説明

金属接触部の封水装置および封水方法

【課題】金属部材の接触部における隙間腐食の進行を抑制することができ、かつ腐食部の削正量が限界に達した場合であっても、金属部材をそっくり交換する必要のない金属接触部の封水装置および封水方法を提供する。
【解決手段】金属部材11と金属部材12の接触部の隙間に水溶液13が存在する機器類において、接触部の一方の金属部材11に、この金属部材11よりも高い耐食性を有する第一のライナ14を取付け、接触部の他方の金属部材12に、この金属部材12よりも高い耐食性を有し第一のライナ14と接触する第二のライナ16を取付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属部材の接触部の隙間に水溶液が存在する機器類における金属接触部の封水装置および封水方法に関し、特に接触部の隙間腐食を抑制することが可能な金属接触部の封水装置および封水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水溶液中において異なる種類の金属を接触した状態で固定すると、金属間に電位差が生じ接触面で腐食が進行する。また、同じ種類の金属であっても水溶液の酸素濃度の違いによる(酸素濃淡電池)や、水溶液の異物等による通気差腐食(隙間腐食)が生じる。水力発電に使用される水車等の構成部品に上記の腐食が発生した場合は、腐食部を機械加工等により削正修理し、削正修理した部品を再利用している。
【0003】
図5は、従来の機器類における金属接触部の封水装置の一例を示している。図5において、符号1は一方の金属部材を示しており、符号2は他方の金属部材を示している。金属部材1の端面1aと金属部材2の端面2aは接触しており、接触部位にはシール部材3が設けられている。金属部材1と金属部材2との内側には水溶液4が満たされており、端面1aと端面2aとの間の隙間には水溶液4が存在している。端面1aと端面2aとの接触部が隙間腐食により腐食が進行した場合には、端面1aと端面2aが機械加工等により削正され、金属部材1と金属部材2は再利用される。
【0004】
水溶液による金属部材の腐食を抑制する技術の一例として、例えば特許文献1が知られている。特許文献1は、管路に設けられる弁の耐食構造に関するものであり、弁箱の内周面に耐食性金属材からなるライナをプラグ溶接により固定している。
【特許文献1】実開平6−16791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、封水効果を維持するため金属接触部における腐食部の削正量には限界があり、腐食部の削正量が限界を超える場合は、腐食部以外の箇所に異常がなくとも金属部材をそっくり交換せざるを得ないという問題がある。特に水力発電用の水車等においては、交換対象となる金属部材が大型になるので、一部の隙間腐食のために金属部材をそっくり交換することは、非常に多額の費用を必要とする。
【0006】
そこでこの発明は、金属部材の接触部における隙間腐食の進行を抑制することができ、かつ腐食部の削正量が限界に達した場合であっても、金属部材をそっくり交換する必要のない金属接触部の封水装置および封水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、金属部材の接触部の隙間に水溶液が存在する機器類において、前記接触部の一方の金属部材に、該金属部材よりも高い耐食性を有する第一のライナを取付け、前記接触部の他方の金属部材に、該金属部材よりも高い耐食性を有し前記第一のライナと接触する第二のライナを取付けたこと特徴とする金属接触部の封水装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、金属部材の接触部の隙間に水溶液が存在する機器類において、前記接触部における一方の金属部材と他方の前記金属部材に、前記金属部材よりも高い耐食性を有するライナをそれぞれ取付け、各ライナ同士を接触させることを特徴とする金属接触部の封水方法である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の金属接触部の封水装置おいて、前記第一のライナと第二のライナは、締結手段により前記各金属部材に取外し可能に固定されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の金属接触部の封水装置において、前記第一のライナと前記第二のライナは金属材料から構成されており、前記第一のライナと前記金属部材との隙間および第二のライナと前記金属部材との隙間は、溶接によりシールされていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、金属部材よりも高い耐食性を有する第一のライナと第二のライナを接触させているので、金属部材同士が接触する場合よりも隙間腐食の進行を抑制することができる。