説明

酸素溶解水生成器並びに酸素溶解水生成装置

【課題】酸素溶解水の生成構造を簡単にし、高濃度の酸素溶解水を得易く、ランニングコストを安価にする。
【解決手段】酸素溶解水生成室内に、水取入口から放出される落下水にガス取入口から放出された酸素ガスを混入して、酸素溶解水滴を形成する水滴形成用貫通穴を多数分散配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁25を複数個、上方から下方へ順次所定距離離して分散配設し、その上方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁25の穴径より、下方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁25の穴径を小さくする。又、遠赤外線放射材を多数充填した酸素溶解水クラスター変換部26を設け、更にケースの側壁外面に遠赤外線放射材を被覆した酸素溶解水クラスター変換部31を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水、水道水、雨水等の自然水を高濃度の酸素溶解水に生成できる酸素溶解水生成装置、特にその酸素溶解水生成器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、植物の成長を促進し、品質の向上、収穫量の増加を計るには、根に必要量の酸素を供給しなければならない。しかし、施設園芸等において、多量の水を用い、水耕栽培、点滴栽培等をする場合、通常地下水を利用しているが、地下水は地表水等と比べて植物の生長に必要な溶解酸素量が少ない。そこで、水に酸素を溶解させる方法として、大気の曝気、過酸化水素の補充、純酸素の曝気、酸素富化膜の利用等が行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、いずれの方法にも、酸素溶解水を生成するための構造が複雑であり、ランニングコストが高い等の問題がある。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり酸素溶解水の生成構造が簡単で、高濃度の酸素溶解水を得易く、ランニングコストが安い酸素溶解水生成器並びに酸素溶解水生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明による酸素溶解水生成器は上下壁と側壁とを有するケースを用い、その上壁付近の壁部に、水を外部から取り入れる水取入口と、酸素ガスを外部から取り入れるガス取入口とを設け、そのケース内の上側空間を水に酸素ガスを混入し、酸素溶解水を生成する酸素溶解水生成室にし、その下側空間を酸素溶解水を貯える酸素溶解水貯水室にし、その下壁付近の壁部に酸素溶解水を外部に取り出す酸素溶解水取出口を設ける。
【0006】
そして、上記酸素溶解水生成室の水取入口に外部から圧送水を供給し、更にそのガス取入口に外部から圧送水の水圧より高い圧力の酸素ガスを供給し、その酸素溶解水生成室内に、水取入口から放出される落下水にガス取入口から放出される酸素ガスを混入して、酸素溶解水滴を形成する水滴形成用貫通穴を多数分散配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁を複数個、上方から下方へ順次所定距離離して分散配設し、その上方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁の穴径より、下方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁の穴径を小さくする。
【0007】
又、上記酸素溶解水貯水室内に、遠赤外線放射材を多数充填した酸素溶解水クラスター変換部を設け、そのクラスター変換部より上部を酸素溶解水の水位変動部、そのクラスター変換部より下部を変換した小クラスターの酸素溶解水を貯える給水部にすると好ましくなる。
【0008】
又、上記ケースの側壁外面に遠赤外線放射材を被覆した酸素溶解水クラスター変換部を設けるとよい。
又、上記遠赤外線放射材としてグラファイトシリカを用いるとよい。
【0009】
又、本発明による酸素溶解水生成装置には上記酸素溶解水生成器を備え付けるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の酸素溶解水生成器は、外部から圧送水を供給し、更に外部からその圧送水の水圧より高い圧力の酸素ガスを供給することにより、水取入口から放出される落下水をガス取入口から放出される酸素ガスで吹き飛ばす等して、上方に配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁の上面に分散し、その落下途中や上面との衝突、更には仕切壁に分散配設した多数の各貫通穴の通過等により、水と酸素ガスとの接触面積を増やすことができる。それ故、水中に酸素ガスを良好に混入でき、各貫通穴から夫々落下させると、多量の酸素を溶解し、多量のマイナスイオンを含んだ酸素溶解水滴を簡単に形成できる。
