説明

野菜の収穫装置

【課題】茎葉を収穫目的とする野菜の収穫を自動的かつ茎葉を損傷しないで連続して収穫できる野菜の収穫装置を提供する。
【解決手段】
野菜の収穫装置は、機体に支持されて、植立された野菜の茎部を切断する切断部と、切断部で切断された切野菜を前低後高方向に搬送する第1搬送部を備えている。さらに、第2搬送部は、第1搬送部で搬送される切野菜を第1搬送部から放出される直前に受けて第1搬送部と共に同時に1つの切野菜を把持した状態で強制搬送するように第1搬送部から切野菜を受け渡される。前低後高姿勢で搬送される搬送端位置で搬送される切野菜の重積を防止し、連続収穫を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、野菜の収穫装置に係り、特に高菜やかつお菜などの丈が低く生育した茎、葉の部分を食材として用いる野菜の収穫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高菜やかつお菜などは、漬物、料理の具材、炒めもの食材などとして人気の高い野菜である。例えば、高菜は、アブラナ科の越年草で20〜60cmほどの丈に成長する。高菜は地上から出た茎と葉の部分が食材として用いられ、茎の部分は比較的簡単に手折りで収穫可能である。このため、その収穫は座ったままの姿勢で移動しながら行なわれ、広範な栽培地では長時間の腰や足を曲げたままの姿勢が大きな苦痛となり、疲労を伴うものであった。高菜は茎部分は扁平で肉太であるが折れやすく機械装置による収穫が不向きであり、農業就労人口減少、農村での過疎化などもあって自動的に高菜を収穫できる装置の出現が待望されている。一方、野菜の収穫機として従来、例えば特許文献1の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−173020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置は、例えばしょうがや玉ねぎなどのように、茎葉部を有する野菜を収穫する装置であり、一対の前輪間並びに一対の後輪間にそれぞれ空間を設け、該空間に臨ませて前低後高の茎葉部挟持用搬送体を設けたものである。しかしながら、この特許文献1の装置は茎葉部を有する野菜の収穫であっても主に食材となる部分は根部であり、茎葉部はあくまで装置で引き抜きながらしょうがや玉ねぎ等を収穫していく際の把持部分として利用するためであって、地面から引き抜いて搬送した後は茎葉部は裁断処理するものである。したがって、高菜などの茎葉部自体を食材とし収穫時にこれらの茎葉部を裁断しない野菜の収穫にはこの特許文献1の装置は適用できない。また、収穫後の茎葉部を乱雑に扱えない高菜では、大型装置による一括収穫形式の収穫装置は不向きであり、ある程度小型で作業者が機体を前進運転させながら収穫される高菜の茎葉の状況を監視できるような装置であるのが望ましい。さらに、特許文献1の装置を用いて高菜収穫を行なうと、前低後高の茎葉部挟持用搬送体の最高位位置で把持した高菜を離脱させるが高菜の移動は離脱されるまでは斜め上向きのベクトルであるから、これから自由落下に転じるまでのわずかな時間の高菜の滞留があり、このため、連続搬送される高菜が搬送体の高位置で潰される状態で重積し、商品価値を損なうばかりでなく、収穫作業自体が続行困難となるおそれがあった。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、茎葉を主な収穫目的とするような野菜の収穫を自動的かつ茎葉を損傷しないで連続して収穫できる野菜の収穫装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、機体2に支持され、植立された野菜Vの茎部を切断する切断部50と、切断部50で切断された切野菜Vcを前低後高方向に搬送する第1搬送部90と、第1搬送部90で搬送される切野菜Vcを第1搬送部90から放出される直前に受けて第1搬送部90と共に同時に1つの切野菜Vcを把持した状態で強制搬送するように第1搬送部90から切野菜を受け渡される第2搬送部130と、を含む野菜の収穫装置1から構成される。第1搬送部で前低後高方向に搬送された切野菜は高位の放出端付近で第2搬送部と同時に把持した状態で短い時間搬送し第1搬送部の把持状態が解放されると第2搬送部のみの搬送で例えば受け取り位置から下方に向けて強制搬送する。したがって、第1搬送部の上端寄り部分での切野菜の重積がなくなり、連続して野菜を連続的かつ自動的に収穫することができる。この場合、切断部や、第1、第2搬送部の具体的搬送構造や、それらの駆動構造は特に限定されるものではない。
【0007】
