説明

金型移動式重力鋳造設備

【課題】 押し湯能力を向上させ引け巣の発生を抑制し、高品質で、歩留まりが高く、凝固時間の短い、鋳造製品を鋳造でき、しかも設備費が安く、消費エネルギーの少ない金型移動式重力鋳造設備を提供すること。
【解決手段】 重力により溶湯3を供給する重力鋳造金型30と、重力鋳造金型30を循環させて鋳造する移動式鋳造設備10とを備える金型移動式重力鋳造設備1であって、傾動装置13で重力鋳造金型30に溶湯3を鋳込んだ後、移送装置19による重力鋳造金型30を移送する駆動力と、重力とを利用して、重力鋳造金型30の押し湯作業を行い、傾動戻し装置16による重力鋳造金型30を回転する回転力と、重力を利用して傾動戻し作業を行い、傾動装置13による傾動以前の状態の回転位置に重力鋳造金型30を戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型がライン上を移動しながら重力を利用して鋳造する金型移動式重力鋳造設備に関するものであり、特に、引け巣発生を抑制する押し湯に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来技術の引け巣発生抑制の押し湯に係わる鋳造装置として、キャビティに溶湯を充填するための溶湯充填装置と、キャビティに溶湯を充填する際に溶湯が進入する溶湯進入領域がキャビティとともに形成されている金型と、キャビティ内あるいは溶湯進入領域内に溶湯が存在するか否かを直接検知する溶湯検知手段と、溶湯検知手段が溶湯の存在を検知したときに、溶湯検知手段から発信される溶湯検知信号に基づいて、キャビティに充填された溶湯を溶湯が凝固する前に局部的に加圧する加圧手段と、を有する溶湯装置が開示されている。この溶湯装置の加圧手段は、局部加圧ピンを有するとともに、溶湯検知信号に基づいて、局部加圧ピンをキャビティ内に充填されている溶湯を局部的に加圧する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、従来技術の金型移動式鋳造型設備として、金型に溶湯を供給する給湯装置と、溶湯が給湯された金型を傾斜させて金型内に溶湯を充填する傾動装置と、充填された溶湯が凝固されるための冷却装置とを移送装置により連結し、金型を循環させながら鋳造を行う金型移動式鋳造設備において、金型を循環させる本ラインと、本ラインとは別にサブラインを設け、サブラインは給湯装置と取出装置の間に配設される金型移動式鋳型設備が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平2004−202520号公報
【特許文献2】特開平2003−10963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1によれば、局部加圧ピンによりキャビティ内に充填される溶湯を局部的に加圧して押し湯が実施され、引け巣の発生を抑制しているが、局部加圧ピンを駆動するために加圧装置と、加圧装置用の制御装置と、溶湯の有無を検知する溶湯検知センサとが必要となる。このため、設備費が増大する問題と、局部加圧ピンを駆動するため、比較的大きなエネルギーが毎ショット必要となる問題がある。
【0005】
また、特許文献2によれば、金型移動式鋳造型設備は、本ラインと、本ラインとは別にサブラインを設け設備の生産性向上と、稼動率向上を図っているが、押し湯による引き巣抑制はなされていないため、歩留まりが低く、凝固時間が長い問題がある。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、押し湯能力を向上させ引け巣の発生を抑制し、高品質で、歩留まりが高く、凝固時間の短い、鋳造製品を鋳造でき、しかも設備費が安く、消費エネルギーの少ない金型移動式重力鋳造設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、溶湯が供給される重力鋳造金型と、前記重力鋳造金型を循環させて鋳造を行う移動式鋳造設備と、を備える金型移動式重力鋳造設備であって、前記重力鋳造金型を傾動し前記重力鋳造金型に前記溶湯を注湯する傾動装置と、前記重力鋳造金型を冷却して注湯された前記溶湯を凝固させる冷却装置と、傾動した前記重力鋳造金型を元の回転位置に戻す傾動戻し装置と、前記傾動装置と、前記冷却装置と、前記傾動戻し装置との間を連結して前記重力鋳造金型を移送する移送装置と、前記傾動装置冷却装置との間に配設される第1ガイドレールと、前記傾動戻し装置又は前記傾動戻し装置に配設される第2ガイドレールとを備え、前記重力鋳造金型は、該重力鋳造金型の内部で鋳造品を形成するキャビティを有し、該キャビティの一方を形成する上型と、該上型と当接して前記キャビティの他方を形成する下型と、前記上型と前記下型が当接したときに前記キャビティを