説明

重合体組成物およびその製造方法

【課題】高硬度の水を用いて洗浄しても界面活性剤が析出することを効果的に抑制できる重合体洗剤ビルダーを提供する。
【解決手段】
本発明は、ポリオキシアルキレン系化合物であって、該ポリオキシアルキレン系化合物は炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基から選ばれる疎水基を少なくとも2以上の末端に有し、該疎水基の内の少なくとも1の疎水基は、炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基から選ばれる疎水基であり、前記ポリオキシアルキレン系化合物は、更にオキシアルキレン基を有し、ポリオキシアルキレン系化合物1モルあたりのオキシアルキレン構造単位の含有量が10〜100モルである、ポリオキシアルキレン系化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣料類に用いられる洗剤には、洗剤の洗浄効果を向上させることを目的として、ゼオライト、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールなどの洗剤ビルダー(洗剤助剤)を配合することが行われている。
ここで、近年の消費者の環境問題への意識の高まりより、消費者が風呂の残り湯を洗濯に使用することにより節水を図る等の新たな洗濯のスタイルが定着しつつある。それに伴い、洗剤ビルダーに対する要求性能も変化しつつある。
すなわち、残り湯は、体や顔を洗う時等に混入する石鹸を含むこととなる。石鹸は、水道水等に含まれるカルシウムと結合し、所謂、石灰石鹸を生成し、これらが繊維等に沈着することにより、繊維が黄変したり、不快臭の原因となる。また、洗濯機内への石灰石鹸の沈着は、配管のつまりの原因になるとの問題がある。
従来より、石灰石鹸の分散剤が提案されているが、ある程度の改善は認められるものの、十分満足できる結果は得られていない(特許文献1〜4)。
また、下記一般式で表される微溶性化合物を担体主成分または徐溶解性賦形剤として含有する水洗トイレ用洗浄剤が知られている(特許文献5〜6)。
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、R及びRは炭素数が8〜22のアシル基もしくはアルキル基又はアルキル基の炭素数が2〜12のアルキルフェニル基であり、RとRとは互に同一であっても異なっていてもよい。Rは水素原子又はメチル基であるが、同一分子中で全て同じ基をとることもできるし、水素原子とメチル基との双方をとることもできる。また、nは30〜300の整数である。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−511780号公報
【特許文献2】特開2002−201498号公報
【特許文献3】特開2002−201498号公報
【特許文献4】特開平1−185398号公報
【特許文献5】特開昭58−25398号公報
【特許文献6】特開平7−62398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来、種々の洗剤ビルダーが報告されてはいるものの、上述した現在の消費者ニーズに一層適応した洗剤ビルダーの開発が求められている。
そこで、本発明は、洗剤用途に用いられた場合に従来より一層改善された石灰石鹸の分散能を有する重合体組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、本発明者らは、特定の構造を有するポリオキシアルキレン系化合物を使用すると、石灰石鹸の分散性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ポリオキシアルキレン系化合物であって、該ポリオキシアルキレン系化合物は、炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基から選ばれる疎水基を少なくとも2以上の末端に有し、該疎水基の内、少なくとも1の疎水基は、炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基から選ばれる疎水基であり、前記ポリオキシアルキレン系化合物は、更にオキシアルキレン基を有し、ポリオキシアルキレン系化合物1モルあたりのオキシアルキレン構造単位の含有量が10〜100モルであり、上記疎水基は、エーテル結合および/または炭素炭素単結合によってポリオキシアルキレン基を含有する基と結合している、ポリオキシアルキレン系化合物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、優れた石灰石鹸の分散能(分散性)を有する。したがって、本発明のポリオキシアルキレン系化合物を洗剤ビルダーとして使用すれば、洗濯時における繊維への石灰石鹸の吸着を抑制する。よって、本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、洗剤添加物として好ましく使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
[ポリオキシアルキレン系化合物]
本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基から選ばれる疎水基(官能基Aと言う)を少なくとも2つ以上の末端に有し、上記疎水基(官能基A)の内、少なくとも1つは、炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基から選ばれる疎水基であり、さらにオキシアルキレン基を含有するものである。例えば、同一の炭素数8以上のアルキル基を2つの末端に有するポリオキシアルキレン系化合物や、1つの炭素数8以上のアリール基を1つの末端に有し、かつ1つの炭素数8以上のアルキル基を他の1つの末端に優するポリオキシアルキレン系化合物等が例示される。少なくとも2つ以上の末端とは、ポリオキシアルキレン系化合物が分岐構造を有しており、3つ以上の末端を有する場合においても、少なくとも2つ以上の末端に上記の条件を満足する基を有していれば、本発明のポリオキシアルキレン系化合物に該当する。ここで、ポリオキシアルキレン系化合物1モルあたりのオキシアルキレン基由来の構造の含有量(オキシアルキレン基の付加モル数)は10〜100モルである。
さらに、本発明のポリオキシアルキレン系化合物において、上記疎水基(官能基A)は、エーテル結合および/または炭素炭素単結合によってポリオキシアルキレン基を含有する基と結合していることを特徴としている。
【0011】
上記条件を満足すれば特に限定されるものではないが、本発明のポリオキシアルキレン系化合物として、具体的には、以下の式(1)の構造を有するものが挙げられる。
【0012】
【化2】

