説明

金属塑性加工用潤滑剤

【課題】金属塑性加工における脱脂工程を簡略化できる金属塑性加工用潤滑剤を提供すること。
【解決手段】グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%を含む水溶液である金属塑性加工用潤滑剤。更に、トリカルボン酸およびその塩0.1重量%〜0.3重量%を配合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属塑性加工用潤滑剤に関し、より詳しくは水溶性の金属塑性加工用潤滑剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より金属塑性加工用潤滑剤としては、鉱油を基油として動植物油、脂肪酸、合成エステル、硫黄系、塩素系などの極圧剤、固体粉末(黒鉛、二硫化モリブデン、タルク、無機塩、高分子化合物等)を種々組み合わせて、粘度等を調整し、供給されている(例えば、特許文献1参照)。金属塑性加工用潤滑剤は金属塑性加工における剥離剤として用いられる。
【0003】
鉱油を基油とする金属塑性加工用潤滑剤を用いた場合、加工後に脱脂工程が必要であり、例えば、車体用などの大型の加工物の場合、界面活性剤を含ませたスポンジで4、5人がかりで洗浄しているのが現状である。
【0004】
鉱油を基油とする金属塑性加工用潤滑剤を用いた場合、高温での融着(焼き付け)防止のため、固体潤滑剤の添加を要し、コストアップするとともに、加工後の固体潤滑剤の洗浄が必要となる。
【0005】
また、潤滑剤にポリマーが用いられた場合、加工時の温度によりポリマーが炭化するトラブルが発生するおそれがある。また、ポリマーを抱き込んだエマルジョンが水蒸気爆発してブローホールが発生する可能性がある。
【0006】
潤滑剤に加工性向上のため塩素系化合物を添加すると作業環境の悪化や廃液処理費用の増大を招くことになる。
【0007】
さらには、鉱油を基油とする金属塑性加工用潤滑剤を用いた場合、潤滑剤の飛散により床がベトベトになり、掃除に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
[特許文献1] 特開平8−34988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、金属塑性加工における脱脂工程を簡略化できる金属塑性加工用潤滑剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、グリセリン、飽和脂肪酸およびその塩、不飽和脂肪酸およびその塩、飽和ジカルボン酸およびその塩、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール、を含む水溶液である。
【0011】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、さらに、トリカルボン酸およびその塩を含み得る。
【0012】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、さらに、第一リン酸、第二リン酸から選択される少なくとも1つの化合物を含み得る。
【0013】
また、本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%を含む水溶液であり得る。
【0014】
また、本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリカルボン酸およびその塩0.1重量%〜0.3重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%、を含む水溶液であり得る。
【0015】
また、本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリカルボン酸およびその塩0.1重量%〜0.3重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%、第一リン酸0.1重量%〜0.3重量%、第二リン酸0.3重量%〜0.8重量%を含む水溶液であり得る。
【0016】
前記飽和脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸からなる群より選択される少なくとも1つであり得る。
【0017】
前記不飽和脂肪酸は、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。
【0018】
前記飽和ジカルボン酸は、セバシン酸、ドデカン二酸からなる群より選択される少なくとも1つであり得る。
【0019】
前記トリカルボン酸はクエン酸であり得る。
【0020】
前記飽和脂肪酸の塩は脂肪酸のカリウム塩であり得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、金属塑性加工における脱脂工程を簡略化できる金属塑性加工用潤滑剤が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のグリセリン、飽和脂肪酸およびその塩、不飽和脂肪酸およびその塩、飽和ジカルボン酸およびその塩、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール、を含む水溶液は、通常の蒸留水、脱イオン水、水道水、地下水等に、少なくとも、グリセリン、飽和脂肪酸およびその塩、不飽和脂肪酸およびその塩、飽和ジカルボン酸およびその塩、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール、を溶解させた水溶液である。
【0023】
この水溶液は、鍛造、押出、引抜、圧延、プレス等の金属塑性加工用の潤滑剤として好適に用いることができる。
【0024】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は水溶性であるため加工後のワークの洗浄が不要あるいは簡単な水洗いで済み、従来のような手間のかかる脱脂工程を省略することができるので、加工費のコストダウンを計ることができる。
【0025】
また、本発明の金属塑性加工用潤滑剤は塩素、硫黄、ポリマーを含まず、環境にやさしい。また、硫黄、ポリマーを含むものに比べて廃液処理費用が安い。
【0026】
また、本発明の金属塑性加工用潤滑剤においては、400〜800℃で脂肪酸が粘性を持つため、摩擦による融着(焼き付け)が発生する温度域での潤滑が期待できる。
【0027】
さらに、本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、水溶性で乾燥が速く、加工後のワークは洗浄工程なしあるいは簡単な水洗で油性/水性の塗装やメッキ処理が可能である。
【0028】
さらに、本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、加工後のワークが後工程で溶接される場合、スパッター付着防止効果がある。
【0029】
さらに、本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、発煙やベタツキがないうえ、皮膚への刺激が少ない。また、床に飛散したときの掃除が容易である。
