説明

金属粉末の製造方法

極小の凝集していない金属粉末を、金属カルボニルを包含する、化学蒸着および溶解技術により製造する方法であって、金属を含む処理ガスを、加熱された反応器を通して上向きに推進する、方法。従来の下向きのガス流と反対に、上向きのガス流を使用することにより、理論的なプラグ流れ速度プロファイルに近づけることができ、それによって、所望の狭い粒子径分布が得られ、その後に続く区分け技術の必要性が無くなるか、または少なくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には金属粉末に関し、より詳しくは、極小球状金属粉末の製造方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
電子装置のサイズが益々小さくなるにつれて、それらの個別の、および集合的な部品を小型化することが絶えず必要とされている。
【0003】
特に、凝集していない、球状の、直径が1ミクロン未満の粒子から構成される金属粉末が強く求められている。
【0004】
これらの粉末は、多層セラミックキャパシタ(「MLCC」)用の、焼成厚さが1〜10ミクロンの極めて薄い電極として印刷できるインクを構成する。超微小金属粉末は、金属被覆ペーストおよび他の用途にも使用されている。
【0005】
球状の超微小金属粉末を製造するための主要な商業的方法は、気相化学蒸着(「CVD」)である。この反応では、金属を含む蒸気を、高温の条件により開始される化学反応により、エーロゾル金属粒子に転化する。前駆物質としてNiClを使用する製法の例は、Ishikowaへの米国特許第5,853,451号、Kogohaski et al.への米国特許第6,235,077B1号、およびIto et al.への米国特許第6,391,084B1号に見ることができる。最初の特許は水平の反応器を開示しているのに対し、後の二件の特許は順流式垂直反応器を開示している。
【0006】
他のCVD反応は、金属カルボニル、例えばニッケルカルボニル(Ni(CO))、鉄カルボニル(Fe(CO))、等、を使用している。代表的な製法は、Schlecht et al.への米国特許第1,836,732号、Schlecht et al.への米国特許第2,663,630号、Schlecht et al.への米国特許第2,851,347号に記載されている。垂直分解装置が開示されている。
【0007】
同様に、前駆物質は、溶解した金属または高温で分解して金属粒子を与える金属化合物を含む溶液のミストでもよい。このCVD製法は、噴霧熱分解と呼ばれ、通常、エーロゾル高温−壁管状反応器を使用する。
【0008】
CVDにより製造された金属粉末の形態を制御する添加剤の使用は、何年も前にさかのぼる。West et al.への米国特許第3,367,768号は、分解装置にアンモニアを加えることを開示している。Llewelynへの米国特許第3,702,761号は、ある種の酸化窒素を導入して処理を促進している。Pfeilへの米国特許第4,673,430号は、硫黄および硫黄含有化合物を添加して細かい球状のニッケル粉末を製造する方法を開示している。上記の文献は、カルボニル製法を使用している。Katayama et al.への米国特許第6,402,803B1号も同様に、従来のNiCl製法により製造される硫黄含有粒子を開示している。
【0009】
得られる粉末のサイズ、形状および結晶構造を制御するための様々な添加剤が公知である。しかし、これらの添加剤により、凝集の問題が無くなるか、または軽減されることはない。凝集物は、短絡、その他の問題を引き起こすことがあるので、一つに固まる傾向がある粒子は、顕微鏡の尺度でも、電子部品には有害である。
【0010】
粉末製造における進歩にも関わらず、金属粉末を製造するためのCVD製法の、以前からある欠点の一つは、得られる粒子の分布が非常に広いことである。これは、粒子の、反応器中の滞留時間が、キャリヤーガスのフローフィールドによって変動するために起こる。フローフィールドが完全に一様な、いわゆる「プラグ流れ」速度プロファイルでない限り、反応器の異なった部分で製造される粒子が、温度、濃度および時間の異なった条件下で製造されることになる。その結果、そのCVD製法は、粒子径分布が非常に狭い粒子を製造するには不利になる。この問題に対処するために、業界は、粒子径分布を狭くすることにより、粒子がMLCCおよび他の用途に、より適したものになるように、CVD製法により製造される粉末を区分けする様々な方法を開発している。湿式サイクロン、空気区分けおよび遠心分離のような、所望のサイズプロファイルを有するCVD粉末を製造するための区分け方法が、様々な特許、例えばMukuno et al.への米国特許第6,494,931B1号およびIto et al.への米国特許第6,454,830B1号、に開示されている。これらの手法の欠点は、追加の処理工程が全体的な製造コストに大きく影響することである。