【0013】
上記式(1)において、Rは、例えば炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基、下記一般式(2−1)〜(2−4)であり、Rは、炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基、下記一般式(2−1)〜(2−4)である。アルキル基またはアルケニル基は、直鎖であっても、分岐であってもよい。この際、R、Rの有する炭素数は、好ましくは8〜20であり、より好ましくは10〜20であり、さらに好ましくは11〜18であり、特に好ましくは12〜14である。Rの有する炭素数が下限値未満であると、石灰石鹸との相互作用が弱くなり、その石灰石鹸の分散性が低下する虞がある。一方、Rの有する炭素数が20以下であれば、粘度が適度であり、容易に重合を行うことができる。
上記基の中でも、石灰石鹸の分散性が向上することから、R、Rは、炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基、下記一般式(2−1)〜(2−4)であることが更に好ましい。
【0014】
【化3】

【0015】
上記一般式(1)におけるRが、上記式(2−1)〜(2−4)で表されるとき、上記式(2−1)〜(2−4)において、Rは、それぞれ独立して、炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基である。アルキル基またはアルケニル基は、直鎖であっても、分岐であってもよい。この際、Rの有する炭素数は、好ましくは8〜20であり、より好ましくは10〜20であり、さらに好ましくは11〜18であり、特に好ましくは12〜14である。Rの有する炭素数が下限値未満であると、石灰石鹸との相互作用が弱くなり、その石灰石鹸の分散性が低下する虞がある。一方、Rの有する炭素数が20以下であれば、粘度が適度であり、容易に反応を行うことができる。
【0016】
上記一般式(1)におけるRが、上記式(2−1)〜(2−4)で表されるとき、上記式(2−1)〜(2−4)において、Rは、それぞれ独立して、炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基である。アルキル基またはアルケニル基は、直鎖であっても、分岐であってもよい。この際、Rの有する炭素数は、好ましくは8〜20であり、より好ましくは10〜20であり、さらに好ましくは11〜18であり、特に好ましくは12〜14である。Rの有する炭素数が上記範囲内であれば、疎水基間の相互作用により、その石灰石鹸の分散性が向上する傾向にある。さらにRが水素等の炭素数0の基と比較をして、重合時の粘性が低く抑えられる傾向にある。一方、Rの有する炭素数が20以下であれば、粘度が適度であり、容易に重合を行うことができる。
【0017】
が、例えば炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基であるポリオキシアルキレン系化合物またはRは、炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基であるポリオキシアルキレン系化合物の製造方法としては、以下の反応式(A)で示される反応が例示され、又、石灰石鹸の分散性が向上することから、反応式(A)で製造することが好ましい。
【0018】
【化4】

【0019】
反応式(A)において、R、Rは一般式(1)におけるRまたはRと同様であり、PAGは、一般式(1)におけるPAGと同様であり、AOは、アルキレンオキサイドを表し、Lは、ハロゲン原子を表す。
【0020】
またはRが、上記一般式(2−1)または(2−2)の構造を有するポリオキシアルキレン系化合物の製造方法としては、以下の反応式(B)で示される反応が例示され、又、石灰石鹸の分散性が向上することから、反応式(B)で製造することが好ましい。
【0021】
【化5】

【0022】
反応式(B)において、R、Rは一般式(1)におけるRまたはRと同様であり、PAGは、一般式(1)におけるPAGと同様であり、Rは、上記一般式(2−1)または(2−2)におけるRと同様である。
【0023】
またはRが、上記一般式(2−3)の構造を有するポリオキシアルキレン系化合物の製造方法としては、以下の反応式(C)で示される反応が例示され、又、石灰石鹸の分散性が向上することから、反応式(C)で製造することが好ましい。
【0024】
【化6】

【0025】
反応式(C)において、Rは一般式(1)におけるRまたはRと同様であり、PAGは、一般式(1)におけるPAGと同様であり、Rは、上記一般式(2−3)におけるRと同様である。
【0026】
上記反応式(A)〜(C)で製造されるポリオキシアルキレン系化合物の中でも、石灰石鹸の分散性が向上することから、反応式(A)で製造されるポリオキシアルキレン系化合物が最も好ましい。
【0027】
炭素数8以上のアルキル基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基およびイコシル基などが挙げられる。
【0028】
炭素数1以上のアルキル基としては、上記炭素数8以上のアルキル基の他に、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0029】
また、炭素数8以上のアルケニル基としては、例えば、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基およびイコシレン基などが挙げられる。なかでも、Rは、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基であることが好ましく、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基であることがより好ましい。
【0030】
炭素数2以上のアルケニル基としては、上記炭素数8以上のアルケニル基の他に、例えば、ビニル基、アリル基、プロパ−2−エン−1−イル基等が挙げられる。
【0031】
炭素数8以上のアリール基としては、フェネチル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、トリチル基およびピレニル基などが挙げられる。なかでも、フェネチル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、ナフチル基であることが好ましく、フェネチル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基であることがより好ましい。
【0032】
炭素数6以上のアリール基としては、上記炭素数8以上のアリール基の他に、例えば、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0033】
上記式(1)において、PAGは、ポリオキシアルキレン基を含有する基であり、例えば以下の一般式(3−1)〜(3−4)で表される。
【0034】
【化7】