前記重力鋳造金型の外部と連通させる押し湯孔を有し、該押し湯孔には内部を進退自在に動く加圧ピンと、前記加圧ピンの端部に一体に固着された加圧板と、前記上型に配設され前記上型の側面を進退自在に動くシャッターとを有し、前記加圧板は、前記加圧ピンとの固着面に第1スライド部を有し、前記シャッターは、該第1スライド部との当接面に第2スライド部を有し、更に、前記加圧板に固着され、前記加圧ピンの進退方向と直行方向に延在する第1受力部材と、前記シャッターに固着され、前記加圧ピンの進退方向と同軸方向に延在する第2受力部材とを有し、前記移送装置で前記重力鋳造金型を前記傾動装置から前記冷却装置に移送する途中、前記第2受力部材は前記第1ガイドレールに当接して、前記第1ガイドレールは前記加圧板止めシャッターを前記加圧板から離れる方向にスライドさせ、前記加圧板を落下させて前記第2スライド部を第1スライド部から脱離させ、前記傾動戻し装置で前記重力鋳造金型を傾動戻し途中、前記第1受力部材は前記第2ガイドレールに当接して、前記第2ガイドレールは前記加圧板を前記押し湯孔から離れる方向に移動させ、前記加圧板止めシャッターを落下させて第2スライド部を前記第1スライド部に当接させる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、圧力ピンによる押し湯の加圧力は、加圧ピンの重量と、加圧板の重量で調整する。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、加圧ピンの押し湯による加圧タイミングは、第1ガイドレールが傾動装置と冷却装置との間に配備される位置で調整する。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、加圧ピンは、重力鋳造金型の溶湯を加圧するセラミック又は耐熱ガラスいずれかの材質の加圧ピンヘッドと、一端が加圧ピンヘッドに連結され他端が加圧板に連結される連結部材と、を備える。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、加圧ピンは押し湯孔の内周面に3箇所、線接触する。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、押し湯孔は、複数個設けられ、隣り合う押し湯孔のうち配置距離の長い方向に長孔である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明では、金型移動式鋳造設備は、傾動装置で所定の角度まで(例えば、90度)傾動し、重力を利用して重力鋳造金型(以後、金型)に溶湯を鋳込んだ後、移送装置で傾動装置から冷却装置に金型を移送する途中、第1受力部材が当たる第1ガイドレールを配備される。また、金型移動式鋳造設備は、冷却装置で金型を冷却し溶湯を凝固された後、傾動戻し装置で金型を傾動して、傾動装置で傾動する以前の状態に戻する途中、第2受力部材が当たる第2ガイドレールを配備される。
【0014】
上型と下型が当接して形成される押し湯孔は、傾動時キャビティの上側に位置する。加圧板に設けられた第1スライド部は、冷却装置へ向かう金型の移送される方向に直交する断面で、落下方向に対し押し湯孔に近づく方向に傾斜する。従って、加圧板止めシャッターで加圧板の落下を阻止した状態で、金型は傾動装置により所定の角度(例えば略90度)まで傾動され、注湯される。
【0015】
傾動、注湯終了後、移送装置により金型が、傾動装置から冷却装置に移送する途中、第2受力部材が第1ガイドレールに当接して、第1ガイドレールに沿って移動し、金型が移動される力を利用して、第2スライド部は第1スライド部をスライドする。第2スライド部がスライドすると、加圧板と、加圧板に連結した加圧ピンは自重落下して、加圧ピンと加圧板の合計した重量で押し湯孔の溶湯を加圧し、押し湯が行われる。金型内の溶湯の押し湯が行われるにより、金型のキャビティに鋳込まれた鋳造製品であるワークの引け巣発生が抑制される。
【0016】
金型が冷却装置で冷却され、金型内の溶湯が凝固した後、金型は移送装置により傾動戻し装置に移送され、傾動戻し装置により傾動され、傾動装置による傾動以前の回転位置の状態に戻される。傾動戻し装置で金型を元の回転位置に戻す傾動戻し途中、第1受力部位材は第2ガイドレールに当たる。この時、金型が傾動される回転力を利用して、加圧板は第2ガイドレールから力を受け、加圧ピンと共に押し湯孔から抜ける方向に移動する。加圧板が移動すると、加圧板止めシャッターが自重落下し、第2スライド部は第1スライド部をスライドして、加圧板および加圧ピンを傾動装置による傾動以前の元の位置に戻る。また、ホッパーも傾動装置による傾動以前の元の位置に戻もどる。
【0017】