また、ライナの隙間腐食が進行しライナの削正量に限界が生じた際は、ライナのみ交換すればよく、金属部材をそっくり交換する場合に比べて費用の低減が図れる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、締結手段によってライナを取外し可能に金属部材に固定することができるので、金属部材に対するライナの取付けまたは取外しが容易となり、ライナ取付面のグラインダ処理等も不要となる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、ライナと金属部材との隙間は溶接によりシールされているので、この隙間への水溶液の浸入を回避することができ、ライナと金属部材間の隙間腐食を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態を示している。図1において、符号11は第一の金属部材を示しており、符号12は第二の金属部材を示している。第一の金属部材11および第二の金属部材12は同一種類の材料から構成されており、例えば炭素鋼鋳鋼品(SC)から構成されている。第一の金属部材11の外面11aは、水平方向に延びる平坦面に形成されている。第二の金属部材12の外面12aは、同様に水平方向に延びる平坦面に形成されており、第一の金属部材11の外面11aと同一の高さとなっている。第一の金属部材11と第二の金属部材12の内側には、内面11bと内面12bによって空間部が形成されており、この空間部には水溶液としての水13が満たされている。第一の金属部材11の端部と第二の金属部材12の端部は対向しており、第一の金属部材11の端面11cと第二の金属部材12の端面12cは共に段差状に形成されている。
【0016】
第一の金属部材11の端面11cには、第一のライナ14が取付けられている。第一のライナ14は、金属部材11よりも高い耐食性を有しており、隙間腐食に強い例えばステンレス鋼(SUS304、SUS316等)から構成されている。第一のライナ14は、断面形状が略L字状に形成されている。第一のライナ14は、外面14aが金属部材11の外面11aと同一の高さに形成されており、内面14bも金属部材11の内面11bと同一の高さに形成されている。断面形状がL字状である第一のライナ14の一方の辺には、金属部材12の端面12cと対向する端面14cが形成されている。端面14cは、高精度に研磨加工された垂直面に形成されている。第一のライナ14の他方の辺は、第一の金属部材11の外面11a側に位置している。第一のライナ14は、第一の金属部材11に螺合される締結手段としてのボルト15により第一の金属部材11の端部に固定されている。第一のライナ14には、ボルト15が挿入されるボルト穴14dが形成されている。
【0017】
第二の金属部材12の端面12cには、第二のライナ16が取付けられている。第二のライナ16は、第一のライナ14と同一の金属材料から構成されている。第二のライナ16は、断面形状が略L字状に形成されている。第二のライナ16は、外面16aが第二の金属部材12の外面12aと同一の高さに形成されており、内面16bも第二の金属部材12の内面12bと同一の高さに形成されている。断面形状がL字状である第二のライナ16の一方の辺には、第一の金属部材11の端面11cと対向する端面16cが形成されている。端面16cは、高精度に研磨加工された垂直面に形成されている。第二のライナ16の他方の辺は、第二の金属部材12の外面12a側に位置している。第二のライナ16は、金属部材12に螺合されるボルト15により金属部材12の端部に固定されている。第二のライナ16には、ボルト15が挿入されるボルト穴16dが形成されている。
【0018】
図1に示すように、第一のライナ14の端面14cと第二のライナ16の端面16cとは、全面にわたり接触している。端面14cと端面16cとの接触部には、水溶液13が外部に漏れるのを防ぐシール部材17が介装されている。第一のライナ14の端面14cと第二のライナ16の端面16cとの接触部には微小な隙間が形成されており、この隙間には水溶液13が存在している。
【0019】
本実施の態様では、第一のライナ14の端面14cと第二のライナ16の端面16cを静合(隙間なく嵌合)させるために、各金属部材11、12および各ライナ14、16は、これを考慮した形状および寸法精度に設定されている。つまり、本実施例の態様では、端面14cと端面16cとの間の隙間をゼロに近い状態にするため、第一の金属部材11の段差部分とこの段差部分に接触する第一のライナ14の背面とは高精度に加工されており、第二の金属部材12の段差部分とこの段差部分に接触する第二のライナ16の背面とは高精度に加工されている。このように、端面14cおよび端面16cを高精度に加工するだけでなく、ライナ14、16が取付けられる部位の寸法精度を高めることにより、端面14cと端面16cとの静合を実現させている。
