説明

金属溶解炉用渦室体及びそれを用いた金属溶解炉

【課題】事故防止可能で、容易にメンテナンスでき、且つ構成の簡単な金属溶解炉用渦室体及びそれを用いた金属溶解炉を提供する。
【解決手段】溶湯Mを収容する収納空間を有する炉本体1と、前記炉本体の収納空間と連通可能な渦室を有する渦室体2と、前記収納空間と前記渦室との間の連通状態、遮断状態を切り換える落とし堰部6と、を備え、前記落とし堰部は互いに別体の盲落とし堰7と開口型落とし堰8とを備え、少なくとも前記盲落とし堰は、前記渦室体に対し上下動可能に構成され、上動位置と下動位置とを切り換え状態に採って前記連通状態、前記遮断状態を切り換えるものとして構成され、前記開口型落とし堰は、前記連通状態において、前記渦室と前記収納空間とを連通させるための切欠を有する、ものとして構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属溶解炉用渦室体及びそれを用いた金属溶解炉に関し、例えば、Al,Cu,Zn又はこれらのうちの少なくとも2つの合金、あるいはMg合金等の伝導体(導電体)の金属の溶解炉に用いる渦室体及びそれを用いた金属溶解炉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、渦室体の外周に電磁コイルを配置したり、渦室体の下方に永久磁石式移動磁界発生装置を配置したりして、渦室体内部に渦を発生させる方式があった。渦室体と炉本体は、一体に構成され、あるいは、フランジ継ぎ手方式で接続したりしたものもあった。
【0003】
これらのいずれにあっても、渦室体と炉本体とは、炉本体の炉壁に穿けた溶湯の入り口および出口用の穴を介して接続していた。渦室体の内部では溶湯が高速回転をしており、また未溶解物が高速回転することから、渦室体の内壁の磨耗が激しく、管理不十分の場合は溶湯漏れ事故を起こすことが度々あった。
【0004】
これは渦を発生させる原理が、溶湯外周駆動方式のためであり、結果として渦室壁厚を厚くすることが出来なかったからである。この溶湯漏れ事故は炉本体の溶湯を漏出することに直結しており、その場合は大量の溶湯が炉外に出ることから、大変危険であり重大事故に直結していた。
【0005】
そこで渦室は耐用年数がくれば交換することは当然と考えられており、万が一運転中溶湯漏れ事故を起こしても安全に作業停止できる急速溶解炉用渦室の出現が待たれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述の問題点を解消するためになされたもので、その目的は、事故防止可能で、容易にメンテナンスを実現でき、且つ構成の簡単な金属溶解炉用渦室体及びそれを用いた金属溶解炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の、溶湯を収容する収納空間を有する炉本体の前記収納空間と連通可能な渦室を有する金属溶解炉用渦室体は、
前記収納空間と前記渦室との間の連通状態、遮断状態を切り換える落とし堰部を備え、
前記落とし堰部は互いに別体の盲落とし堰と開口型落とし堰とを備え、
少なくとも前記盲落とし堰は、前記渦室体に対し上下動可能に構成され、上動位置と下動位置とを切り換え状態に採って前記連通状態、前記遮断状態を切り換えるものとして構成され、
前記開口型落とし堰は、前記連通状態において、前記渦室と前記収納空間とを連通させるための切欠を有する、
ものとして構成される。
【0008】
本発明の金属溶解炉は、
溶湯を収容する収納空間を有する炉本体と、
前記炉本体の収納空間と連通可能な渦室を有する渦室体と、
前記収納空間と前記渦室との間の連通状態、遮断状態を切り換える落とし堰部と、
を備え、
前記落とし堰部は互いに別体の盲落とし堰と開口型落とし堰とを備え、
少なくとも前記盲落とし堰は、前記渦室体に対し上下動可能に構成され、上動位置と下動位置とを切り換え状態に採って前記連通状態、前記遮断状態を切り換えるものとして構成され、
前記開口型落とし堰は、前記連通状態において、前記渦室と前記収納空間とを連通させるための切欠を有する、
ものとして構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の非鉄金属溶解炉の平面説明図。
