説明

金属精製装置及び金属精製方法

【課題】精製処理の中断がなく効率良く低コストで金属の高純度化が可能な金属精製装置及び金属精製方法を提供する。
【解決手段】金属精製装置1は、金属の溶融物Mを保持する溶融金属保持容器2と、溶融金属保持容器2に保持された溶融物Mに浸漬され表面において溶融物Mを冷却し凝固させる冷却体3と、冷却体3の少なくとも一部分を溶融物Mに浸漬させた後に冷却体3を溶融物M中から引き上げる冷却体搬送手段(搬送レール6及び冷却体駆動装置8A,8Bからなる)と、冷却体3に冷却されて凝固し、引き上げられた冷却体3の表面に付着した金属の凝固物Sを回収する回収手段9と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度の金属を製造する金属精製装置及び金属精製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属は、一般に、含有する不純物(例えば金属シリコンの場合であれば、Al,Fe等の不純物)が少ないほど、種々の材料特性において有利である。特に、太陽電池等に使用される金属シリコンは、通常は99.9999%(6N)以上の高純度が必要とされ、金属シリコン中に含有される不純物元素の濃度は、ppmオーダー以下まで低減する必要がある。
【0003】
従来、市販の金属シリコン(純度99.5%程度)から上記した程度の高純度金属シリコンを製造する方法として、Fe,Ti,Al等の金属不純物元素を、固液分配係数が小さいことを利用した一方向凝固精製により除去する技術が提案されている。すなわち、金属の溶融物に濃度C0 の不純物元素が固溶しており、その固液分配係数(偏析係数)kが1より小さい場合では、図5に示すように金属の溶融物を冷却していき、凝固温度(図5の状態図での液相線)に達すると、凝固した金属中の不純物濃度はkC0 となるので、高純度の金属が晶出する。よって、この凝固した金属を分離回収することにより、高純度の金属を得ることができる。
【0004】
例えば、特許文献1〜4等には、図6に示すように、シリコン,アルミニウム等の溶融物中に中空回転冷却体を浸漬し、中空回転冷却体の内部に冷却流体を送りながら中空回転冷却体を回転させることにより、中空回転冷却体の外周面に高純度のシリコン,アルミニウム等を晶出させる技術が記載されている。
【特許文献1】特開昭63−45112号公報
【特許文献2】特開平9−48607号公報
【特許文献3】特開平9−48608号公報
【特許文献4】特開平9−188512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの技術において使用される中空回転冷却体は、いずれもその内部に冷却手段を有するものであるから、設備コストが嵩むことやメンテナンスが煩雑となることが避けられない。また、中空回転冷却体を金属の溶融物に浸漬する際には、精製装置内を真空状態とするか、Arや窒素等の不活性ガスでパージする必要があるが、特許文献1〜4の技術では、凝固した金属を回収する際に精製処理作業を一旦中断して精製装置内を開放せざるを得ない。その反面、1回の精製処理で回収できる凝固金属の量が限られるため、生産効率が低いという問題もあった。
【0006】
一方、1回の精製処理で凝固金属を多量に回収しようとすると、図6に示されるように、精製処理の後半では中空回転冷却体の周辺において金属の溶融物中の不純物が濃縮される。中空回転冷却体を回転させて撹拌したとしても、その効果には限界があり、凝固金属中の不純物濃度も高くなっていくため、高純度化の効率が低くなり、場合によっては、多数回の精製処理を行うことが必要となり、やはり生産効率の低さは避けられない問題であった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、精製処理の中断がなく効率良く低コストで金属の高純度化が可能な金属精製装置及び金属精製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る金属精製装置は、金属の溶融物を保持する溶融金属保持容器と、前記溶融金属保持容器に保持された前記溶融物に浸漬され表面において前記溶融物を冷却し凝固させる冷却体と、前記冷却体の少なくとも一部分を前記溶融物に浸漬させた後に前記冷却体を前記溶融物中から引き上げる冷却体搬送手段と、前記冷却体に冷却されて凝固し、引き上げられた前記冷却体の表面に付着した前記金属の凝固物を回収する回収手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような金属精製装置においては、前記冷却体が前記溶融物に浸漬されている時間は、前記冷却体の表面に前記金属の凝固物が付着し、且つ、付着した前記金属の凝固物の全てが再度溶融しない時間に設定されていることが好ましい。また、前記冷却体搬送手段は、前記冷却体の少なくとも一部分を前記溶融物に浸漬して前記溶融物中を移動させた後に前記溶融物中から引き上げるようになっているこが好ましい。さらに、前記冷却体を複数備え、前記冷却体搬送手段が複数の前記冷却体を連続的に搬送するようになっていることが好ましい。
