説明

金属イオン成分の除去・低減方法及び装置

【課題】簡便な方法で、かつ、コスト的にも実現可能な採算性を備えた除去方法及び装置を提供する。
【解決手段】不要な金属イオン成分などを含有する工業用廃液やスラリー廃液に含まれる不要な金属イオン成分を除去するもので、廃液を希釈する希釈工程と、希釈工程で得られた希釈廃液の一部を残して残部を系外に排出する排出工程とを備えた。好ましくは、残存させた希釈廃液の成分やpHなどを調整する成分等調整工程を備え、成分等調整工程では硝酸第二鉄や過酸化水素水などの研磨性能を向上させる物質を添加し、希釈工程の希釈倍率が20〜200倍であり、希釈が超純水により行われ、不溶性物質の一部を回収し、未使用の工業用水溶液やスラリー新液の比重と同様となるように比重調整を行う比重調整工程や未使用のスラリー新液中の研磨用粒子成分の粒径と同様となるように粒径調整を行う粒径調整工程を備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業用水溶液やスラリー液を用いて特定の処理(例えば半導体ウェハの研磨工程やCMP(化学的機械的研磨)プロセス)を行った際に排出される不要な金属イオンなどを含有する工業用廃液やスラリー廃液などに含まれる不要な金属イオン成分を基準値以下に除去ないし低減する金属イオン成分の除去・低減方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータや情報技術、通信技術等の高速化に伴って、使用される半導体集積回路(IC)には、高い集積度と迅速性が求められるようになっている。このような半導体集積回路の高速化・高集積化を実現するためには、配線パターンの微細化や多層積層構造の採用が不可決となっている。
【0003】
多層積層構造を実現するためには、ウェハそのものや多層積層構造の各層の凹凸を極端に少なくして、膜形成の段差部での被覆性の悪化やリソグラフィ工程でのフォトレジストの塗布膜変動などの不具合を避けるために、研磨用のスラリー液を使用して各層の表面を研磨することが行われている。
【0004】
特に、タングステンを用いたCVD(化学蒸着法)によりコンタクトホールやビアホールを形成する場合には、表面に形成されるタングステン被膜をホール部分のみを残して表面に形成されたタングステン被膜を周囲の絶縁膜と同一の平面となるように研磨するが、このとき使用される研磨用のスラリー液には、研磨レート(研磨性能)を高めるために均一に分散させた例えばシリカなどの微細な研磨用粒子成分とともに、添加剤(例えば、硝酸第二鉄や酸化剤(過酸化水素水など))を溶解させた特殊な組成のものが使用されている。
【0005】
研磨用のスラリー液は、研磨工程が終わると、超純水(DIW)で洗浄され、使用済みのスラリー廃液は、洗浄液とともに回収タンクに溜められ、その後廃棄される。
【0006】
研磨用のスラリー液は、通常、高価であるので、使用済みのスラリー廃液を再生(リサイクル)して再利用できれば、環境的にもコスト的にも望ましい。再生処理が可能な場合には、回収タンクに溜められた使用済みのスラリー廃液は、再生処理が行われるまで保管される。
【0007】
使用済みのスラリー廃液を再生して再利用するには、特に前述したタングステン用のスラリー液の場合には、どのような方法や手段を用いてスラリー廃液中に溶解している不要な金属イオン成分(タングステンイオン成分など)を基準値以下に低減ないし除去するかが重要な技術的事項である。
【0008】
ここで、工業用廃水中や研磨用のスラリー廃液中に溶解している不要な金属イオン成分を除去する手段や方法としては、イオン交換樹脂を用いた方法又は金属イオン選択性を有するキレート繊維を用いた方法(特許文献1参照)などが提案されている。
【0009】
なお、スラリー廃液中の不要な金属イオン成分の除去や低減に限られず、最近は、環境問題から、工業用廃水中に含まれる有害な金属イオン成分を除去又は低減する技術について非常に関心が高まっている。
【特許文献1】特開2005−262061号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述したイオン交換樹脂を用いた方法や金属イオン選択性を有するキレート繊維を用いた方法は、いずれも装置化するには、イオン交換樹脂やキレート繊維によるフィルターのコストが高いことや、フィルターの目詰まりを解消するために頻繁にメンテナンスを行う必要があるなどの理由から、コスト的に採算性がほとんど無く、未だ実用化された実例はない。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡便な方法で、かつ、コスト的にも実現可能な採算性を備えた金属イオン成分の除去方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明の請求項1記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、工業用水溶液やスラリー新液を用いて特定の処理を行った際に排出される不要な金属イオン成分などを含有する工業用廃液やスラリー廃液などの廃液に含まれる当該不要な金属イオン成分を除去・低減する金属イオン成分の除去・低減方法において、前記廃液を希釈する希釈工程と、当該希釈工程で得られた希釈廃液の一部を残して残部を系外に排出する排出工程とを備えたことを特徴とする。
