重畳層の印刷の改良
実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層を有するパネルを作成するための装置及び方法が提供される。アセンブリが、基体10と透過性コーティング30との間に挟まれたステンシル層20を備える。ステンシルは、リリース表面22、23を備える。コーティング30は、例えば保管及び/又は輸送のために、ステンシル層20を基体10に固定するのに寄与し、他の場合ではステンシル層20に浸透するおそれのあるマーキング材料49から、ステンシル層20を保護することができる。次いで、デザイン40及び下地層50、51が、コーティングの上に印刷される。次いで、力が加えられることによって、ステンシル層20の上に配設された下地層50、51、デザイン層40及びコーティング30が除去されて、ステンシル層を欠く基体の部分21の内側に、実質的に正確に重ね合わされた状態で、基体10に接着された下地層、デザイン層及びコーティングの残りの部分が残される。デザイン層は、基体ごしにライト・リーディングで視認可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、参照として本明細書に採用する、2006年11月14日に出願された「重畳層の印刷の改良」と題する米国仮特許出願第60/858,697号にもとづく優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、概して、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層を備える製品と、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層を備える製品を部分印刷する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
GB2118096、米国再発行特許37,186号、米国特許第4,925,705号、米国特許第6,267,052号、米国特許第6,899,775号、米国特許第6,824,639号、PCT/GB2003/004216及びPCT/IB2007/002324は、実質的に正確に重ね合わされたインク又は他のマーキング材料の重畳層を有する基体を部分印刷する方法を開示している。GB2118096、米国再発行特許37,186号、米国特許第4,925,705号及びPCT/IB2007/002324に開示される方法の1つは、基体の一部にステンシル又はインクを施し、その後マーキング材料の複数の層を施し、その後ステンシルで覆われた基体の部分の上のマーキング材料の複数の層を、及び適宜にはステンシル自体を除去して、基体の上に実質的に正確に重ね合わされて留まるマーキング材料の層を残すものである。このような方法は、例えば米国再発行特許37,186号による視覚制御パネルの製造において利用されている。米国再発行特許37,186号では、予め印刷されたステンシル層と、典型的にはブラック及びホワイトのインクの層とを備え、後にデザインの印刷及び不要なインクの除去によって最終製品に変換される「部分加工基体(part processed substrate)」の使用が開示されている。特許出願PCT/IB2007/002324は、そのような方法における、例えば米国再発行特許37,186号によるワンウェイ・ビジョン・パネルなどの視覚制御パネルのブラック層とホワイト層との間に例えば配設されるマーキング材料の層としてのメタライゼーションを開示している。このメタライゼーション層は、このような製品及びこのような製品の製造方法内において複数の想定される機能を果たすことが開示されている。シルバー色のメタライゼーション層が、ブラック層とホワイト層との間に配置される場合には、これは、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びプロセス・ブラック(K)からなる4色のプロセス・カラーなどのカラー層を上に重畳され、並びにこれらのようなカラー層をデザインするのに適切なホワイト地としての役割を果たす、比較的明るいホワイト表面の作成を助ける。また、例えば接着剤付きフィルム・アセンブリ(組立体)などにおける基体の下層及び/又は基体の他方の側の上の任意の接着剤などの溶剤に対して脆い場合があるステンシル層の、例えばデザイン・カラー・インクなどからの溶剤による侵食に対して、メタライゼーション層が、バリアとしての役割を果たす能力を有することが開示されている。しかし、典型的には、例えばアルミニウムなどのこのようなメタライゼーションは、非常に薄い層を含み、デジタル・インクジェット印刷インクにおいて一般的に使用されるいくつかの溶剤に対しては、バリア層としての作用においてある程度しか効果がない。また、窓の内側に貼られる視覚制御パネル、及び、透過性の基体の一方の側の上にデザインが裏刷りされる他の製品は、基体の他方の側から基体ごしに視認可能となるため、ステンシル材料とデザイン・カラー層(又は複数のデザイン・カラー層)と間のメタライゼーション層によって、金属堆積の厚さに応じてデザインの視認性が低下する、又はある程度低下する。
【0004】
例えば米国再発行特許37,186号に開示されるような先行技術のステンシル材料は、印刷可能であるが、除去が容易である必要があるため基体に強固には接着しない。また、典型的には、これらは砕けやすく、軽度の磨耗によってさえも容易に損傷を受ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つ又は複数の実施例が、視認制御パネル及び他の部分印刷される製品を印刷する方法を提供する。
【0006】
本発明の1つ又は複数の実施例が、実質的に無孔の基体と、透過性コーティングと、ステンシル層とを備えるアセンブリを提供する。ステンシル層は、基体とコーティングとの間に配設されるリリース表面を備える。アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する基体を含み、コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及びステンシル層を欠く部分とを有する。各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有する。コーティングは、基体から離れたステンシル層の表面の上に配置され、ステンシル層を欠く複数の部分のそれぞれの内側で基体にしっかりと接着される。
【0007】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、基体は、透過性、光透過性又は半透過性のものである。
【0008】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、アセンブリは、基体から離れたコーティングの側のアセンブリの上にリバース・リーディングで印刷され、基体ごしにライト・リーディングで視認可能なデザイン層を備える。下地層はデザイン層にわたって印刷されてもよい。
【0009】
種々のこれらの実施例によれば、アセンブリは、ロール状に巻かれる、又は、シート状に切断される。
【0010】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、コーティングは、連続しており、ステンシル層と、ステンシル層を欠く複数の部分の内側に位置する基体との間の各境界をまたぐ。
【0011】
種々のこれらの実施例によれば、リリース表面は、ステンシル層の基体側に配設される、及び/又は、ステンシル層のコーティング側に配設される。
【0012】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、コーティングは、2つの層を備え、2つの層の第1の層は、ステンシル層を基体に接着させ、2つの層の第2の層は、印刷受容表面を形成する。この第2の層は、基体から離れた第1の層の側に配設される。第1の及び第2の層は、それぞれ異なる材料のものである。
【0013】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、コーティングは、第3の層をさらに備え、この第3の層は、溶剤ベース・インクに対して実質的に不浸透性であり、基体から離れた第1の層の側に配設される。第3の層は、コーティングの第1及び第2の層とは異なる材料のものである。
【0014】
種々のこれらの実施例によれば、ステンシルは、透過性、光透過性、無色透明又は半透過性のものであってよい。
【0015】
本発明の別の実施例が、1つ又は複数の上述の実施例によるアセンブリにデザインを施す方法を提供する。この方法は、基体から離れたコーティングの側のアセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階を含む。複数の層は、デザイン層及び下地カラー層を備える。デザイン層は、リバース・リーディングで施され、基体ごしにライト・リーディングで視認可能である。
【0016】
本発明の別の実施例が、1つ又は複数の上述の実施例によるアセンブリにデザインを施す方法を提供する。この方法は、基体から離れたコーティングの側のアセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階を含み、複数の層は、デザイン層及び下地カラー層を備え、デザイン層は、下地カラー層と基体との間に配設され、基体ごしに視認可能である。
【0017】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、この方法は、アセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階の前に、第1の地理的位置から、第1の地理的位置から少なくとも1.6km(1マイル)離れた第2の地理的位置に、アセンブリを輸送する段階をさらに含む。
【0018】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、この方法は、第1の地理的位置から第2の地理的位置にアセンブリを輸送する段階の前に、アセンブリをロール状に巻く段階をさらに含む。この方法は、アセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階の前に、巻かれたアセンブリを広げる段階をさらに含む。
【0019】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、このアセンブリは、ロール状に巻かれ、この方法はさらに、アセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階の前に、アセンブリを広げる段階を含む。
【0020】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、この方法は、マーキング材料の複数の層に力を加える段階をさらに含む。この力によって、ステンシル層の上に配設されたコーティングとマーキング材料の複数の層とが実質的に除去されると共に、ステンシル層を欠く複数の部分の端部の内側に、実質的に正確に重ね合わされた状態で、基体に接着されたコーティング及びマーキング材料の複数の層が残される。
【0021】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、マーキング材料の複数の層は、ステンシル層の上に直接印刷された場合にはステンシル層に浸透するマーキング材料を含む。
【0022】
本発明の別の実施例によれば、アセンブリが、実質的に無孔の基体と、部分接着される透過性コーティングと、ステンシル層とを備え、前記ステンシル層は、あるステンシル・パターンになっており、前記ステンシル層は、リリース表面を備え、前記ステンシル・パターンは、印刷パターンの陰画であり、したがって印刷パターンを画定し、前記アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する前記基体を含み、前記部分接着される透過性コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及びステンシル層を欠く部分とを有し、各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有し、前記部分接着される透過性コーティングは、前記基体から離れた前記ステンシル層の表面の上に配置され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分のそれぞれの内側で前記基体にしっかりと接着され、前記アセンブリは、前記印刷パターンの内側にマーキング材料の複数の層を備え、前記複数のマーキング材料の端部が実質的に正確に重ね合わされたパネルに変換させることが可能である。
【0023】
1つ又は複数の上述の実施例は、実質的に無孔の基体を備えるパネルに変換可能なものであってよく、印刷パターンが、実質的に正確に重ね合わされて重畳された透過性コーティング及びマーキング材料の複数の層を備え、前記印刷パターンは、パネルを前記マーキング材料の複数の離散区域及び/又は前記マーキング材料を欠く複数の離散区域にさらに区分し、前記パネルの断面が、2つの外方端部と、複数の交互の印刷された部分及び印刷されない部分とを有する前記基体を備え、前記印刷された部分はそれぞれ、2つの外方端部を有し、前記印刷された部分の1つが、2つの外方端部を有する前記透過性コーティングの一部を含み、前記マーキング材料の層の一部が、2つの外方端部を有し、前記マーキング材料の別の層の一部が、2つの外方端部を有し、前記印刷された部分の前記1つの内側で、前記透過性コーティングの前記部分の前記2つの外方端部の一方と、前記マーキング材料の層の前記部分の前記2つの外方端部の一方と、前記マーキング材料の別の層の前記部分の前記2つの外方端部の一方とが、実質的に整列される。
【0024】
さらに、1つ又は複数のこれらの実施例によれば、アセンブリを構成する方法が、
(i)前記基体に前記ステンシル・パターンの前記ステンシル層を施す段階であって、前記ステンシル・パターンは、前記基体を、前記ステンシル層の複数の離散区域及び/又は前記ステンシル層を欠く複数の離散区域にさらに区分する段階と
(ii)前記基体及び前記ステンシル・パターンの上に前記部分接着される透過性コーティングを施す段階であって、前記部分接着される透過性コーティングは、前記ステンシル層を欠く前記基体の部分にしっかりと接着される段階とを含む。
【0025】
1つ又は複数の上述のアセンブリは、
(i)前記部分接着される透過性コーティングにマーキング材料の複数の層を施す段階と、
(ii)マーキング材料の前記複数の層の露出表面に力を加える段階であって、前記力は、前記ステンシル層の上から前記部分接着されるコーティング及び前記マーキング材料を実質的に除去し、前記印刷パターンの端部の内側に実質的に正確に重ね合わされた状態で前記透過性コーティング及びマーキング材料の前記複数の層を残す段階とをさらに含む方法によって、パネルに変換可能であってよい。
【0026】
以下の定義が本明細書に適用される。
【0027】
「基体」は、例えば全体的に施された印刷受容コーティング若しくは印刷されたインク層を含む、同種の材料又は多層材料からなる単一のシートである。基体は、例えば印刷の位置合わせのために、又は印刷機若しくは他の機械による基体の送給のために使用し得る任意のホールを除いては、無孔である。基体は、例えばプラスチック、ガラス、金属、木材、紙及び複合材料などの、不透過性、半透過性、透過性又は光透過性の材料を含む任意の材料のものであることが可能である。
【0028】
「透過性材料」は、透過性材料の一方の側に施される像が透過性材料の他方の側から透過性材料ごしに視認可能な、無色透明又は着色された材料である。透過性材料の例としては、ガラス、プラスチック・フィルム(ポリ塩化ビニル(pvc)・フィルム、ポリエステル・フィルム、ポリエチレン・フィルム、ポリプロピレン・フィルム、及びポリカーボネ−ト・フィルムを含む)、並びに剛性又は半剛性プラスチック・シート(例えばアセテート・シート、アクリル・シート、ポリカーボネ−ト・シート、及びpvcシートなどを含む)が含まれる。
【0029】
「光透過性材料」は、観察者が、その材料を透視することが可能であり、パネルの他方の側から離間された物体の上に明確に焦点を合わせることが可能となる、無色透明又は着色された材料である。光透過性材料の例としては、2つの実質的に平行な平坦表面を有する、ガラス、プラスチック・フィルム(pvcフィルム、ポリエステル・フィルム、ポリエチレン・フィルム、ポリプロピレン・フィルム、及びポリカーボネ−ト・フィルムを含む)、並びに剛性又は半剛性プラスチック・シート(例えばアセテート・シート、アクリル・シート、ポリカーボネ−ト・シート、及びpvcシートなどを含む)が含まれる。
【0030】
「印刷パターン」は、複数の印刷された層を含み、この印刷された層は、パネルを、複数の離散した、印刷された区域、及び/又は複数の離散した、印刷された層を欠く区域にさらに区分される。印刷パターンの例としては、ドット又はラインのパターン、或いは格子状、網状又はフィリグリーのパターンが含まれる。印刷パターンは、規則的な又は不規則なパターンであってよい。
【0031】
「ステンシル・パターン」は、印刷パターンの陰画であり、アセンブリを、ステンシル材料の複数の離散区域及び/又はステンシル材料を欠く複数の区域にさらに区分する。
【0032】
「デザイン」は、典型的には下地カラー層の前に重畳されているのが観察される1つ又は複数の「デザイン層」の視認可能な像である。
【0033】
「デザイン層」は、少なくとも1つの「デザイン・カラー層」を含み、インクの単一デザイン・カラー層又は多色プロセス層などの、単一の材料からなる単一層であることが可能であり、典型的には、例えばシアン、マゼンタ、イエロー及びプロセス・ブラックなどの個々のデザイン・カラー層の堆積は、デザイン層内で不連続である。
【0034】
本発明のこの第1の実施例においては、典型的には、アセンブリは、実質的に正確に重ね合わされて1つ又は複数の端部で端部同士が接しているマーキング材料の層で部分的に覆われたパネルに変換されることが意図される。ステンシルは、例えばステンシル層を印刷することによって、基体の上に形成される。基体及びステンシル層は、ステンシル・パターンの区域又は複数の区域の外側で基体に接着される「部分接着される透過性コーティング」(本明細書においてはしばしば「PATコーティング」と略称される)で覆われる。しかし、ステンシルのリリース表面によって、コーティングがステンシル・パターンの区域又は複数の区域の全体にわたって基体に強力に接合することが防がれ、したがってこのコーティングは、本明細書においては、基体に部分接着される、又は差分的に接着されると呼ばれる。部分接着される透過性コーティングは、多目的特性又は多機能特性を有するという意味において複雑である。
