説明

金属材の表面改質方法および高硬度表面層を有する金属材

【課題】表層に強ひずみ加工などによって形成された高硬度の超微細結晶粒層を有し、さらに、その内層に十分な層厚で母材に比べて高い硬度の高硬度層を有する金属材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】表層の少なくとも一部に超微細結晶粒層を有する金属材に、急速短時間加熱による焼入れを施し、前記超微細結晶粒層を残存させて焼入れ組織を形成する。超微細結晶粒層は、加工工具を用いた摩擦加工などにより形成することができ、100nm〜1μmのサブミクロン結晶粒、100nm未満のナノ結晶粒が存在する超微細結晶粒層が形成される。急速短時間加熱による焼入れは、好適には加熱時間0.3秒〜1秒、加熱温度750℃〜950℃の条件とした高周波焼入れにより行なうことができる。極表層は高周波焼入れしたものと同等、あるいは、それ以上に高強度化・高硬度化され、素地も焼入れされて高い硬度を有し、疲労特性などが向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼材料などの金属材の表面改質技術に係わり、摩擦加工などによる結晶粒微細化と高周波加熱による焼入れを組み合わせることで、疲労特性および耐摩耗性などに優れた表面改質部材を製造する方法および金属材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超微細結晶粒層は、大きさが1μm以下の超微細結晶粒を主にして構成されるものであり、該超微細結晶粒としては、大きさが100nm〜1μmのサブミクロン結晶粒と、大きさが100nm以下のナノ結晶粒とが挙げられる。超微細結晶粒は、母材の硬さに比べて高い硬度をもち、また、高い圧縮残留応力をもつなど、機械部品に適した優れた特性を有している。特に、ナノ結晶粒は、母材の硬さに比べて極めて高い硬度をもち、高温でも粒成長し難く、また、高い圧縮残留応力をもつなど、機械部品に適した優れた特性を有している。
【0003】
そこで、超微細結晶粒層を金属材料の表層部に生成する技術が種々提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の第3実施の形態における超微細結晶層生成方法は、硬度が比較的低い材料からなる被加工物Wの加工面表層部に超微細結晶層C1を安定して生成するための方法である。具体的には、被加工物Wに対して、加工条件を満たしつつ、押し付け工具P(加工工具)による外周加工面21のスライディング加工(機械加工)を行なうことにより(図5(a)参照)、その外周加工面21の表層部(加工面の表層部)に超微細結晶層C1を生成する(図5(b)参照)。(段落0103)
【0004】
また、ミクロ組織を微細化する方法として高周波焼入れの方法が提案されている(特許文献2参照)。従来の高周波焼入れ法では、短時間の加熱とそれに引き続く焼入れ処理のため、通常の炭素鋼の場合、炭化物が充分に素地に炭素として溶け込まない。溶け込みを促進するために、投入電力を高めたり、長時間加熱すると、高周波パターンが崩れたり、結晶粒が粗くなり、疲労特性が向上しにくいことを、該特許文献2では課題としている。特許文献2では、この課題を解決する方法として高周波焼入れ工程の前に、所定の温度で高周波加熱と冷却を行なう工程を行なうものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】再公表特許2005−070614号公報
【特許文献2】特開2009−35822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2に示される方法によっても、得られる結晶粒は数μm程度の粒径であり、上記した超微細結晶粒層を得ることは困難である。
