説明

金属の回収方法とその装置

【課題】重金属等を含む廃液等の被処理液から、それらを有価物である金属として回収する方法と装置に関し、被処理液から回収対象金属のみを有価物である金属として回収することができ、且つ回収対象金属以外の不純物を含有する可能性が少なく、回収率が高く回収対象金属の純度が高い回収方法と装置を提供することを課題とする。
【解決手段】回収すべき金属がイオン状態で含有されている被処理液をリアクター本体内に流入するとともに、該リアクター本体内に回収すべき金属よりもイオン化傾向が大きい金属からなる金属線を収容し、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有される金属を前記金属線の表面に析出させ、その後、前記金属線に超音波発振体を接触させた状態で、該超音波発振体により前記金属線を振動させて前記金属線から前記析出した金属を剥離して回収することを特徴とする回収することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属の回収方法とその装置、さらに詳しくは、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Sn(錫)、In(インジウム)、Ga(ガリウム)等の重金属を含む廃液等の被処理液から、それらを有価物である金属単体あるいは合金として回収する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、産業廃液には種々の金属が含有されていることがあり、それらを有価物である金属単体として回収することが試みられている。たとえば、メッキ工場廃液にはNi、Cu、Zn等が含有され、半導体製造工場廃液には、Cu、Ga等が含有され、液晶製造工場廃液にはIn等が含有され、これらを金属単体あるいは合金として回収できれば、それらの金属を再利用すること等も可能となる。
【0003】
重金属類を回収する廃液の処理技術として、従来では薬剤を用いた凝集沈殿処理、共沈処理等が一般に採用されており、濃度が低い場合には吸着剤を用いて金属類を除去することも行なわれている。また廃メッキ液からの金属回収では、鉄スクラップを廃メッキ液に投入し、Cu等の回収対象金属をセメンテーション法で回収する方法がある。たとえば共沈処理を利用する技術として下記特許文献1に係る発明がある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−126758号公報
【0005】
しかしながら、薬剤を用いた凝集沈殿処理では、水酸化物の沈殿物がスラッジとして発生するという問題点がある。また鉄スクラップを廃メッキ液に投入し、セメンテーション法によりCu等を析出させる方法では、析出したCuが鉄スクラップ表面を覆った時点で析出反応が終了し、鉄をCuでコーティングしたものが回収されることとなり、目的とする金属のみを回収対象金属として回収することができない。また回収率が低く純度も低いものしか得られないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、廃液等の被処理液から回収の対象となる金属のみを有価物である金属単体あるいは合金として回収することができ、且つ回収対象金属以外の不純物を含有する可能性が少なく、回収率が高く回収対象金属の純度が高い回収方法と装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、金属の回収方法に係る請求項1記載の発明は、回収すべき金属がイオン状態で含有されている被処理液をリアクター本体内に流入するとともに、該リアクター本体内に回収すべき金属よりもイオン化傾向が大きい金属からなる金属線2を収容し、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有される金属を前記金属線2の表面に析出させ、その後、前記金属線2に超音波発振体15を接触させた状態で、該超音波発振体15により前記金属線2を振動させて前記金属線2から前記析出した金属を剥離して回収することを特徴とする回収することを特徴とする。
【0008】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の金属の回収方法において、多数の金属線2で回収金属析出体3が構成されていることを特徴とする。さらに請求項3記載の発明は、請求項2記載の金属の回収方法において、回収金属析出体3が、多数の金属線2を縦横に交差して構成された金網4を複数個具備して構成されている。さらに請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の金属の回収方法において、回収金属析出体3がリアクター本体内に固定されていることを特徴とする。さらに請求項5記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の金属の回収方法において、回収金属析出体3を構成する金属線2のうち、超音波発振体15と接触する面を構成する金属線2が、回収すべき金属よりもイオン化傾向が小さい金属で構成されていることを特徴とする。
