説明

金属発泡体充填複合部材

【課題】車両の躯体の一部を構成するピラー等の構造部材として、簡便な製法により低コストで製造し得る、異種金属間の電食を防止された金属発泡体充填複合部材を提供すること。
【解決手段】閉断面構造を有する金属部材2の内部空間に、前記金属部材2とは異種の金属発泡体3を充填した金属発泡体充填複合部材1において、閉断面構造を有する前記金属部材2内面に、少なくともりん状黒鉛およびアルミナを含む鋳造用離型剤を塗布し、金属発泡体3との間の微小な隙間に多孔性絶縁被膜4として生成させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両全般の躯体を構成するピラー等の構造部材として用いられる金属発泡体充填複合部材に関し、更には、電食の抑制された金属発泡体充填複合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両の躯体を構成するピラー等の構造部材には、閉断面構造を有する部材が多用されている。ここでいう閉断面構造とは、パイプのように断面内部が空洞であって、外部から遮断されている構造をいう。
【0003】
一方、燃費改善や地球温暖化防止を目的に車両の軽量化が促進されており、鉄鋼製の構造部材に代わり、アルミニウムやマグネシウム等の非鉄金属材料やFRPの採用が増加傾向にあるが、全ての構造部材を非鉄金属材料やFRPに転換することは、現状ではコストや生産性の点から無理がある。
【0004】
このような車両部材の一部を非鉄金属材料に転換する場合、異種金属間の接触による電食を抑制防止することが必要となる。そのため、異種金属間にメッキ層を形成したり、アルミニウム基複合材料からなる部材と鉄鋼材料からなる部材との間にZn−Al−Mg合金を介在させる方法等が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
異種金属間にZn−Al−Mg合金を介在させる上記従来例に係る電食防止構造について、添付図4を用いて更に以下詳細に説明する。図4は、この従来例に係る具体的な実施の形態を、車両のデイスクブレーキの一部を構成するディスクロータ11およびハブ12等の実施の形態として模式的に示した断面図である。
【0006】
本従来例に係る異種金属間の電食防止構造は、アルミニウム基複合材料からなるディスクロータ11と、炭素鋼からなるハブ12と、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるホイール13と、Zn−Al−Mg合金のメッキ層14と、ボルト15およびナット16とを備えて構成されている。そして、前記メッキ層14により、ディスクロータ11とハブ12との異種金属間、ハブ12とホイール13との異種金属間の接触による電食を防止するのである。
【0007】
更に、車両の軽量化と同時に高剛性が得られる構造部材として、前述した閉断面構造を有する金属部材内部に発泡金属体を充填した部材が用いられることがある。金属部材の内部空間に金属発泡体を充填する理由は、このような複合構造とすることによって高剛性の軽量部材が得られるとともに、振動吸収性や衝突時の安全性が向上するという付加価値を付与できるからである。
【0008】
このような発泡金属体を閉断面構造部材内部へ充填する場合、微小な隙間を発生させない手法も提案されており、前記手法により前記閉断面構造部材とは異種の発泡金属体における電食の防止に至っている。従来例に係るこの金属発泡体充填複合部材の製法を、自動車のセンターピラーを例に示した製造フロー図である添付図5を用いて以下に説明する(特許文献2参照)。
【0009】
前記従来例に係る金属発泡体充填複合部材の製法は、図5(a)〜(g)に示すように、金属粉末(アルミニウム粉末)21に発泡剤22を混合し平板状に成型し、得られた発泡剤成型体24を金属平板(アルミニウム板)23の片面に貼り付け、前記発泡剤成型体24を包み込むように前記金属平板23を塑性変形させて、センターピラーのアウターパネル30を得る。
【0010】
そして、インナーパネル31を被せ、スポット溶接で一体化することにより閉断面構造体33を得る。この閉断面構造体33に封じ込めた発泡剤成型体24を、加熱炉34に投入し、発泡温度まで加熱することにより発泡させる。この結果、発泡剤成型体24が発泡し閉断面構造体33内部に充満して、発泡体37を充填したセンターピラー(閉断面構造体)38が得られる。
【特許文献1】特開2001−11665号公報
【特許文献2】特開2004−218035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述したような従来の異種金属間の電食防止方法では、鋼材へメッキ処理を施したり、異種金属同士の接触を阻止する構造を得るため複雑で多数の工程となったり等、必然的に製造コストが増大することが懸念される。
【0012】
