説明

重合性コレステリック液晶組成物及びそれを用いたコレステリック反射フィルム

【課題】 光散乱の少ないコレステリック反射フィルムの製造に適した重合性コレステリック液晶組成物を提供する。
【解決手段】 重合性液晶材料、キラル材料、光重合開始剤、コレステリック液晶材料を水平配向させるための添加剤(以後、水平配向添加剤と呼ぶ)を含有する重合性コレステリック液晶組成物において、水平配向添加剤が質量平均分子量1300〜2800のポリプロピレンであることを特徴とする重合性コレステリック液晶組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶デバイス、ディスプレイ、光学部品、着色剤、セキュリティ用マーキング、レーザー発光用部材として有用な、重合性液晶組成物、及び、重合液晶組成物から得られるコレステリック偏光フィルム、反射型偏光板に関する。
【背景技術】
【0002】
コレステリック液晶の円偏光反射特性を利用した反射型偏光板の開発がおこなわれている。この反射型偏光板は、液晶ディスプレイのバックライトから効率良く偏光を取り出す用途に使用できるため、省エネルギーの観点から極めて有効である。このコレステリック液晶を用いた円偏光板を実用化するため、基板への塗布等の手段によって重合性コレステリック液晶材料の薄膜を形成し、プラナー配向状態にした後、重合・固化して高分子フィルムにすることが多く検討されている。
【0003】
このような重合性コレステリック液晶を用いて作製される反射型偏光板のバックライトからの偏光取り出し効率は、反射型偏光板の光散乱に影響される。光散乱が大きくなると、偏光解消が生じ、偏光取り出し効率が下がってしまう。
【0004】
この光散乱が発生する原因の一つとして、基板への塗布等の手段によって形成された重合性コレステリック液晶材料の薄膜中に生じた配向欠陥部分における屈折率の不連続な変化があげられる。この配向欠陥は、基板上に形成された薄膜の空気界面側において、液晶材料が均一に配向しないために発生すると考えられる。
【0005】
重合性ネマチック液晶組成物を用いてホモジニアス配向を有する光学異方体を形成する場合、空気界面側において液晶材料を水平配向させるための添加剤(以後、水平配向添加剤と呼ぶ)として、炭化水素系化合物を用いる技術は既に開示されており(特許文献1〜4参照)、その一例として重量平均分子量12000のポリプロピレンを用いた技術も開示されている。しかしながら、ホモジニアス配向を有するネマチック液晶とコレステリック液晶では液晶の配向性が異なり、これらに記載されている水平配向添加剤の利用では十分な程度まで光散乱を低減することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−105315号公報
【特許文献2】特開2007−246896号公報
【特許文献3】特開2009−62513号公報
【特許文献4】特開2009−242563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、重合性コレステリック液晶組成物を硬化させて得られるフィルムの光散乱を低減可能な重合性コレステリック液晶組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
鋭意検討した結果、水平配向添加剤として特定の化合物を利用すれば、光散乱を有効に低減できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、重合性液晶材料、キラル材料、光重合開始剤、及び一般式(I)
【0009】
【化1】