【0009】
さらに金属の回収装置に係る請求項6記載の発明は、回収すべき金属がイオン状態で含有されている被処理液を流入するとともに、回収すべき金属よりもイオン化傾向が大きい金属からなる金属線2を収容して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有される金属を前記金属線2の表面に析出させる金属析出反応を行なうためのリアクター本体1と、前記金属線2に析出した金属を回収すべく、前記金属線2に接触させて該金属線2から前記析出金属を剥離させるための超音波発振体15とを具備することを特徴とする。
【0010】
さらに請求項7記載の発明は、請求項6記載の金属の回収装置において、多数の金属線2で回収金属析出体3が構成されていることを特徴とする。さらに請求項8記載の発明は、請求項7記載の金属の回収装置において、回収金属析出体3が、多数の金属線2を縦横に交差して構成された金網4を複数個具備して構成されていることを特徴とする。さらに請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の金属の回収方法において、回収金属析出体3がリアクター本体1内に固定されていることを特徴とする。さらに請求項10記載の発明は、請求項7乃至9のいずれかに記載の金属の回収方法において、回収金属析出体3を構成する金属線2のうち、超音波発振体15と接触する面を構成する金属線2が、回収すべき金属よりもイオン化傾向が小さい金属で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上述のように、回収すべき金属を含有する廃液等の被処理液をリアクター本体内に流入するとともに、該リアクター本体内に金属線を収容し、イオン化傾向の差異により前記廃液中に含有される金属を前記金属線の表面に析出させ、その後、前記金属線に超音波発振体を接触させた状態で、該超音波発振体により前記金属線を振動させて前記金属線から前記析出した金属を剥離して回収する方法であるため、このような金属線を用いることで従来の鉄のスクラップを用いる方法に比べて反応のための金属の総表面積が増加し、析出反応速度が向上し、またある程度成長した析出金属を超音波振動により剥離させることで常に新しい金属表面を露出させ反応速度を維持することができるので、金属の回収効率を高めることができるという効果がある。
【0012】
また金属線に超音波発振体を直接接触させるため、金属線に析出した金属を剥離するためのエネルギー効率も良好となる利点がある。すなわち、超音波発振体と金属線とが直接接触していないと、超音波発振体によるエネルギーは水を介して金属線に伝わることとなるが、超音波は、超音波発振体と水との界面において反射するため、超音波発振体から水への超音波の透過率は低くなる。さらに水から金属線にエネルギーが伝搬する際も同様に超音波の透過率が低いため、超音波発振体から金属線に伝わるエネルギーは非常に低いものとなる。
この点、上述のように超音波発振体と金属線とを接触させると、超音波は固体から固体へと伝搬することとなるため、固体から液体に超音波が伝搬する場合に比べると固体
同士の接触界面での超音波の反射は小さく、その結果、超音波の透過率は高くなり、エネルギー伝搬の効率も高くなるのである。
【0013】
また、多数の金属線で回収金属析出体を構成した場合には、その金属線の組み立てを自在に変更することによって、リアクター本体内の被処理液の濃度に応じて回収金属析出体の形状を自在に変更することができる。さらに回収金属析出体が、多数の金属線を縦横に交差して構成された金網を複数個具備して構成されている場合には、リアクター本体内の被処理液の流通流路を均等にすることができるという効果がある。
【0014】
さらに多数の金属線で回収金属析出体を構成し、その回収金属析出体をリアクター本体内に固定した場合には、金属線がリアクター本体から不用意に放出されるのが防止される。また金属線が固定されることになるので、超音波振動による析出金属の剥離効果が高まることになる。
【0015】
さらに、上記のように多数の金属線で回収金属析出体を構成する場合であって、その回収金属析出体を構成する金属線のうち、超音波発振体と接触する面を構成する金属線を、回収すべき金属よりもイオン化傾向が小さい金属で構成した場合には、その超音波発振体と接触する面となる金属線を構成する金属が被処理液中へ溶出することがなく、従って金属線への回収対象金属の析出反応が進んでも、金属線と超音波発振体との接着が不良となって超音波発振体が金属線から不用意に外れることがない。
また、金属線と超音波発振体の接触状態が悪化することがないので、超音波発振体から発振される超音波は確実に金属線に伝達されることとなり、その結果、超音波伝達のロスが少なく、エネルギー効率が大きく低下することを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
(実施形態1)