(2)本発明の請求項2記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、系に残存させた前記希釈廃液の成分やpHなどを調整する成分等調整工程を備えたことを特徴とする。
(3)本発明の請求項3記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、前記廃液がスラリー廃液である場合において、前記成分等調整工程において硝酸第二鉄や過酸化水素水などの研磨性能を向上させる物質を添加することを特徴とする。
(4)本発明の請求項4記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、前記希釈工程における希釈倍率が20〜200倍であることを特徴とする。
(5)本発明の請求項5記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、前記希釈工程における希釈操作が、超純水又はこれに準ずる清浄な水により行われることを特徴とする。
(6)本発明の請求項6記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、前記廃液中に不溶性物質が含まれている場合において、前記排出工程において、前記希釈廃液の一部を系に残す際に前記不溶性物質の少なくとも一部を系に残存させ回収することを特徴とする。
(7)本発明の請求項7記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、前記不溶性物質が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリアなどを含む研磨用粒子成分であることを特徴とする。
(8)本発明の請求項8記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、前記希釈工程において希釈操作を繰り返し行うことを特徴とする。
(9)本発明の請求項9記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、前記排出工程又は成分等調整工程で得られた希釈廃液の比重が未使用の工業用水溶液やスラリー新液の比重と同様となるように比重調整を行う比重調整工程を備えたことを特徴とする。
(10)本発明の請求項10記載の金属イオン成分の除去・低減方法は、前記廃液がスラリー廃液である場合において、廃液中に含まれる粒径が未使用のスラリー新液中の研磨用粒子成分の粒径と同様となるように粒径調整を行う粒径調整工程を備えたことを特徴とする。
(11)本発明の請求項11記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、工業用水溶液やスラリー新液を用いて特定の処理を行った際に排出される不要な金属イオン成分などを含有する工業用廃液やスラリー廃液などの廃液中に含まれる当該不要な成分を除去・低減する金属イオン成分の除去・低減装置において、前記廃液を希釈する希釈手段と、当該希釈手段で得られた希釈廃液の一部を残して残部を系外に排出する排出手段とを備えたことを特徴とする。
(12)本発明の請求項12記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、系に残存させた前記希釈廃液の成分やpHなどを調整する成分等調整手段を備えたことを特徴とする。
(13)本発明の請求項13記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、前記廃液がスラリー廃液である場合において、前記成分等調整手段において硝酸第二鉄や過酸化水素水などの研磨性能を向上させる物質を添加することを特徴とする。
(14)本発明の請求項14記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、前記希釈手段における希釈倍率が20〜200倍であることを特徴とする。
(15)本発明の請求項15記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、前記希釈手段における希釈操作が、超純水又はこれに準ずる清浄な水により行われることを特徴とする。
(16)本発明の請求項16記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、前記廃液中に不溶性物質が含まれている場合において前記排出手段において、前記希釈廃液の一部を系に残す際に前記不溶性物質の少なくとも一部を系に残存させ回収することを特徴とする。
(17)本発明の請求項17記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、前記不溶性物質が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリアなどを含む研磨用粒子成分であることを特徴とする。
