配管被覆方法
【課題】人間が近寄り難い狭所においてエルボ部を含む配管を遠隔操作により被覆する。
【解決手段】配管被覆方法は、(i)配管2のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割され、結合すると前記エルボ部の周囲を取り囲むように構成された、第1エルボ部用保温材20及び第2エルボ部用保温材40を備えるエルボ部用保温材を準備する段階と、(ii)前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部に連設された直管部2bに沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階と、(iii)前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階と、(iv)前記エルボ部の周囲を取り囲むように前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階、からなる。
【解決手段】配管被覆方法は、(i)配管2のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割され、結合すると前記エルボ部の周囲を取り囲むように構成された、第1エルボ部用保温材20及び第2エルボ部用保温材40を備えるエルボ部用保温材を準備する段階と、(ii)前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部に連設された直管部2bに沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階と、(iii)前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階と、(iv)前記エルボ部の周囲を取り囲むように前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階、からなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管を被覆する方法に関し、特に、人間が近寄り難い狭所においてエルボ部を含む配管を遠隔操作により被覆する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のプラント設備や発電所等においては、内部に液体や気体等の各種の流体が流れる配管は、その配管内を流れる液体の温度を保温すると共に、その配管の周囲環境に与える温度の影響を小さくするために、保温材(断熱材)等により被覆されるようになっている。また、原子力発電プラントにあっては、使用期間中の検査の実施やメインテナンスの関係で、この配管に被覆された保温材等を剥がす必要があるため、近年開発された配管用保温材は、着脱自在に配管に取り付けられている。
【0003】
例えば、本出願人の先の出願である特許文献1には、二つ以上の弧状の構成体からなり、組み合わせると配管の周囲で筒状となる断熱カバーが開示されており、複数の構成体は、各々バックルによって結合されているため、必要に応じて自由に着脱できるように構成されている。なお、この特許文献1の断熱カバーは、配管の直管部に取り付けられるものである。
【0004】
また、配管には、上述した直管部の他に、ほぼ90°に湾曲したエルボ部があり、このようなエルボ部へ着脱自在に取り付けられる保温材としては、エルボ部の湾曲方向の左右両側から二分割された半割り体をバックルによって結合するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、エルボ部を被覆した保温材は、配管の直管部を被覆した保温材とバックルによって結合されるように構成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−11694号公報
【特許文献2】特開2003−287192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば、原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管(以下、「RPVベント管」と称する)は、その周囲の状況を見てみると、その天側は、原子炉圧力容器の金属保温材(以下、「RPV金属保温」と称する)に、その左右側は、制御棒駆動機構(CRD)に、そして、その下側は、サポートビームに囲まれており、人が接近して作業することが不可能な狭所となっており、上述したような半割り体をバックルで結合する場合には、作業員の手が入らないため、配管を保温材で被覆できないという問題点があった。直管部の場合には、作業スペースがある場所で、配管の周囲を保温材で被覆してから直管の配管に沿って長手方向に送り込むことも可能であるが、エルボ部を被覆する湾曲した保温材を送り込むことは、不可能であった。
【0007】
また、このRPVベント管に関しては、配管が高温であるため、どうしても保温をする必要があり、現状では、例えば、ロックウール保温材を芯材としその外周をガラスクロス等の外被材で被覆してなる布団状の保温材等で覆うような保温方法が一般的に用いられているが、作業スペースから配管のエルボ部が存在する場所まで、約2.5m先まで保温材を送り込んで保温施工する計画となっており、エルボ部まで保温材を送り込むことが難しく、送り込んでいる途中に変形して、保温性能を保つことができないことが予想される。特に、RPV金属保温との取り合い部については、布団保温で施工するが、エルボ部を越えて保温材を送り込むために、さらなる変形が見込まれ、この取り合い部においても、保温性能を保つことができないことが予想される。
【0008】
さらに、ドライウェル内については、緊急(非常用)炉心冷却装置(ECCS)上の問題があり、繊維質保温材が使えないため、施工が難しい状況にある。また、RPVベント管の周囲は、落下防止区域であり、精密機器があるため、粉塵等の飛散は好ましくない。
【0009】
従って、本発明は、上述した従来の技術の問題を解決するためになされたもので、人間が近寄り難い狭所においてエルボ部を含む配管を遠隔操作により被覆する方法を提供することを主な目的とするものである。
【0010】
また、本発明の別な目的は、繊維質保温材上の問題点をクリアーにし、粉塵飛散、落下防止が無いクリーンな保温材によって、原子炉圧力容器用ベント管のエルボ部を遠隔操作により着脱可能に被覆する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の本発明に係る配管被覆方法は、配管のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割され、結合すると前記エルボ部の周囲を取り囲むように構成された、第1エルボ部用保温材及び第2エルボ部用保温材を備えるエルボ部用保温材を準備する段階と、前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部に連設された直管部に沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階と、前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階と、前記エルボ部の周囲を取り囲むように前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階と、を備えることを特徴とする。
【0012】
ここで、「配管のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割する」とは、ほぼ90°に湾曲したエルボ部において、湾曲の曲率半径の小さい内側と、曲率半径の大きい外側とに二分割することをいい、エルボ部の左右両側方向に対称に二分割したり、あるいは、湾曲したエルボ部の軸線に沿って扇型に二分割するものではない。また、「エルボ部の一側」とは、エルボ部において、湾曲の曲率半径の小さい内側をいい、「エルボ部の他側」とは、湾曲の曲率半径の大きい外側をいう。