【図2】図1の非鉄金属溶解炉の正面説明図。
【図3】図1の非鉄金属溶解炉の右側面図。
【図4】図1の非鉄金属溶解炉の落とし堰部の動作を説明する側面説明図。
【図5】図1の非鉄金属溶解炉の落とし堰部の盲落とし堰の正面図。
【図6】図1の非鉄金属溶解炉の落とし堰部の開口型落とし堰の正面図。
【図7】(a)(b)(c)は取付具の一部を破断した、側面図、正面図、背面図。
【図8】(a)(b)は移動磁界発生装置の縦断説明図、磁石の配置説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1−図7を参照しながら本発明の実施形態の非鉄金属溶解炉について説明する。
【0011】
本発明の実施形態の非鉄金属急速溶解炉は、例えば、Al,Cu,Zn又はこれらのうちの少なくとも2つの合金、あるいはMg合金等の伝導体(導電体)の非鉄金属、あるいは、任意の金属、を投入し、バーナ等で加熱し、溶解するものである。
【0012】
この実施形態は、特に図1から分かるように、炉本体1と渦室体2とを別体に構成し、これらを炉本体1の側壁1Aに穿けた開口1Bを介して互いに連通するように、取付具4で機械的に結合したものである。
【0013】
炉本体1は例えば数トンから数十トンの容量を持ち、非鉄金属等のインゴット等をバーナで加熱溶融し、非鉄金属等の溶湯Mを作るものである。この炉本体1は溶湯Mを収納するための収納空間1Cを有している。
【0014】
渦室体2は例えば数百キログラムの溶湯Mを収納可能な容量を持ち、一般にアルミニウムの切粉等のように軽くて溶湯M中の表面に浮いてしまい、容易には溶融しない原料としての非鉄金属を溶融させるためのものである。この渦室体2においては、炉本体内でバーナ等で加熱昇温しながら溶湯Mを渦として高速回転させ、この渦の中に原料としての非鉄金属の切粉等を引き込んで、溶解させるものである。この渦室体2は溶湯Mを収納するための渦室2Cを有している。
【0015】
この渦室体2は、一端を解放端、他端を閉塞端としたチャネル型のものとして構成され、前記解放端は前記収納空間1Cと連通させられるものとして構成されている。
【0016】
炉本体1と渦室体2とは互いに連通しており、それぞれで溶解させた非鉄金属の溶湯Mは、互いの液面レベルが一致するように行き来することになる。
【0017】
前記取付具4は、いかなるものであってもよく、前記渦室体2を前記炉本体1に安定的に取り付け得るものであればよい。本実施形態においては、特に図7(a)(b)(c)から分かるように、渦室体2と同様に、一端を解放端、他端を閉塞端としたチャネル型のものとして構成されている。より詳しくは、取付具4は、いわゆるチャネル状の取付具本体4Aと、チャネルを閉塞する閉塞板4Bと、解放側において前記取付具本体4Aを折り返したフランジ4Cとを備え、これらによって渦室体支持空間4Dが形成されている。さらに、前記取付具本体4Aには特に図1から分かるように開口1Eが形成されている。
【0018】
さらに、前記解放端側は炉本体1への取り付けに使用されるフランジ4Aとなっている。即ち、この取付具4はいわゆるチャネル形状が必然的に有する渦室体支持空間4Bを備える。取付具4の渦室体支持空間4Bに渦室体2を収納し、この状態で、炉本体1に前記フランジ4Aをボルト5,5,・・で留めることにより、渦室体2が炉本体1に固定される。この状態では、前述のように、特に図1から分かるように、渦室体2の渦室2Cが開口1Bを介して炉本体1の前記収納空間1Cと連通している。
【0019】
さらに、渦室体2は、特に図1から分かるように、例えば非常時に溶湯Mを抜き出すためのドレインタップ2Dを有している。このドレインタップ2Dと連通する前記開口4Eが、取付具4に穿けられている。
【0020】
さらに、渦室体2には落とし堰部6が形成されている。この落とし堰部6は、2枚の堰板としての、盲落とし堰7と開口型落とし堰8を備え、これらが渦室体2の側壁2Aの内側に形成した縦溝2Bに、個別に上下動可能に差し込まれている。つまり、盲落とし堰7は炉本体1側に、開口型落とし堰8は炉本体1と反対側に、それぞれ配置されている。
【0021】
