説明

金属容器の製造方法

本発明は、金属板から垂直半部材をスタンピングすることによる金属容器の製造方法に関するものである。本発明による製造方法は、具体的には、金属板から少なくとも第1垂直半部材および第2垂直半部材をスタンピングするステップと、少なくとも容器を形成する前記第1垂直半部材および第2垂直半部材を接着するステップと、容器の開口部に表面仕上げを施して、容器を密閉または選択的に再密閉するために用いる封止部材を適用可能とするステップによって、金属容器を製造する方法に関するものである。容器は、一体の製品であり、液体や気体を出し入れするための開口を一方の端部に有し、容器の垂直壁部および底部に沿って、第1容器半部材と第2容器半部材とが接する継ぎ目を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板から垂直半部材をスタンピングすることにより金属容器を製造する方法に関するものであり、特に、金属板から少なくとも第1容器半部材および第2容器半部材をスタンピングするステップと、少なくとも第1容器半部材と第2容器半部材を接着して容器を形成するステップであって、当該容器は液体または気体を出し入れするための開口を一端に有する一体の製品であり、当該製品は容器の2つの垂直壁と、容器の底部とに沿う、第1容器半部材と第2容器半部材とが接する継ぎ目を有する、ステップと、容器の開口に対して表面仕上げを施して、容器を密閉および選択的に再密閉するために用いる封止部材を適用可能とするステップと、を含む方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明がなされる前、現在の成形金属パッケージの製造は、標準的な垂直壁からなる金属缶の製造と比較して、非常に複雑且つ費用がかさむものであった。さらに、絞りしごき(DI)シリンダーを金属パッケージを形成する工程に用いる場合、金属を投入する追加の工程が必要とされる。追加投入された金属は、成形工程中にシリンダが引き伸ばされて、形づくられる際にシリンダ壁が薄くなることを補償するために必要とされる。結果的に、より厚い壁の金属板として追加投入された金属は、よりずっしりとした厚みの金属側壁となる。大きい金属加工品について、引き伸ばし、形づくり、そして切り取ることが必要となる。このことは、絞りしごき工程の望ましくない結果であり、更に、金属パッケージングの費用を増大させ、製造の複雑さ助長してしまう。
【0003】
さらに、成形金属パッケージについて絞りしごき工程を用いるためには、多くの制限がある。そのような制限の1つとして、絞りしごき工程は、成形金属体の周囲について対称
形状の構成しか形成することができないことが挙げられる。他の制限としては、絞りしごき工程に追加されたステップは、頻繁に追加しなければならないということが挙げられる。例えば、金属パッケージを最終形状にするために、ストローク長がさらに長い追加のネック絞り工程がある。くせ付けに関する他の制限としては、加工が成形された金属パッケージの最大伸長によって制限されることであり、アルミニウムに関しては、一般に、しごいた缶の側壁の8〜10%の範囲である。
【0004】
これらの欠点および制限により、成形金属パッケージへの絞りしごき法の使用は実質的に制限される。そして、このような制限は、成形金属パッケージが市場で使用されることを制限し、飲料および食品産業の範囲内では、プレミアムプライスポイント(price point)の飲料や食品、および場所でしか用いられないようにしていた。そして、従来から低コスト且つ高速の成形金属容器製造方法であって、金属使用量が少なく、上述したような制限を克服でき、更には、他の制限をも克服できる方法が必要とされてきた。本願発明はかかる点に鑑みてなされたものである。
【発明の概要】
【0005】
金属板から垂直半部材をスタンピングすることにより金属容器を製造する方法であって金属板から少なくとも第1容器半部材および第2容器半部材をスタンピングするステップと、少なくとも第1容器半部材と第2容器半部材を接着して容器を形成するステップであって、当該容器は液体または気体を出し入れするための開口を一端に有する一体の製品であり、当該製品は容器の2つの垂直壁と、容器の底部とに沿う、第1容器半部材と第2容器半部材とが接する継ぎ目を有する、ステップと、容器の開口に対して表面仕上げを施して、容器を密閉および/または再密閉するために用いる封止部材を適用可能とするステップと、を含む方法を提供することで、従来技術の欠点を克服し、新たな利点を提供する。
【0006】
第1容器半部材と第2容器半部材をポリマーでプレコーティングして、第1容器半部材と第2容器半部材の更なる洗浄を回避するステップと、容器をグラフィックまたは光沢で装飾するステップと、容器の側壁に光沢を施して装飾および金属表面を保護するステップと、容器上のグラフィックまたは光沢を硬化するステップと、検査試験によって容器の欠陥を検出するステップとを提供することで、従来技術の更なる欠点を克服し、新たな利点を提供する。
【0007】
上記に要約した方法に対応するシステムおよびコンピュータプログラム製品についても、本明細書で説明するとともに、請求項に記載する。更なる特徴および利点が本願発明に係る技術を通じて実現される。本発明の他の実施形態および側面を本明細書に詳細に説明し、請求項に記載した発明の一部として捉える。本発明の利点及び特徴に関して更なる理解を促すために、説明および図面を参照する。
【0008】
発明としてみなされる対象は、特に明記され、明細書の最後に、請求項に区別して記載する。上述およびその他の発明の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明される内容から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】金属版から垂直半部材をスタンピングすることにより金属容器を製造する方法の一例を示す図である。
【図2A】ネジ切り表面仕上げの一例を示す図であり、容器に対してアウトサート成型を施して、封止部材を容器に対して固定および取り外しできるようにし、容器開口を効率的に密閉または再密閉することができるようにすることを説明する図である。