【0035】
上記式(3−1)〜(3−4)において、Rは、炭素数1〜20の有機基であり、好ましくは一般式(2−1)〜(2−4)におけるRと同様である。Rは、それぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基であり、好ましくは2〜15であり、より好ましくは2〜10であり、さらに好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2〜3であり、最も好ましくは2である。
アルキレン基としては、例えば、CHCH、CHCH(CH)、CHCH(C)、CHCH(C)、等が例示されうる。なかでも、CHCH、CHCH(CH)であることが好ましく、CHCH、すなわちエチレン基であることがより好ましい。なお、アルキレン基としては、1種のみが単独で存在してもよいし、2種以上が混在していてもよい。この場合、アルキレン基はエチレン基を主体とするものであることが好ましい。「エチレン基を主体とする」とは、アルキレン基が上記PAGの構造中に中に2種以上存在する場合に、全アルキレン基の存在数において、エチレン基がその大半(好ましくは50モル%以上)を占めるものであることを意味する。これにより、ポリオキシアルキレン系化合物を製造が容易となり、かつ、水溶性や石灰石鹸の分散能が向上するという優れた効果が得られる。上記式(3−1)〜(3−4)において、Xは、それぞれの式において合計が9〜99であり、好ましくは9〜79であり、より好ましくは14〜69であり、さらに好ましくは19〜59である。Xの合計が9以下であると、ポリオキシアルキレン系化合物の水溶性の低下に伴って、石灰石鹸の分散性も低下する虞がある。一方、Xの合計が99以上であると、洗剤添加物としての使用が困難となる虞がある。
本発明のポリオキシアルキレン化合物として、上記一般式(1)の化合物の他に、下記一般式(4)の構造を有するものが挙げれる。
【0036】
【化8】

【0037】
上記式(4)において、Rは、炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基、アルコールまたはアミンに由来する基である。
アルコールまたはアミンに由来する基とは、一般式(4)においてはアルコールまたはアミンから、アミノ基又は水酸基の一部を除いた構造を有する基を表す。アルコールまたはアミンに由来する基の例示としては、以下の構造式の基が挙げられる(当該例示は、それぞれ、ソルビトール、トリエタノールアミン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン由来の基である)。
【0038】
【化9】

【0039】
上記式(4)において、Rは、上記一般式(1)の場合と同様であるが、RまたはRのうち、少なくとも1つは、炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基である。この際、アルキル基またはアルケニル基は、直鎖であっても、分岐であっても良く、RまたはRのうち、少なくとも1つの基の有する炭素数は、好ましくは8〜20であり、より好ましくは10〜20であり、さらに好ましくは11〜18であり、特に好ましくは12〜14である。RまたはRのうち、少なくとも1つの基の有する炭素数が下限値未満であると、界面活性剤との相互作用が弱くなり、その石灰石鹸の分散性が低下する虞がある。一方、Rの有する炭素数が20以下であれば、粘度が適度であり、容易に重合を行うことができる。
【0040】
炭素数8以上のアルキル基、炭素数8以上のアルケニル基、炭素数8以上のアリール基としては、上記と同様である。
【0041】
上記式(4)において、Xは、フェニレン基
を表し、pは、0〜1である。
【0042】
上記式(4)において、Yは、
【0043】
【化10】

【0044】

のいずれかを表す。ここで、Rはそれぞれ独立して、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数2〜3、最も好ましくは炭素数2のアルキレン基を表す。また、Rは、水素原子、または下記化学式(5)で表される基:
【0045】
【化11】

