説明

配線・配管材の保護部材

【課題】 側方に障害物がある場合であっても、カバーをベースから容易に取り外すことができる、配線・配管材の保護部材を提供する。
【解決手段】 保護部材10は、壁1に固定されるベース3と、そのベース3に上方から被るカバー4とを備える。ここで、ベース3とカバー4との組付け状態を維持すべく、ベース3は、被係合部3bを有するとともに、カバー4は、被係合部3bと係合する係合部4bを有する。そして、ベース3とカバー4の少なくとも一方には、押圧されることで、係合状態にある被係合部3bまたは係合部4bを弾性的に変位させて、その係合を解除する係合解除部5が設けられている。この係合解除部5は、カバー4の上方から工具で押圧され得るように、カバー4の上方に開放する空間Sに面している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の壁に沿って配設される配線・配管材の保護部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の壁に沿って配設される電気ケーブルとかエアコン用冷媒管等の配線・配管材を収容する、保護部材があった(例えば、特許文献1参照)。かかる保護部材は、図10に示されるように、配線・配管材40を収容すべく、壁41に固定されるベース42と、そのベース42に被るカバー43とから構成されていた。ここで、これらベース42とカバー43には、その両者の組付け状態が保持されるように、互いに係合する被係合部42aと係合部43aとが設けられていた。そして、カバー43をベース42から取り外す際には、カバー43の係合部43a付近に設けられた押圧部43bを側方から押圧することで、前記係合を解除していた。
【0003】
【特許文献1】特開平9−317983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の保護部材にあっては、カバー43をベース42から取り外すには、カバー43の押圧部43bを側方から押圧する必要があった。しかし、この保護部材が、壁際に沿って配設される場合等には、この保護部材と、側方の壁との間隙に手などを挿入することができず、その壁際側の被係合部42aと係合部43aとの係合を解除することが非常に困難であった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、側方に障害物がある場合であっても、カバーをベースから容易に取り外すことができる、配線・配管材の保護部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線・配管材の保護部材は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材の保護部材は、建物の壁に沿って配設される配線・配管材を収容して保護すべく、前記壁に配置される保護部材である。この保護部材は、前記壁に固定されるベースと、そのベースとの間で前記配線・配管材を収容するように、そのベースに前記壁から離れた側となる上方から被るカバーとを備える。ここで、前記ベースと前記カバーとの組付け状態を維持すべく、前記ベースは、その側壁に、被係合部を有するとともに、前記カバーは、その側壁に、前記被係合部と係合する係合部を有する。そして、前記ベースと前記カバーの少なくとも一方には、押圧されることで、係合状態にある前記被係合部と前記係合部の少なくとも一方を弾性的に変位させて、その係合を解除する係合解除部が設けられ、その係合解除部は、前記カバーの上方から工具で押圧され得るように、前記カバーの上方に開放する空間に面する。
【0007】
この保護部材によると、係合解除部が、カバーの上方に開放する空間に面することで、この係合解除部をカバーの上方から工具で押圧することができる。そして、この押圧により、係合状態にあるベース側の被係合部とカバー側の係合部の少なくとも一方が、弾性的に変位し、その係合が解除される。こうして、被係合部と係合部との係合が解除され、カバーがベースから取り外される。そして、このように、係合解除部をカバーの上方から押圧することで、この保護部材の側方に障害物がある場合であっても、その障害物に邪魔されることなく、被係合部と係合部との係合を解除して、カバーをベースから容易に取り外すことができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材の保護部材は、請求項1に記載の保護部材において、前記カバーの側壁には、前記空間を形成する凹部が設けられている。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材の保護部材は、請求項2に記載の保護部材において、前記凹部は、上下方向に延設されるように形成され、その凹部に沿って、前記工具を、前記カバーの上方から下方に移動させることで、前記工具が前記係合解除部を押圧して、前記係合が解除される。すなわち、工具が、凹部に案内されて係合解除部を押圧する。