説明

配管ユニットおよび送液ユニット

【課題】洗浄液バッグを付け替える場合における洗浄液の漏れを防止するとともに、洗浄液バッグを付け替えた後に流路を確実に開くことができる配管ユニットを提供する。
【解決手段】生体組織を消化する消化容器5に接続される主配管11と、主配管11を複数の分岐配管16a,16bに分岐する分岐部14と、主配管11の途中位置に形成され、バルブ12により押し潰されることで流路が開閉される開閉部13と、各分岐配管16a,16bの端部にそれぞれ設けられ、洗浄液Bを貯留する洗浄液バッグ4a,4bに接続される複数の接続部17a,17bと、各分岐配管16a,16bの途中位置にそれぞれ設けられ、接続部17a,17b側から開閉部13側への洗浄液Bの流通を許容する一方、開閉部13側から接続部17a,17b側への洗浄液Bの流通を禁止する逆止弁15a,15bとを備える配管ユニット10を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば細胞処理装置に用いられる配管ユニットおよび送液ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脂肪組織等の生体組織を消化酵素液とともに攪拌することにより消化し、得られた細胞懸濁液を遠心分離機によって濃縮することにより、脂肪由来細胞を回収する細胞処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この細胞処理装置においては、生体組織に対して、洗浄液を供給して洗浄処理が行われ、洗浄処理後の洗浄液が廃液として排出される。また、生体組織を消化して得られた細胞懸濁液に対しても、洗浄液が供給されるとともに、遠心分離機において濃縮処理が行われ、濃縮処理後に上清が廃液として排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/012480号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の特許文献1に開示されているような細胞処理装置では、各容器や各装置を接続する配管系として、一般的にディスポーザブルタイプの配管ユニットが採用される。このような配管ユニットにおいて、洗浄液を貯留する洗浄液バッグを付け替える場合には、その接続部から洗浄液の漏れが生じるという問題があった。これを防止するためには、クリップ等により配管を閉じる作業が必要となり、作業が煩雑となるだけでなく、クリップを外し忘れた場合には洗浄液が供給されないという不都合があった。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、洗浄液バッグを付け替える場合における洗浄液の漏れを防止するとともに、洗浄液バッグを付け替えた後に流路を確実に開くことができる配管ユニットおよび送液ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様は、生体組織を消化する消化容器に接続される主配管と、該主配管を複数の分岐配管に分岐する分岐部と、前記主配管の途中位置に形成され、バルブにより押し潰されることで流路が開閉される開閉部と、各前記分岐配管の端部にそれぞれ設けられ、洗浄液を貯留する洗浄液バッグに接続される複数の接続部と、各前記分岐配管の途中位置にそれぞれ設けられ、前記接続部側から前記開閉部側への洗浄液の流通を許容する一方、前記開閉部側から前記接続部側への洗浄液の流通を禁止する逆止弁とを備える配管ユニットである。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、消化容器に主配管が接続されるともに、この主配管が分岐部において複数の分岐配管に分岐して、これら分岐配管の端部に設けられた接続部が、洗浄液バッグにそれぞれ接続される。また、主配管の途中位置には、バルブにより押し潰されることで流路が開閉される開閉部が形成される。
【0009】
このような配管ユニットにおいて、分岐配管の途中位置にそれぞれ設けられた逆止弁により、接続部側から開閉部側への洗浄液の流通が許容される一方、開閉部側から接続部側への洗浄液の流通が禁止される。これにより、例えば洗浄液バッグを交換するために、接続部を洗浄液バッグから抜いた場合にも、他の分岐配管から洗浄液が流入して接続部から洗浄液が漏れてしまうことを防止することができる。また、分岐配管の数よりも、使用(接続)する洗浄液バッグの数が少ない場合にも、未使用の分岐配管から洗浄液が漏れてしまうことを防止することができる。さらに、洗浄液バッグを付け替えた後には、分岐配管の流路を確実に開くことができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、上記の配管ユニットと、前記主配管の前記開閉部の位置に配置されるバルブと、前記主配管の途中位置に設けられ、前記消化容器に洗浄液を送るポンプとを備える送液ユニットである。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、前述の配管ユニットを備えているため、洗浄液バッグを付け替える場合における洗浄液の漏れを防止するとともに、洗浄液バッグを付け替えた後に流路を確実に開いて、洗浄液バッグから消化容器に洗浄液を確実に供給することができる。