一方、特許文献1に示される方法では、加工面表層部に超微細結晶層を形成することが可能になる。従来は、この際に超微細結晶粒層を十分に残すためワークの温度上昇を抑えるために様々な工夫を要している。また、加工時に材料の昇温と冷却に伴って超微細結晶粒層より内層に軟化した焼戻し組織が形成され、硬度が低下してしまう。たとえば、軸受け部材などでは高硬度層を100μm程度の厚さで有していることが必要であるが、上記加工により形成される超微細結晶層は厚さが薄く、さらに焼戻し組織が形成されることもあって、高硬度層の層厚が不足して、疲労特性などが低いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、超微細結晶粒組織を有するとともに、十分な層厚の高硬度層を有する金属材の表面改質方法および疲労特性および摩耗特性などに優れる高硬度表面層を有する金属材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の金属材の表面改質方法のうち、第1の本発明は、表層の少なくとも一部に超微細結晶粒層を有する金属材に、急速短時間加熱による焼入れを施し、前記超微細結晶粒層を残存させて焼入れ組織を形成することを特徴とする。
【0009】
本発明の表面改質方法によれば、超微細結晶粒層を有する金属材に急速短時間加熱をすることで、超微細結晶粒層の熱的安定性を利用して該超微細結晶粒層を残存させたままで内層に焼入れ組織を形成することができ、十分な層厚の高硬度層を有する金属材を得ることができる。これにより焼戻し効果によって形成される軟化部および高硬度層の不十分な層厚の問題が解消される。なお、焼入れ組織を含めた高硬度層の層厚は、金属材の用途によっても望ましい厚さが異なるが、軸受け部品などにも適用可能とするために、該層厚が100μm以上であるのが望ましい。この際の高硬度層としては、例えば、S45Cにおいては、ビッカース硬度として750から800HV以上であるものを例示することができる。
金属材の種別としては鋼が一般的であるが、熱誘起相変態をする材料であれば、急速短時間加熱により十分な層厚の高硬度層を得ることができる。
【0010】
上記超微細結晶粒層は、1μm以下の大きさの超微細結晶粒を主体とするものであればよく、実質的には全てが該超微細結晶粒で構成されているのが望ましい。
超微細結晶粒は、100nm〜1μmの大きさのサブミクロン結晶粒からなるものであってもよく、また、これに100nm未満の大きさのナノ結晶粒を含むものであってもよい。熱的安定性という点でナノ結晶粒を含むのが望ましい。サブミクロン結晶粒とナノ結晶粒とは、通常は二層状態で存在するが、本発明としては、それぞれの分布状態が限定されるものではない。なお、上記結晶粒の大きさは、粒径として上記範囲を満たすものが望ましいが、結晶粒の少なくとも一方向の大きさが上記範囲を満たすものであればよい。
上記超微細結晶粒層は、上記焼入れ後に残存していることが必要であり、残存時の厚さが5μm厚以上であるのが望ましい。これにより超微細結晶粒における特性が十分に発揮される。
【0011】
なお、急速短時間加熱による焼入れは、高周波焼入れにより行なうのが望ましい。
高周波誘導加熱によって金属材を焼入れする場合、誘導コイルと被加熱物に流れる電流は、周波数が高くなるに従い、それぞれの表面に集中する。この現象を表皮効果という。誘導コイルと被加熱物に流れる電流は、向きが互いに反対方向であり、周波数が高くなると、この表皮効果によって、反対方向の電流がますます接近して流れるので電気抵抗が少なくなる。被加熱物の表面のみが発熱するのはそのためである。電流の流れる表面の深さ(d)と周波数(f)との間には、次のような関係式がある。
d=5.03×103√(ρ/(μ・f))
ただし、d:透過深さ(cm)、ρ:固有抵抗(μΩ・cm)、f:周波数(Hz/sec)、μ:透磁率
したがって、周波数の設定によって金属材の加熱深さを調整することも可能になる。
高周波加熱、特に急速短時間加熱の利点としては、1)局所焼入れが可能で、硬化層深さの選定も比較的容易である、2)急加熱、急冷却のため表面に大きな圧縮残留応力が生じ、耐摩耗性や耐疲労性などが向上することがあげられる。
【0012】
高周波焼入れなどによる上記急速短時間加熱の条件は、本発明としては特定の条件に限定されるものではないが、装置等の追随性を考慮すると加熱時間は0.1秒以上必要であり、急速短時間加熱としては1秒以下であることが必要である。またそのときの加熱温度は共析温度以上(Ac1変態点以上)に設定するのが望ましい。加熱時間0.1秒以上1秒以下、加熱温度Ac1変態点以上とすることで、十分な焼入れ効果を得ることができる。Ac1変態点は材料の種別によって異なるため、具体的な数値として規定できないが、例えば750℃程度の温度が例示される。一方、加熱時間1秒超、加熱温度1050℃超では、表層部の超微細結晶粒層の消失傾向がみられるため、加熱時間1秒以下、加熱温度1050℃以下が望ましく、さらに加熱温度を950℃以下とするのが一層望ましい。
