説明

配管構造、配管分岐カバーおよびケーブル敷設方法

【課題】 保護管内に収容されたケーブルを必要に応じて容易に分岐させることができ、分岐部から保護管内への水等の侵入がなく、作業性および見た目に優れるケーブル保護管分岐部の配管構造等を提供する。
【解決手段】 配管分岐構造1は、主管3と枝管5とがカバー7で接続される。主管3内のケーブル9は主管3に設けられたケーブル用開口部11より外部に取り出されており、枝管5に挿通される。主管3と枝管5とはカバー7により保持され、カバー7の主管保持部15により主管3が保持され、枝管保持部13で枝管5が保持される。枝管保持部13先端近傍の内面には枝管保持突起14が設けられる。枝管保持部15に挿入された枝管5の外周の波形が枝管保持突起14により係止され固定される。なお、カバー7はケーブル用開口部11全体を覆うように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部にケーブル等が通線される保護管等の配管構造、配管分岐部に設けられる配管分岐カバーおよびケーブル敷設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電線等のケーブルの保護管としては、例えば可撓性を有する樹脂性の波付き管や鋼管等が用いられる。しかし、従来の保護管を用いた場合、内部のケーブルを保護管の外部に取り出す部位においては、各ケーブル取り出し位置に設置され、内部のケーブル取り出しが可能な中継ボックス等を用いる必要がある。しかし、中継ボックスを用いるのでは、敷設のための施工工数を要し、コストも要する。これに対し、保護管の一部に孔を設けて内部のケーブルと取り出す方法がある。
【0003】
電線等のケーブルを収容または取り出すことが可能な保護管としては、例えば、径方向の一方側に、長手方向の一方側から他方端まで連続的に切断された切割り部が設けられ、径方向の他端側に、長手方向の一方側から他方端まで連続的に切欠き孔が設けられる保護管がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−165327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような保護管に使用すると、切割り部からの水の侵入を防ぐ必要があり、また、保護管が外力によってつぶれてしまったり、切割り部が開いてしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、保護管内に収容されたケーブルを必要に応じて容易に分岐させることができ、分岐部から保護管内への水等の侵入がなく、作業性および外観(見た目)にも優れるケーブル保護管分岐部の配管構造等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するため、第1の発明は、内部にケーブルが通線され、前記ケーブルを外部に取り出す開口部を有する主管と、前記主管の前記開口部を覆うように設けられるカバーと、前記開口部より取り出された前記ケーブルが通線される枝管と、を具備し、樹脂製の前記カバーは、前記主管を保持する主管保持部と、前記枝管を保持する枝管保持部とを有し、前記主管保持部と前記枝管保持部との間が仕切り空間を介して連続した空間を形成し、前記主管保持部の先端が開口しており、前記主管保持部の保持空間が、前記主管の断面よりも小さく、前記主管を前記主管保持部に取り付けた状態では、前記主管を挟み込むように前記主管保持部が弾性変形により開口し、前記枝管保持部の保持空間が、前記枝管の断面よりも小さく、前記枝管を前記枝管保持部に挿入した状態では、前記枝管を挟み込むように前記枝管保持部が弾性変形により開口することを特徴とする配管構造である。
【0008】
なお、主管は、例えば中継ボックスからケーブル敷設範囲に設置され、複数のケーブルが挿通される保護管であり、主管としては樹脂製、鋼製などが使用でき、波付き管や直管等任意の形状のものが使用できる。また、枝管は、主管から分岐して各部屋等まで敷設されたケーブルを保護するものであり、可撓性を有する波付き管であることが望ましい。
【0009】
前記開口部から複数のケーブルが取り出され、前記開口部を覆うように前記カバーが設けられ、複数の前記カバーまたは複数の枝管保持部を有する前記カバーにそれぞれ前記枝管が接続され、それぞれの前記枝管にケーブルが通線されてもよい。
【0010】
第1の発明によれば、主管と枝管との分岐部にカバーが設けられ、主管保持部の弾性変形で主管を抱え込むように取り付けることができる。特に、主管保持部の一部に開口が形成され、主管保持部と枝管保持部との間に、仕切り空間を介して連続した空間が形成されるため、主管保持部は開口部を開き、容易に主管に取り付け可能であるとともに、枝管保持部も仕切り空間側を開くことで容易に枝管を挿入することができ、容易に枝管と主管とを接続できる。また、主管に設けられた開口部を確実に塞ぎ、水等の侵入を防ぐことができるとともに、簡易で作業性に優れるケーブルの分岐部の配管構造を得ることができる。
【0011】
また、主管に設けられた一つの開口部から、複数のケーブルが分岐する場合において、当該開口部を塞ぐように複数のカバーを併設するか、もしくは、複数の枝管を有する一体のカバーで当該開口部を塞ぐようにし、それぞれの枝管保持部に枝管を接続することができるため、一か所で複数の分岐を伴うような配管構造であっても、確実に枝管等を保持することができるとともに、主管への水等の侵入を防ぐことができる。