【0011】
そして、その酸素溶解水滴は下方に配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁の上面へと落下するが、同様にして水中に酸素ガスを混入できるので、各貫通穴から夫々落下させると、更に多量の酸素を溶解し、多量のマイナスイオンを含んだ酸素溶解水滴を簡単に形成できる。その際、酸素溶解水生成室内に、水滴形成用貫通穴を多数分散配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁を複数個、上方から下方へ順次所定距離離して分散配設し、その上方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁の穴径より、下方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁の穴径を小さくすることにより、落下の途中で水滴を順次小さくして行き、酸素ガスとの接触面積を増やすことができる。それ故、酸素溶解水の生成構造が簡単になり、その生成構造によって水中に酸素ガスを混入し易く、マイナスイオンを生成し易くなって、多量の酸素を溶解し、多量のマイナスイオンを含んだ高濃度の酸素溶解水を簡単に生成できて、ランニングコストも安価になる。
【0012】
又、酸素溶解水貯水室内に、遠赤外線放射材を多数充填した酸素溶解水クラスター変換部を設け、そのクラスター変換部より上部を酸素溶解水の水位変動部、下部を変換した小クラスターの酸素溶解水を貯える給水部とすることにより、多量の酸素を溶解し、多量のマイナスイオンを含んだ酸素溶解水に遠赤外線を当てて、酸素溶解水のクラスターを小さくし、植物の根から吸収され易く、植物の生長に好適な小クラスターの酸素溶解水にすることができる。しかも、クラスターを小さくすると酸素溶解度を高めることができる。そして、酸素溶解水貯水室の酸素溶解水クラスター変換部より上部を水位変動部にして、酸素溶解水の水位を変動させても、遠赤外線放射材を多数充填したクラスター変換部内に絶えず酸素溶解水を満たしておくと、酸素ガスの大きな気泡が遠赤外線放射材に邪魔されて、下部の給水部まで通過することがない。それ故、取出口から給水される酸素溶解水に溶解状態にない酸素ガスの大きな気泡が含まれず、酸素ガスの利用率を上げることができる。
【0013】
又、ケースの側壁外面に遠赤外線放射材を被覆した酸素溶解水クラスター変換部を設けることにより、外部に設けた酸素溶解水クラスター変換部で発生した遠赤外線を側壁を通過させて、ケース内部の酸素溶解水に当てて、やはりクラスターを小さくし、小クラスターの酸素溶解水にすることができる。
【0014】
又、遠赤外線放射材として、グラファイトシリカを用いることにより、そのグラファイトシリカが40℃以下の常温で放射する強力な遠赤外線を酸素溶解水に当てて、クラスターを小さくし、小クラスターの酸素溶解水にすることができる。
【0015】
又、そのような酸素溶解水生成器を備えることにより、酸素溶解水生成装置を簡単に製造ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付の図1〜7を参照して、本発明の実施の最良形態を説明する。
図1は本発明を適用した酸素溶解水生成装置の酸素溶解水生成部を示す正面図、図2はその酸素溶解水生成装置の構成を示すブロック図である。この酸素溶解水生成装置1は酸素溶解水生成の中心として、酸素溶解水生成部2に酸素溶解水生成器3を備える。そして、酸素溶解水生成器3のケース4を構成するため、その側壁部材5として、例えば図3、4に示すような外径が216mm、内径が194mm、高さが700mmの塩化ビニール等のプラスチック製円筒体を用いる。又、その上下開口6、7を夫々覆う上下蓋8、9として、例えば図5、6に示す大きさが等しく1辺の長さが250mmの略正四角形状の板体を用いる。すると、上下蓋8、9の円形中央部10、11をケース4の上下壁部材として用い、その周囲部分を側壁部材5に上下壁部材を一体に結合してケース4を形成する際の結合用鍔部12、13にできる。
【0017】
