説明

配置薬用シール

【課題】販売員等の負担を軽減して配置薬の配置期限の管理をしやすくすること。
【解決手段】 シールの表面に配置薬の配置期限情報が格納された二次元コードを表記すると共に、二次元コードの周囲に配置期限の標章を併記してあることを特徴とする配置薬用シール。二次元コードには、配置薬の品名情報、価格情報、および個々の識別情報が格納されている。二次元コードには、配置薬の販売経路情報が格納されている。シールの表面、二次元コード、又は配置期限の標章に1年ごとに異なる色彩を付け、5色の色彩を2回繰り返すことによって又は10色の色彩によって、配置期限のうち年の下一桁を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配置薬の容器、例えば袋、瓶、箱等に貼るシールに関する。
【背景技術】
【0002】
配置販売業は、販売員(配置員)が消費者の家庭や企業を訪問し、医薬品の入った配置箱を配置し、消費者が使用した医薬品の代金を次回の訪問時に清算し、集金する仕組みを利用した商いである。販売員が配置した薬は、配置薬と呼ばれる。
【0003】
従来の配置薬は、図3に示すように容器の目立たない箇所に配置期限と製品ロット番号などを印字してある。この配置期限が過ぎる前に、販売員が消費者を再訪するのが本来、理想的である。そのために販売員は配置期限を管理すべきである。また、配置薬業者の本店や営業所等の倉庫に配置薬が保管されている場合には、倉庫内の配置薬の配置期限を配置薬業者が管理すべきである。
【0004】
しかしながら、管理には、印字された配置期限を用紙に書き写す等しなければならず、販売員や配置薬業者にとっては煩雑である。また、配置期限の印字位置および表記の仕方は、製薬メーカーの間で統一されていないことも、管理をためらわせる要因となっていた。それゆえ、現状では、販売員等は配置期限を管理しておらず、配置期限の切れた配置薬が配置されていることもある。
【0005】
配置薬は身体の不調を回復させるものであるから、不調時においては食品と同等、あるいはそれ以上に大切な場合もあり、配置期限を管理しやすくすることは重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記実情を考慮して創作されたもので、その解決しようとする課題は販売員等の負担を軽減して配置期限の管理をしやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、シールの表面に配置薬の配置期限情報が格納された二次元コードを表記すると共に、二次元コードの周囲に配置期限の標章を併記してあることを特徴とする。
【0008】
二次元コードには、配置薬の配置期限情報のみが格納されていても良いが、より充実した商品管理をするには、それ以外の情報が格納されていても良い。たとえば、請求項2の発明のように、二次元コードには、配置薬の品名情報、価格情報、および個々の識別情報が格納されていることである。
【0009】
さらに充実した商品管理をするには、請求項3のようにすることが望ましい。即ち、二次元コードには、配置薬の販売経路情報が格納されていることである。
【0010】
配置期限は、年、月で表され、文字で表記されていてもよいが、人間が直感で年の下一桁を把握するには、請求項4の発明のようにすることが望ましい。即ち、シールの表面、二次元コード、又は配置期限の標章に1年ごとに異なる色彩を付け、5色の色彩を2回繰り返すことによって又は10色の色彩によって、配置期限のうち年の下一桁を表示することである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明は、二次元コードを二次元コードリーダで読み取る作業だけで、二次元コードリーダが接続されたコンピュータに配置薬の配置期限を保存することができる。二次元コードリーダによる読み取り作業は、書き写し作業に比べて労力が大幅に軽減されることから、販売員等の負担にもならず、配置期限の管理をしやすくなる。従って、配置期限の切れた配置薬が配置されるのを予防できる。また、シールであるので、販売員等が所望の位置にシールを貼ることができ、貼る位置を特定することによって、二次元コードに併記された配置期限の表記箇所を把握しやすくなり、配置作業を迅速に行える。
【0012】
請求項2の発明は、二次元コードに配置期限情報だけでなく、配置薬の品名情報、価格情報、および個々の識別情報が格納されているので、配置期限の管理を一段と詳細に行える。
【0013】
請求項3の発明は、二次元コードには、配置薬の販売経路情報が格納されているので、販売経路を正確に把握でき、商品管理を一段と詳細に行える。
【0014】
請求項4の発明は、1年ごとに異なる色彩を付したシール等を見るだけで、色から配置期限の年を直感的に把握できるので、細かな文字であれば見づらい場合であっても、現場において配置薬の配置期限を把握しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の配置薬用シールは図1、図2に示すように、配置薬の配置期限情報が格納された二次元コード1と、配置期限の標章2をシール3の表面に併記し、裏面に図示しない接着剤を付けてあるものである。使用前には裏面の接着剤の下に図示しない剥離紙が貼り付けられており、剥離紙を剥がしてからシール3を貼り付ける。
【0016】
二次元コード1とは、横方向にしか情報を持たない一次元コード(バーコード)に対し、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードのことである。バーコードに比べ、より多くの情報をコード化でき、また印字面積を小さくできる。二次元コード1としては、QRコード(マイクロQRコードも含む)、SPコード、ベリーコード等が例示できる。特に、QRコードにすれば、情報量によっては印字面積を1cm角以下にできるので、理想的である。また、二次元コード1と配置期限の標章2が併記されたシール3の全体を1.5cm角以下にできるので、貼る場所を見つけやすい。
【0017】