その際、第2搬送部130は、第1搬送部90の放出位置から少なくとも水平方向以下の低位方向に向けて強制搬送するとよい。水平方向より高位方向に向けて搬送させてもよいが、作業者のハンドル位置や第1搬送部の前低後高姿勢から、第1搬送部の放出位置はある程度高位となり、したがって、収穫後の切野菜の受ケースの取り付け位置等を考慮すると、放出位置から低位方向への搬送が好ましい。
【0008】
さらに、切断部50は、第1搬送部90の前低位置近傍に配置されており、切断部50による野菜の切断位置よりも高位に1個又は複数の端葉払い装置70が設けられるとよい。切断部により野菜の地面近くの茎部を水平切断すると、商品として不適な端葉等も切断後の野菜側に含まれる。これらは機体の前進時に切断刃の後部で重積したり、あるいは第1搬送部により斜め上方に引き上げられる際に一緒に引き上げられることになる。端葉払い装置70を設けることにより、これらを防止でき、切断作業の円滑な実行と、切野菜の整理を短時間で効率よく行なえる。
【0009】
また、第1搬送部90は、前低後高姿勢で対向配置された一対の第1挟持ベルト91を含み、一対の挟持ベルト91による挟持開始位置を上下調節させる挟持位置調節装置80が設けられるとよい。野菜の成長度合により切断する茎部分の高さ位置も異なり、これに対応して、挟持位置も変化させることにより、安定して搬送させうる切野菜の部位を把持した状態で連続搬送させることができる。
【0010】
また、切断部50は、水平軸回り回転する主軸13に連動し機体2の前進方向に対して左右に相対移動させながら野菜の茎部を切断する上下切断刃51a,51bを有するとよい。
【0011】
また、第2搬送部130は、第1搬送部90の高位置に近接して配置された一対の第2挟持ベルト131を含み、第1搬送部90の挟持ベルト91と第2搬送部130の挟持ベルト131を主軸13の回転に同期回転させる同期連結機構132を含むとよい。
【0012】
また、第1搬送部90の一対の第1挟持ベルト91の前端側には中央から放射状に伸びる複数のブレード98を回転しつつ植立された野菜Vを挟持開始位置に向けて導入させる導入装置97が設けられるとよい。
【0013】
さらに、機体2の前部側を支持し植栽地面を摺動するソリ板(17)が配置され、
該ソリ板(17)の前端側に前低後高姿勢の前端を固定させた収束杆21を取り付けるとなおよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の野菜の収穫装置によれば、機体に支持され、植立された野菜の茎部を切断する切断部と、切断部で切断された切野菜を前低後高方向に搬送する第1搬送部と、第1搬送部で搬送される切野菜を第1搬送部から放出される直前に受けて第1搬送部と共に同時に1つの切野菜を把持した状態で強制搬送するように第1搬送部から切野菜を受け渡される第2搬送部と、を含む構成であるから、第1搬送部の把持状態が解放されると第2搬送部のみの搬送で例えば受け取り位置から下方に向けて強制搬送する結果、第1搬送部の上端寄り部分での切野菜の重積がなくなり、切野菜を損傷して商品価値を損なうことなく、野菜を連続的かつ自動的に収穫することができる。また、野菜の収穫作業労力を軽減し少ない作業者数で広範囲の栽培地での収穫作業を確実に行なうことが可能である。
【0015】
また、第2搬送部は、第1搬送部の放出位置から少なくとも水平方向以下の低位方向に向けて強制搬送する構成であるから、作業者の機体の操作姿勢での第1、第2搬送部の搬送状態の切野菜の搬送補助作業を無理なく簡単に行なえる位置に設定されるとともに、第2搬送部での搬送後の切野菜の受ケースとの位置関係も野菜を損傷させない適度な位置において、受け取らせることができる。
【0016】
また、切断部は、第1搬送部の前低位置近傍に配置されており、切断部による野菜の切断位置よりも高位に1個又は複数の端葉払い装置が設けられている構成であるから、商品として不適な端葉等の切断刃の後部での重積を防止し円滑な切断作業を継続させうるとともに、第1搬送部によりそのまま斜め上方に引き上げられて適正商品価値の野菜への混入を防止して切野菜の整理を短時間で効率よく行なうことができる。
【0017】
また、第1搬送部は、前低後高姿勢で対向配置された一対の第1挟持ベルトを含み、一対の挟持ベルトによる挟持開始位置を上下調節させる挟持位置調節装置が設けられた構成とすることにより、野菜の成長度合により変化する切断する茎部分の高さ位置に対応して最も安定して搬送させうる切野菜の把持位置を設定し、その状態で安定して連続搬送させることができる。
【0018】