【0046】

である。式(5)において、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数2〜3、最も好ましくは炭素数2のアルキレン基を表す。また、sは0〜200であり、好ましくは0〜100であり、より好ましくは0〜70であり、さらに好ましくは0〜55である。なお、sが2以上である場合、Rとしては1種のみが単独で存在していてもよいし、2種以上が混在していてもよい。
ここで、石灰石鹸の分散性の向上という観点からは、Yは好ましくは−O−R−である。式(13)において、Rは、上記一般式(1)における場合と同様である。
【0047】
上記式(4)において、Zは、オキシアルキレン基を表す。この際、Zの有する炭素数は、2〜20であり、好ましくは2〜15であり、より好ましくは2〜10であり、さらに好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2〜3であり、最も好ましくは2である。オキシアルキレン基としては、例えば、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、イソブチレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、2−ブテンオキサイド、トリメチルエチレンオキサイド、テトラメチレンオキサイド、テトラメチルエチレンオキサイド、ブタジエンモノオキサイド、オクチレンオキサイド、スチレンオキサイド、1,1−ジフェニルエチレンオキサイド等の化合物由来の基が例示されうる。なかでも、Zは、EOまたはPO由来の基(すなわち、オキシエチレン基またはオキシプロピレン基)であることが好ましく、オキシエチレン基であることがより好ましい。なお、Zとしては、1種のみが単独で存在してもよいし、2種以上が混在していてもよい。上記式(4)において、qは、9〜99であり、好ましくは9〜79であり、より好ましくは14〜69であり、さらに好ましくは19〜59である。qが9以下であると、ポリオキシアルキレン化合物の水溶性の低下に伴って、石灰石鹸の分散能も低下する虞がある。一方、qが99以上であると、洗剤添加物としての使用が困難となる虞がある。
オキシアルキレン基をオキシアルキレン構造単位ということがある。
【0048】
オキシアルキレン基により形成される基(すなわち、上記式(4)中のZq)は、オキシエチレン基(O−CH−CH)を主体とするものであることが好ましい。この場合、「オキシエチレン基を主体とする」とは、オキシアルキレン基が単量体中に2種以上存在する場合に、全オキシアルキレン基の存在数において、オキシエチレン基がその大半を占めるものであることを意味する。これにより、製造時の重合がスムーズに進行し、かつ、水溶性や石灰石鹸の分散能が向上するという優れた効果が得られる。
【0049】
上記式(4)中のZqにおいて、「オキシエチレン基を主体とする」ことを全オキシアルキレン基100モル%中のオキシエチレン基のモル%で表すとき、50〜100モル%であることが好ましい。オキシエチレン基の含有量が50モル%未満であると、オキシアルキレン基から形成される基の親水性が低下する虞がある。より好ましくは、60モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上であり、さらにより好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは90モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。
【0050】
上記式(4)において、rは、1〜6の整数である。rが2以上である場合、上記式(4)で表されるポリオキシアルキレン系化合物は、上記で説明したR(所定のアルキル基またはアルキレン基)の異なる炭素原子に、上記式(4)のかっこ書きで表される基がそれぞれ結合している構造を有するのであって、上記式(4)のかっこ書きで表される基を繰り返し単位とする繰り返し構造が含まれるわけではない。この際、上記式(4)のかっこ書きで表される基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、rは、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜2であり、最も好ましくは1である。
【0051】
式(4)で表される化合物中、本発明において最も好ましく用いられるポリオキシエチレン系化合物は下記式(6)で表される化合物である。
【0052】
【化12】