【0013】
前記配管の前記直管部を被覆する直管部用保温材を複数個準備し、前記第1エルボ部用保温材を前記直管部に沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階を、前記直管部に前記第1エルボ部用保温材を配置すると共に前記直管部用保温材を配置し、該直管部用保温材を前記直管部に配置する毎に前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部の一側へ順次送り込むように構成することができる。この際、前記第1エルボ部用保温材に隣接する前記直管部用保温材に、前記第2エルボ部用保温材の位置を調整するためのガイド部材を配設することが好ましい。
【0014】
また、保温材搬送手段を準備し、前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階を、前記第2エルボ部用保温材を前記保温材搬送手段に載置し、前記第2エルボ部用保温材が前記第1エルボ部用保温材に当接するまで前記保温材搬送手段によって送り込むように構成することができる。ここで、前記保温材搬送手段を前記エルボ部の他側まで延設された支持部材上を移動させることが好ましい。また、前記保温材搬送手段に、前記第1エルボ部用保温材に対して前記第2エルボ部用保温材の高さ位置を調整するための位置調整手段を配設することが望ましい。
【0015】
さらに、前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を着脱自在に結合することもできる。例えば、前記第1エルボ部用保温材に複数個のボルトを埋設し、前記第2エルボ部用保温材に、前記ボルトに対応する位置に複数個のボルト貫通穴を穿設することにより、前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階を、前記第1エルボ部用保温材の前記ボルトを前記第2エルボ部用保温材の対応する前記ボルト穴に挿通させた後、裏側から取り付け用冶具を用いてナット留めするように構成することができる。
【0016】
前記配管を原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管にし、前記エルボ部用保温材を金属保温材にすることもできる。
【発明の効果】
【0017】
配管のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割された二個のエルボ部用保温材をエルボ部の両側に送り込み、このエルボ部の周囲を取り囲むように結合することにより、人間が近寄り難い狭所においても、遠隔操作によりエルボ部を含む配管を保温材で被覆することができる。特に、原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管を金属保温材からなるエルボ部用保温材で被覆することにより、繊維質保温材上の問題がクリアーになり、粉塵飛散、落下防止の無いクリーンな保温が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の好適な実施の形態を、添付図面を参照しながら説明するが、図中、同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。
【実施例】
【0019】
最初に、図1〜図4を参照しながら、本発明に係る配管被覆方法に使用するエルボ部用保温材を詳述する。図1は原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管2(以下、「PRVベント管」と称する)のエルボ部2aの周囲を取り囲むように配置されたエルボ部用保温材10の結合前の状態を示す概略側面図であり、図2はエルボ部用保温材10の結合状態を示す側面図、図3はエルボ部用保温材10の一側の構成要素である第1エルボ部用保温材20を示す側面図、正面図及び上面図、そして、図4は他側の構成要素である第2エルボ部用保温材40を示す正面図、側面図及び上面図である。
【0020】
まず、図1を参照するに、PRVベント管2は、エルボ部2aと、このエルボ部2aに連設された水平直管部2b及び鉛直直管部2cとで構成されており、鉛直直管部2cに周囲は、原子炉圧力容器の下側を保温するように配設された原子炉圧力容器用金属保温材4(以下、「RPV金属保温」と称する)に覆われている。結合するとエルボ部2aの周囲を取り囲むように構成されているエルボ部用保温材10は、このエルボ部2aの湾曲方向の前後方向に二分割されており、すなわち、ほぼ90°に湾曲したエルボ部において、湾曲の曲率半径の小さい内側に配置される第1エルボ部要保温材20と、曲率半径の大きい外側に配置される第2エルボ部要保温材40とに二分割されている。第1エルボ部用保温材20の配管のエルボ部2a側とは反対側には、水平直管部2bの周囲を保温するために被覆する直管部用保温材60が配設されており、直管部用保温材60を複数個接続することにより、第1エルボ部用保温材20をエルボ部2aの一側、すなわち、エルボ部2aの湾曲の曲率半径の小さい内側まで送り込むようになっているが、詳細は後述する。一方、第2エルボ部用保温材40は、保温材搬送手段としての保温材搬送装置70に載置されており、この保温材搬送装置70によって第2エルボ部用保温材40は、エルボ部2aの他側、すなわち、エルボ部2aの湾曲の曲率半径の大きい外側まで送り込まれるようになっているが、詳細は後述する。なお、参照符号90は、第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とをボルト・ナット結合させるために、ナットを遠隔操作するための取付冶具であるが、これも詳細は後述する。
【0021】
次に、エルボ部用保温材10の構造を詳述する。エルボ部2aの一側に配置される第1エルボ部用保温材20は、半円筒状をした水平胴部21と、同じく半円筒状をした鉛直胴部22とを、ほぼ90°の状態に組み合わせた形状をしている。第1エルボ部用保温材20の内側には、鉛直胴部22の開放端部23から水平胴部21の開放端部24に亘って、RPVベント管2のエルボ部2aの形状に整合するような湾曲面を有する第1空洞部25が画成されている。鉛直胴部22の第2エルボ部用保温材40と対向する第1鉛直接合面26には、第1空洞部25を挟んだ両側の対称位置に、ボルト27が2本、第1鉛直接合面26から水平方向に突出するように埋め込まれている。これらのボルト27は、第2エルボ部用保温材40を取り付ける際の位置決めガイドとしても機能するが、その作用は後述する。なお、ボルト27の数は、この実施例の2本に限定されるものではなく、1本でも、あるいは3本以上でもよい。また、水平胴部21の下側の第1空洞部25を挟む両側面は、第1水平接合面28として機能する。
【0022】
エルボ部用保温材10の他方の構成要素であり、エルボ部2aの他側に配置される第2エルボ部用保温材40は、半円筒状をした鉛直胴部41と、直方体状をした水平胴部42とを、ほぼ90°の状態に組み合わせた形状をしている。第2エルボ部用保温材40の内側には、鉛直胴部41の開放端部43から水平胴部42の開放端部44に亘って、RPVベント管2のエルボ部2aを囲繞するような第2空洞部45が画成されている。鉛直胴部41の第1エルボ部用保温材20と対向する第2鉛直接合面46には、第2空洞部45を挟んだ両側の対称位置で、且つ第1エルボ部用保温材20のボルト27に対応する位置に、ボルト用の貫通穴48が2箇所、湾曲表面47に向かって水平に穿設されており、さらに、これらの貫通穴48に連通するように、図1に示すようなナット100を保持する取付冶具90を挿入し得る大きさの作業用穴49が湾曲表面47まで穿設されている。なお、水平胴部42の上側の第2空洞部45を挟む両側面は、第2水平接合面50として機能する。また、水平胴部42の下側の載置面51は、図1に示すように、保温材搬送装置70に載置し易くするために平坦になっているが、保温材搬送装置70の支持面78と相補形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0023】