また、切断部は、水平軸回り回転する主軸に連動し機体の前進方向に対して左右に相対移動させながら野菜の茎部を切断する上下切断刃を有する構成とすることにより、小さなスペースでしかも野菜の茎葉部分に大きな把持圧力や損傷を与えることなくその後の搬送工程に円滑に移行させることが可能である。
【0019】
また、第2搬送部は、第1搬送部の高位置に近接して配置された一対の第2挟持ベルトを含み、第1搬送部の挟持ベルトと第2搬送部の挟持ベルトを主軸の回転に同期回転させる同期連結機構を含む構成であるから、第1、第2挟持ベルトの搬送速度を同一とししかも同時把持で強制搬送させる構成を具体的に実現しうる。
【0020】
また、第1搬送部の一対の第1挟持ベルトの前端側には中央から放射状に伸びる複数のブレードを回転しつつ植立された野菜を挟持開始位置に向けて導入させる導入装置が設けられた構成とすることにより、野菜の挟持開始位置に向けて確実に野菜の本体部分を寄せることができ、安定した切断、搬送工程を連続して実現させることが可能である。
【0021】
また、機体の前部側を支持し植栽地面を摺動するソリ板が配置され、該ソリ板の前端側に前低後高姿勢の前端を固定させた収束杆が取り付けられている構成であるから、切断位置に向けて地面に近い部分で野菜を寄せることができ、安定した切断と連続搬送を実現させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る野菜の収穫装置の側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る野菜の収穫装置の他の側面図である。
【図3】図1の装置の平面図である。
【図4】図1の一部省略B−B線矢視図である。
【図5】図1のC−C線矢視図である。
【図6】図4の一部省略E−E線矢視図である。
【図7】図1のA−A線矢視による第1搬送部の平面説明図である。
【図8】図6の一部省略F−F線矢視図である。
【図9】ベルトの挟持位置調節装置部分の一部省略拡大図である。
【図10】図1のD−D線矢視図である。
【図11】第1搬送部から第2搬送部への受け渡し状態を示す斜視説明図である。
【図12】図1の野菜の収穫装置の使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下添付図面を参照しつつ本発明の野菜の収穫装置の実施形態について説明する。本発明に係る野菜の収穫装置は、丈の低い茎葉を収穫目的とする野菜の収穫を行なうものであり、代表的には高菜、その他のアブラナ科植物、からし菜、かつお菜、コマツナ、その他の野菜の収穫に適する。図1ないし図10は、本発明の実施形態に係る野菜の収穫装置1を示している。
【0024】
本実施形態の野菜の収穫装置1は、植立し生育した立ち毛の野菜Vの茎部を切断する切断部50と、切断された茎葉からなる切野菜Vcを搬送する第1搬送部90と、第1搬送部90に連係して設置される第2搬送部130と、を含む。切断刃50と、第1、第2搬送部90、130は、機体2に支持されている。
【0025】
図1において、機体2は、野菜の収穫装置1の骨格構造を成すものであり、図示しない駆動装置を収容する駆動装置部3と、駆動装置部3の前部に連結されたフレーム部4と、を含む。駆動装置部3は2個の車輪5に装架されて回転動力を車輪5に伝達し、機体全体を前後動させる。駆動装置部3は回転動力を生成する駆動源並びに回転機構を内蔵する部位であり、実施形態では図示しない燃料タンクも内蔵設置した例えば4サイクル式の燃料発電機が搭載されている。駆動装置部3は通常は保護カバーで被覆されており、6は排気カバーである。
【0026】
駆動装置部3の前部寄り上部には回動軸線y周り方向に回動可能な一対の操作ハンドル7が連結されており、図3に示すようにそれぞれの端部側の取っ手近傍に車輪駆動走行用のオン、オフレバー8、並びに後述する切断刃及びベルト駆動用レバー9が取り付けられている。それぞれのレバーにはギヤクラッチ10、11が連係されている。機体2は、車輪ユニットに装架されて地上からある程度離隔した高さ位置に支持されている。
【0027】
フレーム部4は、側面視で縦、横、縦、横の順に機体の前進方向に階段状に連結され、さらにそれぞれ左右一対で連結された4対のフレーム4a,4a、4b,4b、4c,4c、4d,4dを含む金属フレーム構造からなり、直接にはこのフレーム部4が切断刃50と、第1、第2搬送部90、130とを支持している。具体的には、フレーム4a、4aが第1搬送部90を支持し、フレーム4b、4bがギヤ連結を介して第2搬送部130を支持し、さらに、フレーム4d、4dが切断部50を支持している。
【0028】