【0012】
第2の発明は、内部にケーブルが通線される主管に取り付けられる樹脂製のカバーであって、前記主管を保持する主管保持部と、前記主管に設けられた開口部より取り出された前記ケーブルが通線される枝管を保持する枝管保持部と、を少なくとも具備し、(A)前記主管保持部と前記枝管保持部との間が仕切り空間を介して連続した空間を形成し、(B)前記主管保持部の先端が開口しており、前記主管保持部の保持空間が、前記主管の断面よりも小さく、前記主管を前記主管保持部に取り付けた状態では、前記主管を挟み込むように前記主管保持部が弾性変形により開口可能であり、(C)前記枝管保持部の保持空間が、前記枝管の断面よりも小さく、前記枝管を前記枝管保持部に挿入した状態では、前記枝管を挟み込むように前記枝管保持部が弾性変形により開口可能であり、(D)前記主管保持部と前記枝管保持部との間には、前記ケーブルが通過可能なケーブル通過部が形成され、上記(A)から(D)の構成を少なくとも具備することを特徴とする配管分岐カバーである。
【0013】
前記ケーブル通過部は、前記主管保持部と前記枝管保持部の間に設けられ、前記枝管の挿入方向側端部からカバー長手方向(軸方向)に連続して形成された開口であり、前記枝管保持部の先端内面には、前記枝管を保持可能な突起が形成されてもよい。
【0014】
前記主管保持部の円周方向にはノッチが設けられ、前記ノッチに沿って前記主管保持部を切断することでカバー本体の長さを調整可能であってもよい。前記主管保持部の開口には開閉可能な蓋部が形成され、前記蓋部の一方の端部と前記主管保持部の開口の一方の側の先端とが薄肉部で接合されており、前記蓋部の他方の端部および前記主管保持部の開口の他方の側の先端には、互いに結合可能な結合部が形成され、前記蓋部を閉じた状態では前記主管保持部の開口を塞ぐことが可能であってもよい。前記枝管保持部が前記主管保持部に複数設けられ、前記主管保持部と複数の前記枝管保持部との間に仕切り空間を介して連続した空間を形成され、前記主管保持部と複数の前記枝管保持部との間には、前記ケーブルが通過可能なケーブル通過部が形成されてもよい。
【0015】
第2の発明によれば、主管と枝管との分岐部において、主管と枝管とを確実に保持することができるとともに、主管に設けられたケーブル取り出し開口部を確実に塞ぐことができる。特に、主管保持部の先端に開口が形成され、主管保持部と枝管保持部との間に、仕切り空間を介して連続した空間が形成されるため、主管保持部は開口部を開き、容易に主管に取り付け可能であるとともに、枝管保持部も仕切り空間側、すなわち主管保持部の開口側を開くことで容易に枝管を挿入することができ、容易に枝管と主管とを接続できる。また、カバーの主管保持部は弾性変形可能であり、主管の半周以上を覆うことができるような(半円よりも円弧長が長い)円弧断面形状であるため、確実に主管を保持することができる。なお、主管保持部の先端とは、主管保持部の下端であり枝管保持部形成側とは反対側の端部である。
【0016】
また、主管保持部と枝管保持部との間にケーブルが通過可能なケーブル通過部が形成され、主管保持部と枝管保持部との間が完全につながらないように隙間が形成されるため、ケーブルが主管と枝管に挿通された状態で、カバーを主管および枝管に取り付けることができる。このため、カバー装着時にケーブルを撤去する必要がなく、または、あらかじめカバーにケーブルを挿通させておく必要がなく作業性に優れる。また、主管保持部と枝管保持部との間にケーブル通過部が設けられ、主管保持部上部が開口して円周方向につながっていないため、主管保持部を主管に取り付ける際に、より簡単に主管保持部端部を弾性変形させて開くことができる。このため、カバーの主管への取り付け性に優れる。
【0017】
また、ケーブル逃げ部が枝管の挿入方向側端部から連続して形成された開口であれば、ケーブルを主管および枝管に挿通させた状態でカバーを確実に着脱することができ、また、枝管の先端内面に突起を設けておけば、波付き管である枝管をより確実に保持することができる。
【0018】
また、主管保持部の円周方向にノッチを設けておけば、ノッチに沿ってカバーを折る(または切断)することができる。このため、使用状態に応じてカバーの長さを調整することができる。また、複数のカバーを併設する際には、少なくとも一方のカバーの長さを短くすることで、分岐部をコンパクトにすることができる。また、蓋部を有すれば、主管保持部で主管を保持した際に、主管により確実に取り付けることが可能である。また、枝管保持部が主管保持部に複数(例えば2つ)設けられ、主管保持部と複数の枝管保持部全体との間には、ケーブルが通過可能なケーブル通過部が形成されれば、複数の枝管への配管分岐構造を容易に形成することができる。
【0019】
第3の発明は、第2の発明にかかる配管分岐カバーを用い、第1の枝管内に通された第1のケーブルを主管に設けられた開口部より前記主管内に通線する工程(a)と、前記開口部を覆うように前記主管保持部で第1の配管分岐カバーを前記主管に設ける工程(b)と、前記第1の配管分岐カバーの前記枝管保持部に前記第1の枝管を接続する工程(c)と、を具備することを特徴とするケーブルの敷設方法である。この場合、前記工程(a)〜工程(c)を繰り返し、前記主管に所定の間隔をあけて前記開口部を複数設け、それぞれの前記開口部に、枝管内に通されたそれぞれのケーブルを前記主管内に通線し、それぞれの前記開口部を覆うように前記配管分岐カバーを前記主管に設け、ぞれぞれの前記配管分岐カバーの前記枝管保持部に前記枝管を接続し、前記主管に複数の分岐部を形成してもよい。
