説明

酵素水生成装置

【課題】運転中に特有な匂いを厨房内に生じさせる虞の少ない酵素水生成装置を提供すること酵素水生成装置を提供する。
【解決手段】活性化液槽Tに酵素製剤を供給する手段KP,27と、活性化液槽に希釈水を供給する手段21,22と、希釈された酵素液を保温する温度制御手段16,17と、生成された酵素水を排出する管路38とを備え、活性化液槽Tの開口部を密閉状に閉鎖する蓋部材Tbを設け、活性化液槽T内の気相空間を活性化液槽外と連通させる通気管路50を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性化液槽と、前記活性化液槽に酵素を含む酵素製剤を供給する酵素剤供給手段と、前記活性化液槽に酵素製剤を希釈するための水を供給する給水手段と、前記活性化液槽内の酵素製剤が希釈された酵素液を一定の温度範囲に一定時間以上保温して酵素水を生成するための温度制御手段と、生成された酵素水を前記活性化液槽外に排出する排出管路とを備え、前記酵素剤供給手段は、液状の酵素製剤が収納された酵素液容器を前記活性化液槽と連通させる管路部材と、前記管路部材を介して前記酵素液容器から前記活性化液槽に送り込まれる酵素製剤の量を設定する設定手段とを有する酵素水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の酵素水生成装置としては、本発明に関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。この特許文献1に記された酵素水生成装置は、活性化液槽(バイオ増殖タンク)と、活性化液槽に酵素製剤(酵素または微生物)を供給する酵素剤供給手段(酵素製剤槽及び点滴弁)と、前記活性化液槽に酵素剤を希釈または溶解するための水を供給する給水手段(給水管)と、活性化液槽内に配置されたヒータとを備えるので、適温で培養された微生物が生産した大量の酵素を含む酵素水を製造することができる。酵素剤供給手段は、活性化液槽の上方に設置された酵素製剤槽と、酵素製剤槽の底部から下方に延びた原液供給パイプとからなり、この原液供給パイプに原液点滴弁が設けられている。得られた酵素水を外食店などの厨房のグリストラップや床面などに散布すると、そこに溜まっている油脂分やタンパク質などの有機物を酵素の触媒作用を借りて効果的に分解させることができる。
また、特許文献1に記された酵素水生成装置では、活性化液槽の開口部を閉じる蓋部材が設けられているので微生物による酵素の生産に影響を及ぼすゴミなどが酵素水に混入することが阻止される。
【0003】
【特許文献1】特開2000−325938号公報(段落番号0008、0010、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記された酵素水生成装置では、運転中に温度制御手段として設けられたヒータで活性化液槽内の溶液を加熱する操作によって酵素を含む水蒸気が発生し、これが蓋部材との隙間などから活性化液槽外に多量に漏れ出し、生成される酵素水の特性によっては特有な匂いを厨房内に生じさせる虞があった。
【0005】
本発明の目的は、上に例示した従来技術による酵素水生成装置の持つ前述した欠点に鑑み、運転中に特有な匂いを厨房内に生じさせる虞の少ない酵素水生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、活性化液槽と、前記活性化液槽に酵素を含む酵素製剤を供給する酵素剤供給手段と、前記活性化液槽に酵素製剤を希釈するための水を供給する給水手段と、前記活性化液槽内の酵素製剤が希釈された酵素液を一定の温度範囲に一定時間以上保温して酵素水を生成するための温度制御手段と、生成された酵素水を前記活性化液槽外に排出する排出管路とを備え、
前記酵素剤供給手段は、液状の酵素製剤が収納された酵素液容器を前記活性化液槽と連通させる管路部材と、前記管路部材を介して前記酵素液容器から前記活性化液槽に送り込まれる酵素製剤の量を設定する設定手段とを有する酵素水生成装置であって、
前記活性化液槽には前記活性化液槽の開口部を密閉状に閉鎖する蓋部材が設けられており、前記活性化液槽内の気相空間を前記活性化液槽外と連通させる通気管路が設けられている点にある。
【0007】