(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)で表される繰り返し単位を有する質量平均分子量が1300以上2180以下の化合物を含有することを特徴とする重合性コレステリック液晶組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物は、塗布等の手段によって薄膜を形成した際に、配向欠陥が少ない良好な水平配向状態を得ることができる。このため、重合性コレステリック液晶組成物を硬化させたフィルムの光散乱が小さくなり、偏光取り出し効率に優れる反射型偏光板を作製することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の重合性液晶組成物には水平配向添加剤として一般式(I)で表される化合物を含有するが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリマーが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。一般式(I)で表される化合物の質量平均分子量が1300〜2180であるが、1400〜2160が更に好ましく、1500〜2140が特に好ましい。質量平均分子量が大きいほど、光散乱を低減できる傾向がある。したがって、重合性コレステリック液晶組成物に溶剤を添加しないで塗布等によって膜形成する場合は重合性コレステリック液晶組成物中で溶解性を確保できる範囲において、また重合性コレステリック液晶組成物に溶剤を添加して塗布等によって膜形成する場合は重合性コレステリック液晶組成物の溶液中で溶解性を確保できる範囲において、質量平均分子量が大きい化合物を使用することが好ましい。溶剤に溶解しない質量平均分子量の化合物を水平配向添加剤として使用すると、ムラ発生や、光散乱の増大を引き起こすことがある。
【0012】
一般式(I)で表される化合物は、極性が低い化合物であるため、極性が低い溶剤には良く溶けるのに対し、極性が高い溶剤には溶けにくい傾向がある。このことから、例えば、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン等の極性基を有していない芳香族系炭化水素を溶剤として使用する場合、水平配向添加剤の質量平均分子量は1600〜2180であることが好ましく、1700〜2160が更に好ましく、1800〜2140が特に好ましい。一方、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の極性が高いケトン化合物を溶剤として使用する場合、水平配向添加剤の質量平均分子量は、1300〜1900であることが好ましく、1400〜1800であることが更に好ましく、1500〜1700が特に好ましい。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物を溶剤として使用する場合には、水平配向添加剤の質量平均分子量は、1400〜2180であることが好ましく、1500〜2080であることが更に好ましく、1600〜1980であることが特に好ましい。溶剤として混合溶剤を用いる場合には、使用する溶剤の極性と割合に応じて、上記の好ましい質量平均分子量を基に算術計算した質量平均分子量の水平配向添加剤を使用することが好ましい。例えば、トルエンが60質量%とシクロペンタノン40質量%からなる混合溶剤を使用する場合、水平配向添加剤の質量平均分子量は、1480〜2068 であることが好ましく、1580〜2016であることが更に好ましく、1680〜1964であることが特に好ましい。
【0013】
水平配向添加剤の濃度は、重合性液晶組成物中において、0.05〜1.0%が好ましく、0.08 〜0.5%が更に好ましく、0.10〜0.3%が更に好ましい。
【0014】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物としては、本技術分野で重合性液晶化合物として認識されるものであれば、特に制限無く使用することができる。この中でも分子内に重合性官能基を1つのみ有する化合物は、組成物の液晶温度範囲として室温前後の低温を含むものを作りやすく好ましい。このような化合物としては、例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley−VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)、あるいは、特開平7−294735号公報、特開平8−3111号公報、特開平8−29618号公報、特開平11−80090号公報、特開平11−116538号公報、特開平11−148079号公報、等に記載されているような、1,4−フェニレン基1,4−シクロヘキレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、ビニル基、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基といった重合性官能基を有する棒状重合性液晶化合物、あるいは特開2004−2373号公報、特開2004−99446号公報に記載されているようなマレイミド基を有する棒状重合性液晶化合物が挙げられる。
【0015】
重合性官能基は、ビニル基、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基等が上げられるが、生産性の観点から、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基が好ましい
このような化合物としては、一般式(II)
【0016】
【化2】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spはそれぞれ独立的にスペーサー基を表し、i、は0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、Rは末端基、もしくは‐(Sp)i-P基と同じ意味を表す)で表される化合物が好ましい。一般式(II)において、Spが炭素原子数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良く、MGが一般式(II-b)
【0017】
【化3】

(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2 CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CONH-、-NHCO-又は単結合を表し、nは0、1、2又は3を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-、‐C=C−又は-C≡C-により置き換えられていても良い)で表される構造を表し、Pが一般式(II-c)、(II-d)又は、一般式(II-e)
【0018】
【化4】

【0019】
(式中、R21、R22、R23、R31、R32、及びR33はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、kは0又は1を表す。)で表される置換基を表すものが好ましい。
このような液晶化合物の中でも重合性官能基を1つのみ有する液晶化合物は、具体的には以下に示されるような液晶化合物が例示されるが、これらに限定される訳ではない。
【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】
【化7】