【0020】
また第2の発明にかかる配管分岐カバーを用い、第1のケーブルを主管に通線し、前記主管に設けられた開口部より取り出す工程(d)と、前記第1のケーブルを第1の枝管に通線する工程(e)と、前記開口部を覆うように前記主管保持部で第1の配管分岐カバーを前記主管に設ける工程(b)と、前記第1の配管分岐カバーの前記枝管保持部に前記第1の枝管を接続する工程(c)と、を具備することを特徴とするケーブルの敷設方法である。
【0021】
前記工程(b)では、前記第1の配管分岐カバーは、前記開口部の一部を覆うように設けられ、前記工程(b)の後、第2の枝管内に通された第2のケーブルを前記開口部より前記主管に通線する工程(f)と、前記第1の配管分岐カバーと隣接し、かつ、前記開口部の全体を覆うように前記主管保持部で第2の配管分岐カバーを前記主管に設ける工程(g)と、前記第2の配管分岐カバーの前記枝管保持部に前記第2の枝管を接続する工程(h)と、を更に具備してもよい。
【0022】
第3の発明によれば、主管の所望の位置において簡易な方法で内部のケーブルの分岐構造を形成でき、簡易にケーブルを敷設することができる。また、形成された分岐構造から主管内部に水等が浸入することがない。
【0023】
また、一つの開口部を覆うように複数のカバーを設ければ、主管に設けた一つの開口部から複数の分岐部を形成することができる。このため、例えば、上階と下階との間に主管を通し、上下階の各部屋に枝管を敷設するような場合に、主管に不必要に多数の開口部を設ける必要がない。
【0024】
また、主管に所定の間隔をあけて開口部を設け、それぞれの開口部に対してケーブルを挿通することで、例えば同一階の隣接する各部屋に対してケーブルを敷設する場合に、各部屋に近い位置に開口部を設ければ、必要以上に長い枝管を必要とせず、ケーブルの敷設作業が容易である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、保護管内に収容されたケーブルを必要に応じて容易に分岐させることができ、分岐部から保護管内への水等の侵入がなく、作業性および見た目に優れるケーブル保護管の配管構造等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】配管分岐構造1を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の軸方向断面図、(c)は、直管を用いた配管分岐構造1を示す斜視図。
【図2】カバー7を示す斜視図であり、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図。
【図3】カバー7を示す図で、(a)正面図、(b)は(a)のA−A線断面図。
【図4】配管分岐構造の施工方法を示す図。
【図5】複数の分岐を伴う配管分岐構造の施工方法を示す図。
【図6】カバー7を示す図で、(a)は側面図、(b)はノッチ部17でカバー7を切断した状態を示す図。
【図7】配管構造20を示す図。
【図8】配管構造30を示す図。
【図9】配管構造40を示す図。
【図10】ケーブル9を敷設する方法を示す図。
【図11】カバー7’を示す図。
【図12】カバー7’’を示す図。
【図13】(a)はカバー7’’’を示す図、(b)はカバー’’’’を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態にかかる配管分岐構造1について説明する。図1は、配管分岐構造1を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は軸方向の断面図である。
【0028】
主管3、枝管5は可撓性を有する波付き管であり、外周全体に山谷が交互に形成される。なお、図1(c)に示すように、波付き管ではなく直管である鋼管等の主管3aを用いることもできるが、以下の説明では、主管3として波付き管の例を説明する。また、枝管5も直管でも良いが、ケーブルの取り回しのため、可撓性を有する波付き管であることが望ましい。枝管5の外周に形成される波形としては螺旋溝でもよく独立溝でもよい。
【0029】
また、主管3、枝管5は、可撓性を有する樹脂製であることが望ましく、例えばポリオレフィン樹脂であり、さらに望ましくはポリエチレンまたはポリプロピレンである。また、望ましくは滑剤が添加されることが望ましい。滑剤としては、主管3、枝管5を構成する樹脂と相溶性を有していることが望ましく、例えば脂肪酸系の滑剤が使用できる。
【0030】
ポリオレフィン系樹脂に含有させる場合は、不飽和脂肪酸アミド系の滑剤を用いると良い、これらの脂肪酸アミド化合物は、樹脂と溶融し、その後の成形過程で樹脂表面に移行し、滑性を示すものです。特に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミドあるいはエルカ酸アミドなどが良好な潤滑性を示す。
【0031】