【図2B】クラウン状封止部材を受容するための表面仕上げ丸め加工を容器に施して、容器開口を封止可能とする一例を示す図である。
【図3】カップ状の容器の一例を示す図である。
【図4】非対称形状の容器の一例を示す図である。
【図5】缶状の容器の一例を示す図である。
【図6】DI(drawn and ironed)法によって従来の方法で金属缶を製造する方法の一例を示す図である。
【図7】金属板から垂直半部材をスタンピングすることによって金属容器を製造する方法の一例を示す図である。
【図8】金属板から垂直半部材をスタンピングすることによって金属容器を製造する方法の一例を示す図である。
【図9】第1および第2容器半部材を選択的に洗浄する方法の一例を示す図である。
【図10】金属板から垂直半部材をスタンピングすることで金属容器を製造する方法の例示的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい実施形態の例について、図面を参照して、利点および特徴と共に詳細に説明する。
【0011】
図面を詳細に参照すると、図1において、金属板112から垂直半部材102Aおよび102Bをスタンピングすることにより金属容器を製造することの一例が示されている。このような金属板112は、アルミニウム、アルミニウム合金、スチール、スチール合金または他の金属であり得る。例示的実施形態では、金属板112は金属スタンピング装置114Aまたは114Bによって、容器102Aまたは容器102Bの片方を成型することができる。これらの容器半部材102Aおよび102Bは、第1容器半部材102Aおよび第2容器半部材102Bとも称され、相互に結合および接着されて容器108を形成する。容器半部材102Aおよび102Bの接着は、超音波、磁気パルス溶接、レーザー溶接、接着結合、または少なくとも第1容器半部材および第2容器半部材の間における機械的嵌め合い、および/または、特定の実施形態において必要/所望される他の接着方法によって実施される。例示的実施形態では、継ぎ目104は、容器半部材102Aおよび102Bの間の接触線に沿う、容器形状の輪郭に従う。
【0012】
例示的実施形態では、例えば、第1容器半部材102Aは第2容器半部材102Bと共に容器108を形成し、当該容器108は、一体の製品であり、液体や気体を出し入れするための開口116を一方の端部に有し、容器の壁部および底部に沿って、第1容器半部材102Aと第2容器半部材102Bとが接する継ぎ目104を有するが、これに限定されない。図1には、継ぎ目104は容器108の垂直壁部および底部106に沿うものとして示す。このような第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは、特定の実施形態で必要/所望される対称または非対称形状であり得る。
【0013】
従来技術よる缶製造方法に比較した本発明の利点は、製造工程を簡易にし、製造速度をより早くし、製造された成型容器108に含有される金属量を低減し、そして、容器108の成型において、非対称容器形状を製造することを含め、柔軟性および様々なデザインの選択肢を提供することができることである。更に本発明は、特にポリマー被覆金属112を用いた場合に、製造工程における不必要な排気の低減を促進することも可能である。
【0014】
本発明の製造方法の他の利点は、従来のDI法で製造した容器に比較して、側壁領域の金属量を低減することができる、より安価な容器108を製造できることである。これにより、形成された金属容器を更に多くの製品について使用できるようになり、より良好な包装原価売価率(cost price point)で、商品棚、さらに多くの市場、更に多くの商品でのブランドの差別化を促進することができる。このようなことは、全て消費者のためにもなる。さらに、飲料や食品の用途では、本発明による容器は、容器108内に保存された飲料や食品内容物の出し入れに際して、酸素や二酸化炭素からのバリア保護を安価で実現することができる。このことは、比較的小さいサイズの容器108パッケージにおいて非常に望ましい。
【0015】
図2は、ネジ切り表面仕上げの一例を示す図であり、容器108に対してアウトサート110成型を施して、封止部材を容器108に対して固定および取り外しできるようにし、容器108開口116を効率的に密閉または再密閉することができるようにすることを説明する図である。このため、アウトサートを容器108の開口116の周囲に施して、容器108を密閉および/または再密閉するために用いられる封止部材を適用可能とする。例示的実施形態では、アウトサート110はゴム、プラスチック、または、巻きつけることができる材料、滑りの良い材料、あるいは、容器108の開口の外側表面の周囲に配置されうる他の材料によって構成される。このアウトサート110は、図2Aに示すようなネジパターンを有し、ネジ蓋式の封止部材を容器に取り付けられるようにして、容器108を効率的に密閉および/または再密閉することが可能である。
【0016】
例示的な飲料包装用途の実施形態では、例えば、封止部材は容器108開口に固定および取り外しできるようにして、消費者が封止部材を取り外すことで容器を開け、消費者が容器の内容物の一部を消費し、アウトサート110に対して封止部材を固定することで容器を再密閉して、容器108に漏れが生じないようにすることができる。さらに、炭酸飲料の場合には、飲料の炭酸化作用を不必要に損なわないようにすることができる。
【0017】
図2Bは、クラウン状封止部材を受容するための表面仕上げ丸め加工118を容器に施して、容器108開口116を封止可能とする一例を示す図である。開示のために、ネジ蓋式封止部材を受容するためのネジ切り加工済アウトサート110、ネジ切り付き封止部材およびスナップ式封止部材を受容するための挿入部材、缶の上蓋120を受容するためのフランジ付き上部、またはクラウン状封止部材を受容するための丸め加工済上端118を、表面仕上げとして称することもでき、これらを容器108の開口に配置することも可能であることに言及しておく。このように、表面加工によって容器108を密閉し、必要に応じて再密閉することが可能になる。
