説明

配列ピッチ変換装置及び配列ピッチ変換方法

【課題】連結パンタグラフ機構の最大長に合わせて設置していた固定的支持ガイドを省略し、コンパクトなサイズの配列ピッチ変換装置及び配列ピッチ変換方法を提供する。
【解決手段】菱形部材からなるパンタグラフ機構PNTを複数連結させてなる連結パンタグラフ機構12bにおける各連結ヒンジ部14に補強棒材を把持するグリッパ17をそれぞれ取り付け、連結パンタグラフ機構12bを伸縮させることにより、複数の補強棒材における配列ピッチを一括して変換する。連結パンタグラフ機構12bを支持補強する支持部材としての連結パンタグラフ機構11a・12aが連結方向に平行に設けられている。連結パンタグラフ機構11a・12aは、連結パンタグラフ機構12bの伸縮長さ内において連結パンタグラフ機構12bの伸縮に合わせて一体に伸縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部材を把持して所定の位置に移動した後、再配置するいわゆる移載作業時に、部材間の配列ピッチ変換を一括して行う配列ピッチ変換装置及び配列ピッチ変換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
棒材やボトル等の複数の部材における配列ピッチを供給時の初期ピッチから、組付け又はコンテナ格納等のため、初期ピッチとは異なる所定の配列ピッチに変換する作業は、部材の生産工程又は流通においてしばしば必要となる。
【0003】
このような作業における配列ピッチ変換は、人手や単独の部材移載時の整列等によって実現される場合が多いが、生産効率及び搬送効率を上げるため複数の部材を一括して移載する際に合わせて配列ピッチ変換を行う機能を持った装置も多数提案されており、このような装置を利用した生産・物流工程の自動化も進められている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示された鋼管の配列ピッチ変換装置100は、図6(a)に示すように、供給された複数の鋼管101…を複数のグリッパ102…にて把持し、各グリッパ102…間の配列ピッチPを一括して変換する機能を持っている。すなわち、特許文献1では、複数のグリッパ102…の配列ピッチPを変換するために、図6(b)に示すように、複数のリンク111…から構成される菱形形状のパンタグラフ機構112を複数連結した連結パンタグラフ機構110を利用していることが特徴である。
【0005】
連結パンタグラフ機構110を用いれば、連結パンタグラフ機構110の伸縮範囲における任意の中間位置において各グリッパ102…間の配列ピッチPを一定に保つことができる利点がある。また、連結パンタグラフ機構110の伸縮を直動アクチュエータ120によって制御するか、又は一部のリンク111の交差角度を図示しないモータ等の回転アクチュエータによって制御すれば、各リンク111…の連動によってグリッパ102…間の配列ピッチPは一斉に調整可能であるため、アクチュエータ及びその制御装置の数を抑えることができる。
【0006】
このような配列ピッチ変換機構とグリップ機構とを持った配列ピッチ変換装置100をロボット等の移載装置の先端に配置して部材の把持及び配置に利用すれば、部材の移載作業と各部材間のピッチ変換作業とを同時に行えることになるので、全体としての作業時間を短縮でき、生産又は物流の効率を向上させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭58−28485号公報(昭和58年(1983)2月19日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された配列ピッチ変換装置100では、以下の問題点を有している。
【0009】
すなわち、連結パンタグラフ機構110は複数のリンク111…をヒンジ113…で連結する機構であるため、ヒンジ113部分の機構ガタ(バックラッシュ)やリンク111の変形等が累積して位置・姿勢誤差が大きくなる場合がある。特に、連結パンタグラフ機構110の展開平面におけるリンク111の交差角度と、連結パンタグラフ機構110の伸縮方向を含みかつ連結パンタグラフ機構110の展開平面に対して垂直をなす平面との交差角度とに関しては精度が低下する傾向がある。
【0010】
上記特許文献1をはじめとする連結パンタグラフ機構を利用した配列ピッチ変換装置では、上記のような連結パンタグラフ機構の位置・姿勢誤差を抑制するために、連結パンタグラフ機構に当該連結パンタグラフ機構の動作を伸縮方向に支持規制するようなレールにて構成される支持ガイド130を設置している。
【0011】
しかしながら、連結パンタグラフ機構110の支持ガイド130は、連結パンタグラフ機構110が最大限伸展した状態に合わせた長さで固定されており、かつ連結パンタグラフ機構110の不要な動作を規制するように剛性を高めて設計されている。したがって、上記特許文献1等における配列ピッチ変換装置100は連結パンタグラフ機構110のみの場合に比較して外形寸法が大きくならざるを得ない。
【0012】
このため、配列ピッチ変換装置をロボットやスライダの先端に設置する場合、ロボットやスライダ等の移載機構に求められる可動範囲を大きく取る必要があるため、配列ピッチ変換装置が全体として大きくなると共に、配列ピッチ変換装置置の価格が高くなるという問題がある。
【0013】
また、連結パンタグラフ機構110が折り畳まれている状態であっても配列ピッチ変換装置100の外寸は同じであるため、配列ピッチ変換装置100をロボットやスライダの先端等に設置して移載作業を行う場合には、移動の全ての段階で周辺に干渉防止用のスペースを設定しておく必要がある。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、連結パンタグラフ機構の最大長に合わせて設置していた固定的支持ガイドを省略し、コンパクトなサイズの配列ピッチ変換装置及び配列ピッチ変換方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の配列ピッチ変換装置は、上記課題を解決するために、菱形部材からなるパンタグラフ機構を複数連結させてなる連結パンタグラフ機構における各連結ヒンジ部に被把持物を把持する把持手段をそれぞれ取り付け、該連結パンタグラフ機構を伸縮させることにより、複数の被把持物における配列ピッチを一括して変換する配列ピッチ変換装置において、上記連結パンタグラフ機構を支持補強する支持部材が上記パンタグラフ機構の連結方向に平行に設けられていると共に、上記支持部材は、上記連結パンタグラフ機構の伸縮長さ内において該連結パンタグラフ機構の伸縮に合わせて一体に伸縮することを特徴としている。
【0016】
本発明の配列ピッチ変換方法は、上記課題を解決するために、菱形部材からなるパンタグラフ機構を複数連結させてなる連結パンタグラフ機構における各連結ヒンジ部に被把持物を把持する把持手段をそれぞれ取り付け、該連結パンタグラフ機構を伸縮させることにより、複数の被把持物における配列ピッチを一括して変換する配列ピッチ変換方法において、上記連結パンタグラフ機構を支持補強する支持部材を、上記パンタグラフ機構の連結方向に平行に設け、上記支持部材を、上記連結パンタグラフ機構の伸縮長さ内において該連結パンタグラフ機構の伸縮に合わせて一体に伸縮させることを特徴としている。
【0017】
上記の発明によれば、連結パンタグラフ機構は、菱形部材からなるパンタグラフ機構を複数連結させてなっている。そして、パンタグラフ機構同士の各連結ヒンジ部には被把持物を把持する把持手段がそれぞれ取り付けられているので、把持手段にて被把持物を把持し、連結パンタグラフ機構を伸縮させることにより、複数の被把持物における配列ピッチを一括して変換することができる。
【0018】