【0035】
アセンブリを変換して最終パネルを形成することは、ステンシル層及び露出される基体表面の一部又は全てにわたって、PATコーティングの上にマーキング材料の複数の層を施すことと、その後に、印刷パターンの区域又は複数の区域の外側の、マーキング材料の複数の層及び部分接着される透過性コーティングの一部を選択的に除去することと、適宜にステンシル層を除去して、実質的に1つ又は複数の端部同士が接した状態で、実質的に正確に重ね合わされた状態でマーキング材料の残りの層を残すことを含む。
【0036】
本発明のこの第1の実施例においては、典型的には、多用途の「部分接着される透過性コーティング」は、
(i)基体の上にステンシル層を保持し、
(ii)磨耗からステンシルを保護し、
(iii)上に施されるマーキング材料に対する受容コーティングを形成し、
(iv)
(a)アセンブリの取扱い、パッキング及び輸送、並びに
(b)後の例えば溶剤インクなどのマーキング材料の層の施布
において、有害物質からステンシルを保護するためにバリア層を形成し、並びに
(v)ステンシル層が基体から離れたリリース表面を備える場合には、これは、例えば硬化作用を及ぼす、又は、リリース表面から印刷パターン内にインク堆積物を転移させることにより像の全体的な汚れを生じさせるなどの、リリース表面に施されるマーキング材料の難点及び/又は望ましくない作用を防ぐ。
【0037】
部分接着される透過性コーティングは、所要のコーティング厚及び/又は複数の異なる材料を形成して種々の機能を実行するために、単一層又は同一材料からなる複数の層を適宜に含む。
【0038】
したがって、典型的には、部分接着される透過性コーティングは、イメージング表面を形成し、イメージング表面からステンシル・リリース表面を分離させ、離間させ、保護する。ステンシル層は、適宜、
(i)基体に施され、例えば基体の表面の上に印刷され、
(ii)例えば共有押出成形プロセスにおいて、基体の一体部分として形成され、及び/又は
(iii)任意には、基体の内側の施布層又は一体層をアブレーションすることにより形成される。
【0039】
ステンシル層は、適宜、
(a)基体に隣接する、又は
(b)基体から離れている。
これらの2つのタイプのステンシルは、
「基体リリース・ステンシル」、又は
「遠隔リリース・ステンシル」
と呼ばれる場合がある。
【0040】
例えば、Lexan(登録商標)ポリカーボネ−ト・フィルムが、Marguard(登録商標)引っかき抵抗性低エネルギー表面を備え、ステンシル・パターンの外側の区域又は複数の区域が、例えばレーザ・エッチングなどのアブレーションを受けて、印刷パターンの区域で基体の親材を露出された状態にする(Lexan(登録商標)及びMarguard(登録商標)は米国のGE Plastics社の商標である)。この場合、ステンシル層は、残りの引っかき抵抗性コーティングを含み、この引っかき抵抗性表面は、リリース表面を含む。「引っかき抵抗性」とは、相対的な言葉であって、このような表面は、依然として引っかき及び汚れを被り、典型的には、引っかき抵抗性表面の上の部分接着される透過性コーティングは、多様な保護機能を、並びに任意には基体の親材に対する優れた像受容特性を実現する。
【0041】
典型的には、基体リリース・ステンシルは、ステンシルの上のマーキング材料の層と共に除去されるのに十分な程度に、マーキング材料の施布層に接合される。適宜には、基体リリース・ステンシルは、別個のステンシル除去プロセスにおいて除去される。
【0042】
遠隔リリース・ステンシルは、ステンシルの上方のマーキング材料の重畳層を除去するプロセスにおいては除去されず、
(i)最終製品の一部として保持されるか、又は
(ii)別個のステンシル除去プロセスにおいて除去されるか
のいずれかである。
【0043】
遠隔リリース・ステンシルの場合には、部分的に貼られる透過性コーティングは、ステンシル・リリース表面を保護するバリア層としての役割を果たし、典型的には、材料の取扱い、パッキング及び輸送の通常のプロセスにおいて直面する任意の有害物質を、又は、例えばステンシル層の機能の発揮を冒し、影響を及ぼし得る液体インク中の溶剤などの、マーキング材料層自体の中の有害物質を阻止する、或いは吸収する。
【0044】
さらに、部分接着される透過性コーティングは、リリース表面からマーキング材料を物理的に分離させる重要な機能を実現する。典型的には、リリース表面は、低表面エネルギーのものであり、従来のマーキング材料に対して受容的なものではない。例えば、典型的には、溶剤インクジェット・インクは、このような表面に対して展性がない、又は接着しないが、合着してインク球になり、これらのインク球は、リリース表面に接着せずに、転移(又は側方移動)し、印刷パターンの内側のインク堆積を汚しやすい。典型的には、UV硬化インクは、リリース表面の上で硬化するが、例えばUVインクジェット機の離散的なシアン、マゼンタ、イエロー及びプロセス・ブラックの堆積は、リリース表面には接着しない場合があり、表面に沿って「滑動」し、印刷パターンの内側の、上に印刷される層を汚しやすく、又は印刷機を汚しやすく、後の印刷プロセスに影響を及ぼす。好ましくは、部分接着される透過性コーティングは、マーキング材料の上に施される層に対して受容的であり、典型的には、それぞれ異なるコーティングが、それぞれ異なるタイプのイメージング・システムに対して望ましい。観察者が、例えば米国再発行特許37,186号などによる例えばシースルー・グラフィック・パネルなどにおいて、基体ごしに所望の演色又は知覚色を観察するためには、基体が透過性である場合には、部分接着される透過性コーティングは、やはり典型的には透過性である必要がある。ステンシル材料が着色されていると、基体に着色剤が移動する危険があるため、好ましくは、ステンシル材料は、無色透明である。
【0045】
ステンシル層の主要な機能は、基体への大きな接合性を有することではなく、その上方のマーキング材料の不要な層と共に容易に除去可能であることであるため、典型的には、基体リリース・ステンシルは、例えば手擦れなどの非常に軽度の磨耗力によってさえも除去されることを含め、損傷に対して非常に脆い。部分接着される透過性コーティングの主要な機能は、ある範囲の特定の又は不特定の荷重条件の下で、所要の区域又は複数の区域で基体の表面の上のステンシル層を保持することである。例えば、アセンブリが、プリンタにより変換される「部分加工材料(Part Processed Material)」である場合には、好ましくは、このアセンブリは、典型的には部分加工材料シートの積重ねを含むシートの取扱いによって与えられる表面摩擦力、又は部分加工材料をロール形態に巻く、及びロール形態の部分加工材料を広げることによって与えられる摩擦力に対する耐性を有するべきである。このアセンブリは、印刷機にとって望ましいサイズへのシートのギロチン切断又はロールのスリッティング、任意のバンディング及びパレッティングを含むその後のパッキング、倉庫での取扱いの衝撃及び振動、シート又はロールの形態での配送、アンパッキング、保管、例えば印刷機などのイメージング・システムまでの取扱い又はイメージング・システムによる処理、並びに、例えばスクリーン印刷機の給送端部上のクリーニング及び帯電防止ローラ処理ユニットにより、印刷プロセスにおいて埃を除去し、部分加工材料に埃が引きつけられるのを低減させるなどの、任意の帯電防止プロセス又は他の基体クリーニング・プロセスの際に、大きな損傷を伴うことなく、使用可能な状態に留まることが可能であるべきである。
【0046】
ステンシル層は、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷又はロータリー・スクリーン印刷などの任意のウェブ印刷によりフィルム基体のロールの上に印刷することが可能である。好ましくは、ステンシルは、「ディープ・エッチ」グラビア・シリンダ又はローラにより施され、部分接着される透過性コーティングは、アニロックス・シリンダ・ローラにより施され、アニロックス・ローラは、密集した液体堆積物であるコーティングのアレイを施し、この堆積物の広がりが実質的に均一な層を形成する。
【0047】
部分接着される透過性コーティングは、印刷パターンの区域又は複数の区域の全体にわたり接着することによって、ステンシル層を基体に対して保持し、イメージングの前に受ける使用応力に耐えることが可能である。しかし、ステンシルを基体に「留める」と表現することが可能なこの機能を実現することは、容易ではない。仮にこの機能が、保持の一方に限定されるのであれば、好ましくは、部分接着される透過性コーティングは、UV硬化材料の「化学架橋」の特長により実現される大きな引張強度を有する厚いUV硬化コーティングを例えば用いることによって、ステンシル層を押え付けるための、時として「膜」又は「面内」引張強度と呼ばれる大きな引張強度を有すればよい。しかし、典型的には、このような厚いUV硬化コーティングは、ステンシル層及びステンシル層の上方のマーキング材料の重畳層の除去に必要な、ステンシル層の端部又は境界部の周辺での後の「インク破砕作用」を、不能にしてしまう。したがって、好ましくは、部分接着される透過性コーティングは、使用荷重下におけるインク破砕及びステンシルの除去に耐えるに十分な引張強度を有するが、マーキング材料の複数の層を施した後には、例えばプラスチゾル・インク若しくは接着剤付きフィルムなどの接着表面の施布及び除去によって、又は、例えば研磨媒体を用いる若しくは用いない水噴射若しくは空気噴射による噴射によってなど、インク破砕及び不要な材料の除去が確実に可能である。
【0048】
部分接着される透過性コーティングの別の想定し得る重要な機能は、例えばステンシル層内に「ピンホール」又はさらに大きなホールを形成するおそれがある、溶剤によるステンシル層の侵食を防ぐ、又は改善することである。溶剤によるステンシル層の侵食が防がれない、又は改善されない場合には、ステンシル・パターンの区域又は複数の区域の内側の基体へのマーキング材料の接着が生じることがあり、このマーキング材料は、例えば視認制御パネルの中で透過性である必要がある区域になど、最終パネルにイメージングされるべきではない。部分接着される透過性コーティングは、溶剤の侵食及び溶剤の浸透に対して少なくともある程度の耐性を有する。典型的には、透過性インク・ラッカー及び透過性インク・ワニスは、例えばインク流の助けとなる添加物を含む結合剤を主として含むため、ホワイト・インク及びブラック・インクを含む着色され彩色されたインクよりも浸透性が低い。例えば、水及び他の風化作用物質をはじいて、推奨される5年の最低屋外耐久性を実現するなど、通常は異なる先行技術の目的に対して使用されるCoates Vynaglaze(商標)オーバープリント・ワニス4795を含む透過性コーティングは、主として合成アクリル・ベース樹脂を含む。Coatesインクは、日本の東京に所在の大日本インキ化学工業株式会社(DIC)の一部門であるサン・ケミカル社により製造されている。
【0049】
本発明の1つ又は複数の実施例による透過性コーティングの、溶剤の侵食に対する耐性は、例えば溶剤ワイプ・テスト(solvent wipe test)などの、コーティング技術における簡単ではあるが公認された方法により測定することが可能である。典型的には、溶剤ワイプ・テストでは、コーティングを、無色透明の材料から、例えば染料の添加により着色された材料へと改変し、例えばホワイト表面などのコントラスト色の表面の上に印刷することが必要となる。次いで、透過性コーティングを、溶剤を染み込ませた綿棒の「先端部」で繰り返し擦る。例えば、工業用メタレート・アルコール(IMS: industrial methalated spirits)に対する耐性を測定する場合には、一般的には、コーティングを、例えば20回、40回、60回など、それぞれ別個のIMSを染み込ませた綿棒の先端部で擦る。コーティングを突破するのに要する擦る回数は、例えばホワイトなどの下層の色彩が染色されたコーティングごしに視認可能になる時の回数である。本発明の1つ又は複数の実施例によれば、多様なインク溶剤に耐えるのに適したコーティングは、IMSを染み込ませた綿棒の先端部で、少なくとも20回、好ましくは40回、さらに好ましくは60回擦られることに耐える。
【0050】
任意には、アセンブリのイメージング表面は、基体から離れた部分接着される透過性コーティングの表面であり、第2の実施例においては、典型的には部分接着される透過性コーティングのステンシル接着保護層に対して直接施された、追加の像受容層の表面である。
【0051】
第3の実施例においては、部分接着される透過性コーティングは、3つの異なる層を備え、1つが、ステンシルを基体に接着させ、物理的に幾分か保護し、第2の層が、インク溶剤又は他の有害物質から化学的に保護し、第3の層が、印刷受容表面を形成する。
【0052】
典型的には、イメージング表面は、例えば
(a)溶剤ベース・インク、及び/又は
(b)水ベース・インク、及び/又は
(c)UV硬化可能インク、及び/又は
(d)トナー、及び/又は
(e)熱転写着色樹脂
など、1つ又は複数のイメージング・システムに対して受容的である。
【0053】
デザイン層用に可能なイメージング・システムとしては、スクリーン印刷、リソ印刷、デジタル・インクジェット印刷、レーザ印刷、並びに、例えば積層及び層状剥離機内の加熱されたローラなどによって例えばポリエステル・フィルムなどの担持膜から転写された、又は、例えばGerber Edge(商標)(米国のGerber Scientific Instruments社の商標)などのようなデジタル印刷機などにおいてデジタル転写された、時として例えば着色樹脂などの熱的物質移動と呼ばれる熱的転写印刷が含まれる。
【0054】
任意には、部分接着される透過性コーティングの1つ又は複数の層は、予め形成された部分加工材料アセンブリの一部ではなく、デザインを印刷する前にプリンタによって施され、例えばこれは、別のイメージング・システムと共に使用することが可能な、又は任意の必要な印刷受容処理を除く一般的用途向けの部分加工材料に施される、ある特定のイメージング・システム用の印刷受容コーティングなどである。任意には、印刷受容処理は、コーティングでなく、例えばデザインを印刷する前にプリンタにより施されるコロナ処理である。
【0055】
典型的には、マーキング材料の複数の重畳層は、イメージング表面に施される。マーキング材料の複数の層は、例えば、
(i)典型的には、ある特定の印刷又はコーティング・システムによって単一層に典型的に又は従来式に施されたマーキング材料の全厚よりも厚いマーキング材料の全厚を形成する、単一タイプのマーキング材料からなる単一色の複数の層或いは
(ii)典型的にはそれぞれ異なる機能的特性を実現する、実質的に同一色であるがそれぞれ異なる材料からなる複数の層であって、例えばPATコーティングに直接施される層の材料は、典型的には主にPATコーティングへの接合性により選択され、例えば基体から離れた層は、時として引っかき抵抗性(SR)を有すると呼ばれる摩擦抵抗性により選択される場合がある層、或いは
(iii)例えばブラック層の上に重畳されるホワイト又は均一の色の印刷パターンを含む単純なワンウェイ・ビジョン・パネルを作成するための、種々の均一色の同一タイプのマーキング材料であって、例えば、ホワイト又は均一色の層は、例えばワンウェイ・ビジョン壁部を有するスカッシュ・コート内の黒いスカッシュ・ボール又は白いスカッシュ・ボールなど、物体の視認性に対して最適なコントラストを提供し、及び/又は、比較的高い反射率及びそれによる部分印刷された表面の位置の視認性のためのものであり、及び/又は、車両若しくは建造物に進入する太陽エネルギーの低減のためのものであり、典型的にはブラック層によって、パネルの他方の側からの良好な透視が可能になる、マーキング材料、或いは
(iv)例えば(ii)及び(iii)の要件の組合せを実現するための、種々の均一色のそれぞれ異なるタイプのマーキング材料、或いは
(v)例えばスクリーン印刷若しくはデジタル・インクジェット印刷などの単一の印刷プロセスを利用してシースルー・グラフィック・パネルを作成するための、同一タイプのマーキング材料からなる下地層又は複数の下地層を含む印刷パターン上に重畳されるデザイン、或いは
(vi)1つのタイプのマーキング材料中に重畳され、例えばデジタル溶剤インクジェット印刷などの1つのイメージング・システムによって施されるデザインであって、例えば典型的には着色樹脂の熱転写若しくはスクリーン印刷などの異なるイメージング・システムによって施される別のタイプのマーキング材料によって施される1つ又は複数の下地カラー層と組み合わされるデザインを含む。
【0056】
任意には、デザイン層は、物理的に独立した層ではなく、例えば染料着色剤などであり、これは部分接着される透過性コーティング内に吸収される。
【0057】
マーキング材料の均一層は、例えば米国のIllinois Tool Works社の一部門であるCodingによるホワイト・オン・ブラック着色樹脂層など、例えばスプレー塗布、ローラ・コーティングなどの別のコーティング・プロセスによって、若しくは層の熱転写によって、適宜印刷され、又は施される。
【0058】
典型的には、不要な材料の除去は、「インク破砕作用」を含み、典型的にはこのインク破砕作用は、構造工学の技術においてはせん断破損として知られているものに似ている。典型的には、インク破砕作用は、脆弱箇所又は脆弱ラインから生じる、この場合においてはステンシル層の端部からマーキング材料の複数の層にわたって生じる「破砕表面」又は割れ目によって、特徴付けられる。典型的なせん断破損の状態においては、インク破砕表面は、加えられる力の方向に対して約45°の角度となる。実際の破損の状態は、マーキング材料の性質に左右され、例えばアクリル成分及びポリ塩化ビニル成分の両方を有するいわゆるpvcインクは、アクリルの割合が高くなるほどより脆弱になり、ポリ塩化ビニルの割合が高くなるほどより可塑性になり、この後者によれば、不慮の破砕が生じるまでに材料はさらにひずむ(伸展する又は伸張する)。このことにより、例えば視覚制御パネルにおいて透過性である必要がある区域又は複数の区域内などで印刷パターンの所望の端部を越えて延在する、マーキング材料の不要な「フラップ」「テール」又は「タング」がもたらされる可能性がある。