【0018】
図3は、カップ状の容器108の一例を示す図である。例示的実施形態では、本発明によって第1および第2容器半部材102Aおよび102Bをカップ状容器108にスタンピングすることができる。このため、2つの容器半部材102Aおよび102Bは、容器108の垂直側面および容器108底面106に沿う継ぎ目104によって一体となるように接着され、一体製品であるカップ状容器108を形成することができる。このような第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは、特定の実施形態で必要/所望されうるような対象または非対称であってもよい。例示的実施形態では、継ぎ目104は、容器半部材102Aおよび102Bの間の接触線に沿う、容器形状の輪郭に従う。
【0019】
図4は、非対称形状の容器108の一例を示す図である。例示的実施形態では、本発明は第1容器半部材102Aおよび第2容器半部材102Bをスタンピングすることができる。2つの半部材102Aおよび102Bは、相互に非対称でありうる。このため、2つの容器半部材102Aおよび102Bは、異なる形状を有し、容器108の垂直側面および容器108底面106に沿う継ぎ目104によって一体となるように接着され、一体製品である非対称形状の容器108を形成することができる。例示的実施形態では、継ぎ目104は、容器半部材102Aおよび102Bの間の接触線に沿う、容器形状の輪郭に従う。
【0020】
図5は、缶状の容器108の一例を示す図である。例示的実施形態では、本発明は第1容器半部材102Aおよび第2容器半部材102Bを缶状の容器108にスタンピングすることができる。このため、2つの容器半部材102Aおよび102Bは、容器108の垂直側面および容器108底面106に沿う継ぎ目104によって一体となるように接着され、一体製品である缶状の容器108を形成することができる。このような第1容器半部材102Aおよび第2容器半部材102Bは、特定の実施形態において必要/所望される対称または非対称形状である。例示的実施形態では、缶の上蓋120を封止部材として使用できるようにするフランジを上端の仕上げ加工とすることができる。例示的実施形態では、継ぎ目104は、容器半部材102Aおよび102Bの間の接触線に沿う、容器形状の輪郭に従う。
【0021】
図6は、DI(drawn and ironed)法によって従来の方法で金属缶を製造する方法の一例を示す図である。ウェブサイトWWW.ALUMINUM.ORGにおいて、The ALUMINUM ASSOCIATION, INCによって産業的に認知されているDI法を用いた従来手法による金属缶製造方法が詳細に説明されている。従来技術と本発明とを比較および対比するために、図6に従来技術による缶の製造用法を要約し、図7〜図10Fに本発明に従って金属缶を製造する例示的実施形態を例示する。従来技術による方法は、ブロック1002におけるコイル状の金属板から開始し、コイル状の金属板は、浅いカップを打ち抜くプレス機に供給される。従来技術による方法はブロック1004に続く。
【0022】
ブロック1004では、カップはしごきプレス機に供給され、連続したリングによりカップを絞りしごき加工する。このため、フルレングス缶を得るためには側壁厚さが薄くなり、内部圧力に耐えるために必要な強度を得るために底部がドーム状となっている。従来技術による方法はブロック1006に続く。ブロック1006では、内側から切削工具で粗い缶の成形物(シェル)をトリミングしながら、缶を回転させる。従来技術による方法はブロック1008に続く。
【0023】
ブロック1008では、装飾および内面コーティングのために缶を洗浄および前処理する。このため、缶を水ですすいで予備洗浄し、市販のクリーナーで洗浄し、冷水ですすぎ、調整し、冷水ですすぎ、脱イオン水ですすぎ、そして乾燥させる。従来技術による方法はブロック1010に続く。
【0024】
ブロック1010では、缶に印刷および光沢(ニス)を施す。この際、缶に印刷を施し、ニスの上に透明保護層を塗布する。従来技術による方法はブロック1012に続く。ブロック1012では、光沢コーティングを缶の底部に施す。従来技術による方法はブロック1014に続く。ブロック1014では、缶をオーブンで加熱して印刷を乾燥させる。従来技術による方法は、ブロック1016に続く。ブロック1016では、缶の内面にコーティングを噴霧する。従来技術による方法はブロック1018に続く。ブロック1018では、缶を再度オーブンで加熱して缶の内面のコーティングを乾燥させる。従来技術による方法は、ブロック1020に続く。ブロック1020では、缶の首部を絞ってフランジを形成して端末キャップを受容するようにする。従来技術による方法は、ブロック1022に続く。ブロック1022では、缶に穴がないかテストする。従来技術による方法はブロック1024に続く。ブロック1024では、複数の缶をパレットに載せ、顧客に出荷する。そして、従来技術による方法は終了する。
【0025】
図6に示す従来技術に比較して、金属板から垂直半部材をスタンピングすることにより金属容器を製造する方法の例を図7〜図10Fを参照して説明する。例示的実施形態では、金属容器半部材102Aおよび102Bを金属性の板112からスタンピングすることができる。このステップは、従来の缶製造方法における、カップ状にするステップや、絞りしごき加工するステップを省略することを可能にする。
【0026】
スタンピングすると、本願発明によるスタンピングされた金属容器半部材102Aおよび102Bは、特定の実施形態で必要/所望されるように選択的に洗浄される。幾つかの実施形態では、スタンピングされた金属半部材に対してポリマーコーティングが予め施され、洗浄ステップは不要でありうる。例示的実施形態では、このようなポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)または他のタイプ又は種類のポリマーであり得る。対称的に、従来技術による缶製造方法では、多くの洗浄ステップが必要とされ、これらのステップには、水洗い、市販のクリーナーによる洗浄、冷水洗い、調整、再度の冷水洗い、脱イオン水洗い、および乾燥ステップが含まれる。