以上で説明した第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とを、ボルト27及びナット100で着脱自在に結合させると、図2に示すようなエルボ部用保温材10が形成され、その内部に、第1空洞部25と第2空洞部45とが結合したエルボ部2aを取り囲む空洞部12が画成される。この際、第1エルボ部用保温材20の第1鉛直接合面26と第1水平接合面28とは、各々、第2エルボ部用保温材40の第2鉛直接合面46と第2水平接合面50と接合し、空洞部12を密閉することができる。この実施例では、エルボ部用保温材1は、金属保温材である。それは、RPVベント管2の位置するドライウェル内においては、繊維質保温材を使用することができず、異物を発生させないクリーンな保温をする必要があり、そのために全てが金属製の金属保温材を用いたものである。
【0024】
再び、図1を参照すると、第1エルボ部用保温材20の開放端部24側には、水平直管部2bの周囲を保温するために被覆する直管部用保温材60が配設されている。この直管部用保温材60は、どのようなものでも良く、例えば、先に背景技術で説明した本出願人の先の出願である特許文献1に開示された、二つ以上の弧状の構成体からなり、組み合わせると配管の周囲で筒状となる金属保温材を使用することができるが、バックルなどで着脱自在に結合されているのが好ましい。第1エルボ部用保温材20に隣接する直管部用保温材60には、適当数のオス型バックル61が取り付けられており、これに対応する第1エルボ部用保温材20の水平胴部21には、メス型バックル29が適当数取り付けられている。そして、これらのバックルを連結することにより、第1エルボ用保温材20と直管部用保温材60とを一体化することができる。直管部用保温材60は、図9に示すように、配管の直管部を被覆するために必要な数だけ複数個用意されるが、原子炉圧力容器の下側の場合、作業員が作業することができる作業スペースからエルボ部2aまで第1エルボ部用保温材20を送り込むために必要な長さは、約3mぐらいである。従って、適当数の直管部用保温材60a〜60d・・・を配管に順次取り付け、且つ順次図示しないバックル等の結合手段を用いて長手方向に一体化することにより、第1エルボ部用保温材20をエルボ部2aの一側まで配管に沿って長手方向に送り込むことが可能となる。このように、直管部用保温材60を複数個連結させながら送り込むことにより、第1エルボ部用保温材20を単独で押し込む手間が省け、作業時間を短縮することができる。また、バックル等で結合して一体化することにより、第1エルボ部用保温材20が配管上で回転することがなく、エルボ部2aに対する位置合わせを行うことができるので、その一側に正確に送り込むことができる。
【0025】
また、第1エルボ部用保温材20に隣接する直管部用保温材60の第1エルボ部用保温材側の開放端部62には、その下端に板状のガイド部材63が取り付けられている。ガイド部材63は、図から明らかなように、開放端部62から前方且つ下方に向かって傾斜するように突設されており、第2エルボ部用保温材40を第1エルボ部用保温材20に挿入する際に、第2エルボ部用保温材40の水平胴部42の開放端部44の下端を案内することにより、両者の位置決めを行えるようにするものである。また、第1エルボ部用保温材20の第1鉛直接合面26から突出したボルト27も、第2エルボ部用保温材40の貫通穴48を挿入する際、両者の位置決めを行えるようにするものであり、ボルト27とガイド部材63とを併用することにより、容易に正確な位置合わせを行うことができる。
【0026】
次に、図1、図6及び図7を参照しながら、第2エルボ部用保温材40を搬送する保温材搬送装置70を説明する。保温材搬送装置70は、第2エルボ部用保温材40を載置する底板72及び背板73とからなる本体部71と、本体部71の下側に取り付けられた二個の可動輪74と、本体部71の背板73に回動可能に取り付けられた搬送用連結棒75とを備えており、搬送用連結棒75の長手方向に沿って本体部71を移動させることができるように構成されている。搬送用連結棒75の長さとしては、作業員が作業することができる作業スペースからエルボ部2aまで第2エルボ部用保温材40を送り込むために必要な長さと同程度かそれ以上の長さがあればよく、本実施形態においては、約3mぐらいである。搬送用連結棒75の開放端側には、手で掴み易いようにするための把持部76が取り付けられている。本体部71の底板上には、位置調整手段としてのレベル調整装置77が取り付けられており、第2エルボ部用保温材40を第1エルボ部用保温材に取り付ける際の高さ位置を微調整できるようになっている。レベル調整装置77としては、遠隔操作できるような構成であればどのようなものでも良く、例えば、把持部76を回動させることにより歯車機構が作動して上下動するような構成でもよい。なお、本体部71の形状は、第2エルボ部用保温材40を搬送して取り付けた後、引き抜くことができればよいのであるから、移動方向の前方及び上方が開放された形状であればよく、そのため、左右方向に第2エルボ部用保温材40がズレないようにするために二枚の側板を設けることが好ましい。また、可動輪74は、本実施形態においては、二個であるが、本発明にこれに限定されるものではなく、一個でも、あるいは三個以上でもよい。
【0027】
原子炉圧力容器のRPVベント管2の下側には、必ずCRDハウジング用のサポートビーム6が配設されている。すなわち、このサポートビーム6は、エルボ部2aの他側まで延設された支持部材であり、上述した保温材搬送装置70は、サポートビーム6の上を長手方向に移動することによって、第2エルボ部用保温材40をエルボ部2aの他側まで送り込めるように構成されている。
【0028】
次に、図1及び図8を参照しながら、第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とをボルト・ナット結合させるために、ナットを遠隔操作するための取付冶具90を説明する。取付冶具90は、軸方向に細長い本体部91と、本体部91の一端に取り付けられた操作用の把持部92と、本体部91の他端側に取り付けられたナット保持部93とを備えている。取付冶具90の本体部91は、作業員が作業できる作業スペースからエルボ部2aまでの長さと同程度かそれ以上の長さがあればよく、本実施形態においては、搬送用連結棒75と同じように、約3mぐらいである。このように構成された取付冶具90のナット保持部93にナット100を装着し、このナット100を第2エルボ部用保温材40の作業用穴49に挿入して後、把持部92を回転させることにより、第1エルボ部用保温材20のボルト27にナット100を取り付けすることができる。
【0029】
以上のように構成された各部材を用いて原子炉圧力容器の下部に配設されたRPVベント管2のエルボ部2aを含む配管を遠隔操作により被覆する操作手順を、図9〜図11を参照しながら説明する。最初に、図9に示すように、第1エルボ部用保温材20を水平直管部2bに装着し、その後、直管部用保温材60a〜60d・・・を順次水平直管部2bに装着すると共に、図1に示すバックルにより長手方向に結合して一体化して、第1エルボ部用保温材20をエルボ部2aの湾曲の曲率半径の小さい内側まで送り込む。この時、各保温材をバックルで結合して一体化して送り込むようにしたので、第1エルボ部用保温材20が水平直管部2bの上で回転することがなく、エルボ部2aに対する位置合わせ正確に行うことができる。
【0030】