【0023】
【化8】

【0024】
【化9】

【0025】
【化10】

【0026】
【化11】

【0027】
【化12】

【0028】
【化13】

【0029】
【化14】

【0030】
【化15】

【0031】
【化16】

【0032】
【化17】

【0033】
【化18】

【0034】
【化19】

【0035】
【化20】

【0036】
【化21】

【0037】
【化22】

【0038】
【化23】

【0039】
【化24】

【0040】
【化25】

【0041】
【化26】

【0042】
【化27】

【0043】
【化28】

【0044】
【化29】

【0045】
【化30】

【0046】
【化31】

【0047】
【化32】

【0048】
【化33】

【0049】
【化34】

【0050】
【化35】

【0051】
【化36】

【0052】
【化37】

【0053】
【化38】

【0054】
【化39】

【0055】
【化40】

【0056】
【化41】

【0057】
【化42】

【0058】
【化43】

【0059】
【化44】

【0060】
【化45】

【0061】
【化46】

【0062】
【化47】

【0063】
【化48】

【0064】
(式中、l、m及びnはそれぞれ独立して1〜10の整数を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子を表すが、これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つ又は2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。これらの基がカルボキシル基、カルバモイル基の場合、末端の水素原子が未置換であるか、あるいは炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい。)
これらの式において、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又はシアノ基を表すことが好ましい。
これらの液晶化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0065】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物として、重合性官能基を2つ有する液晶化合物は、硬化させて得られるフィルムの機械的強度を確保する観点から有用である。このような重合性官能基を2つ有する化合物としては、例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley−VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)、あるいは、特開平4−227684号公報、特開平11−80090号公報、特開平11−116538号公報、特開平11−148079号公報、特開2000−178233号公報、特開2002−308831号公報、特開2002−145830号公報、特開2004−125842号公報等に記載されているような、1,4−フェニレン基1,4−シクロヘキレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、ビニル基、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基といった重合性官能基を有する棒状重合性液晶化合物、あるいは特開2004−2373号公報、特開2004−99446号公報に記載されているようなマレイミド基を有する棒状重合性液晶化合物が挙げられる。
一般式(II)で表される化合物の中で、重合性官能基を2つ有する液晶化合物としては、具体的には以下に示されるような液晶化合物が例示される。
【0066】
【化49】

【0067】
【化50】

【0068】
【化51】

【0069】
【化52】

【0070】
【化53】

【0071】
【化54】

【0072】
【化55】

【0073】
【化56】

【0074】
【化57】

【0075】
【化58】

【0076】
【化59】

【0077】
【化60】

【0078】
【化61】

【0079】
【化62】

【0080】
【化63】

【0081】
【化64】

【0082】
【化65】

【0083】
【化66】

【0084】
【化67】

【0085】
(式中、m及びnはそれぞれ独立して1〜10の整数を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表すが、これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、又は1つ又は2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。これらの基がカルボキシル基、カルバモイル基の場合、末端の水素原子が未置換であるか、又は炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい。)
Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基が好ましい。
これらの液晶化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0086】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物に含有されるキラル化合物としては、重合性官能基を1つ以上有することが好ましい。このような化合物としては、例えば、特開平11−193287号公報、特開2001−158788号公報、特表2006−52669号公報、特開2007−269639号公報、特開2007−269640号公報、2009−84178号公報等に記載されているような、イソソルビド、イソマンニット、グルコシド等のキラルな糖類を含み、かつ、1,4−フェニレン基1,4−シクロヘキレン基等の剛直な部位と、ビニル基、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基、また、マレイミド基といった重合性官能基を有する重合性キラル化合物、特開平8−239666号公報に記載されているような、テルペノイド誘導体からなる重合性キラル化合物、NATURE VOL35 467〜469ページ(1995年11月30日発行)、NATURE VOL392 476〜479ページ(1998年4月2日発行)等に記載されているような、メソゲン基とキラル部位を有するスペーサーからなる重合性キラル化合物、あるいは特表2004−504285号公報、特開2007−248945号公報に記載されているような、ビナフチル基を含む重合性キラル化合物が挙げられる。中でも、らせんねじれ力(HTP)の大きなキラル化合物は、本発明の重合性液晶組成物が作りやすく好ましい。
【0087】
このようなキラル化合物の中で、キラルな糖類を含む化合物は特に好ましい。このよう
【0088】
な化合物としては、一般式(III)
【化68】

【0089】
(一般式(III)において、Spが炭素原子数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良く、A4は1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z4は、-COO-、-OCO-、-CH2 CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CONH-、-NHCO-又は単結合を表し、mは0、1、2又は3を表しP1が一般式(III-a)、(III-b)又は、一般式(III-e)
【0090】
【化69】