【0013】
また、上記超微細結晶粒層は、加工工具を用いた強ひずみ加工により形成することができる。該強ひずみ加工としては種々の方法があり、圧延、切削、穴開け加工などが挙げられる。本発明としては、これら加工方法の種別が特に限定されるものではないが、超硬工具などを金属材に押し当てて、回転などによって相対的な移動を行なう摩擦加工が望ましい。摩擦加工は、切削加工と同等の加工プロセスであり、生産プロセスに組み込みやすく、簡単な装置構成で実行することができるという特徴がある。したがって、摩擦加工により形成した表層超微細結晶粒層は、様々な製品に応用することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本願発明の表面改質方法は、表層の少なくとも一部に超微細結晶粒層を有する金属材に、急速短時間加熱による焼入れを施し、前記超微細結晶粒層を残存させて焼入れ組織を形成するので、極表層に超微細結晶粒を残しつつ、焼入れすることが可能となり、極表層は高周波焼入れしたものと同等、あるいは、それ以上に高強度化され、また、素地も焼入れされて高い硬度を有するため、疲労特性などが向上し、種々の製品に好適に利用できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態において、金属材に超微細結晶粒層を形成する摩擦加工を示す図である。
【図2】本発明の実施例において、摩擦加工によって超微細結晶粒層が形成された金属材の表層組織の観察面を示す概略図および該表層組織を示す図面代用写真である。
【図3】同じく、金属材の表層における硬度分布を示す図である。
【図4】同じく、高周波焼入れのためのヒートパターンを示す図である。
【図5】同じく、摩擦加工まま、または高周波焼入れ後の金属材の表層組織を示す図面代用写真である。
【図6】同じく、摩擦加工まま、または高周波焼入れ後の金属材の表層組織を示すSEM(走査型電子顕微鏡)による低倍率の図面代用写真である。
【図7】同じく、摩擦加工まま、または高周波焼入れ後の金属材の表層組織を示すSEMによる高倍率の図面代用写真である。
【図8】同じく、摩擦加工まま、または950℃で高周波焼入れ後の金属材の表層(0〜0.5mm、0〜2.0mm)の測定面を示す概略図および該測定面での硬度分布を示す図である。
【図9】同じく、摩擦加工まま、または高周波焼入れ後の金属材の表面(10μm深さ)の測定面を示す概略図および該測定面での硬度を示す図である。
【図10】同じく、摩擦加工まま、または高周波焼入れ後の金属材の残留応力を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、円柱状の金属材1に対する摩擦加工工具2を示す斜視図である。
金属材1は、S45C調質鋼などからなり、図示しない駆動装置により軸回転可能になっている。摩擦加工工具2は、その先端に三角板形状の超硬チップ3が一辺側を先端面にして取り付けられており、該超硬チップ3の先端面が金属材1に対する押し当て面となっている。摩擦加工に際しては、上記超硬チップ3を押し当てた状態で金属材1を所定時間、高速で回転させることで摩擦加工が行なわれる。
なお、本発明としては、超微細結晶粒層の形成方法は特に限定されるものではなく、加工工具の種別、加工方法も特に限定されるものではない。
【0017】
上記摩擦加工によって金属材1の表層に、好適には5μm以上の層厚の超微細結晶粒層が形成される。
本願発明では、超微細結晶粒層を有する金属材1に対し、高周波誘導加熱による急速短時間加熱を行なう。該加熱は、好適には、加熱時間0.1秒以上1秒以下、加熱温度750〜950℃の条件により行なう。ただし、本願発明としては、加熱時間、加熱温度がこの条件に限定されるものではない。高周波誘導加熱による表皮効果によって金属材の表層部に焼入れ組織を形成することができ、上記摩擦加工によって生じた軟化部を解消することができる。また、焼入れ前に存在していた超微細結晶粒層は、焼入れによって消滅することなく残存し、高硬度の特性を維持する。この結果、層厚の厚い高硬度の表層部が得られる。