脂肪酸系の滑剤は、例えばポリアクリル酸塩、多価アルコール、脂肪酸塩等の混合物を用いることができるが、これらの滑剤は、樹脂に含有させると成形性が低下することがあるため、プラスチックとの接触面での潤滑性を向上させる外部滑剤として用いられ、成形後の管内面に噴霧、或いは塗布して用いると、ケーブルのすべりが良くなり、通線作業が容易となる。(このような滑材としては、例えば、特開2006−158197号公報、特開2006−132586号公報参照。)
【0032】
配管分岐構造1は、主管3と枝管5とがカバー7で接続される。主管3内のケーブル9は主管3に設けられたケーブル用開口部11より外部に取り出されており、枝管5に挿通される。主管3はカバー7の主管保持部15により保持され、枝管5は、カバー7の枝管保持部13で保持される。枝管保持部13先端部近傍の内面には枝管保持突起14が設けられ、枝管保持部13に挿入された枝管5の外周の波形が枝管保持突起14により係止され固定される。なお、カバー7はケーブル用開口部11全体を覆うように設けられる。
【0033】
ケーブル用開口部11は、あらかじめ主管3の製造時に形成してもよい。この場合、ケーブル用開口部11が直接形成されなくてもよく、例えば開口部形成用の切除部や薄肉部等を設けておいてもよい。また、ケーブルの分岐施工を行う際に、必要に応じて主管3の任意の位置に開口部を形成してもよい。この場合、ケーブル用開口部11は、主管3が樹脂管であれば主管3の一部を切り取ってもよく、また、鋼管であれば、孔を設けてもよい。ケーブル用開口部11の形成方法は任意の方法で行うことができる。
【0034】
次に、カバー7について詳細に説明する。図2、図3はカバー7を示す図であり、図2(a)は上面斜視図、図2(b)は下面斜視図であり、図3(a)はカバー7の正面図(枝管挿入方向から見た図)、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図である。
【0035】
カバー7は、主に主管保持部15、枝管保持部13等から構成される。カバー7は樹脂製であり弾性変形が可能である。主管保持部15上には枝管保持部13が形成される。枝管保持部13は、主管保持部15の一方の端部から主管保持部15の軸方向中央近傍まで形成される。枝管保持部13が形成されていない範囲の主管保持部15には、周方向にノッチ部17が形成される。ノッチ部17形成位置では主管保持部15の肉厚が薄くなる。
【0036】
カバー7の主管保持部15は、主管3の外形に対応する内面形状を有する(主管3外径よりもわずかに小さな保持空間を有する)半筒状の部位である。カバー7(主管保持部15)は、主管3の全周に対して半周以上を覆うことが可能である。すなわち、主管保持部15の断面形状は、半円よりも円弧長が長い円弧断面形状である。カバー7は弾性を有するため、主管3に嵌められる際には、カバー7を主管3に押圧することで、主管保持部15の開口部16(下端)が押圧力により、主管3の外周部にそって滑りながら弾性変形して、主管3に嵌められる。また、カバー7が主管3に被せられた状態では、カバー7は主管3の少なくとも半周以上を覆い、カバー7の下端が主管3の外周を抱かかえるため、カバー7は主管3を確実に保持できる。
【0037】
図3(a)に示すように、主管保持部15上方(主管保持部15の開口部16側とは反対側)には枝管保持部13が設けられる。枝管保持部13は略筒状の形状であり、枝管5の外径に対応する内径(枝管5外径よりもわずかに小さな保持空間)を有する。また、図3(b)に示すように、枝管保持部13の先端近傍の内面には、枝管保持突起14が設けられる。枝管保持突起14は挿入される枝管5の外周に設けられた波形を保持可能である。なお、枝管保持突起14は、枝管保持部13の内面全周に設けられる必要はなく、円周上の一部に設けられればよい。
【0038】
枝管保持部13と主管保持部15とは、同一軸方向に向けて形成され、略雪だるま状の断面形状となる。枝管保持部13と主管保持部15との間にはケーブル通過部19が形成される。ケーブル通過部19は、枝管保持部13と主管保持部15との間に形成される仕切り突起22により、両保持空間を空間として仕切る仕切り空間である。したがって、ケーブル通過部19により、枝管保持部13側の空間と主管保持部15側の空間とが連続した空間を形成する。すなわち、ケーブル通過部19とは、枝管の挿入方向側端部からカバー軸方向(図3(b)中矢印F方向であり、図3(a)に示す正面端面と垂直な方向)に連続して形成された開口であり、カバー7の端部側(枝管挿入側)から、挿入される枝管端部が位置する近傍(枝管の挿入口とは反対側の枝管保持部13の端部近傍)まで連続して設けられたスリット状の隙間(開口)である。
【0039】
なお、仕切り突起22によって、主管保持部15に主管3が保持され、枝管保持部13に枝管5が保持された状態で、主管3と枝管5とが接触することはない。また、カバー7の態様は図2、図3に示すものに限られない。たとえば、主管3の外形に応じて、カバー7内面に凹凸形状を設けてもよく、主管3、枝管5の断面形状に応じて、主管保持部15、枝管保持部13の断面形状は適宜変更することができる。
【0040】
次に、分岐構造を形成する工程について説明する。図4は、主管3に配管分岐構造を形成する工程を示す図である。まず、図4(a)に示すように、主管3を敷設しておく。また、分岐させる側のケーブル9をあらかじめ所定長さ(分岐部からの敷設距離)の枝管5に通線しておく。なお、通線されるケーブル9の長さは、枝管5の長さに加えて、分岐部から主管3内に通線される長さに対応する長さとすればよい。図4(a)においては、図中B位置が分岐部となる。