で表される化合物が好ましい。更に具体的には以下に示されるような液晶化合物が例示される。
【0091】
【化70】

【0092】
【化71】

【0093】
【化72】

【0094】
【化73】

【0095】
【化74】

【0096】
【化75】

【0097】
【化76】

【0098】
【化77】

【0099】
【化78】

【0100】
【化79】

【0101】
【化80】

【0102】
【化81】

【0103】
【化82】

【0104】
【化83】

【0105】
【化84】

【0106】
【化85】

【0107】

以上のようなキラル化合物以外にも、本発明の重合性コレステリック液晶組成物には以下のようなキラル化合物を含有させることができる。
【0108】
【化86】

【0109】
【化87】

【0110】
【化88】

【0111】
【化89】

【0112】
【化90】

【0113】
【化91】

【0114】
【化92】

【0115】
【化93】

【0116】
(式中、m及びnはそれぞれ独立して1〜10の整数を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子を表すが、これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、又は1つ又は2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。これらの基がカルボキシル基、カルバモイル基の場合、末端の水素原子が未置換であるか、又は炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい。)
これらのキラル化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0117】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物で用いられる重合開始剤は、重合を光照射によって行う場合に使用する光重合開始剤として公知慣用のものが使用できる。例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)。ベンジルメチルケタ−ル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア651」)2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア369」)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア379」)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(ダロキュアTPO)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア819」)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアOXE01」)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアOXE02」)。2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、アシルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)、などが挙げられる。光重合開始剤の含有率1〜10質量が好ましく、2〜7質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0118】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物に熱重合の際に使用する熱重合開始剤を添加しても良い。熱重合開始剤としては、例えば、メチルアセトアセテイトパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカーボネイト、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−ペンタハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等を使用することができる。熱重合開始剤の含有率1〜10質量が好ましく、2〜6質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0119】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物には重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては、フェノール系化合物、キノン系化合物、アミン系化合物、チオエーテル系化合物、ニトロソ化合物、等が挙げられる。
【0120】
フェノール系化合物としては、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2.2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2.2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4.4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4−メトキシ−1−ナフトール、4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビ−1−ナフトール、等が挙げられる。
キノン系化合物としては、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニルベンゾキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン等が挙げられる。
アミン系化合物としては、p−フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、N.N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−i−プロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1.3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N.N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、4.4'−ジクミル−ジフェニルアミン、4.4'−ジオクチル−ジフェニルアミン等が挙げられる。
チオエーテル系化合物としては、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。
【0121】