【0059】
その結果、部分接着される透過性コーティングの機能の発揮は、困難になるため、適切な材料を選択することは、その複数の機能の十分な発揮にとって重要である。ステンシル材料、部分接着されるコーティング材料及びマーキング材料(又は複数のマーキング材料)が、適切に選択され、適切に基体に施される場合にのみ、インク破砕作用及び不要な材料の除去によって、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層が残される。また、インク層の乾燥又は硬化も、適切なインク破砕作用を可能にするためには重要であり、例えば、典型的には溶剤インクは、グラフィック製品の従来の作成におけるものよりも、高い空気流速及び/又は高い温度及び/又は長い乾燥期間を要する。
【0060】
しばしば、「正確な重ね合わせ」という語は、少なくとも
(i)印刷機の許容公差と、
(ii)基体送給公差と、
(iii)ある特定の基体の上のある特定のマーキング材料についての「ドット・ゲイン」又は「ドット・ロス」と、多くの場合においては
(iv)例えば温度及び/又は湿度の変化などによる、例えば後のイメージング及び硬化サイクルなどにおける、基体の寸方変動と
によって重ね合わせの欠陥を不可避に被るプロセスを説明するために用いられることを含め、印刷業界において、特に印刷機の市場での売買において、誤用される。
【0061】
本発明の1つ又は複数の実施例のコンテクストにおいては、「正確な重ね合わせ」又は「実質的に正確な重ね合わせ」という語は、不要な材料の除去後のマーキング材料の複数の重畳層の端部の整列が、典型的には45°のインク破砕作用又は破損状態に一致し、マーキング材料の複数の層の全厚のオーダが、典型的には20ミクロン未満及び通常は10ミクロン未満であることを意味する。この重ね合わせの欠陥は、ある特定のマーキング材料の上述の引張ひずみ特性により大きくなるおそれがある。典型的には、インク破砕作用又は破損状態は、光学顕微鏡の補助により観察することが可能であり、典型的には例えばマーキング材料の各層は、印刷パターンの各端部にて視認することが可能であり、例えばドットの印刷パターン内の各ドットの周囲のリングなどであり、これは、切頭円錐表面を有すると説明することができる。しかし、このような重ね合わせの欠陥は、典型的な印刷された部分の幅と比較すると極めて小さなものである。例えばスクリーン印刷における0.1又は0.2mmなどの印刷重畳層の重ね合わせの通常の欠陥と比較した場合に、例えば1.0mm径のドットの端部の垂直整列における10ミクロンは、本発明の1つ又は複数の実施例による方法によって実現される「正確な重ね合わせ」又は「実質的に正確な重ね合わせ」という語を正当化するに足りる。インク破砕は、境界をまたぐため、典型的には、マーキング材料の連続層の境界では、重ね合わせの欠陥は存在しない。典型的には、任意の2つの連続する印刷された層の重ね合わせの欠陥とは、これら2つの層の最大全厚部分である。
【0062】
典型的には、UV硬化インクは、化学架橋により、滑らかなインク破砕作用を実現するのに適さず、例えば、UV硬化インクの典型的な大きな面内引張強度によって、このような破砕は妨げられ、又はぎざぎざ状の一貫性のない破砕作用が生じ、例えば表面UVインク層は、印刷パターンの所望の端部から離れたラインに沿って「折り返される」又は破砕する。しかし、溶剤ベースの部分接着される透過性コーティングと溶剤インク下地カラー層との間に、中間の薄いUV効果インクジェット・デザイン層を「挟む」ことが可能であり、これらは、UV硬化インクジェット層内を含む印刷パターンの端部に沿って所望の位置で完全な破砕を生じさせることに寄与する。これは、典型的には、大きな引張強度を有する極めて柔軟性の高いポリ塩化ビニル・フィルムの裂開が、それが接着されるさらに脆弱なガラス・シートの破損のラインに沿って始まり、その位置にもたらされる、積層されたガラスの破砕に類似している。
【0063】
この方法は、多様な不透過性、透過性、光透過性又は半透過性の基体の上に、実質的に正確に重ね合わせてマーキング材料の層を重畳することが望ましい多様な製品を作成するために、使用することが可能である。特に、この方法は、例えば米国再発行特許37,186号によるいわゆるワンウェイ・ビジョン・パネルを作成するためにホワイト層及びブラック層に続いて、又は、透過性基体の一方の側から照明することが可能な米国特許第6,212,805号によるパネルを作成するために半透過性ホワイト層に続いて、透過性基体の一方の側の上にリバース・リーディングで印刷され、基体の他方側からライト・リーディングで視認可能なデザインを備える視覚制御パネルを作成するのに適している。また、部分加工材料アセンブリは、米国再発行特許37,186号による、一方側から視認可能な1つのデザインと、パネルの他方側から視認可能な別のデザインとを有するシースルー・グラフィック・パネルを作成するために、特に有効である。
【0064】
また、この方法は、透過性の、又は非ホワイト不透過性の基体の上に離散する印を印刷するのに有効であり、その場合には、各印のデザイン・カラー層又は複数のデザイン・カラー層に実質的に正確に重ね合わされたホワイト地層を形成することがやはり望ましい。
【0065】
本発明の1つ又は複数の実施例の別の用途としては、典型的には、通常の重ね合わせの欠陥により、隣り合う区域の分離が生じるか、又は隣り合う区域の重なりが視認可能になる、それぞれ異なるカラーの当接区域の問題を解消することである。第1のデザイン・カラー層は、第2のデザイン・カラー層の隣接区域並びに隣接区域の全体の下に延在する。典型的には、第1のデザイン・カラー層は、第2のカラー区域の非共通の境界又は非共通の複数の境界と端部で接しており、典型的には「きれいな」相互境界を有する所望のカラーの2つの区域が得られる。
【0066】
典型的には、アセンブリのある特定の断面を得ることが可能であり、この断面は、2つの外方端部を有する基体、2つの外方端部を有する部分接着される透過性コーティング、及びリリース表面を備えるステンシル層を備え、このステンシル層は、印刷パターンの陰画であり、したがって印刷パターンを画定し、ステンシル層は、複数の交互の「ステンシル層部分」及び「ステンシル層を欠く部分」を備え、各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有し、部分接着される透過性コーティングは、ステンシル層を欠く前記複数の部分の内側で基体にしっかりと接着される。有利には、部分接着される透過性コーティングの2つの外方端部は、ステンシル層の2つの外方端部の内側に位置して、後の不要なマーキング材料の除去を補助し、それによりステンシル層は、接着層の除去又は噴射により加えられる除去力にさらされる。任意には、この断面は、部分接着される透過性コーティングに施される印刷受容層を備え、印刷受容層は、2つの外方端部を有する。
【0067】
典型的には、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層を含む、変換されたアセンブリのパネルのある特定の断面を得ることが可能であり、この特定の断面は、変換前のアセンブリの特定の断面と同一の位置におけるものであって、この断面は、2つの外方端部を有する基体と、部分接着される透過性コーティング、デザイン層及び下地カラー層を含む印刷パターンとを含み、印刷パターンは、複数の交互の「印刷された部分」及び「印刷されない部分」を含み、印刷された各部分は、2つの外方端部を有する。印刷された部分の少なくとも1つが、2つの外方端部を有する部分接着される透過性コーティングの一部を含み、デザイン層の一部が、2つの外方端部を含み、下地カラー層の一部が、2つの外方端部を有し、下地カラー層は、印刷された部分の2つの外方端部の間の全幅にわたって延在する。少なくとも2つの隣接する印刷された部分が、イメージング材料からなる「デザイン層」の一部を含み、これは、典型的には下地カラー層の下に位置するが、任意には下地カラー層の上に位置する。任意には、印刷された部分の少なくとも1つにおいて、部分接着される透過性コーティングの部分の2つの外方端部と、デザイン層の部分の2つの外方端部と、下地カラー層の部分の2つの外方端部とが、実質的に整列状態にある。
【0068】
典型的には、このアセンブリは、基体ごしにライト・リーディングで視認可能なデザイン層を、リバース・リーディングで施すために用いられ、またこのアセンブリは、米国再発行特許37,186号及び米国特許第6,212,805号によるパネルを製造するために用いることが可能であり、この方法では、1つ又は複数の下地カラー層が、初めにアセンブリに施され、その後に、例えば窓の外側に貼られる視覚制御パネルを形成するために、ライト・リーディングで印刷されるデザインが施される。本発明の1つ又は複数の実施例は、不透過性若しくは透過性の印刷パターンを有する、窓の外側(第1の表面)若しくは内側(第2の表面)に貼り付けるための、実質的に正確に重ね合わされた印刷を含む、視認制御パネルの製造についての全般的な解決策を提供する。所望の最終パネルを作成するために、マーキング材料のタイプ又は複数のタイプ、及び各層の光透過率を、選択し、アセンブリの変換装置を用いて生成することが可能である。
【0069】
いくつかのアセンブリの実施例、及びその後に施されることが意図されるマーキング材料のタイプに関して、部分接着される透過性コーティングは、意図されるイメージング層と同様の組成の、及び任意には意図されるイメージング層と同様の施布方法の材料であることが可能である。例えば、アセンブリが、pvc溶剤インクを用いてスクリーン印刷により後にイメージングされる場合には、部分接着される透過性コーティングは、同一タイプの透過性pvc溶剤インクであることが可能である。しかし、アセンブリが、例えば侵食性の溶剤を含有するデジタル・インクジェット溶剤インクなどによってイメージングされなければならない場合には、有利には、部分接着される透過性コーティングは、例えばUV硬化インク若しくはエポキシ・インクの薄層など、溶剤の揮発によって空所が形成されない非常に剛性の層を備え、この層は、このような侵食性の溶剤によるステンシル層及び基体への進入に対する効果的にバリアとしての役割を果たす、非常に剛性の層となる。
【0070】
以下の説明、添付の図面及び添付の特許請求の範囲より、本発明の他の及び/又は代替の目的、特徴、態様並びに利点が明らかになろう。
【0071】
本発明の実施例、並びに本発明の他の目的及び他の特徴をさらによく理解するために、添付の図面と組み合わされて使用すべき以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1G】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1H】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1J】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3G】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5G】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5H】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5J】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5K】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5L】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5M】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6G】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6H】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6J】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図7】本発明の一実施例による不要なマーキング材料を除去する方法の概略断面図である。
【図8】本発明の一実施例による不要なマーキング材料を除去する方法の概略断面図である。
【図9A】本発明の一実施例によるインク破砕作用の概略断面図である。
【図9B】本発明の一実施例によるインク破砕作用の概略断面図である。
【図10A】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図10B】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図11A】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図11B】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図12A】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図12B】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図13A】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図13B】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1Aから図1Jは、図1Cに図示されるアセンブリの製造の概略断面図、並びに図1Dから図1Jに図示されるワンウェイ・ビジョン・パネルを形成するためのアセンブリのその後の変換の概略断面図である。図1Aは、基体10を示し、図1Bは、基体に隣接するリリース表面22及び/又は基体から離れたリリース表面23を備えるステンシル層20を示す。ステンシル層20は、ステンシル層を欠く印刷パターン21を画成する。図1Cにおいては、部分接着される透過性コーティング30が、単一の連続コーティング又は複数のコーティングにおいて、印刷パターン21全体にわたる基体とステンシル層20との両方に施されて、典型的には部分加工材料(Part Processed Material)である本発明の1つ又は複数の実施例によるアセンブリを形成し、このアセンブリは、変換されて、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の複数の層を有する最終パネルを形成する。部分接着される透過性コーティング30は、典型的には透過性である。図1Dにおいては、デザイン層40が、単一又は「スポット」カラーのデザイン・カラー層41を含み、リバース・リーディングで印刷されたこのデザインは、部分接着される透過性コーティング30及び基体10ごしにライト・リーディングで視認することが可能である。図1Eは、例えばデザイン40に対する下地としての役割を果たすホワイト・インクの層などの下地カラー層50を示す。図1Fにおいては、例えばブラック・インクの層などの別の下地カラー層51が、下地カラー層50に施される。図1Fにおいては、マーキング材料の重畳層49には、デザイン層40、下地カラー層50及び別の下地カラー層51が含まれる。最終パネルを作成するために、典型的には、印刷パターンの外側のマーキング材料の不要な層は、例えば、プラスチゾル・インクの層又は、図1Gに図示されるように例えばプラスチック若しくは紙などのフィルミック層62及び感圧接着剤61を含む接着剤付きフィルム60の層などの接着層を、施し、除去することによって、下地カラー層又は基体から離れた層の露出表面に力を加えることにより、除去される。接着層の除去と同時に、不要なインクは、ステンシル・リリース層が基体10に隣接する場合には図1Hに図示されるようにステンシル層と共に、又は、図1Jに図示されるように基体からステンシル・リリース層23が除去される場合には基体の上にステンシル層20を残しつつ、除去される。代替的には、不要なインクは、例えば研磨媒体を用いる若しくは用いない高圧水噴射によって、又は、研磨媒体を用いる若しくは用いない空気噴射によってなど、研磨によって除去されてよい。ワンウェイ・ビジョン・パネルの場合には、図1Jのステンシル層20は、基体10の印刷された側からの透視が可能となると共に、デザイン40が基体10及び部分接着される透過性コーティング30ごしに視認可能となるように、透過性であるべきである。図1Aから図1Jの実施例と共に使用するための材料の例としては、例えば透明な透過性アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(pvc)、ポリカーボネート、又は、例えば部分接着される透過性コーティング30の接着を受容するようにコーティング若しくは共有押出成形層で印刷処理された、印刷処理されたポリエステルなどの、プラスチック基体が含まれる。ステンシル20は、印刷パターンを画成するように正確に印刷可能であり、基体10及び/又はその上に施されるマーキング材料の層に十分には接着しない任意の材料からなるものが可能であって、例えばステンシル20は、この特定の基体又はその上に施されるマーキング材料の層に対する接着性が低い有機溶剤ベース印刷インクであり、例えばこの基体の上に施されるマーキング材料の層は、この特定の基体及び、例えばCoates Vynaglazeなどの各連続層に対する接着性が良好な従来のpvc溶剤ベース・インクなどを含む。この実施例においては、部分接着される透過性コーティングは、時としてワニス・インクと呼ばれる、例えばCoates Vynaglazeのインク範囲内の透明なインクであることが可能であり、これは、上述を参照とする基体、並びに適合性のインク樹脂及び溶剤を含むマーキング材料の重畳層によく接着する。典型的には、図1Cの部分加工材料アセンブリは、シート形態であるか又はロール形態であるかにかかわらず、ステンシル層20に損傷を与えることなく、切断され、パッケージングされ、プリンタに送られて、プリンタにより処理され、典型的には印刷機であるイメージング・システムにより処理されるのに十分な耐久性のあるものである。