本実施形態の金属の回収装置は、図1及び図2に示すように、縦長のリアクター本体1を具備したものである。本実施形態では被処理液として廃液を対象とする場合について説明する。前記リアクター本体1は、上下の全体で断面積が同じとなるように形成されている。
【0017】
リアクター本体1の下部側には、処理対象である廃液を流入するための流入用チャンバー7(図示せず)が設けられているとともに、リアクター本体1の上部側に上部チャンバー9が設けられている。上部チャンバー9は、回収された金属を排出するための部分である。
【0018】
上部チャンバー9は、図1及び図2に示すように浅い円筒状に形成されており、流入用チャンバー7は、図3及び図4に示すように、中央筒部20と、該中央筒部20に連通して左右に設けられた側筒部21、21とからなる形状に形成されている。
【0019】
また上部チャンバー9は、図2に示すように内筒9a及び外筒9bで構成されており、
同図のように内筒9aがリアクター本体1の上部に外嵌合されることによって、上部チャンバー9がリアクター本体1に取り付けられている。そして、上部チャンバー9の下部であって、前記内筒9aと外筒9bとの間の位置に、回収されたフレーク状や微粒子状の金属を排出するための排出管10が取り付けられている。このように構成されている結果、リアクター本体1の内部を上向きに流通する被処理液は、内筒9aの上部開口部から、外筒9bと内筒9a間に溢流し、前記排出管10から外部に排出されることとなる。
【0020】
さらに、前記流入用チャンバー7の側筒部21、21の先端側にそれぞれ流入管8、8が設けられている。そして、流入用チャンバー7の側筒部21、21には邪魔板22、23が2条ずつ縦方向に設けられており、流入管8、8から流入される被処理液が、これらの邪魔板22、23によって流れが乱されるように構成されている(図3、4)。
【0021】
さらにリアクター本体1の内部には、金属線2が収容されている。より具体的には図5に示すように、多数の金属線2でメッシュ状に構成された回収金属析出体3がリアクター本体1の内部に固定して設けられている。その固定手段は特に限定されるものではなく、たとえば固定部材を介して内壁面に取り付ける手段、或いはリアクター本体1の
略中央に杆状体を立設させ、その杆状体に回収金属析出体3を掛止する等の手段によって固定することが考えられ、従来公知の種々の固定手段を採用することが可能である。
【0022】
この回収金属析出体3は、図6に示すように、金属線2を縦横に交差させて矩形のプレート状に形成した複数枚の金網4を略等間隔且つ平行に配置し、さらにこれら複数の金網4と直交する方向であって該複数の金網4の上部に、別の同形状の金網4が取り付けられることによって構成されている。そして、前記回収金属析出体3は、前記複数の金網4によって全体がブロック状かつ立体的なメッシュ状に形成されたものである。さらに、前記平行に配置された複数の金網4のうち、端部側の金網4は、他の金網4に比べて長く形成され、他の金網4より長く形成された部分が延長片4aとして形成されている。このように延長片4aが形成されることでリアクター本体1へ回収金属析出体3を固定するのが容易となる。すなわち、上述のようにリアクター本体1の内壁面に固定部材を介して回収金属析出体3を取り付ける場合、リアクター本体1の略中央に杆状体を立設させ、その杆状体に回収金属析出体3を掛止する場合等、いずれの固定手段を採用する場合であっても、上記のような延長片4aが形成されていることで、回収金属析出体3を固定する際の利便性が図られることとなる。そして、延長片4aを有する長い金網4の側面側には、超音波発振体15が取り付けられている。
【0023】
さらに本実施形態の金属の回収装置は、上記リアクター本体1の他に、図5に示すように、フィルター5及びポンプ6を具備している。そしてリアクター本体1の排出管10とフィルター5間、フィルター5とポンプ6間、及びポンプ6とリアクター本体1の流入管8間には、それぞれ流路11、12、13が設けられている。尚、この図5においては、排出管10と流入管8とは模式的に示しており、上部チャンバー9及び流入用チャンバー7は図示していない。
【0024】
本実施形態では、回収金属析出体3の金属線2を構成する金属としてアルミニウム(Al)又は亜鉛(Zn)が用いられるが、その回収金属析出体3において超音波発振体15を取り付ける部分となる面、すなわち上記延長片4aを有する端部側の金網4を構成する金属としては、上記Al又はZnに代えて銅(Cu)が用いられている。また処理対象となる廃液としては、インジウム(In)イオンを含有するフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)製造工場廃液等が用いられる。この場合には、Inが金属として回収されることになる。
【0025】