【0009】
さらに、上記のような金属精製装置は、前記溶融物中から引き上げられた前記冷却体に付着している前記金属の凝固物を急冷する急冷手段を備えていることが好ましい。さらに、上記のような金属精製装置は、前記溶融物中から引き上げられた前記冷却体に付着している前記金属の凝固物を前記冷却体から物理的に剥離する剥離手段を備えていることが好ましい。
また、本発明に係る金属精製方法は、金属の溶融物に、前記溶融物を冷却し凝固させる冷却体の少なくとも一部分を浸漬した後に、前記冷却体を前記溶融物中から引き上げ、前記冷却体に冷却されて凝固し前記冷却体の表面に付着した前記金属の凝固物を回収することを特徴とする。
【0010】
このような金属精製方法においては、前記冷却体が前記溶融物に浸漬されている時間は、前記冷却体の表面に前記金属の凝固物が付着し、且つ、付着した前記金属の凝固物の全てが再度溶融しない時間であることが好ましい。また、前記冷却体の少なくとも一部分を前記溶融物に浸漬して前記溶融物中を移動させた後に前記溶融物中から引き上げることが好ましい。さらに、前記冷却体を複数用い、これら複数の冷却体の浸漬及び引き上げを連続的に行うことが好ましい。
さらに、上記のような金属精製方法は、前記溶融物中から引き上げられた前記冷却体に付着している前記金属の凝固物を急冷する急冷工程を備えることが好ましい。さらに、上記のような金属精製方法は、前記溶融物中から引き上げられた前記冷却体に付着している前記金属の凝固物を前記冷却体から物理的に剥離する剥離工程を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の金属精製装置及び金属精製方法は、精製処理の中断がなく効率良く低コストで金属の高純度化が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る金属精製装置及び金属精製方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1,2は、本発明の第一実施形態の金属精製装置1の構造を説明する図であり、図1は、冷却体3の搬送経路に沿う平面で破断した断面図(金属精製装置1の正面側から見た図)であり、図2は、前記平面に直行する平面で破断した断面図(金属精製装置1の側面側から見た図)である。
【0013】
第一実施形態の金属精製装置1は、金属の溶融物Mを保持する溶融金属保持容器2を内蔵するとともに、溶融金属保持容器2に保持された溶融物Mに浸漬され表面において溶融物Mを冷却し凝固させる冷却体3を備えている。この金属精製装置1の内部は、溶融物Mの表面の酸化を防止して精製効率を上げるために、Arガス、窒素ガス、又はそれらの混合ガス等の不活性ガスによってパージすることが好ましい。なお、冷却体3の形状は特に限定されるものではなく、例えば、図1のような棒状でもよいし、板状でもよい。
【0014】
溶融金属保持容器2は、保持している溶融物Mを溶融状態に保ち且つその温度を安定させるため、加熱装置4を備えている。この加熱装置4の加熱方式は特に限定されるものではなく、例えば、高周波による誘導加熱方式や、電気抵抗による加熱方式等があげられる。なお、金属精製装置1は、凝固精製の処理中に溶融金属保持容器2に金属原料を供給する原料供給装置5を備えていてもよい。第一実施形態においては、後述するように、凝固し精製された金属を連続的に回収可能であるため、精製処理中に原料供給装置5により原料を供給し、金属の溶融物Mの液面を所定のレベルに保つことにより、さらに長時間の連続的な精製処理が可能となる。金属原料については、図2に示すように固体状のものを供給してもよいが、溶融した液体状のものを供給してもよい。
【0015】