以上により、押し湯作業は、移送装置による金型を移動させる力と、傾動戻し装置による金型を回転させる回転力と、重力を利用して行われので、従来技術のピストン・シリンダーによる加圧装置及び加圧装置用制御装置が不要となり、従来技術に比べて設備費が安く、消費エネルギーの少ない金型移動式重力鋳造設備を提供できる。
【0018】
また、加圧ピンと加圧板の重量を使って押し湯を行うので、高品質で、歩留まりが高く、凝固時間の短い、鋳造製品を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備を提供できる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明では、加圧ピンによる金型内の溶湯の加圧は、加圧ピンの重量と、加圧板の重量で、金型およびワークに適した圧力に調整できるので、押し湯能力が向上する。結果、鋳造製品の引け巣発生の抑制が向上し、高品質で、歩留まりが高く、凝固時間の短い、鋳造製品を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備を提供できる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明では、加圧ピンによる押し湯の加圧タイミングは、第1ガイドレールが傾動装置と冷却装置との間に配備される位置を調整して、引け巣発生を最も効果的に抑制する押し湯の加圧タイミングを決定できるので、押し湯能力が向上する。結果、引け巣発生の抑制が向上し、高品質で、歩留まりが高く、凝固時間の短い、鋳造製品を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備を提供できる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明では、加圧ピンは、金型のキャビティの溶湯を加圧するセラミック又は耐熱ガラスいずれかの材質の加圧ピンヘッドと、加圧ピンヘッドと加圧板とを連結する連結部材を備える。セラミックと、耐熱ガラスの熱伝導率は、金属に比べて低いので、加圧ピンヘッドが断熱材となり、加圧ピンヘッドに濡れる溶湯から加圧ピンヘッドを介在して連結部材より外部に放出される熱は金属に比べて減少する。またセラミックと耐熱ガラスの体積当たりの熱容量は、金属に比べて小さいので、加圧ピンヘッドが溶湯で加熱される熱は金属に比べて減少する。結果、加圧ピンで押し湯をする際、キャビティ内の溶湯の指向性凝固が抑制され、引け巣発生の抑制が向上し、歩留まりの高い鋳造製品を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備を提供できる。
【0022】
また、加圧ピンは、溶湯が濡れるヘッドだけセラミック又は耐熱ガラスであるので、加圧ピン全体がセラミック又は耐熱ガラスである場合にくらべて安く出来るので、金型移動式重力鋳造設備のコストが安くなる。
【0023】
また、請求項5に記載の発明では、加圧ピンは押し湯孔の内周面に3箇所、線接触するので、加圧ピンは抉ることなくスムーズにほぼ鉛直方向に落下でき、加圧ピンによる安定した押し湯作業が可能となる。結果、引け巣発生の抑制が向上し、高品質で、歩留まりの高い鋳造製品を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備を提供できる。また、金型移動式重力鋳造設備の信頼性が向上する。
【0024】
また、請求項6に記載の発明では、押し湯孔は、複数個設けられ、隣り合う押し湯孔のうち配置距離の長い方向に長孔である。鋳造時、金型は高温(例えば、略600度)になり、熱膨張し、押し湯孔間の距離も熱膨張により増大する。一方、加圧板は常温雰囲気にあるにで、加圧ピン間の距離は、殆ど熱膨張しない。従って、押し湯孔間の距離と加圧ピン間の距離は、熱膨張の影響により差異が生じるが、押し湯孔は押し湯孔間の距離方向に長穴であるので、加圧ピンは押し湯孔に抉ることなくスムーズにほぼ鉛直方向に落下でき、加圧ピンによる安定した押し湯作業が可能となる。結果、引け巣発生の抑制が向上し、高品質で、歩留まりの高い鋳造製品を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備を提供できる。また、金型移動式重力鋳造設備の信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(実施形態1)
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態1に係わる金型移動式重力鋳造設備の説明図である。金型移動式重力鋳造設備1は、金型に重力を使って溶湯が供給される重力鋳造金型30と、重力鋳造金型30を循環させながら鋳造を行う移動式鋳造設備10と、を備える。
【0027】
