説明

配向膜のラビング工程に用いられるラビング布

【課題】ラビング強度が向上されるとともに、ラビング配向の均一度が向上されたラビング布を提供する。
【解決手段】ラビング配向ローラの外面に貼り付けられるラビング基膜と、前記ラビング基膜に固設されるラビング毛羽とを備える、配向膜のラビング工程に用いられるラビング布であって、前記ラビング布が展開された場合、前記ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の配向膜表面に接触する末端からなる面は、ラビング方向に鋸歯状や円弧状になり、前記クラング布を一輪に巻き回した場合、前記ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の末端および前記ラビング基膜の両端部のラビング毛羽の末端間は、互いに連続的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配向膜のラビング工程に用いられるラビング布に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ液晶ディスプレー(Liquid Crystal Display、TFT−LCDと略称する)は、モニター、テレビおよびノートパソコンなどの各分野で広く応用されている。一般的に、TFT−LCDは、対置されるアレイ基板とカラーフィルタ基板とを備え、該アレイ基板とカラーフィルタとの間に液晶が充填され、電界で液晶の偏向を制御することによって、要求の表示効果が得られるようにディスプレーのグレースケールが変化される。液晶を予期方向にねじらせるため、最初から液晶を配列させる必要がある。従来は、カラーフィルタ基板とアレイ基板の内面に配向膜を塗布し、配向膜によって液晶が予め配向される。
【0003】
従来は、主にラビング法で配向膜に対して配向処理する。その配向処理は以下のような二つのステップを含む。まず、カラーフィルタ基板とアレイ基板とにそれぞれ配向膜を塗布し、従来の配向膜の材料として、主にポリイミド(PI)が採用される。そして、ラビング布(Rubbing Cloth)で配向膜に対してラビング処理することによって、ある程度で液晶分子をアンカリングすることができるグルーブを形成し、液晶分子を配列させる。
【0004】
図1は従来技術において配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の応用構造の概略図である。図1に示すように、該ラビング布はラビング基膜12とラビング毛羽13とを備える。ラビング基膜12はラビング配向ローラ11に貼り付けられ、ラビング毛羽13は、同じ高さでラビング基膜12の長手方向に沿って設置され、配向膜に接触して配向膜をラビングする。これによって、所定方向へ配列するグルーブが形成されるように配向膜表面に対してラビング処理が行われ、配向膜上の液晶分子が該グルーブによって配列される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、ラビング配向ローラの外面に貼り付けられるラビング基膜と、前記ラビング基膜に固設されるラビング毛羽とを備える、配向膜のラビング工程に用いられるラビング布であって、前記ラビング布が展開された場合、前記ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の配向膜表面に接触する末端からなる面はラビング方向において鋸歯状や円弧状になり、また、前記クラング布が一輪に巻かれた場合、前記ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の末端および前記ラビング基膜の両端部のラビング毛羽の末端間は、互いに連続的に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態または従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、実施形態や従来技術に係る図面を簡単に説明する。勿論、下記の図面は本発明の実施形態の一部のみであり、当業者は、創造的な活動をしない前提で、これらの図面によって他の図面を得られる。
【図1】従来技術における配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の応用構造の概略図である。
【図2】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第一実施形態の構造概略図である。
【図3】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第一実施形態の応用構造概略図である。
【図4】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第二実施形態の構造概略図である。
【図5】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第二実施形態の応用構造概略図である。
【図6】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第三実施形態の構造概略図である。
