説明

金属光沢模様を有する転写シート及びその製造方法

【課題】 製造工程数が少なく簡便、低コストで、優れた金属光沢模様を発現する転写シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 離型性基材シートの面上に、透明架橋硬化樹脂層、および必要に応じてアンカーコート層を積層し、前記透明架橋硬化樹脂層、または前記アンカーコート層の面上に、接着プライマ部と印刷絵柄部とを、部分的に形成し、その上から、金属薄膜を表面に有する金属薄膜シートを密着させ、熱転写ロールで熱圧して、前記金属薄膜を、前記接着プライマ部上に転写することにより、金属光沢部を部分的に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品、情報端末等の部品や包装用容器などの樹脂成形品に用いられる転写シートに係り、詳しくは樹脂成形品に金属光沢模様を付与する転写シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の樹脂成形品に金属光沢を付与する転写シートとしては、アルミニウムをボールミルで粉砕してステアリン酸で表面処理した箔片を含んだアルミニウムペーストをインキ組成中に配合したシルバーインキを使用して支持体シート上にパターニングしたものや、支持体シート上に全面に亙って形成したアルミニウム蒸着膜をパターニングしたものが一般的に利用されている(特許文献1、2)。
【0003】
後者の蒸着膜をパターニングする方法としては、支持体シート上の所望の領域に水溶性樹脂を印刷し、その上からアルミニウムを全面に蒸着し、しかる後に水洗して水溶性樹脂層を溶解すると共に、その直上部のアルミニウム蒸着膜を除去してこれをパターニングする方法が知られている(特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭3−3045号公報
【特許文献2】実開昭51−68602号公報
【特許文献3】実公昭53−21124号公報
【特許文献4】特開昭56−164853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の転写シートのうち、シルバーインキを用いたものは、支持体シートにシルバーインキをグラビア印刷するという工程で作製でき、コストが低いという利点はあるが、アルミニウム箔片が光を拡散反射するので、光輝性は有るものの、白乃至は灰色がかった銀白色を呈し、アルミニウム蒸着膜の如き鏡面的な金属光沢は得られないという欠点がある。
【0006】
これに対して、支持体シート上にアルミニウム蒸着膜を形成した転写シートは、金属光沢に問題はないが、支持体シートに金属蒸着膜をパターン状に形成する工程が湿式の水洗工程、乾燥工程を含み、煩雑で加工に時間がかかり、且つ製造コストが割高になるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造工程数が少なく簡便、低コストで、優れた金属光沢模様を発現する転写シート及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の転写シートは、離型性基材シートの離型面上に、転写層を有する転写シートにおいて、前記転写層は、少なくとも、透明架橋硬化樹脂層と接着剤層を積層して成り、前記透明架橋硬化樹脂層と前記接着剤層の層間には、接着プライマ部と印刷絵柄部が、部分的に設けられており、前記接着プライマ部と前記接着剤層の層間には、金属薄膜が転写形成されてなる金属光沢部を有することを、特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の転写シートは、上記構成の転写シートにおいて、前記金属薄膜が、表面に模様を施された金属薄膜であることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の転写シートは、上記構成の転写シートにおいて、前記透明架橋硬化樹脂層の接着剤層側の面に、アンカーコート層を有する構成にしてもよい。さらに、前記離型性基材シートの他方の面に、帯電防止層を有する構成にしてもよい。さらには、前記離型性基材シートが、基材層と、離型層との積層体から成る構成にすることもできる。
【0011】
また、本発明の転写シートの製造方法は、離型性基材シートの面上に、透明架橋硬化樹脂層、および必要に応じてアンカーコート層を積層し、前記透明架橋硬化樹脂層、または前記アンカーコート層の面上に、接着プライマ部と印刷絵柄部とを、部分的に形成し、その上から、金属薄膜を表面に有する金属薄膜シートを密着させ、熱転写ロールで熱圧して、前記金属薄膜を、前記接着プライマ部上に転写することにより、金属光沢部を部分的に形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の転写シートは、金属薄膜が転写形成されてなる金属光沢部を有するため、優れた金属光沢を発現するとともに、水溶性樹脂層の水洗等の煩雑な工程を要せずに所望の金属光沢模様を形成できるので、製造も簡便でコストダウンを図ることができる。
