図11)。
【化15】

【0063】
(実施例4)
<金属錯体4の合成>
実施例1において合成した配位子1を2−メトキシエタノール中、酢酸ニッケル、パラジウム活性炭素とともに水素雰囲気下で5時間撹拌し、ろ液をエバポレータで濃縮することにより、褐色のニッケル錯体(金属錯体4)を得た。
また、酢酸ニッケルの代わりに塩化亜鉛を用いることにより、黒色の亜鉛錯体(金属錯体4)を得た。
【0064】
(実施例5)
<金属錯体5の合成>
実施例2において合成した配位子2を2−メトキシエタノール中、酢酸ニッケル、パラジウム活性炭素とともに水素雰囲気下で5時間撹拌し、ろ液をエバポレータで濃縮することにより、褐色のニッケル錯体(金属錯体5)を得た。
また、酢酸ニッケルの代わりに塩化亜鉛を用いることにより、黒色の亜鉛錯体(金属錯体5)を得た。
【0065】
(実施例6)
<金属錯体6の合成>
実施例3において合成した配位子3を2−メトキシエタノール中、酢酸ニッケル、パラジウム活性炭素とともに水素雰囲気下で5時間撹拌し、ろ液をエバポレータで濃縮することにより、褐色のニッケル錯体(金属錯体6)を得た。
また、酢酸ニッケルの代わりに塩化亜鉛を用いることにより、黒色の亜鉛錯体(金属錯体6)を得た。
【0066】
(実施例7)
<金属錯体7の合成>
配位子1(上記式(1))の前駆体1a(上記式(1a))を、メタノール溶液中、パラジウム活性炭素を触媒として水素雰囲気下で5時間撹拌し、配位子1(上記式(1))を合成した。この溶液をろ過後、1/2当量の酢酸ニッケルメタノール溶液と混合することで、反応液は緑色から濃青色へと変化した。これをロータリーエバポレータで濃縮することで、褐色沈殿の金属錯体(ニッケル錯体)7を得た。
IRスペクトルを測定したところ(図12)、配位子1(上記式(1))と比較して、アミノ基の水素結合によるピークが減少していることから、5,6位のアミノ基がニッケルに配位し、上記式(4)の構造の錯体を形成していることが確認された。
【0067】
(実施例8)
<金属錯体8の合成>
配位子2(上記式(2))の前駆体2a(上記式(2a))を、メタノール溶液中、パラジウム活性炭素を触媒として水素雰囲気下で5時間撹拌し、配位子2(上記式(2))を合成した。この溶液をろ過後、1/2当量の酢酸ニッケルメタノール溶液と混合することで、反応液は緑色から濃青色へと変化した。これをロータリーエバポレータで濃縮することで、褐色沈殿の金属錯体(ニッケル錯体)8を得た。
【0068】
(実施例9)
<金属錯体9の合成>
配位子3(上記式(3))の前駆体3a(上記式(3a))を、メタノール溶液中、パラジウム活性炭素を触媒として水素雰囲気下で5時間撹拌し、配位子3(上記式(3))を合成した。この溶液をろ過後、1/2当量の酢酸ニッケルメタノール溶液と混合することで、反応液は緑色から濃青色へと変化した。これをロータリーエバポレータで濃縮することで、褐色沈殿の金属錯体(ニッケル錯体)9を得た。
IRスペクトルを測定したところ(図13)、配位子3(上記式(3))と比較して、アミノ基の水素結合によるピークが減少していることから、5,6位のアミノ基がニッケルに配位し、上記式(4)の構造の錯体を形成していることが確認された。
【0069】
(実施例10)
<酸化還元クロミズムの観察>
ニッケル錯体7のアルコール溶液に水素ガスを通気すると、濃青色から淡緑色に変化した。これをさらに空気中に放置すると、再び濃青色に戻ることから、このニッケル錯体7は酸化還元によってスイッチされる酸化還元クロミズム(クロミック現象)を示すことが見出された(図14)。
さらに、ニッケル錯体7のメタノール溶液について、可視吸収スペクトルを測定した(図15)。水素ガスを通気する前の濃青色溶液では、634nm及び582nmに吸収ピークが観測されるが、水素ガスを通気した後の淡緑色溶液では、このピークが減少しており、酸化還元クロミズムが確認された。
【0070】
本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1)ベンゾイミダゾール骨格を有し、該ベンゾイミダゾール骨格の5位及び6位に、金属と配位結合可能であって、窒素原子を有する官能基を有してなることを特徴とする配位子。
(付記2)前記官能基がアミノ基である付記1に記載の配位子。
(付記3)前記アミノ基を2つ有する付記2に記載の配位子。
(付記4)前記ベンゾイミダゾール骨格がピリジニウム誘導体を含む付記1から3のいずれかに記載の配位子。
(付記5)前記ピリジニウム誘導体がピリジニウム基を含む化合物である付記4に記載の配位子。
(付記6)前記ピリジニウム誘導体がブロモピリジニウム基を含む化合物である付記4に記載の配位子。
(付記7)前記ピリジニウム誘導体が4−4´ビピリジニウム基を含む化合物である付記4に記載の配位子。
(付記8)下記式(1)〜式(3)の少なくともいずれかで表される付記1から7のいずれかに記載の配位子。
【化16】