このため、係合解除部を的確に押圧することができ、被係合部と係合部との係合を確実に解除することができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る配線・配管材の保護部材は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の保護部材において、前記被係合部と前記係合部の少なくとも一方は、前記係合解除部の押圧により、前記係合が解除されるように、前記保護部材の内方に弾性的に変位する。このように、被係合部と係合部との係合を解除するにあたって、それら被係合部と係合部との少なくとも一方が、保護部材の内方に変位することで、この保護部材が側方に広がるのが抑えられる。したがって、保護部材の側方に障害物がある場合にも、その障害物により前記係合の解除が妨げられることを避けることができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る配線・配管材の保護部材は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の保護部材において、前記工具が、前記係合解除部を押圧して、前記工具の先端が、前記被係合部と前記係合部との境界部分に押し入れられることで、前記係合の解除が維持される。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る配線・配管材の保護部材は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の保護部材において、前記建物の壁の出隅部または入隅部を横切って配設される前記配線・配管材を収容して保護すべく、前記出隅部または入隅部に配置される保護部材である。そして、保護部材は、前記出隅部または入隅部に対応して屈曲した屈曲部を有する。そこで、前記カバーは、前記出隅部または入隅部に固定された前記ベースに対し、その出隅部または入隅部を構成する互いに直交する二壁面に対して略45度の傾斜方向から組み付けられる。そして、前記被係合部および前記係合部、並びに前記係合解除部は、前記屈曲部に設けられ、その係合解除部が、前記傾斜方向から前記空間に入る前記工具に押圧されることで、前記係合が解除される。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る配線・配管材の保護部材によれば、係合解除部をカバーの上方から押圧することができるため、保護部材の側方に障害物がある場合であっても、その障害物に邪魔されることなく、被係合部と係合部との係合を解除して、カバーをベースから容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1ないし図3は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、建物の壁である。10は、ダクトとかモール等からなる、配線・配管材(図示せず)の保護部材であって、前記建物の壁1に沿って配設される配線・配管材を収容して保護すべく、その壁1に配置される。
【0016】
保護部材10は、壁1に固定されるベース3と、そのベース3との間で配線・配管材を収容するように、そのベース3に壁1から離れた側となる上方から被るカバー4とを備えている。ここで、ベース3とカバー4との組付け状態を維持すべく、ベース3は、その側壁3aに、被係合部3bを有するとともに、カバー4は、その側壁4aに、ベース3の被係合部3bと係合する係合部4bを有している。そして、ベース3とカバー4の少なくとも一方には、押圧されることで、係合状態にある被係合部3bと係合部4bの少なくとも一方を弾性的に変位させて、その係合を解除する係合解除部5が設けられている。また、この係合解除部5は、カバー4の上方からドライバー等の工具で押圧され得るように、カバー4の上方に開放する空間Sに面する(図3参照)。そこで、係合解除部5が、カバー4の上方から空間Sに入る工具に押圧されることで、被係合部3bと係合部4bとの係合が解除される。
【0017】
また、カバー4の側壁4aには、前記空間Sを形成する凹部4cが設けられている。図示実施の形態においては、この凹部4cは、上下方向に延設されるように形成されている。そして、この凹部4cに沿って、ドライバー等の工具を、カバー4の上方から下方に移動させることで、前記工具が係合解除部5を押圧して、被係合部3bと係合部4bとの係合が解除される。そして、工具が、係合解除部5を押圧して、その工具の先端が、被係合部3bと係合部4bとの境界部分に押し入れられることで、前記係合の解除が維持される。また、特に、被係合部3bと係合部4bの少なくとも一方(図示実施の形態においては、係合部4b)は、係合解除部5の押圧により、前記係合が解除されるように、保護部材10の内方に弾性的に変位するようになっている。
【0018】