(18)本発明の請求項18記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、前記希釈手段において希釈操作を繰り返し行うことを特徴とする。
(19)本発明の請求項19記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、前記排出手段又は成分等調整手段で得られた希釈廃液の比重が未使用の工業用水溶液やスラリー新液の比重と同様となるように比重調整を行う比重調整手段を備えた。
(20)本発明の請求項20記載の金属イオン成分の除去・低減装置は、前記廃液がスラリー廃液である場合において、廃液中に含まれる研磨用粒子成分の粒径が未使用のスラリー新液中の研磨用粒子成分の粒径と同様となるように粒径調整を行う粒径調整手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
(1)廃液は希釈工程において希釈され、この希釈廃液中の金属イオン成分の濃度が低減させられ、排出工程において希釈廃液の一部を残して残部が系外に排出させられ、残存させられた希釈廃液中の金属イオン成分の絶対量を希釈工程から得られた希釈廃液よりも低減させることができる。換言すれば、工業用廃水やスラリー廃液中に含まれる不要な金属イオン成分をすべて除去するのではなく、希釈工程と排出工程とを経ることにより、不要な金属イオン成分の含有量を所望の含有量値以下に低減することができる。
(2)成分等調整工程において廃液の成分やpHなどを所望の値に調整でき、廃液を再生する場合に必要な化学的な機能を持たせることができる。
(3)スラリー廃液の場合に、希釈工程と排出工程とにより希釈廃液中から減少した研磨性能を向上させる物質を添加し、不要な金属イオン成分を低減させつつも研磨性能を維持又は向上させることができる。
(4)希釈工程で希釈倍率20〜200倍として、希釈前の廃液と同量の希釈廃液を残した場合には、系に残した希釈廃液中の金属イオン成分の絶対量は、1/200〜1/20に低減させることができる。
(5)希釈工程での希釈操作に、超純水又はこれに準ずる清浄な水を用いれば、希釈工程で不要な金属イオン成分などが混入することが防止でき、例えば金属イオン成分を低減させた後の後処理を簡素化することができる。
(6)排出工程において希釈廃液中に含まれる不溶性物質が回収され、不溶性物質を有効利用することができる。
(7)廃液がスラリー廃液である場合においては、スラリー廃液に含まれる不溶性物質である研磨用粒子成分が回収され、高価な研磨用粒子成分を有効利用できる。
(8)除去・低減する金属イオン成分の基準値が非常に小さく、通常採用されることの多い希釈倍率50〜100倍では、所望の基準値以下の濃度までに除去・低減できない場合には、希釈工程で希釈操作を繰り返すことにより、金属イオン濃度が基準値以下にすることができる。また、希釈操作に使用する超純水などとスラリー廃液の容量に関する装置的な理由などから、一回の希釈操作における希釈倍率が例えば20〜50倍程度に制限され一回の希釈操作では金属イオン成分を所望の基準値以下にすることが困難な場合には、希釈工程で希釈操作を繰り返すことによって、金属イオン濃度を所望の基準値以下にすることができる。
(9)希釈廃液の比重は含まれる不溶性物質又は研磨用粒子成分の濃度と対応するので、排出工程又は成分調整工程で得られた希釈廃液の比重を未使用の工業用水溶液又はスラリー新液の比重と同様に調整することにより、不溶性物質又は研磨用粒子成分量を未使用の工業用水溶液やスラリー新液と同程度にすることができる。
(10)スラリー廃液中の研磨用粒子成分の粒径をスラリー新液と同様な粒径に調整することにより、スラリー新液と同等な研磨性能を持たせることができる。
(11)廃液は希釈手段において希釈され、この希釈廃液中の金属イオン成分の濃度が低減させられ、排出手段において希釈廃液の一部を残して残部が系外に排出させられ、残存させられた希釈廃液中の金属イオン成分の絶対量が希釈手段から得られた希釈廃液よりも低減させることができる。換言すれば、工業用廃水やスラリー廃液中に含まれる不要な金属イオン成分をすべて除去するのではなく、希釈手段と排出手段とを経ることにより、不要な金属イオン成分の含有量を所望の含有量以下に低減することができる。
(12)成分等調整手段において廃液の成分やpHなどを所望の値に調整でき、廃液を再生する場合に必要な化学的な機能を持たせることができる。
(13)スラリー廃液の場合に、希釈手段と排出手段とにより希釈廃液中から減少した研磨性能を向上させる物質を添加し、不要な金属イオン成分を低減させつつも研磨性能の維持又は向上を図ることができる。
(14)希釈手段で希釈倍率20〜200倍として、希釈前の廃液と同量の希釈廃液を残した場合には、廃液中の金属イオン成分の絶対量は、1/200〜1/20に低減させることができる。
(15)希釈手段での希釈操作に、超純水又はこれに準ずる清浄な水を用いれば、希釈工程で不要な金属イオン成分などが混入が防止でき、例えば不要な金属イオン成分を低減させた後の後処理を簡素化することができる。
(16)排出手段において、希釈廃液中に含まれる不溶性物質が回収され、不溶性物質を有効利用できる。