【図7】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第三実施形態の応用構造概略図である。
【図8】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第四実施形態の構造概略図である。
【図9】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第四実施形態の応用構造概略図である。
【図10】本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第五実施形態の応用構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態の目的、技術案及びそのメリットをより明確にするために、以下、本発明の実施形態を表す図面を参照しながら、本発明の実施形態を明確かつ完全に説明する。勿論、ここで記載された実施形態は、ただ本発明の実施形態の一部だけであり、本発明の全ての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づき、当業者が創造的な活動をしない前提で得られる他の実施形態は全て本発明の技術範囲に含まれる。
【0008】
従来技術の配向膜ラビング工程に用いられるラビング布は、ラビング工程において、配向膜が液晶に対するアンカリング力を増大するために、一般的に、ラビング毛羽の配向膜に接触する長さを長くし、このため、ラビング毛羽の配向膜に接触する長さが長くなると、液晶配向の均一度が低下され、完成品に水平のラビングムラ(Rubbing Mura)が発生してしまい、表示品質が低下される。
【0009】
本発明の実施形態は、ラビング配向ローラの外面に貼り付けられるラビング基膜と、該ラビング基膜に固設されるラビング毛羽とを備える、配向膜ラビング工程に用いられるラビング布を提供する。該ラビング基膜に固設された全てのラビング毛羽の、配向膜表面に接触する末端からなる面は、ラビング方向において鋸歯状や円弧状になるとともに、全てのラビング毛羽の末端および前記ラビング基膜の両端部のラビング毛羽の末端間は互いに連続的に接続されている。本発明の実施形態によれば、ラビング強度が向上されるとともに、ラビング配向の均一度が向上され、さらに、配向膜を連続的にラビングすることができ、より良いラビング配向効果が得られる。
【0010】
以下、図面および具体的な実施形態によって、本発明の技術内容をさらに詳しく説明する。
第1実施形態
【0011】
図2は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第一実施形態の構造概略図である。図2に示すように、本実施形態のラビング布は、ラビング基膜12とラビング毛羽13とを備える。
【0012】
使用する場合、ラビング基膜12はラビング毛羽13を固定できるようにラビング配向ローラの外面に貼り付けられる。ラビング毛羽13は配向膜表面に接触し、ラビング配向ローラの回転に従って配向膜の表面に対してラビング処理する。これによって、配向膜のラビング毛羽13によってラビングされた方向に、所定配向方向のグルーブが形成される。該ラビング毛羽13の材料は、一般的に、人造繊維や綿ビロードである。人造繊維は、弾性がよく、配向膜に接触する長さが短くても比較的に良いラビング強度を有する。綿ビロードは、複数のラビング毛羽が設けられる可能であり、複数のラビング毛羽が同時に配向膜に接触するので、配向精度がより高い。
【0013】
本実施形態のラビング布において、ラビング基膜12は厚みが均一であり、ラビング毛羽13は長さがラビング基膜12の中部から両側へ段々短くなる。さらに、この段々短くなる過程において、該ラビング基膜12上の全ての毛羽13の末端は連続的に接続されている。ここで、「連続的に接続されている」とは、該ラビング布が輪状に巻き回すようにラビング配向ローラに貼り付けられるとき、隣り合うラビング毛羽13の末端は高さがスムーズに変化し、急激的に変化することがない。また、該ラビング基膜12両端部のラビング毛羽13の末端の間も高さがスムーズに変化する。これによって、ラビング基膜12全体上の全てのラビング毛羽13の末端からなる面がスムーズに接続する面になり、末端の高さが急激に変化する部分がない。
【0014】
本実施形態において、ラビング布が展開された場合、ラビング基膜12上の全てのラビング毛羽13の末端からなる面は、ラビング方向(このラビング方向はラビング基膜がラビングローラに貼り付けられる方向である)に沿って、図2に示すように、中間部が突出する鋸歯状を成す。図2に示すように、該鋸歯状は複数の傾斜平面からなり、図2に示す1つの周期である場合、該鋸歯状は2つの傾斜平面からなる。この2つの傾斜平面は、ラビング毛羽13の長さがラビング基膜12の中間部から両側へと段々減小することによって形成されるものである。また、ラビング毛羽13の長さは漸進的に変化し、即ち、ラビング毛羽13は長さがスムーズに変化して連続的に接続しているのであり、長さが出入りがあって急激に変化するのではない。
【0015】