【0030】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、用途に応じて水で希釈して使用することができるので経済的である。
【0031】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、さらにトリカルボン酸およびその塩を含有することにより、加工後のワークに汚れがさらに少なくなり、ワークの洗浄が不要あるいはさらに簡単な水洗いで済み、従来のような手間のかかる脱脂工程を大幅に省略することができるので、加工費の大幅なコストダウンを計ることができる。トリカルボン酸およびその塩は水溶液中に0.1重量%〜0.3重量%含まれることが好ましい。
【0032】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、さらに前記水溶液がさらに第一リン酸、第二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有することにより、加工後のワークに汚れが極めて少なくなり、加工後のワークの洗浄が不要あるいは極めて簡単な水洗いで済み、従来のような手間のかかる脱脂工程をさらに大幅に省略することができるので、加工費のさらに大幅なコストダウンを計ることができる。この化合物は水溶液中に0.33重量%〜1重量%含まれることが好ましい。
【0033】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤における、グリセリン、飽和脂肪酸およびその塩、不飽和脂肪酸およびその塩、飽和ジカルボン酸およびその塩、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール、それぞれの含有量は、特に限定されないが、グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%、を含む水溶液であることが好ましい。
【0034】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤が、グリセリン、飽和脂肪酸およびその塩、不飽和脂肪酸およびその塩、飽和ジカルボン酸およびその塩、トリカルボン酸およびその塩、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール、第一リン酸、第二リン酸を含有する場合、それぞれの含有量は、特に限定されないが、グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリカルボン酸およびその塩0.1重量%〜0.3重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%、第一リン酸0.1重量%〜0.3重量%、第二リン酸0.3重量%〜0.8重量%を含む水溶液であることが好ましい。
【0035】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤の調製に用いられる飽和脂肪酸は、特に限定されず、当業者に公知のいずれの飽和脂肪酸でもあり得る。好ましくは、カプロン酸、カプリル酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸からなる群より選択される少なくとも1つである。
【0036】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤の調製に用いられる不飽和脂肪酸は、特に限定されず、当業者に公知のいずれの不飽和脂肪酸でもあり得る。好ましくは、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0037】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤の調製に用いられる飽和ジカルボン酸は、特に限定されず、当業者に公知のいずれの飽和ジカルボン酸でもあり得る。好ましくは、セバシン酸、ドデカン二酸からなる群より選択される少なくとも1つである。
【0038】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤の調製に用いられるトリカルボン酸は特に限定されず、当業者に公知のいずれのトリカルボン酸でもあり得る。好ましくは、クエン酸、イソクエン酸、トリカルバリル酸である。なかでもクエン酸が好ましい。
【0039】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤の調製に用いられる飽和脂肪酸の塩は、特に限定されず、当業者に公知のいずれの脂肪酸金属塩でもあり得る。好ましくは、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウムなどである。とくに好ましくは脂肪酸カリウムである。
【0040】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤に用いる水溶液は、そのまま、従来の金属塑性加工用潤滑剤の代替として様々な用途に用いることができるが、用途に応じて2〜40倍程度に水で希釈して用いることができる。通常のプレス加工に用いる場合は3〜10倍程度に希釈して用いることができる。
【0041】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤に用いる水溶液は、そのまま、従来の金属塑性加工用潤滑剤の代替として様々な用途に用いることができるが、さらに防錆効果を高めるために、pH調整作用を有する水酸化物、あるいはメタ珪酸塩を加えてもよい。この場合に用いられる水酸化物は、特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなど、当業者に公知のいずれの水酸化物でもあり得る。また、メタ珪酸塩も特に限定されないが、メタ珪酸ナトリウムなど、当業者に公知の一般的な塩が用いられる。
【0042】
その他にも、本発明の金属塑性加工用潤滑剤には、さらに安定剤、キレート剤等を適宜加えることができる。キレート剤としては有機系キレート剤が好ましい。なかでも、エチレンジアミン四酢酸系、ジエチレントリアミン五酢酸系、ニトリロ三酢酸系のものが好ましい。
【0043】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、鋳鉄、黄銅、半田、鋼など様々な金属に対して有効に作用し、金属切削の際に用いられる金属切削液に添加されたり、防食塗料として用いられ得る。さらに、自動車のラジエータ、エアコン等の循環水、床暖房等の為の循環液に用いられる他、様々な用途がある。
【0044】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤を用いた実施例を示すが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0045】
次に、本発明に係る金属塑性加工用潤滑剤の製造方法、およびそれを用いた金属塑性加工についての実施例を説明する。
【実施例】
【0046】
[実施例1]
本発明の金属塑性加工用潤滑剤を調製した。蒸留水496ccに、グリセリン40cc、水酸化カリウム47gを蒸留水93ccで希釈したカリ水、カプリル酸120g、ドデカン酸15g、オレイン酸120g、クエン酸2g、トリルトリアゾール(城北化学工業株式会社製)130g、セバシン酸45g、第一リン酸2g、第二リン酸5gを混合して金属塑性加工用潤滑剤を調製した。この潤滑剤のpHは8.5であった。