具体的には、保護部材10は、壁1の一壁面1a上で、曲がって配設される配線・配管材の、その曲り部を収容する保護部材であって、配線・配管材の曲り部に合わせて屈曲して形成されている。そして、保護部材10は、その屈曲して延びる各端部に、他の保護部材6(例えば、直状の保護部材)を接続するための接続部10aが設けられている。ここで、ベース3は、前記壁面1aに当接する底壁3cと、その底壁3cから立ち上る前記側壁3a、3aとから構成されている。そして、底壁3cには、このベース3を壁1に取付固定するための取付孔3dが明けられている。そこで、前記被係合部3bは、側壁3aの上端部分に、内側に向かって爪状に突出して形成されている。そして、この被係合部3bは、外側の側壁3aには、その屈曲する角部からそれぞれ離れて二つ設けられ、内側の側壁3aには、その屈曲する角部に一つ設けられている。また、前記係合解除部5は、主として、被係合部3bの一部、特にその上面3fからなっており、この被係合部3bの上面3fは、先端側ほど下がるように傾斜して形成されている。
【0019】
カバー4は、天壁4dと、その天壁4dから下がる前記側壁4a、4aとから構成されている。そして、側壁4aには、ベース3における被係合部3bと対向するように、下方に延設された延設片4eが設けられている。そこで、前記係合部4bは、側壁4aの一部を構成する延設片4eの下端部分に、外側に向かって爪状に突出して形成されている。また、前記凹部4cは、この係合部4bから上方に抜けるように形成されており、その結果、このカバー4とベース3とが組み付けられた後には、凹部4cは、係合解除部5(被係合部3bの上面3f)からカバー4の上方に抜け、この凹部4cによって形成される空間Sは、カバー4の上方に開放することとなる。そして、この凹部4cの底面4fは、前記被係合部3bの上面3fに加えられて、その上面3fとともに係合解除部5を形成する、副次的な係合解除部5を構成している。
【0020】
次に、以上の構成からなる保護部材10の作用効果について説明する。この保護部材10によると、係合解除部5が、カバー4の上方に開放する空間Sに面することで、この係合解除部5をカバー4の上方からドライバー等の工具で押圧することができる。そして、この押圧により、係合状態にあるベース3側の被係合部3bとカバー4側の係合部4bの少なくとも一方(図示実施の形態においては、両方)が、弾性的に変位し、その係合が解除される。こうして、被係合部3bと係合部4bとの係合が解除され、カバー4がベース3から取り外される。そして、このように、係合解除部5をカバー4の上方から押圧することで、この保護部材10の側方に障害物がある場合であっても、その障害物に邪魔されることなく、被係合部3bと係合部4bとの係合を解除して、カバー4をベース3から容易に取り外すことができる。
【0021】
さらに、被係合部3bと係合部4bとの係合の解除にあたって、カバー4に設けられた凹部4cに沿って、工具を、カバー4の上方から下方に移動させることで、工具が係合解除部5を押圧して、前記係合が解除される。すなわち、工具が、凹部4cに案内されて係合解除部5を押圧する。このため、係合解除部5を的確に押圧することができ、被係合部3bと係合部4bとの係合を確実に解除することができる。
【0022】
また、被係合部3bと係合部4bとの係合を解除するにあたって、それら被係合部3bと係合部4bとの少なくとも一方(図示実施の形態においては、係合部4b)が、保護部材10の内方に弾性的に変位することで、この保護部材10が側方に広がるのが抑えられる。したがって、保護部材10の側方に障害物がある場合にも、その障害物により前記係合の解除が妨げられることを避けることができる。なお、図示実施の形態においては、工具の側面が、係合解除部5を構成する凹部4cの底面4fを押圧することで、前記係合部4bが、保護部材10の内方に弾性的に変位するとともに、工具の先端が、係合解除部5を構成する被係合部3bの一部(詳細には上面3f)を押圧することで、その被係合部3bが、保護部材10の外方に弾性的に変位する。
【0023】
また、工具が、係合解除部5を押圧して、被係合部3bと係合部4bとの係合が解除された後には、その工具の先端が、被係合部3bと係合部4bとの境界部分に押し入れられ、前記係合の解除が維持される。そして、このように、係合の解除が維持されることで、カバー4をベース3から確実に取り外すことができる。
【0024】
図4ないし図6は、本発明の第二の実施の形態を示す。この第二の実施の形態に示す保護部材20は、建物の壁1の出隅部1bに配置される保護部材であり、前述の第一の実施の形態における保護部材10とは、その要部は同じであり、以下に異なる部分を主に説明する。
【0025】
保護部材20は、建物の壁1の出隅部1bを横切って配設される配線・配管材(図示せず)を収容して保護すべく、前記出隅部1bに配置される。この保護部材20は、出隅部1bに対応して屈曲した屈曲部20aを有している。ここで、カバー4は、出隅部1bに固定されたベース3に対し、その出隅部1bを構成する互いに直交する二壁面1c、1cに対して略45度の傾斜方向Pから組み付けられる。そして、被係合部3bおよび係合部4b、並びに係合解除部5は、前記屈曲部20aに設けられ、その係合解除部5が、カバー4の上方から(詳細には、前記傾斜方向Pから)空間Sに入るドライバー等の工具に押圧されることで、被係合部3bと係合部4bとの係合が解除される。
【0026】