具体的には、ラビング毛羽13の長さはラビング方向に沿って周期的に変化してもよく、その周期の数nが1以上である(nは正整数)。例えば、図2は1つの周期の状況であり、ラビング毛羽13は、長さがそれぞれw1とw2の両部分を備え、且つw1=w2である。ラビング毛羽13は長さが中央から両側へ段々小さくなり、傾斜斜面を成す。また、w1部分のラビング毛羽13とw2部分のラビング毛羽13とは左右対称して変化する。w1部分において、ラビング毛羽13は長さが右から左へと段々小さくなり、最右側のラビング毛羽13の長さがh2であり、最左側のラビング毛羽13の長さがh1であり、かつh1がh2より小さい。
【0016】
さらに、本実施形態において、ラビング毛羽13の長さの最大値と最小値との差は2mm以下であり、即ち、|h2−h1|≦2mmである。また、w1部分において、ラビング毛羽13の長さが左から右へ大きくなることによって、複数のラビング毛羽13の端部は、傾斜角がaとなる傾斜平面を形成する。ラビング毛羽の最長と最短との差が大きすぎると、ラビング効果が影響されるので、上記傾斜角aが10度以内、即ち、0°<a≦10°に設けられる。これによって、傾斜平面の傾斜角度が大きすぎることによってラビング配向の効果が影響されることが防止され、良いラビング効果が確保される。ただし、a=arctg(h2−h1)/L、Lはラビング基膜12の長さの半分である。
【0017】
図3は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第一実施形態の応用構造概略図である。図3に示すように、図2に示す1つの周期で変化するラビング布が輪状にラビング配向ローラ11に巻きまわされる。ラビング布のラビング基膜12はラビング配向ローラ11の外面に貼り付けられる。図3に明らかに示すように、ラビング布がラビング配向ローラ11に貼り付けられた後、ラビング布上の全てのラビング毛羽13の、配向膜に接触する末端は高さが連続的に変化し、ラビング毛羽13の末端からなる面14はスムーズに連続する面であり、出入りがある面ではない。また、隣り合うラビング毛羽13の末端も高さがスムーズに変化し、急激に変化しない。また、該ラビング布の連なる両端部のラビング毛羽13の末端も高さがスムーズに変化し、連続する面になり、ラビング配向ローラ11の全面はスムーズな面のように見え、毛羽末端の急激な変化がない。これによって、よりよいラビング効果が得られる。
【0018】
本実施形態のラビング布を使用する場合、ラビング配向ローラ11が回転され、ラビング布はラビング配向ローラに従って回転し、それに接触する配向膜表面をラビングする。より長いラビング毛羽13が配向膜に接触するときに、配向膜に接触する長さが比較的に長いので、より大きいラビング強度を実現することができ、液晶を保留するアンカリング力が増大された。一方、より短いラビング毛羽13が配向膜に接触するときに、配向膜に接触する長さが比較的に短いので、よりよい配向均一度を実現することができる。本実施形態のラビング布によって、ラビング強度が向上されるとともに、配向均一度が向上される。さらに、本実施形態のラビング毛羽13の末端からなる面14は連続する面であって、配向膜を連続的にラビングすることができ、ガラス基板全体のラビング強度および配向均一度を確保することができる。
【0019】
また、本実施形態におけるラビング毛羽13の長さは、ラビング基膜12の中間部から両側へ段々小さくなるが、実際的な応用の場合、それに限らない。例えば、ラビング毛羽13の長さを、ラビング基膜12の中間部から両側へ段々大きくさせ、ラビング毛羽13の末端を、ラビング基膜12の中間部から両側へ対称的に段々大きくさせてもよい。
【0020】
本実施形態における配向膜ラビング工程に用いられるラビング布は、ラビング毛羽の末端をラビング方向に鋸歯状に設け、かつラビング基膜の両端部にあるラビング毛羽の末端の高さを連続的に接続することで、ラビング毛羽の配向膜に接触する長さが増大することによる配向方向の均一度が低下する問題が解決され、ラビング強度が向上されるとともにラビング均一度も向上された。さらに、面の連続によってラビング効果の連続性且つ均一度が確保され、液晶ディスプレーのコントラストおよび画面品質が向上され、ラビング布の利用率が向上される。
【0021】
第2実施形態
図4は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第二実施形態の構造概略図である。図5は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第二実施形態の応用構造概略図である。
【0022】
ラビング布のラビング毛羽13の長さがラビング方向に沿って1つだけの周期で変化する第1実施形態に対して、本実施形態では、図4および図5に示すラビング布において、ラビング毛羽13の長さはラビング方向に沿って複数の周期で変化する。例えば、本実施形態は2つの周期の状況のみを示し、各周期の設置構造は第1実施形態を参照すればよい。
【0023】