【0053】
式(6)において、R、Zおよびqは、式(4)中のものと同義である。具体的には、上記式(4)の欄で説明したものと同様である。式(6)において、R、Rは、炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基であるが、RまたはRのうち、少なくとも一方は、炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基である。
【0054】
このような本発明のポリオキシアルキレン系化合物の製造方法としては、例えば、1)アルカリ金属の水酸化物、アルコキシド等の強アルカリや、アルキルアミン等を塩基触媒として用いるアニオン重合、2)金属および半金属のハロゲン化物、鉱酸、酢酸等を触媒として用いるカチオン重合、3)アルミニウム、鉄、亜鉛等の金属のアルコキシド、アルカリ土類化合物、ルイス酸等を組み合わせたものを用いる配位重合などの手法を用いて、ポリオキシアルキレン系化合物の炭化水素基部分を含むアルコール、エステル、アミン、アミド、チオール、スルホン酸などに、上述したアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレン系化合物に、(i)炭素数8以上のアリール基、(ii)炭素数8以上のアルキル基、(iii)炭素数8以上のアルケニル基の少なくとも1つから選択される疎水基と(I)ハロゲン原子、(II)エポキシ基、(III)イソシアネート基の少なくとも1つから選択される反応性基を有する化合物(以下、化合物Aと言うこともある)を反応させて得られるポリオキシアルキレン系化合物であることが好ましい。また、
本発明のポリオキシアルキレン系化合物の例としては、例えば、ポリエチレングリコールジオクチルエーテル、ポリエチレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジドデシルエーテル、オクチルアミンにエチレンオキサイドを付加した化合物のジフェニルエーテル等、およびこれらの混合物等が挙げられる。
本発明のポリオキシアルキレン系化合物のその他の例としては、例えば、上記一般式(1)において上記一般式(3−1)の構造を含有するポリオキシアルキレン系化合物として、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数は8以上)と、ハロゲン化アルキル(アルキル基の炭素数は8以上)を反応させたポリオキシアルキレン系化合物、上記一般式(1)において上記一般式(3−2)の構造を含有するポリオキシアルキレン系化合物として、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数は8以上)と、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のジエポキシ化合物をモル比で2:1で反応させたポリオキシアルキレン系化合物、上記一般式(1)において上記一般式(3−3)の構造を含有するポリオキシアルキレン系化合物として、オクチルアミンにエチレンオキサイドを付加した化合物と、1−オクテンオキシド等のアルキレンオキシド(炭素数は8以上)を反応させたポリオキシアルキレン系化合物、上記一般式(1)において上記一般式(3−4)の構造を含有するポリオキシアルキレン系化合物として、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数は8以上)と、フェニレンジイソシアネート等のジイソシアネートをモル比で2:1で反応させたポリオキシアルキレン系化合物、が挙げられる。
【0055】
[変性したポリオキシアルキレン系化合物]
本願のポリオキシアルキレン系化合物は、上述した本発明のポリオキシアルキレン系化合物に不飽和単量体をグラフト重合させた、変性したポリオキシアルキレン系化合物であっても良い。
該変性したポリオキシアルキレン系化合物は、ポリオキシアルキレン系化合物と重合開始剤の存在下で上記不飽和単量体を重合することにより製造することができる。
上記不飽和単量体は、ポリオキシアルキレン系化合物の石灰石鹸の分散性に悪影響を与えない範囲で使用することが好ましい。
【0056】
好ましい不飽和単量体に関しては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、2−メチレングルタル酸などのカルボキシル基を有する単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸などのホスホン酸基を有する単量体等の酸基含有単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18のアルコールとのエステル化により得られるアルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたはその4級化物等のアミノ基含有アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン、スチレンスルホン酸等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール:ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類;等が挙げられる。これらの他の単量体は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0057】
本発明の変性したポリオキシアルキレン系化合物の重量平均分子量は、洗剤ビルダーとしての所望の性能などを考慮して適宜設定されうるため、特に限定されないが、本発明の変性したポリオキシアルキレン系化合物の重量平均分子量は、具体的には、好ましくは300〜50000であり、より好ましくは500〜30000であり、さらに好ましくは1000〜20000である。この重量平均分子量の値が大きすぎると、粘度が高くなり、取扱いが煩雑になる虞がある。一方、この重量平均分子量の値が小さすぎると、石灰石鹸の分散性が低下し、洗剤ビルダーとして十分な性能が発揮されなくなる虞がある。なお、本発明の変性したポリオキシアルキレン系化合物の重量平均分子量の値としては、後述する実施例に記載の手法により測定される値を採用するものとする。
【0058】
また、本発明の変性したポリオキシアルキレン系化合物の数平均分子量は、洗剤ビルダーとしての所望の性能などを考慮して適宜設定されうるため、特に限定されないが、本発明の変性したポリオキシアルキレン系化合物の数平均分子量は、具体的には、好ましくは300〜20000であり、より好ましくは400〜15000であり、さらに好ましくは500〜10000である。この数平均分子量の値が大きすぎると、粘度が高くなり、取扱いが煩雑になる虞がある。一方、この数平均分子量の値が小さすぎると、石灰石鹸の分散性が低下し、洗剤ビルダーとして十分な性能が発揮されなくなる虞がある。なお、本発明の変性したポリオキシアルキレン系化合物の数平均分子量の値としては、後述する実施例に記載の手法により測定される値を採用するものとする。
【0059】
不飽和単量体のグラフト量(ポリオキシアルキレン系化合物と不飽和単量体の比率)は特に制限されず、洗剤ビルダーとしての所望の性能や製造の容易さなどを考慮して適宜設定されうる。特に、単量体成分に含まれる酸基含有不飽和単量体の量を制御するとよい。好ましくはポリオキシアルキレン系化合物100部に対し、不飽和単量体が5〜40部である。
変性したポリオキシアルキレン系化合物を製造する場合、重合開始剤としては、好ましくは、有機過酸化物重合開始剤を用いて製造されるが、更に好ましくは、135℃の半減期が6〜60分である有機過酸化物重合開始剤を用いて製造される。該重合開始剤を用いることによって、未反応のポリオキシアルキレン系化合物が減少する。具体的には、反応したポリオキシアルキレン系化合物と未反応のポリオキシアルキレン系化合物との合計100質量部(反応系に添加されたポリオキシアルキレン系化合物100質量部)に対して、反応したポリオキシアルキレン系化合物が、好ましくは45〜100質量部、より好ましくは50〜100質量部、さらに好ましくは55〜100質量部である。なお、重合開始剤は1種単独で用いられる場合もあるし、2種以上用いられることもある。
本発明において、135℃の半減期とは、日油株式会社 有機過酸化物カタログ第10版に記載の方法によって測定される。具体的には、以下の測定方法によって得られる値を言う。
まず、重合開始剤を比較的不活性な溶媒(例えば、ベンゼン等)を使用して、0.1mol/Lまたは0.05mol/Lの重合開始剤溶液を調製し、窒素置換したガラス管中に密封する。これを135℃にセットした恒温槽に浸し、熱分解させる。かような方法により、重合開始剤濃度が初期濃度の半分になる時間が求められる。
【0060】
135℃の半減期が6〜60分である有機過酸化物重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(半減期13分)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(半減期6.3分)、n−ブチル4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレエート(半減期30分)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(半減期22分)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(半減期15.6分)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(半減期13.1分)が挙げられる。
【0061】
変性したポリオキシアルキレン系化合物の製造(グラフト重合)に用いられる135℃の半減期が6〜60分である有機過酸化物重合開始剤の使用量は特に制限されないが、グラフト重合に用いられる不飽和単量体100質量%に対して、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは2〜10質量%であり、さらに好ましくは3〜7質量%である。
グラフト重合の際に、重合開始剤に加えて、重合開始剤の分解触媒や還元性化合物を反応系に添加してもよい。
【0062】
グラフト重合の際の温度は好ましくは100℃以上であり、より好ましくは100〜160℃であり、さらに好ましくは110〜150℃、最も好ましくは130〜140℃である。重合時の温度が低すぎると、反応液の粘度が高くなり過ぎ、グラフト重合が進行しにくく、単量体成分のグラフト率が低下する虞がある。一方、重合時の温度が高すぎると、ポリオキシアルキレン系化合物および得られるグラフト重合体の熱分解が起こる虞がある。
【0063】