ここで、本発明では、連結パンタグラフ機構には、該連結パンタグラフ機構を支持補強する支持部材が、パンタグラフ機構の連結方向に平行に設けられている。そして、この支持部材は、連結パンタグラフ機構の伸縮長さ内において該連結パンタグラフ機構の伸縮に合わせて一体に伸縮する。
【0019】
このため、連結パンタグラフ機構は支持部材により支持されると共に、この支持部材は連結パンタグラフ機構の伸縮に合わせて一体に伸縮するので、連結パンタグラフ機構を収縮させたときには支持部材も同様に収縮し、連結パンタグラフ機構の収縮時における支持部材と同じである。
【0020】
したがって、連結パンタグラフ機構の最大長に合わせて設置していた固定的支持ガイドを省略し、コンパクトなサイズの配列ピッチ変換装置を提供することができる。
【0021】
本発明の配列ピッチ変換装置では、前記支持部材は、複数の前記連結パンタグラフ機構をパンタグラフ機構の連結方向に平行に互いに並設してなっていることが好ましい。
【0022】
これにより、支持部材を連結パンタグラフ機構にて構成する。この結果、例えば2つの連結パンタグラフ機構を互いに平行に並べて配置すると共に、両者は、互いに支持し合っている。この結果、2つの連結パンタグラフ機構は互いに同じ動きで伸縮する。
【0023】
したがって、複数の連結パンタグラフ機構が、互いに剛性を補強し合うことができる。また、複数の連結パンタグラフ機構はいずれも同じ動きをするので、連結パンタグラフ機構の最大長に合わせて設置していた固定的支持ガイドも不要となる。さらに、連結パンタグラフ機構同士が、互いに規制し合うようになるので、全体として位置精度を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の配列ピッチ変換装置では、前記複数の連結パンタグラフ機構は、該連結パンタグラフ機構における前記菱形部材からなるパンタグラフ機構の複数の菱形平面が、互いに平行になるように配設されているとすることができる。
【0025】
これによれば、連結パンタグラフ機構同士を近接して配置して伸縮を行っても、連結パンタグラフ機構同士が互いに干渉することがないため、配列ピッチ変換装置の厚さを減少させることができる。
【0026】
また、本発明の配列ピッチ変換装置では、前記複数の連結パンタグラフ機構における少なくとも2つは、該連結パンタグラフ機構における前記菱形部材からなるパンタグラフ機構の複数の菱形平面が、他の連結パンタグラフ機構における前記菱形部材からなるパンタグラフ機構の複数の菱形平面とは互いに垂直になるように配設されているとすることができる。
【0027】
これによれば、少なくとも2つの連結パンタグラフ機構は、菱形平面が互いに垂直となるように支持し合いながら配設される。この結果、2つの連結パンタグラフ機構における菱形平面内の回転方向に関する剛性の課題が相殺されるようになるため、配列ピッチ変換装置全体の位置精度を向上させることができる。
【0028】
また、本発明の配列ピッチ変換装置では、前記支持部材は、複数の同心多重部材をそれぞれ遊嵌させて伸縮自在になっているとすることができる。尚、この構成は、連結パンタグラフ機構が1つの場合又は複数の場合のいずれにも適用することができる。
【0029】
本発明では、連結パンタグラフ機構の支持部材として、複数の同心多重部材をそれぞれ遊嵌させて伸縮自在になっているものを用いる。この構成の支持部材は、入れ子構造つまり同心多重構造となっている複数の円筒によって構成される例えばアンテナロッド状のものが該当する。このような支持部材の両端を、例えば、連結パンタグラフ機構の両端に結合支持しておくことによって、支持部材は連結パンタグラフ機構と一体に伸縮する。したがって、このような支持部材も、連結パンタグラフ機構の剛性を補強することができる。
【0030】
特に、連結パンタグラフ機構は、各連結ヒンジ部にそれぞれ取り付けられた把持手段にて被把持物を把持するので、連結パンタグラフ機構の両端が重力によって下方に撓み易い。この点、例えば、複数の同心多重部材にてなる支持部材を、連結パンタグラフ機構の菱形部材の対称軸に一致させて並設しておくことによって、連結パンタグラフ機構の両端での撓みを効率よく抑制し、水平レベルの均一性の精度を向上させることができる。
【0031】
また、本発明の複数の同心多重部材にてなる支持部材は、特許文献1に開示された従来の長さ固定のガイドを用いるのではなく、連結パンタグラフ機構と一体に同じ伸縮長さにて伸縮するので、連結パンタグラフ機構を縮小して折り畳んだときに、支持部材を含めた全体をコンパクトに折り畳むことができる。
【0032】
また、本発明の配列ピッチ変換装置では、少なくとも上下に平行に配され、互いに連結され、かつそれぞれ個別に伸縮駆動される1組の前記連結パンタグラフ機構を備えていると共に、上記連結パンタグラフ機構における各連結ヒンジ部に取り付けられた把持手段による被把持物の水平レベルが該連結パンタグラフ機構の伸縮方向において互いに均一となるように、上記上下の連結パンタグラフ機構の伸縮長さをそれぞれ調整する水平レベル制御手段が設けられていることが好ましい。
【0033】
前述したように、連結パンタグラフ機構は、各連結ヒンジ部にそれぞれ取り付けられた把持手段にて被把持物を把持するので、連結パンタグラフ機構の両端が重力によって下方に撓み易い。
【0034】
そこで、本発明では、複数の連結パンタグラフ機構における少なくとも上下に平行に配されている1組の前記連結パンタグラフ機構は、互いに連結され、かつそれぞれ個別に伸縮駆動される。そして、上記上下の連結パンタグラフ機構は、水平レベル制御手段によって、連結パンタグラフ機構における各連結ヒンジ部に取り付けられた把持手段による被把持物の水平レベルが該連結パンタグラフ機構の伸縮方向において互いに均一となるように、上下の連結パンタグラフ機構の伸縮長さをそれぞれ調整される。
【0035】
すなわち、水平レベル制御手段は、下側の連結パンタグラフ機構を上側の連結パンタグラフ機構よりも長くなるように、各連結パンタグラフ機構の長さを調整することになる。これにより、下側の連結パンタグラフ機構は上側に反り返るので、そのままでは下側に撓んでいた下側の連結パンタグラフ機構の両端部分が持ち上がり、被把持物の水平レベルが均一になるように調整することができる。
【0036】
このように、連結パンタグラフ機構の伸縮量及び目標ピッチに応じて、該連結パンタグラフ機構にかかる重力等の外力が推定できる場合、事前にその外力が及ぼす悪影響を補正すべく、各連結パンタグラフ機構の制御目標値を設定しておくことが可能になる。本発明では、水平レベル制御手段が、各連結パンタグラフ機構の制御目標値の設定にしたがって各連結パンタグラフ機構を制御する。この結果、簡便に、被把持物の水平レベルが均一になるように補正制御することができる。
【0037】
また、本発明の配列ピッチ変換装置では、前記1組の連結パンタグラフ機構における少なくとも1つの連結パンタグラフ機構には、該連結パンタグラフ機構の水平レベルを検出する水平レベル検出手段が設けられているとすることができる。
【0038】
これによれば、水平レベル検出手段にて、1組の連結パンタグラフ機構における少なくとも1つの連結パンタグラフ機構の水平レベルを検出することができる。
【0039】
この結果、連結パンタグラフ機構の伸縮量及び目標ピッチに応じて、該連結パンタグラフ機構にかかる重力等の外力が推定できない場合においても、この水平レベル検出手段にて連結パンタグラフ機構の水平レベルを検出し、被把持物の水平レベルが均一になるように補正することができる。また、連結パンタグラフ機構の水平レベルを直接検出するので、被把持物の水平レベルが確実に均一になるように補正制御することができる。
【0040】
また、本発明の配列ピッチ変換装置では、前記連結パンタグラフ機構の連結ヒンジ部は、隣接する菱形部材の各一部を構成する2つの棒状部材を交差させて軸支してなっていると共に、上記連結パンタグラフ機構における連結ヒンジ部の1つには、上記棒状部材をモータ軸と同軸に回動するモータが設けられているとすることができる。