【0027】
本発明では、スタンピングされた金属容器半部材102Aおよび102Bを配置し、必要に応じて接着のために固定する。続いて、金属容器半部材102Aおよび102Bを接着して、容器108を形成する。容器108は、一体の製品であり、液体や気体を出し入れするための開口116を上端に有する。好ましくは、容器上端の開口は、瓶詰め飲料産業にて使用されるために、10ミリメーター〜80ミリメーターの範囲の大きさであるが、特定の実施形態で必要/所望されるような、上記範囲より小さいまたは大きいサイズの開口も可能である。好ましい実施形態では、そのような容器108は、周囲圧力、または、容器が封止部材で密閉されている場合において一般的には100ポンド(psi)未満の範囲の炭酸化圧力未満である、その他の内部容器圧力において飲料を保持するように適合されている。
【0028】
接着ステップにおいて、図1〜図5に示したような、2つのスタンピング金属容器半部材102Aおよび102B垂直壁と、容器106の底部とに沿う継ぎ目104を、2つのスタンピング金属容器半部材が接する位置で形成する。これは、このような接着ステップを実施しない従来技術による缶製造方法とは異なる。このような、本発明におけるスタンピング金属容器半部材同士を接着させるステップは超音波、磁気パルス溶接、レーザー溶接、接着結合、スタンピング容器半部材間の機械的嵌め合い、および/または、特定の実施形態において必要/所望される他の接着方法によって実施される。
【0029】
例示的実施形態では、例えば、形成された本発明による金属容器108は、グラフィックで装飾され、光沢を施されて、消費者に魅力的な容器108パッケージとなる。形成された金属容器108に対してテストを実施し、使用に適しているか、さらには、定量的基準、定性的基準、および性能判定基準が満たされているかを確認する。
【0030】
例示的実施形態では、例えば、本発明による金属容器108は、表面仕上げを施されうる。表面仕上げは、ネジ蓋式の封止部材受容するためのネジ切りアウトサート110、ネジ切り付き封止部材およびスナップ式封止部材を受容するための挿入部材、缶の上蓋120を受容するためのフランジ付き上部、またはクラウン状封止部材を受容するための丸め加工済上端118でありうる。表面仕上げは、容器108の開口116の付近に位置するのが一般的である。これにより、表面仕上げによって容器を密閉および必要に応じて再密閉する機能が付与される。
【0031】
例示的実施形態において、このようなアウトサート110は、図2Aに示すように、ゴム、プラスチック、または、開口116の容器108首部付近に巻きつけることができる組成物、プレスすることができる組成物、またはそうではなく、開口116の容器108首部付近に配置されることができる他の組成物によって構成されうる。このようなアウトサート110又は挿入部材は、容器108の開口116においてネジ切りされた封止部材を固定および取り外しできるようにするための接触面となるネジ山を備えうる。或いは、クラウン状の封止部材を丸め加工済上端118と共に容器108に使用して、開口116で容器を密閉することもできる。図7において、方法はブロック2002より開始する。
【0032】
ブロック2002では、金属板112から第1容器半部材102Aおよび第2容器半部材102Bをスタンピングする。第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは、図1に対象容器を構成する容器半部材102Aおよび102Bとして示すように同一形状であり得、あるいは、容器半部材102Aおよび102Bは、図4に非対称容器を構成する容器半部材102Aおよび102Bとして示すように異なる形状であり得る。容器半部材102Aおよび102Bは、図3に示すような上部においてより広い開口を有するカップ状容器108としてスタンピングされることもあり得、あるいは、図5に示すような缶状容器としてスタンピングされることもあり得る。
【0033】
容器半部材102Aおよび102Bをスタンピング装置114Aおよび114Bによってスタンピングする利点は、従来技術による缶製造法の絞りしごき法と比較すると、幾つかのステップを省略できることである。本発明による方法で省略されたステップは、カッピングのステップと絞りしごき(DI)工程のステップである。このことは、本発明において容器半部材102Aおよび102Bをより高速かつ少ない欠陥で形成することを可能にする。これは、従来技術による缶製造方法では、多くの絞りしごき成形ステップを必要としていたことに比較して、本発明では、スタンピングという1つの成形動作によって金属が加工されるからである。
【0034】
本発明の他の利点は、取り扱いおよび加工が容易である、比較的薄い金属板112から製造を開始することができることを含む。このため、本発明は、容器108の最終的な壁厚の金属板112から容器半部材102Aおよび102Bをスタンピングする。対照的に、従来技術による缶製造方法では、比較的厚い金属板を使用し、カッピングおよび絞りしごきステップを実施して厚い金属板を引き伸ばして薄くして、最終的な缶に成形する。缶を成形するために非常に強い力を金属に作用させて引き伸ばして缶に成形するため、欠陥のある缶を生じる確率が比較的高い。
【0035】
本発明の他の利点は、スタンピング容器半部材102Aおよび102Bは、別途のトリミングステップを必要としないことである。対照的に、従来技術による缶製造方法では、カッピングおよび絞りしごきステップの後に缶の端部は不均一であり、開口端部を均一とするためにトリミングステップを必要とする。このことは、余分なステップを行うことにより製造速度を遅らせ、金属の余分な部分を廃棄物として切り取ることにつながる。本発明による方法は、ブロック2004へ続く。
【0036】