【0074】
図2Aから図2Fは、図1Cの部分加工材料が、例えば典型的にはプロセス・ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順で施された4色のプロセス・インク42からなる層を含むデザイン層40を印刷され、このデザインが、リバース・リーディングで印刷されるが、部分接着される透過性コーティング30及び基体10ごしにライト・リーディングで視認可能であることを除けば、図1Dから図1Jと同様である。例えば、適切な4色のプロセス・インクとしては、スクリーン印刷用のCoates Vynaglazeのシアン、マゼンタ、イエロー及びプロセス・ブラック、又は、例えば米国のHewlett Packard社の一部門であるHP Scitexにより供給される溶剤インクジェット・インクなどが含まれる。
【0075】
図3Aから図3Gは、本発明の第2の実施例を示し、図3Aのアセンブリは、図2Cのアセンブリと同様であるが、例えばケイ酸塩ベースの又はポリマーのポリビニルピロリドン(pvp)又はポリ酢酸ビニル(pva)(「膨潤性」)インク受容層などの、例えば当技術において既知の水ベース・インクジェット・インクを受容するコーティングなどの追加の印刷受容層70を有する。有利には、印刷受容層は、例えばポリウレタン・ワニスなどの溶剤耐性層に施される。例えばHewlett Packard社より供給される水ベース・インクなど、図3Bのデザイン40の4色プロセス・インク42は、印刷受容層70によく接着する。図3Cから図3Gは、図2Bから図2Fと同様の作成段階を示す。Coates Vynalam透過性媒体269506の印刷受容層は、例えば溶剤インクジェットなどの、PVCフィルム上に印刷するように設計された殆どのイメージング・システムを受容する。
【0076】
図4Aから図4Fは、米国再発行特許37,186号によるシースルー・グラフィック・パネルの作成を示し、このパネルは、部分接着される透過性コーティング30及び基板10ごしに視認可能な裏刷りデザイン層42と、例えばCMYKの順で印刷され基体10の印刷された側から視認可能な4色のプロセス層などのライト・リーディング・デザイン層43とを含む。典型的には、デザイン層42と43との間の中間層には、複数のホワイト地カラー層50と、適宜には、例えばシルバー層、グレー層、ブラック層、又は例えばプロセス・ブラック・インクの50%をカバーする部分印刷されたブラック層などの、2つのホワイト地カラー層50の中間の層52とが含まれる。
【0077】
図5Aから図5Hは、米国特許第6,212,805号によるシースルー・グラフィック・パネルの作成段階の概略断面図を示し、このパネルは、図5Dの半透過性デザイン層41と、図5Eの、典型的にはホワイトの半透過性下地カラー層58とを含む。ステンシルが除去された図5Gの最終パネル、又はステンシルが残された図5Hの最終パネルは、基体10の印刷された側から照明することが可能であり、このデザインは、暗い時間帯には基体10の他方の側から明瞭に視認可能となる。図5Jから図5Mは、米国特許6,212,805号によるシースルー・グラフィック・パネルの作成を示し、このパネルは、同一方向に面し、共にリバース・リーディングに印刷されるか、又は共にライト・リーディングに印刷され、典型的にはホワイトである中間の半透過性下地カラー層58の両側に配設される、2つのデザイン層40を含む。図5Lは、ステンシル20が除去される場合の最終パネルであり、図5Mは、ステンシル20が残される場合の最終パネルである。
【0078】
デザイン層40が、典型的にはKYMCの順でリバース・リーディングで印刷された4色のプロセス・デザイン層42を含むことを除いては、図6Aから6Eは、図5Dから図5Hと同様であり、図6Fから図6Jは、図5Jから図5Mと同様である。
【0079】
図7は、適宜加熱されるニップ・ローラ80によって、部分接着される透過性コーティング及びマーキング材料からなる重畳層49と、ステンシル層20と、基体10とを含む被イメージング・アセンブリ48に、接着剤付き材料60を自動積層し、自動層状剥離するための機械の一部の断面図である。接着剤付き材料が、イメージングされたアセンブリから引き離され、不要な重畳層49及びステンシル層20が、後の処分のために巻上げスプール(図示せず)の方に、不要な材料部分65の形で選択的に除去され、所望の重畳層が、実質的に正確に重ね合わされた状態で、印刷パターンの所望の印刷された部分59の形で残される。
【0080】
図8は、追加のニップ・ローラ81が、層状剥離の前に接着剤付きアセンブリ60とイメージングされたアセンブリ48との間の接合を強化し、送りローラ82により補助されて最終パネルを送ることを除いては、図7と同様である。
【0081】
図9Aは、重畳された、部分接着される透過性コーティング30、デザイン層40、例えばホワイト・インクからなる下地カラー層50及び、例えばブラック・インクからなる別の下地カラー層51を有する、基体10の上のステンシル層20の一部分の概略断面図であり、下地カラー層51は、例えば接着剤付きフィルム(図示せず)の積層及び層状剥離などによって、インク除去力95を受け、インク破砕作用90を生じさせ、例えば図9Bに図示されるように、不要な材料部分65の除去をもたらす。
【0082】
図10A及び図10Bは、図1Hのパネルの立面図を示す。図10Aにおいては、デザイン40「ABCD」が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに視認可能である。図10Bは、パネルの他方の印刷された側を示し、ブラック・ライン51が、ブラック・ライン51の間において、光透過性基体10ごしに良好な視認性を与える。
【0083】
図11A及び図11Bは、図5Gのパネルの立面図を示す。図11Aにおいては、デザイン40「ABCD」が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに視認可能である。図11Bは、パネルの他方の印刷された側を示し、デザイン40の反転像が、半透過性ホワイト・ライン50ごしに視認可能であり、この半透過性ホワイト・ライン50は、ホワイト・ライン50の間において、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに幾分かの視認性を与える。
【0084】
図12A及び図12Bは、図4Eのパネルの立面図を示す。図12Aにおいては、4色のプロセス・デザイン42「ABCD」が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに視認可能である。図12Bは、パネルの他方の印刷された側を示し、別の4色のプロセス・デザイン43が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として視認可能であり、このホワイト地カラー層50は、ホワイト・ライン50の間において、光透過性基体10ごしに幾分かの視認性を与える。
【0085】
図13A及び図13Bは、図5Lのパネルの立面図を示す。図12Aにおいては、デザイン40「ABCD」が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに視認可能である。図13Bは、パネルの他方の印刷された側を示し、デザイン40の反転したものが、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として視認可能であり、このホワイト地カラー層50は、ホワイト・ライン50の間において、光透過性基体10ごしに良好な視認性を与える。
【0086】
部分接着される透過性コーティング及びその上に施されるマーキング材料又は着色剤の全ての層がそれぞれの隣接する層に接着しなければならないという要件を含みつつ、多様な部分接着される透過性コーティング材料及びイメージング・システムが互いに適合する限りにおいて、本発明の1つ又は複数の実施例は、それらの多様な部分接着される透過性コーティング材料及びイメージング・システムによって実施することが可能である。部分接着される透過性コーティングは、部分接着する透過性コーティングの他の目的又は複数の目的の中の単一の目的のために考案され使用される特許材料を適宜含んでよい。例えば、米国のNazdar社により供給される「Lyson Printbond」は、多様な基体によく接着し、事実上あらゆる溶剤及びUVイメージング・システムに対して優れた印刷受容面を提供する。一方で、「Lyson Printbond」はまた、またステンシル層を押え付けることを可能にし、ハロゲン化ポリオレチンとして、容易に溶融せず、したがってインクの溶剤からステンシル層及び基体を保護する。
【0087】
第2の実施例による別の例としては、プリンタは、米国のNazdar社により製造される「Lyson Pre−Post」コーティングを、印刷の約1時間以内に施すことが可能であり、この時、「Lyson Pre−Post」コーティングは、水ベース・インクを吸収し、さらに、本発明の1つ又は複数の実施例により作成される視覚制御パネルの共通用件である耐水性を得る。
【0088】
前述の例示の実施例は、本発明の構造的及び機能的原理を説明するために提示されるものであり、限定的になることは意図されない。むしろ、本発明の原理は、以下の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の任意の及びあらゆる変形形態、変更形態及び/又は代替形態を包含することが意図される。
【技術分野】
【0001】
この発明は、参照として本明細書に採用する、2006年11月14日に出願された「重畳層の印刷の改良」と題する米国仮特許出願第60/858,697号にもとづく優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、概して、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層を備える製品と、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層を備える製品を部分印刷する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
GB2118096、米国再発行特許37,186号、米国特許第4,925,705号、米国特許第6,267,052号、米国特許第6,899,775号、米国特許第6,824,639号、PCT/GB2003/004216及びPCT/IB2007/002324は、実質的に正確に重ね合わされたインク又は他のマーキング材料の重畳層を有する基体を部分印刷する方法を開示している。GB2118096、米国再発行特許37,186号、米国特許第4,925,705号及びPCT/IB2007/002324に開示される方法の1つは、基体の一部にステンシル又はインクを施し、その後マーキング材料の複数の層を施し、その後ステンシルで覆われた基体の部分の上のマーキング材料の複数の層を、及び適宜にはステンシル自体を除去して、基体の上に実質的に正確に重ね合わされて留まるマーキング材料の層を残すものである。このような方法は、例えば米国再発行特許37,186号による視覚制御パネルの製造において利用されている。米国再発行特許37,186号では、予め印刷されたステンシル層と、典型的にはブラック及びホワイトのインクの層とを備え、後にデザインの印刷及び不要なインクの除去によって最終製品に変換される「部分加工基体(part processed substrate)」の使用が開示されている。特許出願PCT/IB2007/002324は、そのような方法における、例えば米国再発行特許37,186号によるワンウェイ・ビジョン・パネルなどの視覚制御パネルのブラック層とホワイト層との間に例えば配設されるマーキング材料の層としてのメタライゼーションを開示している。このメタライゼーション層は、このような製品及びこのような製品の製造方法内において複数の想定される機能を果たすことが開示されている。シルバー色のメタライゼーション層が、ブラック層とホワイト層との間に配置される場合には、これは、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びプロセス・ブラック(K)からなる4色のプロセス・カラーなどのカラー層を上に重畳され、並びにこれらのようなカラー層をデザインするのに適切なホワイト地としての役割を果たす、比較的明るいホワイト表面の作成を助ける。また、例えば接着剤付きフィルム・アセンブリ(組立体)などにおける基体の下層及び/又は基体の他方の側の上の任意の接着剤などの溶剤に対して脆い場合があるステンシル層の、例えばデザイン・カラー・インクなどからの溶剤による侵食に対して、メタライゼーション層が、バリアとしての役割を果たす能力を有することが開示されている。しかし、典型的には、例えばアルミニウムなどのこのようなメタライゼーションは、非常に薄い層を含み、デジタル・インクジェット印刷インクにおいて一般的に使用されるいくつかの溶剤に対しては、バリア層としての作用においてある程度しか効果がない。また、窓の内側に貼られる視覚制御パネル、及び、透過性の基体の一方の側の上にデザインが裏刷りされる他の製品は、基体の他方の側から基体ごしに視認可能となるため、ステンシル材料とデザイン・カラー層(又は複数のデザイン・カラー層)と間のメタライゼーション層によって、金属堆積の厚さに応じてデザインの視認性が低下する、又はある程度低下する。
【0004】
例えば米国再発行特許37,186号に開示されるような先行技術のステンシル材料は、印刷可能であるが、除去が容易である必要があるため基体に強固には接着しない。また、典型的には、これらは砕けやすく、軽度の磨耗によってさえも容易に損傷を受ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つ又は複数の実施例が、視認制御パネル及び他の部分印刷される製品を印刷する方法を提供する。
【0006】
本発明の1つ又は複数の実施例が、実質的に無孔の基体と、透過性コーティングと、ステンシル層とを備えるアセンブリを提供する。ステンシル層は、基体とコーティングとの間に配設されるリリース表面を備える。アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する基体を含み、コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及びステンシル層を欠く部分とを有する。各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有する。コーティングは、基体から離れたステンシル層の表面の上に配置され、ステンシル層を欠く複数の部分のそれぞれの内側で基体にしっかりと接着される。
【0007】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、基体は、透過性、光透過性又は半透過性のものである。
【0008】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、アセンブリは、基体から離れたコーティングの側のアセンブリの上にリバース・リーディングで印刷され、基体ごしにライト・リーディングで視認可能なデザイン層を備える。下地層はデザイン層にわたって印刷されてもよい。
【0009】
種々のこれらの実施例によれば、アセンブリは、ロール状に巻かれる、又は、シート状に切断される。
【0010】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、コーティングは、連続しており、ステンシル層と、ステンシル層を欠く複数の部分の内側に位置する基体との間の各境界をまたぐ。
【0011】
種々のこれらの実施例によれば、リリース表面は、ステンシル層の基体側に配設される、及び/又は、ステンシル層のコーティング側に配設される。
【0012】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、コーティングは、2つの層を備え、2つの層の第1の層は、ステンシル層を基体に接着させ、2つの層の第2の層は、印刷受容表面を形成する。この第2の層は、基体から離れた第1の層の側に配設される。第1の及び第2の層は、それぞれ異なる材料のものである。
【0013】
これらの実施例の1つ又は複数の他の態様によれば、コーティングは、第3の層をさらに備え、この第3の層は、溶剤ベース・インクに対して実質的に不浸透性であり、基体から離れた第1の層の側に配設される。第3の層は、コーティングの第1及び第2の層とは異なる材料のものである。
【0014】
種々のこれらの実施例によれば、ステンシルは、透過性、光透過性、無色透明又は半透過性のものであってよい。
【0015】
本発明の別の実施例が、1つ又は複数の上述の実施例によるアセンブリにデザインを施す方法を提供する。この方法は、基体から離れたコーティングの側のアセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階を含む。複数の層は、デザイン層及び下地カラー層を備える。デザイン層は、リバース・リーディングで施され、基体ごしにライト・リーディングで視認可能である。
【0016】
本発明の別の実施例が、1つ又は複数の上述の実施例によるアセンブリにデザインを施す方法を提供する。この方法は、基体から離れたコーティングの側のアセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階を含み、複数の層は、デザイン層及び下地カラー層を備え、デザイン層は、下地カラー層と基体との間に配設され、基体ごしに視認可能である。
【0017】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、この方法は、アセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階の前に、第1の地理的位置から、第1の地理的位置から少なくとも1.6km(1マイル)離れた第2の地理的位置に、アセンブリを輸送する段階をさらに含む。
【0018】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、この方法は、第1の地理的位置から第2の地理的位置にアセンブリを輸送する段階の前に、アセンブリをロール状に巻く段階をさらに含む。この方法は、アセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階の前に、巻かれたアセンブリを広げる段階をさらに含む。