【0012】
上記の第2の態様において、前記消化容器内に供給された洗浄液の重量を測定する測定部と、該測定部により測定された重量に基づいて前記ポンプの回転数を制御する制御部とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、制御部により、測定部により測定された洗浄液の重量に基づいて、消化容器に洗浄液を送るポンプの回転数が制御される。これにより、逆止弁の流量抵抗に関わらず、所望の量の洗浄液を消化容器内に供給することができる。また、消化容器内に供給された洗浄液の重量を測定することで、分岐配管の接続部が確実に洗浄液バッグに接続されているかを検知することができる。
【0013】
上記の第2の態様において、前記消化容器に供給された洗浄液の流量を検出するセンサと、該センサにより検出された流量に基づいて前記ポンプの回転数を制御する制御部とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、制御部により、センサにより検出された洗浄液の流量に基づいて、消化容器に洗浄液を送るポンプの回転数が制御される。これにより、逆止弁の流量抵抗に関わらず、所望の量の洗浄液を消化容器内に供給することができる。また、消化容器に供給された洗浄液の流量を検出することで、分岐配管の接続部が確実に洗浄液バッグに接続されているかを検知することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、洗浄液バッグを付け替える場合における洗浄液の漏れを防止するとともに、洗浄液バッグを付け替えた後に流路を確実に開くことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る送液ユニットを備える細胞処理装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る送液ユニットの概略構成図である。
【図3】図2の変形例に係る送液ユニットの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る送液ユニット1について、図1を参照して以下に説明する。ここでは、本実施形態に係る送液ユニット1を細胞処理装置に適用した例について説明する。
本適用例に係る細胞処理装置100は、図1に示されるように、脂肪組織等の生体組織を消化する消化容器5と、消化容器5からの廃液を収容する廃液バッグ7と、消化容器5において生成された生成物を収容する生成物取出容器8と、洗浄液を収容する洗浄液バッグ4a,4bと、これら容器に送液を行う送液ユニット1とを備えている。
【0017】
送液ユニット1は、各容器を接続する配管ユニット10と、配管ユニット10に設けられたポンプ6と、配管ユニット10に設けられたバルブ12とを備えている。
配管ユニット10は、消化容器5に接続される主配管11と、主配管11の分岐部14において分岐した複数の分岐配管16a,16bと、主配管11の途中位置に形成された開閉部13と、各分岐配管16a,16bの端部にそれぞれ設けられた複数の接続部17a,17bと、各分岐配管16a,16bの途中位置にそれぞれ設けられた逆止弁15a,15bとを備えている。
【0018】
主配管11は、消化容器5に接続されたチューブであり、その途中位置にポンプ6およびバルブ12が設けられている。
分岐配管16a,16bは、主配管11の分岐部14において分岐し、洗浄液バッグ4a,4bにそれぞれ接続されるチューブである。なお、ここでは説明を簡略化するために、主配管11が2つの分岐配管16a,16bに分岐した例について説明するが、主配管11を3つ以上に分岐させ、各分岐配管を本実施形態と同様の構成にすることとしてもよい。
【0019】
ポンプ6は、複数のローラ(図示略)によりチューブを押しつぶしながら回転させることで、チューブ内の液体を送るようになっている。ポンプ6は、正逆運転が可能であり、回転方向を変えることで給液および排液を行うことができるようになっている。
【0020】
バルブ12は、例えば電磁弁であり、主配管11の途中位置に形成された開閉部13を外部から押し潰すことで、主配管11の流路を閉じるようになっている。このように構成することで、バルブ12を動作させることで、主配管11の流路を開閉するようになっている。