【化17】

【化18】

(付記9)下記式(4)で表されることを特徴とする金属錯体化合物。
【化19】

(付記10)前記金属錯体化合物のアルコール溶液が、水素乃至空気の通気により酸化還元クロミズム特性を示す付記9に記載の金属錯体化合物。
(付記11)付記9から10のいずれかに記載の金属錯体化合物を製造する金属錯体化合物の製造方法であって、付記1から8のいずれかに記載の配位子と金属含有溶液とを混合して混合液を作製する混合工程と、前記混合液を濃縮する濃縮工程とを含むことを特徴とする金属錯体化合物の製造方法。
(付記12)付記9から10のいずれかに記載の金属錯体化合物を自己配列乃至自己集積させる自己配列乃至自己集積化工程を含むことを特徴とする分子デバイスの製造方法。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の配位子は、超高密度、超高速で作動可能な分子素子、マトリクス回路、分子機能デバイス、論理回路等として好適であり、情報通信分野における演算装置、ディスプレー、メモリ等の各種機器の微細化・精密化に応用可能な金属錯体集積構造物、該金属錯体集積構造物に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、金属錯体集積構造物を二次元的に図示した一例を示す概略説明図である。
【図2】図2は、マトリクス回路(金属錯体集積構造物)において、金属錯体鎖を用いた場合の一例を示す概略説明図である。
【図3】図3は、基板上に、多層薄膜を形成した後、その表面に発光分子層を積層し、透明電極板で被覆することにより、基板上にマトリクス回路からの通電によって発光すると共に発光が制御される層が形成されたディスプレイの一例を示す概略説明図である。
【図4】図4は、マトリクス回路(金属錯体集積構造物)において、金属錯体鎖の末端に付加されたアルキル鎖にフラーレン分子を捕捉させた一例を示す概略説明図である。
【図5】図5Aは、金属錯体集積構造物を用いた論理回路(AND回路)の一例を示す概念図であり、図5Bは、金属錯体集積構造物を用いた論理回路(OR回路)の一例を示す概念図である。
【図6】図6は、クロスバースイッチの実施可能な形態を説明するための概略図である。
【図7】図7は、配位子1の前駆体(式(1a))の構造を示す図である。
【図8】図8は、配位子1の前駆体(式(1a))及び配位子1(式(1))のIRスペクトルを示す図である。
【図9】図9は、配位子2の前駆体(式(2a))及び配位子2(式(2))のIRスペクトルを示す図である。
【図10】図10は、配位子3の前駆体(式(3a))の構造を示す図である。
【図11】図11は、配位子3の前駆体(式(3a))及び配位子3(式(3))のIRスペクトルを示す図である。
【図12】図12は、配位子1(式(1))及び金属錯体7のIRスペクトルを示す図である。
【図13】図13は、配位子3(式(3))及び金属錯体9のIRスペクトルを示す図である。
【図14】図14は、ニッケル錯体7の酸化還元クロミズムの挙動を示す図である。
【図15】図15は、ニッケル錯体7のメタノール溶液の可視吸収スペクトルを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンゾイミダゾール骨格を有し、
該ベンゾイミダゾール骨格の5位及び6位に、金属と配位結合可能であって、窒素原子を有する官能基を有してなることを特徴とする配位子。
【請求項2】
前記官能基がアミノ基である請求項1に記載の配位子。
【請求項3】
前記ベンゾイミダゾール骨格がピリジニウム誘導体を含む請求項1から2のいずれかに記載の配位子。
【請求項4】
下記式(1)〜式(3)の少なくともいずれかで表される請求項1から3のいずれかに記載の配位子。
【化1】

【化2】

【化3】

【請求項5】
下記式(4)で表されることを特徴とする金属錯体化合物。
【化4】

【請求項6】
前記金属錯体化合物のアルコール溶液が、水素乃至空気の通気により酸化還元クロミズム特性を示す請求項5に記載の金属錯体化合物。
【請求項7】
請求項5から6のいずれかに記載の金属錯体化合物を製造する金属錯体化合物の製造方法であって、請求項1から4のいずれかに記載の配位子と金属含有溶液とを混合して混合液を作製する混合工程と、前記混合液を濃縮する濃縮工程とを含むことを特徴とする金属錯体化合物の製造方法。
【請求項8】
請求項5から6のいずれかに記載の金属錯体化合物を自己配列乃至自己集積させる自己配列乃至自己集積化工程を含むことを特徴とする分子デバイスの製造方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図15】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−1281(P2010−1281A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330882(P2008−330882)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人科学技術振興機構、「集積型電子機能性有機−無機ハイブリッド材料の構築」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】