また、金属精製装置1は、冷却体3を搬送する冷却体搬送手段を備えている。すなわち、金属精製装置1には2ヶ所の開口部7A,7Bが形成されており、両開口部7A,7Bの間を結ぶ搬送レール6が設置されている。個々の冷却体3は、その頂部3aに形成された突起部が搬送レール6の2本のガイド6a,6aの間に挟持されることにより、足部3bを下方に向けて搬送レール6に吊り下げられつつ搬送レール6に沿って搬送されるようになっているので、搬送レール6上に複数の冷却体3を並べて、開口部7Aの外側に設置された冷却体駆動装置8Aにより冷却体3を駆動すると、搬送方向の前方にある冷却体3が順次押し出されて、一方の開口部7A(入側)から冷却体3が金属精製装置1内に次々に搬入される。
【0016】
金属精製装置1内に外部から搬入された複数の冷却体3は、金属精製装置1内に設置された冷却体駆動装置8Bによっても駆動され、搬送レール6に沿って金属精製装置1内を連続的に搬送され、他方の開口部7B(出側)から搬出される。搬送レール6は、図1から分かるように略くの字状に湾曲しているので、金属精製装置1内を搬送される冷却体3は、その少なくとも一部分が溶融物Mに所定の時間浸漬された後に溶融物M中から引き上げられるようになっている。
【0017】
溶融物Mに冷却体3が浸漬された際には、冷却体3によりその周囲の溶融物Mが冷却されて凝固するので、引き上げられた冷却体3の表面には金属の凝固物Sが付着(晶出)している。この金属の凝固物Sは、前述した通り偏析凝固により精製されているので、不純物濃度の低い高純度の金属である。冷却体3が溶融物Mに浸漬されている時間は、溶融物Mが冷却され冷却体3の表面に金属の凝固物Sが付着するのに必要な時間で、且つ、この付着した金属の凝固物Sの全てが再度溶融してしまわない時間であることが好ましい。通常は、1〜60秒程度である。
【0018】
なお、冷却体3の素材は特に限定されるものではないが、例えば、溶融物Mを積極的に凝固する観点からすれば、Cu(例えば純度95%以上のCu)やAl(例えば純度95%以上のAl)等の熱伝導性の高い金属を用いることが好ましい。また、トラブル等により冷却体3の搬送が停止した場合などに、冷却体3が溶損して溶融物Mを汚染することを防止する観点からは、そのような影響の少ない炭素材やアルミナ材を用いることが好ましい。
【0019】
また、冷却体3を溶融物Mに浸漬する際には、溶融物Mに浸漬された冷却体3が溶融物M中を移動し、その後に溶融物M中から引き上げるように、冷却体3を搬送することが好ましい。特許文献1〜4の技術のように冷却体が固定されている場合は、その場で回転させたとしても撹拌の効率を高めにくいが、冷却体3が溶融物Mの中を移動するようにすると溶融物Mは大きく撹拌されるので、溶融物M中の不純物濃度が均一となり、不純物濃度が局所的に高い部分が少なくなる。さらに、冷却体3自体が移動することにより、冷却体3の表面付近に不純物濃度の高い層が形成されることがないので、金属の凝固物Sの純度をより高めることができる。
【0020】
溶融物M中から引き上げられた冷却体3は、搬送レール6上を移動して、金属精製装置1のもう一方の開口部7Bから搬出される。そして、搬送レール6の開口部7B側の端部は開放されているので、該端部から金属精製装置1の外部へ冷却体3が落下し、回収手段9により回収される。
なお、冷却体3が溶融物Mから引き上げられた後から回収手段9に回収されるまでのいずれかの位置、もしくは回収手段9において、冷却体3に付着している金属の凝固物Sを急冷する急冷手段を設けることが好ましい。凝固物Sを急冷すると、凝固物Sの冷却体3からの剥離性が高められる。急冷手段としては、例えば、図1に示すような冷却水への浸漬や、ガスジェット等の噴射などがあげられる。
【0021】
また、回収した冷却体3の表面に付着した凝固物Sを冷却体3から物理的に剥離する剥離手段を設けることが好ましい。凝固物Sを剥離する方法は、外部からの力による物理的な方法に限定されるものではなく、前述の急冷に用いたガスジェット等の風圧を制御して凝固物Sの剥離まで一度に行うようにしてもよいし、冷却体3の搬送経路に干渉物を設置して、冷却体3を干渉物に衝突させるような機械的な接触により凝固物Sを剥離してもよい。
【0022】
このようにして回収した冷却体3から金属の凝固物Sを剥離し、それを収集することにより、高純度の金属を製造することができる。精製可能な金属の種類は特に限定されるものではないが、例えば、シリコン,アルミニウム等が好適である。例えばシリコンの場合であれば、純度99.5%程度の市販の金属シリコンを原料として、99.9999%(6N)以上の高純度金属シリコンを製造することができる。このような高純度金属シリコンは、太陽電池などに好適である。