(17)廃液がスラリー廃液である場合においては、スラリー廃液に含まれる不溶性物質である研磨用粒子成分が回収され、高価な研磨用粒子成分を有効利用できる。
(18)除去・低減する金属イオン成分の基準値が非常に小さく、通常採用されることの多い希釈倍率50〜100倍では、所望の基準値以下の濃度までに除去・低減できない場合には、希釈工程で希釈操作を繰り返すことにより、金属イオン濃度が基準値以下にすることができる。また、希釈操作に使用する超純水などとスラリー廃液の容量に関する装置的な理由などから、一回の希釈操作における希釈倍率が例えば20〜50倍程度に制限され一回の希釈操作では金属イオン成分を所望の基準値以下にすることが困難な場合には、希釈工程で希釈操作を繰り返すことによって、金属イオン濃度を所望の基準値以下にすることができる。
(19)希釈廃液の比重は薬液中に含まれる不溶性物質又は研磨用粒子成分の濃度と対応するので、排出手段又は成分調整手段で得られた希釈廃液の比重を未使用の工業用水溶液又はスラリー新液の比重と同様に調整することにより、不溶性物質又は研磨用粒子成分量を未使用の工業用水溶液やスラリー新液と同程度にすることができる。
(20)スラリー廃液中の研磨用粒子成分の粒径をスラリー新液と同様な粒径に調整することにより、スラリー新液と同様な研磨性能を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態に係る金属イオン成分の除去・低減方法及び装置について説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る金属イオン成分の除去・低減方法を示すフローチャートであり、図2は、本実施の形態に係る金属イオン成分の除去・低減装置を示す図である。図2は、特に、本実施の形態に係る装置を、半導体製造プロセスのCMP(化学的機械的研磨)工程により生ずるスラリー廃液中の不要な金属イオン成分を低減してスラリー廃液の再生(リサイクル)を行う装置に適用した図である。
【0016】
本実施の形態に係る金属イオン成分の除去・低減方法及び装置は、工業用水溶液やスラリー新液を用いて特定の処理を行った際に排出される不要な金属イオン成分などを含有する工業用廃液やスラリー廃液などに含まれる不要な金属イオン成分を除去する方法及び装置であり、例えば、工業用廃液又はスラリー廃液中に含まれる不要な金属イオン成分を除去又は低減して廃液を再生するために使用されるものである。
【0017】
図1に示すように、半導体製造のCMP工程は、硫酸第二鉄又は過酸化水素水などの添加剤が、研磨に使用されるスラリー新液に添加される(ステップ1(図中ではS1と記載する。以下同様)及びステップ2参照)。スラリー新液は、CMP工程で研磨に使用され(ステップ3)、基板などが超純水により洗浄されて(ステップ4)、スラリー廃液が生成される(ステップ5)。
【0018】
スラリー廃液を20〜200倍、ここでは100倍程度に希釈する(ステップ6)。希釈により有害な他の金属イオンや成分などが希釈廃液に混入しないように、超純水により行われることが好ましいが、超純水に準ずる清浄な水で行ってもよい。
【0019】
次いで、ステップ6で希釈された希釈廃液は、セラミックフィルターを通すことにより、希釈廃液の一部を残して残部の溶液部分の大部分を透過水として系外に排出(脱水)して希釈廃液の濃縮を行う(ステップ7及びステップ8)。
【0020】
本例では廃液中に不溶性物質である研磨用粒子成分(例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリアなど)が含まれているので、希釈廃液の一部を系に残して大部分を透過水として排出する際に研磨用粒子成分がセラミックフィルターにより回収される。
【0021】
濃縮(脱水)された希釈廃液中の金属イオン成分の分析を行う(ステップS9)。この分析の結果、不要な金属イオン成分の濃度が所望のレベルまで低下した場合には、合格(OK)として、再生された再生スラリー液とされる(ステップ10)。
【0022】
不要な金属イオン成分の濃度が所望のレベルまで低下していない場合には、不合格(NG)として、再び希釈を行い(ステップ6)、次いで濃縮(脱水)を行い(ステップ7)、再び金属イオン成分の分析を行う(ステップ9)。不要な金属イオン成分が所望のレベルまで低下しない場合には、希釈・濃縮(脱水)が繰り返して行われる。
【0023】
最終的に、目的に応じて、再生スラリー液の成分やpHなどを調整して、再生スラリー液にスラリー新液並みの性能を付加する(ステップ11)。成分等の調整には、硝酸第二鉄や過酸化水素水などの研磨性能を向上させる物質を添加してpH調整することも含まれる。
【0024】
図示しないが、希釈廃液又は再生スラリー液などの比重を、未使用の工業用水溶液やスラリー新液の比重と同様となるように比重調整を行ってもよい。さらに、含まれる研磨用粒子成分の粒径を、未使用のスラリー新液中の研磨用粒子成分の粒径と同様となるように粒径調整を行ってもよい。
【0025】