図2は、重力鋳造金型の説明図で、給湯用ロボットによるホッパーへの溶湯供給が終了した状態を示す。図中(a)は上面図で、(b)は(a)のA矢視図である。図2に示すように、重力鋳造金型30は、上型32と下型33とが組合される金型本体31と、ホッパー36と、加圧ピン37と、加圧板38と、加圧板止めシャッター40とから構成される。
【0028】
ホッパー36は、キャビティ34に鋳込む溶湯3を一時的に貯湯するために金型本体31に固定される。ホッパー36に貯湯される溶湯3は、保持炉11の溶湯2が給湯用ロボット12の柄杓12aで掬われて供給される。
【0029】
金型本体31は、2個取りの鋳物製品が鋳造されるキャビティ34と、キャビティ34に溶湯3が鋳込まれる溶湯供給口42と、引き巣の発生を抑制するためキャビティ34に連通する押し湯孔35とが設けられる。溶湯供給口42と押し湯孔35とは、金型が2個取りであるので、それぞれ2個配設される。尚、押し湯孔35は、重力鋳造金型30の傾動時、キャビティ34の上側に位置する。
【0030】
2個の押し湯孔35には、押し湯孔35の軸方向に移動可能な加圧ピン37がそれぞれ挿入される。加圧ピン37の一端側は、押し湯孔35内の溶湯3に濡れ、他端側は加圧板38にネジ込まれ、加圧板38の動きは2本の加圧ピン37に伝達される。
【0031】
尚、加圧ピン37と加圧板38とは、ネジ結合で固定されるが、フレキシブルな結合でも良く、加圧板38の動きと、自重とを加圧ピン37に伝達できれば良い。
【0032】
加圧板38の両方の端部38a、38b側には、後述する加圧板止めシャッター40が摺動する第1スライド部38cが設けられる。加圧板止めシャッター40が第1スライド部38cから脱離した状態では、加圧板38は押し湯孔35の軸方向で、押し湯孔35に近づく方向に移動できる。尚、第1スライド部38cは、冷却装置15へ向かう重力鋳造金型30の移送される方向に直交する断面で、落下方向に対し押し湯孔35に近づく方向に傾斜する。
【0033】
また、加圧板38の端部38aの側面に加圧板ガイドピン39(第1受力部材)が配設される。加圧板ガイドピン39(第1受力部材)は、後述する移動式鋳造設備10に配備した第1ガイドレール14に当たると、第1ガイドレール14から力を受け、加圧板38は押し湯孔35の軸方向で、押し湯孔35から離れる方向に移動する。
【0034】
加圧板止めシャッター40は、図2の(b)に於けるZ方向(図3、図6のX方向)に移動可能で金型本体31の上型32の側面32aと、下型33の側面33aとに亘り配備される。加圧板止めシャッター40の両端40a、40b側は第2スライド部40cが設けられる。第2スライド部40cは、加圧板38の第1スライド部38cが当接し、第1スライド部38cに対しスライド可能である。
【0035】
また、加圧板止めシャッター40の中央にシャッターガイドピン41(第2受力部材)が配設され、シャッターガイドピン41は、後述する移動式鋳造設備10に配備した第2ガイドレール17に当る。当ると、シャッターガイドピン41は、第2ガイドレール17から加圧板止めシャッター40を動かす力を受け、加圧板止めシャッター40は押し湯孔35から離れる方向に移動する。この作動は、傾動、注湯終了した後、後述する押し湯工程で行われる。
【0036】
図3は、押し湯工程に於ける加圧板止めシャッター40の作動の説明図である。図中、(a)は加圧板止めシャッター40が移動し始める直前の状態を示す。(b)は加圧板止めシャッター40が移動中の状態を示す。加圧板止めシャッター40がX方向に移動し、加圧板38と、加圧板38に連結した加圧ピン37とは共に自重落下する。尚、図3は、図2の(b)を90度左回りに回転した図である。
【0037】
図1に示すように、移動式鋳造設備10は、保持炉11と、給湯用ロボット12と、傾動装置13と、第1ガイドレール14と、冷却装置15と、傾動戻し装置16と、第2ガイドレールと、製品取出しロボット18と、移送装置19とから構成される。
【0038】
保持炉11は、重力鋳造金型30に鋳込む金属(例えば、アルミニウム、アルミ合金等)の溶湯2を所定の温度範囲内に保持する炉である。給湯用ロボット12は、保持炉11内の溶湯2を柄杓12aで掬い、略水平に保たれたホッパー36に溶湯3を供給する。図4は、給湯用ロボット12によるホッパー36への溶湯供給が終了した状態を示す図である。図中(a)は上面図で、(b)は(a)のA矢視図である。傾動装置13は、給湯用ロボット12により柄杓12aの溶湯3を供給した状態位置の重力鋳造金型30を所定の角度(例えば、90度)まで傾動し、ホッパー36の溶湯3を溶湯供給口42からキャビティ34と、押し湯孔35に重力を利用して鋳込む。図5は、傾動装置13による重力鋳造金型30への溶湯供給が終了した状態を示した図で、図1の傾動装置13内の重力鋳造金型30はこの状態を示す。図中(a)は上面図で、(b)は(a)のB矢視図である。