したがって、本発明の第1の特徴構成によれば、活性化液槽の開口部が蓋部材によって密閉状に閉鎖されるので、運転中に活性化液槽で酵素を含む水蒸気が発生しても、活性化液槽外に多量に漏れ出ることがないので、厨房内に特有な匂いを生じさせ難くなる。しかも、生成された酵素水を排出管路から活性化液槽外に排出する際には、排出に応じて、活性化液槽外の空気が通気管路を介して活性化液槽内に進入できるので、活性化液槽内に生じる負圧によって管路部材内の酵素製剤が活性化液槽内に不用意に注入されるといった現象が生じ難い。
【0008】
本発明の他の特徴構成は、前記活性化液槽外から前記活性化液槽内への気体の流れを許し、前記活性化液槽内から前記活性化液槽外への気体の流れを阻止するチェック弁が前記通気管路に設けられている点にある。
【0009】
すなわち、通気管路として内径の小さなチューブなどを用いれば、たとえチェック弁の無い通気管路を使用しても活性化液槽内で生じた水蒸気が通気管路を介して活性化液槽外に漏れ出る虞は少ない。しかし、本構成のようにチェック弁を設ければ、通気管路の内径を大きめにしても活性化液槽内で生じた水蒸気が通気管路を介して活性化液槽外に漏れ出ることがないので、酵素水の排出に際して、活性化液槽外の空気が通気管路を介して円滑に活性化液槽内に進入でき、管路部材内の酵素製剤が不用意に注入される現象がより確実に抑制される。
【0010】
本発明の他の特徴構成は、少なくとも前記活性化液槽と、前記設定手段と、前記温度制御手段とを収納する筐体が設けられており、前記通気管路は前記筐体に設けられた貫通孔を経て前記筐体外に開口している点にある。
【0011】
本構成であれば、酵素水生成装置を一つの筐体に収められた装置として扱えるので、置き場所を適宜移動させるなどハンドリングが行い易くなり、しかも、通気管路は筐体内でなく、筐体外に開口させてあるので、通気管路を介して活性化液槽外に運び出された水蒸気によって筐体内壁面などが結露する虞が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明による最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、酵素製剤Xを水道水で所定濃度に希釈して調製した酵素液を所定の温度に昇温−保温することで酵素水Wxを生成する酵素水生成装置Aと、この酵素水生成装置Aから排出された酵素水Wxを貯留するストックタンクBとで構成された酵素水供給システムを示す。尚、ここで酵素水を生成するとは、油脂分やタンパク質などの分解を助ける酵素を微生物によって大量に生産させる操作、或いは、生産された酵素を液槽内で活性化させる操作を指す。
【0013】
この酵素水供給システムは、レストランなどの厨房において調理の廃物として発生する油脂分やタンパク質を分解処理するために用いられる。より具体的な使用形態としては、予め酵素水生成装置Aによって数回に分けて生成し、ストックタンクBに貯留しておいた酵素水Wxを、例えば厨房の業務が終了する時間帯に、柄杓(ひしゃく)などで油脂のこぼれた床面Fに散布する。床面Fに散布された酵素水Wxは排水溝1からグリストラップ2に流れ込む。床面Fやグリストラップ2に存在する油脂分やタンパク質は、酵素水Wxに含まれる酵素の触媒的作用によって分解され易くなることで、その後の処理が容易となる。
【0014】
(酵素水生成装置)
ここでは酵素水生成装置Aは厨房内のテーブル3に設置されている。壁面4から突設された水道管5と酵素水生成装置Aとの間は金属製のフレキシブルホースからなる第1給水管路6で接続されており、水道管5と第1給水管路6との間には、酵素水生成装置Aへの水道水の供給路をハンドルによって手動で開閉可能な給水栓5Aが介装されている。酵素水生成装置Aで生成された酵素水はゴムホース等の排出管7(排出管路の一例)を介して送り出され、ストックタンクBに貯留される。
【0015】
図2に示すように、酵素水生成装置Aは、金属製のケース10(筐体の一例)の内部に配置された活性化液槽T、活性化液槽Tに水道水を供給する給水手段J、樹脂製のボトル8に収容された液状の酵素製剤Xを活性化液槽Tに滴下する酵素剤供給手段K(設定手段の一例)、及び、活性化液槽Tで生成された酵素水WxをストックタンクBに送り出す排出機構Lを備えている。また、活性化液槽Tの内部には液面のレベルを検知する水位センサ15と、活性化液槽T内の希釈された酵素液を加熱するヒータ16と、酵素液の温度を計測する温度センサ17とを備えている。ケース10の側部位置には酵素水生成装置Aによる酵素水Wxの生成プロセスを制御するための制御ユニット18が備えられている。また、金属製のケース10の外側には酵素水生成装置Aを操作するための操作パネル11が備えられている。
【0016】