また、閉断面構造体へ発泡金属を隙間なく充填する場合、複雑な形状を付与する生産上の品質問題、即ち、特に閉断面構造体内部で発泡金属を発泡させた場合、異種金属であると凝固時の抜熱効果により金属発泡体が微小な収縮を生じて、所定寸法より小さくなってしまい、所望の性能が発揮されない等の懸念がある。前記抜熱効果とは、異なる金属が凝固する際、前記金属の種類により収縮率が異なるため、収縮後の寸法が金属間で異なってくることをいう。
【0013】
従って、本発明の目的は、車両の躯体の一部を構成するピラー等の構造部材として、簡便な製法により低コストで製造し得る、異種金属間の電食を防止された金属発泡体充填複合部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る金属発泡体充填複合部材が採用した手段は、閉断面構造を有する金属部材の内部空間に、前記金属部材とは異種の金属発泡体を充填した金属発泡体充填複合部材において、閉断面構造を有する前記金属部材内面に、少なくともりん状黒鉛およびアルミナを含む鋳造用離型剤を塗布し、金属発泡体との間の微小な隙間に多孔性絶縁被膜として生成させたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項2に係る金属発泡体充填複合部材が採用した手段は、請求項1に記載の金属発泡体充填複合部材において、前記多孔性絶縁被膜に、少なくとも20重量%以上のりん状黒鉛と20重量%以上のアルミナが含まれていることを特徴とするものである。
【0016】
更に、本発明の請求項3に係る金属発泡体充填複合部材が採用した手段は、請求項1または2に記載の金属発泡体充填複合部材において、前記金属発泡体が、85%〜95%の範囲の空隙率を有するアルミニウム系発泡体であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に係る金属発泡体充填部は、閉断面構造を有する前記金属部材内面に、少なくともりん状黒鉛およびアルミナを含む鋳造用離型剤を塗布し、金属発泡体との間の微小な隙間に多孔性絶縁被膜として生成させたので、簡便で低コストに異種金属間の電食を防止し得る金属発泡体充填複合部材を得ることができる。
【0018】
本発明の請求項2に係る金属発泡体充填複合部材は、前記多孔性絶縁被膜に、少なくとも20重量%以上のりん状黒鉛と20重量%以上のアルミナが含まれているので、絶縁性に優れ、異種金属間の電食を確実に防止し得る金属発泡体充填複合部材を得ることができる。
【0019】
本発明の請求項3に係る金属発泡体充填複合部材は、前記金属発泡体が、85%〜95%の範囲の空隙率を有するアルミニウム系発泡体であるので、車両等の構成部材の軽量化を図るとともに、剛性や振動吸収性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態に係る金属発泡体充填複合部材を、添付図1を用いて以下に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る金属発泡体充填複合部材の模式的断面図である。
【0021】
図1において、本発明の実施の形態に係る金属発泡体充填複合部材1は、閉断面構造を有する鋼製パイプ2と、この鋼製パイプ2内部に充填され前記鋼製パイプとは異種の金属からなる金属発泡体3と、前記鋼製パイプ2と金属発泡体3との間に介在する多孔性絶縁被膜4とで構成されてなる。
【0022】
このような金属発泡体充填複合部材1を作製するには、先ず、必要とする直径と長さを有する鋼製パイプ2を準備し、この鋼製パイプ2内面に、鋳造用離型剤を水に添加して撹拌溶解した溶液を流し込んで、前記鋳造用離型剤を塗布する。その後、この鋼製パイプ2を乾燥炉内に投入し、所定の温度に加熱し前記鋳造用離型剤溶液を乾燥させて、前記鋼製パイプ2内面に多孔性絶縁被膜4を生成させる。
【0023】
そして、金属発泡体3の原料となるアルミニウム粉末に発泡剤を添加し、これを加熱溶解した溶湯を直接前記鋼製パイプ2中に鋳込むことにより、金属発泡体充填複合部材1を得る。前記金属発泡体3は、アルミニウムやマグネシウムの粉末を用いることができるが、アルミニウム系発泡体であるのが、量産技術が確立され原料を入手し易いことおよび簡便に軽量化できる点から好ましい。
【0024】
また、前記アルミニウム系発泡体は、85%〜95%の範囲の空隙率を有するのが好ましい。車両等の構成部材として前記アルミニウム系発泡体を使用する場合、前記空隙率が85%未満であれば軽量化が不十分であり、95%を越えると鋼製部材としての剛性が不足するからである。一方、前記発泡剤には、水素化チタン(TiH)等を用いることができる。
【0025】
前記鋼製パイプ2内面とアルミニウム発泡体3との間に、多孔性絶縁被膜4を生成するため利用する鋳造用離型剤は、一般に鋳造工程において金型から鋳造品を抜き取り易くすることを目的に使用されている市販品を用いることができるが、少なくともりん状黒鉛およびアルミナを含むものが好ましい。
【0026】
そして、この鋳造用離型剤水溶液の濃度は、水に対して50重量%程度の濃度になるよう調製して使用するのが好ましい。この鋳造用離型剤は、少なくともりん状黒鉛およびアルミナを含むものを選択することにより絶縁性と耐熱性が高いことが期待できるが、生成された多孔性絶縁被膜として少なくとも20重量%以上のりん状黒鉛と20重量%以上のアルミナが含まれているのが、絶縁性の点から好ましい。