【0039】
第1ガイドレール14は、傾動装置13から冷却装置15へ重力鋳造金型30を移送する駆動力を利用して押し湯作業を行うため、傾動装置13と冷却装置15の間に配備さる。そして第1ガイドレール14は、シャッターガイドピン41にスライド駆動力を与えるガイドレール部14aと支持部14bとから構成される。ガイドレール部14aは、重力鋳造金型30がY方向に移動すると、シャッターガイドピン41がガイドレール部14aに当たる。支持部14bは、ガイドレール部14aを所定の位置に固定するために設けられる。図6は、第1ガイドレール14が作用し、後述する押し湯作業が終了した状態を示す。図中(a)は上面図で、(b)は(a)のC矢視図である。
【0040】
冷却装置15は、押し湯作業終了後、重力鋳造金型30を所定の温度に冷却し、重力鋳造金型30内の溶湯3を凝固させるために配備される。冷却中の重力鋳造金型30の置かれる方向は、図5あるいは図6に示される配置方向と同じである。
【0041】
傾動戻し装置16は、重力鋳造金型30の冷却終了後、傾動装置13により所定の角度(例えば、90度)まで傾動した重力鋳造金型30を、傾動装置13よる傾動以前の重力鋳造金型30の回転位置に傾動して戻すために配備される。
【0042】
第2ガイドレール17は、加圧板38、加圧ピン37、加圧板止めシャッター40の各位置を傾動装置13よる傾動以前の位置に戻すため、傾動戻し装置16又は傾動戻し装置16近傍に配備される。そして第2ガイドレール17は、加圧板ガイドピン39にスライド駆動力を与えるガイドレール部17aと、ガイドレール部17aを所定の位置に固定するために支持部17bとから構成される。傾動戻し作業が終了すると、加圧板38、加圧ピン37、加圧板止めシャッター40の各位置の戻し作業も終了する。図7は、傾動戻し装置16による傾動と、第2ガイドレール17の作動が行われている状態を示し、図6のC方向から見た図である。
【0043】
製品取出しロボット18は、重傾動戻し装置16による傾動戻し作業終了後、重力鋳造金型30を開き、凝固した鋳造製品であるワーク6を取出すために配備される。
【0044】
移送装置19は、給湯用ロボット12による給湯及び傾動装置13による鋳込み工程と、第1ガイドレール14による押し湯工程と、冷却装置15による冷却工程と、傾動戻し装置16と第2ガイドレール17との連携による傾動戻し工程と、製品取出しロボット18による製品取出し工程と、次のショットに重力鋳造金型30を送る金型搬送工程とを順次、繋ぐために設けられる。そして製品取出しロボット18は、電動で作動するコンベア19aと、19bと、19cと、19dと、19eと、19aとを連結し、重力鋳造金型30が循環するように構成される。
【0045】
尚、図1において、重傾動戻し装置16内の重力鋳造金型30は、金型移動式重力鋳造設備1の上から見た図である。
【0046】
次に、本発明の実施形態1の作動と効果について説明する。
【0047】
金型移動式重力鋳造設備1によるワーク6の鋳造工程は、順次、鋳込み工程と、押し湯工程と、冷却工程と、傾動戻し工程と、製品取出し工程と、金型搬送工程とから形成される。図4から図7は、一連の鋳造工程の状態を示す。
【0048】
(鋳込み工程)保持炉11内の溶湯2を給湯用ロボット12の柄杓12aで掬い、略水平に保たれたホッパー36に供給する(図4)。その後、図5に示すように、加圧板止めシャッター40で加圧板38の自重落下を阻止ししつつ、傾動装置13を作動させ、重力鋳造金型30を所定の角度(例えば、90度)まで傾動し、重力によりホッパー36内の溶湯3を重力鋳造金型30の溶湯供給口42からキャビティ34と、押し湯孔35に鋳込む。
【0049】
(押し湯工程)鋳込み工程終了後、図1、図6に示すように、重力鋳造金型30がコンベア19aに載せられY方向に移動し、加圧板止めシャッター40のシャッターガイドピン41が第1ガイドレール14のガイドレール部14aに当たる。引続き、重力鋳造金型30が移動する力により、シャッターガイドピン41は第1ガイドレール14に沿って移動する。シャッターガイドピン41の移動により、第1スライド部38cに当接している第2スライド部40cは、第1スライド部38cをスライドしながらX方向に移動し(図3)、第1スライド部38cから脱離する。第2スライド部40cが、第1スライド部38cをスライドすると加圧板38及び加圧ピン35が重力の作用で徐々に落下し、第1スライド部38cから脱離すると加圧板38及び加圧ピン35は一気に落下する。この時、加圧ピン35と加圧板38の合計重量が重力鋳造金型30内の溶湯3に作用して加圧され、湯作業がなされ、キャビティ34内の引け巣発生が抑制される。加圧板38の底面38dと下型33の側面33aに隙間を生じ、重力鋳造金型30内の溶湯3が加圧ピン35と加圧板38の合計重量を支える。