【0021】
各分岐配管16a,16bの端部には、洗浄液Bを貯留する洗浄液バッグ4a,4bに接続される接続部17a,17bがそれぞれ設けられている。接続部17a,17bは、例えばスパイクであり、洗浄液バッグ4a,4bに突き刺して固定されるようになっている。これにより、各分岐配管16a,16b内には、洗浄液バッグ4a,4bからの洗浄液Bが流通されるようになっている。
【0022】
各分岐配管16a,16bの途中位置には、分岐配管16a,16bの流通方向を規制する逆止弁15a,15bがそれぞれ設けられている。逆止弁15a,15bは、接続部17a,17b側から開閉部13(分岐部14)側への洗浄液Bの流通を許容する一方、開閉部13(分岐部14)側から接続部17a,17b側への洗浄液Bの流通を禁止するようになっている。これにより、例えば図1に示すように、分岐配管16bを流通する洗浄液Bが分岐部14を通って分岐配管16aに流入してしまうことを防止するようになっている。
【0023】
消化容器5は、ヒトから採取した脂肪組織と該脂肪組織を消化する消化酵素液とを収容する容器であり、図示しない攪拌機構を備えている。消化容器5は、主配管11および分岐配管16a,16bを介して洗浄液バッグ4a,4bに接続されている。これにより、ポンプ6を作動させて洗浄液バッグ4a,4bから洗浄液Bを供給し、攪拌機構により攪拌することで、内部に収容された脂肪組織を洗浄するようになっている。
【0024】
また、消化容器5は、洗浄された消化容器5内の脂肪組織を消化酵素液により消化して、脂肪由来細胞を分離させ、細胞懸濁液Aを生成するようになっている。具体的には、図示しない攪拌機構を作動させると、消化容器5が所定の円周軌道に沿って水平回転させられる。これにより、脂肪組織が消化酵素液内において撹拌させられて、脂肪組織の消化が促進される。そして、攪拌機構を停止して消化容器5を静置すると、比重の差により、消化された脂肪組織が上層に、脂肪組織から分離された細胞を含む消化酵素液、すなわち細胞懸濁液Aが下層に層分離させられる。
【0025】
このように上層に分離された脂肪組織は、ポンプ6を作動させて廃液バッグ7に送られる。また、下層に分離された細胞懸濁液Aは、ポンプ6を作動させて生成物取出容器8に送られる。なお、このように生成した細胞懸濁液Aは、図示しない遠心分離機等の濃縮装置により濃縮することとしてもよい。
【0026】
以上のように、本実施形態に係る配管ユニット10および送液ユニット1は、消化容器5に主配管11が接続されるともに、この主配管11が分岐部14において複数の分岐配管16a,16bに分岐して、これら分岐配管16a,16bの端部に設けられた接続部17a,17bが、洗浄液バッグ4a,4bにそれぞれ接続される。また、主配管11の途中位置には、バルブ12により押し潰されることで流路が開閉される開閉部13が形成される。
【0027】
このような配管ユニット10および送液ユニット1において、分岐配管16a,16bの途中位置にそれぞれ設けられた逆止弁15a,15bにより、接続部17a,17b側から開閉部13側への洗浄液Bの流通が許容される一方、開閉部13側から接続部17a,17b側への洗浄液Bの流通が禁止される。これにより、例えば洗浄液バッグ4a,4bを交換するために、接続部17a,17bを洗浄液バッグ4a,4bから抜いた場合にも、他の分岐配管16a,16bから洗浄液Bが流入して接続部17a,17bから洗浄液Bが漏れてしまうことを防止することができる。
【0028】
また、分岐配管の数よりも、使用(接続)する洗浄液バッグの数が少ない場合(本実施形態においては洗浄液バッグ4a,4bのいずれか一方しか使用しない場合)にも、未使用の分岐配管16a,16bから洗浄液Bが漏れてしまうことを防止することができる。さらに、洗浄液バッグ4a,4bを付け替えた後には、分岐配管16a,16bの流路を確実に開いて、洗浄液バッグ4a,4bから消化容器5に洗浄液Bを確実に供給することができる。
【0029】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る送液ユニット2について、図2を参照して以下に説明する。本実施形態の送液ユニット2が第1の実施形態の送液ユニット1と異なる点は、処理容器5に供給された洗浄液の重量に基づいてポンプ6の回転数を制御する点である。以下、本実施形態の送液ユニット2について、第1の実施形態の送液ユニット1と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0030】