酵素製剤Xは、脂肪分解酵素としてのリパーゼ、タンパク質分解酵素としてのプロテアーゼ、澱粉分解酵素としてのアミラーゼという少なくとも三種類の酵素と、これらの酵素を生成する微生物とが含まれた液状物質である。尚、酵素製剤に用いる微生物としては、種々の発酵食品の製造、カビ駆除などに一般的に用いられている、バシラス・サプティリス、バシラス・コアギュランス、アスペルジルス・フラバス・オリザー、サッカロマイセス・セレヴィシェなどを適用可能である。この微生物は、酵素製剤X内において特に低温状態では休眠状態にあり、大量の水と共に40℃付近に保温されることにより活性化して酵素を生成する性質を有する。
【0017】
(酵素水生成装置の内部構成)
図2及び図3に示すように、活性化液槽Tは、透明樹脂を逆L字状に成形した容器である。給水手段Jは、前述した第1給水管路6から活性化液槽Tに水を供給する第2給水管路21と、この第2給水管路21の中間位置に配置した電磁弁22とを備えている。
酵素剤供給手段Kは、ボトル8に貯留された液状の酵素製剤Xを、ボトル8に挿入した吸引チューブ25(管路部材の一例)で吸い上げ、定容量ポンプKPで供給チューブ26に送り、微細な先端開口部を備えたノズル27から活性化液槽内に滴下する形態で供給する。このようにノズル27から活性化液槽内に供給した酵素製剤Xの量と、活性化液槽Tに貯留した水の量との体積比を混合率とする。
【0018】
尚、活性化液槽Tは透明な樹脂製で上方が開放された容器状の液槽本体Taと、液槽本体Taの上方開放部を密閉状に閉じる金属製の液槽カバーTbとからなる。液槽カバーTbには複数の貫通孔が形成されており、水位センサ15、ヒータ16、温度センサ17等はこれらの専用の貫通孔にOリングなどのシール手段を介して挿通支持されている。
【0019】
定容量ポンプKPはシリンダポンプであり、縦向き姿勢のシリンダ30と、シリンダ30の内部に摺動自在に内嵌されたピストン31と、ピストン31を上下方向に往復移動させるアクチュエータ32とからなる。シリンダ30の上端には、吸引側のチェック弁33aと吐出側のチェック弁33bとが分岐管を介して接続されており、吸引側のチェック弁33aには吸引チューブ25の排出側の端部が接続され、吐出側のチェック弁33bには供給チューブ26の一端が接続されている。アクチュエータ32は、電動モータ34と、電動モータ34の水平な出力軸34Aに対して偏芯した位置に固定された操作軸35と、操作軸35とピストン31の下端部31aとを連結する連結プレート36とからなる。連結プレート36は、連結軸35の公転運動をピストン31の上下方向の往復運動に変換する。また、プレート36の上下位置に基づいてピストン31が上死点にある状態を検出する作動センサ37が備えられている。
【0020】
排出機構Lは、活性化液槽Tの底部付近に接続された排出管38と、この排出管38の中間に配置した排出用電磁弁39とからなる。
水位センサ15は、液槽カバーTbから下方に突設したロッド15Aに対して上下移動自在に外嵌したリング状のフロート15Bと、このフロート15Bに備えたマグネットの磁気によってON/OFF操作されるべくロッド15Aに固定されたリードスイッチ(図示せず)とを備えたフロート式センサからなる。
【0021】
ヒータ16は、通電に基づいてジュール熱を発する発熱体とこれを被覆または収納するU字状の金属チューブとからなる構造を有し、液槽カバーTbに懸架されている。温度センサ17はサーミスタ等を収容したロッド状の構造を有し、液槽カバーTbに懸架されている。
ストックタンクBは、上方に開放された単純な容器構造を有した樹脂成形物である。
【0022】
ところで、液槽カバーTbは液槽本体Taの上端面に着脱可能に載置されており、液槽カバーTbの下面には多孔質の弾性材料からなるパッキンTpが取り付けられている。液槽カバーTbを液槽本体Taの上端面に載置すると、液槽カバーTbの自重によってパッキンTpが液槽本体Taの上端面に押し付けられることで圧縮され、パッキンTpの実質的な通気性が小さくなる。尚、酵素水生成装置Aを運転開始すると活性化液槽T内の上方の気相空間内に発生する水蒸気によってパッキンTpが湿潤化され、パッキンTp内の連通孔が水で閉じられるので、パッキンTpの通気性は殆どなくなり、活性化液槽Tの上方開放部は密閉され、運転中に発生する水蒸気がケース10内に設けてある、後述する制御ユニット18などの諸部材に触れることが阻止される。
【0023】