具体的には、保護部材20は、上述のように、壁1の出隅部1bに対応して屈曲した屈曲部20aを有しており、その屈曲して延びる各端部には、他の保護部材6(例えば、直状の保護部材)を接続するための接続部20bが設けられている。ここで、ベース3は、前記出隅部1bを構成する二壁面1c、1cに当接すべく屈曲形成された底壁3cと、その底壁3cから立ち上る側壁3a、3aとから構成されている。そして、底壁3cには、このベース3を壁1の出隅部1bに取付固定するための取付孔3dが明けられている。そこで、被係合部3bは、側壁3aの上端部分に、内側に向かって爪状に突出して形成されている。そして、この被係合部3bは、各側壁3aに、その中央位置する角部に設けられている。また、係合解除部5は、主として、被係合部3bの一部、特にその上面3fからなっており、この被係合部3bの上面3fは、先端側ほど下がるように傾斜して形成されている。
【0027】
カバー4は、天壁4dと、その天壁4dから下がる側壁4a、4aとから構成されている。そして、各側壁4aには、その中央位置する角部に、ベース3における被係合部3bと対向するように、下方に延設された延設片4eが設けられている。そこで、係合部4bは、側壁4aの一部を構成する延設片4eの下端部分に、外側に向かって爪状に突出して形成されている。また、凹部4cは、側壁4aの角部において、この係合部4bから上方に抜けるように形成されており、その結果、このカバー4とベース3とが組み付けられた後には、凹部4cは、係合解除部5(被係合部3bの上面3f)からカバー4の上方に抜け、この凹部4cによって形成される空間Sは、カバー4の上方に開放することとなる。そして、この凹部4cの底面4fは、前記被係合部3bの上面3fに加えられて、その上面3fとともに係合解除部5を形成する、副次的な係合解除部5を構成している。なお、この第二の実施の形態に示す保護部材20の作用効果は、前述の第一の実施の形態における保護部材10と同様である。
【0028】
図7ないし9は、本発明の第三の実施の形態を示す。この第三の実施の形態に示す保護部材30は、建物の壁1の入隅部1dに配置される保護部材であり、前述の第一の実施の形態における保護部材10とは、その要部は同じであり、以下に異なる部分を主に説明する。
【0029】
保護部材30は、建物の壁1の入隅部1dを横切って配設される配線・配管材(図示せず)を収容して保護すべく、前記入隅部1dに配置される。この保護部材30は、入隅部1dに対応して屈曲した屈曲部30aを有している。ここで、カバー4は、入隅部1dに固定されたベース3に対し、その入隅部1dを構成する互いに直交する二壁面1e、1eに対して略45度の傾斜方向Qから組み付けられる。そして、被係合部3bおよび係合部4b、並びに係合解除部5は、前記屈曲部30aに設けられ、その係合解除部5が、カバー4の上方から(詳細には、前記傾斜方向Qから)空間Sに入るドライバー等の工具に押圧されることで、被係合部3bと係合部4bとの係合が解除される。
【0030】
具体的には、保護部材30は、上述のように、壁1の入隅部1dに対応して屈曲した屈曲部30aを有しており、その屈曲して延びる各端部には、他の保護部材6(例えば、直状の保護部材)を接続するための接続部30bが設けられている。ここで、ベース3は、前記入隅部1dを構成する二壁面1e、1eに当接すべく屈曲形成された底壁3cと、その底壁3cから立ち上る側壁3a、3aとから構成されている。そして、底壁3cには、このベース3を壁1の入隅部1dに取付固定するための取付孔3dが明けられている。そこで、被係合部3bは、側壁3aの上端部分に、内側に向かって爪状に突出して形成されている。そして、この被係合部3bは、各側壁3aに、その中央位置する角部に設けられている。また、係合解除部5は、主として、被係合部3bの一部、特にその上面3fからなっており、この被係合部3bの上面3fは、先端側ほど下がるように傾斜して形成されている。
【0031】
カバー4は、天壁4dと、その天壁4dから下がる側壁4a、4aとから構成されている。そして、各側壁4aには、その中央位置する角部に、ベース3における被係合部3bと対向するように、下方に延設された延設片4eが設けられている。そこで、係合部4bは、側壁4aの一部を構成する延設片4eの下端部分に、外側に向かって爪状に突出して形成されている。また、凹部4cは、側壁4aの角部において、この係合部4bから上方に抜けるように形成されており、その結果、このカバー4とベース3とが組み付けられた後には、凹部4cは、係合解除部5(被係合部3bの上面3f)からカバー4の上方に抜け、この凹部4cによって形成される空間Sは、カバー4の上方に開放することとなる。そして、この凹部4cの底面4fは、前記被係合部3bの上面3fに加えられて、その上面3fとともに係合解除部5を形成する、副次的な係合解除部5を構成している。なお、この第三の実施の形態に示す保護部材30の作用効果は、前述の第一の実施の形態における保護部材10と同様である。
【0032】
ところで、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、保護部材は、建物の壁1の一壁面1a上で曲がって配設される配線・配管材を収容したり、壁1の出隅部1bとか入隅部1dを横切って配設される配線・配管材を収容したりするように、屈曲して形成されたものでなくとも、直状に配設された配線・配管材を収容するように、直状に形成されたものであってもよい。