【0019】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、このアセンブリは、ロール状に巻かれ、この方法はさらに、アセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階の前に、アセンブリを広げる段階を含む。
【0020】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、この方法は、マーキング材料の複数の層に力を加える段階をさらに含む。この力によって、ステンシル層の上に配設されたコーティングとマーキング材料の複数の層とが実質的に除去されると共に、ステンシル層を欠く複数の部分の端部の内側に、実質的に正確に重ね合わされた状態で、基体に接着されたコーティング及びマーキング材料の複数の層が残される。
【0021】
1つ又は複数の上述の実施例の他の態様によれば、マーキング材料の複数の層は、ステンシル層の上に直接印刷された場合にはステンシル層に浸透するマーキング材料を含む。
【0022】
本発明の別の実施例によれば、アセンブリが、実質的に無孔の基体と、部分接着される透過性コーティングと、ステンシル層とを備え、前記ステンシル層は、あるステンシル・パターンになっており、前記ステンシル層は、リリース表面を備え、前記ステンシル・パターンは、印刷パターンの陰画であり、したがって印刷パターンを画定し、前記アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する前記基体を含み、前記部分接着される透過性コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及びステンシル層を欠く部分とを有し、各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有し、前記部分接着される透過性コーティングは、前記基体から離れた前記ステンシル層の表面の上に配置され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分のそれぞれの内側で前記基体にしっかりと接着され、前記アセンブリは、前記印刷パターンの内側にマーキング材料の複数の層を備え、前記複数のマーキング材料の端部が実質的に正確に重ね合わされたパネルに変換させることが可能である。
【0023】
1つ又は複数の上述の実施例は、実質的に無孔の基体を備えるパネルに変換可能なものであってよく、印刷パターンが、実質的に正確に重ね合わされて重畳された透過性コーティング及びマーキング材料の複数の層を備え、前記印刷パターンは、パネルを前記マーキング材料の複数の離散区域及び/又は前記マーキング材料を欠く複数の離散区域にさらに区分し、前記パネルの断面が、2つの外方端部と、複数の交互の印刷された部分及び印刷されない部分とを有する前記基体を備え、前記印刷された部分はそれぞれ、2つの外方端部を有し、前記印刷された部分の1つが、2つの外方端部を有する前記透過性コーティングの一部を含み、前記マーキング材料の層の一部が、2つの外方端部を有し、前記マーキング材料の別の層の一部が、2つの外方端部を有し、前記印刷された部分の前記1つの内側で、前記透過性コーティングの前記部分の前記2つの外方端部の一方と、前記マーキング材料の層の前記部分の前記2つの外方端部の一方と、前記マーキング材料の別の層の前記部分の前記2つの外方端部の一方とが、実質的に整列される。
【0024】
さらに、1つ又は複数のこれらの実施例によれば、アセンブリを構成する方法が、
(i)前記基体に前記ステンシル・パターンの前記ステンシル層を施す段階であって、前記ステンシル・パターンは、前記基体を、前記ステンシル層の複数の離散区域及び/又は前記ステンシル層を欠く複数の離散区域にさらに区分する段階と
(ii)前記基体及び前記ステンシル・パターンの上に前記部分接着される透過性コーティングを施す段階であって、前記部分接着される透過性コーティングは、前記ステンシル層を欠く前記基体の部分にしっかりと接着される段階とを含む。
【0025】
1つ又は複数の上述のアセンブリは、
(i)前記部分接着される透過性コーティングにマーキング材料の複数の層を施す段階と、
(ii)マーキング材料の前記複数の層の露出表面に力を加える段階であって、前記力は、前記ステンシル層の上から前記部分接着されるコーティング及び前記マーキング材料を実質的に除去し、前記印刷パターンの端部の内側に実質的に正確に重ね合わされた状態で前記透過性コーティング及びマーキング材料の前記複数の層を残す段階とをさらに含む方法によって、パネルに変換可能であってよい。
【0026】
以下の定義が本明細書に適用される。
【0027】
「基体」は、例えば全体的に施された印刷受容コーティング若しくは印刷されたインク層を含む、同種の材料又は多層材料からなる単一のシートである。基体は、例えば印刷の位置合わせのために、又は印刷機若しくは他の機械による基体の送給のために使用し得る任意のホールを除いては、無孔である。基体は、例えばプラスチック、ガラス、金属、木材、紙及び複合材料などの、不透過性、半透過性、透過性又は光透過性の材料を含む任意の材料のものであることが可能である。
【0028】
「透過性材料」は、透過性材料の一方の側に施される像が透過性材料の他方の側から透過性材料ごしに視認可能な、無色透明又は着色された材料である。透過性材料の例としては、ガラス、プラスチック・フィルム(ポリ塩化ビニル(pvc)・フィルム、ポリエステル・フィルム、ポリエチレン・フィルム、ポリプロピレン・フィルム、及びポリカーボネ−ト・フィルムを含む)、並びに剛性又は半剛性プラスチック・シート(例えばアセテート・シート、アクリル・シート、ポリカーボネ−ト・シート、及びpvcシートなどを含む)が含まれる。
【0029】
「光透過性材料」は、観察者が、その材料を透視することが可能であり、パネルの他方の側から離間された物体の上に明確に焦点を合わせることが可能となる、無色透明又は着色された材料である。光透過性材料の例としては、2つの実質的に平行な平坦表面を有する、ガラス、プラスチック・フィルム(pvcフィルム、ポリエステル・フィルム、ポリエチレン・フィルム、ポリプロピレン・フィルム、及びポリカーボネ−ト・フィルムを含む)、並びに剛性又は半剛性プラスチック・シート(例えばアセテート・シート、アクリル・シート、ポリカーボネ−ト・シート、及びpvcシートなどを含む)が含まれる。
【0030】
「印刷パターン」は、複数の印刷された層を含み、この印刷された層は、パネルを、複数の離散した、印刷された区域、及び/又は複数の離散した、印刷された層を欠く区域にさらに区分される。印刷パターンの例としては、ドット又はラインのパターン、或いは格子状、網状又はフィリグリーのパターンが含まれる。印刷パターンは、規則的な又は不規則なパターンであってよい。
【0031】
「ステンシル・パターン」は、印刷パターンの陰画であり、アセンブリを、ステンシル材料の複数の離散区域及び/又はステンシル材料を欠く複数の区域にさらに区分する。
【0032】
「デザイン」は、典型的には下地カラー層の前に重畳されているのが観察される1つ又は複数の「デザイン層」の視認可能な像である。
【0033】
「デザイン層」は、少なくとも1つの「デザイン・カラー層」を含み、インクの単一デザイン・カラー層又は多色プロセス層などの、単一の材料からなる単一層であることが可能であり、典型的には、例えばシアン、マゼンタ、イエロー及びプロセス・ブラックなどの個々のデザイン・カラー層の堆積は、デザイン層内で不連続である。
【0034】
本発明のこの第1の実施例においては、典型的には、アセンブリは、実質的に正確に重ね合わされて1つ又は複数の端部で端部同士が接しているマーキング材料の層で部分的に覆われたパネルに変換されることが意図される。ステンシルは、例えばステンシル層を印刷することによって、基体の上に形成される。基体及びステンシル層は、ステンシル・パターンの区域又は複数の区域の外側で基体に接着される「部分接着される透過性コーティング」(本明細書においてはしばしば「PATコーティング」と略称される)で覆われる。しかし、ステンシルのリリース表面によって、コーティングがステンシル・パターンの区域又は複数の区域の全体にわたって基体に強力に接合することが防がれ、したがってこのコーティングは、本明細書においては、基体に部分接着される、又は差分的に接着されると呼ばれる。部分接着される透過性コーティングは、多目的特性又は多機能特性を有するという意味において複雑である。
【0035】
アセンブリを変換して最終パネルを形成することは、ステンシル層及び露出される基体表面の一部又は全てにわたって、PATコーティングの上にマーキング材料の複数の層を施すことと、その後に、印刷パターンの区域又は複数の区域の外側の、マーキング材料の複数の層及び部分接着される透過性コーティングの一部を選択的に除去することと、適宜にステンシル層を除去して、実質的に1つ又は複数の端部同士が接した状態で、実質的に正確に重ね合わされた状態でマーキング材料の残りの層を残すことを含む。
【0036】
本発明のこの第1の実施例においては、典型的には、多用途の「部分接着される透過性コーティング」は、
(i)基体の上にステンシル層を保持し、
(ii)磨耗からステンシルを保護し、
(iii)上に施されるマーキング材料に対する受容コーティングを形成し、
(iv)
(a)アセンブリの取扱い、パッキング及び輸送、並びに
(b)後の例えば溶剤インクなどのマーキング材料の層の施布
において、有害物質からステンシルを保護するためにバリア層を形成し、並びに
(v)ステンシル層が基体から離れたリリース表面を備える場合には、これは、例えば硬化作用を及ぼす、又は、リリース表面から印刷パターン内にインク堆積物を転移させることにより像の全体的な汚れを生じさせるなどの、リリース表面に施されるマーキング材料の難点及び/又は望ましくない作用を防ぐ。
【0037】
部分接着される透過性コーティングは、所要のコーティング厚及び/又は複数の異なる材料を形成して種々の機能を実行するために、単一層又は同一材料からなる複数の層を適宜に含む。
【0038】
したがって、典型的には、部分接着される透過性コーティングは、イメージング表面を形成し、イメージング表面からステンシル・リリース表面を分離させ、離間させ、保護する。ステンシル層は、適宜、
(i)基体に施され、例えば基体の表面の上に印刷され、
(ii)例えば共有押出成形プロセスにおいて、基体の一体部分として形成され、及び/又は
(iii)任意には、基体の内側の施布層又は一体層をアブレーションすることにより形成される。
【0039】
ステンシル層は、適宜、
(a)基体に隣接する、又は
(b)基体から離れている。
これらの2つのタイプのステンシルは、
「基体リリース・ステンシル」、又は
「遠隔リリース・ステンシル」
と呼ばれる場合がある。
【0040】
例えば、Lexan(登録商標)ポリカーボネ−ト・フィルムが、Marguard(登録商標)引っかき抵抗性低エネルギー表面を備え、ステンシル・パターンの外側の区域又は複数の区域が、例えばレーザ・エッチングなどのアブレーションを受けて、印刷パターンの区域で基体の親材を露出された状態にする(Lexan(登録商標)及びMarguard(登録商標)は米国のGE Plastics社の商標である)。この場合、ステンシル層は、残りの引っかき抵抗性コーティングを含み、この引っかき抵抗性表面は、リリース表面を含む。「引っかき抵抗性」とは、相対的な言葉であって、このような表面は、依然として引っかき及び汚れを被り、典型的には、引っかき抵抗性表面の上の部分接着される透過性コーティングは、多様な保護機能を、並びに任意には基体の親材に対する優れた像受容特性を実現する。
【0041】
典型的には、基体リリース・ステンシルは、ステンシルの上のマーキング材料の層と共に除去されるのに十分な程度に、マーキング材料の施布層に接合される。適宜には、基体リリース・ステンシルは、別個のステンシル除去プロセスにおいて除去される。
【0042】
遠隔リリース・ステンシルは、ステンシルの上方のマーキング材料の重畳層を除去するプロセスにおいては除去されず、
(i)最終製品の一部として保持されるか、又は
(ii)別個のステンシル除去プロセスにおいて除去されるか
のいずれかである。
【0043】
遠隔リリース・ステンシルの場合には、部分的に貼られる透過性コーティングは、ステンシル・リリース表面を保護するバリア層としての役割を果たし、典型的には、材料の取扱い、パッキング及び輸送の通常のプロセスにおいて直面する任意の有害物質を、又は、例えばステンシル層の機能の発揮を冒し、影響を及ぼし得る液体インク中の溶剤などの、マーキング材料層自体の中の有害物質を阻止する、或いは吸収する。
【0044】
さらに、部分接着される透過性コーティングは、リリース表面からマーキング材料を物理的に分離させる重要な機能を実現する。典型的には、リリース表面は、低表面エネルギーのものであり、従来のマーキング材料に対して受容的なものではない。例えば、典型的には、溶剤インクジェット・インクは、このような表面に対して展性がない、又は接着しないが、合着してインク球になり、これらのインク球は、リリース表面に接着せずに、転移(又は側方移動)し、印刷パターンの内側のインク堆積を汚しやすい。典型的には、UV硬化インクは、リリース表面の上で硬化するが、例えばUVインクジェット機の離散的なシアン、マゼンタ、イエロー及びプロセス・ブラックの堆積は、リリース表面には接着しない場合があり、表面に沿って「滑動」し、印刷パターンの内側の、上に印刷される層を汚しやすく、又は印刷機を汚しやすく、後の印刷プロセスに影響を及ぼす。好ましくは、部分接着される透過性コーティングは、マーキング材料の上に施される層に対して受容的であり、典型的には、それぞれ異なるコーティングが、それぞれ異なるタイプのイメージング・システムに対して望ましい。観察者が、例えば米国再発行特許37,186号などによる例えばシースルー・グラフィック・パネルなどにおいて、基体ごしに所望の演色又は知覚色を観察するためには、基体が透過性である場合には、部分接着される透過性コーティングは、やはり典型的には透過性である必要がある。ステンシル材料が着色されていると、基体に着色剤が移動する危険があるため、好ましくは、ステンシル材料は、無色透明である。
【0045】
ステンシル層の主要な機能は、基体への大きな接合性を有することではなく、その上方のマーキング材料の不要な層と共に容易に除去可能であることであるため、典型的には、基体リリース・ステンシルは、例えば手擦れなどの非常に軽度の磨耗力によってさえも除去されることを含め、損傷に対して非常に脆い。部分接着される透過性コーティングの主要な機能は、ある範囲の特定の又は不特定の荷重条件の下で、所要の区域又は複数の区域で基体の表面の上のステンシル層を保持することである。例えば、アセンブリが、プリンタにより変換される「部分加工材料(Part Processed Material)」である場合には、好ましくは、このアセンブリは、典型的には部分加工材料シートの積重ねを含むシートの取扱いによって与えられる表面摩擦力、又は部分加工材料をロール形態に巻く、及びロール形態の部分加工材料を広げることによって与えられる摩擦力に対する耐性を有するべきである。このアセンブリは、印刷機にとって望ましいサイズへのシートのギロチン切断又はロールのスリッティング、任意のバンディング及びパレッティングを含むその後のパッキング、倉庫での取扱いの衝撃及び振動、シート又はロールの形態での配送、アンパッキング、保管、例えば印刷機などのイメージング・システムまでの取扱い又はイメージング・システムによる処理、並びに、例えばスクリーン印刷機の給送端部上のクリーニング及び帯電防止ローラ処理ユニットにより、印刷プロセスにおいて埃を除去し、部分加工材料に埃が引きつけられるのを低減させるなどの、任意の帯電防止プロセス又は他の基体クリーニング・プロセスの際に、大きな損傷を伴うことなく、使用可能な状態に留まることが可能であるべきである。
【0046】
ステンシル層は、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷又はロータリー・スクリーン印刷などの任意のウェブ印刷によりフィルム基体のロールの上に印刷することが可能である。好ましくは、ステンシルは、「ディープ・エッチ」グラビア・シリンダ又はローラにより施され、部分接着される透過性コーティングは、アニロックス・シリンダ・ローラにより施され、アニロックス・ローラは、密集した液体堆積物であるコーティングのアレイを施し、この堆積物の広がりが実質的に均一な層を形成する。
【0047】
部分接着される透過性コーティングは、印刷パターンの区域又は複数の区域の全体にわたり接着することによって、ステンシル層を基体に対して保持し、イメージングの前に受ける使用応力に耐えることが可能である。しかし、ステンシルを基体に「留める」と表現することが可能なこの機能を実現することは、容易ではない。仮にこの機能が、保持の一方に限定されるのであれば、好ましくは、部分接着される透過性コーティングは、UV硬化材料の「化学架橋」の特長により実現される大きな引張強度を有する厚いUV硬化コーティングを例えば用いることによって、ステンシル層を押え付けるための、時として「膜」又は「面内」引張強度と呼ばれる大きな引張強度を有すればよい。しかし、典型的には、このような厚いUV硬化コーティングは、ステンシル層及びステンシル層の上方のマーキング材料の重畳層の除去に必要な、ステンシル層の端部又は境界部の周辺での後の「インク破砕作用」を、不能にしてしまう。したがって、好ましくは、部分接着される透過性コーティングは、使用荷重下におけるインク破砕及びステンシルの除去に耐えるに十分な引張強度を有するが、マーキング材料の複数の層を施した後には、例えばプラスチゾル・インク若しくは接着剤付きフィルムなどの接着表面の施布及び除去によって、又は、例えば研磨媒体を用いる若しくは用いない水噴射若しくは空気噴射による噴射によってなど、インク破砕及び不要な材料の除去が確実に可能である。
【0048】