そこで、上蓋7の中央部10には、その中心に水を外部からケース4に取り入れる口径の大きな貫通穴を水取入口14として設け、その水取入口14より離して外側に酸素ガスを外部からケース4に取り入れる口径の小さな貫通穴をガス取入口15として設ける。そして、上蓋8の中央部10の下面に、3本の各長さが例えば400mmの支持棒16(16a、16b、16c)を水取入口14より外側の3方にいずれも等距離離し、正三角形状に配置して、下面に垂直となるように突設する。又、上蓋8の中央部下面の最外側部に、水取入口14を中心にしてガス取入口15、支持棒16の設置箇所等の外側を取り囲む円形溝17を設け、そこにシール部材となるOリング18を嵌めて配設する。又、上蓋8の結合用鍔部12の各4隅付近に、結合用貫通穴19(19a、…19d)を夫々設ける。
【0018】
又、下蓋9の中央部11に、上蓋8の中央部10に設けた水取入口14、ガス取入口15と同一位置に対応させて、酸素溶解水をケース4から外部に取り出す酸素溶解水取出口20、酸素溶解水の水位検出用チューブ21との接続口22を夫々設ける。又、下蓋9の中央部11の上面に、上蓋8に設けた支持棒16の設置箇所と同一位置に対応させて、3本の各長さが例えば250mmの支持棒23(23a、23b、23c)を酸素溶解水取出口20から離し、正三角形状に配置して、上面に垂直となるように突設する。又、下蓋9の中央部上面の最外側部に、上蓋8に設けた円形溝17、Oリング18と同一位置に対応させて、水取入口20を中心にして、チューブ接続口22、支持棒23の設置箇所等の外側を取り囲む円形溝56を設け、そこにシール部材となるOリング57を嵌めて配設する。又、下蓋9の結合用鍔部13の各4隅付近に、上蓋8の結合用鍔部12に設けた各結合用貫通穴19と同一位置に対応させて、結合用貫通穴24(24a、…24d)を夫々設ける。
【0019】
そして、ケース4の内部の上側空間を水に酸素ガスを混入し、酸素溶解水を生成する酸素溶解水生成室にし、その下側空間を酸素溶解水を貯える酸素溶解水貯水室にする。そこで、酸素溶解水生成室内に、水取入口14から放出される落下水にガス取入口15から放出される酸素ガスを混入して、酸素溶解水滴を形成する水滴形成用貫通穴(図示なし)を多数分散配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁25を複数個、上方から下方へ順次所定距離離して分散配設し、その上方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁25の穴径より、下方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁25の穴径を小さくする。
【0020】
その際、酸素溶解水生成室内に分散配設する酸素溶解水滴形成用仕切壁25として、例えば側壁用円筒体5の内径より若干小さな径を有する厚さ1mm程の金属製円板体を3枚用いる。そして、上位に配置する酸素溶解水滴形成用仕切壁25aには、その全面にパンチングにより直径5mmの水滴形成用貫通穴を多数、隣接する穴同士を近接状態にして分散配設する。又、中位に配置する酸素溶解水滴形成用仕切壁25bには、その全面にパンチングにより直径3mmの水滴形成用貫通穴を同様にして配設する。又、下位に配置する酸素溶解水滴形成用の仕切壁25cには、その全面にパンチングにより直径1mmの水滴形成用貫通穴を同様にして配設する。なお、各個の穴形状はいずれも円錐台状にして上方より下方に行く程順次径を大きくして水切りを良くし、水滴を形成し易くする。
【0021】
そして、上蓋8の下面に突設した3本の支持棒16に対し、その下面より上位、中位、下位の各酸素溶解水滴形成用仕切壁25を上方から下方へ順次100mmずつ離して水平に取り付け分散配設する。又、酸素溶解水貯水室内に、遠赤外線放射材を多数充填した酸素溶解水クラスター変換部26を設け、その酸素溶解水クラスター変換部26と、下位に配置した酸素溶解水滴形成用仕切壁25cとの間の部分を貯える酸素溶解水の水位変動を可能にする水位変動部27、その酸素溶解水クラスター変換部26より下部側を変換した小クラスターの酸素溶解水を貯える給水部28にする。なお、上位、中位、下位の各酸素溶解水滴形成用仕切壁25の取り付け位置は当然変更できる。
【0022】
そこで、酸素溶解水クラスター変換部26を形成するためのケースとして、例えば直径を側壁用円筒体5の内径より若干小さくし、高さを150mmにした円柱状のかご体29を用いる。その際、かご体29の上下壁部材として、例えば穴径が5mmのパンチングメタルを用いる。そして、かご体29を下蓋9の上面に突設した3本の支持棒23の中央部に取り付け、そのかご体29の内部に遠赤外線放射材として、例えばグラファイトシリカの粉末を珪石の粉末と一緒に焼結したセラミックボール30を多数充填する。又、側壁用円筒体5の外周面のほぼ全体に遠赤外線放射材として、例えばグラファイトシリカの粉末を被覆した酸素溶解水クラスター変換部31を設ける。