ブロック2004では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは、相互に接着されて容器108を形成する。例示的実施形態では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは共に、液体や気体を出し入れするための開口116を一端に有する、一体の製品容器108を構成し、容器108の2つの垂直壁であり、第1容器半部材102Aと第2容器半部材102Bが接する継ぎ目104を有する。この際、容器半部材102Aおよび102Bは相互に接着され、継ぎ目104は容器の垂直側面および底面を横断し、容器108の上端は開口状態とする。図1〜図5は、容器半部材102Aおよび102Bの接着態様と、結果として生じた継ぎ目104を示す。例示的実施形態では、継ぎ目104は、容器半部材102Aおよび102Bの間の接触線に沿う容器形状の輪郭に従う。容器半部材の接着は、超音波、磁気パルス溶接、レーザー溶接、接着結合、少なくとも第1容器半部材と第2容器半部材間の機械的嵌め合い、および/または、特定の実施形態において必要/所望される他の接着方法によって実施される。本発明による方法はブロック2006へと続く。
【0037】
ブロック2006では、表面仕上げを容器108の開口116に施し、容器108を密閉および/または再密閉するための封止部材を適用可能とする。表面仕上げは、ネジ蓋式封止部材を受容するためのネジ切り加工済アウトサート110、ネジ切り付き封止部材およびスナップ式封止部材を受容するための挿入部材、缶の上蓋120を受容するためのフランジ付き上部、またはクラウン状封止部材を受容するための丸め加工済上端118を、表面仕上げとして称することもできる。表面仕上げは容器108の開口116付近に配置されるのが一般的である。これにより、表面仕上げは容器108を密閉し、必要に応じて再密閉することを可能にする。
【0038】
例示的実施形態では、アウトサート110は、ゴム、プラスチック、または、巻きつけることができ、滑りの良い、あるいはその逆で、容器108の開口116の外側表面の周囲に配置されうる他の材料によって構成される。このようなアウトサート110は、図2Aに示すようなネジパターンを有し、容器を効率的に密閉することができるネジ蓋式の封止部材を容器108に取り付けられるようにする、ネジ切り表面仕上げとも称される。このような例示的実施形態では、飲料包装用途において、例えば、封止部材は容器108開口116に対して固定および取り外しできるようにして、消費者が封止部材を取り外すことで容器108を開け、容器108の内容物の一部を消費し、アウトサート110に対して封止部材を固定することで容器108を再密閉して、容器108に漏れが生じないようにすることができる。さらに、炭酸飲料の場合には、飲料の炭酸化作用を不必要に損なわないようにすることができる。そして、本発明による方法は終了する。
【0039】
図8は、金属板112より垂直半部材102Aおよび102Bをスタンピングすることで金属容器108を製造する方法の一例を示す。例示的実施形態では、図7に示す方法を更に詳しく述べると、図8は、容器半部材102Aおよび102Bを配置し、装飾し、最終的な容器108の欠陥を探し出すことを含む方法の例示的実施形態の一例を示す。本実施形態による方法はブロック3002より開始する。
【0040】
ブロック3002では、少なくとも第1容器半部材102Aおよび第2容器半部材102Bを金属板112からスタンピングする。第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは、容器半部材102Aおよび102Bが対象形状の容器を構成する図1および図5に示すように同一形状であり得、あるいは、容器半部材102Aおよび102Bは、容器半部材102Aおよび102Bが非対称容器を構成する図4に示すように異なる形状であり得る。容器半部材102Aおよび102Bは、容器半部材102Aおよび102Bが上部においてより広い開口を有する図3に示すようなカップ状容器108を構成するようにスタンピングされることもあり得る。本発明による方法はブロック3004に続く。
【0041】
ブロック3004では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bが選択的に洗浄される。例示的実施形態では、スタンピングされた第1および第2容器半部材102Aおよび102Bはポリマーコーティングされ、必ずしも洗浄しなくても良い。このため、出発金属は、表面にポリエチレンテレフタレート(PET)を有するような、ポリマーでラミネート加工されたものでありうる。このような場合、金属を洗浄するステップは必須ではない。他の実施形態では、スタンピングされた第1および第2容器半部材102Aおよび102Bから汚染物およびゴミを取り除くために、洗浄ステップが必要/所望されうる。図9に示す方法は、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bを選択的に洗浄する方法の一例を示す。本発明による方法はブロック3006に続く。
【0042】
ブロック3006では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bが必要に応じて、および/または特定の実施形態で必要とされるように、2つの容器半部材102Aおよび102Bを共に接着するために近接して位置合わせされて固定される。
【0043】
ブロック3008では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bが相互に接着され、容器108を形成する。例示的実施形態では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは、共に、液体や気体を出し入れするための開口116を一方の端部に有し、容器108の垂直壁部および底部に沿って、第1容器半部材102Aと第2容器半部材102Bとが接する継ぎ目104を有する一体の製品容器108を生成する。この際、容器半部材102Aおよび102Bは相互に接着され、継ぎ目104は容器の垂直側面および底面を横断し、容器108の上端は開口116状態とする。図1〜4は、容器半部材102Aおよび102Bの接着態様と、結果として生じた継ぎ目104を示す。本発明による方法は、ブロック3010に続く。例示的実施形態では、継ぎ目104は、容器半部材102Aおよび102Bの間の接触線に沿う容器形状の輪郭に従う。