部分接着される透過性コーティングの別の想定し得る重要な機能は、例えばステンシル層内に「ピンホール」又はさらに大きなホールを形成するおそれがある、溶剤によるステンシル層の侵食を防ぐ、又は改善することである。溶剤によるステンシル層の侵食が防がれない、又は改善されない場合には、ステンシル・パターンの区域又は複数の区域の内側の基体へのマーキング材料の接着が生じることがあり、このマーキング材料は、例えば視認制御パネルの中で透過性である必要がある区域になど、最終パネルにイメージングされるべきではない。部分接着される透過性コーティングは、溶剤の侵食及び溶剤の浸透に対して少なくともある程度の耐性を有する。典型的には、透過性インク・ラッカー及び透過性インク・ワニスは、例えばインク流の助けとなる添加物を含む結合剤を主として含むため、ホワイト・インク及びブラック・インクを含む着色され彩色されたインクよりも浸透性が低い。例えば、水及び他の風化作用物質をはじいて、推奨される5年の最低屋外耐久性を実現するなど、通常は異なる先行技術の目的に対して使用されるCoates Vynaglaze(商標)オーバープリント・ワニス4795を含む透過性コーティングは、主として合成アクリル・ベース樹脂を含む。Coatesインクは、日本の東京に所在の大日本インキ化学工業株式会社(DIC)の一部門であるサン・ケミカル社により製造されている。
【0049】
本発明の1つ又は複数の実施例による透過性コーティングの、溶剤の侵食に対する耐性は、例えば溶剤ワイプ・テスト(solvent wipe test)などの、コーティング技術における簡単ではあるが公認された方法により測定することが可能である。典型的には、溶剤ワイプ・テストでは、コーティングを、無色透明の材料から、例えば染料の添加により着色された材料へと改変し、例えばホワイト表面などのコントラスト色の表面の上に印刷することが必要となる。次いで、透過性コーティングを、溶剤を染み込ませた綿棒の「先端部」で繰り返し擦る。例えば、工業用メタレート・アルコール(IMS: industrial methalated spirits)に対する耐性を測定する場合には、一般的には、コーティングを、例えば20回、40回、60回など、それぞれ別個のIMSを染み込ませた綿棒の先端部で擦る。コーティングを突破するのに要する擦る回数は、例えばホワイトなどの下層の色彩が染色されたコーティングごしに視認可能になる時の回数である。本発明の1つ又は複数の実施例によれば、多様なインク溶剤に耐えるのに適したコーティングは、IMSを染み込ませた綿棒の先端部で、少なくとも20回、好ましくは40回、さらに好ましくは60回擦られることに耐える。
【0050】
任意には、アセンブリのイメージング表面は、基体から離れた部分接着される透過性コーティングの表面であり、第2の実施例においては、典型的には部分接着される透過性コーティングのステンシル接着保護層に対して直接施された、追加の像受容層の表面である。
【0051】
第3の実施例においては、部分接着される透過性コーティングは、3つの異なる層を備え、1つが、ステンシルを基体に接着させ、物理的に幾分か保護し、第2の層が、インク溶剤又は他の有害物質から化学的に保護し、第3の層が、印刷受容表面を形成する。
【0052】
典型的には、イメージング表面は、例えば
(a)溶剤ベース・インク、及び/又は
(b)水ベース・インク、及び/又は
(c)UV硬化可能インク、及び/又は
(d)トナー、及び/又は
(e)熱転写着色樹脂
など、1つ又は複数のイメージング・システムに対して受容的である。
【0053】
デザイン層用に可能なイメージング・システムとしては、スクリーン印刷、リソ印刷、デジタル・インクジェット印刷、レーザ印刷、並びに、例えば積層及び層状剥離機内の加熱されたローラなどによって例えばポリエステル・フィルムなどの担持膜から転写された、又は、例えばGerber Edge(商標)(米国のGerber Scientific Instruments社の商標)などのようなデジタル印刷機などにおいてデジタル転写された、時として例えば着色樹脂などの熱的物質移動と呼ばれる熱的転写印刷が含まれる。
【0054】
任意には、部分接着される透過性コーティングの1つ又は複数の層は、予め形成された部分加工材料アセンブリの一部ではなく、デザインを印刷する前にプリンタによって施され、例えばこれは、別のイメージング・システムと共に使用することが可能な、又は任意の必要な印刷受容処理を除く一般的用途向けの部分加工材料に施される、ある特定のイメージング・システム用の印刷受容コーティングなどである。任意には、印刷受容処理は、コーティングでなく、例えばデザインを印刷する前にプリンタにより施されるコロナ処理である。
【0055】
典型的には、マーキング材料の複数の重畳層は、イメージング表面に施される。マーキング材料の複数の層は、例えば、
(i)典型的には、ある特定の印刷又はコーティング・システムによって単一層に典型的に又は従来式に施されたマーキング材料の全厚よりも厚いマーキング材料の全厚を形成する、単一タイプのマーキング材料からなる単一色の複数の層或いは
(ii)典型的にはそれぞれ異なる機能的特性を実現する、実質的に同一色であるがそれぞれ異なる材料からなる複数の層であって、例えばPATコーティングに直接施される層の材料は、典型的には主にPATコーティングへの接合性により選択され、例えば基体から離れた層は、時として引っかき抵抗性(SR)を有すると呼ばれる摩擦抵抗性により選択される場合がある層、或いは
(iii)例えばブラック層の上に重畳されるホワイト又は均一の色の印刷パターンを含む単純なワンウェイ・ビジョン・パネルを作成するための、種々の均一色の同一タイプのマーキング材料であって、例えば、ホワイト又は均一色の層は、例えばワンウェイ・ビジョン壁部を有するスカッシュ・コート内の黒いスカッシュ・ボール又は白いスカッシュ・ボールなど、物体の視認性に対して最適なコントラストを提供し、及び/又は、比較的高い反射率及びそれによる部分印刷された表面の位置の視認性のためのものであり、及び/又は、車両若しくは建造物に進入する太陽エネルギーの低減のためのものであり、典型的にはブラック層によって、パネルの他方の側からの良好な透視が可能になる、マーキング材料、或いは
(iv)例えば(ii)及び(iii)の要件の組合せを実現するための、種々の均一色のそれぞれ異なるタイプのマーキング材料、或いは
(v)例えばスクリーン印刷若しくはデジタル・インクジェット印刷などの単一の印刷プロセスを利用してシースルー・グラフィック・パネルを作成するための、同一タイプのマーキング材料からなる下地層又は複数の下地層を含む印刷パターン上に重畳されるデザイン、或いは
(vi)1つのタイプのマーキング材料中に重畳され、例えばデジタル溶剤インクジェット印刷などの1つのイメージング・システムによって施されるデザインであって、例えば典型的には着色樹脂の熱転写若しくはスクリーン印刷などの異なるイメージング・システムによって施される別のタイプのマーキング材料によって施される1つ又は複数の下地カラー層と組み合わされるデザインを含む。
【0056】
任意には、デザイン層は、物理的に独立した層ではなく、例えば染料着色剤などであり、これは部分接着される透過性コーティング内に吸収される。
【0057】
マーキング材料の均一層は、例えば米国のIllinois Tool Works社の一部門であるCodingによるホワイト・オン・ブラック着色樹脂層など、例えばスプレー塗布、ローラ・コーティングなどの別のコーティング・プロセスによって、若しくは層の熱転写によって、適宜印刷され、又は施される。
【0058】
典型的には、不要な材料の除去は、「インク破砕作用」を含み、典型的にはこのインク破砕作用は、構造工学の技術においてはせん断破損として知られているものに似ている。典型的には、インク破砕作用は、脆弱箇所又は脆弱ラインから生じる、この場合においてはステンシル層の端部からマーキング材料の複数の層にわたって生じる「破砕表面」又は割れ目によって、特徴付けられる。典型的なせん断破損の状態においては、インク破砕表面は、加えられる力の方向に対して約45°の角度となる。実際の破損の状態は、マーキング材料の性質に左右され、例えばアクリル成分及びポリ塩化ビニル成分の両方を有するいわゆるpvcインクは、アクリルの割合が高くなるほどより脆弱になり、ポリ塩化ビニルの割合が高くなるほどより可塑性になり、この後者によれば、不慮の破砕が生じるまでに材料はさらにひずむ(伸展する又は伸張する)。このことにより、例えば視覚制御パネルにおいて透過性である必要がある区域又は複数の区域内などで印刷パターンの所望の端部を越えて延在する、マーキング材料の不要な「フラップ」「テール」又は「タング」がもたらされる可能性がある。
【0059】
その結果、部分接着される透過性コーティングの機能の発揮は、困難になるため、適切な材料を選択することは、その複数の機能の十分な発揮にとって重要である。ステンシル材料、部分接着されるコーティング材料及びマーキング材料(又は複数のマーキング材料)が、適切に選択され、適切に基体に施される場合にのみ、インク破砕作用及び不要な材料の除去によって、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層が残される。また、インク層の乾燥又は硬化も、適切なインク破砕作用を可能にするためには重要であり、例えば、典型的には溶剤インクは、グラフィック製品の従来の作成におけるものよりも、高い空気流速及び/又は高い温度及び/又は長い乾燥期間を要する。
【0060】
しばしば、「正確な重ね合わせ」という語は、少なくとも
(i)印刷機の許容公差と、
(ii)基体送給公差と、
(iii)ある特定の基体の上のある特定のマーキング材料についての「ドット・ゲイン」又は「ドット・ロス」と、多くの場合においては
(iv)例えば温度及び/又は湿度の変化などによる、例えば後のイメージング及び硬化サイクルなどにおける、基体の寸方変動と
によって重ね合わせの欠陥を不可避に被るプロセスを説明するために用いられることを含め、印刷業界において、特に印刷機の市場での売買において、誤用される。
【0061】
本発明の1つ又は複数の実施例のコンテクストにおいては、「正確な重ね合わせ」又は「実質的に正確な重ね合わせ」という語は、不要な材料の除去後のマーキング材料の複数の重畳層の端部の整列が、典型的には45°のインク破砕作用又は破損状態に一致し、マーキング材料の複数の層の全厚のオーダが、典型的には20ミクロン未満及び通常は10ミクロン未満であることを意味する。この重ね合わせの欠陥は、ある特定のマーキング材料の上述の引張ひずみ特性により大きくなるおそれがある。典型的には、インク破砕作用又は破損状態は、光学顕微鏡の補助により観察することが可能であり、典型的には例えばマーキング材料の各層は、印刷パターンの各端部にて視認することが可能であり、例えばドットの印刷パターン内の各ドットの周囲のリングなどであり、これは、切頭円錐表面を有すると説明することができる。しかし、このような重ね合わせの欠陥は、典型的な印刷された部分の幅と比較すると極めて小さなものである。例えばスクリーン印刷における0.1又は0.2mmなどの印刷重畳層の重ね合わせの通常の欠陥と比較した場合に、例えば1.0mm径のドットの端部の垂直整列における10ミクロンは、本発明の1つ又は複数の実施例による方法によって実現される「正確な重ね合わせ」又は「実質的に正確な重ね合わせ」という語を正当化するに足りる。インク破砕は、境界をまたぐため、典型的には、マーキング材料の連続層の境界では、重ね合わせの欠陥は存在しない。典型的には、任意の2つの連続する印刷された層の重ね合わせの欠陥とは、これら2つの層の最大全厚部分である。
【0062】
典型的には、UV硬化インクは、化学架橋により、滑らかなインク破砕作用を実現するのに適さず、例えば、UV硬化インクの典型的な大きな面内引張強度によって、このような破砕は妨げられ、又はぎざぎざ状の一貫性のない破砕作用が生じ、例えば表面UVインク層は、印刷パターンの所望の端部から離れたラインに沿って「折り返される」又は破砕する。しかし、溶剤ベースの部分接着される透過性コーティングと溶剤インク下地カラー層との間に、中間の薄いUV効果インクジェット・デザイン層を「挟む」ことが可能であり、これらは、UV硬化インクジェット層内を含む印刷パターンの端部に沿って所望の位置で完全な破砕を生じさせることに寄与する。これは、典型的には、大きな引張強度を有する極めて柔軟性の高いポリ塩化ビニル・フィルムの裂開が、それが接着されるさらに脆弱なガラス・シートの破損のラインに沿って始まり、その位置にもたらされる、積層されたガラスの破砕に類似している。
【0063】
この方法は、多様な不透過性、透過性、光透過性又は半透過性の基体の上に、実質的に正確に重ね合わせてマーキング材料の層を重畳することが望ましい多様な製品を作成するために、使用することが可能である。特に、この方法は、例えば米国再発行特許37,186号によるいわゆるワンウェイ・ビジョン・パネルを作成するためにホワイト層及びブラック層に続いて、又は、透過性基体の一方の側から照明することが可能な米国特許第6,212,805号によるパネルを作成するために半透過性ホワイト層に続いて、透過性基体の一方の側の上にリバース・リーディングで印刷され、基体の他方側からライト・リーディングで視認可能なデザインを備える視覚制御パネルを作成するのに適している。また、部分加工材料アセンブリは、米国再発行特許37,186号による、一方側から視認可能な1つのデザインと、パネルの他方側から視認可能な別のデザインとを有するシースルー・グラフィック・パネルを作成するために、特に有効である。
【0064】
また、この方法は、透過性の、又は非ホワイト不透過性の基体の上に離散する印を印刷するのに有効であり、その場合には、各印のデザイン・カラー層又は複数のデザイン・カラー層に実質的に正確に重ね合わされたホワイト地層を形成することがやはり望ましい。
【0065】
本発明の1つ又は複数の実施例の別の用途としては、典型的には、通常の重ね合わせの欠陥により、隣り合う区域の分離が生じるか、又は隣り合う区域の重なりが視認可能になる、それぞれ異なるカラーの当接区域の問題を解消することである。第1のデザイン・カラー層は、第2のデザイン・カラー層の隣接区域並びに隣接区域の全体の下に延在する。典型的には、第1のデザイン・カラー層は、第2のカラー区域の非共通の境界又は非共通の複数の境界と端部で接しており、典型的には「きれいな」相互境界を有する所望のカラーの2つの区域が得られる。
【0066】
典型的には、アセンブリのある特定の断面を得ることが可能であり、この断面は、2つの外方端部を有する基体、2つの外方端部を有する部分接着される透過性コーティング、及びリリース表面を備えるステンシル層を備え、このステンシル層は、印刷パターンの陰画であり、したがって印刷パターンを画定し、ステンシル層は、複数の交互の「ステンシル層部分」及び「ステンシル層を欠く部分」を備え、各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有し、部分接着される透過性コーティングは、ステンシル層を欠く前記複数の部分の内側で基体にしっかりと接着される。有利には、部分接着される透過性コーティングの2つの外方端部は、ステンシル層の2つの外方端部の内側に位置して、後の不要なマーキング材料の除去を補助し、それによりステンシル層は、接着層の除去又は噴射により加えられる除去力にさらされる。任意には、この断面は、部分接着される透過性コーティングに施される印刷受容層を備え、印刷受容層は、2つの外方端部を有する。
【0067】
典型的には、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の重畳層を含む、変換されたアセンブリのパネルのある特定の断面を得ることが可能であり、この特定の断面は、変換前のアセンブリの特定の断面と同一の位置におけるものであって、この断面は、2つの外方端部を有する基体と、部分接着される透過性コーティング、デザイン層及び下地カラー層を含む印刷パターンとを含み、印刷パターンは、複数の交互の「印刷された部分」及び「印刷されない部分」を含み、印刷された各部分は、2つの外方端部を有する。印刷された部分の少なくとも1つが、2つの外方端部を有する部分接着される透過性コーティングの一部を含み、デザイン層の一部が、2つの外方端部を含み、下地カラー層の一部が、2つの外方端部を有し、下地カラー層は、印刷された部分の2つの外方端部の間の全幅にわたって延在する。少なくとも2つの隣接する印刷された部分が、イメージング材料からなる「デザイン層」の一部を含み、これは、典型的には下地カラー層の下に位置するが、任意には下地カラー層の上に位置する。任意には、印刷された部分の少なくとも1つにおいて、部分接着される透過性コーティングの部分の2つの外方端部と、デザイン層の部分の2つの外方端部と、下地カラー層の部分の2つの外方端部とが、実質的に整列状態にある。
【0068】
典型的には、このアセンブリは、基体ごしにライト・リーディングで視認可能なデザイン層を、リバース・リーディングで施すために用いられ、またこのアセンブリは、米国再発行特許37,186号及び米国特許第6,212,805号によるパネルを製造するために用いることが可能であり、この方法では、1つ又は複数の下地カラー層が、初めにアセンブリに施され、その後に、例えば窓の外側に貼られる視覚制御パネルを形成するために、ライト・リーディングで印刷されるデザインが施される。本発明の1つ又は複数の実施例は、不透過性若しくは透過性の印刷パターンを有する、窓の外側(第1の表面)若しくは内側(第2の表面)に貼り付けるための、実質的に正確に重ね合わされた印刷を含む、視認制御パネルの製造についての全般的な解決策を提供する。所望の最終パネルを作成するために、マーキング材料のタイプ又は複数のタイプ、及び各層の光透過率を、選択し、アセンブリの変換装置を用いて生成することが可能である。
【0069】
いくつかのアセンブリの実施例、及びその後に施されることが意図されるマーキング材料のタイプに関して、部分接着される透過性コーティングは、意図されるイメージング層と同様の組成の、及び任意には意図されるイメージング層と同様の施布方法の材料であることが可能である。例えば、アセンブリが、pvc溶剤インクを用いてスクリーン印刷により後にイメージングされる場合には、部分接着される透過性コーティングは、同一タイプの透過性pvc溶剤インクであることが可能である。しかし、アセンブリが、例えば侵食性の溶剤を含有するデジタル・インクジェット溶剤インクなどによってイメージングされなければならない場合には、有利には、部分接着される透過性コーティングは、例えばUV硬化インク若しくはエポキシ・インクの薄層など、溶剤の揮発によって空所が形成されない非常に剛性の層を備え、この層は、このような侵食性の溶剤によるステンシル層及び基体への進入に対する効果的にバリアとしての役割を果たす、非常に剛性の層となる。