【0023】
このグラファイトシリカ(学術名)はシリカブラックとも呼ばれて、北海道桧山郡上ノ国天の川上流より産出され、表1に示す通り、天然ミネラル特にシリカを豊富に含み、常温(40℃以下)で鉄等の金属を通す強力な遠赤外線を多量に放射する鉱石である。それ故、グラファイトシリカから放射される遠赤外線を水に当てると、水のクラスター(分子集団)を効率良く分解し、小クラスターの水に変換することができる。
【表1】

長野県下伊那郡喬木村6714番地1 松島光陽化学株式会社提供
【0024】
酸素溶解水生成部2の組立時、先ず側壁用円筒体5の上開口6を上蓋8で閉じて、その円筒体5の上側空間内に上蓋8の下面から下方に突設した3本の支持棒16と3枚の酸素溶解水滴形成用仕切壁25との組立体を挿入し、更に下開口7を下蓋9で閉じて、その円筒体5の下側空間内に下蓋9の上面から上方に突設した3本の支持棒23と酸素溶解水クラスター変換部26との組立体を挿入する。そして、必要箇所にねじ溝を設けた長さが例えば1000mmの結合棒32(32a、…32d)を4本用い、それ等の各結合棒32を上下蓋8、9の4隅付近に設けた対応する貫通穴19、24に夫々挿通し、ナット33、ワッシャ34等の締め付け結合部材を用いて、側壁用円筒体5に上下蓋8、9を結合する。すると、ケース4を完成すると同時に、そのケース4内に内部構造を備えた酸素溶解水生成器3を完成し、その下側に4本の結合棒32の各下部側を突出して、酸素溶解水生成器3を4本の足付きにできる。
【0025】
そこで、酸素溶解水生成器3を支えるため、図7に示す支持台35を用いる。この支持台35には水平部と垂直部とを有し、例えば長さが400mm、幅が40mmのL形断面状部材36を4本用いる。そして、左右に離して平行に並べた2本の縦部材36a、36bの間に、前後に離して平行に並べた2本の横部材36c、36dを掛け渡して結合し、その各横部材36c、36dの中央部付近に2個ずつ結合用貫通穴37(37a、…37d)を設けて支持台35を形成する。すると、酸素溶解水生成器3を支える支持用足の各先端部を、支持台35の対応する各貫通穴37に夫々挿通し、ナット33、ワッシャ34等の締め付け結合部材を用いて、支持台35に強固に固定できる。なお、使用時には支持台35の最下部付近をコンクリートに埋設する等し、酸素溶解水生成器3の中心線を垂直にして立設するとよい。
【0026】
又、酸素溶解水生成器3に対し、その生成器3と外部配管との接続用として、上蓋8の水取入口14に送水配管との接続用端部を有する屈曲管継手38の他端部を接続し、更にガス取入口15に酸素ガス配管とのボール弁付き接続用端部を有する三方管継手39の他端部を接続する。又、下蓋9の水取出口20に給水配管との接続用端部を有する屈曲管継手40の他端部を接続し、更に接続口22に水位検出用チューブ21との接続用端部を有する三方管継手41の他端部を接続する。そして、水位検出用チューブ21として例えば耐水性ポリウレタンチューブを用い、そのチューブ21を三方管継手39の残りの一端部と三方管継手41のチューブ接続用端部とに接続し、酸素溶解水生成器3に沿わせ、その近傍に垂直に配管する。すると、酸素溶解水生成部2が完成する。なお、三方管継手41の残りの一端部はボール弁付きにし、排水時に弁を開ける。
【0027】
このような酸素溶解水生成部2に対し、送水配管42、酸素ガス配管43、給水配管44等を接続する。そして、水源として例えば地下水を用い、その送水配管42に水を加圧して送り出すポンプ45、水中に含まれる鉄、マンガン、砂等を除去するフィルタ46、逆止弁47を備えて、圧送水を酸素溶解水生成器3に送り込む。その際、ポンプ45として、例えば送水圧力2〜3kg/平方cm、毎分吐出量30〜40リットルの電動ポンプを用いる。なお、地下水の水温は浅井戸が16〜17℃、深井戸が13〜14℃である。
【0028】
又、酸素ガス源として例えば30kgの酸素ボンベ48を用い、その酸素ガス配管43に減圧弁等のレギュレーター49、電磁弁50を備えて、圧力の高い酸素ガスを酸素溶解水生成器3に送り込む。その際、酸素ボンベ48のガス圧をレギュレーター49により減圧し、水圧より高い圧力例えば1kg/平方cm高い圧力に調整する。又、電磁弁50にはその弁開閉制御用に光センサー等の水位センサー51付きのコントローラ52を備え付ける。すると、酸素溶解水生成室内の酸素量が少ないと送水配管42から供給される水量が増加し、酸素量が多いと供給される水量が減る。そこで、酸素溶解水生成器3に貯まる酸素溶解水の水位が設定した、例えば点線位置まで上昇してきたことを、水位検出用チューブ21内の水位が連動するので、その水位をセンサー51で検出し、コントローラ52から信号を送って電磁弁50を開く。それ故、水位変動の範囲を一定に保つことができる。なお、コントローラ52は市販品の組み合わせによって簡単に作れる。