グラフト重合は好ましくは、実質的に塊状重合(バルク重合)の形態で、具体的には、このグラフト重合の反応系として、溶媒の含有量が反応系の全量に対して10質量%以下で重合が行われる。重合の具体的な形態は特に制限されず、塊状重合(バルク重合)に関する従来公知の知見が適宜参照され、さらに必要に応じて改良されうる。実質的に塊状重合で製造することにより未反応のポリオキシアルキレン系化合物の残存量が低下する。
【0064】
反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよいが、得られる重合体の分子量の点では、常圧下、または、反応系内を密閉し、加圧下で行うことが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点では、常圧(大気圧)下で行うことが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
【0065】
グラフト重合の際には、グラフト重合体の幹となるポリオキシアルキレン系化合物の一部または全部を反応系に仕込んだ状態で、重合を開始するとよい。例えば、ポリオキシアルキレン系化合物の全量を反応系に仕込み、反応系を昇温させた後、単量体成分および重合開始剤を別々に添加して、グラフト重合反応を進行させる形態が例示される。かような形態によれば、得られるグラフト重合体の分子量が容易に調整されうるため、好ましい。なお、グラフト重合は、回分式で行われてもよいし、連続式で行われてもよい。
【0066】
[ポリオキシアルキレン系化合物組成物]
重合体組成物中には、本発明のポリオキシアルキレン系化合物が必須に含まれる。この他、製造時の不純物、例えば炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基から選ばれる疎水基を1の末端にのみ有するポリオキシアルキレン系化合物や炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基から選ばれる疎水基を末端に有しないポリオキシアルキレン系化合物が含まれ得る。
【0067】
なお、本願でいう重合体組成物は、特に制限されるものではないが、生産効率性の観点から、好ましくは、不純物除去などの精製工程を経ずに得られる。本発明の重合体組成物は、残存するポリオキシアルキレン系化合物が低減され、グラフト重合体(グラフト体)の収率が向上しているため、洗剤に用いられた場合にも、石灰石鹸の分散性向上効果が効果的に得られる。さらに、重合工程の後に、得られた混合物を、取り扱いの便のため、少量の水にて希釈(得られた混合物に対して1〜400質量%程度)したものも本願でいう重合体組成物に含まれる。
得られた重合体組成物は、取り扱いの便のため、少量の水で希釈して保存しても良い。
本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤ビルダー(または洗剤組成物)等として用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用など、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
【0068】
<水処理剤>
本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。
【0069】
上記水処理剤は、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜等でのスケール防止に有用である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでもよい。
【0070】
<繊維処理剤>
本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明の重合体組成物を含む。
上記繊維処理剤における本発明のポリオキシアルキレン系化合物の含有量は、繊維処理剤全体に対して、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは5〜100重量%である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
以下に、より実施形態に近い、繊維処理剤の配合例を示す。この繊維処理剤は、繊維処理における精錬、染色、漂白、ソーピングの工程で使用することができる。染色剤、過酸化物および界面活性剤としては繊維処理剤に通常使用されるものが挙げられる。
本発明のポリオキシアルキレン系化合物と、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つとの配合比率は、例えば、繊維の白色度、色むら、染色けんろう度の向上のためには、繊維処理剤純分換算で、本発明のポリオキシアルキレン系化合物1重量部に対して、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを0.1〜100重量部の割合で配合された組成物を繊維処理剤として用いることが好ましい。
上記繊維処理剤を使用できる繊維としては、任意の適切な繊維を採用し得る。例えば、木綿、麻等のセルロース系繊維、ナイロン、ポリエステル等の化学繊維、羊毛、絹糸等の動物性繊維、人絹等の半合成繊維およびこれらの織物および混紡品が挙げられる。
上記繊維処理剤を精錬工程に適用する場合は、本発明のポリオキシアルキレン系化合物と、アルカリ剤および界面活性剤とを配合することが好ましい。漂白工程に適用する場合では、本発明のポリオキシアルキレン系化合物と、過酸化物と、アルカリ性漂白剤の分解抑制剤としての珪酸ナトリウム等の珪酸系薬剤とを配合することが好ましい。
【0071】
<無機顔料分散剤>
本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、無機顔料分散剤に用いることができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
上記無機顔料分散剤中における、本発明のポリオキシアルキレン系化合物の含有量は、無機顔料分散剤全体に対して、好ましくは5〜100重量%である。また性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
上記無機顔料分散剤は、紙コーティングに用いられる重質ないしは軽質炭酸カルシウム、クレイの無機顔料の分散剤として良好な性能を発揮し得る。例えば、無機顔料分散剤を無機顔料に少量添加して水中に分散することにより、低粘度でしかも高流動性を有し、かつ、それらの性能の経日安定性が良好な、高濃度炭酸カルシウムスラリーのような高濃度無機顔料スラリーを製造することができる。
上記無機顔料分散剤を無機顔料の分散剤として用いる場合、該無機顔料分散剤の使用量は、無機顔料100重量部に対して、0.05〜2.0重量部が好ましい。該無機顔料分散剤の使用量が上記範囲内にあることによって、十分な分散効果を得ることが可能となり、添加量に見合った効果を得ることが可能となり、経済的にも有利となり得る。
【0072】
<洗剤組成物>
本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、洗剤組成物にも添加しうる。
洗剤組成物における当該ポリオキシアルキレン系化合物の含有量は特に制限されない。ただし、優れたビルダー性能を発揮しうるという観点からは、ポリオキシアルキレン系化合物の含有量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
洗剤用途で用いられる洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。また、本発明の洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選択される1種または2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステルまたはその塩、アルケニルリン酸エステルまたはその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して10〜60質量%であり、好ましくは15〜50質量%であり、さらに好ましくは20〜45質量%であり、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮できなくなる虞があり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下する虞がある。
添加剤としては、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が好適である。また、粉末洗剤組成物の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
本発明の洗剤組成物は、本発明のポリオキシアルキレン系化合物に加えて、他の洗剤ビルダーを含んでもよい。他の洗剤ビルダーとしては、特に制限されないが、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩などのアルカリビルダーや、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、クエン酸塩、(メタ)アクリル酸の共重合体塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、フマル酸塩、ゼオライト等のキレートビルダー、カルボキシメチルセルロース等の多糖類のカルボキシル誘導体等が挙げられる。上記ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アンモニウム、アミン等が挙げられる。
上記添加剤と他の洗剤用ビルダーの合計の配合割合は、通常、洗浄剤組成物100質量%に対して0.1〜50質量%が好ましい。より好ましくは0.2〜40質量%であり、さらに好ましくは0.3〜35質量%であり、特に好ましくは0.4〜30質量%であり、最も好ましくは0.5〜20質量%以下である。添加剤/他の洗剤ビルダーの配合割合が0.1質量%未満であると、十分な洗剤性能を発揮できなくなる虞があり、50質量%を超えると経済性が低下する虞がある。
なお、本発明の洗剤組成物の概念には、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含まれる。
本発明の洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、通常、液体洗剤組成物の全量に対して0.1〜75質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜70質量%であり、さらに好ましくは0.5〜65質量%であり、さらにより好ましくは0.7〜60質量%であり、特に好ましくは1〜55質量%であり、最も好ましくは1.5〜50質量%である。