【0013】
また、請求項2に記載の本発明によれば、所望の模様位置に配設された金属薄膜が発現する金属光沢模様に加え、金属薄膜表面に施された模様(例えばホログラム等の凹凸模様)により、優れた装飾効果を発現することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の本発明によれば、透明架橋硬化樹脂層の接着剤層側の面に、アンカーコート層を有するため、該アンカーコート層の上に形成する接着プライマ部、印刷絵柄部、および接着剤層との密着性を向上させることができ、このような構成とすることで、転写後の被転写体から透明架橋硬化樹脂層が脱落することを防止することができる。
【0015】
また、請求項4に記載の本発明によれば、前記離型性基材シートの他方の面に、帯電防止層を有するため、本発明の転写シートは、転写シートの製造時や保管時等でも帯電防止性を発現することができ、塵埃が付着せず、このような構成とすることで、被転写体となる物品の外観が、塵埃により損なわれることを防止することができる。
【0016】
また、請求項5に記載の本発明によれば、このような構成とすることで、離型層が離型性を担うため、基材層の材料選択の自由度が増し、転写時の剥離性が安定して、転写がより容易にできることとなる。
【0017】
また、請求項6に記載の本発明によれば、水溶性樹脂層の水洗等の煩雑な工程を要せずに所望の金属光沢模様を形成でき、かつ優れた金属光沢を発現することができ、さらに、金属薄膜シートを別途作成、または汎用品の金属薄膜シートを調達することにより、金属光沢模様を有する転写シートをより簡便で、経済性に優れた方法で製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る転写シートの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る転写シートの他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係る転写シートの他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明に係る転写シートの他の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
(転写シート)
本発明に係る金属光沢模様を有する転写シートは、図1に示すように、離型性基材シート2の一方の面上に、転写層8として、少なくとも、透明架橋硬化樹脂層3と、その表面に、少なくとも部分的に設けられた接着プライマ部6と、印刷絵柄部4を有しており、かつ、接着プライマ部6の表面に、金属薄膜が転写形成されてなる金属光沢部7を有しており、透明架橋硬化樹脂層3、印刷絵柄部4、及び金属光沢部7を被覆するように接着剤層5が積層されていることを基本構成とする。
本発明の転写シート1は、転写層8に、金属光沢部7による金属光沢模様と印刷絵柄部4を含んでいるため、被転写体となる樹脂成形品に高い装飾性を付与することができる。
【0021】
また、本発明に係る金属光沢模様を有する転写シートは、図2に示すように、透明架橋硬化樹脂層3の接着剤層5側の面に、アンカーコート層9を有する構成としても良い。
このような構成とすることで、アンカーコート層9の上に形成する印刷絵柄部4、接着プライマ部6、および接着剤層5との密着性を向上させることができ、転写後の被転写体から透明架橋硬化樹脂層3が脱落することを防止することができる。
【0022】
また、本発明に係る金属光沢模様を有する転写シートは、図3に示すように、離型性基材シート2の他方の面に、帯電防止層10を有する構成としても良い。
このような構成とすることで、本発明の転写シートは、転写シートの製造時や保管時に帯電防止性を発揮して塵埃が付着せず、転写層7が転写される物品の外観が、塵埃により損なわれることを防止できることとなる点で、好ましい。
【0023】
また、本発明に係る金属光沢模様を有する転写シートは、図4に示すように、離型性基材シート2が、基材層11と、離型層12との積層体から成る構成としても良い。
このような構成とすることで、本発明の転写シートは、離型層12が離型性を担うため、基材層11の材料選択の自由度が増し、転写時の剥離性が安定して、転写がより容易にできることとなる点で、好ましい。
【0024】
次に、本発明に係る金属光沢模様を有する転写シートを構成する各材料、および製造方法について説明する。
【0025】
(離型性基材シート)
離型性基材シート2の層構成は、図1に示すように、それ自体が転写層7と十分な離型性を有する材料から成る単層であっても良いし、あるいは図4に示すように、基材層11と離型層12との積層体であっても良い。
【0026】