【0050】
ガイドレール部14aがシャッターガイドピン41に当たるとシャッターガイドピン41は、ガイドレール部14aに対して加圧板38から離れるX方向と、重力鋳造金型30が移動するY方向と、に移動する。シャッターガイドピン41は、加圧板38から離れるX方向(図2のZ方向)にも移動するようY方向に対して傾斜する。即ち、シャッターガイドピン41が加圧板38から離れるX方向と、ガイドレール部14aとの角度αは、90度より大きく180度より小さくなるよう設定される。
【0051】
(冷却工程)押し湯作業終了後、冷却装置15で重力鋳造金型30及び重力鋳造金型30内の溶湯3を所定の温度に冷却し、溶湯3を凝固させる。
【0052】
(傾動戻し工程)傾動戻し装置16により、傾動装置13よる傾動以前の重力鋳造金型30の回転配置に傾動して戻す。また、この戻し傾動の回転力と、重力を利用して、加圧板ガイドピンを第2ガイドレール17当てることにより加圧板止めシャッター40、加圧板38、加圧ピン37を傾動装置13よる傾動以前の位置に戻す(図7)。即ち、重力鋳造金型30の傾動戻し途中、重力鋳造金型30の加圧板ガイドピン39は、第2ガイドレール17のガイドレール部17aに当たる。加圧板ガイドピン39は、重力鋳造金型30の傾動よる回転力を受け、第2ガイドレール17のガイドレール部17aに沿って移動する。この移動により、加圧板38と上型32の側面32aとの間の間隙Hは拡がり、加圧板止めシャッター40は、自重落下し、間隙Hを通って第2スライド部40cが第1スライド部38cをスライドしながら加圧板38の第1スライド部38cに当接される。
【0053】
ガイドレール部17aは、戻し傾動の回転方向下がりに傾斜している。即ち、重力鋳造金型30が移動する図示のW方向とガイドレール部17aが形成する角度βは重力鋳造金型30が傾動される回転方向Rに鋭角である。
【0054】
(製品取出し工程)傾動戻し工程終了後、重力鋳造金型30を開き、製品取出しロボット18で凝固したワーク6を取出す。
【0055】
(金型搬送工程)ワーク6が取出された重力鋳造金型30をコンベア19eに載せ、次のショットの鋳込み工程に搬送する。この工程において重力鋳造金型30は、重力鋳造金型30の回転配置と、加圧板止めシャッター40、加圧板38、加圧ピン37の位置とが、重力鋳造金型30の傾動装置13による傾動以前の状態に戻り、キャビティ34もワーク6が取出された空の状態になる。
【0056】
以上により、押し湯作業は、移送装置による重力鋳造金型30を移動させる力と、傾動戻し装置16による重力鋳造金型30を回転させる回転力と、重力を利用して行われので、従来技術のピストン・シリンダーによる加圧装置及び加圧装置用制御装置が不要となり、従来技術に比べて設備費が安く、消費エネルギーの少ない金型移動式重力鋳造設備1を提供できる。
【0057】
また、加圧ピン37と加圧板38の重量を使って押し湯を行うので、高品質で、歩留まりが高く、凝固時間の短い、ワーク6を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備1を提供できる。
【0058】
また、加圧ピン37が落下して、重力鋳造金型30内の溶湯3を加圧する圧力は、加圧ピン37の重量と、加圧板38の重量で、重力鋳造金型30およびワーク6に適した圧力に調整でき、押し湯能力が向上する。結果、キャビティ34の引け巣発生の抑制が向上し、高品質で、歩留まりが高く、凝固時間の短い、ワーク6を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備1提供できる。尚、加圧力は、加圧ピン37重量と加圧板30の重量の合計重量を加圧ピン37の加圧方向に直交する断面積で割った値となる。
【0059】
さらに、加圧ピン37による押し湯の加圧タイミングは、第1ガイドレール14が傾動装置13と冷却装置15との間に配備される位置を調整して、引け巣発生を最も効果的に抑制する押し湯の加圧タイミングを決定できるので、押し湯能力が向上する。結果、引け巣発生の抑制が向上し、高品質で、歩留まりが高く、凝固時間の短い、ワーク6を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備1を提供できる。
【0060】
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態に係わる重力鋳造金型の断面の一部で、加圧ピンと加圧板を中心として示した図である。実施形態2の重力鋳造金型は、加圧ピンを除き他の部品、部位は図2の重力鋳造金型30と同じで、同じ部品、部位は同じ符号を付す。
【0061】