次に、図10に示すように、RPVベント管2の下側に配設されたサポートビーム6の上に、第2エルボ部用保温材40を載せた保温材搬送装置70を載置し、把持部76を手で掴んで第2エルボ部用保温材40をエルボ部2aの湾曲の曲率半径の大きい外側まで送り込む。
【0031】
そして、図11に示すように、RPVベント管2のエルボ部2aの周囲を取り囲むように、第1エルボ部用保温材20に第2エルボ部用保温材40を突き合わせる。この時、第2エルボ部用保温材40に向かって突出している第1エルボ部用保温材20のボルト27と、直管部用保温材60の下側に取り付けられたガイド部材63とが位置決め部材として機能すると共に、保温材搬送装置70のレベル調整装置77により高さ方向の微調整を行うことができるため、第2エルボ部用保温材40を正確に第1エルボ部用保温材20に突き合わせることができる。この状態において、取付冶具90に保持されたナット100を第2エルボ部用保温材40の作業用穴49に挿入し、貫通穴48から突出しているボルト27にねじ込んで固定することにより、第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とが着脱自在に密着結合され、エルボ部2aを含む配管を金属保温材であるエルボ部用保温材で被覆することができる。なお、結合後は、取付冶具90及び保温材搬送装置70を引き抜けば、被覆作業が終了する。
【0032】
点検等で保温材の被覆を剥ぐ場合には、上述した手順を逆に行えばよく、第2エルボ部用保温材40の下に保温材搬送装置70を送り込み、その後、取付冶具90を用いてナット100を取り外し、第2エルボ部用保温材40を第1エルボ部用保温材20から引き離して原子炉圧力容器の下側の狭所から作業スペースまで引き出すと共に、直管部用保温材60dから順次取り外していけば、第1エルボ部用保温材20が作業スペースまで引き出される。
【0033】
以上の実施形態において、第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とを着脱自在に結合する方法として、第1エルボ部用保温材20にボルト27を埋設し、第2エルボ部用保温材40の背面側からナット100で締着するように構成したが、図5Aに示すように、第1エルボ部用保温材20’側にねじ切をして、第2エルボ部用保温材40’の背面側からボルト102で着脱自在に結合することもできる。
【0034】
また、図5Bに示すように、第1エルボ部用保温材20’’の鉛直胴部から両外向きにフランジ104を突設すると共にボルト106を止着し、第2エルボ部用保温材40’’の鉛直胴部から両外向きにフランジ108を突設させて、背面側からナット110で締着するようにしてもよい。フランジが出っ張る分、幅をとるが、第2エルボ部用保温材40’’の鉛直胴部に穴を穿設することがないので、保温性がよくなる。
【0035】
さらに、図5Cに示すように、第1エルボ部用保温材20’’’と第2エルボ部用保温材40’’’とをバックル112によって着脱自在に結合することもできる。この場合には、取付冶具90のナット保持部93の形状を、遠隔操作でバックルを止められるような形状に変更すればよい。
【0036】
また、図5Dに示すように、第1エルボ部用保温材120に直管部用保温材を一体成形し、その下側にガイド部材122を取り付けるようにしてもよい。この場合には、第1エルボ部用保温材120を、エルボ部の左右両側方向に対称に二分割する構成とし、バックル等によって周方向に結合して一体化させればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る配管被覆方法に使用する各構成部材の概要を示す概略側面図である。
【図2】エルボ部用保温材の結合状態を示す概略側面図である。
【図3】第1エルボ部用保温材を示す側面図、正面図及び上面図である。
【図4】第2エルボ部用保温材を示す正面図、側面図及び上面図である。
【図5A】結合手段の別の実施形態を示す概略側面図である。
【図5B】結合手段のさらに別の実施形態を示す概略上面図である。
【図5C】結合手段のさらにまた別の実施形態を示す概略側面図である。
【図5D】第1エルボ部用保温材の別の実施形態を示す概略側面図である。
【図6】保温材搬送装置の概略を示す一部切断側面図である。
【図7】原子炉圧力容器の下側における保温材搬送装置の使用状態を示す概略図である。
【図8】取付冶具の概略を示す一部切断側面図である。
【図9】本発明に係る配管被覆方法の操作手順の最初の段階を示す図である。
【図10】本発明に係る配管被覆方法の操作手順の第2段階を示す図である。
【図11】本発明に係る配管被覆方法の操作手順の最終段階を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
2 原子炉圧力容器用ベント管
2a エルボ部
2b 水平直管部
4 原子炉圧力容器用金属保温材
6 サポートビーム
10 エルボ部用保温材
20 エルボ部用保温材
27 ボルト
40 エルボ部用保温材
48 貫通穴
49 作業用穴
60 直管部用保温材
70 保温材搬送装置
90 取付冶具
100 ナット
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管を被覆する方法に関し、特に、人間が近寄り難い狭所においてエルボ部を含む配管を遠隔操作により被覆する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のプラント設備や発電所等においては、内部に液体や気体等の各種の流体が流れる配管は、その配管内を流れる液体の温度を保温すると共に、その配管の周囲環境に与える温度の影響を小さくするために、保温材(断熱材)等により被覆されるようになっている。また、原子力発電プラントにあっては、使用期間中の検査の実施やメインテナンスの関係で、この配管に被覆された保温材等を剥がす必要があるため、近年開発された配管用保温材は、着脱自在に配管に取り付けられている。
【0003】
例えば、本出願人の先の出願である特許文献1には、二つ以上の弧状の構成体からなり、組み合わせると配管の周囲で筒状となる断熱カバーが開示されており、複数の構成体は、各々バックルによって結合されているため、必要に応じて自由に着脱できるように構成されている。なお、この特許文献1の断熱カバーは、配管の直管部に取り付けられるものである。
【0004】
また、配管には、上述した直管部の他に、ほぼ90°に湾曲したエルボ部があり、このようなエルボ部へ着脱自在に取り付けられる保温材としては、エルボ部の湾曲方向の左右両側から二分割された半割り体をバックルによって結合するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、エルボ部を被覆した保温材は、配管の直管部を被覆した保温材とバックルによって結合されるように構成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−11694号公報
【特許文献2】特開2003−287192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば、原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管(以下、「RPVベント管」と称する)は、その周囲の状況を見てみると、その天側は、原子炉圧力容器の金属保温材(以下、「RPV金属保温」と称する)に、その左右側は、制御棒駆動機構(CRD)に、そして、その下側は、サポートビームに囲まれており、人が接近して作業することが不可能な狭所となっており、上述したような半割り体をバックルで結合する場合には、作業員の手が入らないため、配管を保温材で被覆できないという問題点があった。直管部の場合には、作業スペースがある場所で、配管の周囲を保温材で被覆してから直管の配管に沿って長手方向に送り込むことも可能であるが、エルボ部を被覆する湾曲した保温材を送り込むことは、不可能であった。
