説明

重合体とその製造方法

【課題】光電変換素子用等として有用な重合体の提供。
【解決手段】ジアルデヒド化合物とジホスホネート化合物からなる重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、π共役ポリマーに関し、特に、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の有機エレクトロニクス用素材として有用な重合体とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料の発光特性や電荷輸送特性を利用した、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の機能素子が提案されている。これらの素子に有機材料を用いることにより、軽量、安価、低製造コスト、フレキシブル等有機材料の有する最大の利点が生かされ、その効果を発揮することが期待される。
【0003】
上記機能素子の中で、光電変換素子とりわけ太陽電池および電子写真感光体用ホール輸送材としてこれまで低分子系および高分子系の様々な材料が報告されているが、前者の太陽電池用ホール輸送材においてはさらなる高効率化、後者の電子写真感光体用ホール輸送材においてはプリントの高速化ならびに耐久性が求められている。
【0004】
また、発光素子用の材料としては、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば、低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効率化を実現することが報告されており、またドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性を向上することが報告されている。
しかし、低分子集合体の場合には、長時間使用における時間経過とともに膜状態に変化が生じることが報告されており、経時における膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。一方、高分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly−p−phenylenevinylene)系列やpoly−thiophene等について精力的に検討が行われてきた。しかしながら、これらの材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高性能な発光素子は得られていないのが現状である。
【0005】
現状では上記のような問題を有するものの、高分子材料は本質的にガラス状態が安定であることを考慮すると、高蛍光量子効率を付与することができれば優れた発光素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。
このような高分子材料の提案例としては、例えば、繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料を挙げることができる(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、非特許文献1参照。)。また、二価のボロン酸化合物と芳香族ジハロゲン化合物とから共役ポリマーを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
【0006】
一方、有機薄膜トランジスタ素子においても、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば、低分子材料ではペンタセン、フタロシアニン、フラーレン、アントラジチオフェン、チオフェンオリゴマ、ビスジチエノチオフェンなどが、また高分子材料ではポリチオフェン、ポリチエニレンビニレンまた繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料も検討されている。
なお、本出願人は先に、π共役結合を主鎖とするアリールアミンユニットを繰り返し単位に有する高分子材料に関して提案した(例えば、特許文献6参照。)。
【0007】
しかし、前記の従来技術に示される高分子材料において、有機エレクトロニクス用素材として重要な特性値である移動度の向上は目覚しいが、有機エレクトロニクス、とりわけ有機FET素子への応用を考慮すると、さらに高移動度の素材が望まれている。
さらに、安価に製造でき、充分な柔軟性と強度を持ち、かつ軽量で大面積化が可能である有機材料を種々の機能素子(光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など)に適用して、その最大の特徴を活かすためには、有機材料が、有機溶剤に対して充分な溶解性を有することが必要になる。しかし、一般的に、共役が伸張された構造を特徴とするπ共役ポリマーでは構造が剛直である場合が多く、このことが溶解性を低下させる原因になっている。上記従来技術に提案されている材料でも、溶解性に難点を有する高分子材料が多く、これを回避すべく様々な分子設計が行なわれているのが現状である。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5777070号明細書
【特許文献2】特開平10−310635号公報
【特許文献3】特開平8−157575号公報
【特許文献4】特表2002−515078号公報
【特許文献5】特表2001−520289号公報
【特許文献6】特開2005−240001号公報
【非特許文献1】Synth.Met.,84,269(1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、高いホール輸送性を有すると共に耐久性に優れた光電変換素子用の高分子材料として、また、優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた発光素子用の高分子材料として、あるいは、薄膜トランジスタの活性層用高分子材料として、それぞれに有用な重合体とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構成単位を含有する重合体により上記課題が解決されることを見出し、以下の(1)〜(4)に記載する本発明に到った。
以下、本発明について具体的に説明する。
【0011】
(1):繰返し単位として下記一般式(I)で表される構成単位を有することを特徴とする重合体である。
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、Ar1およびAr2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0014】
(2):(1)に記載の重合体において、前記一般式(I)で表される構成単位が、下
記一般式(II)で表されることを特徴とする。
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、Ar2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0017】
(3)繰返し単位として下記一般式(I)で表される構成単位を有する重合体の製造方法であって、
前記製造方法は、下記一般式(III)で表されるジアルデヒド化合物と下記一般式(IV)で表されるジホスホン酸エステル化合物との重合反応により合成することを特徴とする重合体の製造方法。
【0018】
【化3】