【0044】
ブロック3010では、容器をグラフィック、シュリンクスリーブ、ニス、および/または、その他の装飾で装飾する。例示的実施形態では、少なくとも1つのローラー、シュリンクスリーブ、インクジェット、他のプリントヘッド、および/または他の印刷転写法であって、容器108表面に複数の色を塗布することができる方法によってグラフィックを施す。ニスは、容器108の側壁および底表面に塗布して、装飾および金属表面を保護する。
【0045】
装飾および金属表面を保護するために容器108の外側表面に塗布されたニスに加えて、容器108の内側にコーティングを施し、容器108の金属表面と容器内の内容物との間にバリアを形成する。飲料および食品に関連する用途では、このコーティングによって金属が飲料または食品と接触することを回避することができる。本発明による方法は、ブロック3012へ続く。
【0046】
ブロック3012では、様々なコーティング、装飾、シュリンクスリーブ、および/またはニスを硬化させて固めるか、あるいは乾燥させることができる。そのような硬化は、特定の実施形態で必要/所望されるようにして、乾燥機(heat oven)、空気流、またはその他の硬化技術によって実施することができる。本発明による方法は、ブロック3014へ続く。
【0047】
ブロック3014では、容器108表面および継ぎ目104を検査試験によって検査することができる。例示的実施形態では、例えば、検査試験は容器108および継ぎ目104に小さい穴が開いていないか検出するための光試験として実施されうる。他の例示的実施形態では、他の容器試験は、特定の実施形態で必要/所望されるように、圧力試験でありうる。本発明による方法は、ブロック3016へと続く。
【0048】
ブロック3016では、容器108の開口116の周囲に選択的に表面仕上げを施して、容器108を密閉および/又は再密閉するための封止部材を適用可能とする。表面仕上げは、ネジ蓋式の封止部材受容するためのネジ切りアウトサート110、ネジ切り付き封止部材およびスナップ式封止部材を受容するための挿入部材、缶の上蓋120を受容するためのフランジ付き上部、またはクラウン状封止部材を受容するための丸め加工済上端118でありうる。表面仕上げは、容器108の開口116の付近に位置するのが一般的である。これにより、表面仕上げによって容器を密閉および必要に応じて再密閉する機能が付与される。
【0049】
例示的実施形態では、アウトサート110は、ゴム、プラスチック、または、開口116の容器108首部付近に巻きつけることができる素材、滑らせることができる素材、またはそうではなく、容器108の開口116周囲に配置させることができる他の素材によって構成されうる。このアウトサート110は、図2Aに示すようなネジパターンを有する。アウトサート110として称されるネジ切り表面加工は、嵌合ネジ式の蓋状封止部材を容器に取り付けられるようにして、容器108を効率的に密閉することが可能である。このような例示的実施形態では、例えば、飲料包装用途では封止部材は容器108開口106に固定および取り外しできるようにして、消費者が封止部材を取り外すことで容器を開け、消費者が容器の内容物の一部を飲用し、アウトサート110に対して封止部材を固定することで容器を再密閉して、容器108に漏れが生じないようにすることができる。さらに、炭酸飲料の場合には、飲料の炭酸化作用を不必要に損なわないようにすることができる。そして、本発明による方法は完了する。
【0050】
図9は、金属容器半部材102Aおよび102Bを選択的に洗浄する方法の一例を示す。例示的実施形態では、図8のブロック3004に示す選択的洗浄ステップを、図9に示す方法を通じて更に詳細に説明する。この際、金属容器半部材102Aおよび102Bに対して、洗浄が必要ないような方法でポリマーが適用されたか否かに関して判定される。洗浄が必要な場合、容器半部材102Aおよび102Bを洗浄するようにステップを実施し、あるいは方法を完了する。本発明による方法は、ブロック3004より開始する。
【0051】
図8のブロック3004において、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bの選択的な洗浄を完了する。例示的実施形態では、スタンピングされた第1および第2容器半部材102Aおよび102Bはポリマーコーティング済みであり、洗浄は必ずしも必要でない。このため、出発金属は、表面にポリエチレンテレフタレート(PET)を有するような、ポリマーでラミネート加工されたものでありうる。このような種類の実施形態では、金属を洗浄するステップは必須ではない。図9に示す方法の残りのステップは、選択的洗浄方法の一例を更に詳細に説明するものである。本発明による方法は、判断ブロック4002へ続く。
【0052】
判断ブロック4002では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bがポリマーコーティングを有するか否かが判断される。判断結果が肯定的であり、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bがポリマーコーティングされていて洗浄が不要である場合には、本発明による方法は終了する。結果が否定的であり、第1および第2容器半部材がポリマーコーティングされておらず、洗浄が必要である場合には、本発明による方法は、ブロック4004へと続く。
【0053】
ブロック4004では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは、必要に応じて、水、市販のクリーナー、調整剤、および/または、特定の実施形態で必要/所望されうる他の洗浄方法を組み合わせて、予備洗浄および洗浄される。本発明による方法は、ブロック4006へと続く。
【0054】
ブロック4006では、第1および第2容器半部材を、冷水すすぎ、脱イオン水すすぎ、および特定の実施形態で必要/所望される他のすすぎ方法を組み合わせて必要に応じてすすぐ。本発明による方法は、ブロック4008へと続く。