【0011】
高温壁管状反応器(分解装置とも呼ばれる)は、ニッケルおよび鉄カルボニル蒸気の分解による微粉製造に70年以上も使用されている。標準的な構造では、不活性キャリヤーガス中の金属カルボニル蒸気が、ノズルを通して反応器の最上部に流れ込む。個の反応器は、長さと直径の比が典型的には約5:1であり、壁を通した伝導により加熱される。金属カルボニルは、反応器の空になっている内側空間で分解し、生じたエーロゾルが反応器を通して下方に、粉末固化装置中に運ばれる。反応器の最上部からガスを供給することの特徴の一つは、固化装置中における粉末の沈降が重力により促進されることである。残念ながら、この構造により得られるフローフィールドは、一様ではなく、従って、所望の狭いサイズ分布を有する金属粒子を製造するのに最適ではない。
【0012】
本発明者らは、高温壁管状反応器中でNi(CO)のCVD反応により製造されるニッケル粒子のサイズ分布は、速度プロファイルが、流体の全ての束または流れが反応器中を同じ速度で移動する理想的なプラグ流れ形態に近くなるように、反応器中の処理ガスのフローフィールドを設計することにより、著しく狭くすることができることを確認した。対照的に、現在行われている方法では、他のファクターの中で特に、壁の境界状態および温度勾配のために、重力により駆動される速度プロファイルが、十分に展開した時に、放物面形状に近くなり、流れの中央にある粒子が壁の近くにある粒子よりも速く移動し、滞留時間分布に大きな差が生じ、そのために粒子径分布が大きくなり、変動する。
【発明の概要】
【0013】
極小の凝集していない金属粉末をCVD処理ガス供給源から製造するための、ガスを基剤とする方法であって、金属を含む処理原料ガスを、反応器の最上部または中間部を通す代わりに、反応器の底部に導入する方法を提供する。
【0014】
図1は、現在使用されている先行技術の、水平支持体に対して少なくとも実質的に直角である垂直対称軸aを有する、実質的に垂直に向けられた順流式反応器10を示す。最初のCVD処理ガスは、反応器10の上側末端14に位置する入口12に下向きに導入される。反応器はコイル18により加熱され、生じた金属粒子が、反応器10の下側末端20に位置する出口16から外に出る。簡潔にするために、典型的な制御装置、安全装置、計器、ポート、等は示していない。
【0015】
用語「上側」、「下側」、「最上部」、「底部」、「垂直」および「水平」は、様々な部品を所定の位置に配置するのに使用される任意の取り決めである。一連の数値の前にある形容詞「約」は、他に指示がない限り、その一連の中にある各値に適用される。「超微小」、「極小」および「微小」は、直径が約1ミクロン以下の粒子に対する同義語である。
【0016】
図1に示す反応器10中で、気体状前駆物質の分解による処理は、加熱コイル18によって取り囲まれた内側管24の中で実質的に行われる。入口12が、CVD処理ガスを水冷式ノズル26を通して導入する。
【0017】
図2は、従来の反応器を反転させ、実質的に水平な支持体42に対して少なくとも実質的に直角に向けられた垂直対称軸bを有する逆流式反応器30を与える、本発明の実施態様を示す。最初のCVD処理ガスは、反応器30の下側末端34にある入口32を経由して反応器30の中に導入される。CVDガスは、差圧により反応器30を通って上向きに推進され、コイル38により加熱され、粒子は反応器30の上側末端に位置する出口36から外に出る。
【0018】
反応は、加熱コイル38によって取り囲まれた、液体を含まない内側管44で起こる。入口32は、CVD処理ガスを、水冷式のノズル46を通して導入する。
【0019】
反応器中の3次元的内部流動プロファイルを評価するための2種類の方法、すなわちa)物理的モデルおよびb)計算による流体動力学、がある。前者の方法では、系の物理的モデルを構築し、そのモデルから流動性の測定を行う。あるいは、計算による流体動力学(「CFD」) を使用し、大型の3次元的セル列を横切る質量およびエネルギー保存の等式を解くことができる。CFDには、温度、化学反応、およびガス組成の影響すべてを計算に含むことができるという利点がある。
【0020】