また、本発明によれば、冷却体を搬送し連続的に精製処理を行うことにより精製処理の中断がないので、前述した従来の固定式の冷却体を用いた精製装置と比べて、高い効率で且つ低コストで高純度の金属を製造することができる。
【0023】
このような第一実施形態の金属精製装置1においては、冷却体搬送手段が搬送レール6等で構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷却体搬送手段が別の構成であってもよい。例として、図3に第二実施形態の金属精製装置1を示し、図4に第三実施形態の金属精製装置1を示す。図3の(a)は、第二実施形態の金属精製装置1の正面図(回転ドラム10の回転軸方向から見た図)であり、図3の(b)は、第二実施形態の金属精製装置1の側面図(回転ドラム10の回転軸に直交する方向から見た図)である。なお、図3,4においては、図1,2と同一又は相当する部分には、図1,2と同一の符号を付してある。
【0024】
図3に示す第二実施形態の金属精製装置1においては、複数の冷却体3が回転ドラム10の外周面に放射状に突出するように係合されており、回転ドラム10が回転すると、冷却体3が回転ドラム10の下方に移動して金属の溶融物Mに浸漬された後、溶融物M中から引き上げられるようになっている。これにより、冷却体3の表面に金属の凝固物Sが付着する。
【0025】
第二実施形態の金属精製装置1においては、金属の凝固物Sの急冷手段と剥離手段とを兼ねる冷却ノズル11が備えられており、冷却体3が溶融物M中から引き上げられた後、冷却体3が回転ドラム10の上方に移動したところに、冷却ノズル11からの冷却ガスが吹き付けられるようになっている。すなわち、冷却ノズル11からの冷却ガスの吹き付けを受けて、金属の凝固物Sが急冷されるとともに、その吹き付けの圧力によって冷却体3から金属の凝固物Sが剥離する。
【0026】
図3の金属精製装置1においては冷却体3は板状になっており、剥離した金属の凝固物Sは、回転ドラム10上において、隣り合う冷却体3と両側のサイドプレート12とに囲まれた空間に保持される。そして、さらに回転ドラム10が回転すると、金属の凝固物Sは冷却体3の板面を滑り落ちて回収手段9上に落下し回収される。このようにして冷却体3から金属の凝固物Sを剥離し回収することにより、高純度の金属を製造することができる。
【0027】
次に、図4に示す第三実施形態の金属精製装置1においては、図3の金属精製装置1における回転ドラム10に換えて、無端の搬送ベルト13を用いている。搬送ベルト13は2本の駆動ロール14に支持され、その上半分は2本の駆動ロール14の間で水平に保たれるとともに、下半分は2本の駆動ロール14により懸垂される。そして、搬送ベルト13の外周面に係合された複数の冷却体3は搬送ベルト13に搬送され、懸垂された下半分の搬送ベルト13の最下端近傍に達したとき、溶融金属保持容器2に保持された金属の溶融物Mに浸漬される。さらに搬送されることによって冷却体3は溶融物M中から引き上げられ、冷却体3の表面に金属の凝固物Sが付着する。
【0028】
引き上げられた冷却体3が搬送ベルト13の上半分の位置に搬送されると、搬送ベルト13の上方に金属の凝固物Sの急冷手段として設置された冷却ノズル9から冷却ガスの吹き付けを受けて、金属の凝固物Sが急冷される。搬送ベルト13の上方には金属の凝固物Sの剥離手段として干渉フィン15が設けられており、冷却体3が干渉フィン15と衝突・擦過することにより、金属の凝固物Sが物理的な作用を受けて、冷却体3の表面から金属の凝固物Sが剥離する。
【0029】
搬送ベルト13は、剥離した金属の凝固物Sを保持するのに十分な幅広のベルトとなっているため、保持された金属の凝固物Sは搬送ベルト13によって搬送され、搬送ベルト13の外周面が下向きになる位置の下方に設置された回収手段9内に落下する。このようにして冷却体3から金属の凝固物Sを剥離し回収することにより、高純度の金属を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第一実施形態の金属精製装置の構造を説明する図であり、冷却体の搬送経路に沿う平面で破断した断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態の金属精製装置の構造を説明する図であり、図1の破断面に直行する平面で破断した断面図である。
【図3】本発明の第二実施形態の金属精製装置の構造を説明する正面図及び側面図である。