本実施形態に係る送液ユニット2は、図2に示されるように、各容器を接続する配管ユニット20と、配管ユニット20に設けられたポンプ6と、配管ユニット20に設けられたバルブ12a,12bと、消化容器5の重量を測定するロードセル(測定部)21と、ロードセル21により測定された重量に基づいてポンプ6の回転数を制御する制御部22とを備えている。
【0031】
ロードセル21は、消化容器5内に供給された洗浄液Bの重量を測定するようになっており、その測定結果を制御部22に出力する。
制御部22は、ロードセル21より出力された消化容器5内に供給された洗浄液Bの重量に基づいてポンプ6の回転数を制御するようになっている。
【0032】
配管ユニット20は、消化容器5に接続される主配管11と、主配管11の分岐部24において分岐した複数の副配管11a,11bと、副配管11aの分岐部14aにおいて分岐した複数の分岐配管16a,16bと、副配管11bの分岐部14bにおいて分岐した複数の分岐配管16c,16dと、副配管11a,11bの途中位置に形成された開閉部13a,13bと、各分岐配管16a,16b,16c,16dの端部にそれぞれ設けられた複数の接続部17a,17b,17c,17dと、各分岐配管16a,16b,16c,16dの途中位置にそれぞれ設けられた逆止弁15a,15b,15c,15dとを備えている。
【0033】
主配管11は、消化容器5に接続されたチューブであり、その途中位置にポンプ6が設けられている。
副配管11a,11bは、主配管11の分岐部24において分岐したチューブであり、その途中位置にバルブ12a,12bがそれぞれ設けられている。
【0034】
分岐配管16a,16b,16c,16dは、副配管11a,11bの分岐部14a,14bにおいて分岐し、洗浄液バッグ4a,4b,4c,4dにそれぞれ接続されるチューブである。
【0035】
ポンプ6は、複数のローラ6aと、これらローラ6aを回転させるモータ6bとを備えている。このような構成を有することで、ポンプ6は、モータ6bによりローラ6aをチューブを押しつぶしながら回転させることで、チューブ内の液体を送るようになっている。ポンプ6は、正逆運転が可能であり、回転方向を変えることで給液および排液を行うことができるようになっている。
【0036】
バルブ12a,12bは、例えば電磁弁であり、副配管11a,11bの途中位置に形成された開閉部13a,13bを外部から押し潰すことで、副配管11a,11bの流路を閉じるようになっている。このように構成することで、バルブ12a,12bを動作させることで、副配管11a,11bの流路を開閉するようになっている。
【0037】
各分岐配管16a,16b,16c,16dの端部には、洗浄液Bを貯留する洗浄液バッグ4a,4b,4c,4dに接続される接続部17a,17b,17c,17dがそれぞれ設けられている。接続部17a,17b,17c,17dは、例えばスパイクであり、洗浄液バッグ4a,4b,4c,4dに突き刺して固定されるようになっている。これにより、各分岐配管16a,16b,16c,16d内には、洗浄液バッグ4a,4b,4c,4dからの洗浄液Bが流通されるようになっている。
【0038】
各分岐配管16a,16b,16c,16dの途中位置には、分岐配管16a,16b,16c,16dの流通方向を規制する逆止弁15a,15b,15c,15dがそれぞれ設けられている。逆止弁15a,15b,15c,15dは、接続部17a,17b,17c,17d側から開閉部13a,13b(分岐部14a,14b)側への洗浄液Bの流通を許容する一方、開閉部13a,13b(分岐部14a,14b)側から接続部17a,17b,17c,17d側への洗浄液Bの流通を禁止するようになっている。
【0039】
上記構成を有する本実施形態に係る配管ユニット20および送液ユニット2によれば、制御部22により、ロードセル21により測定された洗浄液Bの重量に基づいて、消化容器5に洗浄液Bを送るポンプ6の回転数が制御される。これにより、逆止弁15a,15b,15c,15dの流量抵抗に関わらず、所望の量の洗浄液Bを消化容器5内に供給することができる。また、消化容器5内に供給された洗浄液Bの重量を測定することで、分岐配管16a,16b,16c,16dの接続部17a,17b,17c,17dが確実に洗浄液バッグ4a,4b,4c,4dに接続されているかを検知できる。
【0040】
また、各分岐配管16a,16b,16c,16dにそれぞれ逆止弁15a,15b,15c,15dが設けられているため、前述の第1の実施形態と同様に、例えば洗浄液バッグ4a,4b,4c,4dを交換するために、接続部17a,17b,17c,17dを洗浄液バッグ4a,4b,4c,4dから抜いた場合にも、他の分岐配管16a,16b,16c,16dから洗浄液Bが流入して接続部17a,17b,17c,17dから洗浄液Bが漏れてしまうことを防止することができる。