【0020】
つぎに、本実施の形態における金属接触部の封水方法について説明する。金属部材11と金属部材12の内側に満たされている水溶液13は、毛細管現象により端面14cと端面16cとの間に形成された微小隙間に浸入する。そのため、第一のライナ14と第二のライナ16との接触部には水溶液13との反応により隙間腐食が生じ、機器類の長時間の使用により端面14cと端面16cには腐食部が生成される。第一のライナ14と第二のライナ16は、金属部材11、12よりも高い耐食性を有しているので、金属部材11、12同士が接触する場合よりも隙間腐食の進行を抑制することができる。したがって、第一のライナ14と第二のライナ16を用いることにより、従来に比べて隙間腐食による機器類の補修回数を低減することができる。
【0021】
第一のライナ14および第二のライナ16の隙間腐食が進行した場合は、第一のライナ14は金属部材11から取外され、第二のライナ16も金属部材12から取外される。隙間腐食が生じた第一のライナ14の端面14cおよび第二のライナ16の端面16cは、機械加工等により削正され腐食部が除去される。削正された第一のライナ14と第二のライナ16は、再利用のため再び金属部材11、12へ取付けられる。この場合、削正量だけ接触部位の隙間が拡大することになるが、第一のライナ14ボルト穴14dは長穴に形成されているので、第一のライナ14を第二のライナ16に向けて移動させることが可能となる。これにより、ライナを削正した場合でも第一のライナ14の端面14cと第二のライナ16の端面16cを密着させることが可能となり、高い封水効果を維持することができる。また、第一のライナ14および第二のライナ16の削正量に限界が生じた際は、第一のライナ14と第二のライナ16のみ交換すればよいので、金属部材11、12をそっくり交換する場合に比べて費用の低減が図れる。
【0022】
また、第一のライナ14と第二のライナ16は、L字状であり、露出面側から押し込むことで金属部材11、12に装着することができ、締結手段としてのボルト15を露出面側から締め付けることで金属部材11、12に固定することができる。一方、露出面側からボルト15を外し、露出面側から引き抜くことでライナ14、16を取り外すことができる。このように露出面側からライナ14、16の取り付け、取り外しを行えるため、金属部材11、12で構成された機器類を分解などする必要がなく、容易かつ迅速に取り付け、取り外しを行える。さらに、ライナ14、16の端面14c、16c側から皿ビスで固定して廻り止め溶接を行う場合には、端面14c、16cをグラインダなどで加工する必要があるが、本実施の形態では露出面側から締結するため、このような加工が不要となる。なお、第一の金属部材11および第二の金属部材12の補修を機器類の製造工場で行うことで、工場での加工によりライナの取付けを行うことができ、水溶液13側における金属部材11、12とライナ14、16との接触面については、後述するように溶接等により隙間部分をなくすことが可能となる。
【0023】
(実施の態様2)
図2は、本発明の実施の態様を示している。本実施の態様が実施の態様1と異なるのは溶接部の有無のみであり、その他の構成は実施の態様1に準ずるので、準ずる部分に実施の態様1と同一の符号を付すことにより、準ずる部分の説明を省略する。後述する他の実施の態様も同様とする。
【0024】
図2において、第一のライナ14と第二のライナ16は、端面14cと端面16cが密着した状態で取付けられている。第一のライナ14の内面14bと金属部材11の内面11bとの間の隙間S1は、溶接部18によりシールされている。溶接部18は、例えば金属部材11と第一のライナ14とをアーク溶接することにより形成されている。第二のライナ16の内面16bと金属部材12の内面12bとの間の隙間S2は、溶接部19によりシールされている。溶接部19は、例えば金属部材12と第二のライナ16とをアーク溶接することにより形成されている。
【0025】
このように構成された実施の態様2においては、隙間S1および隙間S2は溶接部18、19よってシールされるので、隙間S1、S2に水溶液13が浸入することが回避され、隙間S1、S2における隙間腐食の発生が防止される。したがって、実施の態様1よりも隙間腐食による機器類の補修回数を低減することができる。
【0026】
(実施の態様3)