【0041】
従来の特許文献1では、連結パンタグラフ機構の伸縮方向に沿うピストンロッドの先端を1つの連結ヒンジ部に固定し、このピストンロッドを進退移動させる流体シリンダにて連結パンタグラフ機構を伸縮駆動していたので、連結パンタグラフ機構の縮小時においては、流体シリンダが連結パンタグラフ機構からはみ出す構成であった。
【0042】
これに対して、本発明では、モータのモータ軸が回動すると、その回転駆動力が、1つの連結ヒンジ部における交差された1つの棒状部材を直接回動する回動力として伝達され、これにより、連結パンタグラフ機構が伸縮駆動される。
【0043】
そして、連結パンタグラフ機構を伸縮駆動するモータを、連結パンタグラフ機構の縮小時よりも小さくすることは容易である。
【0044】
したがって、駆動源においても連結パンタグラフ機構の伸縮長さよりも小さいものとすることができるので、連結パンタグラフ機構の最大長に合わせて設置していた固定的支持ガイドを省略しても、駆動源が連結パンタグラフ機構の伸縮長さよりも長くなるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の配列ピッチ変換装置は、以上のように、連結パンタグラフ機構を支持補強する支持部材がパンタグラフ機構の連結方向に平行に設けられていると共に、上記支持部材は、上記連結パンタグラフ機構の伸縮長さ内において該連結パンタグラフ機構の伸縮に合わせて一体に伸縮するものである。
【0046】
本発明の配列ピッチ変換方法は、以上のように、連結パンタグラフ機構を支持補強する支持部材を、上記パンタグラフ機構の連結方向に平行に設け、上記支持部材を、上記連結パンタグラフ機構の伸縮長さ内において該連結パンタグラフ機構の伸縮に合わせて一体に伸縮させる方法である。
【0047】
それゆえ、連結パンタグラフ機構の最大長に合わせて設置していた固定的支持ガイドを省略し、コンパクトなサイズの配列ピッチ変換装置及び配列ピッチ変換方法を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)は本発明における配列ピッチ変換装置としての部材ピッチ変換装置における実施の一形態を示すものであって、部材ピッチ変換装置の構成を示す平面図であり、(b)は部材ピッチ変換装置の構成を示す正面図である。
【図2】上記部材ピッチ変換装置を備えた垂直多関節ロボットの構成を示す平面図である。
【図3】上記部材ピッチ変換装置におけるコントロールボックスの構成を示すブロック図である。
【図4】上記部材ピッチ変換装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】(a)は本発明における配列ピッチ変換装置としての部材ピッチ変換装置における他の実施の一形態を示すものであって、部材ピッチ変換装置の構成を示す平面図であり、(b)は部材ピッチ変換装置の構成を示す正面図である。
【図6】(a)は従来の配列ピッチ変換装置を示す正面図であり、(b)は従来の連結パンタグラフ機構を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0050】
まず、図2は、本実施の形態を示すものであり、本発明の配列ピッチ変換装置としての部材ピッチ変換装置を備えた垂直多関節ロボット、及び製造ラインの一例を示す概略の平面図である。
【0051】
本実施の形態の配列ピッチ変換装置としての部材ピッチ変換装置10は、図2に示すように、製造ライン1に沿って搬送される例えばキャビネット2に、複数本の被把持物としての補強棒材3…を予め定められた所定の第2配列ピッチP2にて配設させるものである。これら補強棒材3…は、製造ライン1に隣接した部材供給箱4に上記第2配列ピッチP2とは異なる所定の第1配列ピッチP1にて収納されている。このため、部材ピッチ変換装置10は、部材供給箱4から第1配列ピッチP1にて複数本の補強棒材3…を取り出し、一括して第2配列ピッチP2に変換して、キャビネット2に配設するものとなっている。
【0052】
本実施の形態では、上記部材ピッチ変換装置10は、垂直多関節ロボット5の先端にてチャック機構6を介して取り付けられている。
【0053】
上記垂直多関節ロボット5は、部材供給箱4によって供給される棒状の補強棒材3をこの部材ピッチ変換装置10が取得する位置から、製造ライン1(図2には一部のみ記載)上を矢印A1の向きに流れるキャビネット2における補強棒材3の取り付け位置に部材ピッチ変換装置10が補強棒材3を再配置する位置までの、当該部材ピッチ変換装置10の移動を、矢印A2の向きにおけるアーム5aの旋回動作をしながら行うことができる。
【0054】
また、垂直多関節ロボット5は、移載作業終了後は、逆に、矢印A3の向きにアーム5aを移動して、繰返して補強棒材3の移載作業を行うことができる。
【0055】
ここで、部材ピッチ変換装置10は、本実施の形態では、補強棒材3を同時に例えば5本ずつ部材供給箱4からキャビネット2に移載するものとする。また、補強棒材3は、断面が高さ10mm×幅30mmの角型棒状部材であり、部材供給箱4に第1配列ピッチP1である100mmピッチにて、凹凸によって位置及び姿勢を固定された状態で整列され、1層10本ずつが複数の層に重ねて収納して供給されているものとする。
【0056】
また、補強棒材3の取り付け先のキャビネット2においては、補強棒材3は所定の5箇所に第2配列ピッチP2である300mmピッチで配置されるべきものとする。
【0057】
したがって、部材ピッチ変換装置10は、補強棒材3の移載作業中にその配列ピッチを100mmから300mmに変換する必要がある。この配列ピッチ変換作業と、垂直多関節ロボット5の部材ピッチ変換装置10の移動作業とは並列に実行可能である。このため、例えば補強棒材3の1本ずつに対して把持、移動、再配置を行う場合に比較して作業時間は大幅に短縮が可能であり、生産効率を上げることができるものとなっている。
【0058】
本実施の形態では、製造ライン1の状態(移動/停止)入力、及び製造ライン1への状態通知は垂直多関節ロボット5近傍に配置したコントロールボックス30によって行う。
【0059】
上記コントロールボックス30は、垂直多関節ロボット5及び部材ピッチ変換装置10の制御及び状態管理を行う。また、コントロールボックス30は、部材ピッチ変換装置10に取り付けてある補強棒材3を固定するための後述するグリッパ17の吸着をON/OFF制御するための真空エジェクタ7の制御も同時に行っている。
【0060】
上記グリッパ17は、部材ピッチ変換装置10内に10個(各補強棒材3に対して2個)配置してあるが、全てが1台の真空エジェクタ7に集中配管されており、一斉に制御が可能である。また、補強棒材3の上面は十分滑らかであり、グリッパ17によって部材ピッチ変換装置10に固定された状態にて垂直多関節ロボット5が動作を行ってもその状態を保つことができる。
【0061】
次に、部材ピッチ変換装置10の構成について、図1(a)(b)に基づいて詳述する。尚、図1(a)は、上記部材ピッチ変換装置10の構成を示す平面図であり、図1(b)は部材ピッチ変換装置10の構成を示す正面図である。
【0062】
本実施の形態の部材ピッチ変換装置10では、図1(a)に示すように、平面的には、横並びに2連の連結パンタグラフ機構11a・12aが設けられていると共に、正面から見た場合、図1(b)に示すように、これら連結パンタグラフ機構11a・12aの各直下に、連結パンタグラフ機構11b・12bがそれぞれ設けられており、合計4つの連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bが設けられている。
【0063】