【0019】
(式中、Ar1およびAr2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0020】
【化4】

【0021】
(式中、Ar1は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0022】
【化5】

【0023】
(式中、Arは置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R’はアルキル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0024】
(4):(3)に記載の重合体の製造方法において、前記一般式(I)で表される構成単位が下記一般式(II)で表され、前記一般式(IV)で表されるジアルデヒド化合物が下記一般式(V)で表されることを特徴とする。
【0025】
【化6】

【0026】
(式中、Ar2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0027】
【化7】

【0028】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【発明の効果】
【0029】
本発明の前記一般式(I)あるいは(II)で表される構成単位を有する重合体は、高いホール輸送性を有すると共に耐久性に優れ、有機溶剤に対する溶解性も良好で湿式法による成膜が可能であり、低コストプロセスに適応できる。このため、種々の有機エレクトロニクス用素材として用いることができ、特に、耐久性に優れた光電変換素子用の高分子材料として、あるいは優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた発光素子用の高分子材料として、または薄膜トランジスタの活性層用高分子材料として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
前述のように本発明における重合体は、繰返し単位として下記一般式(I)で表される構成単位を有することを特徴とするものである。
【0031】
【化8】

【0032】
(式中、Ar1およびAr2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0033】
ここで、上記一般式(I)で表される構成単位が、下記一般式(II)で表されることが好ましい。
【0034】
【化9】

【0035】
(式中、Ar2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0036】
本発明の重合体は、高いホール輸送性、光電変換特性、あるいは発光特性を有し、耐久性にも優れており、軽量、フレキシブルであるため、種々の有機エレクトロニクス用素材として有用である。
【0037】
上記本発明の重合体の製造法について以下説明する。
本発明の重合体の製造方法は、例えばアルデヒドとホスホネートを用いたWittig−Horner反応、アルデヒドとホスホニウム塩を用いたWittig反応、ビニル置換体とハロゲン化物を用いたHeck反応、アミンとハロゲン化物を用いたUllmann反応などを用いることができ、公知の方法により製造可能である。特にWittig−Horner反応およびWittig反応は反応操作の簡便さから有効である。
【0038】
一例としてWittig−Horner反応を用いた本発明における重合体の製造方法について説明する。
本発明における重合体は、一般的には下記反応式(スキーム1)で示されるようにホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物が化学量論的に等しく存在する溶液と、その2倍モル量以上の塩基を混合させることにより重合反応が進行し、合成される。
また、複数種のホスホン酸エステル化合物あるいはアルデヒド化合物を反応系内に添加することにより、ランダム共重合体を得ることもでき、諸特性を調整することも可能である。
【0039】
【化10】

【0040】
上記反応に使用する塩基はホスホネートカルボアニオンが形成されるものであれば特に限定されず、金属アルコシド、金属ヒドリド、有機リチウム化合物等が挙げられ、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムナフチリド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を挙げることができる。
反応に用いる塩基の量は、通常ホスホン酸エステル化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
【0041】
上記の塩基は固形状態や懸濁溶液の状態で反応系内に添加してもよいが、得られる重合体(高分子量体)の均質性が良好になるために、特に均一溶液として添加することが好ましい。塩基を溶解する溶媒としては、使用する塩基と安定な溶液を形成する溶媒を選択しなければならないが、その他の要因として塩基の溶解度が高いものがよく、また反応系で生成する高分子量体の反応溶媒に対する溶解性を損ねないものがよく、さらに生成する高分子量体が良好に溶解する溶媒がよく、用いる塩基と製造する高分子量体の特性に応じて、一般に知られているアルコール系、エーテル系、アミン系、炭化水素系溶媒等から任意に選択することができる。
【0042】
塩基とそれを均一に溶解する溶媒の組み合わせとしては、例えば、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−メチル−2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、カリウムt−ブトキシドのジオキサン溶液、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液、メチルリチウムのエーテル溶液、リチウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、リチウムジイソプロピルアミドのシクロヘキサン溶液、カリウムビストリメチルシリルアミドのトルエン溶液等をはじめとして、種々の組み合わせの溶液が挙げられ、幾つかの溶液は市販品として容易に入手することができる。
【0043】
温和な反応条件、取り扱いの容易さの観点から、好ましくは金属アルコキシド系の溶液が用いられ、生成する重合体の溶解性、取り扱いの容易さ、反応の効率性、生成する重合体の溶解性等の観点から、より好ましくは金属t−ブトキシドのエーテル系が用いられ、さらに好ましくはカリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液が用いられる。
【0044】
上記重合反応はホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物の溶液に塩基溶液を添加してもよく、塩基溶液にホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物の溶液を加えてもよく、同時に反応系に加えてもよく、添加の順序に制約はない。
【0045】
上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。
また、上記重合反応における反応温度は、特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱したり、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
【0046】
また、以上の重合操作において分子量を調節するために、分子量調節剤、または末端修飾基として重合体の末端を封止するための封止剤を反応途中または反応後に添加することも可能であり、反応開始時に添加しておくことも可能である。従って、本発明における重合体、いわゆるπ共役ポリマーの末端には停止剤に基づく置換基が結合してもよい。
【0047】
本発明の重合体の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000 〜1000000 であり、より好ましくは2000 〜500000である。分子量が小さすぎる場合にはクラックの発生等成膜性が悪化し実用性に乏しくなる。また分子量が大きすぎる場合には、一般の有機溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、やはり実用性上問題になる。
【0048】
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、重合反応活性基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
【0049】
以上のようにして得られた重合体(π共役ポリマー)は、重合に使用した塩基、未反応モノマー、末端停止剤、また、重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操作は再沈澱、カラムクロマト法、吸着法、抽出、ソックスレー抽出、限外濾過、透析等をはじめとする従来公知の方法を使用することができる。
【0050】
すなわち、前記一般式(I)で表される本発明における重合体の製造方法は、具体的には、下記一般式(III)で表されるジアルデヒド化合物と下記一般式(IV)で表されるジホスホン酸エステル化合物との重合反応により合成することができる。
【0051】
【化11】