離型性基材シート2が単層から構成される場合には、転写層8と離型性の良い材料を選択する必要がある。この点から、離型性基材シート2の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、エチレングリコール−1,4ヘキサメチレンジメタノール−テレフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル等が使用できる。なかでも、一軸または二軸延伸ポリエステルフィルムが、耐熱性に優れていることからより好ましい。
離型性基材シート2の厚みとしては、5μm〜200μm程度のものが好ましい。
【0027】
(離型層)
一方、離型性基材シート2が基材層11と離型層12との積層体から成る場合においては、転写層8との離型性能は離型層12が担うため、離型層12が前記の単層の離型性基材シート2で例示した材料で構成されていればよく、基材層11には可撓性を有する各種樹脂を使用できる。
【0028】
離型層12の材料としては、透明架橋硬化樹脂層3に対して離型性を持つ離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などが適用できる。
離型性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。これらの樹脂は1種単独、あるいは2種以上混合して用いる。2種以上混合する例としては、アクリル系樹脂とシリコーン樹脂との混合物、アクリル樹脂とメラミン樹脂との混合物等が挙げられる。
離型剤を含んだ樹脂としては、例えば、弗素系樹脂、シリコーン樹脂、又は各種のワックスなどの離型剤を、添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂などを用いることができる。
電離放射線で架橋する硬化性樹脂としては、例えば、紫外線(UV)、電子線(EB)などの電離放射線で重合(硬化)する官能基を有する、(メタ)アクリレート系、エポキシ系等のモノマー・オリゴマーなどを含有させた樹脂を用いることができる。
【0029】
離型層12の形成方法としては、上記の樹脂を溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコートなどのコーティング方法で塗布し乾燥して、溶剤を除去することにより形成する方法を用いることができる。
また必要に応じて、温度30℃〜200℃で加熱乾燥、あるいはエージングを施し、また、電離放射線硬化性樹脂の場合は、電離放射線を照射して架橋させる。
離型層12の厚さは、通常は0.1μm〜5.0μm程度、好ましくは0.3μm〜3.0μm程度である。この厚さは薄ければ薄い程良いが、0.3μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
【0030】
(帯電防止層)
また、本発明においては、図3及び図4に示すように、前記離型性基材シート2の他方の面に、帯電防止層10を有する構成としても良い。該帯電防止層10は、転写シートの製造時、保管時、及び転写時にも静電気の発生等で塵埃が付着しないようにするためのものであり、その材料としては、種々の帯電防止剤を適用できる。
【0031】
帯電防止層10に用いる帯電防止剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール類、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、ポリエチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド系、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットおよびソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪族アミド等の多価アルコール類、多価アルコールエステル類などの非イオン界面活性剤、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩類、燐酸塩類、ホスホン酸塩類、ホスホン酸エステル塩類などのアニオン界面活性剤、高級アルキルアミン類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、エステルアミド、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩類、ピリジンそのほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類などのカチオン界面活性剤、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のアルキルベタイン類などの両性界面活性剤などの界面活性剤、また、サポニン等の天然界面活性剤、カーボンブラック、グラファイト、変性グラファイト、カーボンブラックグラフトポリマー、酸化スズ−酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末などが適用できる。
【0032】
また、界面活性剤のような低分子型帯電防止剤の導電性付与官能基を高分子に結合した高分子型帯電防止剤も適用できる。
