説明

配線装置

【課題】 配線と自動変速機のケースとの接触を防止し、自動変速機を小型にできる配線装置を提供する。
【解決手段】 配線装置1は、自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置100を構成する、ハウジング10、油圧の制御を行うリニアソレノイド弁30、温度センサ71、油圧センサ72、および、リニアソレノイド弁30を制御する電子制御ユニット60を電気的に接続する。配線装置1は、複数の配線グループ15、16を備える。配線グループ15、16は、ワイヤーハーネス41および保護チューブ241、242を含む。ワイヤーハーネス41は、ハウジング10の一方側および他方側に分離されて配置されているリニアソレノイド弁30、温度センサ71、油圧センサ72、および、電子制御ユニット60を接続する。保護チューブ241、242は、ワイヤーハーネス41を内側に収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線装置に関し、詳しくは、自動変速機に用いられる電気部品の間を接続する配線技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速機は、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素を選択的に係合または開放して変速を行う。このような摩擦要素は、電磁油圧制御弁の出力ポートから供給される作動油によって動作する。
【0003】
電磁油圧制御弁は、バルブボディなどと呼ばれる金属製のハウジングに、例えば並列に配設される。これら電磁油圧制御弁は電子制御ユニットによって制御されるため、各電磁油圧制御弁には、電子制御ユニットからの配線が接続される。
【0004】
従来、例えば、特許文献1には、自動変速機用配線として、銅版を打ち抜いて形成されたターミナルを樹脂形成されたハウジングに挿入、または、インサート形成したバスバーが開示されている。ところが、特許文献1に開示される構成では、バルブボディの厚さ方向と直交する方向にセンサまたは調整部材を収容する収容ブロックが設けられているため、バルブボディの厚さ方向の寸法公差を吸収することができない。よって、自動変速機を小型にすることが難しい。また、剛性的な導体路により配線の形状が固定されているため、バルブボディの上面または下面での配線の接続ができない。
【0005】
また、特許文献2には、自動変速機用配線として、ワイヤーハーネスが開示されている。ワイヤーハーネスは、バルブボディの厚さ方向の寸法公差を吸収できるし、柔軟に屈曲できるため、バルブボディの上面または下面での配線の接続が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−214415号公報
【特許文献2】特開平9−9465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ワイヤーハーネスをそのまま自動変速機用配線とする場合、組付け時に作業者が手に引っ掛けたり、ボルト締付け時にツールがワイヤーハーネスの被覆に接触することにより、ワイヤーハーネスの被覆が損傷するおそれがある。また、ワイヤーハーネスを束にしてまとめると、自動変速機のケースへの接触により、ワイヤーハーネスの被覆が損傷するおそれがある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ワイヤーハーネスと自動変速機のケースなどのワイヤーハーネスの周辺部品との接触を防止し、自動変速機を小型にできる配線装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1係る発明によると、配線装置は、自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置の電気部品間を電気的に接続する。自動変速機制御装置は、ハウジング、ハウジングに収容され油圧の制御を行う電磁油圧制御弁、自動変速機の状態を検出する少なくとも一つの状態検出手段、および、状態検出手段により検出された自動変速機の状態により電磁油圧制御弁を制御する電子制御ユニットを備える。ここで、状態検出手段は、例えば、レンジ検出装置、回転センサ、油温センサ、および、油圧センサ等が考えられる。配線装置は、複数の配線グループを備える。配線グループは、ワイヤーハーネスおよび保護チューブを含む。ワイヤーハーネスは、ハウジングの一方側および他方側に分離されて配置されている電磁油圧制御弁、状態検出手段、および、電子制御ユニットを接続する。保護チューブは、ワイヤーハーネスを内側に収容する。また、保護チューブは少なくとも一つの湾曲許容部を有する。
【0009】
これにより、ワイヤーハーネスは保護チューブにより保護され、ワイヤーハーネスと自動変速機のケースとの接触を防止することができる。よって、ワイヤーハーネスと自動変速機のケースとが接触するおそれがなくなり、小さな隙間に複数の配線が通過可能に構成することができ、自動変速機を小型にできる。また、配線グループを湾曲可能な構成にしたので、ハウジングの厚さ方向の寸法公差を吸収しつつ、ハウジングの一方側または他方側での配線の接続を容易に行うことができる。