なお、希釈倍率を最低20倍としたのは、これ以上希釈倍率が低いと、不要な金属イオン成分の除去・低減効果が低くなりすぎるからであり、最高200倍としたのは、通常のCMP工程では、50〜100倍程度の希釈倍率で超純水洗浄が行われることがほとんどであり、100倍以上の高倍率で希釈する場合には、超純水の使用量が増大し、無駄な超純水の処理量を要することになり実用的でなく、上限はせいぜい200倍程度とすればよいからである。
【0026】
再生された再生スラリー液を使用してCMP工程を実施したところ、未使用のスラリー新液を使用した場合と同等の研磨効果を得ることができた。
【0027】
図2に示すように、本実施の形態の金属イオン成分の除去・低減装置を含むスラリー廃液のリサイクルプラント1は、希釈・濃縮部10と調整部20とを備えて概略構成される。
【0028】
リサイクルプラント1の希釈・濃縮部10には、半導体ウェハや半導体集積回路などを研磨するCMP装置2と、ドラム缶3などに充填されたスラリー新液をCMP装置2に供給配管4aを通じて供給するためのスラリー供給部4が付設されている。
【0029】
CMP装置2には、研磨後に半導体ウェハや半導体集積回路やCMP装置2の内部を洗浄する超純水を供給するための超純水供給装置11が接続されている。この超純水供給装置11は、本発明の希釈手段の一つを構成する。CMP装置2には、超純水供給装置11から供給された超純水により洗浄・希釈されたスラリー廃液(以下、希釈スラリー廃液という。)を回収するスラリー廃液回収タンク12が接続されている。スラリー廃液回収タンク12には希釈スラリー廃液が移送されるプロセスタンク13が接続されている。
【0030】
プロセスタンク13にはポンプを介してセラミックフィルタを内蔵したプロセスフィルター14が接続されている。このプロセスフィルター14は、本発明の排出手段を構成する。プロセスフィルター14の透過水出口は透過水タンク15に接続され、透過水タンク15には、プロセスフィルター14の洗浄操作を行うために、超純水供給装置15a及びエアー供給装置15bが接続されている。透過水タンク15には、フィルター装置15cが接続され、このフィルター装置15c内には、透過水中の金属イオン成分などを除去するイオン交換樹脂などからなるフィルターが内蔵されている。
【0031】
プロセスフィルター14の濾過液出口はプロセスタンク13に接続されており、プロセスフィルター14で濃縮(脱水)されたスラリー廃液(以下、濃縮スラリー廃液という。)が、プロセスタンク13に向けて環流される。この環流管路にはプロセスフィルター14から環流される濾過液の比重を測定・検知する比重センサー16が付設されている。この比重センサー16は、本発明の比重調整手段の一部を構成する。
【0032】
プロセスフィルター14には、濃縮スラリー廃液を貯蔵する貯蔵タンク17が接続され、この貯蔵タンク17には濃縮されたスラリー廃液をドラム缶5などに充填するためのポンプなどが設けられた充填管路17aが接続されている。
【0033】
充填管路17aの途中には管路内の金属イオン成分を測定・検知する金属イオン成分センサー18aが付設され、金属イオン成分センサー18aの検出値に応じて管路を切り換える制御バルブ18bが付設されている。
【0034】
制御バルブ18bは、金属イオン成分センサー18aにより金属イオン成分値が所望の値まで下がっていない場合においては、超純水を添加する超純水供給装置19を介してプロセスタンク13に接続されている。この超純水供給装置19も、本発明の希釈手段の一つを構成する。
【0035】
濃縮スラリー廃液が充填されたドラム缶5は調整部20まで搬送される。搬送されたドラム缶5はポンプを介して調整タンク21に接続されている。調整タンク21にはポンプを介して例えば硝酸第二鉄などの薬剤が貯蔵された薬剤貯蔵タンク22が接続されている。この薬剤貯蔵タンク22やポンプは本発明の成分等調整手段の一部を構成する。
【0036】
調整タンク21には、ポンプを介して、研磨用粒子成分以外の不要な汚染粒子(パット屑など)を除去するプロセスフィルター23及び最終フィルター24が接続され、プロセスフィルター23及び最終フィルター24は調整タンク21に接続されて濃縮スラリー廃液が環流される。プロセスフィルター23には透過水が貯留される透過水タンク28が接続されている。プロセスフィルター23から調整タンク21に環流される管路には比重センサー25、pHセンサー26及び金属イオン成分センサー27が付設されている。
【0037】
最終フィルター24には、成分調整された濃縮スラリー廃液を再生スラリー液としてドラム缶6に充填する充填部29が接続されている。ドラム缶6はスラリー供給部4に搬送され、スラリー新液の代わりに若しくはスラリー新液とともに、CMP装置2に供給される。
【0038】
本実施の形態に係る金属イオン成分の除去・低減装置を含むスラリー廃液のリサイクルプラント1の操業方法などについて説明する。
【0039】
まず、スラリー液供給部4から、CMP装置2に研磨用のスラリー新液を注入し、半導体ウェハ又は半導体集積回路の研磨を実施する。
【0040】
研磨後に、超純水供給装置11から超純水(DIW)をCMP装置2に供給し、CMP装置2内及び研磨された半導体ウェハや半導体集積回路を洗浄する。この際に、使用済みスラリー廃液は、意図的に又は洗浄操作の成り行きで20〜200倍程度に希釈される。なお、100倍程度であれば実用上支障はない。
