説明

重炭酸ナトリウムペーストの製造方法

【課題】重炭酸ナトリウムの安定したペーストの製造方法。
【解決手段】重炭酸ナトリウムの水分を測定して水分含量が5%以下であることを確認する。この重炭酸ナトリウム100gを無水グリセリン30gに混和、撹拌してペーストを作成する。作成した重炭酸ナトリウムペーストを放置せず、速やかにガラス瓶などの気密性の容器に収容する。以上の工程により長期間安定した重炭酸ナトリウムのペーストが得られ、商品の市販が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重炭酸ナトリウムの安定したペーストの製造方法で、国際特許分類C11D、A61Kが主分類である。
【背景技術】
【0002】
重炭酸ナトリウムのペーストは、引用文献に示す様に、ペースト作成後長期の保存が出来ず、その用途があるにも関わらず商品として市販されなかった
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2007−146063号公報
【特許文献2】 特表2002−536395号公報
【非特許文献】
【非特許文献】 重曹でお洗濯 日本放送出版協会 コピー(30頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重炭酸ナトリウムのペーストは、非特許文献に示す様に長期保存が出来ず、商品として市販ができなかった。
【0005】
本発明は、重炭酸ナトリウムのペーストを危険な薬物を用いないで、長期保存ができる方法を追求したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非特許文献「重曹でお洗濯」はじめ「効く重曹パワー」など、日本国内で出版された重曹(重炭酸ナトリウム)関係文献60点余を検討したが、ペーストが記載されている文面には重炭酸ナトリウムペーストは使用時作成する、という記事のみで長期保存できるとは、そのすべての文献になかった。
【0007】
文献調査では重炭酸ナトリウムペーストが長期保存できない理由が解決できないので化学実験で、その原因を追求した。
【0008】
その結果、非特許文献など日本国内で出版されている重曹関係文献の著者は重炭酸ナトリウムペーストの作成に水、グリセリンを用いていることが判明した。
【0009】
さらに、重炭酸ナトリウムペーストが固まり、使用できなくなる原因を化学試験で追求した結果、重炭酸ナトリウムペーストに含まれる水分が主因であることが実験により確認された。
【0010】
重炭酸ナトリウムペーストに使用する重炭酸ナトリウムの水分を測定したところ、市販されている重炭酸ナトリウムにはモンゴル、アメリカなどの天然産のものがあり、その水分は一定せず10%以上含まれるものもみられた。
【0011】
また、前記の重曹に関するペースト作成に使用する水以外の混和材グリセリンについて追求した結果、ここに記載されているグリセリンは日本薬局方グリセリン又は工業用の含水グリセリンであり、このグリセリンとは別の薬品として、日本薬局方に記載される濃グリセリンではないことが化学実験から確認された。
【0012】
重炭酸ナトリウムペーストに使用する水を除く重炭酸ナトリウム、グリセリンの水分を化学実験の規定に従い濃硫酸、塩化カルシウムなどで脱水し、その水分含量を3%以下とし重炭酸ナトリウムペーストを作成したところ、100日以上300日でもペースト状態の変化はみられなかった。
【0013】
非特許文献[重曹でお洗濯」の著者岩尾明子氏をはじめ調査した日本国内の重曹関係出版著書の全著者が化学的見落としがあり、グリセリンと濃グリセリンとが化学薬品また日本薬局方としても別に分類され、その化学的性質も異なることを理解していないと判断された。
【発明の効果】
【0014】
重炭酸ナトリウムペーストの長期保存は不可能とされ、商品として市販ができなかったが、本発明により優秀な洗浄効果を保持した重炭酸ナトリウムペーストの市販が可能となり、市場拡大の期待が大きい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
重炭酸ナトリウムの水分を測定して水分含量が5%以下であることを確認する。
【0016】
この重炭酸ナトリウム100gを無水グリセリン30gに混和、攪拌してペーストを作成する。
【0017】
作成した重炭酸ナトリウムペーストを放置せず、速やかにガラス瓶などの気密性の容器に収容する。
【0018】
以上の工程により長期間安定した重炭酸ナトリウムのペーストが得られ、従来の重炭酸ナトリウムの洗浄範囲の拡大が期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水率が5%以内の重炭酸ナトリウムを40%以内の無水グリセリンと混和する重炭酸ナトリウムペーストの製造方法。

【公開番号】特開2010−209124(P2010−209124A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52641(P2009−52641)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(502287750)
【Fターム(参考)】