【0010】
請求項2に係る発明によると、湾曲許容部は、ワイヤーハーネスの延伸方向に並べて形成される複数の切欠穴である。
これにより、保護チューブは切欠穴が形成されている方向に曲がり易くなり、組付け時の配線グループの曲がり易さを高めることができる。
【0011】
請求項3に係る発明によると、切欠穴は複数の保護チューブの軸方向の同じ位置に形成されている。
これにより、保護チューブの曲がり易さをより高めることができる。
【0012】
請求項4に係る発明によると、湾曲許容部は、ワイヤーハーネスの延伸方向に沿って保護チューブを複数個に分割する。
これにより、請求項2および請求項3に係る発明に比べ、保護チューブを多方向に曲がり易くすることができ、組付け時の配線グループの操作性を高めることができる。
【0013】
請求項5に係る発明によると、保護チューブは、フッ素樹脂から形成される。
これにより、保護チューブの耐ストレスクラック性、耐熱性耐薬品性、および、耐油性を高めることができる。
【0014】
請求項6に係る発明によると、複数の配線グループの少なくとも一つは、ハウジングの一方側または他方側の端部に接続コネクタが設けられている。
これにより、複数の配線グループは、ハウジングの上面または下面側に位置する電気部品に容易に接続することができる。
【0015】
請求項7に係る発明によると、保護チューブのハウジングから遠い側の端部を覆うカバーを備える。
これにより、保護チューブのハウジングから遠い側の端部隙間から露出されるワイヤーハーネスをカバーにより保護することができる。
【0016】
請求項8に係る発明によると、電磁油圧制御弁と電子制御ユニットとを接続するワイヤーハーネスのうち、前進走行を制御する信号が流れるワイヤーハーネスを一つの配線グループに集合する。
これにより、ワイヤーハーネスの断線が発生した時に、二重係合や駆動力の伝達ができなくなる故障モードの発生を防止することができる。また、ワイヤーハーネスの断線が発生した場合、最低限の走行を確保することができる。
【0017】
請求項9に係る発明によると、ワイヤーハーネスを収容するレール状の収容部、及び、ハウジングの一方または他方への締結のためハウジングの締結部位へ締結される締結部を有する配線カバーをさらに備える。
これにより、ワイヤーハーネスをハウジングに固定し、ワイヤーハーネスの損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態の配線装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のハウジングの特定面の構成を示す斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の配線カバーを特定面側から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の配線カバーを上面側から見た斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態の要部を拡大して示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態の要部を拡大して示す平面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の要部部分断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態の保護チューブを拡大して示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態の保護チューブを拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の複数の実施形態の配線装置を、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の配線装置を図1〜図9に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の配線装置1は、自動変速機制御装置を構成する「電磁油圧制御弁」としてのリニアソレノイド弁30、電子制御ユニット60、ならびに、「状態検出手段」としての温度センサ71、油圧センサ72を電気的に接続する。配線装置1は、ワイヤーハーネス41および保護チューブ241、242を含む複数の配線グループ15、16、ならびに、配線カバー20を備える。
【0020】
ワイヤーハーネス41は、例えば、複数素線で構成されたものに耐摩耗性が高い絶縁体を被覆させたものであり、配線カバー20により、リニアソレノイド弁30を収容するハウジング10に固定されている。ハウジング10には、図2に示すように、六つのリニアソレノイド弁30が固定される。
【0021】
ハウジング10は、図2に示すように、特定面Tに、その面に沿って延びる六つの円筒穴部11を有している。本実施形態の場合、特定面Tが車両の下方側に向くようハウジング10を配置する。以下、ハウジング10の特定面T側を「下面側」とし、ハウジング10の特定面Tとは反対側を「上面側」とする。円筒穴部11は円柱状の空間11aを有しており、詳しくはこの空間11aに、六つのリニアソレノイド弁30がそれぞれ収容されて固定される。