【0041】
次に、図4(b)に示すように、分岐位置にケーブル用開口部11を形成する。ケーブル用開口部11は、例えば主管3の一部を切除すれば良い。この状態で、あらかじめ枝管5に挿通されていたケーブル9をケーブル用開口部11より主管3内に挿入する。
【0042】
なお、主管3を設置するとともに分岐部を形成するような場合には、図4(c)に示すように、あらかじめケーブル用開口部11を形成した主管3の例えば中継ボックス側からケーブル9を主管3内に通線しておき、ケーブル用開口部11から取り出したケーブル9を枝管5に通線するようにしてもよい。
【0043】
主管3、枝管5内にケーブル9が通線されると、次に、図4(d)に示すように、ケーブル用開口部11を塞ぐように、主管3にカバー7を取り付ける。カバー7により、ケーブル用開口部11は塞がれる。主管3内のケーブル9は、主管3内よりカバー7の枝管保持部13内を通り枝管5内に通線される。この際、前述したように、カバー7にケーブル通過部14が形成されるため、ケーブル9を通線した状態でカバー7を脱着することができる。
【0044】
最後に、図4(e)に示すように、枝管5の先端を枝管保持部13に挿入する。枝管5は枝管保持部13により保持される。以上により、枝管5と主管3とが分岐部で結合され、さらに主管3から枝管5内部へケーブル9が通線し分岐部が形成される。なお、枝管5をカバー7の枝管保持部13に挿入後、主管3へのカバー7を取り付けてもよい。
【0045】
図5は、他の分岐構造を形成する工程を示す図である。まず、前述の方法で分岐構造を形成した後、図5(a)に示すように、第1の配管部聞カバーであるカバー7を取り外す。なお、図4(a)〜(c)までの工程の後、カバー7を取り付ける前に以下の工程を実施してもよい。
【0046】
次に、図5(b)に示すように、図4(a)〜図4(c)と同様の手順で、すでにケーブル9が通線されたケーブル用開口部11に更に他のケーブル9aを通線する。なお、ケーブル9aはケーブル9と同様にあらかじめ枝管5a内に通線しておく。以上により、主管3内にケーブル9、9aが通線され、ケーブル9、9aがそれぞれ枝管5、5aに通線された状態となる。
【0047】
次に、図5(c)に示すように、カバー7を主管3に取り付け、枝管5aをカバー7の枝管保持部13に接続する。この際、カバー7がケーブル用開口部11を完全に塞がないように取り付ける。したがって、カバー7に覆われずに露出したケーブル用開口部11からケーブル9が主管3内より引き出されて枝管5内に通線されている。
【0048】
この状態から、図5(d)に示すように、カバー7に併設するように第2の配管部聞カバーであるカバー7aを設ける。すなわち、カバー7aはカバー7で覆われずに露出していたケーブル用開口部11を塞ぐように設置される。したがって、ケーブル用開口部11はカバー7、7aによって完全に塞がれる。なお、図中のカバー7aは長さ調整が行われたものを示す。カバー7aの長さ調整については後述する。カバー7aには枝管5が接続される。以上により一つのケーブル用開口部11(分岐部)から、2本の枝管(ケーブル)を分岐させることができる。
【0049】
なお、カバー7は必要に応じて長さが調整される。すなわち、カバー7、7aが併設されるため、そのまま用いたのでは、カバー2つ分の長さとなり、分岐部長さが長くなる。このため、少なくとも一方のカバー長さを調整することが望ましい。また、あらかじめ二つ分の長さのカバーが一体成型されてもよい。たとえば、図5(d)における、カバー7、7aが一体となったカバーを用いてもよい。一体のカバーを使用した場合には、例えば、あらかじめケーブル9aをカバーの枝管保持部に挿通しておけばよい。
【0050】
図6は、カバー7の長さ調整方法を示す図である。図6(a)に示すように、カバー7の主管保持部15には、円周方向にノッチ部17が形成されている。図6(b)に示すように、カバー7はノッチ部17をきっかけとして切断することができる。すなわち、ノッチ部17でカバー7を折ることもでき、または、ノッチ部17でカッタ等によりカバー7を容易に切断することができる。以上により、カバー7の長さを短くすることができる。
【0051】
次に、配管構造を有するケーブルの敷設形態について説明する。図7は配管構造20を示す図であり、たとえば、マンション等の集合住宅において、各部屋にケーブルが引きこまれた状態を示す図である。外部からのケーブルは、例えば中継ボックス23に接続される。中継ボックス23からは、主管3、3aが接続される。図7の例では、例えば各階に主管3、3aが敷設され、各部屋ごとに設けられるケーブル挿入口21近傍で分岐される。分岐部にはカバー7が設けられ、枝管5が接続される。ケーブルは、中継ボックス23から主管3、3aを通り、分岐部で枝管5内に挿通され各部屋に引き込まれる。
【0052】