そして、このような構成からなる金属の回収装置によって金属を回収する方法について説明すると、先ず処理対象である廃液を流入管8から流入用チャンバー7を介してリアクター本体1内に流入する。この場合において、流入用チャンバー7は、上述のように中央筒部20と側筒部21、21とで構成され、側筒部21、21には邪魔板22、23が2条ずつ縦方向に設けられているため、側筒部21に対して横向きに取り付けられている流入管8、8から流入する廃液は、横方向に一気に流入するのではなく、縦方向に設けられた邪魔板22、23に沿って側筒部21内を上下に交互に流れながら中央筒部20内に流入し、その中央筒部20からリアクター本体1に向かって上向きに流通することとなる。従って、流入管8、8から流入される廃液は、邪魔板22、23によって流れが乱され、偏流を生じさせずにリアクター本体1内を上向きに流通し易い状態となる。また、必要があれば、流入チャンバー7内に、たとえば円筒状のかごにガラス或いはセラミック製のボールを入れたものを設置することができ、これによって、より確実に偏流を防ぐことが可能となる。
【0026】
そして廃液がリアクター本体1内を流通すると、廃液中に含有されているInと、金属線2を構成するZn又はAlとのイオン化傾向の相違に基づく、いわゆるセメンテーション反応を生じさせる。これをより詳細に説明すると、各金属イオンの還元反応は次式のとおりであり、各金属イオンの標準電極電位(E°)をそれぞれに示している。
【0027】
In3++3e→In …(1) −0.34V
Zn2++2e→Zn …(2) −0.76V
Al3++3e→Al …(3) −1.66V
Cu2++2e→Cu …(4) +0.34V
【0028】
上記(1)〜(4)からも明らかなように、In3+に比べて、Zn2+やAl3+の標準還元電位が小さい。換言すれば、Inに比べて、ZnやAlのイオン化傾向が大きいことになる。そのため、上記のような廃液の流通によって、イオン化傾向の大きいZnやAlがZn2+或いはAl3+となって廃液中に溶出し、それとともに廃液中に含有されていたIn3+がInとなって、ZnやAlの粒子の表面上に析出する。
【0029】
また、超音波発振体15を取り付けて該超音波発振体15との接触面となる金網4を構成する金属線はCuで構成されているが、上記(1)、(4)からも明らかなように、In3+に比べて、Cu2+の標準還元電位が大きい。換言すればInに比べてCuのイオン化傾向が小さいことになる。そのため、上記のような廃液の流通によって金属線を構成するCuが廃液中へ溶出することがなく、Inの析出反応が進んでも、金属線2と超音波発振体15の接着状態が不良となって超音波発振体15が金網4を構成する金属線2から不用意に外れることがない。この結果、析出反応が進んでも、金属線と超音波発振体の接触状態が悪化することがなく、超音波発振体15から発振される超音波は確実に回収金属析出体3に伝達されることとなり、その結果、超音波伝達のロスが少なく、エネルギー効率が大きく低下することを抑制することができる。
【0030】
このようなセメンテーション反応によってInをZn金属線或いはAl金属線の表面上に析出させた後、超音波発振体15を作動させて該超音波発振体15が取り付けられた
端部側の長い金網4を振動させる。これによって、その端部側の金網4の振動が他の金網4にも伝達され、それによって回収金属析出体3の全体が振動することとなる。このように回収金属析出体3を振動させることによって、析出したInが回収金属析出体3を構成している金属線2から強制的に剥離されることとなる。この場合、超音波発振体15は、連続的に作動させることも可能であるが、連続的に作動させると超音波発振体が発熱し、超音波発振体を長時間作動させることが困難になるおそれがある。また超音波発振体15を連続的に作動させると、析出した金属(In)が成長してある程度の大きさになる前に順次剥離され、その結果、ある程度の大きさの析出金属が得られないおそれがある。この点、超音波発振体を間欠的に作動させると、析出する金属がある程度大きくなるまで不用意に剥離されるおそれが少ないので、剥離した金属の分離が容易になる。従って、超音波発振体15の作動は間欠的に行なうのが好ましい。この場合の間欠的な作動は、たとえば10ON、30秒OFF等によって行なう。
【0031】
上述のように超音波発振体15による振動力を付与する結果、回収金属析出体3を構成する金属線2の全体に振動が伝達されて、該金属線2に析出したInが金属線2から剥離され、剥離されたInは、上部チャンバー9から排出管10を経てリアクター本体1の外部に排出され、回収されることとなるのである。
【0032】
この場合において、本実施形態では、回収対象金属を析出させるための回収金属析出体3を多数の金属線2で構成しているので、たとえば亜鉛のスクラップを用いるような場合に比べると、セメンテーション反応を生じさせるための金属(Zn又はAl)の表面積が増加し、Inの析出反応の速度が向上することとなる。
【0033】
また、ある程度成長した金属の析出が認められた後に、上記のような超音波発振体15を作動させて金網4を振動させることによって、常に新しい金属線2の表面を露出させ、反応速度を維持することができる。また、従来行われていた亜鉛のスクラップを投入するような方法に比べると、剥離した析出金属中にはIn以外の不純物が非常に少ないものとなる。
【0034】