【0022】
円筒穴部11は、相互に平行に形成されており、特定面Tに、横一列に並ぶようにして形成されている。したがって、リニアソレノイド弁30も、相互に平行に横一列に並ぶようにして配置される。
【0023】
リニアソレノイド弁30は、その側面に、円筒穴部11に収容された状態で、ピン13が嵌合する溝条31(図3参照)を有している。溝条31は、リニアソレノイド弁30の弁軸Oに垂直な方向に形成されている。これにより、図3に示すように、ピン穴12にピン13が挿入されると、ピン13は、リニアソレノイド弁30の溝条31に嵌合し、リニアソレノイド弁30の抜け(紙面奥側への移動)及び弁軸O周りの回転を規制する。
【0024】
配線カバー20は、図1に示すように、ハウジング10の特定面Tに締結される。配線カバー20は、金属材料で成形されている。また、その表面には、亜鉛メッキが形成されている。
【0025】
配線カバー20は、レール状の収容部21を有している。収容部21は、特定面Tにおけるリニアソレノイド弁30へのワイヤーハーネス41を収容および固定する。したがって、収容部21は、横一列に並ぶリニアソレノイド弁30に跨るようにして、リニアソレノイド弁30の並び方向へ延びる。収容部21は、所定部分でハウジング10側が開口する横断面コ字状となっており、その内部に、ワイヤーハーネス41を収容している(図5等参照)。
【0026】
収容部21からは、図4及び図5などに示すように、リニアソレノイド弁30に対応してワイヤーハーネス41が引き出されており、このワイヤーハーネス41は、リニアソレノイド弁30の円筒面に設けられた接続部32(図2参照)に対し、専用コネクタ42にて接続される。
【0027】
図1等に示すように、配線カバー20はハウジング10の特定面Tに締結するための複数の締結部22を有している。締結部22の一部は、レール状に延びる収容部21の両側に配置されている。締結部22に対応して、ハウジング10には、ボス14が形成されている。これにより、配線カバー20は、締結部22の穴を挿通するネジによって螺着される。
【0028】
ハウジング10の下面側において、ワイヤーハーネス41は、温度センサ71および油圧センサ72と電気的に接続されている。
温度センサ71は、例えば、サーミスタなどにより構成され、循環する作動油の温度を検出する。油圧センサ72は、例えば、電気式のものであり、循環する作動油の圧力を検出する。
【0029】
また、ハウジング10の上面側には、レンジ検出装置60および回転センサ73が設けられている。
レンジ検出装置50は、車両乗員がレンジ選択手段としてのシフトレバーを操作することによって選択したレンジ(変速段)を検出する。また、レンジ検出装置50は、検出されたレンジ信号を電子制御ユニット60に伝送する。ここで、レンジ検出装置50により検出されたレンジには、例えば、駐車レンジ、前進レンジ、後進レンジ、および、中立レンジを含む。
回転センサ73は、自動変速機のギア列の回転体に対向して設けられ、ギア列の回転数を検出する。ここで、レンジ検出装置50および回転センサ73も特許請求の範囲における「状態検出手段」に対応する。
【0030】
続いて、図6〜図9に基づいて本実施形態の特徴部分である保護チューブ241、242について説明する。
保護チューブ241、242は、筒状であり、例えば、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素樹脂により形成される。図9に示すように、保護チューブ241は軸方向と直交する方向に形成されている複数の切欠穴243を有し、保護チューブ242は軸方向と直交する方向に形成されている複数の切欠穴244を有する。保護チューブ241に形成されている切欠穴243および保護チューブ242に形成されている切欠穴244は、保護チューブ241、242の軸方向の同じ位置に形成されている。
【0031】
保護チューブ241、242は、上面側へ延びるワイヤーハーネス41を収容するよう形成されている(図8参照)。本実施形態では、上面側へ延びるワイヤーハーネス41は、二つのグループに分けられ、それぞれ保護チューブ241、242に収容されることで二つの配線グループ15、16を形成する。
【0032】
配線グループ15、16は、ハウジング10の傍らを経由して上下方向に延びる。図6に拡大して示すように、保護チューブ241、242の端部には、内側(図6および図7中では右方向)へ突出する接続コネクタ25が接続されている。この接続コネクタ25には、電子制御ユニット60が電気的に接続される。
【0033】
電子制御ユニット60は、ハウジング10の上面側に設けられている。電子制御ユニット60は、コネクタ25およびワイヤーハーネス41を経由して温度センサ71および油圧センサ72と電気的に接続されているとともに、レンジ検出装置60および回転センサ73と電気的に接続されている。電子制御ユニット60は、温度センサ71により検出された温度信号、油圧センサ72により検出された油圧信号、レンジ検出装置60に検出されたレンジ信号、および、回転センサ73により検出された回転数信号に基づいて、レンジ判断、故障判断、始動可否判断、および、変速制御可否判断等の制御を行う。また、電子制御ユニット60は、コネクタ25およびワイヤーハーネス41を経由して、リニアソレノイド弁30を制御する制御信号を出力する。
