説明

金属および重合体表面用のペルヒドロポリシラザン含有塗料

金属および重合体表面用のペルヒドロポリシラザン含有塗料
本発明は、表面用の、特に金属および重合体表面用の、少なくとも一種の式(1)


(式中、nは、ポリシラザンの数平均分子量が150〜150000g/モルになるような整数である)
のペルヒドロポリシラザン、溶剤および触媒、所望により一種以上の共結合剤を含んでなる、表面用塗料に関する。硬化した塗料の厚さは少なくとも1マイクロメートル、好ましくは2〜20マイクロメートルである。少なくとも一種のペルヒドロポリシラザンを含む本発明の塗料は、リム、特にアルミニウムリム、を保護するのに適当である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属またはプラスチック表面用の洗浄し易い保護被覆を製造するためのペルヒドロポリシラザン系塗料に関するものである。この被覆により、ホイールリム、特にアルミニウムリム用の保護被覆として特に良好な特性が示される。
【背景技術】
【0002】
自動車構造におけるアルミニウムホイールリムの使用は、近年大きく増加している。軽量のアルミニウムリムは、一方で、鋼製リムに対して重量上、従って、燃料節約の優位性を示すが、アルミニウムリムは、車両に高価な洗練された外観を与えるので、実質的には美観的な理由から使用されるのである。
【0003】
アルミニウムリムの欠点は、特に、アルミニウムリムが腐食に対して敏感であり、汚れ易いことである。その上、アルミニウムリムの光沢のある表面上の傷は、鋼製リム上の傷よりもはるかに良く目立つ。この理由から、アルミニウムリムは、製造工程の最後に被覆を施すが、これは一般的にはアルミニウムの前処理(クロメート処理またはクロメートを使用しない処理)、プライマー、着色ベースコートおよび、最後に、クリアコートから構成される。この複雑な被覆は、十分な腐食保護を確保するために必要である。この被覆にもかかわらず、例えば冬期における凍結防止用塩(gritting salt)の使用により、腐食が問題を引き起こす。最後に、時間と共にアルミニウムリム上に堆積するブレーキダストも同様に、被覆中に食い込み、最早除去できなくなる。その上、スノーチェーンを使用すると、アルミニウムリムに容易に傷が付く。傷のもう一つの原因は、アルミニウムリムを摩耗性工具、例えばブラシやスポンジ、で洗浄することである。研磨した、または光沢機械加工したアルミニウムリムも、益々広く使用されるようになっているが、その表面は、純粋なアルミニウムの美観的に訴える、光沢のある表面からなり、アルミニウム本来の光沢を維持するために薄いクリアコートだけで保護されている。この種のリムでは、クリアコートを使用する腐食保護は、この被膜が人の眼にはできるだけ見えないようにする必要がさらにあるので、施すのが非常に困難である。
【0004】
国際特許出願第WO02/088269A1号には、親水性の、汚れをはじく表面を製造するための、ペルヒドロポリシラザン溶液の使用が記載されている。その説明では、自動車分野における使用(車体およびリム)、および重量百分率0.3%〜2%のペルヒドロポリシラザン溶液が推奨されている。その中の例1では、ペルヒドロポリシラザン重量百分率が0.5%だけの高度に希釈された溶液を使用し、鋼の上に被覆厚約0.2マイクロメートルの非常に薄い被覆を得ている。
【0005】
そのように薄い被覆では、第一に塗料表面の傷を防止できず、十分な腐食保護を確保することも、ブレーキダストの食い込みを防止することもできない。その上、薄い被覆は、比較的不均質なクリアコートを平らにし、真に平滑な、洗浄し易い、光沢のある表面を形成するには不十分である。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、ホイールリムに、硬く、耐引掻き性であり、洗浄し易い被覆を与えることができ、アルミニウムリムを腐食およびブレーキダストの食い込みから保護する被覆を開発することである。
【0007】
驚くべきことに、ペルヒドロポリシラザン溶液で、リムを腐食、傷およびブレーキダストの食い込みから保護し、リムの洗浄を容易にする、十分に厚い保護被覆を製造できることが分かった。
【0008】
そこで本発明は、表面用の、特に金属および重合体表面用の、少なくとも一種の式1
【化1】

(式中、nは、ポリシラザンの数平均分子量が150〜150000g/モルになるような整数である)
のペルヒドロポリシラザン、および溶剤および触媒も含んでなり、所望により一種以上の共結合剤を含んでなる、塗料を提供する。本発明の塗料は、ホイールリム、特にアルミニウムリム、上に洗浄し易い保護被覆を形成するのに特に適当である。