図3は、本発明の実施の態様を示している。本実施の態様では、第一の金属部材11および第二の金属部材12の材質のみが実施の態様1と異なっている。図3に示すように、第一のライナ24と第二のライナ26は、第一の金属部材11および第二の金属部材12よりも高い耐食性を有し絶縁体からなる硬質ゴムから構成されている。第一の金属部材11の端部には、第一のライナ24が取付けられている。
【0027】
第一のライナ24は、外面24aが第一の金属部材11の外面11aと同一の高さに形成されており、内面24bも第一の金属部材11の内面11bと同一の高さに形成されている。断面形状がL字状である第一のライナ24の一方の辺には、第二の金属部材12の端部と対向する端面24cが形成されている。端面24cは、垂直面に形成されている。第一のライナ24の他方の辺は、第一の金属部材11の外面11a側に位置しており、第一の金属部材11に螺合されたボルト15によって固定されている。第一のライナ24には、ボルト15が挿入されるボルト穴24dが形成されている。
【0028】
第二の金属部材12の端部には、第二のライナ26が取付けられている。第二のライナ26は、断面形状が略L字状に形成されている。第二のライナ26は、外面26aが金属部材12の外面12aと同一の高さに形成されており、内面26bも第二の金属部材12の内面12bと同一の高さに形成されている。断面形状がL字状である第二のライナ26の一方の辺には、第一の金属部材11の端部と対向する端面26cが形成されている。端面26cは、垂直面に形成されている。第二のライナ26の他方の辺は、第二の金属部材12の外面12a側に位置しており、第二の金属部材12に螺合されたボルト15によって固定されている。第二のライナ26には、ボルト15が挿入されるボルト穴26dが形成されている。
【0029】
図3に示すように、第一のライナ24の端面24cと第二のライナ26の端面26cとは、全面にわたり接触している。端面24cと端面26cとの接触部には、シール部材17が介装されている。また、第一のライナ24の背面は金属部材11の端部に接触しており、第二のライナ26の背面は金属部材12の端部に接触している。第一のライナ24の端面24cと第二のライナ26の端面26cとの接触部には微小な隙間が形成されており、この隙間には水溶液13が存在している。第一のライナ24と第二のライナ26は、後述するように、弾性を有し圧縮された状態で固定されることから、第一のライナ24および第二のライナ26の寸法は、圧縮幅を考慮して設定されている。
【0030】
このように構成された本実施の態様においては、第一のライナ24と第二のライナ26は、硬質ゴムから構成されるので、端面24cと端面26cとの間の隙間をほぼゼロとすることができる。すなわち、第一のライナ24と第二のライナ26は弾性変形可能であるので、第一のライナ24を第二のライナ26を互いに押付けた状態で固定することにより、端面24cと端面26cは残留応力により密着状態を維持することができる。また、この残留応力により、第一のライナ24の背面は第一の金属部材11と密着した状態を保つことができ、第二のライナ26の背面も第二の金属部材12と密着状態を保つことができる。したがって、第一のライナ24および第二のライナ26に過大な荷重が作用しない機器類の場合は、本実施の態様の構成を採用することで金属接触部の封水効果を著しく高めることができる。
【0031】
(実施の態様4)
図4は、本発明の実施の態様を示しており、特に水力発電用の水車に適用した場合を示している。図4において、符号30はフランシス水車を示しており、フランシス水車30のランナ31の中は水溶液としての高圧水(図示略)が充満している。ランナ31の近傍には、フランシス水車30を構成する部品としての第一の構成部材33および第二の構成部材34が設けられている。ランナ31は、ボルト32を介して第一の構成部材33に取付けられている。第一の構成部材33に隣接する部位には、第一の金属部材35が設けられている。第二の構成部材34には、第二の金属部材36が取付けられている。第一の金属部材35と第二の金属部材36は、同一の金属材料から構成されている。
【0032】
第一の金属部材35におけるランナ31に近い一方の端部には、断面形状L字状の第一のライナ37がボルト39により固定されている。第二の金属部材36におけるランナ31に近い一方の端部には、断面形状L字状の第二のライナ38がボルト39により固定されている。第一の金属部材35の一方の端部と第二の金属部材36の一方の端部は、第一のライナ37および第二のライナ38を介して接続されている。第一のライナ37の一辺および第二のライナ38の一辺とは、十分な面積をもって接触している。第一のライナ37と第二のライナ38は、同一の金属材料から構成されており、第一の金属部材35および第二の金属部材36よりも高い耐食性を有している。