【0007】
また、このRPVベント管に関しては、配管が高温であるため、どうしても保温をする必要があり、現状では、例えば、ロックウール保温材を芯材としその外周をガラスクロス等の外被材で被覆してなる布団状の保温材等で覆うような保温方法が一般的に用いられているが、作業スペースから配管のエルボ部が存在する場所まで、約2.5m先まで保温材を送り込んで保温施工する計画となっており、エルボ部まで保温材を送り込むことが難しく、送り込んでいる途中に変形して、保温性能を保つことができないことが予想される。特に、RPV金属保温との取り合い部については、布団保温で施工するが、エルボ部を越えて保温材を送り込むために、さらなる変形が見込まれ、この取り合い部においても、保温性能を保つことができないことが予想される。
【0008】
さらに、ドライウェル内については、緊急(非常用)炉心冷却装置(ECCS)上の問題があり、繊維質保温材が使えないため、施工が難しい状況にある。また、RPVベント管の周囲は、落下防止区域であり、精密機器があるため、粉塵等の飛散は好ましくない。
【0009】
従って、本発明は、上述した従来の技術の問題を解決するためになされたもので、人間が近寄り難い狭所においてエルボ部を含む配管を遠隔操作により被覆する方法を提供することを主な目的とするものである。
【0010】
また、本発明の別な目的は、繊維質保温材上の問題点をクリアーにし、粉塵飛散、落下防止が無いクリーンな保温材によって、原子炉圧力容器用ベント管のエルボ部を遠隔操作により着脱可能に被覆する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の本発明に係る配管被覆方法は、配管のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割され、結合すると前記エルボ部の周囲を取り囲むように構成された、第1エルボ部用保温材及び第2エルボ部用保温材を備えるエルボ部用保温材を準備する段階と、前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部に連設された直管部に沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階と、前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階と、前記エルボ部の周囲を取り囲むように前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階と、を備えることを特徴とする。
【0012】
ここで、「配管のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割する」とは、ほぼ90°に湾曲したエルボ部において、湾曲の曲率半径の小さい内側と、曲率半径の大きい外側とに二分割することをいい、エルボ部の左右両側方向に対称に二分割したり、あるいは、湾曲したエルボ部の軸線に沿って扇型に二分割するものではない。また、「エルボ部の一側」とは、エルボ部において、湾曲の曲率半径の小さい内側をいい、「エルボ部の他側」とは、湾曲の曲率半径の大きい外側をいう。
【0013】
前記配管の前記直管部を被覆する直管部用保温材を複数個準備し、前記第1エルボ部用保温材を前記直管部に沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階を、前記直管部に前記第1エルボ部用保温材を配置すると共に前記直管部用保温材を配置し、該直管部用保温材を前記直管部に配置する毎に前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部の一側へ順次送り込むように構成することができる。この際、前記第1エルボ部用保温材に隣接する前記直管部用保温材に、前記第2エルボ部用保温材の位置を調整するためのガイド部材を配設することが好ましい。
【0014】
また、保温材搬送手段を準備し、前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階を、前記第2エルボ部用保温材を前記保温材搬送手段に載置し、前記第2エルボ部用保温材が前記第1エルボ部用保温材に当接するまで前記保温材搬送手段によって送り込むように構成することができる。ここで、前記保温材搬送手段を前記エルボ部の他側まで延設された支持部材上を移動させることが好ましい。また、前記保温材搬送手段に、前記第1エルボ部用保温材に対して前記第2エルボ部用保温材の高さ位置を調整するための位置調整手段を配設することが望ましい。
【0015】
さらに、前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を着脱自在に結合することもできる。例えば、前記第1エルボ部用保温材に複数個のボルトを埋設し、前記第2エルボ部用保温材に、前記ボルトに対応する位置に複数個のボルト貫通穴を穿設することにより、前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階を、前記第1エルボ部用保温材の前記ボルトを前記第2エルボ部用保温材の対応する前記ボルト穴に挿通させた後、裏側から取り付け用冶具を用いてナット留めするように構成することができる。
【0016】
前記配管を原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管にし、前記エルボ部用保温材を金属保温材にすることもできる。
【発明の効果】
【0017】
配管のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割された二個のエルボ部用保温材をエルボ部の両側に送り込み、このエルボ部の周囲を取り囲むように結合することにより、人間が近寄り難い狭所においても、遠隔操作によりエルボ部を含む配管を保温材で被覆することができる。特に、原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管を金属保温材からなるエルボ部用保温材で被覆することにより、繊維質保温材上の問題がクリアーになり、粉塵飛散、落下防止の無いクリーンな保温が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の好適な実施の形態を、添付図面を参照しながら説明するが、図中、同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。
【実施例】
【0019】
最初に、図1〜図4を参照しながら、本発明に係る配管被覆方法に使用するエルボ部用保温材を詳述する。図1は原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管2(以下、「PRVベント管」と称する)のエルボ部2aの周囲を取り囲むように配置されたエルボ部用保温材10の結合前の状態を示す概略側面図であり、図2はエルボ部用保温材10の結合状態を示す側面図、図3はエルボ部用保温材10の一側の構成要素である第1エルボ部用保温材20を示す側面図、正面図及び上面図、そして、図4は他側の構成要素である第2エルボ部用保温材40を示す正面図、側面図及び上面図である。
【0020】