【0009】
本発明は、上記の少なくとも一種の式(1)のペルヒドロポリシラザンを含んでなり、そのペルヒドロポリシラザン、溶剤および触媒に加えて、追加構成成分として、共結合剤を含んでなり、それによって、高い耐引掻き性、腐食防止効果および耐引掻き性表面のような特性を失わずに、ペルヒドロポリシラザンの融通性をさらに高める塗料の、ホイールリム、特にアルミニウムリム上に洗浄し易い保護被覆を製造するための使用をさらに提供する。硬化した塗料は、好ましくは厚さが少なくとも1マイクロメートル、より好ましくは2〜20マイクロメートル、非常に好ましくは3〜10マイクロメートルであり、リム上の腐食、傷およびブレーキダストの食い込みに対して十分な保護を確保し、さらにリムを洗浄し易くする。
【0010】
共結合剤は、式2のオルガノポリシラザン
−(SiR’R”−NR''')− (2)
(式中、R’、R”およびR'''は、同一でも、異なっていてもよく、それぞれ水素または有機基であるが、ただし、R’、R”およびR'''が同時に水素であってはならず、nは、オルガノポリシラザンの数平均分子量が150〜150000g/モルになるような値である)
でよいか、または非常に異なった種類の別の結合剤、例えば被覆材料の製造に一般的に使用される結合剤、例えばセルロース誘導体、例えばセルロースアセトブチレート、ポリエステルまたは変性されたポリエステル、フェノール系またはメラミン樹脂、アクリレート、エポキシドまたはポリイソシアネート、である。
【0011】
ペルヒドロポリシラザン処方物に適当な溶剤は、特に、水および反応性基(例えば水酸基またはアミン基)を含まない有機溶剤である。これらの溶剤は、例えば脂肪族または芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、例えば酢酸エチルまたは酢酸ブチル、ケトン、例えばアセトンまたはメチルエチルケトン、エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジブチルエーテル、およびモノ−およびポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(グライム)、またはそれらの溶剤混合物である。ペルヒドロポリシラザン処方物の他の可能な構成成分は、例えば処方物の粘度、基材の湿潤性、被膜形成またはフラッシュ−オフ特性に影響を及ぼす添加剤、もしくは有機または無機UV吸収剤を含んでなることができる。
【0012】
本発明の塗料は、1〜40重量%、特に5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の少なくとも一種の式(1)のペルヒドロポリシラザン、および0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の触媒を含む。
【0013】
適当な触媒は、N−複素環式化合物、例えば1−メチルピペラジン、1−メチルピペリジン、4,4’−トリメチレンジピペリジン、4,4’−トリメチレン(1−メチルピペリジン)、ジアゾビシクロ(2.2.2)オクタンおよびシス−2,6−ジメチルピペラジン、である。
【0014】
他の適当な触媒は、モノ−、ジ−およびトリアルキルアミン、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミンおよびトリフェニルアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ(4.5.0)−5−ノネン)、1,5,9−トリアザシクロドデカンおよび1,4,7−トリアザシクロノナン、である。
【0015】
他の適当な触媒は、有機および無機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、マレイン酸、ステアリン酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、塩素酸および次亜塩素酸、である。
【0016】
他の適当な触媒は、式(RCOO)Mの、飽和および不飽和の脂肪族または脂環式C〜C22カルボン酸と、金属イオン、例えばNi、Ti、Pt、Rh、Co、Fe、Ru、Os、Pd、Ir、およびAlの、nが金属イオンの電荷である、金属カルボン酸塩である。
【0017】
他の適当な触媒は、金属イオン、例えばNi、Pt、Pd、AlおよびRh、のアセチルアセトネート錯体である。
【0018】
他の適当な触媒は、粒子径が20〜500nmの金属粉末、例えばAu、Ag、PdまたはNi、である。
【0019】