該高分子型帯電防止剤には、例えば、ポリエーテル系(ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド架橋体、ポリエチレンオキサイドと他樹脂の共重合体、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールと他樹脂の共重合体)などの非イオン系、第四級アンモニウム塩系(第四級アンモニウム塩基含有共重合体(第四級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、第四級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、第四級アンモニウム塩基含有メタクリルイミド共重合体)などのカチオン系などがある。
【0033】
さらにまた、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフィニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポロ(2,5−チエニレン)、又はこれらの誘導体などの導電性高分子も適用できる。
【0034】
これらの帯電防止剤は1種、又は複数を用いてもよく、単独又は他のバインダへ混入させて、塗布すればよい。これらの界面活性剤含有量は0.001〜10質量%程度である。また、必要に応じて、例えば、可塑剤、安定剤、硬化剤、分散剤キレート剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤などの添加剤を添加してもよい。
【0035】
(転写層)
続いて、本発明に係る(金属光沢模様を有する)転写シートの転写層について説明する。図1に示すように、転写層8は、少なくとも、透明架橋硬化樹脂層3と、前記透明架橋硬化樹脂層3の表面に、少なくとも部分的に設けられた印刷絵柄部4と、接着プライマ部6を有しており、かつ、前記接着プライマ部6の表面に、金属薄膜が転写形成されてなる金属光沢部7を有しており、前記透明架橋硬化樹脂層3、印刷絵柄部4、及び金属光沢部7を被覆するように接着剤層5が積層されている構成を基本構成とするものである。
また必要に応じて、図2に示すように、透明架橋硬化樹脂層3の接着剤層5側の面に、アンカーコート層9を有する構成としても良い。
【0036】
(透明架橋硬化樹脂層)
透明架橋硬化樹脂層3を構成する樹脂としては、室温での化学反応、熱又は紫外線などの電離放射線等で架橋硬化する樹脂組成物を適用でき、好ましくは、電離放射線硬化樹脂である。透明架橋硬化樹脂層3の厚みは、通常1〜10μmである。
【0037】
熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を例示できる。ポリウレタン樹脂は、多価アルコ−ル(ポリオール)と多価イソシアネート(ポリイソシアネート)との反応により得られる樹脂である。
【0038】
多価アルコ−ルとしては、エチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコールと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−もしくは1,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数6〜18のα−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンなどのアルキレンオキサイド(アルキレン基の炭素数2〜18)を付加した、ポリオキシアルキレンポリオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどが用いられる。
【0039】
また、多価イソシアネートとしては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)などの脂環式ポリイソシアネート、などのポリイソシアネートが例示できる。
【0040】
電離放射線硬化性樹脂の組成物としては、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下、本明細書ではアクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する)等の分子中にラジカル重合型不飽和基を持つ化合物、エポキシ化合物等の分子中にカチオン重合型官能基を持つ化合物、あるいは不飽和ポリエステルなどの化合物の単量体(モノマー)、あるいはオリゴマー(またはプレポリマー)などからなる公知のものが適用できる。
これら単量体、オリゴマー(またはプレポリマー)は、1種単独で用いても良いし、あるいは異種の単量体同志、異種のオリゴマー(またはプレポリマー)同志、または単量体とオリゴマー(またはプレポリマー)とを混合して用いても良い。
【0041】
前記(メタ)アクリレートの単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が例示できる。