これらの堰7,8は上下動可能であるだけでなく、渦室体2から完全に抜き出せるように組み込まれている。このように、これらの堰7,8を渦室体2から取り外せるようにしたので、炉本体1と渦室体2のメンテナンスが極めて容易に行うことができる。つまり、炉本体1と渦室体2においては、運転に伴って酸化物等のいわゆるかすが溜まるのが避けられないが、堰7,8を両方とも取り外せるようにすることで、掃除がし易いという利点がある。
【0022】
盲落とし堰7と開口型落とし堰8は、それぞれ、図5、図6に示される。
【0023】
盲落とし堰7は図5に示すように1枚の板状をしており、頂部に取っ手7Aが取り付けてある。開口型落とし堰8は図6に示すように1枚の板の下部左右に切欠としての入口開口8Bと出口開口8Cを備えている。つまり、開口型落とし堰8の板状の堰本体8aの下端側に所定の距離を置いて出口開口8Cと入口開口8Bが形成されている。8Aは取っ手である。
【0024】
これらの盲落とし堰7、開口型落とし堰8は、特に図3からわかるように、相互に無関係に独立的に、上下にスライドし、下動位置と上動位置をそれぞれ安定的にとり得るように構成されている。例えば、図3の状態においては渦室体2と炉本体1とは遮断状態にあり、図4の状態においては渦室体2と炉本体1とは入口開口8Bと出口開口8Cを介して連通状態を採る。
【0025】
2枚の盲落とし堰7、開口型落とし堰8の上下駆動方式はチェーン式、スクリュー式、手動式、電動式等いろいろ考えられるが、これらの堰7,8は極めて軽量であるため、いずれの方式をとっても駆動機構は単純なものとなる。ここでは具体的方式の説明は割愛する。また、盲落とし堰7、開口型落とし堰8の材質については非鉄金属等に耐食性を持ち且つ熱伝導性の高い耐火材であれば何でも良い。出来るだけ安価あることが望ましく市販されている耐火材で十分である。
【0026】
特に図2から分かるように、渦室体2の外部下方には永久磁石式の移動磁界発生装置10が設けられている。この移動磁界発生装置10は電磁石式のものでもよい。例えば、この移動磁界発生装置10は、図8(a)(b)に示すものを用いることができる。この図8(a)(b)において、非磁性のケーシング51の中に回転磁石体52を設ける形態とすることができる。この回転磁石体52おいては、ケース54の中にモータ53を設け、モータ53の軸53aをベアリング54aで軸受し、このモータ53で円盤状のマグネットベース55を回転可能としている。このマグネットベース55上に複数の永久磁石56、56,・・・を90度間隔で固定している。これらの永久磁石56、56,・・・は、上下面側が磁極とされており、且つ、図8Bからわかるように隣り合う永久磁石56、56,・・・は互いの極性が異なるように磁化されている。これらの永久磁石56、56,・・・は非磁性のカバー57で被覆されている。
【0027】
以上の構成により、永久磁石56、56,・・・からの磁束(磁力線)MFは、図3に示すように、渦室6内の溶湯Mを貫き、あるいは、溶湯Mを貫いた磁束MFが永久磁石56、56,・・・に入る。この状態で永久磁石56、56,・・・が回転することにより、磁束MFも溶湯M内を移動し、これにより電磁力により溶湯Mも回転する。
【0028】
この移動磁界発生装置10の回転駆動により、渦室体2内の溶湯Mは渦電流によりいわゆる渦を巻いて例えば200−300rpmの高速回転を始める。高速回転する溶湯Mは遠心力により渦室体2内で外周方向に押し付けられた状態となる。その力は渦室体2の下部が強い。その結果開口型落とし堰8の出口開口8Cより溶湯は排出されて炉本体1内に入り、また、炉本体1内の溶湯Mは入口開口8Bから渦室体2に戻る。渦室体2のこの渦の中に非鉄金属の切粉等を投入すると、切粉等は渦の中に引き込まれて、急速溶解が可能となる。
【0029】
ちなみに、炉本体1は渦室体2とは別の例えば移動磁界発生装置を有し、これによって例えば20−30rpmで溶湯Mを回転させている。また、炉本体1から製品としての溶湯Mを外部に導出可能に構成されている。
【0030】
次に、以上に説明した金属溶解炉の運転動作を説明する。
【0031】