上記連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bにおける上側の連結パンタグラフ機構11a・12aの各端部同士、及び伸縮方向の中央位置同士は、連結板13・13・13によってそれぞれ連結されている。したがって、これら4つの連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bのいずれか3つは、それ以外の1つを支持する本発明の支持部材として機能している。
【0064】
上記連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bは、それぞれ菱形部材からなるパンタグラフ機構PNTを複数連結させてなっていると共に、互いに各伸縮方向及び展開面である菱形平面が平行に配設されたものとなっている。
【0065】
上記連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bにおける各連結ヒンジ部14…は、隣接する菱形部材の各一部を構成する2つの棒状部材15・16を交差させて軸支してなっている。そして、上記連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bにおける連結ヒンジ部14…の1つである、当該連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮方向における各中央位置の連結ヒンジ部14においては、棒状部材15・16をモータ軸と同軸に回動するモータとしてのサーボモータSM1・SM2・SM3・SM4がそれぞれ設けられている。したがって、各サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4は、各連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを独立して伸縮駆動させることができるものとなっている。
【0066】
尚、上記サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4には、それぞれ図示しないエンコーダが内蔵されており、このエンコーダの値を読み出すことによって、サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4の回転角度が算出可能となっている。
【0067】
また、上記連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bのうちの下側における連結パンタグラフ機構11b・12bにおける各連結ヒンジ部14…には、合計10個の把持手段としてのグリッパ17…が取り付けられている。
【0068】
したがって、グリッパ17…は、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮に伴い、図1(a)の左右方向に、それぞれの間隔を一定に保ちながら伸縮する。このため、連結パンタグラフ機構11b・12bにおける同一伸縮位置に並ぶ2個のグリッパ17・17にて補強棒材3を吸着固定した場合に、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを同期して動かすことにより、補強棒材3の角度を変えずに、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮方向、つまり図2(a)の左右方向に、補強棒材3…同士を所定間隔に保ちながらピッチ変換することができる。
【0069】
一方、本実施の形態では、上記並設された連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの間には、該連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮方向に伸縮する支持部材としての伸縮ガイド21が取り付けられている。上記伸縮ガイド21には、この伸縮ガイド21に沿って、後述するリニアスケール22が取り付けられており、伸縮ガイド21の全長を計測することができるようになっている。
【0070】
すなわち、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bは、菱形部材の機構、及びガタ等の影響により、図1(a)の平面について回転方向に剛性が低い。そこで、本実施の形態では、伸縮ガイド21を取り付けることにより、上記平面方向の剛性を向上させることができるようになっている。
【0071】
また、本実施の形態では、連結パンタグラフ機構11a・12aの両端に取り付けられている連結板13・13の上には、それぞれ水平レベル検出手段としての傾斜センサ18a・18bが取り付けられており、連結板13・13の傾斜を計測することができるようになっている。
【0072】
そして、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10及び部材ピッチ変換では、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bによって一定ピッチにて被把持物としての補強棒材3を把持しているときに、水平レベルを検出又は推定して補強棒材3が水平に並んでいることを確認できた後に、補強棒材3を移動目的位置に再配置するようになっている。
【0073】
ここで、傾斜センサ18a・18bは、例えば、それぞれ並進3方向の加速度を検出可能な3軸加速度センサである。また、図1(a)(b)に示す部材ピッチ変換装置10の左端に付いている3軸加速度センサを傾斜センサ18aとし、同様に、右端に付いている3軸加速度センサを傾斜センサ18bとしている。
【0074】
上記傾斜センサ18a・18bは、部材ピッチ変換装置10が静止しているときに、3軸加速度センサの出力は重力加速度を反映しているものと考えられるので、3軸方向の出力比から傾斜を算出することができるものとなっている。
【0075】
上記構成の部材ピッチ変換装置10は、前述したように、図1(a)(b)に示す部材ピッチ変換装置10の上面中央部に取り付けられたチャック機構6によって、垂直多関節ロボット5の先端に取り付けられるようになっている。
【0076】
次に、図2に示す生産ライン(部材ピッチ変換装置10及び垂直多関節ロボット5を含む)の制御を行うコントロールボックス30について、図3に基づいて説明する。図3は、図2に示す生産ライン(部材ピッチ変換装置10及び垂直多関節ロボット5を含む)の制御の構成を示すブロック図である。
【0077】
上記コントロールボックス30は、図3に示すように、製造ライン1との間でラインの状態管理のための通信を行いながら、垂直多関節ロボットの動作制御を行うロボットコントローラ32と、部材ピッチ変換装置10の動作制御を行う水平レベル制御手段としてのハンドコントローラ33と、ロボットコントローラ32及びハンドコントローラ33と製造ライン1との動作手順を管理するためのシーケンサ31とによって構成されている。
【0078】
上記シーケンサ31と、製造ライン1、ロボットコントローラ32及びハンドコントローラ33とは、それぞれデジタルI/Oケーブルで接続されている。
【0079】
シーケンサ31の入力としては、製造ライン1、垂直多関節ロボット5、及び部材ピッチ変換装置10の状態(移動中、停止中、非常停止中等)がある。また、シーケンサ31からの出力としては、製造ライン1の移動/停止、垂直多関節ロボット5の動作モード指定及び移動/停止、並びに部材ピッチ変換装置10の開/閉等がある。
【0080】
このうち、ハンドコントローラ33は、部材ピッチ変換装置10の両端に取り付けられた傾斜センサ18a・18bからの入力に基づいて、部材ピッチ変換装置10の撓みを推定し、伸縮ガイド21に沿って取り付けられているリニアスケール22によって部材ピッチ変換装置10の長さを推定する。そして、部材ピッチ変換装置10に取り付けられた4つの連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを駆動するサーボモータSM1・SM2・SM3・SM4に制御目標値を出力する。また、ハンドコントローラ33は、真空エジェクタ7のON/OFF制御も同時に行い、補強棒材3を部材ピッチ変換装置10のグリッパ17…への吸着を制御する。