加圧ピン50は、押し湯孔35の溶湯3を加圧する加圧ピンヘッド51が連結部材52にネジ込まれ構成される。加圧ピンヘッド51は、材質がセラミックまたは耐熱強化ガラスなどの熱伝導率の低い材料からなり、大径部51aと、大径部51aより小径で雄ネジを有する小径部51bとからなる。連結部材52は、ステンレス等の合金鋼からなり、一端側に加圧ピンヘッド51の雄ネジが結合される雌ネジと、他端は加圧板38にネジ込まれる雄ネジとが設けられる。
【0062】
加圧ピンヘッド51の材質は、金属より熱伝導率が低く、体積当たりの熱容量の小さいセラミックと、耐熱ガラスである。従って、加圧ピンヘッド51に濡れる溶湯3から加圧ピンヘッド51を介在して連結部材52より外部に放出される熱は金属に比べて減少する。また、加圧ピンヘッド51が溶湯3で加熱される熱量は金属に比べて減少する。結果、加圧ピン50で押し湯をする際、キャビティ34内の溶湯3の指向性凝固が抑制され、引け巣発生の抑制が向上し、歩留まりの高いワーク6を鋳造できる。
【0063】
また、加圧ピン50は、溶湯が濡れるヘッドだけセラミック又は耐熱ガラスであるので、加圧ピン50全体がセラミック又は耐熱ガラスである場合に比べてコスト安くなるので、金型移動式重力鋳造設備1のコストが安くなる。
【0064】
重力鋳造金型30が1個取りの金型である場合、押し湯孔35は一箇所あれば良い。この場合、加圧ピン37を押し湯孔35の内周面に三箇所、線接触させることで加圧ピン37は、押し湯孔35に抉ることなくスムーズにほぼ鉛直方向に落下でき、加圧ピン37による安定した押し湯作業が可能となる。結果、引け巣発生の抑制が向上し、歩留まりの高いワーク6を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備を1提供できる。また、金型移動式重力鋳造設備1の信頼性が向上する。
【0065】
(実施形態3)
図9は、本発明の実施形態に係わる重力鋳造金型の断面の一部で、押し湯孔および加圧ピンを中心として示した図である。実施形態3の重力鋳造金型は、加圧ピンを除き他の部品、部位は図2の重力鋳造金型30と同じで、同じ部品、部位は同じ符号を付す。
【0066】
押し湯孔55は、複数個(実施例では2個)設けられ、各々の押し湯孔55が配列される方向の長さDが配列方向に直交する方向の長さdより長い長穴形状である。加圧ピン56は、押し湯孔55の軸方向に移動可能に挿入され、断面が略四角で角部にRが設けられる。加圧ピン56の略四角の断面は、押し湯孔55の長穴の断面より小さく、各々の加圧ピン56は、押し湯孔55に3箇所(例えば、P1、P2、P3)、線接触する。
【0067】
また、2個の押し湯孔55を挟んで溶湯供給口42が設けられる。
【0068】
鋳造時、重力鋳造金型30は高温(例えば、略600度)になり、熱膨張し、押し湯孔55間の距離も熱膨張により増大する。一方、加圧板38は常温雰囲気にあるにで、加圧ピン56間の距離は、殆ど熱膨張しない。従って、押し湯孔55間の距離と加圧ピン56間の距離は、熱膨張の影響により差異が生じるが、押し湯孔55は押し湯孔55間の距離方向に長穴であるので、加圧ピン56は押し湯孔55に抉ることなくスムーズにほぼ鉛直方向に落下できるので、加圧ピン56による安定した押し湯作業が可能となる。結果、引け巣発生の抑制が向上し、高品質で、歩留まりの高いワーク6を鋳造可能な金型移動式重力鋳造設備1を提供できる。また、金型移動式重力鋳造設備1の信頼性が向上する。
【0069】
尚、押し湯孔は、3個以上設けられる場合は、隣り合う押し湯孔のうち配置距離の長い方向に長孔すれば、上述の作用により、同様の効果が発生する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態1に係わる金型移動式重力鋳造設備の説明図である。
【図2】本発明の実施形態1に係わる重力鋳造金型の説明図である。
【図3】本発明の実施形態1に係わる加圧板止めシャッターの作動の説明図である。
【図4】本発明の実施形態1に係わる給湯用ロボットよる給湯終了状態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1に係わる傾動装置による鋳込み終了状態を示す図である。
【図6】本発明の実施形態1に係わる押し湯終了状態状態を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1に係わる傾動戻し装置による傾動戻し中の状態を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2に係わる重力鋳造金型の断面の一部を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態3に係わる重力鋳造金型の断面の一部を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1 金型移動式鋳造設備