【0033】
また、カバー4の側壁4aには、上方に開放する空間Sを形成するように、凹部4cが設けられているが、カバー4の側壁4a全体をベース3の側壁3aよりも内側に位置させたり、ベース3の被係合部3bが設けられた部分の側壁3aを外側に張り出させたりして、この凹部4cをなくしてもよい。
【0034】
また、係合解除部5を構成する被係合部3bの上面3fは、先端側ほど下がるように傾斜して形成されなくとも、例えば、上下方向に対して直交する方向(横方向)に延びるように形成されても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の第一の実施の形態の正面図である。
【図2】同じく、左側面図である。
【図3】同じく、図1におけるA−A線による断面図である。
【図4】この発明の第二の実施の形態の側面図である。
【図5】同じく、図4におけるB矢視図である。
【図6】同じく、図5におけるC−C線による断面図である。
【図7】この発明の第三の実施の形態の側面図である。
【図8】同じく、図7におけるD矢視図である。
【図9】同じく、図8におけるE−E線による断面図である。
【図10】従来の保護部材を示す断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 建物の壁
1b 出隅部
1c 二壁面
1d 入隅部
1e 二壁面
3 ベース
3a 側壁
3b 被係合部
4 カバー
4a 側壁
4b 係合部
4c 凹部
5 係合解除部
10、20、30 保護部材
20a、30a 屈曲部
P、Q 傾斜方向
S 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁に沿って配設される配線・配管材を収容して保護すべく、前記壁に配置される保護部材であって、
前記壁に固定されるベースと、そのベースとの間で前記配線・配管材を収容するように、そのベースに前記壁から離れた側となる上方から被るカバーとを備え、
前記ベースと前記カバーとの組付け状態を維持すべく、前記ベースは、その側壁に、被係合部を有するとともに、前記カバーは、その側壁に、前記被係合部と係合する係合部を有し、
前記ベースと前記カバーの少なくとも一方には、押圧されることで、係合状態にある前記被係合部と前記係合部の少なくとも一方を弾性的に変位させて、その係合を解除する係合解除部が設けられ、
前記係合解除部は、前記カバーの上方から工具で押圧され得るように、前記カバーの上方に開放する空間に面することを特徴とする、配線・配管材の保護部材。
【請求項2】
前記カバーの側壁には、前記空間を形成する凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の、配線・配管材の保護部材。
【請求項3】
前記凹部は、上下方向に延設されるように形成され、その凹部に沿って、前記工具を、前記カバーの上方から下方に移動させることで、前記工具が前記係合解除部を押圧して、前記係合が解除されることを特徴とする請求項2に記載の、配線・配管材の保護部材。
【請求項4】
前記被係合部と前記係合部の少なくとも一方は、前記係合解除部の押圧により、前記係合が解除されるように、前記保護部材の内方に弾性的に変位することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の、配線・配管材の保護部材。
【請求項5】
前記工具が、前記係合解除部を押圧して、前記工具の先端が、前記被係合部と前記係合部との境界部分に押し入れられることで、前記係合の解除が維持されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の、配線・配管材の保護部材。
【請求項6】
前記保護部材は、前記建物の壁の出隅部または入隅部を横切って配設される前記配線・配管材を収容して保護すべく、前記出隅部または入隅部に配置される保護部材であって、
前記出隅部または入隅部に対応して屈曲した屈曲部を有し、
前記カバーは、前記出隅部または入隅部に固定された前記ベースに対し、その出隅部または入隅部を構成する互いに直交する二壁面に対して略45度の傾斜方向から組み付けられ、
前記被係合部および前記係合部、並びに前記係合解除部は、前記屈曲部に設けられ、その係合解除部が、前記傾斜方向から前記空間に入る前記工具に押圧されることで、前記係合が解除されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の、配線・配管材の保護部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−292002(P2006−292002A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110492(P2005−110492)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】