高周波焼入れに用いる誘導加熱装置は、本発明としては特に限定をされるものではなく、適宜の装置を用いることができる。また、誘導加熱に用いる電流の周波数は、表皮効果を得たい深さや、金属材の材質に基づく抵抗値などによっても異なるが、例えば、3〜400kHzを例示することができる。急速短時間加熱後は、常法と同様に、水冷などによって冷却することで超微細結晶粒層の内層に焼入れ組織が得られる。
【実施例1】
【0018】
以下に、本発明の実施例を説明する。
上記実施形態で用いた摩擦加工工具を用いて、S45C調質鋼からなり、径26mm、長さ130mmの丸棒形状の金属材を用意した。
該金属材に対し、回転数1600rpm、押当荷重1500N、送り0.03mm/rev、冷却なしの条件で摩擦加工を行なった。試験時間は概ね40秒であった。
【0019】
上記摩擦加工によって金属材表層に超微細結晶粒層が形成された。この金属材の表層組織を図2(a)に示す観察面において観察した顕微鏡写真を図2(b)に示した。
該図から明らかなように、金属材の表層には、白層(超微細結晶粒層)が形成されており、該白層は、表面側のナノ結晶粒層とその内側のサブミクロン結晶粒層の二層からなる。該白層の層厚は、30μm程であり、その内側に軟化部、すなわち加工発熱により軟化した素地が存在している。
【0020】
図3は、摩擦加工後における金属材の表面から深さ方向での硬度分布を示すものである。白層は極表層で、730HVを越えるビッカース硬さを示しているものの、その内層側では、急速に硬度が低下した軟化部となっている。なお、白層の硬さは、硬度測定が容易なサブミクロン結晶粒層でのみ評価しており、硬度自体は、金属材の材料、組織によって異なるものである。
【0021】
また、摩擦加工後の金属材の表層部では、図10に示すように、残留引張応力がかかっている。引張りの残留応力が残っている部分では、疲労の影響で割れが生じることがある。したがって、金属材の表層部は残留圧縮応力のかかった状態がよいことになる。
【0022】
上記超微細結晶粒層を有する金属材に対し、高周波誘導加熱による焼入れを行なった。該高周波焼入れでは、図4に示すように、0.3秒で各目標温度(750℃、800℃、850℃、900℃、950℃)に達するように加熱を行ない、その後、水冷をした。
図5〜図7に、摩擦加工ままの金属材と、摩擦加工後、上記高周波焼入れを行なった金属材の光学顕微鏡写真を示す。観察面は、図2(a)に示すものと同様の箇所である。図6は、図5の一部金属材についての低倍率のSEM写真を示す図であり、図7は、さらに高倍率のSEM写真を示すものである。いずれの金属材においても、図7に示すように、表層に超微細結晶粒層が観察できる。したがって、高周波焼入れ後にも、表層には十分な厚さ(5μm以上)の超微細結晶粒層が残存していることが明らかになっている。なお、高周波焼入れの温度の相違によって、焼入れ層の層厚が異なっており、850℃以上の焼入れ温度で、素地表層側がフルマルテンサイト化され、750℃、800℃の焼入れ温度では、850℃以上に比べてマルテンサイト化が不十分であった。
【0023】
次に、上記各金属材のうち、摩擦加工ままと高周波焼入れ950℃の金属材について、図8(a)に示す測定面で、0〜0.5mm、0〜2.0mmの深さに至る硬度分布を観察した。その結果を図8(b)(c)に示す。図に明らかなように、摩擦加工ままの金属材に対し、950℃で高周波焼入れを行なった金属材では、超微細結晶粒層の内層でも高い硬度が得られている。また、急速短時間加熱を行なっても、極表層部分には、焼入れ硬さと同等あるいは、それ以上の硬さとなっており、超微細結晶粒層の高硬度の特性が維持されている。
また、上記各金属材について、図9(a)に示すように、表面から10μm深さまで研削し、10μm深さ位置での硬度を測定し、その結果を図9(b)に示した。図に示すように、焼入れ温度に拘わらず、高周波焼入れを行ったものでは、素地において高い硬度が得られており、焼入れが効果的になされている。