図8は、他の配管構造30を示す図である。中継ボックス23からは、主管3が接続される。図8の例では、例えば上下階の間に主管3が敷設され、各部屋ごとに設けられるケーブル挿入口21近傍で分岐される。分岐部では、図5に示したように、一つのケーブル用開口部に二つの枝管5a、5bが接続される。分岐部で分岐した一方の枝管5aは、上階側の部屋のケーブル挿入孔21に引き込まれ、他の枝管5bは下階の部屋のケーブル挿入孔21に引き込まれる。分岐部には二つのカバー7が設けられる。ケーブルは、中継ボックス23から主管3を通り、分岐部で枝管5a、5b内に挿通され各部屋に引き込まれる。
【0053】
図9は、さらに他の配管構造40を示す図である。中継ボックス23からは、主管3が接続される。図9の例では、例えば各上下階の間に主管3が敷設され、各部屋ごとに設けられるケーブル挿入口21近傍で分岐される。各部屋のケーブル挿入孔21の位置が、隣接する部屋の中心に対して対称である場合、一方の側の分岐部では、一つのケーブル用開口部に二つの枝管5c、5dを接続したのち、枝管5c、5dを分岐方向とは逆方向に主管3に沿ってとりまわし、一方の枝管5dは、上階側の部屋のケーブル挿入孔21に引き込まれ、他の枝管5cは下階の部屋のケーブル挿入孔21に引き込まれる。分岐部にはカバー7が設けられ、ケーブルは、中継ボックス23から主管3を通り、分岐部で枝管5等内に挿通され各部屋に引き込まれる。
【0054】
次に、敷設された主管3に対し、敷設後にケーブル9をさらに通線する際の方法を説明する。図10は、例えば、主管3内に新たにケーブル9を挿通して分岐部を増やす場合などにおいて、すでに敷設されている主管3内にケーブル9を通線する工程を示す図である。図10の例では、増設する分岐部近傍に新たに設けられたケーブル用開口部11から中継ボックス23までの主管3にケーブル9を通線する例について説明する。
【0055】
まず、ケーブル9を通線したい範囲の中間部等にダミーのケーブル用開口部11aを構築する。ケーブル用開口部11aは、例えば、通線する始点から終点までの中間地点や、または、図10(a)に示すように、敷設された主管3のコーナー部近傍であることが望ましい。
【0056】
次に、図10(b)に示すように、ケーブル用開口部11よりケーブル9の端部を挿入する(図中矢印C方向)。なお、ケーブル9はあらかじめ枝管に通線しておき、必要に応じてケーブル挿入口21に引き込んでおいてもよい。
【0057】
次に、ケーブル9を主管3内に送り込み、ケーブル9端部をケーブル用開口部11aまで通線する。ケーブル9がケーブル用開口部11aまで通線されたら、ケーブル用開口部11aからケーブル9の端部を取り出す(図中矢印D方向)。
【0058】
ある程度の長さのケーブル9がケーブル用開口部11aから引き出された段階で、ケーブル9の端部を再度ケーブル用開口部11aに挿入し、中継ボックス23方向へ送り込む(図中矢印E方向)。
【0059】
この状態で、図10(c)に示すように、ケーブル用開口部11よりさらにケーブル9を送りつつ、ケーブル用開口部11aではケーブル9を引き抜きながら、同時にケーブル9をケーブル用開口部11aから送りこむ。すなわち、敷設された主管3の複数か所からケーブル9の通線作業が行われる。
【0060】
このため、例えばケーブル用開口部11から主管3内への通線作業に対しては、ケーブル用開口部11からケーブル用開口部11aまでの通線抵抗のみを受け、ケーブル用開口部11aからの通線は、ケーブル用開口部11aから中継ボックス23までの通線抵抗のみを受ける。このため、長い距離の通線作業であっても容易にケーブル9を通線することができる。
【0061】
特に、通常、敷設された保護管のコーナー部近傍等においては、ケーブル9が引っ掛かり、通線作業が困難であるが、コーナー部近傍にケーブルケーブル用開口部11a(すなわち通線作業部)を設ければ、容易にケーブル9を誘導することができるため通線作業が容易である。
【0062】
なお、ケーブル用開口部11aは、1ヶ所のみでなく、複数か所に配置してもよい。また、ダミー用のケーブル用開口部11aは、通線作業後は完全に塞がれる。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態にかかる配管構造によれば、ケーブル逃げ部を有するカバー7を用い、主管3と枝管5とをそれぞれ保持し、ケーブルを分岐するため、カバー7の取り付け性や作業性が良い。また、ケーブル用開口部11はカバー7によって完全に覆われるため、分岐部から主管3内等に水等の侵入がない。
【0064】
また、一か所から複数の分岐を形成せる場合においても、カバー7を併設するため、確実に複数分岐部を形成することができる。この際、カバー7にノッチ部17が設けられるため、カバー7の長さを容易に調整することができる。このため、カバー7を併設するような場合でも、分岐部の長さを短くすることができる。
【0065】
カバー7にはケーブル通過部が形成されるため、ケーブルが主管3および枝管5に挿通された状態でも、カバー7の脱着を容易に行うことができ、カバーの交換や増設も容易である。カバー7を用いて分岐部を形成すれば、作業性に優れ、水等の侵入がない配管分岐構造を容易に得ることができる。
【0066】
また、主管保持部15の下方に開口が形成され、主管保持部15と枝管保持部13との間に、仕切り空間を介して連続した空間が形成されるため、主管保持部は15開口部を開き、容易に主管3に取り付け可能である。また、枝管保持部13も、主管保持部15と連続しているため仕切り空間側または主管保持部の開口側を開くことで容易に枝管5を挿入することができ、容易に枝管5と主管3とを接続できる。