【0027】
また、前記鋳造用離型剤水溶液をパイプ2内面に塗布後は、温度600℃程度で30分程度乾燥させるのが良い。このようにしてパイプ2内面に生成された多孔性絶縁被膜4は、通常300〜800μm程度の厚さを有する。
【0028】
前記鋳造用離型剤は水に添加・撹拌して水溶液とし、これを閉断面構造体を有する金属部材の内部表面に塗布して加熱乾燥させることにより、複雑な形状であっても隙間なく前記金属部材の内面を被覆することが可能である。そして、最終的には、前記金属部材の内面に脆い多孔性構造が形成されることになる。
【0029】
前記多孔性構造は、表面積が大きく稠密材料に比べて断熱効果があることから、閉断面構造を有する前記金属部材内部へ発泡剤を添加した溶湯を直接鋳込み、金属発泡体を得ることが可能である。このような直接鋳込み操作により、前記溶湯の凝固時の抜熱効果による異種金属間の収縮斑も生じにくく、寸法精度が高く隙間のない金属発泡体充填複合部材を得ることができるのである。
【0030】
前記金属発泡体を、閉断面構造を有する金属部材内に直接鋳込むのではなく、別に製造してこれを所定寸法に切削加工して用いる場合は、金属発泡体内部のポーラス構造が剥き出しになり、前記閉断面構造を有する金属部材内面との間に多数の隙間が生ずる。これに対し、前述した直接鋳込み操作により製造した金属発泡体では、界面に介在する前記多孔性絶縁被膜により金属発泡体に表皮が形成されるため、前記金属部材内面との間の隙間が生じにくい。
【0031】
前記金属部材内面と多孔性絶縁被膜との間、もしくは前記多孔性絶縁被膜と異種金属発泡体との間に微小な隙間が生じた場合、これらの隙間に電食作用により錆のような酸化物や水和物が生成することが考えられる。しかしながら、これらの生成により体積が増加するために、微小な隙間空間は閉塞され、また多孔性絶縁性被膜の存在により、それ以上の異種金属間の電食作用の進行を抑制することが可能となる。
<実施例>
【0032】
上述した本発明の実施の形態に従って、下記試作条件により金属発泡体充填複合部材を試作した。尚、鋳込み後の金属発泡体の空隙率を測定したところ92%であった。また、生成された多孔性絶縁性被膜の組成分析を行ったところ、りん状黒鉛が30重量%,アルミナが40重量%含まれていた。
[金属発泡体充填複合部材試作条件]
【0033】
・閉断面構造を有する金属部材:鋼製パイプ(外径:51mm,内径:47mm)
・金属発泡体原料:工業用アルミニウム粉末
・鋳造用離型剤:トップコート(啓明商事株式会社製)
・鋳造用離型剤水溶液濃度:50重量%
・乾燥条件:600℃にて30分乾燥
【0034】
試作したこの金属発泡体充填複合部材を、複合サイクル腐食試験装置により評価試験した結果について、添付図2および図3を用いて以下説明する。図2は、複合サイクル腐食試験条件を示す説明図であり、図3は、前記腐食試験による評価サンプルの経時的な重量変化率を示す図である。
【0035】
前記複合サイクル腐食試験は、自動車技術会規格JASO M609−91に規定された規格であって、図2に示すような条件にて、8時間を1サイクルとして連続的に繰り返して実施する試験である。腐食の進行尺度としては、重量変化率により評価した。
【0036】
先ず、試作した前記金属発泡体充填複合部材から評価サンプルを作り、重量測定した後、これを複合サイクル腐食試験装置にセットする。試験条件は図2に示した通り、先ず、ステップAにて、前記評価サンプルが温度35℃の5%塩水を2時間噴霧される。
【0037】
次に、ステップBにて、温度60℃、相対湿度30%の雰囲気により4時間乾燥され、更にステップCにより、温度50℃、相対湿度95%の湿潤雰囲気に2時間曝される。以上、合計8時間の試験サイクルを連続して順次繰り返すのである。
【0038】
上記複合サイクル腐食試験を14日間実施し、7日目と14日目の試験サイクル終了時点にサンプル重量を測定し重量変化率を求めた。その結果を図3の実線で示した。即ち、時間経過に伴って、サンプル重量が増加していることが分かる。これは、異種金属が近接することにより白錆(アルミナ水和物)が生成するとともに、塩水や湿潤環境下で単独に赤錆(鉄酸化物)が生成したことによるものである。
【0039】
閉断面構造を有する前記金属部材内面と金属発泡体との間の微小な隙間の殆どには、多孔性絶縁被膜が形成されているが、この多孔性絶縁被膜が形成されていない微小な隙間が多少存在するため、図2の実線に示される如く、試験初期段階においては、前記の微小隙間内に湿潤環境が形成されて、上述した白錆や赤錆が生成し重量増加する。
【0040】
しかしながら、それ以降は、多孔性絶縁被膜による絶縁性が保持されることにより、重量増加することなく定常状態となり、電食効果が抑制されていることが分かる。
【0041】
従って、本発明に係る金属発泡体充填複合部材を自動車等の構成部材に適用すれば、閉断面構造を有する前記金属部材内面と異種金属発泡体との間に、微小な隙間が存在するような場合においても、多孔性絶縁被膜が形成されていることにより電食作用が抑制され、腐食が進行することはない。