【0041】
希釈スラリー廃液は回収タンク12に回収され、希釈・濃縮部10のプロセスフィルター14等によりに濃縮工程などが行われる。
【0042】
すなわち、希釈スラリー廃液は回収タンク12からプロセスタンク13に移され、ポンプによりプロセスフィルター14を通されて、スラリー廃液中の研磨用粒子成分が回収される。スラリー廃液から分離・排出された透過水は透過水タンク15に貯留される。希釈スラリー廃液から透過水が排出されることにより、スラリー廃液中の不要な金属イオン成分(例えばタングステンイオン成分)が極めて低濃度やほとんど無視できる低濃度に低減され、ほとんど無視できる程度であれば除去されたといえる。
【0043】
プロセスフィルター14から排出される透過水は、透過水タンク15に貯留され、透過水はフィルター装置15cに導かれて、フィルターにより不要で有害な金属イオン成分などが除去させられて、超純水又は清浄な水に再生される。金属イオン成分の濃度が極めて低ければ、超純水ではないが、清浄な水として、スラリー廃液の希釈やCMP装置2の洗浄のためなどに再利用できる。
【0044】
プロセスフィルター14により研磨用粒子成分を回収すると、内蔵されたセラミックフィルターなどの目詰まりが発生するので、透過水タンク15に貯留された透過水によりセラミックフィルターの逆洗浄を行う。透過水タンク15に貯留された透過水だけでは不足する場合などには超純水供給装置15aから超純水を透過水タンク15に供給する。逆洗浄を行う場合にエアー供給装置15bから圧縮空気をプロセスフィルター14に供給するようにしてもよい。
【0045】
プロセスフィルター14を通して得られた濃縮スラリー廃液はプロセスタンク13に環流させられる。この環流の際に濃縮スラリー廃液の比重が比重センサー16により測定・検知される。濃縮スラリー廃液の比重(密度)は、スラリー廃液中の研磨用粒子成分の濃度と相関関係があるので、濃縮スラリー廃液の比重を測定することにより、研磨用粒子成分の濃度の確認を行っているのである。
【0046】
研磨用粒子成分の濃度が所望よりも低い場合には、再びプロセスタンク12からプロセスフィルター14を通して濃縮操作を行う。
【0047】
研磨用粒子成分の濃度が所望の値になったら、濃縮スラリー廃液をプロセスフィルター14から貯蔵タンク17に排出して貯蔵する。貯蔵タンク17内の濃縮スラリー廃液は、充填管路17aを通じてドラム缶5に充填される。充填される前に、濃縮スラリー廃液中の不要な金属イオン成分(ここではタングステンイオン成分)の濃度や量を金属イオン成分センサー18aにより測定・検知して、濃縮スラリー廃液中の不要な金属イオン成分が所望の値よりも少なくなっているかどうかを確認する。濃縮スラリー廃液を再生して再生スラリー液として使用するために不要な金属イオン成分が所望の値以下になっていることは非常に重要な事項であるからである。
【0048】
金属イオン成分が所望の値以下になっていない場合には、制御バルブ18bをプロセスタンク13側に切り換えて、貯蔵タンク17内の濃縮スラリー廃液に、超純水供給装置19から超純水を添加しつつ、プロセスタンク13に環流させ、再びプロセスフィルター14による濃縮(脱水)工程を経由して金属イオン成分の量を低減させる。
【0049】
不要な金属イオン成分の量が所望の値以下になったことが確認されたら、ドラム缶5に濃縮スラリー廃液が充填され、ドラム缶5は、調整部20に送られて濃縮スラリー廃液の成分調整などを行う。
【0050】
すなわち、濃縮スラリー廃液はドラム缶5から調整タンク21に移しかえられて貯留される。薬液貯蔵タンク22に貯蔵された硝酸第二鉄が、調整タンク21内の濃縮スラリー廃液中に添加される。これは、濃縮スラリー廃液中で研磨用粒子成分を均一に分散させ、CMP装置2における研磨性能を高めるために、pHを所望の値に調整するためである。
【0051】
pHが調整された濃縮スラリー廃液は、調整タンク21からプロセスフィルター23に通され研磨用粒子成分以外の不要な汚染粒子(パット屑など)が除去される。プロセスフィルター23を通過した透過水は透過水タンク28に貯留され、図示しないセンサーにより透過水の成分が測定・検知され、透過水の成分から濃縮スラリー廃液中に含まれる金属イオンなどの不純物が基準値以下になっているかどうかが確認される。
【0052】
プロセスフィルター23により濾過された濃縮スラリー廃液は調整タンク21に向けて環流させられ、環流操作の際に比重センサー25、pHセンサー26、金属イオン成分センサー27により、スラリー廃液の比重(研磨用粒子成分の濃度)、pH、残存金属イオン成分量が測定・検知され、所望の値となるように、適切な調整処理が行なわれる。
【0053】
調整処理が完了した濃縮スラリー廃液を、最終フィルター24を通して最終的に研磨用粒子成分以外の不要な汚染粒子を除去し、充填部29によりドラム缶6に充填して、再生スラリー液とする。再生スラリー液は、スラリー液供給部4に運搬され、スラリー新液の代わりとして又はスラリー新液とともにCMP装置2における研磨に使用される。ここで、CMP装置2から排出されるスラリー廃液は、上記したサイクルと同様な工程を経て再度再生スラリー液として再生される。
【0054】
以上説明した金属イオン成分の除去・低減方法及び装置は、スラリー廃液の再生処理を例に説明したが、工場廃水中の金属イオン成分を除去・低減する場合に使用することができる。
【0055】
すなわち、工場廃水を公の水域に排水する場合には、水質汚濁防止法、公害対策基本法、環境基本法などの環境基準に基づいて、水質汚濁を防止し、人の健康を保護し、環境を保全するために、適切な廃水処理を行って、有害物質特に重金属イオン(カドミウム、鉛、砒素など)の濃度を基準値(0.01mg/l)以下にする必要があり、このような工業用廃水の処理について、本発明の実施の形態に係る金属イオン成分の除去・低減方法及び装置を用いることは有効な手段となりうる。
【実施例】
【0056】
半導体製造工程のCMP装置において使用されたタングステン研磨用のスラリー廃液を、本発明の実施の形態に係る金属イオン成分の除去・低減方法及び装置を適用して再生する実験を行った。
【0057】
実験の結果を、スラリー液の状態の変化に伴って変化するスラリー廃液のpH、含有する金属イオン成分(第二鉄イオン成分及びタングステンイオン成分)の濃度、比重の値として表1に示す。
【表1】

【0058】
表1によれば、除去すべき金属イオン(タングステンイオン(Wイオン))は、希釈後には、所望の含有量以下(1〜2ppm程度)までに低減(除去)される。希釈されたスラリー廃液から研磨用粒子成分を残して溶液の一部を脱水して濃縮し、濃縮スラリー廃液の比重がスラリー新液と同様の値(1.027〜1.033程度)とされる。希釈により第二鉄イオン(Fe++)成分も同様に0.1ppm程度まで減少するので、再生スラリー液として使用するために、pHを調整するために、硝酸第二鉄(Fe(NO)を、スラリー新液の場合と同じ程度(52〜60ppm程度)となるように添加している。
【0059】
なお、濃縮(脱水)の際に得られる透過水は、イオン交換膜を通過させることにより、表1に記載したように、超純水として再利用できるものである。
【0060】
この実験で得られた再生スラリー液をCMP装置で使用したところ未使用のスラリー新液と同等の研磨性能を発揮した。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の一形態に係る金属イオン成分の除去・低減方法を用いたスラリー廃液のリサイクルプロセスを示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の一形態に係る金属イオン成分の除去・低減装置を含むスラリー廃液のリサイクルプラントを示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 金属イオン成分の除去・低減装置
2 CMP装置
3 ドラム缶(スラリー新液)
4 スラリー供給部
5 ドラム缶(濃縮スラリー廃液)
6 ドラム缶(再生スラリー液)
10 希釈・濃縮部
11 超純水供給装置
12 回収タンク
13 プロセスタンク
14 プロセスフィルター
15 透過水タンク
16 比重センサー
17 貯蔵タンク
18a 金属イオン成分センサー
18b 制御バルブ
19 超純水供給装置
20 調整部
21 調整タンク
22 薬剤貯蔵タンク
23 プロセスフィルター
24 最終フィルター
25 比重センサー
26 pHセンサー
27 金属イオン成分センサー
28 透過水タンク
29 充填部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用水溶液やスラリー新液を用いて特定の処理を行った際に排出される不要な金属イオン成分などを含有する工業用廃液やスラリー廃液などの廃液に含まれる当該不要な金属イオン成分を除去・低減する金属イオン成分の除去・低減方法において、前記廃液を希釈する希釈工程と、当該希釈工程で得られた希釈廃液の一部を残して残部を系外に排出する排出工程とを備えたことを特徴とする金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項2】
系に残存させた前記希釈廃液の成分やpHなどを調整する成分等調整工程を備えたことを特徴とする請求項1記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項3】
前記廃液がスラリー廃液である場合において、前記成分等調整工程において硝酸第二鉄や過酸化水素水などの研磨性能を向上させる物質を添加することを特徴とする請求項2記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項4】
前記希釈工程における希釈倍率が20〜200倍であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項5】
前記希釈工程における希釈操作が、超純水又はこれに準ずる清浄な水により行われることを特徴とする請求項1又は2記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項6】