図1、2、6において、水平状に配置されたフレーム4b、4bに動力配分機構12が設置され、動力配分機構を介してそれぞれの部位に駆動力を伝達供給している。実施形態において、動力配分機構12は、フレーム4b、4bに支持された主軸13を含む。主軸13は、駆動装置部3の回転に連動回転しそれぞれ切断刃50、第1、第2搬送部90、130に直接に動力を伝達する主回転軸であり、フレーム4b、4bに対向配置して固定された図示しない軸受に両端を軸支されて回転自在に設けられている。主軸13の両端には大プーリ14A、14Bが固定されており、1つの大プーリ14Aと駆動装置部3の回転軸に固定されたプーリ15とに調帯されたベルト16を介して駆動装置部3の回転力が伝達され主軸13を駆動回転させる。
【0029】
一方、図1、2、3、5において、フレーム部4のうちの水平状に配置された最下部フレーム4d、4dのさらに下部側であって、機体の前後方向に長く一対のソリ体17が係合連結されている。ソリ体17は、例えばスキー板形状のソリ板で構成されており、ソリ体17の基部側に連結された例えば三角フレーム18を介してフレーム4d、4dに連結接続されている。すなわち、三角フレームの1つの縦フレーム19に間隔を設けて縦列配置した複数の係止孔20によりボルト等の係止固定部材を介してフレーム4d、4dに所望の高さ位置で係止連結され、これによって、フレーム部4の前端部分がソリ体17により下方から支持されている。ソリ体17は、植栽地面を摺動しつつ機体2の前部側を支持し安定させる支持手段であり、実施形態では、地面に近い野菜の茎部分を切断するに際し切断部前方の地面の至近位置で切断すべき野菜を切断部50側に向けて誘導させる手段を設けることによりその後の切断及び搬送を円滑に行なわせることができる。すなわち、本実施形態において、両ソリ体17の先端側は例えば15度程度の角度で屈曲しており、それぞれの端部に基端を固定して他端を前低後高かつ対向方向に接近させた1対の収束杆21が取り付けられており、該収束杆21が地面の至近位置で切断すべき野菜を切断部50側に向けて誘導させる。
【0030】
図1、4、5において、切断部50は、植立された野菜の茎部を切断する切断刃51と、切断刃51を切断駆動させる切断機構52と、を含む切断装置である。本実施形態において切断刃51は、刃体を上下に密着重畳させ左右方向に相対往復摺動させながら立ち毛の茎部を水平切断する。すなわち、実施形態において、切断刃51は下部固定刃51aと、上部可動刃51bと、からなり、上部可動刃51bの左右スライド往復移動により野菜の茎部を水平方向に切断する。図4、5に示すように、下部固定刃51aは、機体進行方向に対して左右両側の最下部のフレーム4d、4dに渡設した連結板53に鋸刃状の刃先を機体進行方向に向けて配置固定させている。さらに下部固定刃51a上に左右に自由に移動可能に上部可動刃51bを密着配置している。上部可動刃51bは図示しないガイド板により下部固定刃51a上を往復スライドしてその間に切刃どうしの差し違え動作により野菜の茎部を水平切断するように位置合わせされて左右方向にのみ往復移動する。
【0031】
図1、4、5において、切断機構52は、往復揺動生成機構54と、定範囲揺動装置55と、を含む。往復揺動生成機構54は、主軸13の水平軸回り運動を変換して縦軸回りの所定範囲の往復回転運動に変換して生成する運動変換機構であり、連結アーム56とその両端に取り付けられた自在継手57、58と、連係板59と、を含む。1つの自在継手57は、大プーリ14Aと同軸の主軸13に連結された大プーリより小径の円盤60の盤面に取り付けられる。他の自在継手58は、連係板59の一端側に枢支連係されている。定範囲揺動装置55は、フレーム4dに突設固定された軸受ブラケット61に縦方向に軸支された揺動縦軸62と、揺動縦軸の下端側に直角状に一端を固定され、先端を水平方向に伸ばした作動杆63と、を含む。揺動縦軸の上端部は連係板59の他端側と直角状に連結固定されており、これによって、往復揺動生成機構54により連係板59の一端側を縦軸回りに往復水平回動させることにより揺動縦軸62が一定範囲を往復揺動し、同様に作動杆63もその先端側を一定範囲でm方向扇形に往復揺動する。そして、作動杆63の先端にはその長手方向に一端を開口した長溝64が設けられており、この長溝に上部可動刃51bから上向き立設されたピン65が嵌入されて係合している。これによって、作動杆63が一定範囲を往復回動すると、ピン65を介して上部可動刃51bを水平往復直線方向に移動させて野菜の茎部を水平切断する。また、揺動縦軸62の上下長さ中間位置には上部払い杆66がその一端を固定し他端側を水平方向に突設固定させており、切断刃51による茎部の切断位置より上部の高位を揺動縦軸62と同じ範囲を往復水平揺動する。上部払い杆66は、切断された切野菜Vcに付着する端葉や枝茎葉などを払い落とすものであり、これを設けることにより前低後高方向に上昇搬送される切野菜Vcの商品として適用可能な部分のみを搬送させてある程度の選別を行わせることができる。上部払い杆66は端葉払い装置70の一部を構成する。実施形態において、端葉払い装置70は、切断部による野菜の切断位置よりも高位に上部払い杆66と下部払い杆159の2個が設けられている。端葉払い装置70は、例えばいずれかの一方のみを設けても良く、また、さらに、3個以上配置してもよい。