さらに回収金属析出体3が、金属線2を縦横に交差させて構成された金網4を複数個具備させ、全体がメッシュ状に形成されているので、金属線2間の網目の空隙面積が全体においてほぼ均等であり、その結果、被処理液の流れに偏りが生ずるおそれもなく、リアクター本体内の被処理液の流通流路を均等にすることができる。
【0035】
さらに回収金属析出体3がリアクター本体1内に固定して設けられているので、金属線がリアクター本体1から不用意に放出されるのが防止され、また金属線が固定されることになるので、超音波振動による析出金属の剥離効果が高まることになる。さらに金属線がリアクター本体1から不用意に放出されないため、回収した金属への析出体の混入を低減できる。
【0036】
(実施形態2)
本実施形態では、対象となる廃液の種類が上記実施形態1と相違する。すなわち、本実施形態では廃液としてCu、Sn等の金属イオンを含有する金属表面処理工場廃液を用いており、この点で、Inイオンを含有するFPD製造工場廃液を対象とする実施形態1の場合と相違している。金属線2で構成される回収金属析出体3としては、上記実施形態1と同じ構造のものを用いる。回収金属析出体3を構成している金属線2としてはZnからなるものが用いられ、超音波発振体15を取り付ける端部側の金網4を構成する金属線2としては銅(Cu)からなるものが用いられる。本実施形態ではCu、Sn等の金属イオンを含有する廃液が用いられるので、Cu、Snが金属として回収されることになる。
【0037】
そして廃液中に含有されているCu、Sn等の金属と、金属線2を構成するZnとのイオン化傾向の相違に基づく、いわゆるセメンテーション反応を生じさせる。これをより詳細に説明すると、Snイオンの還元反応は次式(5)のとおりであり、また標準電極電位(E°)も示している。
【0038】
Sn2++2e→Sn …(5) −0.14V
【0039】
上記(2)、(4)、(5)式からも明らかように、Cu2+、Sn2+に比べて、Zn2+の標準還元電位が最も小さい。換言すれば、Cu、Snに比べて、Znのイオン化傾向が最も大きいことになる。そのため、上記のような廃液の流通によって、イオン化傾向の大きいZnがZn2+となって(上記(2)式と逆の反応)廃液中に溶出し、それとともに廃液中に含有されていたCu2+、Sn2+がCu、Snとなって、Znの金属線2の表面上に析出する。
【0040】
このようにして析出されたCu、Snを超音波発振体15によって剥離させる作用等は上記実施形態1と同じであるため、その詳細な説明は省略する。このようにして剥離されたCu、Snは、上部チャンバー9から排出管10を経てリアクター本体1の外部に排出され、金属(本実施形態の場合は、CuとSnの合金)として回収されることとなるのである。
【0041】
尚、本実施形態においても、回収金属析出体3における超音波発振体15の取付部分となる端部側の金網4を構成する金属線2がCuで構成されているので、その超音波発振体との接触面を構成する金属(Cu)が被処理液中へ溶出することがなく、超音波発振体15が回収金属析出体3から不用意に離脱するのが防止され、また接着が不良となることによる超音波のエネルギー伝達の低下も防止される。すなわち本実施形態では、上記実施形態1とは対象となる廃液の種類が異なり、Cu2+、Sn2+が含有されているが、その含有されている金属のうちの1つは上記端部側の金網4を構成する金属(Cu)と同種のものであり、また他の1つのSn2+は、上記(4)、(5)式からも明らかなように、Cu2+よりも標準還元電位が小さく、従ってSnに比べてCuのイオン化傾向が小さいので、本実施形態においても端部側の金網4を構成する金属が溶出することもないのである。
【0042】
(実施形態3)
本実施形態では、図7に示すように、リアクターが2個配設されており、その点で1個のみからなる実施形態1及び2の場合と相違する。すなわち、本実施形態では、1段目のリアクター本体1aの後段側であって2段目のリアクター本体1bの前段側にフィルター17が設けられ、さらに2段目のリアクター本体1bの後段側にフィルター18が設けられている。フィルターとしては、例えば、カートリッジフィルター、ドラムフィルター等が用いられる。また、フィルターに代えて、ベルトプレス、フィルタープレス等の固液分離手段を用いることも可能である。
【0043】
本実施形態においては、たとえば対象となる廃液にCuとSnが含有されている場合、1段目のリアクター本体1aには鉄(Fe)からなる金属線2を具備させ、その金属線2
にCuを析出させて1段目のフィルター17でCuを回収し、2段目のリアクター本体1bにはZnからなる金属線2を具備させ、その金属線2にSnを析出させて2段目のフィルター18でSnを回収するようなことが可能となる。
【0044】
ここで、それぞれのリアクター本体1a、1bに具備されている金属線2は、上記実施形態1、2と同様に回収金属析出体3を構成するものであり、またその回収金属析出体3の構成も該実施形態と同様のものである。すなわち、リアクター本体1a内で固定されている回収金属析出体3の端部側の金網4を構成する金属線2はCuで構成され、それ以外の部分を構成する金属線2はFeで構成されている。またリアクター本体1b