他の適当な触媒は、過酸化物、例えば過酸化水素、金属塩化物、および有機金属化合物、例えばフェロセンおよびジルコノセン、である。
【0020】
ポリシラザン処方物による被覆は、表面被覆に従来から使用されているような方法により行うことができる。問題の方法は、例えばスプレー、浸漬、またはフローコーティングでよい。塗布の後、熱的後処理を行い、塗料の硬化を促進することができる。使用するペルヒドロポリシラザン処方物および触媒に応じて、硬化は、室温でも行うことができるが、加熱により促進することができる。塗料を塗布する前に、例えば密着性を改良するために、先ず一次被覆を施すことができる。
【0021】
従って、本発明は、ホイールリム上に保護被覆を製造する方法をさらに提供するが、共結合剤を含むか、または含まないポリシラザン溶液を先ずリムに、適当な方法、例えばスプレーまたは浸漬、により塗布し、続いて硬化させる。硬化させた塗料は、厚さが少なくとも1マイクロメートル、好ましくは2〜20マイクロメートル、より好ましくは3〜10マイクロメートルであり、確実に表面を腐食および傷から非常に効果的に保護する。このように被覆したリム上では、ブレーキダストの食い込みが阻止され、洗浄が著しく容易になる。本発明の塗料は、すでに被覆してある表面に、例えばすでにクリアコートが塗布してあるリムに、塗布し、リムを傷、腐食またはブレーキダストの食い込みからさらに保護することもできる。さらに、この塗料を塗布した後、クリアコートと比較して、光沢が増加する。
【0022】
あるいは、クリアコート無しに、この塗料を着色ベースコートに直接塗布することもでき、これによって1被覆工程を節約することができる。
【0023】
予備被覆していない材料、例えば研磨した、または光沢機械加工したアルミニウムリムの場合、唯一の保護被覆としてペルヒドロポリシラザン溶液を使用し、通常使用されるクリアコートを置き換えることができる。
【0024】
従って、従来の被覆よりはるかに薄い保護被覆を製造し、材料消費を下げ、溶剤放出を少なくすることができ、しかも、該被覆は従来の被覆よりも優れた特性を有する。
【0025】
ペルヒドロポリシラザンの反応性が高いので、塗料は原則的に、室温以下でも硬化するが、その硬化は、温度増加により促進することができる。この塗料は、好ましくは温度10〜200℃、特に25〜160℃、好ましくは80〜150℃で硬化させる。最高硬化温度は、実質的に塗料を塗布する基材によって異なる。金属、例えばアルミニウムの場合、180〜200℃の比較的高い温度が可能である。この塗料を、すでに存在する被覆(ベースコートまたはクリアコート)上に塗布する場合、下にある被覆が軟化しないように、低い温度、好ましくは25〜160℃、より好ましくは80〜150℃、で作業することが推奨される。
【0026】
塗料の硬化は、大気中の湿分によって行うこともできる。比較的高い湿度では、硬化はより急速に起こり、これは有利な場合もあるが、反対に、湿度がかなり低い雰囲気中、例えば乾燥キャビネット中、で硬化させると、硬化過程が遅く、均質になる。従って、本発明の塗料の硬化は、相対湿度0〜100%で行うことができる。
【0027】
ペルヒドロポリシラザン処方物で被覆した後、塗料の表面エネルギーを適合させる後処理をさらに行うことができる。これによって、汚れ傾向に影響を及ぼす親水性または疎水性表面を製造することができる。
諸例
【0028】
使用したペルヒドロポリシラザンは、Clariant Japan K.K.から市販の製品である。ペルヒドロポリシラザンの平均分子量は、約2000g/モルである。NP110-20は、触媒として4,4’−トリメチレン−ビス(1−メチルピペリジン)を含む、20%濃度ペルヒドロポリシラザンをキシレンに入れた溶液であり、NL120A-20は、触媒としてプロピオン酸パラジウムを含む、20%濃度ペルヒドロポリシラザンをジブチルエーテルに入れた溶液である。NP140-005は、触媒として4,4’−トリメチレン−ビス(1−メチルピペリジン)を含む、0.5%濃度ペルヒドロポリシラザンをキシレンおよびPegasol AN45に入れた溶液である。下記の例では、部数および百分率は重量表示する。アルミニウムリムは、自動車用品店から得られるような標準的な市販のアルミニウムリム、またはこれらのリムの、リム全体から切り取った部分、もしくは適当な材料からなる金属試験パネルである。被覆は、標準的な市販のスプレーガンでスプレーするか、または標準的な市販の浸漬装置中に浸漬することにより、行った。
【0029】
比較例1