【0032】
図1ないし図3、図7において、第1搬送部90は、切断部50で茎部を水平切断された切野菜Vcを前低後高方向、すなわち機体の背面に向けて上昇する方向に搬送させる搬送手段であり、実施形態において、該第1搬送部90は、第1の挟持ベルト91と、第1搬送機構部92と、を含む。図において、縦フレーム4aの上端に左右一対で相互に間隔を開けて連結された長フレーム93の長手中間部分を枢支する枢支部94が設けられており、該枢支部94に支持されて長フレーム93が前低後高姿勢で配置されている。これらの長フレーム93、93の前端側は前下がり位置となるにつれて相互の間隔が拡大するように拡大支持板95が取り付けられている。そして、両長フレーム93、93のそれぞれの上面に取り付けられた複数のローラ96に調帯されて左右の第1挟持ベルト91A、91Bが機体の前後方向に長い環形状を成して周回移動するように設けられている。複数のローラ96は環形状のベルトの内側において間隔を開けて直線状に対向配置された挟持ローラ961と後高端位置に取り付けられた挟持ローラよりも径大の周回ローラ962、962と、拡大支持板95の先端側に取り付けられた挟持ローラよりも径大の駆動ローラ963、963と、を含む。駆動ローラ963は第1搬送機構部92により回転駆動されて第1挟持ベルト91を周回駆動させる。第1挟持ベルト91A、91Bは、ゴム質のベルトの外側にスポンジ等の柔軟帯部材を担持させており、直線状に対向配置された挟持ローラ961により案内されて移動する部分で切野菜Vcを挟み付けて斜め上昇方向に搬送移動させる。長い環形状を成して周回移動する第1挟持ベルト91の前部は先端(前端)方向となるにしたがって間隔を次第に拡大するように配置されており、相互の挟持ベルトが密着し始める基部部分が野菜の挟持開始位置Sとされる。
【0033】
図3、図7、図9において、一対の挟持ベルト91A、91Bによる挟持開始位置を上下調節させる挟持位置調節装置80が設けられている。挟持開始位置sは、野菜の茎の太さやベルトで切野菜Vcの茎や葉を同時に把持する場合などの実際の挟持状態により変化するが、挟持ローラ961に支持されるベルト部分では確実に切野菜Vcを挟持する。野菜の茎の太さや葉の繁茂状態は個々の野菜により異なるが、収穫作業を行うエリアでの野菜の発育状況等に応じてこの挟持開始位置を上下調整させることにより、茎部での好適な切断位置を設定することができる。実施形態において、前端側の挟持ローラ961と駆動ローラ963との中間に環形状のベルトの内側において相互に間隔を近接、離隔方向に近接自在に移動可能な可動ローラ964が回転自在に軸支されている。挟持位置調節装置80は、可動ローラ964を含み、第1挟持ベルト91による挟持開始位置を上下調節させる手段であり、本実施形態において、該挟持位置調節装置80は、さらに、可動軸受け板81と、押し付け装置82と、を備えている。可動軸受け板81は、可動ローラ964を第1挟持ベルト91の内側にそのローラ溝を押し付けた状態で軸支する軸受け板であり、軸受け板の基端は枢支部83により枢支されてベルトの内側に向けて押し付け離開方向に近接離開自在に可動支持する支持手段である。押し付け装置82は、ベルトの張力により常時内側に向けて付勢される可動ローラ964をその付勢力に抗して環形状の外側方向に押し付ける押し付け手段であり、実施形態では、ナット84とナット84に螺合して進退移動するボルト85と、を含み、ボルト85の螺進退移動により可動軸受け板81の押し付け部を押し付けて調帯される2個のベルトの挟持位置付近の間隙gを広狭調整する。このとき、第1挟持ベルト91全体は、機体の前後方向に長い環形状であり、前低後高姿勢で斜めに配置されているから、間隙gの広狭調整により実質的には挟持開始位置の上下高さhを変動させる。これによって、第1挟持ベルト91の挟持位置を調節する。なお、75、75は、基部を機体に枢支されたアーム76に回転自在に軸支され、ばね77により常時第1挟持ベルト91にテンションを加えて張った状態に付勢されるテンションローラである。
【0034】