渦室体2による溶湯Mの溶解の運転開始前には、炉本体1内の溶湯Mと渦室体2内の溶湯Mの液面レベルは一致している。移動磁界発生装置10により渦室体2内の溶湯Mを、図2に示すように、右回りに回転しておく。
【0032】
この状態において、渦室体2に原料の非鉄金属の切粉等を投入する。切粉等は、高速回転する渦室体2内の溶湯Mの渦の中に引き込まれ、効率よく溶解しながらさらに回転する。渦室体2内で回転する溶湯Mは、出口開口8Cから炉本体1内へ流入する。
【0033】
これにより、炉本体1の溶湯Mの液面レベルが渦室体2内の溶湯Mの液面レベルよりも高くなる。これらの液面レベルが同じになるように、炉本体1内の溶湯Mは、入口開口8Bを介して、渦室体2に流れ込む。つまり、炉本体1と渦室体2の溶湯Mレベル間には常にレベル差つまりヘッドが生じ、溶湯Mは循環する。
【0034】
このように、本発明の実施形態では、移動磁界発生装置10で渦室体2内の溶湯Mを回転駆動するようにしたので、投入原料としての切粉等を渦の中に引き込んで効率よく溶解することができる。
【0035】
さて本発明の実施形態の特長は緊急時対策にもある。即ち、一般に、渦室体2内では、溶湯Mが高速回転しており、更に原料である未溶解物も同様に高速回転している。このため、未溶解の原料が渦室体2の内壁に衝突するのが避けられない。その結果として渦室体2の内壁は著しく磨耗し、壁がうすくなるのが避けられない。、これに加えて、渦室体2の内壁は常に熱による膨張、収縮等のストレスが繰り返し加えられる。このストレスにより、薄くなった渦室体2の内壁に亀裂が入り、渦室体2内の溶湯Mが漏出してしまう虞がある。この場合、炉本体1の溶湯Mも漏出することにつながり、この場合は大事故に至る。
【0036】
しかるに、本発明の実施形態の装置によればこのような事故を防ぎ得る。つまり、渦室体2が損傷した場合には、瞬時に、盲落とし堰7を下ろし、渦室体2と炉本体1との間を遮断し、炉本体1内の多量の溶湯Mの流出口22を阻止可能である。
【0037】
なお、盲落とし堰7による遮断後に、渦室体2内に残った溶湯Mはドレインタップ2Aにより迅速に外部に抜き出すことができる。これにより、渦室体2内に溶湯Mが残りそれが冷却されて渦室体2内で固化するのを防止することができる。渦室体2内で溶湯Mが固化してしまうと、渦室体2及び炉本体1の再利用が不可となり大きな損失となるが、これを防ぐことができる。
【0038】
なお、渦室体2の形状は、本実施形態では、上から見て矩形(箱型)としたが、円形、半円形、楕円形等としても良いことは言うまでもない。
【0039】
また、本発明は上述の非鉄金属だけでなくその他の金属の溶解炉にも適用できるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
M 溶湯
1 炉本体
1C 収納空間
2 渦室体
2C 渦室
6 落とし堰部
7 盲落とし堰
8 開口型落とし堰
8B,8C 切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶湯を収容する収納空間を有する炉本体の前記収納空間と連通可能な渦室を有する金属溶解炉用渦室体であって、
前記収納空間と前記渦室との間の連通状態、遮断状態を切り換える落とし堰部を備え、
前記落とし堰部は互いに別体の盲落とし堰と開口型落とし堰とを備え、
少なくとも前記盲落とし堰は、前記渦室体に対し上下動可能に構成され、上動位置と下動位置とを切り換え状態に採って前記連通状態、前記遮断状態を切り換えるものとして構成され、
前記開口型落とし堰は、前記連通状態において、前記渦室と前記収納空間とを連通させるための切欠を有する、
ことを特徴とする金属溶解炉用渦室体。
【請求項2】
前記盲落とし堰及び前記開口型落とし堰は共に前記渦室体から取り外し可能とされていることを特徴とする請求項1記載の金属溶解炉用渦室体。
【請求項3】
前記渦室体は一端を解放端、他端を閉塞端としたチャネル型のものとして構成され、前記解放端は前記収納空間と連通させられるものとして構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の金属溶解炉用渦室体。
【請求項4】