【0052】
(式中、Ar1は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0053】
【化12】

【0054】
(式中、Ar2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R’はアルキル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0055】
ここで、前記一般式(I)で表される構成単位が下記一般式(II)で表され、前記一般式(IV)で表されるジアルデヒド化合物が下記一般式(V)で表されることが好ましい。
【0056】
【化13】

【0057】
(式中、Ar2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0058】
【化14】

【0059】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0060】
上記製造方法により得られた本発明の重合体は、スピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、ディスペンス法等の公知の成膜方法により、クラックのない強度、靭性、耐久性等に優れた良好な薄膜を作製することが可能であり、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の機能素子用材料として好適に用いることができる。
【0061】
次に、本発明の重合体の構成単位(I)および(II)についてさらに詳細に説明する。 前記一般式(I)におけるAr1、Ar2および(II)におけるAr2は置換もしくは無置換のアリレン基であり、単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などから選ばれるこれらの二価基が具体例として挙げられる。また、芳香族複素環基としては、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジチエニルベンゼン、フラン、ベンゾフラン、カルバゾールなどから選ばれるこれらの二価基が具体例として挙げられる。
【0062】
また、上記の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基は以下に示す置換基を有していてもよい。
(1):ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2):炭素数1〜25 の無置換もしくは置換のアルキル基、アルコキシ基。
(3):アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これは、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルコキシ基、またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4):アルキルチオ基またはアリールチオ基。(アルキルチオ基またはアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5):アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6):アシル基。(アシル基としては、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
【0063】
前記一般式(I)および(II)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表すが、その具体例は上述の定義と同様である。
【0064】
本発明の重合体(I)および(II)は上述のように芳香環上に置換基を有するこができるが、有機溶媒への溶解性向上の観点からアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基などがより好ましい。これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面、電荷輸送性等の特性は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。
【0065】
その場合の好適な置換基の例としては炭素数が1〜25のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基が挙げられる。さらに好適には、炭素数が2〜18のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基が挙げられる。これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。
また、これらのアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入してアルコキシ基、アルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
【0066】
本発明で用いられる一般式(IV)で表されるホスホン酸エステル化合物の一例を(IV−1)〜(IV−13)に例示する。
【0067】
【化15】