【0070】
以下の説明、添付の図面及び添付の特許請求の範囲より、本発明の他の及び/又は代替の目的、特徴、態様並びに利点が明らかになろう。
【0071】
本発明の実施例、並びに本発明の他の目的及び他の特徴をさらによく理解するために、添付の図面と組み合わされて使用すべき以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1G】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1H】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図1J】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図2F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図3G】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図4F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5G】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5H】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5J】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5K】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5L】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図5M】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6A】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6B】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6C】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6D】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6E】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6F】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6G】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6H】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図6J】本発明の一実施例によるアセンブリの製造及び変換の一段階の概略断面図である。
【図7】本発明の一実施例による不要なマーキング材料を除去する方法の概略断面図である。
【図8】本発明の一実施例による不要なマーキング材料を除去する方法の概略断面図である。
【図9A】本発明の一実施例によるインク破砕作用の概略断面図である。
【図9B】本発明の一実施例によるインク破砕作用の概略断面図である。
【図10A】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図10B】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図11A】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図11B】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図12A】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図12B】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図13A】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【図13B】本発明の一実施例による最終的な視覚制御パネルの立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1Aから図1Jは、図1Cに図示されるアセンブリの製造の概略断面図、並びに図1Dから図1Jに図示されるワンウェイ・ビジョン・パネルを形成するためのアセンブリのその後の変換の概略断面図である。図1Aは、基体10を示し、図1Bは、基体に隣接するリリース表面22及び/又は基体から離れたリリース表面23を備えるステンシル層20を示す。ステンシル層20は、ステンシル層を欠く印刷パターン21を画成する。図1Cにおいては、部分接着される透過性コーティング30が、単一の連続コーティング又は複数のコーティングにおいて、印刷パターン21全体にわたる基体とステンシル層20との両方に施されて、典型的には部分加工材料(Part Processed Material)である本発明の1つ又は複数の実施例によるアセンブリを形成し、このアセンブリは、変換されて、実質的に正確に重ね合わされたマーキング材料の複数の層を有する最終パネルを形成する。部分接着される透過性コーティング30は、典型的には透過性である。図1Dにおいては、デザイン層40が、単一又は「スポット」カラーのデザイン・カラー層41を含み、リバース・リーディングで印刷されたこのデザインは、部分接着される透過性コーティング30及び基体10ごしにライト・リーディングで視認することが可能である。図1Eは、例えばデザイン40に対する下地としての役割を果たすホワイト・インクの層などの下地カラー層50を示す。図1Fにおいては、例えばブラック・インクの層などの別の下地カラー層51が、下地カラー層50に施される。図1Fにおいては、マーキング材料の重畳層49には、デザイン層40、下地カラー層50及び別の下地カラー層51が含まれる。最終パネルを作成するために、典型的には、印刷パターンの外側のマーキング材料の不要な層は、例えば、プラスチゾル・インクの層又は、図1Gに図示されるように例えばプラスチック若しくは紙などのフィルミック層62及び感圧接着剤61を含む接着剤付きフィルム60の層などの接着層を、施し、除去することによって、下地カラー層又は基体から離れた層の露出表面に力を加えることにより、除去される。接着層の除去と同時に、不要なインクは、ステンシル・リリース層が基体10に隣接する場合には図1Hに図示されるようにステンシル層と共に、又は、図1Jに図示されるように基体からステンシル・リリース層23が除去される場合には基体の上にステンシル層20を残しつつ、除去される。代替的には、不要なインクは、例えば研磨媒体を用いる若しくは用いない高圧水噴射によって、又は、研磨媒体を用いる若しくは用いない空気噴射によってなど、研磨によって除去されてよい。ワンウェイ・ビジョン・パネルの場合には、図1Jのステンシル層20は、基体10の印刷された側からの透視が可能となると共に、デザイン40が基体10及び部分接着される透過性コーティング30ごしに視認可能となるように、透過性であるべきである。図1Aから図1Jの実施例と共に使用するための材料の例としては、例えば透明な透過性アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(pvc)、ポリカーボネート、又は、例えば部分接着される透過性コーティング30の接着を受容するようにコーティング若しくは共有押出成形層で印刷処理された、印刷処理されたポリエステルなどの、プラスチック基体が含まれる。ステンシル20は、印刷パターンを画成するように正確に印刷可能であり、基体10及び/又はその上に施されるマーキング材料の層に十分には接着しない任意の材料からなるものが可能であって、例えばステンシル20は、この特定の基体又はその上に施されるマーキング材料の層に対する接着性が低い有機溶剤ベース印刷インクであり、例えばこの基体の上に施されるマーキング材料の層は、この特定の基体及び、例えばCoates Vynaglazeなどの各連続層に対する接着性が良好な従来のpvc溶剤ベース・インクなどを含む。この実施例においては、部分接着される透過性コーティングは、時としてワニス・インクと呼ばれる、例えばCoates Vynaglazeのインク範囲内の透明なインクであることが可能であり、これは、上述を参照とする基体、並びに適合性のインク樹脂及び溶剤を含むマーキング材料の重畳層によく接着する。典型的には、図1Cの部分加工材料アセンブリは、シート形態であるか又はロール形態であるかにかかわらず、ステンシル層20に損傷を与えることなく、切断され、パッケージングされ、プリンタに送られて、プリンタにより処理され、典型的には印刷機であるイメージング・システムにより処理されるのに十分な耐久性のあるものである。
【0074】
図2Aから図2Fは、図1Cの部分加工材料が、例えば典型的にはプロセス・ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順で施された4色のプロセス・インク42からなる層を含むデザイン層40を印刷され、このデザインが、リバース・リーディングで印刷されるが、部分接着される透過性コーティング30及び基体10ごしにライト・リーディングで視認可能であることを除けば、図1Dから図1Jと同様である。例えば、適切な4色のプロセス・インクとしては、スクリーン印刷用のCoates Vynaglazeのシアン、マゼンタ、イエロー及びプロセス・ブラック、又は、例えば米国のHewlett Packard社の一部門であるHP Scitexにより供給される溶剤インクジェット・インクなどが含まれる。
【0075】
図3Aから図3Gは、本発明の第2の実施例を示し、図3Aのアセンブリは、図2Cのアセンブリと同様であるが、例えばケイ酸塩ベースの又はポリマーのポリビニルピロリドン(pvp)又はポリ酢酸ビニル(pva)(「膨潤性」)インク受容層などの、例えば当技術において既知の水ベース・インクジェット・インクを受容するコーティングなどの追加の印刷受容層70を有する。有利には、印刷受容層は、例えばポリウレタン・ワニスなどの溶剤耐性層に施される。例えばHewlett Packard社より供給される水ベース・インクなど、図3Bのデザイン40の4色プロセス・インク42は、印刷受容層70によく接着する。図3Cから図3Gは、図2Bから図2Fと同様の作成段階を示す。Coates Vynalam透過性媒体269506の印刷受容層は、例えば溶剤インクジェットなどの、PVCフィルム上に印刷するように設計された殆どのイメージング・システムを受容する。
【0076】
図4Aから図4Fは、米国再発行特許37,186号によるシースルー・グラフィック・パネルの作成を示し、このパネルは、部分接着される透過性コーティング30及び基板10ごしに視認可能な裏刷りデザイン層42と、例えばCMYKの順で印刷され基体10の印刷された側から視認可能な4色のプロセス層などのライト・リーディング・デザイン層43とを含む。典型的には、デザイン層42と43との間の中間層には、複数のホワイト地カラー層50と、適宜には、例えばシルバー層、グレー層、ブラック層、又は例えばプロセス・ブラック・インクの50%をカバーする部分印刷されたブラック層などの、2つのホワイト地カラー層50の中間の層52とが含まれる。
【0077】
図5Aから図5Hは、米国特許第6,212,805号によるシースルー・グラフィック・パネルの作成段階の概略断面図を示し、このパネルは、図5Dの半透過性デザイン層41と、図5Eの、典型的にはホワイトの半透過性下地カラー層58とを含む。ステンシルが除去された図5Gの最終パネル、又はステンシルが残された図5Hの最終パネルは、基体10の印刷された側から照明することが可能であり、このデザインは、暗い時間帯には基体10の他方の側から明瞭に視認可能となる。図5Jから図5Mは、米国特許6,212,805号によるシースルー・グラフィック・パネルの作成を示し、このパネルは、同一方向に面し、共にリバース・リーディングに印刷されるか、又は共にライト・リーディングに印刷され、典型的にはホワイトである中間の半透過性下地カラー層58の両側に配設される、2つのデザイン層40を含む。図5Lは、ステンシル20が除去される場合の最終パネルであり、図5Mは、ステンシル20が残される場合の最終パネルである。
【0078】
デザイン層40が、典型的にはKYMCの順でリバース・リーディングで印刷された4色のプロセス・デザイン層42を含むことを除いては、図6Aから6Eは、図5Dから図5Hと同様であり、図6Fから図6Jは、図5Jから図5Mと同様である。
【0079】
図7は、適宜加熱されるニップ・ローラ80によって、部分接着される透過性コーティング及びマーキング材料からなる重畳層49と、ステンシル層20と、基体10とを含む被イメージング・アセンブリ48に、接着剤付き材料60を自動積層し、自動層状剥離するための機械の一部の断面図である。接着剤付き材料が、イメージングされたアセンブリから引き離され、不要な重畳層49及びステンシル層20が、後の処分のために巻上げスプール(図示せず)の方に、不要な材料部分65の形で選択的に除去され、所望の重畳層が、実質的に正確に重ね合わされた状態で、印刷パターンの所望の印刷された部分59の形で残される。
【0080】
図8は、追加のニップ・ローラ81が、層状剥離の前に接着剤付きアセンブリ60とイメージングされたアセンブリ48との間の接合を強化し、送りローラ82により補助されて最終パネルを送ることを除いては、図7と同様である。
【0081】
図9Aは、重畳された、部分接着される透過性コーティング30、デザイン層40、例えばホワイト・インクからなる下地カラー層50及び、例えばブラック・インクからなる別の下地カラー層51を有する、基体10の上のステンシル層20の一部分の概略断面図であり、下地カラー層51は、例えば接着剤付きフィルム(図示せず)の積層及び層状剥離などによって、インク除去力95を受け、インク破砕作用90を生じさせ、例えば図9Bに図示されるように、不要な材料部分65の除去をもたらす。
【0082】
図10A及び図10Bは、図1Hのパネルの立面図を示す。図10Aにおいては、デザイン40「ABCD」が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに視認可能である。図10Bは、パネルの他方の印刷された側を示し、ブラック・ライン51が、ブラック・ライン51の間において、光透過性基体10ごしに良好な視認性を与える。
【0083】
図11A及び図11Bは、図5Gのパネルの立面図を示す。図11Aにおいては、デザイン40「ABCD」が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに視認可能である。図11Bは、パネルの他方の印刷された側を示し、デザイン40の反転像が、半透過性ホワイト・ライン50ごしに視認可能であり、この半透過性ホワイト・ライン50は、ホワイト・ライン50の間において、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに幾分かの視認性を与える。
【0084】
図12A及び図12Bは、図4Eのパネルの立面図を示す。図12Aにおいては、4色のプロセス・デザイン42「ABCD」が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに視認可能である。図12Bは、パネルの他方の印刷された側を示し、別の4色のプロセス・デザイン43が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として視認可能であり、このホワイト地カラー層50は、ホワイト・ライン50の間において、光透過性基体10ごしに幾分かの視認性を与える。
【0085】
図13A及び図13Bは、図5Lのパネルの立面図を示す。図12Aにおいては、デザイン40「ABCD」が、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として、光透過性基体10及び透過性コーティング30ごしに視認可能である。図13Bは、パネルの他方の印刷された側を示し、デザイン40の反転したものが、ラインの印刷パターンのホワイト地カラー層50を背景として視認可能であり、このホワイト地カラー層50は、ホワイト・ライン50の間において、光透過性基体10ごしに良好な視認性を与える。
【0086】
部分接着される透過性コーティング及びその上に施されるマーキング材料又は着色剤の全ての層がそれぞれの隣接する層に接着しなければならないという要件を含みつつ、多様な部分接着される透過性コーティング材料及びイメージング・システムが互いに適合する限りにおいて、本発明の1つ又は複数の実施例は、それらの多様な部分接着される透過性コーティング材料及びイメージング・システムによって実施することが可能である。部分接着される透過性コーティングは、部分接着する透過性コーティングの他の目的又は複数の目的の中の単一の目的のために考案され使用される特許材料を適宜含んでよい。例えば、米国のNazdar社により供給される「Lyson Printbond」は、多様な基体によく接着し、事実上あらゆる溶剤及びUVイメージング・システムに対して優れた印刷受容面を提供する。一方で、「Lyson Printbond」はまた、またステンシル層を押え付けることを可能にし、ハロゲン化ポリオレチンとして、容易に溶融せず、したがってインクの溶剤からステンシル層及び基体を保護する。
【0087】
第2の実施例による別の例としては、プリンタは、米国のNazdar社により製造される「Lyson Pre−Post」コーティングを、印刷の約1時間以内に施すことが可能であり、この時、「Lyson Pre−Post」コーティングは、水ベース・インクを吸収し、さらに、本発明の1つ又は複数の実施例により作成される視覚制御パネルの共通用件である耐水性を得る。
【0088】