前記盲落とし堰は前記渦室体に上下動可能に設けられて、前記連通状態と前記遮断状態とを切り換えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の金属溶解炉用渦室体。
【請求項5】
前記盲落とし堰及び前記開口型落とし堰が前記渦室体から取り外し可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の金属溶解炉用渦室体。
【請求項6】
前記開口型落とし堰における前記切欠は、板状の堰本体に幅方向に所定の距離を置いて形成された出口開口と入口開口であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の金属溶解炉用渦室体。
【請求項7】
前記盲落とし堰は炉本体側に、前記開口型落とし堰は炉本体と反対側に、それぞれ配置されていることを特徴とする請求項1乃至6記載の金属溶解炉用渦室体。
【請求項8】
前記渦室体には溶湯を抜くためのドレインタップが形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の金属溶解炉用渦室体。
【請求項9】
前記渦室体の外側下方に、前記渦室体内の溶湯を回転駆動するための磁場を発生させる永久磁石による移動磁界発生装置が配置されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の金属溶解炉用渦室体。
【請求項10】
溶湯を収容する収納空間を有する炉本体と、
前記炉本体の収納空間と連通可能な渦室を有する渦室体と、
前記収納空間と前記渦室との間の連通状態、遮断状態を切り換える落とし堰部と、
を備え、
前記落とし堰部は互いに別体の盲落とし堰と開口型落とし堰とを備え、
少なくとも前記盲落とし堰は、前記渦室体に対し上下動可能に構成され、上動位置と下動位置とを切り換え状態に採って前記連通状態、前記遮断状態を切り換えるものとして構成され、
前記開口型落とし堰は、前記連通状態において、前記渦室と前記収納空間とを連通させるための切欠を有する、
ことを特徴とする金属溶解炉。
【請求項11】
前記盲落とし堰及び前記開口型落とし堰は共に前記渦室体から取り外し可能とされていることを特徴とする請求項10記載の金属溶解炉。
【請求項12】
前記渦室体は一端を解放端、他端を閉塞端としたチャネル型のものとして構成され、前記解放端を前記炉本体の側壁に穿けた連通口に接続して、前記収納空間と前記渦室とを連通させた、ことを特徴とする請求項10又は11記載の金属溶解炉。
【請求項13】
前記落とし堰部は前記渦室体に設けられていることを特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載の金属溶解炉。
【請求項14】
前記盲落とし堰及び前記開口型落とし堰が前記渦室体から取り外し可能に設けられていることを特徴とする請求項10乃至13の何れかに記載の金属溶解炉。
【請求項15】
前記開口型落とし堰における前記切欠は、板状の堰本体に幅方向に所定の距離を置いて形成された出口開口と入口開口であることを特徴とする請求項10乃至14の何れかに記載の金属溶解炉。
【請求項16】
前記盲落とし堰は炉本体側に、前記開口型落とし堰は炉本体と反対側に、それぞれ配置されていることを特徴とする請求項10乃至15の何れかに記載の金属溶解炉。
【請求項17】
前記渦室体には溶湯を抜くためのドレインタップが形成されていることを特徴とする請求項10乃至16の何れかに記載の金属溶解炉。
【請求項18】
前記渦室体の外側下方に、前記渦室体内の溶湯を回転駆動するための磁場を発生させる永久磁石による移動磁界発生装置が配置されていることを特徴とする請求項10乃至17の何れかに記載の金属溶解炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−76537(P2013−76537A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217851(P2011−217851)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(593059223)
【Fターム(参考)】