CFD解析は、CFX(商品名)4.4ソフトウエア(ANSYS, Inc., Cannonsburg, Pennsylvania, USA)を使用し、図1および2に示す反応器10および30の幾何学的構造(入口ノズル12の直径22mm、管24の内径45mm、管24の高さ250mm)に対して行った。この解析は、ケースAと呼ぶ流動性シナリオに対して行った。ケースAは、Ni(CO)約2体積%およびNH約400ppm(百万分の一部)を、残りの部分を構成するCO中に含んでなる原料ガスの流量約18slpm(毎分標準リットル)、反応器10の外側壁温度平均約620℃である。第一シミュレーションでは、原料ガスを反応器10の最上部から供給したが、これは従来の配置である。反応器10の幾何学的構造を図1に示し、以下、これを「順流式配置」と呼ぶ。第二のシミュレーションでは、原料ガスを反応器30の底部にある入口32から供給した以外は、同等の流動性および温度の条件を使用した。反応器30の幾何学的構造を図2に示し、これを「逆流式配置」と呼ぶ。両方の場合で、内部入口12および32は、22mmに広がっている。
【0021】
順流式のケースAおよび逆流式のケースAの各シミュレーションで得られた速度プロファイルをそれぞれ図3および4に示す。各測定は、それぞれ入口12および32の最上部および底部から行った。これらのプロファイルから、両方の場合の初期進入効果により、一様ではない速度プロファイルが得られることが分かる。図3(a)および図4(a)参照。しかし、逆流式シミュレーションのケースAでは、速度プロファイルが、理想的に好ましいプラグ流れ形状に近づいている(図4b−4e)のに対し、順流式のケースAは、弱くなってはいるが、放物面形状を維持している(図3b−c)。上記のように、本発明者らは、プラグ流れフローフィールドで製造されるCVD粉末は、より狭いサイズ分布を有し、MLCC粉末および他の用途に有利であると考えている。
【0022】
ケースAの流動性シナリオに対して、実験用反応器で3種類の試験を行った。試験021212は、順流式配置で行い、試験030522および030915は、逆流式配置で行った。各実験から得られた粉末を、レーザー光散乱(Malvern Mastersizer(商品名)2000)により粒子径分布(「PSD」)、比表面積(「SSA」)、X線回折(XRD)によりクリスタライトサイズに関して分析し、化学分析を行った。結果を表1に示す。これらの実験に対する光散乱による体積粒子径分布を図5に示す。逆流式の主な利点は、右側の、約5〜16ミクロンにわたるサイズ分布における「粗い肩部分」が除去されていることである。
【0023】
表1 粉末特性
【表1】

【0024】
層流条件では、反応器中の流体の束が最小量の相互作用で、一緒に移動する。反応器の速度プロファイルが一様ではない場合、流体の各束が異なった滞留時間および温度プロファイルを有し、従って、粒子径分布が広くなる。CFDを使用してプラグ流れ条件からの偏差を推定することができ、従って、特定の反応器設計により、サイズ分布が狭くなるように改良されるか、否か、を予想できる示唆を与えることができる。
【0025】
プラグ流れ条件からの偏差を定量するために、比較指数を使用し、滞留時間分布の変動を最少に抑えることにより、2種類の流れプロファイルの差を定量することができる。最小に抑えるべき量は、局所的な速度と平均速度との間の偏差の、半径全体にわたる合計であり、この量の最小値は、速度プロファイルが平らであり、フローフィールド中の全ての流体要素が同じ滞留時間を有する状態に対応する。この合計を構成する各分担分を対応するマスフラックスにより計量する。連続性の原理から、マスフラックスは、軸方向の速度に半径の2乗を掛けた値に比例する。最小に抑えるべき比較指数は、下記の等式から計算することができる。
【数1】

式中、vおよびrは、合計のi番目の要素に対する軸方向速度および管の半径である。速度プロファイルが管の中心に対して対称的である場合、合計は、管直径の半分を超えていてよい。他の条件は全て等しい2つの速度プロファイルに関して、プラグ流れ特性は、この比較指数が小さな値を有するプロファイルに対して最も良い。
【0026】
表2は、ケースAの逆流式および順流式条件に関するこの比較指数を示し、逆流式配置が順流式配置よりも、どの程度、より狭い滞留時間分布をもたらすかを数学的に立証する。この結果は、実験021212および030522および030915から得た実験結果の比較により得たものであり、逆流式配置で行った実験は、凝集粒子が少なく、他のファクターは全て等しい。
【0027】
表2 ケースA順流式およびケースA逆流式の速度プロファイルに対する比較指数(等式1)の値

入口12/34 ケースA順流式 ケースA逆流式
からの軸方向距離
5cm 3.12x10−5 2.25x10−5
10cm 1.29x10−5 4.28x10−6
15cm 1.51x10−5 7.05x10−6
20cm 1.74x10−5 9.13x10−6
25cm 1.88x10−5 9.84x10−6