合金AlMgSi0.5の前処理していないアルミニウムシートを、0.5%濃度ペルヒドロポリシラザン溶液NP140-005 (Clariant Japan)で、スプレーにより被覆する。塗料を硬化させるために、このシートを室温で、通常の大気中湿度で5日間放置してから、試験を行う。総厚0.2μmの被覆が得られる。
【0030】
例1(アルミニウムリムの、スプレーによる被覆)
自動車用品店から得られるような標準的な市販のアルミニウムリムを、20%濃度ペルヒドロポリシラザン溶液NP110-20 (Clariant Japan)97部、Tego Protect 5001 (Tego Chemie)2.4部、Byk 411 0.5部およびByk 333 (Byk-Chemie)0.1部からなる溶液で、スプレーにより被覆する。次いで、リムを空気中に約10分間放置して蒸発させ、続いて80℃で60分間乾燥させる。これによって、表面上に無色、透明な、亀裂の無い塗料が得られる。被覆したリムの光沢は、被覆していないリムと比較して、5光沢単位増加している。
【0031】
例2(ベースコートおよびクリアコートで被覆した金属シートの、浸漬による被覆)
標準的な市販の着色ベースコートおよびクリアコートを施した被覆されたアルミニウムシートを、20%濃度ペルヒドロポリシラザン溶液NP110-20 (Clariant Japan)97部、Tego Protect 5001 (Tego Chemie)2.4部、Byk 411 0.5部およびByk 333 (Byk-Chemie)0.1部からなる溶液を満たした浸漬装置中に浸漬し、120cm/分の速度で取り出す。続いて、シートを空気中に約10分間放置して蒸発させ、次いで80℃で60分間乾燥させる。無色、透明な、亀裂の無い塗料が得られる。
【0032】
例3(研磨したアルミニウムシートの、スプレーによる被覆)
研磨したアルミニウムシートを、20%濃度ペルヒドロポリシラザン溶液NL110A-20 (Clariant Japan)で、スプレーにより被覆する。続いて、シートを空気中に約10分間放置して蒸発させ、次いで130℃で60分間乾燥させる。無色、透明な、亀裂の無い塗料が得られる。
【0033】
例4(研磨したアルミニウムシートの、浸漬による被覆)
研磨したアルミニウムシートを、20%濃度ペルヒドロポリシラザン溶液NL110A-20 (Clariant Japan)を満たした浸漬装置中に浸漬し、120cm/分の速度で取り出す。続いて、シートを空気中に約10分間放置して蒸発させ、次いで180℃で60分間乾燥させる。無色、透明な、亀裂の無い塗料が得られる。
【0034】
例5(研磨したアルミニウムシートの、スプレーによる被覆)
研磨したアルミニウムシートを、20%濃度ペルヒドロポリシラザン溶液NL110A-20 (Clariant Japan)100部およびポリメチルポリシラザン3.5部からなる溶液で、スプレーにより被覆する。続いて、シートを空気中に約10分間放置して蒸発させ、次いで130℃で60分間乾燥させる。無色、透明な、亀裂の無い塗料が得られる。
【0035】
例6(腐食試験)
合金AlMgSi0.5の前処理していないアルミニウムシートを、20%濃度ペルヒドロポリシラザン溶液NP110-20 (Clariant Japan)で、スプレーにより被覆する。続いて、シートを空気中に約10分間放置して蒸発させ、次いで130℃で60分間乾燥させる。無色、透明な、亀裂の無い、厚さ2.6μmの層が得られる。このようにして得た複数の金属シートを、ISO7253による塩水噴霧試験およびISO6270による凝縮水試験にかける。塩水噴霧試験においても、凝縮水試験においても、1000時間後に、腐食の痕跡は無いのに対し、被覆しなかった比較シートは、ひどい腐食を受ける。比較例1から得た被覆されたシートは、明らかな腐食の痕跡を示す。
【0036】
例7(汚れをはじく効果)
例1から得た被覆されたアルミニウムリムを、標準的な市販の自動車の前車軸上に取り付ける。反対側には、同じ型の、本発明の追加被覆を施していないリムを取り付ける。次いで、自動車を日常の条件下で数千キロメートル走行させる。この間、リムの汚れ傾向を規則的な間隔で検査する。そのような試験中、被覆されたリムは、被覆されていないリムより、実質的に清浄である。リムの洗浄を試みる時、被覆されたリムでは、汚れを紙タオルまたは水ジェットで簡単に除去するできるのに対し、被覆されていないリムでは、これは不可能である。被覆されたリムでは、ブレーキダストの食い込み観察されないのに対し、被覆されていないリムでは、時間と共に、黒色の反転が観察され、これは、洗浄により除去するのが、不可能ではないにしても、非常に困難である。
【0037】
例8(耐引掻き性の測定)