本発明の洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、当該洗剤組成物は、カオリン濁度が200mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは150mg/L以下であり、さらに好ましくは120mg/L以下であり、特に好ましくは100mg/L以下であり、最も好ましくは50mg/L以下である。
また、本発明のポリオキシアルキレン系化合物を洗剤ビルダーとして液体洗剤組成物に添加する場合としない場合とでのカオリン濁度の変化(差)は、500mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは400mg/L以下であり、さらに好ましくは300mg/L以下であり、特に好ましくは200mg/L以下であり、最も好ましくは100mg/L以下である。カオリン濁度の値としては、以下の手法により測定される値を採用するものとする。
<カオリン濁度の測定方法>
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTubidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
上記洗浄剤組成物に配合することができる酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が好適である。中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ及びアルカリセルラーゼが好ましい。
上記酵素の添加量は、洗浄剤組成物100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、2以上の末端官能基(疎水基)に起因して、会合型増粘剤としての効果も期待できる。
【実施例】
【0073】
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、本発明のポリオキシアルキレン系化合物の重量平均分子量、数平均分子量、固形分量、石灰石鹸の分散性能は、下記の方法に従って測定した。
<重量平均分子量および数平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:RI
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ,GF−710−HQ,GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYETHYLENGLYCOL STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
<ポリオキシアルキレン化合物の分析>
ポリオキシアルキレン化合物等の分析は、以下の条件の高速クロマトグラフィーで行った。
本発明のポリオキシアルキレン化合物の製造における反応の進行は、液体クロマトグラフィーによる原料のポリオキシアルキレン化合物等のリテンションタイムのシフトと、水酸基価の測定で確認した。また、生成物のHNMRで構造を確認した。
高速液体クロマトグラフィー
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C1 UG120
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/Lリン酸水素二ナトリウム・12水和物水溶液
(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
流速:1.0ml/min
検出器:RI、UV(検出波長215nm)
<ポリオキシアルキレン系化合物組成物の固形分測定方法>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
【0074】
<石灰石鹸の分散性(分散能)の測定方法>
(1)1%ポリマー水溶液:1.5gと、1%オレイン酸ナトリウム水溶液:7.5gに純水を加えて79.5gとした。
(2)ここに、6%塩化カルシウム/塩化マグネシウム(Ca:Mg=3:2mol比)水溶液(炭酸カルシウム換算)を0.5ml添加して、30秒間攪拌した。
(3)光度電極により、水溶液の透過率を測定した。測定には、平沼産業製自動滴定装置(本体:COM−550、光度測定ユニット:M−500)を用いた。
【0075】
<実施例1>
攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、ニューコール2360(株式会社日本乳化剤製;C12−13アルコールのエチレンオキサイド60モル付加物)466.3gと、水酸化カリウム(以下、「KOH」とも称する。)5.1gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、反応系の脱水を行った。次に、還流冷却器を取り付け、90℃まで降温し、ラウリルグリシジルエーテル(以下、「LGE」とも称する。)39.9gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。さらに、60℃まで降温し、酢酸5.4gを添加してKOHを中和して化合物(1)を得た。
【0076】
<実施例2>
攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、ニューコール2360452.2gと、水酸化カリウム(以下、「KOH」とも称する。)5.0gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、反応系の脱水を行った。次に、還流冷却器を取り付け、90℃まで降温し、ラウリルグリシジルエーテル(以下、「LGE」とも称する。)44.6gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。さらに、60℃まで降温し、酢酸5.4gを添加してKOHを中和して化合物(2)を得た。
【0077】
<実施例3>
攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、ニューコール2360466.3gと、KOH5.1gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、反応系の脱水を行った。次に、還流冷却器を取り付け、90℃まで降温し、アルファオレフィンエポキシドAOE−24X(ダイセル化学社製。以下、「AOE−24X」とも称する。)37.3gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。さらに、60℃まで降温し、酢酸5.4gを添加してKOHを中和して化合物(3)を得た。
【0078】
<実施例4>
攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、、ニューコール2320(株式会社日本乳化剤製;C12−13アルコールのエチレンオキサイド20モル付加物)425.6gと、KOH35.3gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、反応系の脱水を行った。次に、還流冷却器を取り付け、80℃まで降温し、塩化ラウリル(以下、「LaC」とも称する。)122.4gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。さらに、純水50.0gを加え、1時間反応させた後、硫酸で中性とした。室温まで冷却後、この水溶液を1000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここにエタノールを加え、析出してきた塩を濾過により取り除いた。この一連の脱塩操作を3回繰り返し、完全に脱溶媒して化合物(4)を得た。
【0079】
<実施例5>
攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、フェノールのエチレンオキサイド20モル付加物(以下、「PH500」とも称する。)917.6gと、KOH35.3gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、反応系の脱水を行った。次に、還流冷却器を取り付け、80℃まで降温し、LaC122.4gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。さらに、純水50.0gを加え、1時間反応させた後、硫酸で中性とした。室温まで冷却後、この水溶液を1000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここにエタノールを加え、析出してきた塩を濾過により取り除いた。この一連の脱塩操作を3回繰り返し、完全に脱溶媒して化合物(5)を得た。
【0080】
<実施例6>
攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、グリセリンのエチレンオキサイド60モル付加物(以下、「GL60」とも称する)273.2gと、KOH3.5gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、反応系の脱水を行った。次に、還流冷却器を取り付け、90℃まで降温し、LGE75.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。さらに、60℃まで降温し、酢酸3.6gを添加してKOHを中和して化合物(6)を得た。
【0081】
<比較例1>
攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、ポリエチレングリコール3000(関東化学製;EO付加モル数約70)240.0g、ラウリン酸32.0gと、パラトルエンスルホン酸(以下、「PTS」とも称する。)2.7gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、脱水エステル化を行い、比較化合物(1)を得た。
【0082】
<比較例2>
攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、ポリエチレングリコール2000(和光純薬製;EO付加モル数約45)160.0g、ラウリン酸32.0gと、PTS1.9gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、脱水エステル化を行い、比較化合物(2)を得た。
【0083】
<実施例>
上記ポリオキシアルキレン系化合物、比較ポリオキシアルキレン系化合物の石灰石鹸の分散性の評価をおこなった結果を示す。
【0084】
【表1】