まず、図1を参照するに、PRVベント管2は、エルボ部2aと、このエルボ部2aに連設された水平直管部2b及び鉛直直管部2cとで構成されており、鉛直直管部2cに周囲は、原子炉圧力容器の下側を保温するように配設された原子炉圧力容器用金属保温材4(以下、「RPV金属保温」と称する)に覆われている。結合するとエルボ部2aの周囲を取り囲むように構成されているエルボ部用保温材10は、このエルボ部2aの湾曲方向の前後方向に二分割されており、すなわち、ほぼ90°に湾曲したエルボ部において、湾曲の曲率半径の小さい内側に配置される第1エルボ部要保温材20と、曲率半径の大きい外側に配置される第2エルボ部要保温材40とに二分割されている。第1エルボ部用保温材20の配管のエルボ部2a側とは反対側には、水平直管部2bの周囲を保温するために被覆する直管部用保温材60が配設されており、直管部用保温材60を複数個接続することにより、第1エルボ部用保温材20をエルボ部2aの一側、すなわち、エルボ部2aの湾曲の曲率半径の小さい内側まで送り込むようになっているが、詳細は後述する。一方、第2エルボ部用保温材40は、保温材搬送手段としての保温材搬送装置70に載置されており、この保温材搬送装置70によって第2エルボ部用保温材40は、エルボ部2aの他側、すなわち、エルボ部2aの湾曲の曲率半径の大きい外側まで送り込まれるようになっているが、詳細は後述する。なお、参照符号90は、第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とをボルト・ナット結合させるために、ナットを遠隔操作するための取付冶具であるが、これも詳細は後述する。
【0021】
次に、エルボ部用保温材10の構造を詳述する。エルボ部2aの一側に配置される第1エルボ部用保温材20は、半円筒状をした水平胴部21と、同じく半円筒状をした鉛直胴部22とを、ほぼ90°の状態に組み合わせた形状をしている。第1エルボ部用保温材20の内側には、鉛直胴部22の開放端部23から水平胴部21の開放端部24に亘って、RPVベント管2のエルボ部2aの形状に整合するような湾曲面を有する第1空洞部25が画成されている。鉛直胴部22の第2エルボ部用保温材40と対向する第1鉛直接合面26には、第1空洞部25を挟んだ両側の対称位置に、ボルト27が2本、第1鉛直接合面26から水平方向に突出するように埋め込まれている。これらのボルト27は、第2エルボ部用保温材40を取り付ける際の位置決めガイドとしても機能するが、その作用は後述する。なお、ボルト27の数は、この実施例の2本に限定されるものではなく、1本でも、あるいは3本以上でもよい。また、水平胴部21の下側の第1空洞部25を挟む両側面は、第1水平接合面28として機能する。
【0022】
エルボ部用保温材10の他方の構成要素であり、エルボ部2aの他側に配置される第2エルボ部用保温材40は、半円筒状をした鉛直胴部41と、直方体状をした水平胴部42とを、ほぼ90°の状態に組み合わせた形状をしている。第2エルボ部用保温材40の内側には、鉛直胴部41の開放端部43から水平胴部42の開放端部44に亘って、RPVベント管2のエルボ部2aを囲繞するような第2空洞部45が画成されている。鉛直胴部41の第1エルボ部用保温材20と対向する第2鉛直接合面46には、第2空洞部45を挟んだ両側の対称位置で、且つ第1エルボ部用保温材20のボルト27に対応する位置に、ボルト用の貫通穴48が2箇所、湾曲表面47に向かって水平に穿設されており、さらに、これらの貫通穴48に連通するように、図1に示すようなナット100を保持する取付冶具90を挿入し得る大きさの作業用穴49が湾曲表面47まで穿設されている。なお、水平胴部42の上側の第2空洞部45を挟む両側面は、第2水平接合面50として機能する。また、水平胴部42の下側の載置面51は、図1に示すように、保温材搬送装置70に載置し易くするために平坦になっているが、保温材搬送装置70の支持面78と相補形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0023】
以上で説明した第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とを、ボルト27及びナット100で着脱自在に結合させると、図2に示すようなエルボ部用保温材10が形成され、その内部に、第1空洞部25と第2空洞部45とが結合したエルボ部2aを取り囲む空洞部12が画成される。この際、第1エルボ部用保温材20の第1鉛直接合面26と第1水平接合面28とは、各々、第2エルボ部用保温材40の第2鉛直接合面46と第2水平接合面50と接合し、空洞部12を密閉することができる。この実施例では、エルボ部用保温材1は、金属保温材である。それは、RPVベント管2の位置するドライウェル内においては、繊維質保温材を使用することができず、異物を発生させないクリーンな保温をする必要があり、そのために全てが金属製の金属保温材を用いたものである。
【0024】
再び、図1を参照すると、第1エルボ部用保温材20の開放端部24側には、水平直管部2bの周囲を保温するために被覆する直管部用保温材60が配設されている。この直管部用保温材60は、どのようなものでも良く、例えば、先に背景技術で説明した本出願人の先の出願である特許文献1に開示された、二つ以上の弧状の構成体からなり、組み合わせると配管の周囲で筒状となる金属保温材を使用することができるが、バックルなどで着脱自在に結合されているのが好ましい。第1エルボ部用保温材20に隣接する直管部用保温材60には、適当数のオス型バックル61が取り付けられており、これに対応する第1エルボ部用保温材20の水平胴部21には、メス型バックル29が適当数取り付けられている。そして、これらのバックルを連結することにより、第1エルボ用保温材20と直管部用保温材60とを一体化することができる。直管部用保温材60は、図9に示すように、配管の直管部を被覆するために必要な数だけ複数個用意されるが、原子炉圧力容器の下側の場合、作業員が作業することができる作業スペースからエルボ部2aまで第1エルボ部用保温材20を送り込むために必要な長さは、約3mぐらいである。従って、適当数の直管部用保温材60a〜60d・・・を配管に順次取り付け、且つ順次図示しないバックル等の結合手段を用いて長手方向に一体化することにより、第1エルボ部用保温材20をエルボ部2aの一側まで配管に沿って長手方向に送り込むことが可能となる。このように、直管部用保温材60を複数個連結させながら送り込むことにより、第1エルボ部用保温材20を単独で押し込む手間が省け、作業時間を短縮することができる。また、バックル等で結合して一体化することにより、第1エルボ部用保温材20が配管上で回転することがなく、エルボ部2aに対する位置合わせを行うことができるので、その一側に正確に送り込むことができる。
【0025】
また、第1エルボ部用保温材20に隣接する直管部用保温材60の第1エルボ部用保温材側の開放端部62には、その下端に板状のガイド部材63が取り付けられている。ガイド部材63は、図から明らかなように、開放端部62から前方且つ下方に向かって傾斜するように突設されており、第2エルボ部用保温材40を第1エルボ部用保温材20に挿入する際に、第2エルボ部用保温材40の水平胴部42の開放端部44の下端を案内することにより、両者の位置決めを行えるようにするものである。また、第1エルボ部用保温材20の第1鉛直接合面26から突出したボルト27も、第2エルボ部用保温材40の貫通穴48を挿入する際、両者の位置決めを行えるようにするものであり、ボルト27とガイド部材63とを併用することにより、容易に正確な位置合わせを行うことができる。
【0026】