拡大支持板95の先端側に取り付けられた周回ローラ963、963のローラ軸と同軸でそれらの上面側には、導入装置97が設けられている。導入装置97は、中央あるいは中心から放射状に伸びる複数のブレードを回転させつつ立ち毛の上部側を拡大間隙部の内側に集めて野菜を挟持開始位置Sに向けて導入する導入手段であり、実施形態において、例えば軟質のゴム製により円盤体の円周上離隔位置から半径方向に突設した複数のブレード98を有して構成されている。
【0035】
第1搬送機構部92は、第1挟持ベルト91の駆動機構であり、主軸13の回転動力を伝達して駆動ローラ963を同期逆方向回転させる動力伝達駆動手段である。図1、2、6、8において、第1搬送機構部92は主軸13にベルト99で連動回転する減速ウオームギヤ機構100と、減速ウオームギヤ機構100に一端を連結して他端を延長した2個のフレキシブル軸101、101と、フレキシブル軸101の他端に連結しつつ相互に逆回転するように設定される2個のベベルギヤ機構102と、を含む。図2において、主軸13の他端側には他の大プーリ14Bが連結固定されており、この大プーリ14Bと減速ウオームギヤ機構100のホイール軸に連結した小プーリ103とがベルト99に調帯されており、これによって、ベルト99を介して主軸13の回転動力がウォームギヤ機構100の図示しないウォームホイール並びにウォームを連動回転させ、さらに、両フレキシブル軸101にウォームにより減速された回転を伝達させてベベルギヤ機構102を互いに逆回転させる。ベベルギヤ機構102は駆動ローラ963のローラ軸と連結されており、これによって、第1搬送機構部92を介して第1挟持ベルト91を互いに逆回りに周回移動させつつ切野菜Vcを背面側に向けた斜め上昇方向、すなわち、前低後高方向に搬送する。
【0036】
第2搬送部130は、第1搬送部で搬送される切野菜Vcを受けて第1搬送部と共に同時に1つの切野菜Vcを把持した状態で他の方向に強制搬送する搬送手段であり、第1搬送部で搬送される切野菜を第1搬送部から放出される直前に受けて短い時間間隔で第1搬送部と共に切野菜を同時に把持した状態で強制搬送し、連続して斜めせり上がりに搬送される切野菜を後高位置で重積させることなく円滑に受ケース側に移送させる。本実施形態において、第2搬送部130は、第1搬送部90による野菜の放出位置から少なくとも水平方向以下の低位方向に向けて強制搬送する。
【0037】
本実施形態において、第2搬送部130は、第2の挟持ベルト131と、同期連結機構132と、を含む。図1、2、10、11において、第2挟持ベルト131は、長フレーム93に連結された第1、第2支持杆133、134に回転自在に支持された複数のローラ135に調帯されて切野菜Vcを第1搬送部90から放出される直前に受け、第1搬送部と共に同時に1つの切野菜Vcを把持した状態で切野菜を受け取る搬送方向の変更及び強制搬送装置である。実施形態において、長フレーム93の上部寄り位置に第1、第2支持杆133、134を介して一次ベルト131A及び二次ベルト131Bを含む第2挟持ベルト131が周回自在に支持されている。すなわち、第1支持杆133には離隔した2点に1個の周回駆動ローラ1361を含む2個の周回ローラ136が回転自在に支持され、これら2個の周回ローラ136のローラ溝に係合して一次ベルト131Aが調帯されている。また、第2支持杆134には離隔した3点に1個の周回駆動ローラ1371を含む3個の周回ローラ137が回転自在に支持され、これら3個の周回ローラ137のローラ溝に係合して二次ベルト131Bが調帯されている。一次、二次ベルト131A、131Bは、第1挟持ベルト91と同様で最外側にスポンジ素材等の柔軟な帯状ベルトを取り付けてあり、これらが密着して移動する経路が第2搬送部130の搬送方向を決める。図10において、第2搬送部130の搬送方向は、第1搬送部90の放出位置から右斜め下k方向にむけて設定されており、その延長上に受ケース140が設けられている。本実施形態では、第2搬送部130の搬送方向は、少なくとも水平方向以下の低位方向に設定されている。第1、第2搬送部で同時に挟持しつつ他の搬送方向への変更を行なうものであれば、水平方向を越える高位方向へ搬送してもよいが、機体の操作者の立位でフリーの方の手で受ケース140に移送された切野菜Vcを整えたりさばいたりするのには、低位方向へ放出しシュートや貯留側に移送させるのが好ましい。
【0038】
周回ローラ136の周回駆動ローラ1361は同期連結機構132側に連結されて駆動回転され、一次ベルト131Aを矢視Q1方向に回動させる。周回ローラ137の周回駆動ローラ1371は同期連結機構132側に連結されて駆動回転され、ニ次ベルト131Bを矢視Q2方向に回動させる。
【0039】