【0028】
上記の実験は、得られる最も細かい粒子径を代表しているのではなく、反応器フローフィールドの計算による流体動力学的解析を使用し、他のファクターは全て等しい2種類の設計を比較するのに使用できる数学的比較指数を得ることができる、ということを示している。特に、この原理を使用し、伝統的なCVD管状反応器を反転させ、逆流式配置で運転することにより、より狭い粒子径分布が得られることを示している。NHの代わりにSOを使用することにより、さらに細かい粒子径が得られることを立証できる。実験030905は、逆流式配置を使用するケースAの条件下で行い、図6および表1に示すように、さらに細かい粒子を得ている。1940年代にPfeilへの米国特許第4,673,430号で行った、以前のIncoの研究から、硫黄および硫黄含有ドーピング剤が粒子を下げるのに有用であることは、すでに良く知られている。開示されていない硫黄含有ガスも、Katayama et al.への米国特許第6,402,803B1号に開示されている。しかし、この特許では、硫黄は粒子の結晶挙動を制御するために使用されている。本発明では、硫黄の存在は、通常の添加剤、すなわちNH、と比較して、粒子形態に明らかな影響を及ぼしていない。
【0029】
ケースBは、下記の条件下で、すなわちニッケルカルボニル約3.1〜3.8体積%および様々なレベルのSOを含んでなり、残りがCOである処理ガス約13slpmおよび平均外側壁温度約620℃、で行った。
【0030】
CFD解析をケースBに関して行った。表3は、上記の比較指数が、やはり逆流式モードでは、より低く、より狭い滞留時間分布を示している。逆流式配置におけるケースBの実験結果を表1に示す。SOを約200〜1600ppmのレベルで試験した。全ての実験で粒子径が極めて類似していることが分かるが、これは、フローフィールドの最適化および公知の添加剤使用の組合せにより、非常に細かい粒子を狭い粒子径分布で製造できることを示している。実験の範囲全体にわたって、ガス中のSOレベルが増加するにつれて、最終生成物中の硫黄が増加し、炭素レベルは影響を受けず、クリスタライトサイズが僅かに減少し、酸素が増加し、体積分布のd50およびd100の両方が増加した。SOのレベルは、最終的な用途に望ましい特性の正確な組合せを決定するのに使用できる。約400ppmSOのレベルで、MLCC用途に対してこれらの特性が良く折衷されている。
【0031】
図7は、実験030707と同等の条件下で行った実験から得た粉末の、逆流式製法により製造した粒子のサイズおよび形状を立証する顕微鏡写真を示す。
【0032】
表3 ケースB順流およびケースB逆流の速度プロファイルに対する比較指数(等式1)の値

入口12/34 ケースB順流式 ケースB逆流式
からの軸方向距離
5cm 3.24x10−5 7.92x10−6
10cm 1.25x10−5 4.17x10−6
15cm 5.33x10−5 10.6x10−6
20cm 5.52x10−5 9.69x10−6
25cm 6.02x10−5 8.21x10−6
【0033】
本発明は、一般的にはあらゆるCVD製法で、特に金属カルボニル、例えばニッケルカルボニル、鉄カルボニル、コバルトカルボニル、等で使用できる。
【0034】
前に述べたように、垂直反応器を使用する現在のCVD製法は、伝統的に最上部から処理ガスを供給する。処理ガスを反応器の底部から供給する逆流式製法により、滞留時間および粉末サイズの分布が狭くなる。
【0035】
当業者には明らかなように、本製法により、金属を含有する処理ガスが反応器30を通して上方向に推進されるので、超微小球状粉末が迅速に製造される。対称軸bは、好ましくは地表または他の実質的に水平に配置された支持体表面42に対して直角に、垂直に向いているのが有利である。しかし、実際の商業的な製造では、垂直からの僅かな偏位も予想される。本製法に重要なのは、垂直に上向きに流れるプラグ流れ速度プロファイルによる結果である。少なくとも実質的に上向きの処理ガス流が得られるなら、どのような上向きに配置された反応器30でも、使用できる。
【0036】
法律の規定により、発明の具体的な実施態様を例示し、説明した。当業者には明らかなように、請求項に包含される本発明の形態で変形が可能であり、本発明のある種の特徴は、他の特徴を対応して使用せずに、有利に使用できることがある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】先行技術の立面断面図である。
【図2】本発明の一実施態様の立面断面図である。
【図3】一連の速度プロファイルを含む。
【図4】一連の速度プロファイルを含む。
【図5】粒子径分布のグラフである。