ニトロソ系化合物としては、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルナフチルアミン、N−ニトロソジナフチルアミン、p−ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、α−ニトロソ−β−ナフトール等、N、N−ジメチルp−ニトロソアニリン、p−ニトロソジフェニルアミン、p−ニトロンジメチルアミン、p−ニトロン−N、N−ジエチルアミン、N−ニトロソエタノールアミン、N−ニトロソジ−n−ブチルアミン、N−ニトロソ−N −n−ブチル−4−ブタノールアミン、N−ニトロソ−ジイソプロパノールアミン、N−ニトロソ−N−エチル−4−ブタノールアミン、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、N−ニトロソモルホリン、N−二トロソーN−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、二トロソベンゼン、2,4.6−トリーtert−ブチルニトロンベンゼン、N−ニトロソ−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−ニトロソ−N−エチルウレタン、N−ニトロソ−N−n−プロピルウレタン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソー1−ナフトール、1−ニトロソ−2−ナフトール−3,6−スルホン酸ナトリウム、2−ニトロソ−1−ナフトール−4−スルホン酸ナトリウム、2−ニトロソ−5−メチルアミノフェノール塩酸塩、2−ニトロソ−5−メチルアミノフェノール塩酸塩等が挙げられる。
【0122】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物には、塗膜のレベリング性を確保する目的で界面活性剤を添加することが好ましい。含有することができる界面活性剤としては、アルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン誘導体、フルオロアルキルエチレンオキシド誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、アルキルアンモニウム塩、フルオロアルキルアンモニウム塩類、シリコーン誘導体等をあげることができ、特に含フッ素界面活性剤、シリコーン誘導体が好ましい。更に具体的には「MEGAFAC F−110」、「MEGAFACF−113」、「MEGAFAC F−120」、「MEGAFAC F−812」、「MEGAFAC F−142D」、「MEGAFAC F−144D」、「MEGAFAC F−150」、「MEGAFAC F−171」、「MEGAFACF−173」、「MEGAFAC F−177」、「MEGAFAC F−183」、「MEGAFAC F−195」、「MEGAFAC F−824」、「MEGAFAC F−833」、「MEGAFAC F−114」、「MEGAFAC F−410」、「MEGAFAC F−493」、「MEGAFAC F−494」、「MEGAFAC F−443」、「MEGAFAC F−444」、「MEGAFAC F−445」、「MEGAFAC F−446」、「MEGAFAC F−470」、「MEGAFAC F−471」、「MEGAFAC F−474」、「MEGAFAC F−475」、「MEGAFAC F−477」、「MEGAFAC F−478」、「MEGAFAC F−479」、「MEGAFAC F−480SF」、「MEGAFAC F−482」、「MEGAFAC F−483」、「MEGAFAC F−484」、「MEGAFAC F−486」、「MEGAFAC F−487」、「MEGAFAC F−489」、「MEGAFAC F−172D」、「MEGAFAC F−178K」、「MEGAFAC F−178RM」、「MEGAFAC R−08」、「MEGAFAC R−30」、「MEGAFAC F−472SF」、「MEGAFAC BL−20」、「MEGAFAC R−61」、「MEGAFAC R−90」、「MEGAFAC ESM−1」、「MEGAFAC MCF−350SF」(以上、DIC株式会社製)、
【0123】
「フタージェント100」、「フタージェント100C」、「フタージェント110」、「フタージェント150」、「フタージェント150CH」、「フタージェントA」、「フタージェント100A-K」、「フタージェント501」、「フタージェント300」、「フタージェント310」、「フタージェント320」、「フタージェント400SW」、「FTX-400P」、「フタージェント251」、「フタージェント215M」、「フタージェント212MH」、「フタージェント250」、「フタージェント222F」、「フタージェント212D」、「FTX-218」、「FTX-209F」、「FTX-213F」、「FTX-233F」、「フタージェント245F」、「FTX-208G」、「FTX-240G」、「FTX-206D」、「FTX-220D」、「FTX-230D」、「FTX-240D」、「FTX-207S」、「FTX-211S」、「FTX-220S」、「FTX-230S」、「FTX-750FM」、「FTX-730FM」、「FTX-730FL」、「FTX-710FS」、「FTX-710FM」、「FTX-710FL」、「FTX-750LL」、「FTX-730LS」、「FTX-730LM」、「FTX-730LL」、「FTX-710LL」(以上、ネオス社製)、
【0124】
「BYK−300」、「BYK−302」、「BYK−306」、「BYK−307」、「BYK−310」、「BYK−315」、「BYK−320」、「BYK−322」、「BYK−323」、「BYK−325」、「BYK−330」、「BYK−331」、「BYK−333」、「BYK−337」、「BYK−340」、「BYK−344」、「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−377」、「BYK−350」、「BYK−352」、「BYK−354」、「BYK−355」、「BYK−356」、「BYK−358N」、「BYK−361N」、「BYK−357」、「BYK−390」、「BYK−392」、「BYK−UV3500」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3570」、「BYK−Silclean3700」(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
【0125】
「TEGO Rad2100」、「TEGO Rad2200N」、「TEGO Rad2250」、「TEGO Rad2300」、「TEGO Rad2500」、「TEGO Rad2600」、「TEGO Rad2700」(以上、テゴ社製)等の例をあげることができる。界面活性剤の好ましい添加量は、重合性液晶組成物中に含有される界面活性剤以外の成分や、使用温度等によって異なるが、重合性コレステリック液晶組成物中に0.01〜1質量%含有することが好ましく、0.02〜0.5質量%含有することがさらに好ましく、0.03〜0.1質量%含有することが特に好ましい。含有量が0.01質量%より低いときは膜厚ムラ低減効果が得にくい。一般式(I)で表される繰り返し単位を有する水平配向添加剤の含有量と界面活性剤の含有量の合計が0.02〜0.5質量%であることが好ましく、0.05〜0.4質量%含有することがさらに好ましく、0.1〜0.2質量%含有することが特に好ましい。