【0085】
表1に示す結果から、本発明のポリオキシアルキレン系化合物は、従来のポリオキシアルキレン系化合物と比較して、優れた石灰石鹸の分散性を有していることが示された。
従って、本発明の重合体組成物を洗剤ビルダーとして用いると、残り湯等で洗濯しても、石灰石鹸の洗濯物への沈着を抑制することにより、繊維の黄変等を効果的に防止されうることが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオキシアルキレン系化合物であって、
該ポリオキシアルキレン系化合物は、炭素数6以上のアリール基、炭素数1以上のアルキル基および炭素数2以上のアルケニル基から選ばれる疎水基を少なくとも2以上の末端に有し、該疎水基の内、少なくとも1の疎水基は、炭素数8以上のアリール基、炭素数8以上のアルキル基および炭素数8以上のアルケニル基から選ばれる疎水基であり、
前記ポリオキシアルキレン系化合物は、更にオキシアルキレン基を有し、ポリオキシアルキレン系化合物1モルあたりのオキシアルキレン構造単位の含有量が10〜100モルであり、
上記疎水基は、エーテル結合および/または炭素炭素単結合によってポリオキシアルキレン基を含有する基と結合している、
ポリオキシアルキレン系化合物。
【請求項2】
請求項1に記載のポリオキシアルキレン系化合物を含む洗剤組成物。

【公開番号】特開2010−241881(P2010−241881A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89687(P2009−89687)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】