次に、図1、図6及び図7を参照しながら、第2エルボ部用保温材40を搬送する保温材搬送装置70を説明する。保温材搬送装置70は、第2エルボ部用保温材40を載置する底板72及び背板73とからなる本体部71と、本体部71の下側に取り付けられた二個の可動輪74と、本体部71の背板73に回動可能に取り付けられた搬送用連結棒75とを備えており、搬送用連結棒75の長手方向に沿って本体部71を移動させることができるように構成されている。搬送用連結棒75の長さとしては、作業員が作業することができる作業スペースからエルボ部2aまで第2エルボ部用保温材40を送り込むために必要な長さと同程度かそれ以上の長さがあればよく、本実施形態においては、約3mぐらいである。搬送用連結棒75の開放端側には、手で掴み易いようにするための把持部76が取り付けられている。本体部71の底板上には、位置調整手段としてのレベル調整装置77が取り付けられており、第2エルボ部用保温材40を第1エルボ部用保温材に取り付ける際の高さ位置を微調整できるようになっている。レベル調整装置77としては、遠隔操作できるような構成であればどのようなものでも良く、例えば、把持部76を回動させることにより歯車機構が作動して上下動するような構成でもよい。なお、本体部71の形状は、第2エルボ部用保温材40を搬送して取り付けた後、引き抜くことができればよいのであるから、移動方向の前方及び上方が開放された形状であればよく、そのため、左右方向に第2エルボ部用保温材40がズレないようにするために二枚の側板を設けることが好ましい。また、可動輪74は、本実施形態においては、二個であるが、本発明にこれに限定されるものではなく、一個でも、あるいは三個以上でもよい。
【0027】
原子炉圧力容器のRPVベント管2の下側には、必ずCRDハウジング用のサポートビーム6が配設されている。すなわち、このサポートビーム6は、エルボ部2aの他側まで延設された支持部材であり、上述した保温材搬送装置70は、サポートビーム6の上を長手方向に移動することによって、第2エルボ部用保温材40をエルボ部2aの他側まで送り込めるように構成されている。
【0028】
次に、図1及び図8を参照しながら、第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とをボルト・ナット結合させるために、ナットを遠隔操作するための取付冶具90を説明する。取付冶具90は、軸方向に細長い本体部91と、本体部91の一端に取り付けられた操作用の把持部92と、本体部91の他端側に取り付けられたナット保持部93とを備えている。取付冶具90の本体部91は、作業員が作業できる作業スペースからエルボ部2aまでの長さと同程度かそれ以上の長さがあればよく、本実施形態においては、搬送用連結棒75と同じように、約3mぐらいである。このように構成された取付冶具90のナット保持部93にナット100を装着し、このナット100を第2エルボ部用保温材40の作業用穴49に挿入して後、把持部92を回転させることにより、第1エルボ部用保温材20のボルト27にナット100を取り付けすることができる。
【0029】
以上のように構成された各部材を用いて原子炉圧力容器の下部に配設されたRPVベント管2のエルボ部2aを含む配管を遠隔操作により被覆する操作手順を、図9〜図11を参照しながら説明する。最初に、図9に示すように、第1エルボ部用保温材20を水平直管部2bに装着し、その後、直管部用保温材60a〜60d・・・を順次水平直管部2bに装着すると共に、図1に示すバックルにより長手方向に結合して一体化して、第1エルボ部用保温材20をエルボ部2aの湾曲の曲率半径の小さい内側まで送り込む。この時、各保温材をバックルで結合して一体化して送り込むようにしたので、第1エルボ部用保温材20が水平直管部2bの上で回転することがなく、エルボ部2aに対する位置合わせ正確に行うことができる。
【0030】
次に、図10に示すように、RPVベント管2の下側に配設されたサポートビーム6の上に、第2エルボ部用保温材40を載せた保温材搬送装置70を載置し、把持部76を手で掴んで第2エルボ部用保温材40をエルボ部2aの湾曲の曲率半径の大きい外側まで送り込む。
【0031】
そして、図11に示すように、RPVベント管2のエルボ部2aの周囲を取り囲むように、第1エルボ部用保温材20に第2エルボ部用保温材40を突き合わせる。この時、第2エルボ部用保温材40に向かって突出している第1エルボ部用保温材20のボルト27と、直管部用保温材60の下側に取り付けられたガイド部材63とが位置決め部材として機能すると共に、保温材搬送装置70のレベル調整装置77により高さ方向の微調整を行うことができるため、第2エルボ部用保温材40を正確に第1エルボ部用保温材20に突き合わせることができる。この状態において、取付冶具90に保持されたナット100を第2エルボ部用保温材40の作業用穴49に挿入し、貫通穴48から突出しているボルト27にねじ込んで固定することにより、第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とが着脱自在に密着結合され、エルボ部2aを含む配管を金属保温材であるエルボ部用保温材で被覆することができる。なお、結合後は、取付冶具90及び保温材搬送装置70を引き抜けば、被覆作業が終了する。
【0032】
点検等で保温材の被覆を剥ぐ場合には、上述した手順を逆に行えばよく、第2エルボ部用保温材40の下に保温材搬送装置70を送り込み、その後、取付冶具90を用いてナット100を取り外し、第2エルボ部用保温材40を第1エルボ部用保温材20から引き離して原子炉圧力容器の下側の狭所から作業スペースまで引き出すと共に、直管部用保温材60dから順次取り外していけば、第1エルボ部用保温材20が作業スペースまで引き出される。
【0033】
以上の実施形態において、第1エルボ部用保温材20と第2エルボ部用保温材40とを着脱自在に結合する方法として、第1エルボ部用保温材20にボルト27を埋設し、第2エルボ部用保温材40の背面側からナット100で締着するように構成したが、図5Aに示すように、第1エルボ部用保温材20’側にねじ切をして、第2エルボ部用保温材40’の背面側からボルト102で着脱自在に結合することもできる。
【0034】
また、図5Bに示すように、第1エルボ部用保温材20’’の鉛直胴部から両外向きにフランジ104を突設すると共にボルト106を止着し、第2エルボ部用保温材40’’の鉛直胴部から両外向きにフランジ108を突設させて、背面側からナット110で締着するようにしてもよい。フランジが出っ張る分、幅をとるが、第2エルボ部用保温材40’’の鉛直胴部に穴を穿設することがないので、保温性がよくなる。
【0035】
さらに、図5Cに示すように、第1エルボ部用保温材20’’’と第2エルボ部用保温材40’’’とをバックル112によって着脱自在に結合することもできる。この場合には、取付冶具90のナット保持部93の形状を、遠隔操作でバックルを止められるような形状に変更すればよい。
【0036】
また、図5Dに示すように、第1エルボ部用保温材120に直管部用保温材を一体成形し、その下側にガイド部材122を取り付けるようにしてもよい。この場合には、第1エルボ部用保温材120を、エルボ部の左右両側方向に対称に二分割する構成とし、バックル等によって周方向に結合して一体化させればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る配管被覆方法に使用する各構成部材の概要を示す概略側面図である。
【図2】エルボ部用保温材の結合状態を示す概略側面図である。
【図3】第1エルボ部用保温材を示す側面図、正面図及び上面図である。
【図4】第2エルボ部用保温材を示す正面図、側面図及び上面図である。
【図5A】結合手段の別の実施形態を示す概略側面図である。
【図5B】結合手段のさらに別の実施形態を示す概略上面図である。
【図5C】結合手段のさらにまた別の実施形態を示す概略側面図である。
【図5D】第1エルボ部用保温材の別の実施形態を示す概略側面図である。
【図6】保温材搬送装置の概略を示す一部切断側面図である。
【図7】原子炉圧力容器の下側における保温材搬送装置の使用状態を示す概略図である。
【図8】取付冶具の概略を示す一部切断側面図である。
【図9】本発明に係る配管被覆方法の操作手順の最初の段階を示す図である。
【図10】本発明に係る配管被覆方法の操作手順の第2段階を示す図である。
【図11】本発明に係る配管被覆方法の操作手順の最終段階を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
2 原子炉圧力容器用ベント管
2a エルボ部
2b 水平直管部