本実施形態では、図4および図5に示すように、ラビング布が展開された場合、ラビング基膜12上の全てのラビング毛羽13の末端からなる面は、複数の傾斜平面からなる明らかな鋸歯状を成す。また、ラビング毛羽13の長さが段々小さくなり、そして、段々大きく変化することによって、隣り合うラビング毛羽13の長さが急激に変化されなく、ラビング毛羽の末端からなる面14は連続している。ラビング布をラビング配向ローラ11に貼り付けた後、全てのラビング毛羽13の末端は連続してスムーズな面を成す。また、該ラビング基膜12の連なる両端部のラビング毛羽13の間においても、長さが漸進的に変化することによって、末端の高さが連なる端部において急激に変化することが防止される。上記ラビング毛羽の末端からなる面14は連続的に接続するので、ラビング効果を向上することができる。
【0024】
本実施形態に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布は、ラビング毛羽の末端をラビング方向に鋸歯状に設け、かつラビング基膜の両端部にあるラビング毛羽の末端の高さを連続的に接続することで、ラビング毛羽の配向膜に接触する長さの増大による配向方向の均一度が低下する問題が解決され、ラビング強度が向上されるとともにラビング均一度も向上された。さらに、面の連続によってラビング効果の連続性且つ均一度が確保され、液晶ディスプレーのコントラストおよび画面品質が向上され、ラビング布の利用率が向上される。
【0025】
第3実施形態
図6は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第三実施形態の構造概略図である。図6に示すように、本実施形態のラビング布もラビング基膜12とラビング毛羽13とを備える。
【0026】
ラビング基膜12がラビング配向ローラ11の外面に貼り付けられ、ラビング毛羽13がラビング基膜12に並べて固定される。本実施形態のラビング布が展開された場合、該ラビング基膜12上の全てのラビング毛羽13の、配向膜に接触する末端がラビング方向に沿って形成される面は鋸歯状になる。該鋸歯状の面は2つの傾斜平面からなる。また、該ラビング基膜12上の全てのラビング毛羽13の末端およびラビング基膜12の両端部にあるラビング毛羽13の末端間は互いに連続して接続する。本実施形態のラビング毛羽13の末端は、高さが第1実施形態と同じであり、ラビング基膜12の中間部から両側へ段々小さくなり、鋸歯状になる。両側の平面は傾斜角がaである傾斜平面であり、0°<a≦10°である。
【0027】
第1実施形態に対して、本実施形態のラビング布は、ラビング毛羽13が均一の長さを有し、ラビング基膜12の厚みが変化する。具体的には、ラビング基膜12の厚みが中部から両側へ段々小さくなり、かつ対称的に変化する。ラビング基膜12の厚みはラビング方向に沿って周期的に変化し、その周期の数nは1以上である(nが正整数)。例えば、図6に示すように、図6は該ラビング布のラビング基膜12の厚みが1つの周期のみで変化する状況を示す。該ラビング基膜12は、幅がw3である部分と、幅がw4である部分の両部分を有し、かつw3=w4である。w3部分のラビング基膜12と、w4部分のラビング基膜12とは左右対称である。w3部分において、ラビング基膜12は、厚みが左から右へ段々大きくなり、その最右側の厚みがh4であり、最左側の厚みがh3である。一方、w4部分において、ラビング基膜12は、厚みが左から右へ段々小さくなる。ラビング毛羽13の長さが同じであるので、ラビング基膜12の厚みの変化によって、ラビング毛羽13の末端の高さは、ラビング基膜12の中間部から両側へ対称的に小さくなる。
【0028】
同じように、ラビング基膜12の厚みも中間部から両側へ段々大きくなってもよい。それによって、ラビング毛羽13の末端からなる面を鋸歯状にさせることができる。また、本実施形態において、基膜厚みの最大値と最小値との差は2mm以下であり、即ち、|h4−h3|≦2mmである。本実施形態のラビング基膜12の表面の傾斜角a=arctg(h4−h3)/Lであり、Lはラビング基膜12の長さの半分である。
【0029】
図7は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第三実施形態の応用構造概略図である。図7に示すように、図6に示すラビング布がラビング配向ローラ11に一輪に巻きまわされ、ラビング布のラビング基膜12がラビング配向ローラ11の外面に貼り付けられ、該ラビング布の複数のラビング毛羽13の配向膜に接触する末端も、高さが連続的に変化し、かつ連続の面に形成することができる。該ラビング毛羽の末端からなる面14において、隣り合うラビング毛羽13の末端の高さはスムーズに変化し、急激に変化することがない。また、該ラビング布の連なる両端部のラビング毛羽13の末端も、高さがスムーズに変化し、連続する面になる。これによって、ラビング配向ローラ11の表面の全体はスムーズな面のように見え、毛羽末端の高さが急激に変化することがなく、よりよいラビング効果が得られる。
【0030】
第1実施形態および第2実施形態に類似するように、本実施形態のラビング布はラビング配向ローラ11に従って回転し、それに接触する配向膜の表面に対してラビング処理する。ラビング基膜12において、厚みがより厚いところのラビング毛羽13の末端がより高く、その配向膜に接触する長さもより長くて、より大きいラビング強度を実現することができ、液晶を保留するアンカリング力が増大された。一方、ラビング基膜12において、厚みがより薄いところのラビング毛羽13の末端がより低く、配向膜に接触する長さもより短くて、よりよい配向均一度を実現することができる。本実施形態のラビング布によって、ラビング強度が向上されるとともに、配向均一度も向上される。さらに、本実施形態におけるラビング毛羽の末端からなる面14は連続する面であり、配向膜を連続的にラビングすることができ、ガラス基板全体上のラビング強度および配向均一度が確保される。