図5に示すように、液槽カバーTbの一部には、活性化液槽T内の前記気相空間を活性化液槽T外と連通させるための細い吸気チューブ50(通気管路の一例)が設けられている。吸気チューブ50は内径が2〜3mmの可撓性の樹脂チューブからなり、その一端は液槽カバーTbに形成された専用の貫通孔内に内嵌固定され、他端はケース10の側壁に形成された貫通孔10Hを介して、ケース10の外部、すなわち厨房内の外気に向かって開口している。
活性化液槽T内で生成された酵素水が排出管38から排出され始めると、この排出によって活性化液槽T内に生じる負圧の大きさに応じて外気が吸気チューブ50を介して活性化液槽T内に進入するので、活性化液槽T内の気圧と、ケース10内における活性化液槽T外の気圧とが略等しく調整され、活性化液槽T内の負圧の上昇が抑制される。そのため、酵素剤供給手段Kのノズル27内に有る酵素製剤Xが活性化液槽T内の大きな負圧によって不用意に活性化液槽T内に滴下されることが防止される。その結果、酵素製剤Xが無駄に消費されること、酵素水に含まれる酵素の割合が変動すること、及び、本来は酵素製剤Xが満たされている筈のノズル27の先端付近に空気層が形成されるために、次回に供給される酵素製剤Xが不足する、等の事態が防止される。
尚、吸気チューブ50の他端はケース10の外部に開口しているので、活性化液槽T内で発生した水蒸気が後述する制御ユニット18などの諸部材に触れることが阻止される。
【0024】
(酵素水生成装置の制御構成)
図2に示すように、操作パネル11には、スタートボタン51、ストップボタン52、電源ランプ53、複数のモニタランプ54、警報ランプ55、液晶ディスプレイ56、及び、複数の設定ボタン57が備えられている。
【0025】
酵素水生成装置Aによる酵素水の生成を行う際には、先ず、電源が投入されていることを電源ランプ53の点灯で確認した状態で、操作パネル11の複数の設定ボタン57を操作して生成スケジュールを設定する操作を行う。この操作の際には、液晶ディスプレイ46で設定内容を確認しながら設定し、スタートボタン51を操作することで制御が開始され、ストップボタン52を操作することで制御が停止する。尚、エラーが発生した場合には警報ランプ55が点灯して制御が中断または停止される。
【0026】
図4に示すように、制御ユニット18は、操作パネル11との間に信号のアクセス系が形成され、給水用の電磁弁22、酵素製剤供給用の電動モータ34、酵素水排出用の電磁弁39を駆動する信号系が形成され、水位センサ15、温度センサ17、および作動センサ37からの各検出信号が入力される信号系、ヒータ16に電力を供給する電力系が形成されている。
【0027】
制御ユニット18はマイクロプロセッサ(図示せず)を備え、酵素水Wxを生成する処理はソフトウエアによって実現される。
つまり、先ず、操作パネル11を介して取得した操作情報に基づいてスケジュールテーブル61に設定情報が保存される。スケジュールテーブル61には、酵素水生成装置Aで必要量の酵素水Wxを複数回に亘って生成して、ストックタンクBを目標貯留量に貯留し終える生成完了予定日時と、ストックタンクBに貯留される酵素水Wxの目標混合率と、ストックタンクBに貯留すべき酵素水Wxの目標貯留量が保存される。
【0028】
また、スケジュールテーブル61に保存された設定情報を参照して酵素水Wxの生成処理を管理するスケジュール管理部62が備えられている。スケジュール管理部62にはカレンダー部64から現在の日時情報が与えられる。
このスケジュール管理部62は、スケジュールテーブル61から与えられる情報に基づいて、酵素水Wxの生成を開始する生成開始日時と、活性化液槽Tにおいて生成する酵素水Wxの酵素製剤Xの生成混合率と、活性化液槽Tでの生成回数とをセットする。
【0029】
具体的に説明すると、前記生成開始日時は、実質的に空のストックタンクBを目標貯留量にするのに必要な量の酵素水Wxを生成するために、活性化液槽Tで酵素水Wxを繰り返して生成する生成回数を求め、この回数の生成を行うために必要な時間を算出し、このように算出した時間をスケジュールテーブル61に保存された生成完了日時から逆算して求めた情報である。本実施形態では、酵素水生成装置Aによる酵素水の1回当たりの標準生成量が約4L(リットル)で、ストックタンクBの満杯時容量が約40L(リットル)なので、目標貯留量をこの満杯状態に設定した場合、生成回数は40L/4L=10回となる。
【0030】