【0041】
なお、本実施形態に係る配管ユニット20において、主配管11が2本の副配管に分岐し、これら副配管がそれぞれ2本の分岐配管(計4本)に分岐する例を説明したが、主配管11が4本の分岐配管に直接分岐することとしてもよい。
【0042】
[変形例]
本実施形態に係る配管ユニット20および送液ユニット2の変形例について、図3を参照して以下に説明する。
本変形例に係る送液ユニット3は、前述の第2の実施形態に係る送液ユニット2のロードセル21に代えて、主配管11内の流量を測定するセンサ25を備えている。
【0043】
センサ25は、主配管11内を流通する洗浄液Bの流量、すなわち、消化容器5内に供給された洗浄液Bの量を測定するようになっており、その測定結果を制御部22に出力する。
制御部22は、センサ25より出力された消化容器5内に供給された洗浄液Bの量に基づいてポンプ6の回転数を制御するようになっている。
【0044】
このようにすることで、制御部22により、センサ25により検出された洗浄液Bの流量に基づいて、消化容器5に洗浄液Bを送るポンプ6の回転数が制御される。これにより、前述の第2の実施形態に係る送液ユニット2と同様に、逆止弁15a,15b,15c,15dの流量抵抗に関わらず、所望の量の洗浄液Bを消化容器5内に供給することができる。また、主配管11内の洗浄液Bの流量を測定することで、分岐配管16a,16b,16c,16dの接続部17a,17b,17c,17dが確実に洗浄液バッグ4a,4b,4c,4dに接続されているかを検知できる。
【0045】
なお、本変形例に係る送液ユニット3において、センサ25は主配管11に設けることとして説明したが、これに代えて、副配管11a,11bまたは分岐配管16a,16b,16c,16dのそれぞれに設けることとしてもよい。
【0046】
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、第1の実施形態では分岐配管が2本の例、第2の実施形態では分岐配管が4本の例を説明したが、本発明はこれら分岐配管の数に限定されるものではなく、分岐配管が3本または5本以上であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1,2,3 送液ユニット
4a,4b,4c,4d 洗浄液バッグ
5 消化容器
6 ポンプ
7 廃液バッグ
8 生成物取出容器
10 配管ユニット
11 主配管
11a,11b 副配管
12,12a,12b バルブ
13,13a,13b 開閉部
14,14a,14b 分岐部
15a,15b,15c,15d 逆止弁
16a,16b,16c,16d 分岐配管
17a,17b,17c,17d 接続部
20 配管ユニット
21 ロードセル(測定部)
22 制御部
24 分岐部
25 センサ
100 細胞処理装置
A 細胞懸濁液
B 洗浄液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織を消化する消化容器に接続される主配管と、
該主配管を複数の分岐配管に分岐する分岐部と、
前記主配管の途中位置に形成され、バルブにより押し潰されることで流路が開閉される開閉部と、
各前記分岐配管の端部にそれぞれ設けられ、洗浄液を貯留する洗浄液バッグに接続される複数の接続部と、
各前記分岐配管の途中位置にそれぞれ設けられ、前記接続部側から前記開閉部側への洗浄液の流通を許容する一方、前記開閉部側から前記接続部側への洗浄液の流通を禁止する逆止弁とを備える配管ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の配管ユニットと、
前記主配管の前記開閉部の位置に配置されるバルブと、
前記主配管の途中位置に設けられ、前記消化容器に洗浄液を送るポンプとを備える送液ユニット。
【請求項3】
前記消化容器内に供給された洗浄液の重量を測定する測定部と、
該測定部により測定された重量に基づいて前記ポンプの回転数を制御する制御部とを備える請求項2に記載の送液ユニット。
【請求項4】
前記消化容器に供給された洗浄液の流量を検出するセンサと、
該センサにより検出された流量に基づいて前記ポンプの回転数を制御する制御部とを備える請求項2に記載の送液ユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−55255(P2012−55255A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203000(P2010−203000)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】