【0031】
また、本実施形態において、ラビング基膜12の厚みは中間部から両側へ段々に小さくなるが、実際的な応用の場合、それに限らない。例えば、ラビング基膜12の厚みを、中間部から両側へ段々大きさせることで、ラビング毛羽13の末端を、ラビング基膜12の中間部から両側へ対称的に段々高くさせてもよい。
【0032】
本実施形態に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布は、ラビング毛羽の末端をラビング方向に鋸歯状に設け、かつラビング基膜の両端部にあるラビング毛羽の末端の高さを連続的に接続することで、ラビング毛羽の配向膜に接触する長さの増大による配向方向の均一度が低下する問題は解決され、ラビング強度が向上されるとともに、ラビング均一度も向上された。さらに、末端からなる面の連続さによってラビング効果の連続性且つ均一度が確保され、液晶ディスプレーのコントラストおよび画面品質が向上され、ラビング布の利用率が向上される。
【0033】
第4実施形態
図8は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第四実施形態の構造概略図である。図9は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第四実施形態の応用構造概略図である。
【0034】
本実施形態において、ラビング毛羽は均一の長さを有し、ラビング基膜の厚みが変化する。ラビング布のラビング基膜12の厚みがラビング方向に沿って1つの周期のみで変化する状況を示す第3実施形態に対して、図8と図9に示すラビング布において、ラビング基膜12の厚みがラビング方向に沿って複数の周期で変化する。例えば、本実施形態は2つの周期の状況のみを示し、各周期の設置構造は第3実施形態を参照すればよい。
【0035】
本実施形態では、図8および図9に示すように、該ラビング基膜12の厚みが漸進的に変化するので、その上のラビング毛羽13の末端からなる面も連続する面になる。本実施形態のラビング布が展開された場合、ラビング毛羽13の末端からなる面は、明らかな鋸歯状を成す。ラビング布をラビング配向ローラ11に貼り付けた後、ラビング毛羽13の末端からなる面14はスムーズに連続する。また、該ラビング基膜12の連なる両端部の間においても、その厚みが漸進的に変化することによって、連なる端部にラビング毛羽13の末端の高さが急激に変化することが防止される。上記ラビング毛羽の末端からなる面14は連続的に接続し、ラビング効果を向上することができる。
【0036】
本実施形態に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布は、ラビング毛羽の末端をラビング方向に鋸歯状に設け、かつラビング基膜の両端部にあるラビング毛羽の末端の高さを連続的に接続することで、ラビング毛羽の配向膜に接触する長さの増大による配向方向の均一度が低下する問題は解決され、ラビング強度が向上されるとともに、ラビング均一度も向上された。さらに、末端からなる面の連続さによってラビング効果の連続性且つ均一度が確保され、液晶ディスプレーのコントラストおよび画面品質が向上され、ラビング布の利用率が向上される。
【0037】
第5実施形態
図10は本発明に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布の第五実施形態の応用構造概略図である。図10に示すように、本実施形態では、ラビング布が展開された後、ラビング毛羽13の末端からなる面は円弧状になり、且つ、スムーズに連続する円弧面である。本実施形態において、ラビング毛羽13の長さは漸進的に変化し、即ち、ラビング毛羽13は長さがスムーズに変化し、連続に接続するものであり、長さの出入りがあって急激に変化することがない。また、ラビング基膜12の両端部のラビング毛羽13の間の長さも漸進的に変化し、スムーズに変化する。これによって、該ラビング布がラビング配向ローラに貼り付けた後、ラビング毛羽13の全体の末端からなる面は連続するする面であり、末端の高さがラビング布の端部が接触する位置において急激に変化することがない。
【0038】
本実施形態では、ラビング基膜12の厚みが変化しなく、ラビング毛羽13の長さが変化することを例示した。然し、当業者が分かるように、ラビング毛羽13の長さを変化せず、ラビング基膜12の厚みを変化することで、図10に示す円弧状表面を形成することができる。また、本実施形態は、該ラビング布のラビング毛羽13の長さが2つの周期で変化する例であるが、実際的な応用の場合、1つまたはより多い周期で変化することができる。
【0039】