【0034】
ここで、本実施形態では、リニアソレノイド弁30と電子制御ユニット60とを接続するワイヤーハーネス41のうち、前進走行を制御する信号が流れるワイヤーハーネス41を一つの配線グループ15に集合する。
【0035】
ハウジング10はATケース90内に配設されるため、配線グループ15、16の外側(図7および図8中では左側)には、ATケース90の壁が位置する。したがって、保護チューブ241、242は、ワイヤーハーネス41がATケース90に接触して損傷することを防止する。
【0036】
ワイヤーハーネス41がATケース90と接触しないようにするため、図6等に示すように、保護チューブ241、242の端部には、配線保護部26及びコネクタ保護部27が設けられている。コネクタ保護部27は、特許請求の範囲における「カバー」に対応する。配線保護部26は、保護チューブ241、242から収容部21までの間の配線が外側のATケース90に接触しないように保護する。一方、コネクタ保護部27は、接続コネクタ25から保護チューブ241、242までの間の配線が外側のATケース90に接触しないように保護する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態では、ハウジング10の下面側から上面側へ延びるワイヤーハーネス41は保護チューブ241、242内に配置されている。これにより、ワイヤーハーネス41がATケース90と接触することを防止することができる。よって、ワイヤーハーネス41とATケース90とが接触するおそれがなくなり、小さな隙間に複数の配線グループ15、16が通過可能に構成することができ、自動変速機を小型にできる。また、配線グループ15、16を湾曲可能な構成にしたので、ハウジング10の上面側での配線の接続を容易に行うことができる。
【0038】
また、保護チューブ241、242は、軸方向と直交する方向に形成されている複数の切欠穴240を有する。これにより、保護チューブ241、242は切欠穴240が形成されている方向に曲がり易くなり、組付け時の配線グループ15、16の曲がり易さを高めることができる。
さらにまた、保護チューブ241、242は、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体より形成されるため、配線グループ15、16の耐ストレスクラック性、耐熱性、耐薬品性、および、耐油性を高めることができる。
【0039】
本実施形態では、配線グループ15、16は、ハウジング10の上面側の端部に接続コネクタ25が設けられている。これにより、配線グループ15、16は、ハウジング10の上面側に位置するレンジ検出装置50および電子制御ユニット60に容易に接続することができる
また、保護チューブ241、242の端部には、配線保護部26及びコネクタ保護部27が設けられている(図6参照)。これにより、ハウジング10の傍らを経由するワイヤーハーネス41がATケース90に接触して損傷することを防止することができる。
【0040】
本実施形態では、リニアソレノイド弁30と電子制御ユニット60とを接続するワイヤーハーネス41のうち、前進走行を制御する信号を含むワイヤーハーネス41を一つの配線グループ15に集合する。これにより、ワイヤーハーネス41の断線が発生した時に、二重係合や駆動力の伝達ができなくなる故障モードを抑制することができる。また、ワイヤーハーネス41の断線が発生した場合、最低限の走行を確保することができる。
【0041】
本実施形態では、電子制御ユニット60はハウジング10の上面側に配設される。これにより、石跳ねや縁石接触による電子制御ユニットの損傷を防止することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、配線カバー20が金属材料で成形されているため、配線カバー20の剛性が高くなり、その腕部23によって、確実にピン13を支持することができる。
【0043】
さらにまた、本実施形態では、所定部分で収容部21がハウジング10側に開口する横断面コ字状となっている。これにより、収容部21によって3方向からワイヤーハーネス41が覆われるため、ワイヤーハーネス41を十分に保護することができる。
【0044】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の配線装置の保護チューブを図10に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の保護チューブ28は、筒状であり、ワイヤーハーネス41の延伸方向に沿って複数個分割されている。つまり、本実施形態では、保護チューブ28は、複数のサブチューブ281からなる。複数のサブチューブ281の間には、隙間282が形成されている。ここで、隙間282は、特許請求の範囲における「湾曲許容部」に対応する。これにより、第1実施形態に記載の保護チューブ241、242に比べ、保護チューブ28を多方向に曲がり易くすることができる。よって、組付け時の配線グループ15、16の操作性を高めることができる。