【0067】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0068】
たとえば、一つのケーブル用開口部より二つの分岐部を形成する方法を示したが、さらに多くの分岐部を設けてもよい。たとえば、3以上のカバーを併設すれば、3以上の分岐部を一つのケーブル用開口部に形成することもできる。また、カバー7の主管保持部15と枝管保持部13の径を略同一とすれば、主管同士、枝管同士の分岐構造を得ることもできる。
【0069】
また、図11に示すように、仕切り部22aを有するカバー7’を用いてもよい。カバー7’は仕切り部22aによって主管保持部15と枝管保持部13とが仕切られる。仕切り部22aはケーブル通過部19方向に突出する突起状の形態ではなく、また、仕切り部22aによって主管保持部15と枝管保持部13との間に仕切り部22aの厚み分のケーブル通過部19である空間が形成される。カバー7’によってもカバー7と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、図12に示すように、蓋部25を有するカバー7’’を用いてもよい。図12(a)は、蓋部25が開いた状態を示す図、図12(b)は、蓋部25が閉じた状態を示す図である。カバー7’’は主管保持部15の開口部16側の一方の端部と薄肉部27を介して接続されている。蓋部25の端部には内方に向かって突出する結合部である結合突起31が形成される。主管保持部15の開口部16側の他方の端部(蓋部25との接合される薄肉部27とは反対側の端部)には、外面に結合部である結合溝29が形成される。
【0071】
蓋部25は、薄肉部27を基点として回動動作が可能である。図12(a)に示す状態では、前述のカバー7と同様に用いられ、主管保持部15に主管3を挿入可能である。主管保持部15に主管3がはめられた後、図12(b)に示すように、蓋部25を閉じる。この際、蓋部25は薄肉部27を起点に閉じられ、結合突起31が結合溝29と嵌合して結合される。したがって、蓋部25が開口部16を塞ぐように固定される。カバー7’’によってもカバー7と同様の効果を得ることができる。また、より確実に主管3を主管保持部15で保持することができる。
【0072】
また、図13(a)に示すように、複数の枝管保持部13a、13bを有するカバー7’’’を用いてもよい。カバー7’’’は、一つの主管保持部15に対して二つの枝管保持部13a、13bが形成される。主管保持部15とそれぞれの枝管保持部13a、13bとの間にはケーブル通過部19が形成される。すなわち、ケーブル通過部19によって、主管保持部15および枝管保持部13a、13bは空間的に連続する。枝管保持部13a、13bの間には、仕切り突起22bが形成される。仕切り突起22bは枝管保持部13a、13bに挿入されるそれぞれの枝管同士を仕切るものである。カバー7’’’によってもカバー7と同様の効果を得ることができる。また、一つのカバーによって、複数の枝管を保持することができ、複数の枝管の分岐構造を容易に形成することができる。なお、カバー7’’’において、仕切り突起22bを設けなくても枝管を保持可能であれば良い。また、図13(b)に示すカバー’’’’のように、枝管保持部13a、13bがそれぞれ離れて独立して設けられてもよい。この場合、それぞれの枝管保持部13a、13bがそれぞれケーブル通過部19によって主管保持部15と連通して空間が連続する。
【符号の説明】
【0073】
1、20、30、40………配管分岐構造
3………主管
5………枝管
7………カバー
9………ケーブル
11………ケーブル用開口部
13………枝管保持部
14………枝管保持突起
15………主管保持部
16………開口部
17………ノッチ部
19………ケーブル通過部
22、22b………仕切り突起
22a………仕切り部
21………ケーブル挿入口
23………中継ボックス
25………蓋部
27………薄肉部
29………結合溝
31………結合突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にケーブルが通線され、前記ケーブルを外部に取り出す開口部を有する主管と、
前記主管の前記開口部を覆うように設けられるカバーと、
前記開口部より取り出された前記ケーブルが通線される枝管と、
を具備し、
樹脂製の前記カバーは、前記主管を保持する主管保持部と、前記枝管を保持する枝管保持部とを有し、
前記主管保持部と前記枝管保持部との間が仕切り空間を介して連続した空間を形成し、
前記主管保持部の先端が開口しており、前記主管保持部の保持空間が、前記主管の断面よりも小さく、前記主管を前記主管保持部に取り付けた状態では、前記主管を挟み込むように前記主管保持部が弾性変形により開口し、
前記枝管保持部の保持空間が、前記枝管の断面よりも小さく、前記枝管を前記枝管保持部に挿入した状態では、前記枝管を挟み込むように前記枝管保持部が弾性変形により開口することを特徴とする配管構造。
【請求項2】
前記開口部から複数のケーブルが取り出され、前記開口部を覆うように前記カバーが設けられ、複数の前記カバーまたは複数の枝管保持部を有する前記カバーにそれぞれ前記枝管が接続され、それぞれの前記枝管にケーブルが通線されることを特徴とする請求項1記載の配管構造。
【請求項3】