【図6】粒子径分布のグラフである。
【図7】本発明の一実施態様により得られる金属粉末の顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末の製造方法であって、
上側部分および下側部分を有する、垂直に向けられた反応器を用意し、
金属を含む処理ガスを前記反応器の前記下側部分中に導入し、
前記金属を含む処理ガスを前記反応器を通して上向きに推進し、
前記反応器中で、前記金属を含む処理ガスの分解を開始し、
前記金属を含む処理ガス中の前記金属から粒子を形成し、そして
前記粒子を前記反応器の前記上側部分から排出する
ことを含んでなる、方法。
【請求項2】
前記反応器中で、前記金属を含む処理ガスに、上向きに移動するプラグ流れ速度プロファイルを持たせることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応器が加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属粒子が、化学蒸着により形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記反応器が、実質的に水平な反応器支持体に対して少なくとも実質的に直角な、長さ方向の垂直対称軸を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記金属粒子が、金属カルボニルおよび塩化ニッケルからなる群から選択されたガスの分解により形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記金属カルボニルが、ニッケルカルボニル、鉄カルボニル、およびコバルトカルボニルの一種以上からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項8】
硫黄、二酸化硫黄およびアンモニアの一種以上からなる群から選択されたドーピング剤が前記反応器中に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子が、少なくとも実質的に球状であり、約1ミクロン以下の直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記反応器が管状反応器である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
化学蒸着により極小金属粉末を製造するための改良された方法であって、前記改良が、加熱された反応器を通して、金属を含む処理ガスを、少なくともプラグ流れに近い速度プロファイルで上向きに推進し、それによって、前記反応器中における粒子滞留時間の不均質性を低減させることを含んでなる、方法。
【請求項12】
前記反応器が、少なくとも実質的に垂直に向けられており、下側部分および上側部分を有する、請求項11に記載の改良された方法。
【請求項13】
前記金属処理ガスが、前記反応器の前記下側部分に配置された入口中に導入される、請求項12に記載の改良された方法。
【請求項14】
前記粉末が、前記反応器の前記上側部分から排出される、請求項12に記載の改良された方法。
【請求項15】
硫黄、二酸化硫黄およびアンモニアの一種以上からなる群から選択されたドーピング剤が前記反応器中に導入される、請求項11に記載の改良された方法。
【請求項16】
二酸化硫黄が、前記反応器中に約200〜1600ppmのレベルで導入される、請求項15に記載の改良された方法。
【請求項17】
前記金属を含む処理ガスが、ニッケルカルボニル、鉄カルボニル、およびコバルトカルボニルの一種以上からなる群から選択される、請求項11に記載の改良された方法。
【請求項18】
前記金属を含む処理ガスが塩化ニッケルである、請求項11に記載の改良された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−511748(P2008−511748A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528532(P2007−528532)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000584
【国際公開番号】WO2006/024135
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(591017261)シーブイアールディ、インコ、リミテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】CVRD Inco Limited
【Fターム(参考)】