【図4】本発明の第三実施形態の金属精製装置の構造を説明する正面図である。
【図5】金属状態図の端部の一例を示す図である。
【図6】従来の金属精製装置の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 金属精製装置
2 溶融金属保持容器
3 冷却体
4 加熱装置
5 原料供給装置
6 搬送レール
7A 開口部(入側)
7B 開口部(出側)
8A,8B 冷却体駆動装置
9 回収手段
10 回転ドラム
11 冷却ノズル
12 サイドプレート
13 搬送ベルト
14 駆動ロール
15 干渉フィン
M 溶融物
S 凝固金物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属の溶融物を保持する溶融金属保持容器と、前記溶融金属保持容器に保持された前記溶融物に浸漬され表面において前記溶融物を冷却し凝固させる冷却体と、前記冷却体の少なくとも一部分を前記溶融物に浸漬させた後に前記冷却体を前記溶融物中から引き上げる冷却体搬送手段と、前記冷却体に冷却されて凝固し、引き上げられた前記冷却体の表面に付着した前記金属の凝固物を回収する回収手段と、を備えることを特徴とする金属精製装置。
【請求項2】
前記冷却体が前記溶融物に浸漬されている時間は、前記冷却体の表面に前記金属の凝固物が付着し、且つ、付着した前記金属の凝固物の全てが再度溶融しない時間に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の金属精製装置。
【請求項3】
前記冷却体搬送手段は、前記冷却体の少なくとも一部分を前記溶融物に浸漬して前記溶融物中を移動させた後に前記溶融物中から引き上げるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属精製装置。
【請求項4】
前記冷却体を複数備え、前記冷却体搬送手段が複数の前記冷却体を連続的に搬送するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属精製装置。
【請求項5】
前記溶融物中から引き上げられた前記冷却体に付着している前記金属の凝固物を急冷する急冷手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属精製装置。
【請求項6】
前記溶融物中から引き上げられた前記冷却体に付着している前記金属の凝固物を前記冷却体から物理的に剥離する剥離手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属精製装置。
【請求項7】
金属の溶融物に、前記溶融物を冷却し凝固させる冷却体の少なくとも一部分を浸漬した後に、前記冷却体を前記溶融物中から引き上げ、前記冷却体に冷却されて凝固し前記冷却体の表面に付着した前記金属の凝固物を回収することを特徴とする金属精製方法。
【請求項8】
前記冷却体が前記溶融物に浸漬されている時間は、前記冷却体の表面に前記金属の凝固物が付着し、且つ、付着した前記金属の凝固物の全てが再度溶融しない時間であることを特徴とする請求項7に記載の金属精製方法。
【請求項9】
前記冷却体の少なくとも一部分を前記溶融物に浸漬して前記溶融物中を移動させた後に前記溶融物中から引き上げることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の金属精製方法。
【請求項10】
前記冷却体を複数用い、これら複数の冷却体の浸漬及び引き上げを連続的に行うことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の金属精製方法。
【請求項11】
前記溶融物中から引き上げられた前記冷却体に付着している前記金属の凝固物を急冷する急冷工程を備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の金属精製方法。
【請求項12】
前記溶融物中から引き上げられた前記冷却体に付着している前記金属の凝固物を前記冷却体から物理的に剥離する剥離工程を備えることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の金属精製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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