3 溶湯
10 移動式鋳造設備
13 傾動装置
14 第1ガイドレール
15 冷却装置
16 傾動戻し装置
17 第2ガイドレール
19 移送装置
30 重力鋳造金型
32 上型
33 下型
34 キャビティ
35、55 押し湯孔
37、50、56 加圧ピン
38 加圧板
38c 第1スライド部
39 加圧板ガイドピン(第1受力部材)
40 加圧板止めシャッター
40c 第2スライド部
41 シャッターガイドピン(2受力部材)
51 加圧ピンヘッド
52 連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶湯が供給される重力鋳造金型と、前記重力鋳造金型を循環させて鋳造を行う移動式鋳造設備と、を備える金型移動式重力鋳造設備であって、
前記重力鋳造金型を傾動し前記重力鋳造金型に前記溶湯を注湯する傾動装置と、
前記重力鋳造金型を冷却して注湯された前記溶湯を凝固させる冷却装置と、
傾動した前記重力鋳造金型を元の回転位置に戻す傾動戻し装置と、
前記傾動装置と、前記冷却装置と、前記傾動戻し装置との間を連結して前記重力鋳造金型を移送する移送装置と、
前記傾動装置冷却装置との間に配設される第1ガイドレールと、
前記傾動戻し装置又は前記傾動戻し装置に配設される第2ガイドレールとを備え、
前記重力鋳造金型は、
該重力鋳造金型の内部で鋳造品を形成するキャビティを有し、
該キャビティの一方を形成する上型と、
該上型と当接して前記キャビティの他方を形成する下型と、
前記上型と前記下型が当接したときに前記キャビティを前記重力鋳造金型の外部と連通させる押し湯孔を有し、
該押し湯孔には内部を進退自在に動く加圧ピンと、
前記加圧ピンの端部に一体に固着された加圧板と、
前記上型に配設され前記上型の側面を進退自在に動くシャッターとを有し、
前記加圧板は、前記加圧ピンとの固着面に第1スライド部を有し、
前記シャッターは、該第1スライド部との当接面に第2スライド部を有し、
更に、前記加圧板に固着され、前記加圧ピンの進退方向と直行方向に延在する第1受力部材と、
前記シャッターに固着され、前記加圧ピンの進退方向と同軸方向に延在する第2受力部材とを有し、
前記移送装置で前記重力鋳造金型を前記傾動装置から前記冷却装置に移送する途中、前記第2受力部材は前記第1ガイドレールに当接して、前記第1ガイドレールは前記加圧板止めシャッターを前記加圧板から離れる方向にスライドさせ、前記加圧板を落下させて前記第2スライド部を第1スライド部から脱離させ、
前記傾動戻し装置で前記重力鋳造金型を傾動戻し途中、前記第1受力部材は前記第2ガイドレールに当接して、前記第2ガイドレールは前記加圧板を前記押し湯孔から離れる方向に移動させ、前記加圧板止めシャッターを落下させて第2スライド部を前記第1スライド部に当接させる、ことを特徴とする金型移動式重力鋳造設備。
【請求項2】
前記圧力ピンによる押し湯の加圧力は、前記加圧ピンの重量と、前記加圧板の重量で調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の金型移動式重力鋳造設備。
【請求項3】
前記加圧ピンの前記押し湯による加圧タイミングは、前記第1ガイドレールが前記傾動装置と前記冷却装置との間に配備される位置で調整する、ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の金型移動式重力鋳造設備。
【請求項4】
前記加圧ピンは、前記重力鋳造金型の前記溶湯を加圧するセラミック又は耐熱ガラスいずれかの材質の加圧ピンヘッドと、一端が前記加圧ピンヘッドに連結され他端が前記加圧板に連結される連結部材と、を備える、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金型移動式重力鋳造設備。
【請求項5】
前記加圧ピンは前記押し湯孔の内周面に3箇所、線接触する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金型移動式重力鋳造設備。
【請求項6】
前記押し湯孔は、複数個設けられ、隣り合う押し湯孔のうち配置距離の長い方向に長孔である、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の金型移動式重力鋳造設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−214158(P2009−214158A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62452(P2008−62452)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)