【0081】
次に、上記構成の垂直多関節ロボット5及び部材ピッチ変換装置10における、補強棒材3を部材供給箱4から製造ライン1上のキャビネット2に移載するときの動作について、図4に示すフローチャート、及び図2に基づいて説明する。図4は、補強棒材3を部材供給箱4から製造ライン1上のキャビネット2に移載するときの、垂直多関節ロボット5及び部材ピッチ変換装置10の動作フローチャートである。
【0082】
尚、垂直多関節ロボット5の動作はロボットコントローラ32により制御される一方、部材ピッチ変換装置10の動作はハンドコントローラ33により制御され、かつロボットコントローラ32及びハンドコントローラ33の制御実行タイミングはシーケンサ31により制御している。しかし、図4においては、シーケンサ31及びロボットコントローラ32及びハンドコントローラ33の詳細な動作は省略し、垂直多関節ロボット5及び部材ピッチ変換装置10全体の動作の流れについて説明を行うものとする。
【0083】
初期状態として、図4に示すように、一連の移載作業は、図2に示す製造ライン1が矢印A1の方向に移動して、新しいキャビネット2を供給した段階で開始される(S1)。この状態では、垂直多関節ロボット5は、製造ライン1と部材供給箱4との中間位置にある待機位置に停止し、真空エジェクタ7はOFFの状態となっており、部材ピッチ変換装置10はグリッパ17のピッチを部材供給箱4内の補強棒材3の配列ピッチ(100mm)に合わせてあるものとする。尚、作業開始(S1)から作業終了(S14)まで、製造ライン1は停止しており、一連の作業が終了後、新規のキャビネット2を供給するようになっている。
【0084】
上記の初期状態から、まず、垂直多関節ロボット5のアーム5aを部材供給箱4の補強棒材3の位置に移動させる(S2)。
【0085】
ところで、特許文献1に開示されているような従来のピッチ変換機構では、パンタグラフを支持するガイドの外形が最大伸展長さにて固定であるため、本実施の形態のような配列ピッチ変換を行う場合、部材ピッチ変換装置10が部材供給箱4に干渉する可能性がある。この結果、部材供給箱4の内部に多段に収容された補強棒材3のうち、例えば、底に収納された補強棒材3についてグリッパ102…が届かなくなる場合があり、これら底に収納された補強棒材3を掴みとることができないという問題があった。
【0086】
この点、本実施の形態では、部材ピッチ変換装置10の支持部材の外形は配列ピッチに応じて伸縮するため部材ピッチ変換装置10と部材供給箱4との干渉が発生しない。これにより、部材供給箱4には補強棒材3を例えば10本ずつ、10段に並べたとしても、底の補強棒材3まで充分に掴みとることができ、問題なく移載作業を行うことができる(補強棒材移載作業20回分)。
【0087】
次に、真空エジェクタ7をONにする(S3)。このとき、真空エジェクタ7の圧力をモニタし、全ての5本の補強棒材3がグリッパ17によって吸着できていることを確認する。確認完了後、垂直多関節ロボット5のアーム5aを部材移載位置つまり補強棒材3を取り付けていないキャビネット2の上方位置まで移動する(S4)。
【0088】
キャビネット2の上方位置において、部材ピッチ変換装置10を用いてグリッパ17にて吸着されている補強棒材3の配列ピッチを100mmから300mmに変換する。配列ピッチ変換作業中に、部材ピッチ変換装置10及び補強棒材3はキャビネット2又は製造ライン1に干渉しないように、つまり接触しないように、部材ピッチ変換装置10とキャビネット2とは十分な間隔を持って移動する。
【0089】
上記の配列ピッチ変換作業は、移載位置及び変換後の配列ピッチに関し、ハンドコントローラ33が事前データを保持しているかによって内部の制御を切替えて行う(S5)。
【0090】
事前データがある場合、ハンドコントローラ33はサーボモータSM1・SM2・SM3・SM4を規定の位置に移動する(S6)。
【0091】
ここで、事前データとは、実物又は仮想の部材ピッチ変換装置10を用いて検証済みの、目標姿勢・目標配列ピッチに対応した各サーボモータ制御目標値のことである。例えば、部材ピッチ変換装置10が水平に配置されているときには、重力の影響でサーボモータSM2・SM4にて同じ回動角度の目標値を与えた場合、菱形部材の変形及び機構ガタの影響により、図1(b)に示す部材ピッチ変換装置10の左右両端は垂れ下がる形になる。すなわち、上側に設けられた連結パンタグラフ機構11a・12aの全長は、下側に設けられた連結パンタグラフ機構11b・12bの全長よりも長くなる。これに対して、上側に設けられた連結パンタグラフ機構11a・12aの全長が、下側に設けられた連結パンタグラフ機構11b・12bの全長に比較して若干短くなるように、連結パンタグラフ機構11a・12aを駆動するサーボモータSM1・SM3、及び連結パンタグラフ機構11b・12bを駆動するサーボモータSM2・SM4を制御することにより、菱形部材の変形及び機構ガタの影響を低減することができるようになる。このときの各サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4の目標位置をデータとして保管しておけば、所定の姿勢及び配列ピッチを再現する場合に、フィードバック制御を省略することができるようになる。
【0092】
一方、ステップ(S5)において事前データが無い場合には、傾斜センサ18a・18bの出力をフィードバックして、部材ピッチ変換装置10が所定の姿勢になるように、各サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4の目標位置を制御する(S7)。
【0093】
例えば、前述した姿勢と同様の姿勢をとる場合を考える。
【0094】
ここで、伸縮ガイド21に沿って取り付けられているリニアスケール22は、部材ピッチ変換装置10の略中央に配置されているので、部材ピッチ変換装置10の平均的な長さを計測することが可能である。リニアスケール22による部材ピッチ変換装置10の平均的な長さの計測結果が、目標配列ピッチから算出される部材ピッチ変換装置10の長さに一致するように、各サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4の目標位置を制御する。すなわち、上側及び下側両方の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮を同じ伸縮方向に制御する。
【0095】
次に、傾斜センサ18a・18bでの測定の結果、部材ピッチ変換装置10の両端が下がっているときは、下側に設けられた連結パンタグラフ機構11b・12bの全長が上側に設けられた連結パンタグラフ機構11a・12aの全長に比較して若干長くなるように、サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4の制御目標値を修正する。このように、リニアスケール22及び傾斜センサ18a・18bの計測値と、目標長さ及び目標姿勢との差分を、各サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4にフィードバックすることにより、ステップ(S6)にて説明したような事前データが無い場合であっても部材ピッチ変換装置10を所望の配列ピッチに変換することができる。
【0096】
次いで、ステップ(S6)又はステップ(S7)によって、配列ピッチを300mmに変換した後、垂直多関節ロボット5のアーム5aを部材移載位置に下降移動して部材ピッチ変換装置10を下降し(S8)、真空エジェクタ7をOFFに切替えることにより補強棒材3の脱着を行い、補強棒材3をキャビネット2内の所定の位置に配置する(S9)。