前述の例示の実施例は、本発明の構造的及び機能的原理を説明するために提示されるものであり、限定的になることは意図されない。むしろ、本発明の原理は、以下の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の任意の及びあらゆる変形形態、変更形態及び/又は代替形態を包含することが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に無孔の基体と、
透過性コーティングと、
前記基体と前記コーティングとの間に配設されるリリース表面を備えるステンシル層とを備えるアセンブリであって、
前記アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する前記基体を含み、前記コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及び前記ステンシル層を欠く部分とを有し、各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有し、前記コーティングは、前記基体から離れた前記ステンシル層の前記表面の上に配置され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分のそれぞれの内側で前記基体にしっかりと接着される、アセンブリ。
【請求項2】
前記基体は透過性である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記基体から離れた前記コーティングの側の前記アセンブリの上にリバース・リーディングで印刷され、前記基体ごしにライト・リーディングで視認可能なデザイン層をさらに備える、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記アセンブリはロール状に巻かれる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記アセンブリは、カット・シートを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記コーティングは、連続しており、前記ステンシル層と、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分の内側に位置する基体との間の各境界をまたぐ、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記リリース表面は前記ステンシル層の基体側に配設される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記リリース表面は前記ステンシル層のコーティング側に配設される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記コーティングは、2つの層を備え、前記2つの層の第1の層は、前記ステンシル層を前記基体に接着させ、前記2つの層の第2の層は、印刷受容表面を形成し、前記基体から離れた第1の層の側に配設され、前記第1及び第2の層は、それぞれ異なる材料を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記コーティングは、第3の層をさらに備え、この第3の層は、溶剤ベース・インクに対して実質的に不浸透性であり、前記基体から離れた前記第1の層の側に配設され、前記コーティングの前記第1及び前記第2の層とは異なる材料を含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ステンシルは透過性である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記ステンシルは光透過性である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ステンシルは無色透明である、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項14】
実質的に無孔の基体と、
透過性コーティングと、
前記基体と前記コーティングとの間に配設されるリリース表面を備えるステンシル層とを備えるアセンブリであって、
前記アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する前記基体を含み、前記コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及び前記ステンシル層を欠く部分とを有し、各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有し、前記コーティングは、前記基体から離れた前記ステンシル層の前記表面の上に配置され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分のそれぞれの内側で前記基体にしっかりと接着される、アセンブリに対してデザインを施す方法において、
前記基体から離れた前記コーティングの側の前記アセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階であって、前記複数の層は、デザイン層及び下地カラー層を備え、前記デザイン層は、リバース・リーディングで施され、前記基体ごしにライト・リーディングで視認可能である段階を含む方法。
【請求項15】
前記アセンブリの上にマーキング材料の前記複数の層を印刷する段階の前に、第1の地理的位置から、前記第1の地理的位置から少なくとも1.6km(1マイル)離れた第2の地理的位置に、前記アセンブリを輸送する段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の地理的位置から前記第2の地理的位置に前記アセンブリを輸送する段階の前に、前記アセンブリをロール状に巻く段階と、
前記アセンブリの上にマーキング材料の前記複数の層を印刷する段階の前に、前記巻かれたアセンブリを広げる段階とをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アセンブリが、ロール状に巻かれる方法であって、前記方法はさらに、前記アセンブリの上にマーキング材料の前記複数の層を印刷する段階の前に、前記アセンブリを広げる段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
マーキング材料の前記複数の層に力を加える段階であって、前記力によって、前記ステンシル層の上に配設された前記コーティングとマーキング材料の前記複数の層とが実質的に除去され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分の端部の内側に、実質的に正確に重ね合わされた状態で、前記基体に接着された前記コーティング及びマーキング材料の前記複数の層が残される段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
マーキング材料の前記複数の層は、前記ステンシル層の上に直接印刷された場合には前記ステンシル層に浸透するマーキング材料を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
実質的に無孔の基体と、
透過性コーティングと、
前記基体と前記コーティングとの間に配設されるリリース表面を備えるステンシル層とを備えるアセンブリであって、
前記アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する前記基体を含み、前記コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及び前記ステンシル層を欠く部分とを有し、各ステンシル層は、2つの外方端部を有し、前記コーティングは、前記基体から離れた前記ステンシル層の前記表面の上に配置され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分のそれぞれの内側で前記基体にしっかりと接着される、前記アセンブリに対してデザインを施す方法において、
前記基体から離れた前記コーティングの側のアセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階であって、前記複数の層は、デザイン層及び下地カラー層を備え、前記デザイン層は、前記下地カラー層と前記基体との間に配設され、前記基体ごしに視認可能である段階を含む方法。
【請求項1】
実質的に無孔の基体と、
透過性コーティングと、
前記基体と前記コーティングとの間に配設されるリリース表面を備えるステンシル層とを備えるアセンブリであって、
前記アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する前記基体を含み、前記コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及び前記ステンシル層を欠く部分とを有し、各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有し、前記コーティングは、前記基体から離れた前記ステンシル層の前記表面の上に配置され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分のそれぞれの内側で前記基体にしっかりと接着される、アセンブリ。
【請求項2】
前記基体は透過性である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記基体から離れた前記コーティングの側の前記アセンブリの上にリバース・リーディングで印刷され、前記基体ごしにライト・リーディングで視認可能なデザイン層をさらに備える、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記アセンブリはロール状に巻かれる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記アセンブリは、カット・シートを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記コーティングは、連続しており、前記ステンシル層と、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分の内側に位置する基体との間の各境界をまたぐ、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記リリース表面は前記ステンシル層の基体側に配設される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記リリース表面は前記ステンシル層のコーティング側に配設される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記コーティングは、2つの層を備え、前記2つの層の第1の層は、前記ステンシル層を前記基体に接着させ、前記2つの層の第2の層は、印刷受容表面を形成し、前記基体から離れた第1の層の側に配設され、前記第1及び第2の層は、それぞれ異なる材料を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記コーティングは、第3の層をさらに備え、この第3の層は、溶剤ベース・インクに対して実質的に不浸透性であり、前記基体から離れた前記第1の層の側に配設され、前記コーティングの前記第1及び前記第2の層とは異なる材料を含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ステンシルは透過性である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記ステンシルは光透過性である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ステンシルは無色透明である、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項14】
実質的に無孔の基体と、
透過性コーティングと、
前記基体と前記コーティングとの間に配設されるリリース表面を備えるステンシル層とを備えるアセンブリであって、
前記アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する前記基体を含み、前記コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及び前記ステンシル層を欠く部分とを有し、各ステンシル層部分は、2つの外方端部を有し、前記コーティングは、前記基体から離れた前記ステンシル層の前記表面の上に配置され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分のそれぞれの内側で前記基体にしっかりと接着される、アセンブリに対してデザインを施す方法において、
前記基体から離れた前記コーティングの側の前記アセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階であって、前記複数の層は、デザイン層及び下地カラー層を備え、前記デザイン層は、リバース・リーディングで施され、前記基体ごしにライト・リーディングで視認可能である段階を含む方法。
【請求項15】
前記アセンブリの上にマーキング材料の前記複数の層を印刷する段階の前に、第1の地理的位置から、前記第1の地理的位置から少なくとも1.6km(1マイル)離れた第2の地理的位置に、前記アセンブリを輸送する段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の地理的位置から前記第2の地理的位置に前記アセンブリを輸送する段階の前に、前記アセンブリをロール状に巻く段階と、
前記アセンブリの上にマーキング材料の前記複数の層を印刷する段階の前に、前記巻かれたアセンブリを広げる段階とをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アセンブリが、ロール状に巻かれる方法であって、前記方法はさらに、前記アセンブリの上にマーキング材料の前記複数の層を印刷する段階の前に、前記アセンブリを広げる段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
マーキング材料の前記複数の層に力を加える段階であって、前記力によって、前記ステンシル層の上に配設された前記コーティングとマーキング材料の前記複数の層とが実質的に除去され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分の端部の内側に、実質的に正確に重ね合わされた状態で、前記基体に接着された前記コーティング及びマーキング材料の前記複数の層が残される段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
マーキング材料の前記複数の層は、前記ステンシル層の上に直接印刷された場合には前記ステンシル層に浸透するマーキング材料を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
実質的に無孔の基体と、
透過性コーティングと、
前記基体と前記コーティングとの間に配設されるリリース表面を備えるステンシル層とを備えるアセンブリであって、
前記アセンブリの断面が、2つの外方端部を有する前記基体を含み、前記コーティングは、2つの外方端部と、複数の交互のステンシル層部分及び前記ステンシル層を欠く部分とを有し、各ステンシル層は、2つの外方端部を有し、前記コーティングは、前記基体から離れた前記ステンシル層の前記表面の上に配置され、前記ステンシル層を欠く前記複数の部分のそれぞれの内側で前記基体にしっかりと接着される、前記アセンブリに対してデザインを施す方法において、
前記基体から離れた前記コーティングの側のアセンブリの上にマーキング材料の複数の層を印刷する段階であって、前記複数の層は、デザイン層及び下地カラー層を備え、前記デザイン層は、前記下地カラー層と前記基体との間に配設され、前記基体ごしに視認可能である段階を含む方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1J】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図5J】
【図5K】
【図5L】
【図5M】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図6J】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1J】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図5J】
【図5K】
【図5L】
【図5M】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図6J】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【公表番号】特表2010−509106(P2010−509106A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536822(P2009−536822)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【国際出願番号】PCT/IB2007/004462
【国際公開番号】WO2008/084332
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508091063)コントラ ビジョン リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【国際出願番号】PCT/IB2007/004462
【国際公開番号】WO2008/084332
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508091063)コントラ ビジョン リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
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