【0042】
前記(メタ)アクリレートのオリゴマー(またはプレポリマー)としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等が例示できる。
前記エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が例示できる。
【0043】
ここで、上記の単量体、オリゴマー(またはプレポリマー)として通常用いられているものは、未架橋状態では室温(常温)で液状であり、架橋後始めて固体となるものである。しかし、転写シートをインモールド転写する場合には、未架橋段階でも固体状をなし、電離放射線照射で架橋状態の固体になる形態のものを用いることが好ましい。
【0044】
そこで、本発明においては、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の使用形態として、以下の方法を用いることができる。
先ず、前記電離放射線硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解(あるいは分散)して液状とした上で、離型性基材シート2の上に塗工し、その後、溶剤を揮発乾燥させて未架橋のままで非粘着固体化させ、未架橋状態の透明架橋硬化樹脂層を作成する。
なお、その際に必要に応じて、被転写体の表面形状への形状追従性を損なわない範囲内で、電離放射線を適量照射して、不完全(一部分)架橋状態とすることにより、より完全に乾燥させたり、あるいは転写時の熱や応力による透明架橋硬化樹脂層の流動を防止しても良い。
【0045】
次いで、前記転写シートを用いて、転写層を被転写体の表面形状に追従させつつ転写する。この際、前記透明架橋硬化樹脂層は完全には架橋していないため、熱可塑性を維持しており、被転写体の表面形状に追従することができる。その後、再び電離放射線を照射することにより、前記透明架橋硬化樹脂層を完全に架橋、硬化せしめる。
これにより、前記透明架橋硬化樹脂層は十分な耐擦傷性(ハードコート性)を発現することとなる。
【0046】
一方、未架橋段階でも固体状をなす電離放射線硬化性樹脂組成物の例としては、
(1)高分子量化して融点または溶融温度が室温以上(通常80℃以上)とした(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂、あるいは不飽和ポリエステル等のオリゴマー(またはプレポリマー)、
(2)室温で、未架橋状態では液状の(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂、あるいは不飽和ポリエステル等の単量体、またはオリゴマー(乃至はプレポリマー)に、室温で固体のアクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を添加して、室温で非粘着固体化したもの、等が例示できる。
【0047】
更に、以上に列記した各種の電離放射線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、反応性希釈剤、光重合開始剤、光増感剤、充填剤等の添加剤を添加して用いることができる。
反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等がある。
光重合開始剤は、電離放射線として、紫外線、可視光線等の光を用いる場合に添加が必要となるものである。光重合開始剤としては、分子中にラジカル重合型不飽和基を持つ化合物の場合には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類などがあり、分子中にカチオン重合型官能基を持つ化合物の場合には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等がある。
光増感剤としてはn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどがあり、混合して使用することができる。
【0048】
(アンカーコート層)
透明架橋硬化樹脂層3は、他の層との密着性に欠ける場合があるので、図2に示すように、必要に応じて、アンカーコート層9を設ける。該アンカーコート層9によって、この面に形成する印刷絵柄部4、接着プライマ部6および接着剤層5との密着性が向上して、転写後の被転写体から透明架橋硬化樹脂層3が脱落することを防止することができる。
【0049】
アンカーコート層9としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニル、あるいはアクリル酸等との共重合体、エポキシ樹脂等が適用できる。好ましくは、イソシアネート、又はイソシアネートと多価アルコールとからなるポリウレタン樹脂である。
【0050】
これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを透明架橋硬化樹脂層3に公知のコーティング法で塗布し乾燥してアンカーコート層9とする。また、樹脂にモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどと、反応開始剤、硬化剤、架橋剤などを、適宜組み合わせたり、あるいは、主剤と硬化剤とを組み合わせる場合には、塗布し乾燥して、乾燥または乾燥した後のエージング処理によって反応させて、形成しても良い。該プライマ層8の厚さは、0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。
【0051】
(印刷絵柄部)
印刷絵柄部4は、所望の文字、図柄、模様等のパターンが印刷形成されたものである。通常使用されるインキは、アクリル系、ビニル系及びウレタン系等の合成樹脂をビヒクルに必要に応じて顔料、染料、添加材等を添加して着色した着色インキが用いられる。
【0052】
上記ビヒクルとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル酸系モノマーあるいはメタクリル酸系モノマーの単独重合体、またはこれらのアクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマーをコモノマーとする共重合体、ポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレン等のスチレン系樹脂及びスチレン系共重合体、酢酸セルロース、塩化ビニル、酢酸ビニル、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂やアルコール不溶系樹脂が好ましく、これらの中から1種または2種以上を選択して使用することができる。
【0053】
また、インキ層間の強度を向上させるため、2液硬化タイプの樹脂系の使用も可能であり、この場合は硬化剤を必要量添加して使用することもできる。
印刷絵柄部4を形成するための手段としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、静電印刷及びジェットプリント等、公知の印刷法を用いることができる。
【0054】
(接着プライマ部)
接着プライマ部6は、透明架橋硬化樹脂層3表面、あるいはアンカーコート層9表面の所望の位置に、金属光沢部7を配設するために設けられるものであり、透明又は透明着色された樹脂からなる。
【0055】
接着プライマ部6の材料としては、接着性を持てばよく、いわゆる接着剤、粘着剤、ホットメルトと呼ばれるものも含み、特に限定されるものではない。
例えば、アクリル系、エポキシ系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、イソシアネート系、シリコーン系、スチレン−ブタジエン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリエステル系、塩化ゴム系、塩素化ポリプロピレン系、ポリウレタン系などの樹脂を単独で使用、またはこれらの混合物を主成分とするエマルジョン系樹脂や有機溶剤型樹脂、水溶性樹脂などが挙げられる。
【0056】
接着プライマ部6を形成するための手段としては、印刷絵柄部4と同様に、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、静電印刷及びジェットプリント等、公知の印刷法を用いることができる。接着プライマ部6の厚みは通常1〜5μm程度である。
【0057】
(金属光沢部)
金属光沢部7は、透明又は透明着色された樹脂からなる接着プライマ部6の上に、配設され、本発明に係る転写シートの金属光沢模様を発現するものである。
前記金属光沢部7は、後述する別途作成済みの金属薄膜シートから金属薄膜を、熱ロール転写することにより形成される。
【0058】
例えば、図2に示す形態において説明すると、まず、離型性基材シート2の上に、透明架橋硬化樹脂層3を形成することとなる樹脂液(組成物)をスリットコート法等の方法で塗布し、乾燥させて、透明架橋硬化樹脂層4を形成する。
次に、前記透明架橋硬化樹脂層3面へ、アンカーコート層9を形成することとなる樹脂組成物を、グラビア印刷法で塗布し乾燥して、アンカーコート層9を形成する。
次に、前記アンカーコート層9の上に、グラビア印刷法により、印刷絵柄部4、及び接着プライマ部6を所望の位置に設ける。
【0059】
次に、別途作成済みの金属薄膜シートの金属薄膜面を、接着プライマ部6側へ向けて密着させ、熱転写ロールにより、金属薄膜シートの裏面(基材シート側)から熱圧を加えることにより、金属薄膜を接着プライマ部6上へ転写する。
ここで、前記アンカーコート層9および印刷絵柄部4は、金属薄膜に対し接着性を有しないため、接着プライマ部6のみが金属薄膜と良好に接着し、所望の位置に、金属光沢部7が配設され、全体として金属光沢模様を発現する。
【0060】
(金属薄膜シート)
上述した金属薄膜シートについて以下、説明する。
本発明に用いることができる金属薄膜シートの構成は、基材シートに、離型層、剥離保護層、金属薄膜層が順次積層された構成を基本構成とした金属蒸着転写シートであり、金属薄膜層の表面には、必要に応じて、ホログラムや、ヘアーライン等の凹凸模様が施されている。