図1、2、6において、同期連結機構132は、主軸13の回転動力を第2搬送部130の複数のローラ96、135に伝達して第2挟持ベルト131を周回駆動させる第2挟持ベルト131の動力伝達と同期回転を行なわせる手段であり、本実施形態において、主軸13に連係する複数の歯車からなる歯車群150と、歯車群の1つまたは複数に連結し第1挟持ベルト91を支持する長フレーム93に沿って長く延設された2つの長ロッド162、164と、を含む。
【0040】
歯車群150は、主軸13の長さ中間位置に固定された第1歯車151と、主軸の上方に回転自在に軸支された第2回転軸152に固定されて第1歯車に咬合する連動歯車1511と、第2回転軸152の他の中間位置に固定されたウォーム歯車からなる第2歯車153と、第1の長ロッド162に固定され第2歯車153とウォーム咬合する第3歯車154と、第1、第2長ロッド162、164にそれぞれ固定され互いに咬合して、第1、第2長ロッドをそれらの軸回りに同期逆方向回転させる第4、第5歯車155、156と、を含む。
【0041】
第1長ロッド162はフレーム4bに取り付けられた支持ブラケット157並びに、支持ブラケット158により、その長さ中間部分と、下端寄り位置を回転自在に支持されている。そして、フレキシブルコネクタを介して延長された第1長ロッド162の下端側にロッド軸に直角方向に接続されて回転する下部払い杆159が取り付けられている。下部払い杆159は、切断刃による野菜の切断位置よりも高位に位置し、切野菜Vcの茎の下部を常時回転するT字状の杆により払い動作を行い、切断刃の後部側の端葉等の重積を防止する。ここに、上部払い杆66及び下部払い杆159は端葉払い装置70を構成する。
【0042】
第2長ロッド164はフレーム4bに取り付けられた支持ブラケット157にその下端を支持され、中間に第5歯車156を固定して第4歯車と咬合し、第1長ロッド162と同期逆回転する。
【0043】
第1、第2長ロッド162、164の上端は、周回駆動ローラ1361、1371のローラ軸に連結して同周回駆動ローラを回転駆動させる。これによって、主軸13の回転動力が同期連結機構132を介して複数のローラ96、135を回転駆動させ、さらに、それらに調帯される第1挟持ベルト131を相互に同期逆周回させてそれらの密着搬送経路を少なくとも水平方向以下の低位方向kとして強制搬送するものである。
【0044】
次に、上記の実施形態に係る野菜の収穫装置の作用について説明する。実施形態の野菜の収穫装置1の使用に際しては、図12のように作業者Mは、操作ハンドル7を把持して車輪駆動走行用レバー8と、切断刃及びベルト駆動用レバー9を操作しながら機体2を前進させつつ野菜の収穫を行う。両レバーをオンにすると、駆動装置部3の燃料発電機等の駆動原により主軸13を回転駆動する。主軸13の回転は切断機構52を介して切断装置の切断刃51を水平状に相対往復左右動作して水平状の切断動作を行なう。また、主軸13の回転は第1搬送機構部92を介して1対の第1挟持ベルト91A、91Bを直線状搬送部9611において密着させながら相互に逆回転周回させる。さらに、同期連結機構132を駆動させて第2挟持ベルト131を逆回転周回駆動させる。
【0045】
まず、切断部50において、植立した例えば高菜の地上から数cm程度の高さの茎を水平状に切断すると、ほぼ切断と同時に第1挟持ベルト91で前低後高方向、すなわち斜めせり上がり方向に上昇搬送させる。機体2の前進により所定の間隔で複数の切高菜が直線状搬送部9611を連続搬送される。そして、第1挟持ベルト91の上昇端である放出位置の直前で第2搬送部130の第2挟持ベルト131が第1挟持ベルトとともに1つの切高菜を挟着把持し同時に搬送する。そして、第1挟持ベルト91が放出位置で把持を解放すると第2挟持ベルト131のみの把持となり、そのまま受ケース140側に搬送して受ケース内に放出する。このように、第1、第2挟持ベルトが同時に把持した状態で所要の短い時間だけ切野菜を搬送し、第1挟持ベルトから第2搬送ベルトに強制的、かつ円滑に受け取り搬送することができる。これによって、第1挟持ベルトの放出位置近傍で連続して上昇搬送される切野菜が重積して切野菜の商品価値を損なうことなく、短時間かつ少ない労力で円滑に野菜の収穫を行うことができる。
【0046】
収穫対象の野菜の生育状態に応じて挟持位置調節装置を介して挟持位置の高さ調整を行い、切断部による切断と第1搬送部により搬送を安定して連続搬送させるようにすることができる。
【0047】
実施形態では、受ケース140は、作業者Mの例えば腰部と同じ高さ位置に上面を開放して取り付けられており、駆動装置部3の駆動開始後、レバー8、9を操作設定後は片手あるいは両手があいて作業可能となるのが通常であり、この場合、例えば受ケース140内の高菜の貯留嵩等に留意しながら連続して収穫することができる。