<比較例>
【0042】
次に、鋼製パイプ内面に鋳造用離型剤を塗布しない以外は前記実施例と全く同一の条件により、金属発泡体充填複合部材を製作した。そして、多孔性絶縁被膜が形成されていないこの金属発泡体充填複合部材から、比較例として試験サンプルを作製した。前記比較例の試験サンプルを、実施例の試験サンプルと同時に複合サイクル腐食試験装置にセットして、複合サイクル腐食試験を行った。
【0043】
この腐食試験による比較例試験サンプルの経時的な重量変化率を、図3の破線で示す。
この場合は、鋼製パイプと金属発泡体である純アルミニウムとの異種金属間で、電食作用が活発に進行し、経過時間に伴って15%近くまで重量増加していることが分かる。
【0044】
本発明の実施の形態においては、閉断面構造を有する金属部材として鋼製パイプを採用した金属発泡体充填複合部材の例を述べたが、特に鋼製パイプに限定するものではなく、本発明の主旨が適用可能な金属部材は全て有効である。
【0045】
以上、本発明に係る金属発泡体充填部は、閉断面構造を有する前記金属部材内面に、少なくともりん状黒鉛およびアルミナを含む鋳造用離型剤を塗布し、金属発泡体との間の微小な隙間に多孔性絶縁被膜として生成させたので、簡便で低コストに異種金属間の電食を防止し得る金属発泡体充填複合部材を得ることができる。
【0046】
また、本発明に係る金属発泡体充填複合部材は、前記多孔性絶縁被膜に少なくとも20重量%以上のりん状黒鉛と20重量%以上のアルミナが含まれているので絶縁性に優れ、異種金属間の電食を確実に防止し得る。
【0047】
また、本発明に係る金属発泡体充填複合部材は、前記金属発泡体が、85%〜95%の範囲の空隙率を有するアルミニウム系発泡体であるので、車両等の構成部材の剛性や振動吸収性を向上させるとともに軽量化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、本発明によれば、異種金属間の電食を防止された低コストの金属発泡体充填複合部材を提供することができる。この結果、本発明に係る金属発泡体充填複合部材は、車両の躯体の一部を構成する高剛性の軽量部材であって、更に、振動吸収性や衝突時の安全性向上が期待される構成部材に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態に係る金属発泡体充填複合部材の模式的断面図である。
【図2】複合サイクル腐食試験条件を示す説明図である。
【図3】複合サイクル腐食試験による評価サンプルの経時的な重量変化率を示す図である。
【図4】従来例に係る具体的な実施の形態を、車両のデイスクブレーキの一部を構成するディスクロータ11およびハブ12等の実施の形態として模式的に示した断面図である。
【図5】従来例に係る金属発泡体充填複合部材の製法を、自動車のセンターピラーを例に示した製造フロー図である。
【符号の説明】
【0050】
A…評価サンプルが、温度35℃の5%塩水を2時間噴霧されるステップ,
B…評価サンプルが、温度60℃、相対湿度30%の乾燥雰囲気に4時間暴露されるステップ,
C…評価サンプルが、温度50℃、相対湿度95%の湿潤雰囲気に2時間暴露されるステップ,
1…金属発泡体充填複合部材,
2…鋼製パイプ(閉断面構造を有する金属部材),
3…アルミニウム発泡体(金属発泡体),
4…多孔性絶縁被膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉断面構造を有する金属部材の内部空間に、前記金属部材とは異種の金属発泡体を充填した金属発泡体充填複合部材において、閉断面構造を有する前記金属部材内面に、少なくともりん状黒鉛およびアルミナを含む鋳造用離型剤を塗布し、金属発泡体との間の微小な隙間に多孔性絶縁被膜として生成させたことを特徴とする金属発泡体充填複合部材。
【請求項2】
前記多孔性絶縁被膜に、少なくとも20重量%以上のりん状黒鉛と20重量%以上のアルミナが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の金属発泡体充填複合部材。
【請求項3】
前記金属発泡体が、85%〜95%の範囲の空隙率を有するアルミニウム系発泡体であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属発泡体充填複合部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−105759(P2007−105759A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299132(P2005−299132)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願〔平成17年度 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの〕
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)