本発明の重合性コレステリック液晶組成物には、目的に応じて汎用の添加剤を使用することもできる。例えば、チキソ剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、表面処理剤等の添加剤を液晶の配向能を著しく低下させない程度添加することができる。
【0126】
(コレステリック反射フィルム)
本発明のコレステリック反射フィルムは、本発明の重合性コレステリック液晶組成物を基材に塗布等の方法によって製膜し、その後、硬化させることによって作製することができる。本願発明のコレステリック反射フィルムは偏光反射帯域が250nm以上であるコレステリック反射フィルムが特に好ましい。
【0127】
本発明のコレステリック反射フィルムに用いられる基材は、液晶デバイス、ディスプレイ、光学部品や光学フィルムに通常使用する基材であって、本発明の重合性液晶組成物の塗布後の乾燥時、あるいは、液晶デバイス製造時における加熱に耐えうる耐熱性を有する材料であれば、特に制限はない。そのような基材としては、ガラス基材、金属基材、セラミックス基材やプラスチック基材等の有機材料が挙げられる。特に基材が有機材料の場合、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロン、又はポリスチレン等が挙げられる。中でもポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレート、ポリカーボネート等のプラスチック基材が好ましい。
【0128】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物の塗布性や接着性向上のために、これらの基材の表面処理を行っても良い。表面処理として、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、シランカップリング処理などが挙げられる。また、光の透過率や反射率を調節するために、基材表面に有機薄膜、無機酸化物薄膜や金属薄膜等を蒸着など方法によって設ける、あるいは、光学的な付加価値をつけるために、基材がピックアップレンズ、ロッドレンズ、光ディスク、位相差フィルム、光拡散フィルム、カラーフィルター、等であっても良い。中でも付加価値がより高くなるピックアップレンズ、位相差フィルム、光拡散フィルム、カラーフィルターは好ましい。
【0129】
また、上記基材には、本発明の重合性液晶組成物を塗布乾燥した際に重合性液晶組成物が配向するように、通常配向処理が施されている、あるいは配向膜が設けられていることが好ましい。配向処理としては、延伸処理、ラビング処理、偏光紫外可視光照射処理、イオンビーム処理、等が挙げられる。配向膜を用いる場合、配向膜は公知慣用のものが用いられる。そのような配向膜としては、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、クマリン化合物、カルコン化合物、シンナメート化合物、フルギド化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、アリールエテン化合物等の化合物が挙げられる。ラビングにより配向処理する化合物は、配向処理、もしくは配向処理の後に加熱工程を入れることで材料の結晶化が促進されるものが好ましい。ラビング以外の配向処理を行う化合物の中では光配向材料を用いることが好ましい。
【0130】
本発明の重合性コレステリック液晶組成物を基材に塗布するための法としては、アプリケーター法、バーコーティング法、スピンコーティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、ディッピング等、公知慣用の方法を行うことができる。溶剤で希釈した重合性液晶組成物を塗布することが好ましい。使用する溶剤は、基材上に塗布した際に基材、あるいは、基材上に形成されている配向膜を溶解させないものであれば良い。また、使用する溶剤としては本発明の重合性コレステリック液晶組成物を良好に溶解性させるものが好ましい。使用することができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン等の芳香族系炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、等のアミド系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0131】
溶剤の比率は、本発明に用いられる重合性液晶組成物が通常塗布により行われることから、塗布した状態を著しく損なわない限りは特に制限はないが、重合性液晶組成物の固形分と溶剤の比率が0.1:99.9〜80:20が好ましく、塗布性を考慮すると、1:99〜60:40がさらに好ましい
溶剤を使用した場合、60〜100℃、さらに好ましくは80〜90℃で加熱して溶剤を揮発させることが好ましい。加熱時間は5秒〜3分が好ましい。
【0132】
本発明の重合性液晶組成物の重合操作については、重合性液晶組成物中の溶剤を乾燥等で除去した後、プレーナー配向した状態で一般に紫外線等の光照射によって行うのが好ましい。重合を光照射で行う場合は、具体的には390nm以下の紫外光を照射することが好ましく、250〜370nmの波長の光を照射することが最も好ましい。但し、390nm以下の紫外光により重合性液晶組成物が分解などを引き起こす場合は、390nm以上の紫外光で重合処理を行ったほうが好ましい場合もある。この光は、拡散光で、かつ偏光していない光であることが好ましい。紫外光の強度としては、1〜100mW/cm2が好ましく、2〜50mW/cm2が更に好ましく、5〜30mW/cm2が特に好ましい。照射エネルギーとしては5〜200mJ/cm2が好ましく、10〜150mJ/cm2が更に好ましく、20〜120mJ/cm2が特に好ましい。
【0133】
得られたコレステリック反射フィルムの耐溶剤特性や耐熱性の向上のために、コレステリック反射フィルムを加熱処理することもできる。その加熱温度は、基材として有機材料を使用する場合、基材のガラス転移点を越えない範囲での加熱が好ましい。
【実施例】
【0134】
以下に本発明を合成例、実施例、及び、比較例によって説明するが、もとより本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。また、ヘイズの測定は、日本電色工業株式会社製のNDH-2000を用いて行った。
(参考例1)重合性液晶コレステリック液晶組成物の調製
式(A−1)で表される重合性液晶化合物15.18%、式(A−2)で表される重合性液晶化合物6.50%、式(B−1)で表される重合性液晶化合物23.85%、式(B−2)で表される重合性液晶化合物32.52%、式(C−1)で表される重合性キラル化合物7.01%、式(D−1)で表される重合性液晶化合物8.67%、式(E−1)で表される液晶化合物3.25%、式(F−1)で表される光重合開始剤2.17%、式(F−2)で表される光重合開始剤0.44部、p−メトキシフェノール(E−1)0.44部を混合して重合性液晶コレステリック液晶組成物(1)を得た。
【0135】
【化94】