【0029】
使用時に、このような酸素溶解水生成器3に外部から圧送水を供給し、更に外部からその圧送水の水圧より高い圧力の酸素ガスを供給すると、水取入口14から放出される落下水をガス取入口15から放出される酸素ガスで吹き飛ばす等して、上位に配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁25aの上面に分散し、その落下途中や上面との衝突、更には仕切壁25aに分散配設した多数の各貫通穴の通過等により、水と酸素ガスとの接触面積を増やすことができる。それ故、水中に酸素ガスを良好に混入でき、各貫通穴から夫々落下させると、多量の酸素を溶解し、多量のマイナスイオンを含んだ酸素溶解水滴を簡単に形成できる。
【0030】
そして、その各酸素溶解水滴は中位に配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁25bの上面へと落下するが、同様にして水中に酸素ガスを混入できるので、各貫通穴から夫々落下させると、更に多量の酸素を溶解し、多量のマイナスイオンを含んだ酸素溶解水滴を簡単に形成できる。又、下位に配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁25cについても同様である。その際、上位、中位、下位と、上方より下方に向って設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁25の各貫通穴の穴径を順次小さくすることにより、落下途中の所定箇所に設置されている各仕切壁25を通過する毎に、水滴を順次小さくして行き、酸素ガスとの接触面積を増すことができる。それ故、酸素溶解水の生成構造が簡単になり、その生成構造によって水中に酸素ガスを混入し易く、マイナスイオンを生成し易くなって、多量の酸素を溶解し、多量のマイナスイオンを含んだ高濃度の酸素溶解水を簡単に生成できて、ランニングコストも安価になる。なお、酸素溶解水滴形成用仕切壁に設ける各貫通穴を小さくしても、1枚のみでは形成する水滴の大きさが均一にならず、小さな水滴を多量に作れない。
【0031】
このようにして生成した酸素溶解水を貯える酸素溶解水貯水室内に、グラファイトシリカを主原料とするセラミックボール30を多数充填した酸素溶解水クラスター変換部26を設けておくと、多量の酸素を溶解して、多量のマイナスイオンを含ませた酸素溶解水にセラミックボール30で発生した遠赤外線を当てて、酸素溶解水のクラスターを小さくできる。しかも、クラスターを小さくすると、酸素溶解度を高めることができる。それ故、植物の根から吸収され易く、植物の生長に好適な酸素溶解水にすることができる。そして、酸素溶解水貯水室の酸素溶解水クラスター変換部26より上部を水位変動部27にして、酸素溶解水の水位を変動させても、セラミックボール30を多数充填したクラスター変換部26の内部に絶えず酸素溶解水を満たしておくと、酸素ガスの大きな気泡がセラミックボール30に邪魔されて、下部の給水部28まで通過することがない。それ故、取出口20から給水される酸素溶解水に溶解状態にない酸素ガスの大きな気泡が含まれず、酸素ガスの利用率を上げることができる。
【0032】
又、ケース4を構成する側壁用円筒体5の外周面のほぼ全体に、グラファイトシリカを主原料として被覆した酸素溶解水クラスター変換部31を設けておくと、そのクラスター変換部31で発生した遠赤外線をケース4の側壁を通過させて、内部の酸素溶解水に当てて、やはりクラスターを小さくし、小クラスターの酸素溶解水にすることができる。
【0033】
そこで、水源として、例えば酸素溶解度D07の地下水を用い、酸素溶解水生成器3に対し、その地下水を水圧3kg/平方cmにして毎分40リットル供給し、酸素ガスをガス圧4kg/平方cmにして供給すると、酸素溶解度D025の酸素溶解水を得ることができる。
【0034】
このようにして、酸素溶解水生成器3により多量の酸素を溶解し、多量のマイナスイオンを含ませた小クラスターの酸素溶解水を生成し、給水部28の取水口20から給水配管44によりスリール弁等の開閉自在弁53を介して、水耕栽培の水路、点滴栽培の口部等へ給水し、植物の根から吸収させることにより、植物の生長を促進し、品質の向上、収穫量の増加を計ることができる。それ故、酸素溶解水生成器3を備えると、酸素溶解水生成装置1を簡単に製造できる。なお、ポンプアップした地下水はスリール弁等の常閉弁54を開くことにより直接給水配管44へ送水できる。又、酸素溶解水生成器3に貯まった酸素溶解水等が必要のない場合、スリール弁等の常閉弁55を開くことにより排水することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した酸素溶解水生成装置の酸素溶解水生成部を示す正面図である。