【0061】
前記基材シートの材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートなど、通常のホログラム転写材の基材シートとして用いるものを使用することができる。
【0062】
前記離型層は、基材シートから金属薄膜層が容易に剥離できるようにするために設けられるものであり、その材質としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。
前記離型層の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法を用いることができる。
【0063】
前記金属薄膜層は、蒸着等により形成された金属等からなる薄膜層であり、層全体の領域のうち、所望の模様に相当する一部の領域の金属薄膜が、所望の模様に合わせて配設された接着プライマ部6に転写されて金属光沢模様を発現するためのものである。
その材料としては、発現すべき金属光沢色に応じて、アルミニウム、スズ、クロム、ニッケル、金、白金、銀、銅、インジウム、チタニウム、亜鉛などの金属やその酸化物、および、これらの合金または化合物を用いることができる。
前記金属薄膜層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などの方法を用いることができる。
【0064】
なお、必要に応じて、金属薄膜層の表面に、ホログラムや、ヘアーライン等の凹凸模様を形成するには、既知の各種方法を用いることができるが、例えば、ロールの表面にホログラム模様等の凹凸の型が形成されたロールを用いて、金属薄膜シートに押圧することにより、ロールの表面の凹凸と雌雄関係となる凹凸を、金属薄膜層に形成する方法を用いることができる。
【0065】
(接着剤層)
本発明において、接着剤層5は、図1に示すように、透明架橋硬化樹脂層3、印刷絵柄層4、および金属光沢部7を被覆するように設けられる。また、図2に示すように、アンカーコート層9を設けた場合には、接着剤層5は、アンカーコート層9、印刷絵柄層4、および金属光沢部7を被覆するように設けられる。
接着剤層5は、転写層8を、被転写体側に貼り付けるために用いられるもので、常温で粘着力を持つものや、加熱などの処理によって粘着又は接着力を発現するものを用いることができる。
【0066】
接着剤層5の材料としては、接着性及び/又は粘着性を持てばよく、いわゆる接着剤、粘着剤、ホットメルトと呼ばれるものも含み、特に限定されるものではない。
例えば、アクリル系、エポキシ系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、イソシアネート系、シリコーン系、スチレン−ブタジエン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリエステル系、塩化ゴム系、塩素化ポリプロピレン系、ポリウレタン系などの樹脂を単独で使用、またはこれらの混合物を主成分とするエマルジョン系樹脂や有機溶剤型樹脂、水溶性樹脂などが挙げられる。
【0067】
接着剤層5の形成方法としては、上記の樹脂を水や有機溶剤で希釈させた塗布用液体を、グラビア印刷、オフセット印刷、若しくはスクリーン印刷などの印刷方法、又は、ロールコート、バーコート、コンマコート、スプレーコート、若しくは押出しコートなどのコート法で塗布し、その後、乾燥又は冷却して形成する方法を用いることができる。
接着剤層5の厚みは、特に制限は無いが、通常1μm〜10μm程度である。
【0068】
(被転写体)
本発明の転写シートに対する被転写体としては、その材質、形状に限定があるものではなく、例えば材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(AB
S樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂等の樹脂類、或いは、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の金属或いは金属化合物類、木質合板、木質単板、中密度繊維板(MDF)等の木材類、ガラス、陶磁器等のセラミック類、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、スラグセメント等のセメント、ケイ酸カルシウム、紙、布帛、不織布等と任意である。
また、形状もシート(フィルム)、平板、曲面板、棒状体、立体物等と任意である。被転写面の凹凸形状等によって、後述する適宜な転写方法を採用して転写することができる。なお、射出成形同時絵付け転写法では、被転写体の形状は転写(樹脂成形)と同時に形
作られるものである。
【実施例】
【0069】
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
(実施例1)