内部にケーブルが通線される主管に取り付けられる樹脂製のカバーであって、
前記主管を保持する主管保持部と、
前記主管に設けられた開口部より取り出された前記ケーブルが通線される枝管を保持する枝管保持部と、
を少なくとも具備し、
(A)前記主管保持部と前記枝管保持部との間が仕切り空間を介して連続した空間を形成し、
(B)前記主管保持部の先端が開口しており、前記主管保持部の保持空間が、前記主管の断面よりも小さく、前記主管を前記主管保持部に取り付けた状態では、前記主管を挟み込むように前記主管保持部が弾性変形により開口可能であり、
(C)前記枝管保持部の保持空間が、前記枝管の断面よりも小さく、前記枝管を前記枝管保持部に挿入した状態では、前記枝管を挟み込むように前記枝管保持部が弾性変形により開口可能であり、
(D)前記主管保持部と前記枝管保持部との間には、前記ケーブルが通過可能なケーブル通過部が形成され、
上記(A)から(D)の構成を少なくとも具備することを特徴とする配管分岐カバー。
【請求項4】
前記ケーブル通過部は、前記主管保持部と前記枝管保持部の間に設けられ、前記枝管の挿入方向側端部からカバー長手方向に連続して形成された開口であり、前記枝管保持部の先端内面には、前記枝管を保持可能な突起が形成されることを特徴とする請求項3記載の配管分岐カバー。
【請求項5】
前記主管保持部の円周方向にはノッチが設けられ、前記ノッチに沿って前記主管保持部を切断することでカバー本体の長さを調整可能であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の配管分岐カバー。
【請求項6】
前記主管保持部の開口には開閉可能な蓋部が形成され、前記蓋部の一方の端部と前記主管保持部の開口の一方の側の先端とが薄肉部で接合されており、前記蓋部の他方の端部および前記主管保持部の開口の他方の側の先端には、互いに結合可能な結合部が形成され、前記蓋部を閉じた状態では前記主管保持部の開口を塞ぐことが可能であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の配管分岐カバー。
【請求項7】
前記枝管保持部が前記主管保持部に複数設けられ、前記主管保持部と複数の前記枝管保持部との間に仕切り空間を介して連続した空間を形成され、前記主管保持部と複数の前記枝管保持部との間には、前記ケーブルが通過可能なケーブル通過部が形成されることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載の配管分岐カバー。
【請求項8】
請求項3から請求項7いずれかに記載の配管分岐カバーを用い、
第1の枝管内に通された第1のケーブルを主管に設けられた開口部より前記主管内に通線する工程(a)と、
前記開口部を覆うように前記主管保持部で第1の配管分岐カバーを前記主管に設ける工程(b)と、
前記第1の配管分岐カバーの前記枝管保持部に前記第1の枝管を接続する工程(c)と、
を具備することを特徴とするケーブルの敷設方法。
【請求項9】
請求項3から請求項7いずれかに記載の配管分岐カバーを用い、
第1のケーブルを主管に通線し、前記主管に設けられた開口部より取り出す工程(d)と、
前記第1のケーブルを第1の枝管に通線する工程(e)と、
前記開口部を覆うように前記主管保持部で第1の配管分岐カバーを前記主管に設ける工程(b)と、
前記第1の配管分岐カバーの前記枝管保持部に前記第1の枝管を接続する工程(c)と、
を具備することを特徴とするケーブルの敷設方法。
【請求項10】
前記工程(b)では、前記第1の配管分岐カバーは、前記開口部の一部を覆うように設けられ、
前記工程(b)の後、第2の枝管内に通された第2のケーブルを前記開口部より前記主管に通線する工程(f)と、
前記第1の配管分岐カバーと隣接し、かつ、前記開口部の全体を覆うように前記主管保持部で第2の配管分岐カバーを前記主管に設ける工程(g)と、
前記第2の配管分岐カバーの前記枝管保持部に前記第2の枝管を接続する工程(h)と、
を更に具備することを特徴とする請求項8または請求項9記載のケーブルの敷設方法。
【請求項11】
前記工程(a)〜工程(c)を繰り返し、
前記主管に所定の間隔をあけて前記開口部を複数設け、
それぞれの前記開口部に、枝管内に通されたそれぞれのケーブルを前記主管内に通線し、
それぞれの前記開口部を覆うように前記配管分岐カバーを前記主管に設け、
ぞれぞれの前記配管分岐カバーの前記枝管保持部に前記枝管を接続し、
前記主管に複数の分岐部を形成することを特徴とする請求項8記載のケーブルの敷設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−41395(P2011−41395A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186334(P2009−186334)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【特許番号】特許第4532595号(P4532595)
【特許公報発行日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(501314396)古河樹脂加工株式会社 (26)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】