【0136】
【化95】

【0137】
【化96】

【0138】
【化97】

【0139】
【化98】

【0140】
【化99】

【0141】
【化100】

【0142】
【化101】

【0143】
【化102】

【0144】
(実施例1)
参考例1で調製した重合性コレステリック液晶組成物(1)に、水平配向添加剤として質量平均分子量1650のポリプロピレンを0.10%添加して本発明の重合性コレステリック液晶組成物(1’)を調製した。この重合性コレステリック液晶組成物(1’)に、トルエン30%、シクロヘキサノン30%を加えて、重合性液晶組成物(1’)の溶液を調製した。
【0145】
次に配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理して、本発明のコレステリック反射フィルム用基材とした。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。
【0146】
次に、ラビングした基材に重合性液晶組成物(A)の溶液をスピンコート法で塗布し、65℃で3分乾燥した。得られた塗膜を60℃のホットプレート上に置き、バンドパスフィルターで365nm付近のみの紫外光(UV光)が得られるように調整を行った高圧水銀ランプを用いて、15mW/cmの強度で10秒間UV光を照射した。次にバンドパスフィルターを取り外し、70mW/cmの強度で20秒間UV光を照射することで本発明のコレステリック反射フィルムを得た。
得られたコレステリック反射フィルムの膜厚は5.5μmであった。このコレステリック反射フィルムを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥はほとんど観察されなかった。また、ヘイズメーターNDH2000にてフィルムのヘイズを測定したところ、ヘイズは8.8%であった。
【0147】
(実施例2)
実施例1においてポリプロピレンを0.20%添加した以外は同様にしてコレステリック反射フィルムを得た。
得られたコレステリック反射フィルムの膜厚は5.5μmであった。このコレステリック反射フィルムを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥はほとんど観察されなかった。またフィルムのヘイズを測定したところ、ヘイズは4.8%であった。
【0148】
(実施例3)
実施例1においてポリプロピレンとして質量平均分子量が2119のものを0.1%添加した以外は同様にしてコレステリック反射フィルムを得た。得られたコレステリック反射フィルムの膜厚は5.5μmであった。このコレステリック反射フィルムを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥はほとんど観察されなかった。また、フィルムのヘイズを測定したところ、ヘイズは5.6%であった。
【0149】
(比較例1)
参考例1で調製した重合性コレステリック液晶組成物(1)に、トルエン30%、シクロヘキサノン30%を加えて、重合性液晶組成物(1)の溶液を調製した。
次に配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理して、本発明のコレステリック反射フィルム用基材とした。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。
【0150】
次に、ラビングした基材に重合性液晶組成物(1’)の溶液をスピンコート法で塗布し、65℃で3分乾燥した。得られた塗膜を60℃のホットプレート上に置き、バンドパスフィルターで365nm付近のみの紫外光(UV光)が得られるように調整を行った高圧水銀ランプを用いて、15mW/cmの強度で10秒間UV光を照射した。次にバンドパスフィルターを取り外し、70mW/cmの強度で20秒間UV光を照射することで本発明のコレステリック反射フィルムを得た。
得られたコレステリック反射フィルムの膜厚は5.5μmであった。このコレステリック反射フィルムを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥が極めて多く観察され、ほとんど水平配向していないことがわかった。また、ヘイズメーターNDH2000にてフィルムのヘイズを測定したところ、ヘイズは83.1%であった。
【0151】
(比較例2)
実施例1においてポリプロピレンとして質量平均分子量が878のものを0.1%添加した以外は同様にしてコレステリック反射フィルムを得た。得られたコレステリック反射フィルムの膜厚は5.5μmであった。このコレステリック反射フィルムを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥が多く観察された。また、フィルムのヘイズを測定したところ、ヘイズは21.8%であった。
【0152】
(比較例3)
実施例1においてポリプロピレンとして質量平均分子量が878のものを0.2%添加した以外は同様にしてコレステリック反射フィルムを得た。得られたコレステリック反射フィルムの膜厚は5.5μmであった。このコレステリック反射フィルムを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥が観察された。また、フィルムのヘイズを測定したところ、ヘイズは10.2%であった。
【0153】
(比較例4)
実施例1においてポリプロピレンに代えて質量平均分子量が1660のポリエチレンを0.1%添加した以外は同様にしてコレステリック反射フィルムを得た。得られたコレステリック反射フィルムの膜厚は5.5μmであった。このコレステリック反射フィルムを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥が極めて多く観察された。また、フィルムのヘイズを測定したところ、ヘイズは38.6%であった。
【0154】
(比較例5)
実施例1においてポリプロピレンに代えて質量平均分子量が1660のポリエチレンを0.2%添加した以外は同様にしてコレステリック反射フィルムを得た。得られたコレステリック反射フィルムの膜厚は5.5μmであった。このコレステリック反射フィルムを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥が極めて多く観察され、ほとんど水平配向していないことがわかった。また、フィルムのヘイズを測定したところ、ヘイズは60.4%であった。
【0155】
以上の結果を表1にまとめた。これらの結果から、本発明の重合性コレステリック液晶組成物を用いると、光散乱(ヘイズ)の小さい良質なコレステリック反射フィルムを作製できることがわかる。
【0156】
【表1】