【0055】
ブロック4008では、第1および第2容器半部材を、特定の実施形態で必要/所望されるようにして、必要に応じて乾燥させる。本発明による方法は終了する。
【0056】
図10A〜図10Fは、金属板112から垂直半部材102Aおよび102Bをスタンピングすることで金属容器を製造する方法の例示的実施形態の例を示す図である。図6〜図8の方法の例示的実施形態は、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bをコーティングし、容器108の内側をコーティングし、容器半部材102Aおよび102Bを固定して接着し、容器108に対してグラフィックを施し、容器108の側壁に光沢処理を施し、および/または、容器108を検査することを含む。図9A〜9Fは、これらの、本発明の様々な実施形態の例を示す図である。
【0057】
図10Aの、例示的実施形態におけるブロック5002では、例えば、第1および第2容器半部材はポリマーコーティングされる。このようなコーティングは、プレス114Aおよび114Bによるスタンピングに先立って、特定の実施形態で必要/所望されるようにして、金属板112に対して施される。例示的実施形態では、このようなポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0058】
図10Bの、例示的実施形態におけるブロック5004では、例えば、容器の内側はコーティングされ、容器108の金属表面と容器108内の内容物との間にバリアが形成される。このため、飲料および食品用途においてこのようなコーティングを利用して、飲料および食品内容物が容器108の金属表面と接触しないようにすることができる。
【0059】
図10Cの、例示的実施形態におけるブロック5006では、例えば、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは接着のために固定されうる。この際、容器半部材102Aおよび102Bは、必要に応じて軽く固定され、超音波、磁気パルス溶接、レーザー溶接、接着結合、または少なくとも第1容器半部材および第2容器半部材の間における機械的嵌め合い、および/または、特定の実施形態において必要/所望される他の接着方法によって実施される。例示的実施形態では、第1および第2容器半部材102Aおよび102Bは、軽い、一時的な方法で連結されて、固着のために適切な装置へど移動される。
【0060】
図10Dの、例示的実施形態におけるブロック5008では、例えば、容器表面に複数の色を塗布することができる、少なくとも1つのローラー又はプリントヘッドによって、容器に対してグラフィックを施す。この際、ローラー、シュリンクスリーブ、インクジェット、他のプリントヘッド、および/または、特定の実施形態において必要/所望される他の転写方法によって、消費者にとって魅力的な装飾や情報、および/または、他の証印が容器108表面に施される。
【0061】
図10Eの、例示的実施形態におけるブロック5010では、例えば、光沢処理(ニス)を容器108の側壁に施して、装飾や容器108の金属表面を保護することができる。これにより、ニスによって、製造時、輸送時および消費者による使用時における、引っかき傷や擦り傷から、容器108の装飾を保護することができる。
【0062】
図10Fの、例示的実施形態におけるブロック5012では、例えば、容器108の検査を、小さい穴が開いていないか検出するための光試験として実施することができる。この際、容器108表面および継ぎ目104は、密閉された容器108から液体および/又は気体が漏れ出さないように試験される。他の例示的実施形態では、他の容器試験は、特定の実施形態で必要/所望されるように、圧力試験でありうる。
【0063】
本発明の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は幾つかのこれらの組み合わせにおいて実施されうる。
【0064】
1つの例として、本発明の1または複数の態様は、例えば、コンピュータで使用可能な媒体を有する製品(例えば、1又は複数のコンピュータープログラム製品)に包含されうる。このような媒体は、本発明の機能を提供および促進することができるコンピュータ可読プログラムコード手段を含んで具現化するものである。このような製品はコンピュータシステムに包含される一部であるか、あるいは、このようなシステムとは独立するものである。
【0065】
さらに、少なくとも1つの、マシン可読のプログラム記憶装置であり、少なくとも1つの、本発明の機能を実現するためのマシンで実行可能な指示のプログラムを実際に実装する記憶装置を提供することができる。
【0066】
本明細書において記載したフローチャートは例示に過ぎない。本発明の精神から乖離することなく、種々の変形をフローチャートまたはステップ(操作)に対して加えることができる。例えば、ステップは異なる順番で実施することも、ステップを追加、削除、変更することも可能である。これらの変更態様は、全て本願の特許請求の範囲に記載した発明に含まれる。
【0067】
本発明の好ましい実施形態について記載してきたが、当業者には、現在および今後、添付の請求項に記載の範囲内における種々の改良や改変を加えることが可能であることは自明である。請求項は、最初に記載された発明について適切な保護を維持するように解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板から垂直半部材をスタンピングすることにより金属容器を製造する方法であって、
金属板から少なくとも第1容器半部材および第2容器半部材をスタンピングするステップと、
少なくとも前記第1容器半部材と前記第2容器半部材を接着して容器を形成するステップであって、前記容器は液体または気体を出し入れするための開口を一端に有する一体の製品であり、該製品は前記容器の2つの垂直壁と、前記容器の底部とに沿う、第1容器半部材と第2容器半部材とが接する継ぎ目を有する、ステップと、