二次元コード1に格納される情報は、配置薬の配置期限情報、品名情報、価格情報、製品ロット番号、個々の識別情報(たとえば同一製品ロットでもそれぞれを見分けられる連番など)、配置薬の販売経路情報(配置薬を最初に入庫した営業所等)などが格納されている。二次元コード1は、コンピュータに接続された二次元コードリーダで読み取り、各種の情報をコンピュータに保存する。個々の識別情報が付いているので、何回読み取っても一つの商品として把握され、商品の管理が正確に行える。二次元コードリーダで読み取る前、又は読み取った後に、消費者情報(氏名、住所など)をコンピュータの入力装置から入力し、二次元コードに格納された情報と関連付けてコンピュータに保存しておく。
【0018】
標章2は、二次元コード1の周囲、より詳しくは二次元コード1から間隔をおいて下側に併記されている。標章2とは、文字、図形、記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合のことである。たとえば、配置期限の標章2は図2(イ)のように西暦年と月を数字で、例えば「2010、10」と表示する。このようにすれば、人間が目視で配置期限の年、月を確認できる。また、このとき、2010年は黒色で「2010、10」、2011年は赤色で「2011、10」、2012年は緑色で「2012、10」等と色分けしても良い。このようにすれば、直感的に配置期限の年を確認できる。
【0019】
配置期限の標章2の別例は図2(ロ)のように月のみ数字で、たとえば「10」と表示し、2010年は黒色、2011年は赤色という具合に西暦年を月の数字の色で表示するものである。
【0020】
配置期限の標章2の別例は、図2(ハ)のように年および月を記号で、たとえば○と表示し、2010年は黒色の○、2011年は赤色の○、2012年は緑色の○、そして1〜3月は○を1個、4〜6月は○を2個、7〜9月は○を3個、10〜12月は○を4個横並びに表示するものである。○の代わりに、△、□、☆等を用いても良い。配置期限は製造日から最長5年であるので、最低5色以上あればよい。5色を2回繰り返すことによって、又は10色によって、10年単位で西暦年または和暦年の下一桁を確認できる。
【0021】
配置期限の標章2を上記した内容としつつ、QRコードに色付けして、販売員等が色から配置期限を把握できるようにしても良い。例えば、2010年は黒色のQRコード、2011年は赤色のQRコード、2012年は緑色のQRコードという具合である。細かな文字が見づらい場合であっても、色であれば把握しやすい。
【0022】
さらに、配置期限の標章2を上記した内容としつつ、シール3に色付けして、販売員等が色から配置期限を把握できるようにしても良い。例えば、2010年は白色のシール、2011年は薄い赤色のシール、2012年は薄い緑色のシールという具合である。
【0023】
上述の配置薬用シールは、配置薬販売事業者が配置薬を仕入れてから販売するまでの間に、販売員等によって配置薬の容器に貼られる。図1では、容器4は、四角い箱であって、箱の表面を透明なラップフィルムで包装したものであり、このラップフィルムの上からシールを貼る。貼る箇所は、商品名や説明文(注意書き等も含む。)の邪魔にならない箇所とし、各配置薬で貼る場所を決めておくことが望ましい。具体的には、容器が袋や箱の場合は裏面に貼る。また、容器がビン類の場合は、キャップの平らな上面に貼る。ビン類は、10本まとめて一つの梱包箱に収容されているのが一般的で、梱包箱の上蓋をはぐると、キャップの上面が見えるようになっている。キャップの上面であれば、シールを貼りやすいし、二次元コードリーダで読み取りやすい。なお、ビン類は50本など箱単位で配置することが多く、梱包箱から容器を取り出して側面にシールを貼ると、それだけで非常に時間がかかり、その上、側面(曲面)に貼られたシールは二次元コードリーダで読み取り難い。
【0024】
上述の配置薬用シールに付された配置期限の標章を見ることによって、販売員が自分のトランクに配置薬を収容するときに、配置期限別に配置薬を並べておくことができる。このようにすれば、次に配置する時、使用頻度に応じて配置期限が切れないように配置薬を配置することができ、非常に便利である。つまり、配置後すぐに配置薬を使用する消費者には、配置期限の短いものを配置し、配置してもあまり配置薬を使用しない消費者には配置期限の長いものを配置する。
【0025】
配置薬販売事業者が、全ての配置薬の配置期限を管理する場合、配置薬を仕入れた段階ですぐに上述の配置薬用シールを貼り、仕入れ段階と、販売段階の2段階で二次元コードリーダで配置薬用シールを読み取ることが望ましい。このようにすれば、販売前の保管されている配置薬と、販売された配置薬の双方の配置期限を管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の配置薬用シールの使用状態を示す一部拡大斜視図である。
【図2】(イ)(ロ)(ハ)図はシールの表示態様を示す説明図である。
【図3】従来の配置薬の表記を示す説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1二次元コード、2標章、3シール



【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールの表面に配置薬の配置期限情報が格納された二次元コードを表記すると共に、二次元コードの周囲には配置期限の標章を併記してあることを特徴とする配置薬用シール。
【請求項2】
二次元コードには、配置薬の品名情報、価格情報、および個々の識別情報が格納されていることを特徴とする請求項1記載の配置薬用シール。
【請求項3】
二次元コードには、配置薬の販売経路情報が格納されていることを特徴とする請求項2記載の配置薬用シール。
【請求項4】
シールの表面、二次元コード、又は配置期限の標章に1年ごとに異なる色彩を付け、5色の色彩を2回繰り返すことによって又は10色の色彩によって、配置期限のうち年の下一桁を表示することを特徴とする請求項1、2、又は3記載の配置薬用シール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−26082(P2010−26082A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185066(P2008−185066)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(591154625)
【Fターム(参考)】