4 原子炉圧力容器用金属保温材
6 サポートビーム
10 エルボ部用保温材
20 エルボ部用保温材
27 ボルト
40 エルボ部用保温材
48 貫通穴
49 作業用穴
60 直管部用保温材
70 保温材搬送装置
90 取付冶具
100 ナット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割され、結合すると前記エルボ部の周囲を取り囲むように構成された、第1エルボ部用保温材及び第2エルボ部用保温材を備えるエルボ部用保温材を準備する段階と、
前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部に連設された直管部に沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階と、
前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階と、
前記エルボ部の周囲を取り囲むように前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階と、を備える配管被覆方法。
【請求項2】
さらに、前記配管の前記直管部を被覆する直管部用保温材を複数個準備し、
前記第1エルボ部用保温材を前記直管部に沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階は、前記直管部に前記第1エルボ部用保温材を配置すると共に前記直管部用保温材を配置し、該直管部用保温材を前記直管部に配置する毎に前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部の一側へ順次送り込むように構成されている請求項1に記載の配管被覆方法。
【請求項3】
前記第1エルボ部用保温材に隣接する前記直管部用保温材には、前記第2エルボ部用保温材の位置を調整するためのガイド部材が配設されている請求項2に記載の配管被覆方法。
【請求項4】
さらに、保温材搬送手段を準備し、
前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階は、前記第2エルボ部用保温材を前記保温材搬送手段に載置し、前記第2エルボ部用保温材が前記第1エルボ部用保温材に当接するまで前記保温材搬送手段によって送り込むように構成されている請求項1乃至3の内のいずれか1項に記載の配管被覆方法。
【請求項5】
前記保温材搬送手段は、前記エルボ部の他側まで延設された支持部材上を移動する請求項4に記載の配管被覆方法。
【請求項6】
前記保温材搬送手段には、前記第1エルボ部用保温材に対して前記第2エルボ部用保温材の高さ位置を調整するための位置調整手段が配設されている請求項4に記載の配管被覆方法。
【請求項7】
前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材は、着脱自在に結合されている請求項1乃至6の内のいずれか1項に記載の配管被覆方法。
【請求項8】
前記第1エルボ部用保温材には、複数個のボルトが埋設されており、
前記第2エルボ部用保温材には、前記ボルトに対応する位置に複数個のボルト貫通穴が穿設されており、
前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階は、前記第1エルボ部用保温材の前記ボルトを前記第2エルボ部用保温材の対応する前記ボルト穴に挿通させた後、裏側から取り付け用冶具を用いてナット留めするように構成されている請求項7に記載の配管被覆方法。
【請求項9】
前記配管は、原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管であり、
前記エルボ部用保温材は、金属保温材である請求項1乃至8の内のいずれか1項に記載の配管被覆方法。
【請求項1】
配管のエルボ部の湾曲方向の前後方向に二分割され、結合すると前記エルボ部の周囲を取り囲むように構成された、第1エルボ部用保温材及び第2エルボ部用保温材を備えるエルボ部用保温材を準備する段階と、
前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部に連設された直管部に沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階と、
前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階と、
前記エルボ部の周囲を取り囲むように前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階と、を備える配管被覆方法。
【請求項2】
さらに、前記配管の前記直管部を被覆する直管部用保温材を複数個準備し、
前記第1エルボ部用保温材を前記直管部に沿って前記エルボ部の一側まで送り込む段階は、前記直管部に前記第1エルボ部用保温材を配置すると共に前記直管部用保温材を配置し、該直管部用保温材を前記直管部に配置する毎に前記第1エルボ部用保温材を前記エルボ部の一側へ順次送り込むように構成されている請求項1に記載の配管被覆方法。
【請求項3】
前記第1エルボ部用保温材に隣接する前記直管部用保温材には、前記第2エルボ部用保温材の位置を調整するためのガイド部材が配設されている請求項2に記載の配管被覆方法。
【請求項4】
さらに、保温材搬送手段を準備し、
前記第2エルボ部用保温材を前記エルボ部の他側まで送り込む段階は、前記第2エルボ部用保温材を前記保温材搬送手段に載置し、前記第2エルボ部用保温材が前記第1エルボ部用保温材に当接するまで前記保温材搬送手段によって送り込むように構成されている請求項1乃至3の内のいずれか1項に記載の配管被覆方法。
【請求項5】
前記保温材搬送手段は、前記エルボ部の他側まで延設された支持部材上を移動する請求項4に記載の配管被覆方法。
【請求項6】
前記保温材搬送手段には、前記第1エルボ部用保温材に対して前記第2エルボ部用保温材の高さ位置を調整するための位置調整手段が配設されている請求項4に記載の配管被覆方法。
【請求項7】
前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材は、着脱自在に結合されている請求項1乃至6の内のいずれか1項に記載の配管被覆方法。
【請求項8】
前記第1エルボ部用保温材には、複数個のボルトが埋設されており、
前記第2エルボ部用保温材には、前記ボルトに対応する位置に複数個のボルト貫通穴が穿設されており、
前記第1エルボ部用保温材及び前記第2エルボ部用保温材を結合する段階は、前記第1エルボ部用保温材の前記ボルトを前記第2エルボ部用保温材の対応する前記ボルト穴に挿通させた後、裏側から取り付け用冶具を用いてナット留めするように構成されている請求項7に記載の配管被覆方法。
【請求項9】
前記配管は、原子炉圧力容器の下部に配設された原子炉圧力容器用ベント管であり、
前記エルボ部用保温材は、金属保温材である請求項1乃至8の内のいずれか1項に記載の配管被覆方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−240899(P2008−240899A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82314(P2007−82314)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000126609)株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000126609)株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【Fターム(参考)】
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