スケジュール管理部62でセットされた生成混合率は、活性化液槽Tに供給される酵素製剤Xの量と対応するものであり、本実施形態では、常にストックタンクBが空の状態から生成を開始する使用形態を前提とするので、ストックタンクBに貯留させようとする酵素水Wxの目標混合率を生成混合率として設定して酵素水Wxを生成することになる。
スケジュール管理部62は、酵素水Wxの生成を実行する生成処理実行部65に情報を与える。この生成処理実行部65は、活性化液槽Tに水を供給する水供給制御手段、混合制御手段、温度制御手段、及び排出制御手段を備えている。これら、水供給制御手段と混合制御手段と温度制御手段と排出制御手段とはソフトウエアで構成されているが、ハードウエアで構成することも可能であり、ソフトウエアとハードウエアとを組み合わせて構成しても良い。
また、この生成処理実行部65は、電磁弁22と電動モータ34とヒータ16と排出用電磁弁39とを駆動する信号を出力すると共に、水位センサ15と作動センサ37と温度センサ17とからの信号がフィードバックされる。
【0031】
〔別実施形態〕
図6に示すように、活性化液槽T内の前記気相空間を活性化液槽T外と連通させるための細い吸気チューブ50に、活性化液槽T外から活性化液槽T内への気体の流れを許し、活性化液槽T内から活性化液槽T外への気体の流れを阻止するチェック弁50aを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】酵素水供給システムの斜視図
【図2】酵素水生成装置の縦断正面図
【図3】酵素水供給システムの制御系の概要を示す図
【図4】処理形態の概要を模式的に示す図
【図5】吸気チューブ(通気管路)の作用を示す略図
【図6】別実施形態による通気管路を示す略図
【符号の説明】
【0033】
A 酵素水生成装置
B ストックタンク
X 酵素製剤
Wx 酵素水
T 活性化液槽
J 給水手段
F 床面
K 酵素製剤供給手段(設定手段)
L 排出機構
KP 定容量ポンプ(設定手段)
1 排水溝
2 グリストラップ
5 水道管
5A 給水栓
6 第1給水管路
8 ボトル(酵素液容器)
10 ケース
10H 貫通孔
11 操作パネル
15 水位センサ
16 ヒータ(温度制御手段)
17 温度センサ(温度制御手段)
18 制御ユニット
21 第2給水管路
22 電磁弁(切換弁)
25 吸引チューブ(管路部材)
26 供給チューブ(管路部材)
27 ノズル
34 電動モータ
50 吸気チューブ(通気管路)
50a チェック弁
51 スタートボタン
52 ストップボタン
53 電源ランプ
54 モニタランプ
55 警報ランプ
56 液晶ディスプレイ
57 設定ボタン
61 スケジュールテーブル
62 スケジュール管理部
64 カレンダー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化液槽と、前記活性化液槽に酵素を含む酵素製剤を供給する酵素剤供給手段と、前記活性化液槽に酵素製剤を希釈するための水を供給する給水手段と、前記活性化液槽内の酵素製剤が希釈された酵素液を一定の温度範囲に一定時間以上保温して酵素水を生成するための温度制御手段と、生成された酵素水を前記活性化液槽外に排出する排出管路とを備え、
前記酵素剤供給手段は、液状の酵素製剤が収納された酵素液容器を前記活性化液槽と連通させる管路部材と、前記管路部材を介して前記酵素液容器から前記活性化液槽に送り込まれる酵素製剤の量を設定する設定手段とを有する酵素水生成装置であって、
前記活性化液槽には前記活性化液槽の開口部を密閉状に閉鎖する蓋部材が設けられており、前記活性化液槽内の気相空間を前記活性化液槽外と連通させる通気管路が設けられている酵素水生成装置。
【請求項2】
前記活性化液槽外から前記活性化液槽内への気体の流れを許し、前記活性化液槽内から前記活性化液槽外への気体の流れを阻止するチェック弁が前記通気管路に設けられている請求項1に記載の酵素水生成装置。
【請求項3】
少なくとも前記活性化液槽と、前記設定手段と、前記温度制御手段とを収納する筐体が設けられており、前記通気管路は前記筐体に設けられた貫通孔を経て前記筐体外に開口している請求項1または2に記載の酵素水生成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−252287(P2007−252287A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81980(P2006−81980)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】