【0048】
以上説明した本発明の野菜の収穫装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。例えば機体3は後進駆動可能として現実の現場作業に対応しやすくしたり、受ケース140の形状、構造、サイズなども任意に設定できる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の野菜の収穫装置は、例えば、高菜、その他のアブラナ科植物、からし菜、かつお菜、コマツナ、その他の茎葉部分が食材となるような葉野菜、その他の野菜の収穫に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 野菜の収穫装置
2 機体
3 駆動装置部
4 フレーム部
13 主軸
16 ベルト
17 ソリ体
21 収束杆
50 切断部
51 切断刃
51a 下部固定刃
51b 上部可動刃
52 切断機構
54 往復揺動生成機構
59 連係板
60 挟持位置調節装置
62 押し付け装置
66 上部払い杆
70 端葉払い装置
90 第1搬送部
91 第1挟持ベルト
92 第1搬送機構部
93 長フレーム
96 複数のローラ
961 挟持ローラ
97 導入装置
99 ベルト
100 減速ウォームギヤ機構
130 第2搬送部
131 第2挟持ベルト
132 同期連結機構
135 複数のローラ
1361 周回駆動ローラ
1371 周回駆動ローラ
140 受ケース
150 歯車群
159 下部払い杆
162 第1長ロッド
164 第2長ロッド
V 野菜
Vc 切野菜
h 挟持開始位置の上下高さ
k 右斜め下方向
M 作業者


【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に支持され、植立された野菜の茎部を切断する切断部と、
切断部で切断された切野菜を前低後高方向に搬送する第1搬送部と、
第1搬送部で搬送される切野菜を第1搬送部から放出される直前に受けて第1搬送部と共に同時に1つの切野菜を把持した状態で強制搬送するように第1搬送部から切野菜を受け渡される第2搬送部と、を含むことを特徴とする野菜の収穫装置。
【請求項2】
第2搬送部は、第1搬送部の放出位置から少なくとも水平方向以下の低位方向に向けて強制搬送することを特徴とする野菜の収穫装置。
【請求項3】
切断部は、第1搬送部の前低位置近傍に配置されており、
切断部による野菜の切断位置よりも高位に1個又は複数の端葉払い装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の野菜の収穫装置。
【請求項4】
第1搬送部は、前低後高姿勢で対向配置された一対の第1挟持ベルトを含み、
一対の挟持ベルトによる挟持開始位置を上下調節させる挟持位置調節装置が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の野菜の収穫装置。
【請求項5】
切断部は、水平軸回り回転する主軸に連動し機体の前進方向に対して左右に相対移動させながら野菜の茎部を切断する上下切断刃を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の野菜の収穫装置。
【請求項6】
第2搬送部は、第1搬送部の高位置に近接して配置された一対の第2挟持ベルトを含み、
第1搬送部の挟持ベルトと第2搬送部の挟持ベルトを主軸の回転に同期回転させる同期連結機構を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の野菜の収穫装置。
【請求項7】
第1搬送部の一対の第1挟持ベルトの前端側には中央から放射状に伸びる複数のブレードを回転しつつ植立された野菜を挟持開始位置に向けて導入させる導入装置が設けられていることを特徴とする請1ないし6のいずれかに記載の野菜の収穫装置。
【請求項8】
機体の前部側を支持し植栽地面を摺動するソリ板が配置され、
該ソリ板の前端側に前低後高姿勢の前端を固定させた収束杆が取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の野菜の収穫装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−252677(P2010−252677A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105847(P2009−105847)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(592150022)株式会社山園織機製作所 (3)
【Fターム(参考)】