耐引掻き性は、00グレード鋼製ウールを使用し、3Nの力で負荷を複数回(前進−後退5行程)をかけることにより測定した。傷は、下記の尺度、すなわち非常に良い(傷無し)、良い(少しの傷)、可(明らかな傷)、可〜不可(ひどい傷)および不可(非常にひどい傷)に従って、目視により評価した。
【0038】

例 耐引掻き性
比較例1 可
1 非常に良い
2 良い
3 非常に良い
4 非常に良い
5 非常に良い
比較試料(被覆していないリム)1 可〜不可

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一種の、式1のペルヒドロポリシラザン、
【化1】

(式中、nは、前記ポリシラザンの数平均分子量が150〜150000g/モルになるような整数である)
溶剤および触媒、および所望により一種以上の共結合剤を含んでなる、表面用塗料。
【請求項2】
前記一種以上の共結合剤が、式2のオルガノポリシラザン
−(SiR’R”−NR''')− (2)
(式中、R’、R”およびR'''は、同一でも、異なっていてもよく、それぞれ水素または置換されていないか、または置換された有機基であるが、ただし、R’、R”およびR'''が同時に水素であってはならず、nは、前記オルガノポリシラザンの数平均分子量が150〜150000g/モルになるような値である)
であるが、ただし、前記オルガノポリシラザンの、前記ペルヒドロポリシラザンに対する重量画分が少なくとも1%で、100%以下であり、好ましくは10%〜70%、より好ましくは15%〜50%である、請求項1に記載の塗料。
【請求項3】
前記塗料が、被覆材料の製造に一般的に使用されるような共結合剤を含んでなるが、ただし、前記共結合剤の、前記ペルヒドロポリシラザンに対する重量画分が少なくとも1%で、100%以下であり、好ましくは10%〜70%、より好ましくは20%〜50%である、請求項1または2に記載の塗料。
【請求項4】
前記共結合剤が、セルロース誘導体、ポリエステルまたは変性されたポリエステル、フェノール系またはメラミン樹脂、アクリレート、エポキシドまたはポリイソシアネートである、請求項3に記載の塗料。
【請求項5】
前記塗料が、1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%の式(1)のペルヒドロポリシラザンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料。
【請求項6】
前記塗料が、0.001〜5重量%の触媒を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗料。
【請求項7】
前記触媒が、N−複素環式化合物、モノ−、ジ−またはトリアルキルアミン、有機または無機酸、過酸化物、金属カルボン酸塩、アセチルアセトネート錯体または金属粉末または有機金属化合物である、請求項6に記載の塗料。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗料の、表面用保護被覆としての使用。
【請求項9】
前記表面が金属または重合体表面である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
硬化した前記塗料の厚さが少なくとも1マイクロメートル、好ましくは2〜20マイクロメートル、より好ましくは3〜10マイクロメートルである、請求項8または9に記載の使用。
【請求項11】
前記保護被覆がホイールリム、特にアルミニウムリムの上にある、請求項8〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
すでに被覆してあってもよい金属またはプラスチック表面上に保護被覆を形成する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗料を前記表面に塗布し、次いで前記塗料を、温度10〜200℃、好ましくは25〜160℃、より好ましくは80〜150℃で硬化させる、方法。

【公表番号】特表2007−526377(P2007−526377A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501169(P2007−501169)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001827
【国際公開番号】WO2005/085374
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(597164194)クラリアント インターナショナル リミテッド (5)
【Fターム(参考)】