【0068】
本発明の重合体は、前記アリレン基(Ar1)に結合するフルオレニル基の置換基(R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8)として、特にアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基が存在することにより、溶媒への溶解性が向上する。
重合体の材質として溶媒に対する溶解性を向上させることは、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など製造の際、湿式成膜過程の製造許容範囲が大きくなることから重要である。例えば、塗工溶媒の選択肢の拡大、溶液調製時の温度範囲の拡大、溶媒の乾燥時の温度及び圧力範囲の拡大となり、これらプロセッシビリティーの高さにより高純度で均一性の高い高品質な薄膜が得られる。
【実施例】
【0069】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制約を受けるものではない。
【0070】
(実施例1)
下記式(VI)で表されるジアルデヒド化合物0.802g(1.00mmol)と、前記例示化合物中(IV−9)で示されるホスホン酸エステル化合物(ジホスホネート)0.637g(1.00mmol)を脱水テトラヒドロフラン20mlに溶解し、窒素気流下カリウムt−ブトキシドの1.0mol・dm-3テトラヒドロフラン溶液3.0mlを室温にて徐々に滴下した。
【0071】
【化16】

【0072】
滴下後、室温で3時間撹拌した後、ベンズアルデヒド15mgを加えて1時間攪拌し、次いで、ベンジルホスホン酸ジエチル30mgを加え1時間攪拌した後、酢酸で中和した。
内容物を水に滴下することにより粗ポリマーを得た。これをテトラヒドロフラン/イオン交換水、次いでテトラヒドロフラン/メタノールで再沈精製を行った後、塩化メチレンに溶解し、イオン交換水でその洗浄液の導電率がイオン交換水と同等になるまで洗浄を繰り返した。洗浄後メタノール中に滴下して黄色の下記式(VII)で示される本発明の重合体、1.10gを得た。
【0073】
【化17】

【0074】
得られた重合体の測定(元素分析、分子量測定、ガラス転移温度、赤外吸収スペクトル)を行い、目的物を確認した。
元素分析値(%)〔実測値(計算値)〕:C90.43(90.69);H9.56(9.31)
分子量測定〔GPCにより測定〕ポリスチレン換算の数平均分子量:31500、重量平均分子量:121200
ガラス転移温度〔示差操作熱量測定から求めた〕:137.2℃
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜):図1に示す。
【0075】
次に、p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にA1を装着してゲート電極とした。次いで、該SiO2の絶縁層上に、前記で得た式(VII)で示される重合体をTHF/パラキシレン(混合比:8/2)の混合溶媒に約1.0wt%で溶解した溶液をスピンコートして乾燥し、有機半導体層を作製した。引き続き、チャネル長50μm、チャネル幅9mmとなるようにソース・ドレイン電極のAu膜を装着し、TFTとした。
【0076】
上記有機半導体の電界効果移動度を下記式を用いて算出した。
Ids=μCinW(Vg−Vth)2/2L
(ただし、Cinはゲート絶縁膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vgはゲート電圧、Idsはソースドレイン電流、μは移動度、Vthはチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。)
【0077】
すなわち、作製したTFTの移動度は、2.4×10-4(cm2/Vsec)であった。また、オンオフ比(Vds=−40V、Vg=−40VにおけるIdsと、Vds=−40V、Vg=+10〜―40Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は、3.8×104で、閾値電圧は−23.0Vであった。
【0078】
本発明の重合体は、高いホール輸送性を有すると共に耐久性に優れた光電変換素子用の高分子材料として、優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた発光素子用の高分子材料として、また薄膜トランジスタの活性層用高分子材料として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例1で合成した本発明の重合体(VII)の赤外吸収スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰返し単位として下記一般式(I)で表される構成単位を有することを特徴とする重合体。
【化1】


(式中、Ar1およびAr2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【請求項2】
前記一般式(I)で表される構成単位が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
【化2】


(式中、Ar2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【請求項3】
繰返し単位として下記一般式(I)で表される構成単位を有する重合体の製造方法であって、
前記製造方法は、下記一般式(III)で表されるジアルデヒド化合物と下記一般式(IV)で表されるジホスホン酸エステル化合物との重合反応により合成することを特徴とする重合体の製造方法。
【化3】


(式中、Ar1およびAr2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【化4】


(式中、Ar1は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【化5】


(式中、Arは置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R’はアルキル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【請求項4】
前記一般式(I)で表される構成単位が下記一般式(II)で表され、前記一般式(IV)で表されるジアルデヒド化合物が下記一般式(V)で表されることを特徴とする請求項3に記載の重合体の製造方法。
【化6】


(式中、Ar2は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【化7】


(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、および置換もしくは無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、xおよびtはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表し、yおよびzはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、
x、y、zまたはtがそれぞれ独立に2以上の整数の場合、x個のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、y個のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、z個のR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、t個のR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)

【図1】
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【公開番号】特開2008−31420(P2008−31420A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−97319(P2007−97319)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】