本実施形態に係る配向膜ラビング工程に用いられるラビング布は、ラビング毛羽の末端をラビング方向に円弧状に設け、かつラビング基膜の両端部にあるラビング毛羽の末端の高さを連続的に接続することで、ラビング毛羽の配向膜に接触する長さの増大による配向方向の均一度が低下する問題は解決され、ラビング強度が向上されるとともに、ラビング均一度も向上された。さらに、末端からなる面の連続によってラビング効果の連続性且つ均一度が確保され、液晶ディスプレーのコントラストおよび画面品質が向上され、ラビング布の利用率が向上される。
【0040】
上述のように、ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の末端からなる面の鋸歯状や円弧状部分は、最も長いラビング毛羽に対して対称となる。その他の実施形態において、ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の末端からなる面の鋸歯状や円弧状部分は、最も長いラビング毛羽に対して対称とならない。
【0041】
以上の実施形態は本発明の技術内容を説明するものに過ぎず、限定するものではない。上述した実施形態によって本発明が詳しく説明されたが、上述した各実施形態に記載された技術案を修正する、または一部の技術的特徴を均等的に変更することができる。この修正や変更によって技術案の趣旨が本発明精神と範囲から逸脱するようにならない。
【符号の説明】
【0042】
11 ラビング配向ローラ
12 ラビング基膜
13 ラビング毛羽
14 ラビング毛羽末端からなる面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラビング配向ローラの外面に貼り付けられるラビング基膜と、
前記ラビング基膜に固設されるラビング毛羽とを備える、配向膜のラビング工程に用いられるラビング布であって、
前記ラビング布が展開された場合、前記ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の配向膜表面に接触する末端からなる面は、ラビング方向に鋸歯状や円弧状になり、
前記クラング布を一輪に巻き回した場合、前記ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の末端および前記ラビング基膜の両端部のラビング毛羽の末端間は、互いに連続的に接続されていることを特徴とする配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項2】
前記ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の末端からなる面は、ラビング方向に沿って周期的に変化することを特徴とする請求項1に記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項3】
前記ラビング毛羽の末端が1つの周期で摩擦方向に沿って変化することを特徴とする請求項2に記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項4】
前記ラビング毛羽の末端は、前記ラビング基膜の中間部から両側へ対称的に段々大きくまたは小さくなることを特徴とする請求項3に記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項5】
前記ラビング毛羽の末端が形成する傾斜角は10°以下であることを特徴とする請求項4に記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項6】
前記ラビング基膜は厚みが同じであり、前記ラビング毛羽は長さが前記ラビング基膜の中間部から両側へ段々大きく又は小さくなることを特徴とする請求項4に記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項7】
前記ラビング毛羽の長さの最大値と最小値との差が2mm以下であることを特徴とする請求項6に記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項8】
前記ラビング基膜は、厚みが中間部から両側へ段々大きくまたは小さくなり、前記ラビング毛羽は長さが同じであることを特徴とする請求項4記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項9】
前記ラビング基膜の厚みの最大値と最小値との差が2mm以下であることを特徴とする請求項8に記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。
【請求項10】
前記ラビング基膜上の全てのラビング毛羽の末端からなる面の鋸歯状や円弧状は、最も長いラビング毛羽に対して対称となるか、または対称とならないことを特徴とする請求項1に記載の配向膜のラビング工程に用いられるラビング布。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−88713(P2012−88713A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230625(P2011−230625)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(510280589)京東方科技集團股▲ふん▼有限公司 (35)
【Fターム(参考)】