【0047】
[実施例2]
実施例1で得られた本発明の金属塑性加工用潤滑剤を水道水で3倍に希釈して熱間鍛造プレス機でのプレス加工の潤滑剤(剥離剤)に用い、材料の板厚12mmの普通鋼を900℃に加熱し、200tonプレスにて100mmの絞り加工を施した。従来のグラファイト入りの加工油ではワークに黒鉛が付着してその除去に手間がかかるのに対して、また、従来のポリマー入りの潤滑剤では炭化を生じブローホールが発生するのに対して、実施例2においては後工程での洗浄が不要であった。
【0048】
[実施例3]
実施例1で得られた本発明の金属塑性加工用潤滑剤を水道水で6倍に希釈してロールプレスでの潤滑剤として用い、材料の板厚12mmの普通鋼をL型冷間ロール加工した。従来の加工液では加工液の成分が白く部品に残り、後工程で洗浄が必要であるのに対して、実施例3においてはそのような色残りもなく、後工程の洗浄が不要であった。
【0049】
[実施例4]
実施例1で得られた本発明の金属塑性加工用潤滑剤を水道水で3倍に希釈してドラム管の天板縁立て加工の潤滑剤として用いた。材料の板厚1mmの亜鉛鋼板を天板縁立て加工した。従来の油性の潤滑剤では後工程で洗浄が必要であるのに対して、実施例4においては後工程の洗浄が不要であった。
【0050】
[実施例5]
実施例1で得られた本発明の金属塑性加工用潤滑剤を水道水で5倍に希釈してドラム管の天板縁立て加工の潤滑剤として用いた。材料の板厚1mmの普通鋼を天板縁立て加工した。従来の油性の潤滑剤では後工程で洗浄が必要であるのに対して、実施例5においては後工程の洗浄が不要であった。
【0051】
[実施例6]
実施例1で得られた本発明の金属塑性加工用潤滑剤を水道水で6倍に希釈してスライディングレール用のT字アングルの曲げ加工用に潤滑剤として使用した。従来のエマルジョンタイプの潤滑剤の場合は加工後油性のよごれがワークに残留し、塗装工程に供する前に洗浄が必要であるのに対し、また、従来のポリマータイプの潤滑剤の場合は加工後ポリマーがワークに残留し、塗装工程に供する前に洗浄が必要であるのに対し、実施例6においては後工程の洗浄が不要で加工後そのまま塗装工程に供することができた。
【0052】
[実施例7]
実施例1で得られた本発明の金属塑性加工用潤滑剤を水道水で10倍に希釈して、板厚19mmの普通鋼を直径1200mmのリング状に加工するロール加工用の潤滑剤として用いた。従来の油性の潤滑剤では加工後白色のよごれがワークに残り洗浄が必要であるのに対して、実施例7においては洗浄が不要であった。また、加工後のワークに対する防錆力もあった。
【0053】
[実施例8]
実施例1で得られた本発明の金属塑性加工用潤滑剤を水道水で3倍に希釈して、板厚1.5mmのステンレス板の端部の耳を打ち抜く打ち抜き加工用の潤滑剤として用いた。従来の打ち抜き加工用の油性の潤滑剤が塩素入りで環境負荷が大きく、また、ミスト飛散により床が汚れるのに対して、環境負荷が小さく、また、床汚れも軽くて床掃除の手間が大幅に省けた。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の金属塑性加工用潤滑剤は金属塑性加工用潤滑剤、剥離剤としての用途のみならず、防錆剤、切削加工用潤滑剤としても好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセリン、飽和脂肪酸およびその塩、不飽和脂肪酸およびその塩、飽和ジカルボン酸およびその塩、トリカルボン酸およびその塩、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含む水溶液であることを特徴とする金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項2】
前記水溶液がさらにトリカルボン酸およびその塩を含む請求項1に記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項3】
前記トリカルボン酸がクエン酸であることを特徴とする請求項2に記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項4】
前記水溶液がさらに第一リン酸、第二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む請求項1から3のいずれかに記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項5】
グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%を含む水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項6】
グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリカルボン酸およびその塩0.1重量%〜0.3重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%を含む水溶液であることを特徴とする請求項2または3に記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項7】
グリセリン2重量%〜6重量%、飽和脂肪酸およびその塩10重量%〜18重量%、不飽和脂肪酸およびその塩8重量%〜16重量%、飽和ジカルボン酸およびその塩3重量%〜7重量%、トリカルボン酸およびその塩0.1重量%〜0.3重量%、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール1重量%〜3重量%、第一リン酸0.1重量%〜0.3重量%、第二リン酸0.3重量%〜0.8重量%を含む水溶液であることを特徴とする請求項4に記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項8】
前記飽和脂肪酸が、カプロン酸、カプリル酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項9】
前記不飽和脂肪酸が、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1から8のいずれかに記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項10】
前記飽和ジカルボン酸がセバシン酸、ドデカン二酸からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の金属塑性加工用潤滑剤。
【請求項11】
前記飽和脂肪酸の塩が脂肪酸のカリウム塩であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の金属塑性加工用潤滑剤。

【公開番号】特開2011−6532(P2011−6532A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149488(P2009−149488)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(597150865)
【Fターム(参考)】