【図2】同酸素溶解水生成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同酸素溶解水生成部に備える酸素溶解水生成器のケースの側壁を構成する側壁用円筒体の正面図である。
【図4】同側壁用円筒体の平面図である。
【0036】
【図5】同酸素溶解水生成器のケースの上壁を構成する上蓋と、その上蓋に設置したOリング、3本の支持棒等の設置状態を示す底面図である。
【図6】同酸素溶解水生成器のケースの下壁を構成する下蓋と、その下蓋に設置したOリング、3本の支持棒等の設置状態を示す平面図である。
【図7】同酸素溶解水生成器を支える支持台の平面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…酸素溶解水生成装置 2…酸素溶解水生成部 3…酸素溶解水生成器 4…ケース 5…側壁用円筒体 6、7…上下開口 8、9…上下蓋 10、11…円形中央部 12、13…結合用鍔部 14…水取入口 15…ガス取入口 16、23…支持棒 17、56…円形溝 18、57…Oリング 19、24…結合用貫通穴 20…水取出口 21…水位検出用チューブ 22…チューブ接続口 25…酸素溶解水滴形成用仕切壁 26、31…酸素溶解水クラスター変換部 27…水位変動部 28…給水部 29…かご体 30…セラミックボール 32…結合棒 35…支持台 38、40…接続用屈曲管継手 39、41…接続用三方管継手 42…供給配管 43…酸素ガス配管 44…給水管 45…ポンプ 48…酸素ボンベ 49…レギュレーター 50…電磁弁 51…水位センサー 52…コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下壁と側壁とを有するケースを用い、その上壁付近の壁部に、水を外部から取り入れる水取入口と、酸素ガスを外部から取り入れるガス取入口とを設け、そのケース内の上側空間を水に酸素ガスを混入し、酸素溶解水を生成する酸素溶解水生成室にし、その下側空間を酸素溶解水を貯える酸素溶解水貯水室にし、その下壁付近の壁部に酸素溶解水を外部に取り出す酸素溶解水取出口を設けてなる酸素溶解水生成器であって、上記酸素溶解水生成室の水取入口に外部から圧送水を供給し、更にそのガス取入口に外部から圧送水の水圧より高い圧力の酸素ガスを供給し、その酸素溶解水生成室内に、水取入口から放出される落下水にガス取入口から放出された酸素ガスを混入して、酸素溶解水滴を形成する水滴形成用貫通穴を多数分散配設した酸素溶解水滴形成用仕切壁を複数個、上方から下方へ順次所定距離離して分散配設し、その上方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁の穴径より、下方に設置する酸素溶解水滴形成用仕切壁の穴径を小さくすることを特徴とする酸素溶解水生成器。
【請求項2】
酸素溶解水貯水室内に、遠赤外線放射材を多数充填した酸素溶解水クラスター変換部を設け、そのクラスター変換部より上部を酸素溶解水の水位変動部、そのクラスター変換部より下部を変換した小クラスターの酸素溶解水を貯える給水部にすることを特徴とする請求項1記載の酸素溶解水生成器。
【請求項3】
ケースの側壁外面に遠赤外線放射材を被覆した酸素溶解水クラスター変換部を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の酸素溶解水生成器
【請求項4】
遠赤外線放射材としてグラファイトシリカを用いることを特徴とする請求項2又は3記載の酸素溶解水生成器。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4記載の酸素溶解水生成器を備えることを特徴とする酸素溶解水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−104938(P2008−104938A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289543(P2006−289543)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(506359521)
【出願人】(500270572)株式会社麻場 (8)
【Fターム(参考)】