【0157】
配向欠陥の基準(○:ほとんど無い、△:若干あり、×:多い、×:極めて多い)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性液晶材料、キラル材料、光重合開始剤、及び一般式(I)
【化1】

(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)で表される繰り返し単位を有する質量平均分子量が1300以上2180以下の化合物を含有することを特徴とする重合性コレステリック液晶組成物。
【請求項2】
一般式(I)で表される化合物の濃度が、0.05〜1.0質量%である請求項1記載の重合性コレステリック液晶組成物。
【請求項3】
一般式(II)
【化2】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spはそれぞれ独立的にスペーサー基を表し、i、は0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、Rは末端基、もしくは‐(Sp)i-P基と同じ意味を表す)で表される化合物を含有する請求項1または2に記載の重合性コレステリック液晶組成物。
【請求項4】
一般式(II)において、Spが炭素原子数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良く、MGが一般式(II-b)
【化3】

(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2 CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CONH-、-NHCO-又は単結合を表し、nは0、1、2又は3を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-、‐C=C−又は-C≡C-により置き換えられていても良い)で表される構造を表し、Pが一般式(II-c)、(II-d)又は、一般式(II-e)
【化4】

(式中、R21、R22、R23、R31、R32、及びR33はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、kは0又は1を表す。)で表される置換基を表す請求項3記載の重合性コレステリック液晶組成物。
【請求項5】
キラル材料が一般式(III)
【化5】

(一般式(III)において、Spが炭素原子数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良く、A4は1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z4は、-COO-、-OCO-、-CH2 CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CONH-、-NHCO-又は単結合を表し、mは0、1、2又は3を表しP1が一般式(III-a)、(III-b)又は、一般式(III-e)
【化6】

を表す)であることを特徴とする請求項1記載の重合性コレステリック液晶組成物。
【請求項6】
光重合開始剤が、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン、ベンジルメチルケタ−ル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオンから選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1記載の重合性コレステリック液晶組成物。
【請求項7】
請求項1から2記載の重合性コレステリック液晶組成物の硬化物であるコレステリック反射フィルム。

【公開番号】特開2013−35938(P2013−35938A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172883(P2011−172883)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】