【0024】
次に、摩擦加工ままの金属材と、高周波焼入れを行なった金属材の表面酸化膜を除去した後、PROTO社製の残留応力測定装置を使用し、ビーム径1mm、6点を測定し、円周方向の残留応力を測定した。その結果を図10に示す。既に述べたように、摩擦加工ままの金属材では、表層部に残留引張応力がかかっている。一方、高周波焼入れを行なった本発明の金属材では、摩擦加工をした状態では引張の残留応力であるが、高周波焼入れすることで圧縮の残留応力となることが分かった。これにより、疲労特性も改善される。
【符号の説明】
【0025】
1 金属材
2 摩擦加工工具
3 超硬チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表層の少なくとも一部に超微細結晶粒層を有する金属材に、急速短時間加熱による焼入れを施し、前記超微細結晶粒層を残存させて焼入れ組織を形成することを特徴とする金属材の表面改質方法。
【請求項2】
前記金属材が熱誘起相変態をする材料であることを特徴とする請求項1記載の金属材の表面改質方法。
【請求項3】
前記超微細結晶粒層が、1μm以下の大きさの超微細結晶粒を主にして構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属材の表面改質方法。
【請求項4】
前記超微細結晶粒が、サブミクロン結晶粒とナノ結晶粒とからなることを特徴とする請求項3記載の金属材の表面改質方法。
【請求項5】
前記サブミクロン結晶粒が100nm〜1μmの大きさを有し、前記ナノ結晶粒が100nm未満の大きさを有することを特徴とする請求項4記載の金属材の表面改質方法。
【請求項6】
前記急速短時間加熱の条件が、
加熱時間 0.1秒以上1秒以下
加熱温度 Ac1変態点以上
であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面改質方法。
【請求項7】
前記急速短時間加熱は、高周波焼入れにより行なうことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属材の表面改質方法。
【請求項8】
残存させる前記超微細結晶粒層の層厚が5μm以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属材の表面改質方法。
【請求項9】
前記超微細結晶粒層は、加工工具を用いた強ひずみ加工により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属材の表面改質方法。
【請求項10】
前記強ひずみ加工が摩擦加工であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の金属材の表面改質方法。
【請求項11】
表層に超微細結晶粒層を有し、その内層に焼入れ組織を有することを特徴とする高硬度表面層を有する金属材。
【請求項12】
前記超微細結晶粒層が、表面側のナノ結晶粒層と内層側のサブミクロン結晶粒層の2層構造からなることを特徴とする請求項11記載の高硬度表面層を有する金属材。
【請求項13】
前記焼き入れ組織は、金属材表面を基準として少なくとも100μmの深さに達する内層に存在することを特徴とする請求項11または12に記載の高硬度表面層を有する金属材。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−105991(P2011−105991A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262096(P2009−262096)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り (1)2009年9月1日 社団法人日本鉄鋼協会発行の「材料とプロセスVol.22(2009)No.2」に発表 (2)2009年9月15日 社団法人日本金属学会発行の「日本金属学会講演概要 2009年秋期(第145回)大会」に発表
【出願人】(390029089)高周波熱錬株式会社 (288)
【出願人】(304027349)国立大学法人豊橋技術科学大学 (391)