【0097】
ここまでの作業によって、部材供給箱4内の1セット(5本)の補強棒材3…をキャビネット2に移載することができる。
【0098】
次に、垂直多関節ロボット5のアーム5aを前述の待機位置に移動し(S10)、部材ピッチ変換装置10の配列ピッチを初期ピッチである100mmに戻す(S11〜S13)。ステップ(S11)〜ステップ(S13)は、ステップ(S5)〜ステップ(S7)にて既に説明した100mmから300mmへの配列ピッチ変換と同様の内容であるため、詳細の説明は省略する。
【0099】
以上で、一連の補強棒材3の移載作業が完了する(S14)。ステップ(S1)〜ステップ(S14)までを繰り返し行いながら、製造ライン1にて順次新規のキャビネット2を供給することにより、補強棒材3…の移載作業を自動で行うことができる。
【0100】
ここまで、図4に示すフローチャートでは、垂直多関節ロボット5のアーム5aが動作完了後、部材ピッチ変換装置10の動作を開始する手順について説明を行ってきたが、垂直多関節ロボット5のアーム5aと部材ピッチ変換装置10とを同時に動作させることも可能である。
【0101】
例えば、ステップ(S4)とステップ(S5)〜ステップ(S7)、ステップ(S10)とステップ(S11)〜ステップ(S13)は、それぞれ作業の大部分を同時に実行することができるため、垂直多関節ロボット5のアーム5aと部材ピッチ変換装置10とを同時に動作させることによって、作業時間を短縮することが可能になる。
【0102】
尚、伸縮ガイド21は、複数のリニアガイドの組合せによる多段スライド式リニアガイドであってもよい。
【0103】
このように、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10及び配列ピッチ変換方法では、伸縮の方向を平行に一致させた複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを組み合わせることにより、複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bが互いに剛性を補強し合う、又は連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12b同士が動きを規制し合うような機構構成を取れるようにしている。すなわち、従来のような連結パンタグラフ機構の最大長に合わせて設置していた固定的支持ガイドは省略可能にしている。
【0104】
ここで、部材ピッチ変換装置10には、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの複数の位置に補強棒材3を固定するためのグリッパ17…が設置されている。そして、補強棒材3の供給配列ピッチに合わせて、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮を調整した状態にて、グリッパ17により補強棒材3を把持し、把持状態を維持したまま補強棒材3を配置するための配列ピッチに連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを伸縮させることができる。
【0105】
したがって、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10は、移載作業中に補強棒材3の配列ピッチを一括して変換する。複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12b同士は、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの端点や伸縮の原点を含む複数の代表点において互いが拘束支持される構造である。
【0106】
また、複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bは外部の制御手段から独立した伸縮の制御が可能である。ただし、複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bは互いに複数の点で拘束されているため、完全に独立して伸縮状態が決定できるわけではないが、各連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮を個別に制御し、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12b同士が互いに規制し合うようにすることによって、全体として位置精度を向上させることができる効果が得られる。
【0107】
また、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10においては、複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bは、互いの伸縮方向及び互いの展開平面つまり菱形部材の菱形平面がそれぞれ平行である少なくとも1組の連結パンタグラフ機構11a・11bを含む構造であることが好ましい。このような構成をとった場合、連結パンタグラフ機構11a・11b同士を近接して配置して伸縮を行っても、連結パンタグラフ機構11a・11b同士が互い干渉することが無いため、部材ピッチ変換装置10の厚みを削減することができる。
【0108】
また、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10は、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12b同士以外にも特定方向への連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの変形を規制するような伸縮可能な直動の伸縮ガイド21と、少なくとも1個の連結パンタグラフ機構11aとが連結されている構造であるとすることができる。
【0109】
ここで、伸縮可能な伸縮ガイド21とは、例えば一部が入れ子構造となっている複数の円筒によって構成される伸縮アンテナ状のガイド等が該当する。すなわち、伸縮ガイド21は、複数の同心多重部材をそれぞれ遊嵌させて伸縮自在になっている。
【0110】
前述したように、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bは展開平面内での回転方向について、剛性が不足する傾向があるため、回転方向を伸縮アンテナ状の伸縮ガイド21等を用いて規制することにより、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの位置精度の向上が可能になる。
【0111】
従来技術のような長さ固定の支持ガイドを用いるのではなく、特定の方向にのみ剛性が高くかつ伸縮可能な伸縮ガイド21を用いることにより、部材ピッチ変換装置10は小さく折り畳むことができるようになる。
【0112】
また、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10では、複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの独立した伸縮の制御は、部材ピッチ変換装置10の位置、姿勢、及びグリッパ17間の目標ピッチ等をパラメータとして、パそのパラメータから一意に決定される連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮量を目標としてそれぞれ制御される。
【0113】
部材ピッチ変換装置10の位置、姿勢、目標ピッチに応じて機構にかかる重力等の外力が推定できる場合、事前にその外力の位置精度に対する悪影響を補正する各連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの制御目標値を設定しておくことが可能になる。その設定にしたがって各連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを制御することにより、簡便に部材ピッチ変換装置10の位置又は姿勢の精度を向上させることができる。
【0114】
また、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10では、複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの代表位置に少なくとも1つ以上の姿勢センサである傾斜センサ18a・18bが、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの姿勢検出のために取り付けられている。複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの独立した伸縮の制御は、傾斜センサ18a・18bの出力に応じて、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの姿勢が所望の値となるように調整するための連携的制御であることが好ましい。このように、センサフィードバック制御を用いることにより、配列ピッチ変換装置の位置又は姿勢を目標値に確実に一致させる制御を行うことができる。
【0115】
また、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10では、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの連結ヒンジ部14…は、隣接する菱形部材の各一部を構成する2つの棒状部材15・16を交差させて軸支してなっている。そして、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bにおける連結ヒンジ部14…の1つには、棒状部材15・16を図示しないモータ軸と同軸に回動するサーボモータSM1・SM2・SM3・SM4が設けられている。
【0116】
すなわち、従来の特許文献1では、連結パンタグラフ機構の伸縮方向に沿うピストンロッドの先端を1つの連結ヒンジ部に固定し、このピストンロッドを進退移動させる流体シリンダにて連結パンタグラフ機構を伸縮駆動していたので、連結パンタグラフ機構の縮小時においては、流体シリンダが連結パンタグラフ機構からはみ出す構成であった。
【0117】
このため、部材ピッチ変換装置をロボットやスライダの先端に設置する場合、ロボットやスライダ等の移載機構に求められる可搬重量及び可動範囲を大きく取る必要があるため、部材ピッチ変換装置が全体として大きくなる、また、部材ピッチ変換装置の価格が高くなるという問題がある。
【0118】
これに対して、本実施の形態では、サーボモータSM1・SM2・SM3・SM4のモータ軸が回動すると、その回転駆動力が、1つの連結ヒンジ部14における交差された1つの例えば棒状部材15を直接回動する回動力として伝達され、これにより、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bが連動して伸縮駆動される。
【0119】
そして、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを伸縮駆動するサーボモータSM1・SM2・SM3・SM4を、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの縮小時よりも小さくすることは容易である。
【0120】
したがって、駆動源であるサーボモータSM1・SM2・SM3・SM4においても連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮長さよりも小さいものとすることができる。このため、連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの最大長に合わせて設置していた固定的支持ガイドを省略しても、駆動源であるサーボモータSM1・SM2・SM3・SM4が連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの伸縮長さよりも長くなるのを防止することができる。
【0121】
以上のように、従来の移載用ピッチ変換機構においては、補強棒材の配列ピッチに関わりなく機構の外形寸法は一定であったため、周辺の物品や装置との干渉を避けるために移載の軌道が大回りになる等移載作業を効率的に行うことが困難であった。また、機構の外形寸法が一定であったため、補強棒材の供給を小さい配列ピッチで行うことができなかったため、補強棒材の供給のコストが上がるという課題があった。
【0122】
これに対して、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10では、配列ピッチが小さい場合は連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12b全体が折り畳まれる一方、配列ピッチが大きいときには連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12b全体が展開される構成をとっているため、その使用目的に応じて最もコンパクトな状態で利用することができる。
【0123】
このため、複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを、その伸縮方向を合わせて配置することにより、互いの連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bの剛性を向上させることができる。併せて、複数の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを個別に制御することにより、配列ピッチ変換を行ったときの位置及び姿勢の精度を向上させることができる。
【0124】
また、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10をロボットやスライダの先端に取り付ける場合に、ロボットやスライダは、従来に比較して可搬重量が小さいものでも良いという利点がある。
【0125】
さらに、ロボットやスライダが移動するときには、部材ピッチ変換装置10の連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bを折り畳んでおくようにすれば、部材ピッチ変換装置10が周囲の部材又は装置との干渉を避けることが容易になる。このため、ロボットやスライダ等は可動範囲を低減することができるようになる。
【0126】
搬送コストを低減するため、配列ピッチ変換及び移載を行うための補強棒材3を取得する場合に、補強棒材3は可能な限り小さい配列ピッチに整列された状態で供給されることが多い。従来の連結パンタグラフ機構を用いた部材ピッチ変換装置では、部材ピッチ変換装置の外形は配列ピッチに関わりなく一定であったため、供給部が狭い場合には供給部に部材ピッチ変換装置自体を進入させることができなくなる。
【0127】
これに対して、本実施の形態の部材ピッチ変換装置10は、補強棒材3の供給時に配列ピッチが小さい場合に、それに対応して連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bがコンパクトに折り畳まれることになるため、供給部が狭い場合でも進入が容易に行えるという効果がある。
【0128】
この結果として、移載される補強棒材3は高密度に整理された状態で供給されることになるので、製造ライン1の空間利用効率を上げることができるようになる。また、補強棒材3自体の生産から組立用の製造ライン1までの搬送コストを改善することができるようになる。
【0129】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0130】
図5(a)は、実施の形態1にて説明した部材ピッチ変換装置10の連結パンタグラフ機構の取り付け方を一部変更した構成を示す平面図であり、図5(b)は正面図である。
【0131】
前記実施の形態1の部材ピッチ変換装置10では、4つの連結パンタグラフ機構11a・11b・12a・12bは、菱形部材からなるパンタグラフ機構PNTの複数の菱形平面が、互いに平行になるように配設されている。これに対して、本実施の形態の配列ピッチ変換装置としての部材ピッチ変換装置40では、1つの連結パンタグラフ機構41における菱形部材からなるパンタグラフ機構PNTの複数の菱形平面が、他の連結パンタグラフ機構42における菱形部材からなるパンタグラフ機構PNTの複数の菱形平面とは互いに垂直になるように配設されている点が異なっている。
【0132】
すなわち、図5(a)(b)に示すように、本実施の形態の部材ピッチ変換装置40では、上側の連結パンタグラフ機構41を下側の連結パンタグラフ機構42と直交するように取り付ける。連結パンタグラフ機構41・42は、下側の連結パンタグラフ機構42の中央に取り付けてあるサーボモータ43によって伸縮を制御することができる。
【0133】
この場合、連結パンタグラフ機構41・42において、各方向で異なる剛性を垂直に取り付けた連結パンタグラフ機構41・42が互いに相補する構成となる。
【0134】
尚、上記以外の機構・制御構成、作業手順については、実施の形態1で既に示した内容と同様であるので、詳細の説明は省略する。
【0135】
本実施の形態の部材ピッチ変換装置40においては、互いの伸縮方向が平行であり、かつ互いの展開平面が直交する少なくとも1組の連結パンタグラフ機構41・42を含む構成である。この場合、連結パンタグラフ機構41・42の、展開平面内における回転方向に関する剛性の課題が相殺されるようになるため、部材ピッチ変換装置40全体の位置精度を向上させることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、ロボット又はスライダ等の移載装置の先端に、本発明の配列ピッチ変換装置を設置することにより、例えば液晶モニタのバックライト用冷陰極菅の移載作業や、液晶モニタの背面補強材等、多数の棒状部材を一括して組付ける作業の存在する組立工程における部材の配列ピッチ変換装置及び配列ピッチ変換方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 製造ライン
2 キャビネット
3 補強棒材(被把持物)
4 部材供給箱
5 垂直多関節ロボット
5a アーム
6 チャック機構
7 真空エジェクタ
10 部材ピッチ変換装置(配列ピッチ変換装置)
11a・11b 連結パンタグラフ機構(支持部材)
12a・12b 連結パンタグラフ機構(支持部材)
13 連結板
14 連結ヒンジ部
15・16 棒状部材
17 グリッパ(把持手段)
18a・18b 傾斜センサ(水平レベル検出手段)
21 伸縮ガイド(支持部材)
22 リニアスケール
30 コントロールボックス
31 シーケンサ
32 ロボットコントローラ
33 ハンドコントローラ(水平レベル制御手段)
40 部材ピッチ変換装置(配列ピッチ変換装置)
41 連結パンタグラフ機構(支持部材)
42 連結パンタグラフ機構(支持部材)
43 サーボモータ(モータ)
P1 第1配列ピッチ
P2 第2配列ピッチ
PNT パンタグラフ機構
SM1・SM2 サーボモータ(モータ)
SM3・SM4 サーボモータ(モータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
菱形部材からなるパンタグラフ機構を複数連結させてなる連結パンタグラフ機構における各連結ヒンジ部に被把持物を把持する把持手段をそれぞれ取り付け、該連結パンタグラフ機構を伸縮させることにより、複数の被把持物における配列ピッチを一括して変換する配列ピッチ変換装置において、
上記連結パンタグラフ機構を支持補強する支持部材が上記パンタグラフ機構の連結方向に平行に設けられていると共に、
上記支持部材は、上記連結パンタグラフ機構の伸縮長さ内において該連結パンタグラフ機構の伸縮に合わせて一体に伸縮することを特徴とする配列ピッチ変換装置。
【請求項2】
前記支持部材は、複数の前記連結パンタグラフ機構を、パンタグラフ機構の連結方向に平行に互いに並設してなっていることを特徴とする請求項1記載の配列ピッチ変換装置。
【請求項3】
前記複数の連結パンタグラフ機構は、該連結パンタグラフ機構における前記菱形部材からなるパンタグラフ機構の複数の菱形平面が、互いに平行になるように配設されていることを特徴とする請求項2記載の配列ピッチ変換装置。
【請求項4】
前記複数の連結パンタグラフ機構における少なくとも2つは、該連結パンタグラフ機構における前記菱形部材からなるパンタグラフ機構の複数の菱形平面が、他の連結パンタグラフ機構における前記菱形部材からなるパンタグラフ機構の複数の菱形平面とは互いに垂直になるように配設されていることを特徴とする請求項2又は3記載の配列ピッチ変換装置。
【請求項5】
前記支持部材は、複数の同心多重部材をそれぞれ遊嵌させて伸縮自在になっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の配列ピッチ変換装置。
【請求項6】
少なくとも上下に平行に配され、互いに連結され、かつそれぞれ個別に伸縮駆動される1組の前記連結パンタグラフ機構を備えていると共に、
上記連結パンタグラフ機構における各連結ヒンジ部に取り付けられた把持手段による被把持物の水平レベルが該連結パンタグラフ機構の伸縮方向において互いに均一となるように、上記上下の連結パンタグラフ機構の伸縮長さをそれぞれ調整する水平レベル制御手段が設けられていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の配列ピッチ変換装置。
【請求項7】
前記1組の連結パンタグラフ機構における少なくとも1つの連結パンタグラフ機構には、該連結パンタグラフ機構の水平レベルを検出する水平レベル検出手段が設けられていることを特徴とする請求項6記載の配列ピッチ変換装置。
【請求項8】
前記連結パンタグラフ機構の連結ヒンジ部は、隣接する菱形部材の各一部を構成する2つの棒状部材を交差させて軸支してなっていると共に、
上記連結パンタグラフ機構における連結ヒンジ部の1つには、上記棒状部材をモータ軸と同軸に回動するモータが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の配列ピッチ変換装置。
【請求項9】
菱形部材からなるパンタグラフ機構を複数連結させてなる連結パンタグラフ機構における各連結ヒンジ部に被把持物を把持する把持手段をそれぞれ取り付け、該連結パンタグラフ機構を伸縮させることにより、複数の被把持物における配列ピッチを一括して変換する配列ピッチ変換方法において、
上記連結パンタグラフ機構を支持補強する支持部材を、上記パンタグラフ機構の連結方向に平行に設け、
上記支持部材を、上記連結パンタグラフ機構の伸縮長さ内において該連結パンタグラフ機構の伸縮に合わせて一体に伸縮させることを特徴とする配列ピッチ変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−274388(P2010−274388A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131556(P2009−131556)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】