【0045】
(他の実施形態)
上記実施形態では、保護チューブはエチレンテトラフルオロエチレン共重合体等の材料より形成される。これに対し、他の実施形態では、保護チューブは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、またはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂により形成されることとしても良い。
上記実施形態では、切欠穴は、複数の保護チューブの同じ位置に形成されている。これに対し、他の実施形態では、切欠穴は、複数の保護チューブの軸方向にずれて形成されることとしても良い。
上記実施形態では、ワイヤーハーネスは、温度センサおよび油圧センサと電子制御ユニットとを電気的に接続している。これに対し、他の実施形態では、ワイヤーハーネスは、レンジ検出装置および回転センサと電子制御ユニットとを電気的に接続することとしても良い。
以上、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限度において種々なる形態で実施できる。
【符号の説明】
【0046】
1 ・・・配線装置
10 ・・・ハウジング
20 ・・・配線カバー
21 ・・・収容部
22 ・・・締結部
25 ・・・接続コネクタ
27 ・・・コネクタ保護部(カバー)
30 ・・・リニアソレノイド弁(電磁油圧制御弁)
41 ・・・ワイヤーハーネス
50 ・・・レンジ検出装置(状態検出手段)
60 ・・・電子制御ユニット
71 ・・・温度センサ(状態検出手段)
72 ・・・油圧センサ(状態検出手段)
73 ・・・回転センサ(状態検出手段)
100 ・・・自動変速機制御装置
241、242・・・保護チューブ
243、244・・・切欠穴(湾曲許容部)
282 ・・・隙間(湾曲許容部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、当該ハウジングに収容され油圧の制御を行う電磁油圧制御弁、前記自動変速機の状態を検出する少なくとも一つの状態検出手段、および、当該状態検出手段により検出された自動変速機の状態により電磁油圧制御弁を制御する電子制御ユニットを備え、自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置の電気部品間を電気的に接続する配線装置であって、
前記ハウジングの一方側および他方側に分離されて配置されている前記電磁油圧制御弁、前記状態検出手段、および、前記電子制御ユニットを接続するワイヤーハーネスと、
前記ワイヤーハーネスを内側に収容する保護チューブと、
を含む複数の配線グループを備え、
前記保護チューブは少なくとも一つの湾曲許容部を有することを特徴とする配線装置。
【請求項2】
前記湾曲許容部は、前記ワイヤーハーネスの延伸方向に並べて形成される複数の切欠穴であることを特徴とする請求項1に記載の配線装置。
【請求項3】
前記切欠穴は、複数の前記保護チューブの軸方向の同じ位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の配線装置。
【請求項4】
前記湾曲許容部は、前記ワイヤーハーネスの延伸方向に沿って前記保護チューブを複数個に分割することを特徴とする請求項1に記載の配線装置。
【請求項5】
前記保護チューブは、フッ素樹脂から形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線装置。
【請求項6】
複数の前記配線グループの少なくとも一つは、前記ハウジングの一方側または他方側の端部に接続コネクタが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項の配線装置。
【請求項7】
前記保護チューブの前記ハウジングから遠い側の端部を覆うカバーを備えることを特徴とする請求項6に記載の配線装置。
【請求項8】
前記電磁油圧制御弁と前記電子制御ユニットとを接続する前記ワイヤーハーネスのうち、前進走行を制御する信号が流れるワイヤーハーネスを一つの前記配線グループに集合することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の配線装置。
【請求項9】
前記ワイヤーハーネスを収容するレール状の収容部、及び、前記ハウジングの一方または他方への締結のため前記ハウジングの締結部位へ締結される締結部を有する配線カバーをさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の配線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−2501(P2013−2501A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132311(P2011−132311)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】