前記容器の前記開口に対して表面仕上げを施して、前記容器を密閉および選択的に再密閉するために用いる封止部材を適用可能とするステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記表面仕上げは、ネジ蓋式封止部材を受容するためのネジ切り加工済アウトサート、ネジ切り付き封止部材およびスナップ式封止部材を受容するための挿入部材、缶の上蓋を受容するためのフランジ付き上部、またはクラウン状封止部材を受容するための丸め加工済上端からなるリストから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1容器半部材および前記第2容器半部材は、非対称形状である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属板は、アルミニウム、アルミニウム合金、スチール、またはスチール合金であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記接着するステップは、超音波、磁気パルス溶接、レーザー溶接、接着結合、または前記第1容器半部材および前記第2容器半部材間の機械的嵌め合いによる接着を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記容器の内側にコーティングを施し、前記容器の金属表面と前記容器内の内容物との間にバリアを形成するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液体または気体は炭酸飲料であり、
前記容器は、100psi未満の内部圧力を有する前記炭酸飲料を、漏れ、変形、破裂することなく収容することができる、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記容器をグラフィック、光沢、またはシュリンクスリーブで装飾するステップを更に含み、
前記グラフィックは、複数の色を前記容器表面に塗布することができる少なくとも1つのローラーまたはインクジェットによって施されることを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
検査試験によって前記容器の欠陥を検出するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
金属板から垂直半部材をスタンピングすることにより金属容器を製造する方法であって、
金属板から少なくとも第1容器半部材および第2容器半部材をスタンピングするステップと、
少なくとも前記第1容器半部材と前記第2容器半部材を接着して容器を形成するステップであって、前記容器は液体または気体を出し入れするための開口を一端に有する一体の製品であり、該製品は前記容器の2つの垂直壁に沿う、第1容器半部材と第2容器半部材とが接する継ぎ目を有する、ステップと、
前記容器の前記開口に対して表面仕上げを施して、前記容器を密閉および/または再密閉するために用いる封止部材を適用可能とするステップと、
前記容器をグラフィックまたは光沢で装飾するステップと、
前記容器の側壁に光沢を施して装飾および金属表面を保護するステップと、
前記容器上の前記グラフィックまたは光沢を硬化するステップと、
検査試験によって前記容器の欠陥を検出するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記第1容器半部材と前記第2容器半部材をポリマーでプレコーティングするステップを更に含み、
前記ポリマーはポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも、前記第1容器半部材と前記第2容器半部材を選択的に洗浄するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記洗浄するステップは、更に
前記第1容器半部材および前記第2容器半部材を市販のクリーナーで洗浄するステップと、
少なくとも前記第1容器半部材および前記第2容器半部材をすすぐステップと、
少なくとも前記第1容器半部材および前記第2容器半部材を乾燥させるステップと、
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1容器半部材と前記第2容器半部材とを接着するために、前記第1容器半部材を前記第2容器半部材に対して固定するステップを更に含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
金属板から垂直半部材をスタンピングすることにより金属容器を製造する方法であって、
第1容器半部材と第2容器半部材の更なる洗浄を回避するために、前記第1容器半部材と前記第2容器半部材をポリマーでプレコーティングするステップと、
金属板から少なくとも第1容器半部材および第2容器半部材をスタンピングするステップと、
少なくとも前記第1容器半部材と前記第2容器半部材を接着して容器を形成するステップであって、前記容器は液体または気体を出し入れするための開口を一端に有する一体の製品であり、該製品は前記容器の2つの垂直壁に沿う、第1容器半部材と第2容器半部材とが接する継ぎ目を有する、ステップと、
前記容器の前記開口に対して表面仕上げを施して、前記容器を密閉または再密閉するために用いる封止部材を適用可能とするステップと、
を含む方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−522648(P2012−522648A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504681(P2012−504681)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/027410
【国際公開番号】WO2010/117564
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(391026058)ザ コカ・コーラ カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
【Fターム(参考)】