前記廃液中に不溶性物質が含まれている場合において、前記排出工程において前記希釈廃液の一部を系に残す際に前記不溶性物質の少なくとも一部を系に残存させ回収することを特徴とする請求項1又は2記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項7】
前記不溶性物質が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリアなどを含む研磨用粒子成分であることを特徴とする請求項6記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項8】
前記希釈工程において希釈操作を繰り返し行うことを特徴とする請求項1又は2記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項9】
前記排出工程又は成分等調整工程で得られた希釈廃液の比重を、未使用の工業用水溶液やスラリー新液の比重と同様となるように比重調整を行う比重調整工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項10】
前記廃液がスラリー廃液である場合において、廃液中に含まれる研磨用粒子成分の粒径が未使用のスラリー新液中の研磨用粒子成分の粒径と同様となるように粒径調整を行う粒径調整工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の金属イオン成分の除去・低減方法。
【請求項11】
工業用水溶液やスラリー新液を用いて特定の処理を行った際に排出される不要な金属イオン成分などを含有する工業用廃液やスラリー廃液などの廃液中に含まれる当該不要な金属イオン成分を除去・低減する金属イオン成分の除去・低減装置において、前記廃液を希釈する希釈手段と、当該希釈手段で得られた希釈廃液の一部を残して残部を系外に排出する排出手段とを備えたことを特徴とする金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項12】
系に残存させた前記希釈廃液の成分やpHなどを調整する成分等調整手段を備えたことを特徴とする請求項11記載の金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項13】
前記廃液がスラリー廃液である場合において、前記成分等調整手段において硝酸第二鉄や過酸化水素水などの研磨性能を向上させる物質を添加することを特徴とする請求項12記載の金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項14】
前記希釈手段における希釈倍率が20〜200倍であることを特徴とする請求項11又は12記載の金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項15】
前記希釈手段における希釈操作が、超純水又はこれに準ずる清浄な水により行われることを特徴とする請求項11又は12記載の金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項16】
前記廃液中に不溶性物質が含まれている場合において、前記排出手段において、前記希釈廃液の一部を系に残す際に前記不溶性物質の少なくとも一部を系に残存させ回収することを特徴とする請求項11又は12記載の金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項17】
前記不溶性物質が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリアなどを含む研磨用粒子成分であることを特徴とする請求項16記載の金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項18】
前記希釈手段において希釈操作を繰り返し行うことを特徴とする請求項11又は12記載の金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項19】
前記排出手段又は成分等調整手段で得られた希釈廃液の比重が未使用の工業用水溶液やスラリー新液の比重と同様となるように比重調整を行う比重調整手段を備えたことを特徴とする請求項11又は12記載の金属イオン成分の除去・低減装置。
【請求項20】
前記廃液がスラリー廃液である場合において廃液中に含まれる研磨用粒子成分の粒径が未使用のスラリー新液中の研磨用粒子成分の粒径と同様となるように粒径調整を行う粒径調整手段を備えたことを特徴とする請求項11又は12記載の金属イオン成分の除去・低減装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−23061(P2009−23061A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190266(P2007−190266)
【出願日】平成19年7月22日(2007.7.22)
【出願人】(507247726)株式会社キーファー・テック (1)
【Fターム(参考)】