離型性基材シート2の基材層11として、厚さ26μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、前記基材層11上の一方の面へ、EX−114(大日精化工業社製、離型剤/商品名)を、厚さが1.0μm(乾燥後)になるように、グラビアロールコート法で塗布し乾燥して、離型層12を形成した。
【0070】
次に、前記離型層12上へ、転写層8として以下の層を順次積層した。
まず、透明架橋硬化樹脂層3を形成させる樹脂液(組成物)として、EXF(大日精化工業社製、電離放射線硬化性樹脂/商品名)を厚さが5.0μm(硬化後)になるように、スリットコート法で塗布し、高圧水銀灯(ウシオ電機社製、硬化装置/商品名)80W/cmを用いて、走行速度40m/分で紫外線を照射し、透明架橋硬化樹脂層3を形成した。
【0071】
次に、前記透明架橋硬化樹脂層3面へ、TM−AC(大日精化工業社製、2液硬化型プライマ層組成物/商品名)を、厚さが2.5μm(乾燥後)になるように、グラビア印刷法で塗布し乾燥して、アンカーコート層9を形成した。
【0072】
次に、前記アンカーコート層9の表面に、ウレタン系印刷インキVM(大日精化工業社製、2液硬化型印刷インキ/商品名)を用いて、グラビア印刷により印刷絵柄部4を形成し、アクリルポリオール系の主剤と3官能イソシアネートの硬化剤とからなる2液硬化型ウレタン樹脂を用いて、接着プライマ部6を形成した。
【0073】
次に、金属薄膜シートとして後述のホログラム転写シートを用い、熱転写ロールにより金属蒸着膜シートの裏面(基材シート側)から熱圧を加えて、接着プライマ部6上に、ホログラム模様が施された、アルミニウムからなる金属光沢部7を形成した。
【0074】
さらに、TM−HS(大日精化工業社製、接着層組成物/商品名)を、厚さが5.0μm(乾燥後)になるように、グラビア印刷法により塗布して接着剤層6を形成し、本発明に係る金属光沢模様を有する転写シート1を得た。
【0075】
なお、前記ホログラム転写シートは以下のようにして形成したものである。
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材シート上に、グラビアロールコート法でEX−114(大日精化工業社製、離型剤/商品名)を塗布し、乾燥して、厚さ1.0μm(乾燥後)の離型層を形成し、次いで、真空蒸着法により厚さ60nmのアルミニウムの金属薄膜層を形成し、次いで、汎用的なホログラム凹凸用ロールを使用してホログラム模様を形成し、前記ホログラム転写シートを得た。
【符号の説明】
【0076】
1 転写シート
2 離型性基材シート
3 透明架橋硬化樹脂層
4 印刷絵柄層
5 接着剤層
6 接着プライマ部
7 金属光沢部
8 転写層
9 アンカーコート層
10 帯電防止層
11 基材層
12 離型層



【特許請求の範囲】
【請求項1】
離型性基材シートの離型面上に、転写層を有する転写シートにおいて、
前記転写層は、少なくとも、透明架橋硬化樹脂層と接着剤層を積層して成り、
前記透明架橋硬化樹脂層と前記接着剤層の層間には、
接着プライマ部と印刷絵柄部が、部分的に設けられており、
前記接着プライマ部と前記接着剤層の層間には、
金属薄膜が転写形成されてなる金属光沢部を有することを特徴とする、
金属光沢模様を有する転写シート。
【請求項2】
前記金属薄膜が、表面に模様を施された金属薄膜であることを特徴とする、請求項1に記載の金属光沢模様を有する転写シート。
【請求項3】
前記透明架橋硬化樹脂層の接着剤層側の面に、アンカーコート層を有することを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の金属光沢模様を有する転写シート。
【請求項4】
前記離型性基材シートの他方の面に、帯電防止層を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の金属光沢模様を有する転写シート。
【請求項5】
前記離型性基材シートが、基材層と、離型層との積層体から成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属光沢模様を有する転写シート。
【請求項6】
離型性基材シートの面上に、
透明架橋硬化樹脂層、および必要に応じてアンカーコート層を積層し、
前記透明架橋硬化樹脂層、または前記アンカーコート層の面上に、
接着プライマ部と印刷絵柄部とを、部分的に形成し、
その上から、金属薄膜を表面に有する金属薄膜シートを密着させ、
熱転写ロールで熱圧して、
前記金属薄膜を、前記接着プライマ部上に転写することにより、
金属光沢部を部分的に形成することを特徴とする、
金属光沢模様を有する転写シートの製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−234639(P2010−234639A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84807(P2009−84807)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】