内で固定されている回収金属析出体3の端部側の金網4を構成する金属線2はCuで構成され、それ以外の部分を構成する金属線2はZnで構成されている。
【0045】
尚、鉄(Fe)イオンの還元反応と標準電極電位は次のとおりである。
Fe2++2e→Fe …(6) −0.44V
これに対して、CuやSnの還元反応や標準電極電位は、上記(4)、(5)式のとおりであり、標準電極電位の数値がFeはCuやSnよりも小さく、従って、Feのイオン化傾向はCuやSnのイオン化傾向よりも大きいため、理論上はFeからなる金属線2にCuやSnが析出することとなるが、そのイオン化傾向の差は、FeとSnとの差よりもFeとCuとの差の方がはるかに大きく、従って1段目のリアクター本体1aにおいては、Cuが優先的にFeからなる金属線2に析出することとなる。
【0046】
一方、上記(2)式で示されている標準電極電位の数値から、Znのイオン化傾向はCu、Snのイオン化傾向よりも大きく、従って2段目のリアクター本体1bにおいては、Cu、SnともにZnからなる金属線2に析出するはずであるが、Cuはすでに1段目のリアクター本体1aのFeからなる金属線2に析出しているので、2段目のリアクター本体1bにおいては、Snが主としてZnからなる金属線2に析出することとなるのである。従って、本実施形態では、異なる2種の金属線2を用いて廃液から2種の金属を選択的に回収することができるという利点がある。
【0047】
尚、本実施形態においても、回収金属析出体3において超音波発振体15を取り付ける金網4を構成する金属線2として、廃液中の含有金属の1つであるSnよりもイオン化傾向が小さく、また他の1つ含有金属と同種の金属であるCuを用いているので、廃液中のセメンテーション反応により超音波発振体15の取付部分の金網4を構成する金属が溶出することが好適に防止されることとなる。
【0048】
(実施形態4)
本実施形態では、図8に示すようにリアクターが3個配設されており、その点で1個のみからなる実施形態1や2個配設されていた実施形態3の場合と相違する。本実施形態では、これら3個のリアクター本体1a、リアクター本体1b、リアクター本体1cの後段側にフィルター17、フィルター18、フィルター19が設けられている。本実施形態では、上記実施形態3と同様に1段目のリアクター本体1aにFeからなる金属線2が具備され、2段目のリアクター本体1bにZnからなる金属線2が具備されるが、3段目のリアクター本体1cではAlからなる金属線2が具備される。
【0049】
本実施形態を、上記実施形態3と同様にCuとSnが含有されている廃液に適用すると、
1段目のリアクター本体1aでは実施形態3と同様にFeからなる金属線2にCuが析出されて1段目のフィルター17でCuが回収され、2段目のリアクター本体1bにおいても実施形態3と同様にZnからなる金属線2にSnが析出されて2段目のフィルター18でSnが回収される。
【0050】
しかしながら、3段目のリアクター本体1cにおいては、実施形態3からは予期できない作用が生じる。すなわち、上記のように1段目のリアクター本体1aでセメンテーション反応により溶出したFeと、2段目のリアクター本体1bでセメンテーション反応により溶出したZnは、3段目のリアクター本体1cに具備されているAlからなる金属線2に析出する。
【0051】
この点をより詳細に説明すると、1段目のリアクター本体1aに具備されている金属線2を構成するFeと、2段目のリアクター本体1bに具備されている金属線2を構成するZnは、上述のように回収対象金属よりもイオン化傾向が大きいが、上記(2)、(3)、(6)式で示される標準電極電位の数値の比較から、Alのイオン化傾向は、Fe、Znのイオン化傾向よりさらに大きいことは明らかである。従って、1段目のリアクター本体1aで溶出したFeと、2段目のリアクター本体1bで溶出したZnは、ともに3段目のリアクター本体1cでAlからなる金属線2に析出されることとなるのである。そして、Alからなる金属線2によってFe−Znの合金として回収することが可能となる。
【0052】
従って、1段目のリアクター本体1aと2段目のリアクター本体1bでそれぞれ溶出したFeとZnとを、後段で凝集沈殿させる等の作業が不要となり、スラッジ発生量を抑制することが可能となる。尚、3段目のリアクター本体1cではAlが溶出するが、3価のAlは2価のZnやFeより少ない溶出量で済み、Alの比重も軽く、スラッジ重量を減少させることができることから、スラッジ発生量が増大することはない。
【0053】
さらに本実施形態においても、上記各実施形態と同様に超音波発振体15が取り付けられる金網4を構成する金属線2にCuが用いられる。より具体的に説明すると、1段目のリアクター本体1a内の回収金属析出体3はFeで構成され、2段目のリアクター本体1b内の回収金属析出体3はZnで構成され、3段目のリアクター本体1c内の回収金属析出体3はAlで構成されているが、それら3つのいずれの回収金属析出体3も、端部側の金網4を構成する金属線2はCuで構成されている。従って、本実施形態においても、廃液中のセメンテーション反応により超音波発振体15の取付部分の金網4を構成する金属が溶出することが好適に防止されるのである。
【0054】
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、廃液(被処理液)としてInイオンを含有するFPD製造工場廃液や、Cu、Snのイオンを含有する金属表面処理工場の廃液に適用する場合について説明したが、対象となる廃液の種類はこれに限定されるものではなく、メッキ工場廃液、半導体製造工場廃液等に適用することも可能である。また被処理液として、本発明においては廃液を用いることを主眼としているが、廃液以外の被処理液、たとえば金属含有液に酸等の薬品を用いて回収すべき金属を溶解してイオン化した水溶液に適用可能である。この場合、かかる金属含有液として、廃液を用いることもむろん可能である。
【0055】
従って、回収の対象となる金属の種類も該実施形態のIn、Cu、Snに限らず、たとえばNi、Ga、Zn等を回収の対象とすることも可能であり、回収対象金属の種類は問わない。また、金属線2で構成される回収金属析出体3の形状も上記各実施形態に限定されるものではなく、その形状は問わない。さらに回収金属析出体3は上記実施形態のようにリアクター本体1に固定してもよく、また固定させずにリアクター本体1内の被処理液中に浮遊させてもよい。
【0056】
さらに上記実施形態では、金属線2を縦横に交差させて矩形のプレート状に形成した複数枚の金網4を略等間隔且つ平行に配置し、さらにこれら複数の金網4と直交する方向であって該複数の金網4の上部に、別の同形状の金網4を取り付け、さらに前記複数の金網4のうち、端部側の金網4を他の金網4に比べて長く形成することによって、回収金属析出体3が構成されていたが、回収金属析出体3の構成は該実施形態に限定されるものではない。
【0057】
ただし、該実施形態のように同じ寸法の金網4が複数具備されていると、超音波発振体15からの振動が複数の金網4に均等に伝達され、その結果、回収金属析出体3の全体に効率的に振動が伝達されて、析出された回収対象金属の剥離作用が良好となるという好ましい効果が得られる。また該実施形態では、超音波発振体15が取り付けられる端部側の金網4が他の金網4に比べて長く形成されているので、その端部側の金網4の面積は大きく形成されることとなり、その面積の大きい分、振動が大きくなるので、発振部分の金網4の振動力が全体に効率的に伝達されることとなる。
【0058】
さらに、上記実施形態では多数の金属線2で回収金属析出体3を構成し、この回収金属析出体3に回収対象金属を析出させることとしたが、このような回収金属析出体3を構成することは本発明に必須の条件ではなく、たとえば多数の金属線2をそのままリアクター本体1内の被処理液中に浮遊させてもよい。要は回収対象金属よりもイオン化傾向が大きい金属からなる金属線2が、リアクター本体1内に収容されていればよいのである。
【0059】
ここで「収容する」とは、上記のように金属線2で回収金属析出体3を構成し、リアクター本体1に固定して設けること、又は回収金属析出体3を構成してリアクター本体1内の被処理液に浮遊させ、若しくは金属線2で金網4を構成してリアクター本体1内の被処理液に浮遊させ、若しくは金属線2のままの状態でリアクター本体1内の被処理液に浮遊させるようなことを広く含む意味である。従って金属線2は、被処理液がリアクター本体1内に流入される前に固定して収容されていてもよく、また被処理液が流入されるのと同時に収容されてもよく、さらには被処理液が流入された後に金属線2が添加されて収容されてもよい。
【0060】
さらに、上記実施形態では、回収金属析出体3を構成する複数の金網4のうち、端部側の金網4の側面側に超音波発振体15を取り付けたが、超音波発振体15を取り付ける場所は該実施形態に限定されるものではない。たとえば、延長片4aの上端部や、下端部に取り付けてもよく、また、リアクター本体1の壁面に超音波発振体15を取り付けるとともに、その超音波発振体15の先端側をリアクター本体1の内部に臨出させ、その臨出した超音波発振体15の先端側を、金属線2で構成される回収金属析出体3や金網4に接触させ、或いは金属線2自体に接触するように構成することも可能である。要は、金属線2に接触して超音波発振体15が設けられていればよいのである。
【0061】
また、超音波発振体15から発振する超音波の周波数も特に限定されないが、20kHz以上、数MHz以下の周波数のものを好適に利用できる。20kHz以下であると、騒音の問題があり、また数MHz以上であると、減衰性が高くなりエネルギーをロスするおそれがあるためである。
【0062】
さらに、上記実施形態では、超音波発振体15を取り付ける回収金属析出体3の接触面となる金網4を構成する金属線2にCuを用いたが、これに限らず、たとえばステンレスや各種金属の合金等を用いることも可能である。要は、回収対象金属よりもイオン化傾向の小さいものであれば、超音波発振体15との接触面を構成する金属線2に用いることができる。
【0063】
尚、回収対象金属よりもイオン化傾向の小さい金属を、上記のように超音波発振体15との接触面を構成する金属線2の構成部材として用いることで、上述のようにセメンテーション反応によって被処理液中に析出することがなく、超音波発振体15の不用意な離脱が防止できるという好ましい効果が得られるが、このように超音波発振体15との接触面を構成する金属線2のみを、他の部分の金属線2と異なる金属を用いて回収対象金属よりもイオン化傾向の小さい金属とすることは本発明に必須の事項ではなく、
他の部分の金属線2と同種の金属を用いてもよい。従って、回収金属析出体3は、その全体を同じ金属で構成してもよい。
【0064】
さらに、本実施形態ではリアクター本体1内に固定させ易いように、超音波発振体15との接触面を構成する金網4に延長片4aを設ける構成としたが、これに限定されず、
複数の金網4をすべて同じ長さとしても良い。
【0065】
さらに、該実施形態では、金属線は、金属単体を利用したが、合金であってもよい。合金としては、鉄−アルミニウム合金、カルシウム−シリコン合金等を用いることができる。
【0066】
さらに、上記実施形態1では、リアクター本体1の断面積が全体で略同じになるように形成したが、このようにリアクター本体1を形成することは本発明に必須の条件ではなく、たとえばリアクター本体1の上部に向かうほど断面積が大きくなるように形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】一実施形態としての金属の回収装置の概略斜視図。
【図2】同実施形態の金属の回収装置の概略断面図。
【図3】同実施形態の金属の回収装置における流入用チャンバーの概略平面図。
【図4】図3のA−A線拡大断面図。
【図5】同実施形態の金属の回収装置の概略ブロック図。
【図6】回収金属析出体を示す斜視図。
【図7】他実施形態の金属の回収装置の概略ブロック図。
【図8】他実施形態の金属の回収装置の概略ブロック図。
【符号の説明】
【0068】
1、1a、1b、1c…リアクター本体
2…金属線 3…回収金属析出体
4…金網 15…超音波発振体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収すべき金属がイオン状態で含有されている被処理液をリアクター本体内に流入するとともに、該リアクター本体内に回収すべき金属よりもイオン化傾向が大きい金属からなる金属線(2)を収容し、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有される金属を前記金属線(2)の表面に析出させ、その後、前記金属線(2)に超音波発振体(15)を接触させた状態で、該超音波発振体(15)により前記金属線(2)を振動させて該金属線(2)から前記析出した金属を剥離して回収することを特徴とする金属の回収方法。
【請求項2】
多数の金属線(2)で回収金属析出体(3)が構成されている請求項1記載の金属の回収方法。
【請求項3】
回収金属析出体(3)が、多数の金属線(2)を縦横に交差して構成された金網(4)を複数個具備して構成されている請求項2記載の金属の回収方法。
【請求項4】
回収金属析出体(3)がリアクター本体内に固定されている請求項2又は3記載の金属の回収方法。
【請求項5】
回収金属析出体(3)を構成する金属線(2)のうち、超音波発振体(15)と接触する面を構成する金属線(2)が、回収すべき金属よりもイオン化傾向が小さい金属で構成されている請求項2乃至4のいずれかに記載の金属の回収方法。
【請求項6】
回収すべき金属がイオン状態で含有されている被処理液を流入するとともに、回収すべき金属よりもイオン化傾向が大きい金属からなる金属線(2)を収容して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有される金属を前記金属線(2)の表面に析出させる金属析出反応を行なうためのリアクター本体(1)と、前記金属線(2)に析出した金属を回収すべく、前記金属線(2)に接触させて該金属線(2)から前記析出した金属を剥離させるための超音波発振体(15)とを具備することを特徴とする金属の回収装置。
【請求項7】
多数の金属線(2)で回収金属析出体(3)が構成されている請求項6記載の金属の回収装置。
【請求項8】
回収金属析出体(3)が、多数の金属線(2)を縦横に交差して構成された金網(4)を複数個具備して構成されている請求項7記載の金属の回収装置。
【請求項9】
回収金属析出体(3)がリアクター本体(1)内に固定されている請求項7又は8記載の金属の回収装置。
【請求項10】
回収金属析出体(3)を構成する金属線(2)のうち、超音波発振体(15)と接触する面を構成する金属線(2)が、回収すべき金属よりもイオン化傾向が小さい金属で構成されている請求項7乃至9のいずれかに記載の金属の回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−224385(P2007−224385A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48662(P2006−48662)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】