【0033】
第一の金属部材35の他方の端部には、断面形状L字状の第一のライナ40がボルト42により固定されている。第二の金属部材36の他方の端部には、断面形状L字状の第二のライナ42がボルト42により固定されている。第一の金属部材35の他方の端部と第二の金属部材36の他方の端部は、第一のライナ40および第二のライナ41を介して接続されている。第一のライナ40の一辺および第二のライナ41の一辺とは、十分な面積をもって接触している。第一のライナ40と第二のライナ41は、同一の金属材料から構成されており、金属部材35および金属部材36よりも高い耐食性を有している。
【0034】
このように構成された本実施の態様においては、フランシス水車30のランナ31から流入した高圧水が第一の金属部材35と第二の金属部材36の接触部の隙間に浸入し、接触部において隙間腐食が生じる。第一の金属部材35の一方の端部と第二の金属部材36の一方の端部は、高い耐食性を有する第一のライナ37および第二のライナ38を介して接触しているので、隙間腐食の進行が抑制される。同様に、第一の金属部材35の他方の端部と第二の金属部材36の他方の端部も、高い耐食性を有する第一のライナ40および第二のライナ41を介して接触しているので、隙間腐食の進行が抑制される。このように、フランシス水車30は水力発電に用いられる大型機器であり、高い耐食性を有するライナを採用することにより大型の金属部材35、36の補修回数を減らすことができ、補修費用の大幅な削減が図れる。
【0035】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は本実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の態様4においては水力発電用のフランシス水車30に適用した例を示したが、適用範囲は水車に限定されず、配管部品等の封水効果を必要とする機器類であれば適用可能である。また、実施の態様3に示すように、第一のライナ24および第二のライナ26は、非金属材料であってもよい。さらに、金属部材11と金属部材12の接触部の隙間に存在する水溶液13は水としているが、他の物質が溶解している水溶液であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1に係わる金属接触部の封水装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係わる金属接触部の封水装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係わる金属接触部の封水装置の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係わる金属接触部の封水装置の断面図である。
【図5】従来の金属接触部の封水装置の断面図である。
【符号の説明】
【0037】
11 金属部材
12 金属部材
13 水(水溶液)
14 第一のライナ
14d ボルト穴
16 第二のライナ
16d ボルト穴
24 第一のライナ
24d ボルト穴
26 第二のライナ
26d ボルト穴
30 フランシス水車
31 ランナ
35 金属部材
36 金属部材
37 第一のライナ
38 第二のライナ
40 第一のライナ
41 第二のライナ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部材の接触部の隙間に水溶液が存在する機器類において、前記接触部の一方の金属部材に、該金属部材よりも高い耐食性を有する第一のライナを取付け、前記接触部の他方の金属部材に、該金属部材よりも高い耐食性を有し前記第一のライナと接触する第二のライナを取付けたこと特徴とする金属接触部の封水装置。
【請求項2】
金属部材の接触部の隙間に水溶液が存在する機器類において、前記接触部における一方の金属部材と他方の前記金属部材に、前記金属部材よりも高い耐食性を有するライナをそれぞれ取付け、各ライナ同士を接触させることを特徴とする金属接触部の封水方法。
【請求項3】
前記第一のライナと第二のライナは、締結手段により前記各金属部材に取外し可能に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の金属接触部の封水装置。
【請求項4】
前記第一のライナと前記第二のライナは金属材料から構成されており、前記第一のライナと前記金属部材との隙間および第二のライナと前記金属部材との隙間は、溶接によりシールされていることを特徴とする請求項1に記載の金属接触部の封水装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate