説明

金属蒸発用発熱体の製造方法

【課題】ドライエリア発生時のクラックの発生が抑制された金属蒸発発熱体を製造するのに好適なセラミックス焼結体の製造方法を提供する。
【解決手段】
二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm未満の領域の頻度が全領域の15%以下、5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の75%以上、20〜62μmの領域の頻度が全領域の10%以下であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。本発明では、原料粉末の組成が、TiBが40〜60質量部、BNが31.5〜58.9質量部、AlNが0.3〜2.0質量部、Sr化合物が0.3〜3.0質量部及びFe又はFe化合物が0.5〜3.5質量部であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属蒸発発熱体(以下、「ボート」ともいう。)の製造に好適なセラミックス焼結体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属の真空蒸着用ボートとしては、TiB(二硼化チタン)と、BN(窒化硼素)と、必要に応じてAlN(窒化アルミニウム)、Sr(ストロンチウム)化合物およびFe等の金属又はFe化合物からなる導電性セラミックスが知られている(特許文献1)。一般に、ボートは水冷された電極にクランプされ、10−1〜10−2Paの真空下で、抵抗加熱によって常温から約1500℃まで約500℃/分という急加熱で加熱されたのち、ボート上面に金属線を連続的に供給して蒸着が行われる。
【0003】
ボートの長寿命化のため重要な因子の一つに、蒸着中における溶融金属の濡れ広がりがある。理想的な溶融金属の濡れ広がりは、ボート上面の全面に濡れ広がることであるが、装置の特性や操業条件によって濡れ広がりに偏りが発生し、溶融金属が片濡れの状態となる場合がある。片濡れ状態では、溶融金属に濡れていない領域(以下、「ドライエリア」ともいう。)が発生し、当該温度はボートの通常使用温度(〜1650℃)を超える1700〜1800℃に達するため、ドライエリアでクラックが発生することがあった。クラックが発生したボートを使用し続けると溶融金属は一層偏在化し、最悪の場合ボートが溶損に至って緊急停止に追い込まれることがあるため、改善が強く要望されていた。
【特許文献1】特開2006−16279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ドライエリアにおけるクラックの発生が低減されたボートを製造するのに好適なセラミックス焼結体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
(1)二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm未満の領域の頻度が全領域の15%以下(0%を除く)、5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の75%以上(100%を除く)、20〜62μmの領域の頻度が全領域の10%以下(0%を除く)であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
(2)二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm未満の領域の頻度が全領域の15%以下(0%を除く)、5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の85%以上(100%を除く)であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
(3)二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の90%以上(100%を除く)、20〜62μmの領域の頻度が全領域の10%以下(0%を除く)であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
(4)二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm以上20μm未満の領域であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
(5)原料粉末の組成が、TiBが40〜60質量部、BNが31.5〜58.9質量部、AlNが0.3〜2.0質量部、Sr化合物が0.3〜3.0質量部及びFe又はFe化合物が0.5〜3.5質量部であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ドライエリアにおけるクラックの発生が低減されたボートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
金属蒸着中のボートにおけるドライエリアの発生原因は、装置特性と操業条件に大別される。装置特性としては、金属線の供給位置の変動、ボートを取り付ける電極表面の摩耗による接触抵抗の増加、及び電極の冷却効率の非対称性がある。操業条件としては、金属線供給量とボート温度とのミスマッチがある。一般に、ボートは一度に8〜50本のボートを取り付けて使用されるため、全てのボートでドライエリアを完全に解決することは困難であるため、ドライエリアにおけるクラック低減は、ボートの長寿命化の観点から大きな課題となっている。しかしながら、ドライエリアにおけるクラックの低減方法については効果的な解決方法がなく、更にはドライエリアで発生するクラックの検知及び定量方法も知られていなかった。
【0008】
ドライエリアで発生するクラックは、ボートを構成する主成分の一つであるTiB粒子を避け、TiB粒子のないBN部分に沿ってて進行する傾向があることに着目した本発明者らは、ドライエリアにおけるクラックを低減させるためには、ボート原料に用いるTiB粉末の粒度分布を最適化することによりクラックの進行を阻害させればよいことを見出したものである。
【0009】
すなわち、本発明で用いるTiB粉末は、粒度分布(体積基準)において、5μm未満の領域の頻度が全領域の15%以下、5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の75%以上、20μm以上62μm未満の領域の頻度が全領域の10%以下のものである。TiB粉末の粒度構成は、5μm未満の領域の頻度が全領域の15%以下(0%を除く)と5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の85%以上(100%を除く)、又は5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の90%以上(100%を除く)と20〜62μmの領域の頻度が全領域の10%以下(0%を除く)であってもよい。また、TiB粉末が5μm以上20μm未満の領域のTiB粉末で100%構成されていてもよい。これ以外の頻度粒度分布を有するものであっては、ボートの耐食性が低下したり、ドライエリアにおけるクラックの発生の低減効果が十分ではなくなる。具体的に説明すると、5μm未満の領域の頻度が全領域の15%を超えると、ドライエリアにおけるクラックの低減効果が十分向上しなくなる。5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の75%未満、又は20μm以上62μm未満の領域の頻度が全領域の10%を超えると、溶融金属に対するボートの耐食性が悪化する。
【0010】
本発明のような粒度分布を有する二硼化チタン粉末は、粒度分布の異なる複数の二硼化チタン粉末を用意しておき、それらを適宜量混合することによって製造することができる。二硼化チタン粉末は、市販品、合成品(金属チタンの直接硼化反応、チタニアの還元硼化反応など)のいずれであってもよい。頻度粒度分布(体積基準)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定機で測定される。本発明では日機装社製商品名「マイクロトラック MT3300EX」を用いた。
【0011】
従来、ドライエリアにおけるクラックの検知及び定量化は非常に困難であった。その原因は、ドライエリアで発生する初期のクラックは非常に微細であることに加え、ボートの使用環境が高真空および高温(1700℃以上)であるためである。そこで、本発明者らは、ドライエリアで発生するクラックの検知及び定量法について検討を行い、新規な評価方法を見出した。その評価方法について詳しく説明する。図1に例示したように、ボートをクランプする電極の一方(電極1)に、ボートと電極との接触面積を、ボート端部断面積の7%以下まで著しく低減させた電極を用いた。残る一方の電極(電極2)は、ボートとの接触面積が100%となる通常の電極を用いた。本電極を用いることでボートの接触抵抗が増大し、ドライエリアの発生を誘発することができる。図2にクラックの検知・定量結果の一例を示した。図2は、図1に示した電極を用いて蒸着を行い、ボート中に流れる電流を短スパンで連続測定したものである。電流変化の発生からクラックの発生を検知、電流変化率からクラックの大きさを定量することができる(Jun-ichi susaki、Aimcal Fall Technical Conference 2007)。本評価法の評価条件については実施例で詳しく述べる。本評価法を用いることで、従来の蒸着済みボートの目視による判定に比べて定量的にドライエリアにおけるクラックの低減効果を評価することができた。
【0012】
本発明における原料粉末の割合は、TiBが40〜60質量%、BNが31.5〜58.9質量%、AlNが0.3〜2.0質量%、Sr化合物が0.3〜3.0質量%及びFe又はFe化合物が0.5〜3.5質量%であることが好ましい。本割合からなる混合粉末は、非酸化性雰囲気下、ホットプレス焼結した場合に、ボートに好適なセラミック焼結体が製造できる。詳しく説明すれば、セラミックス焼結体の粉砕物のTiBが40〜60質量%以外であると、ボートの比抵抗が一般的な抵抗加熱用電源で加熱可能な比抵抗の上下限(1500〜4000μΩ・cm)の範囲外となり、抵抗加熱が困難となる。BNが31.5質量%以下であると、ボートが硬くなり、快削性が低下して加工が困難となることに加え、ボートの耐熱衝撃性が低下する。BNが58.9質量%を超えると、ボートの密度が向上しにくくなるためアルミ耐食性が悪化する。AlNが0.3質量%未満であると、ボートの通電特性が悪化する。通電特性の悪化とは、ボートを抵抗過熱によって加熱する際の昇温速度が遅延したり、最悪の場合、指定された蒸着温度まで昇温することができなくなる現象である。AlNが2.0質量%を超えると、液相が高融点化してボートの密度が十分に向上しなくなるため、アルミ耐食性が悪化する。Sr化合物が0.3質量%未満であるとセラミックス焼結体の密度が十分に向上せず、3.0質量%を超えると液相量が低融点化し過ぎてドライエリアでクラックが発生しやすくなる。Fe又はFe化合物が0.5質量%未満であるとボートの通電特性が悪化し、3.5質量%を超えるとアルミ耐食性の悪化およびドライエリアにおけるクラックの発生が顕著になる。
【0013】
本発明で用いる窒化硼素粉末としては、六方晶窒化硼素粉末、アモルファス窒化硼素粉末、又はこれらの混合物が使用できる。窒化硼素粉末は市販品を用いることができる。また、硼砂と尿素の混合物をアンモニア雰囲気中、800℃以上で加熱する方法、硼酸又は酸化硼素と燐酸カルシウムの混合物をアンモニウム、ジシアンジアミド等の含窒素化合物を1300℃以上に加熱する方法などによって製造したものを使用することができる。窒化硼素粉末の平均粒子径は、12μm以下、特に10μm以下であることが好ましい。
【0014】
窒化アルニミウム粉末は、直接窒化法、アルミナ還元法などで製造されたものが使用できる。窒化硼素粉末と窒化アルミニウム粉末の平均粒子径は10μm以下、特に5μm以下であることが好ましい。
【0015】
Sr化合物を例示すればSrO、SrCO、SrBなど、Fe化合物を例示すればFeO、Fe等の酸化物、FeC等の炭化物、FeSi等の珪化物、FeN等の窒化物などである。ともに市販品で十分であり、平均粒子径は50μm以下、特に30μm以下であることが好ましい。
【0016】
原料粉末のホットプレス焼結は、原料粉末を成型した後、非酸化性雰囲気下で行われる。成型には一軸プレス、冷間等方プレス等の方法が採用される。圧力は1〜100MPaが好ましい。ホットプレス条件は、温度1700〜2200℃、加圧力10〜100MPaであることが好ましい。これらの条件を著しく逸脱すると、セラミックス焼結体の密度が十分に向上しないか、又はセラミックス焼結体中の液相成分の大半が失われ脆化する。非酸化性雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウム、炭酸ガス、水素、及びアンモニアのガスから選ばれた少なくとも一種のガスで形成されていること好ましい。ホットプレス焼結は、黒鉛製容器、窒化硼素製容器、窒化硼素で内張した容器などに収納して行うことが望ましい。
【0017】
セラミックス焼結体の相対密度は90%以上、特に93%以上であることが好ましい。相対密度が90%よりも著しく小さいと、溶融金属がセラミックス焼結体の気孔に浸食し、浸食が促進される恐れがある。相対密度は、原料粉末中のAlNとSr化合物の含有率や、ホットプレス条件によって増減させることができる。相対密度の算出方法は実施例で詳しく述べる。
【0018】
ボートは、セラミックス焼結体を適宜形状に加工をすることによって製造される。加工には常法の機械加工等が採用される。ボートの上面及び下面の少なくと一方のほぼ中央部にキャビティを設けることもできる。ボート形状の一例を示せば、全体寸法が縦80〜150mm、幅(横)20〜40mm、厚み8〜11mmの直方体である。キャビティが設けられる場合、キャビティの例としては、縦70mm〜120mm、幅(横)18〜38mm、深さ0.5〜2mmの直方形状である。
【実施例】
【0019】
実施例1〜14 比較例1〜5
表1に示す頻度粒度分布を有する二硼化チタン粉末を分級処理により調整した。一方、市販の窒化硼素粉末(平均粒子径7.1μm、純度99質量%以上)、窒化アルミニウム粉末(平均粒子径4.2μm、純度99質量%以上)、炭酸ストロンチウム粉末(平均粒子径7μm、純度99質量%以上)および鉄粉末(平均粒子径28.5μm、純度98.5質量%以上)を用意した。これらを表2に示す割合で配合し、窒素雰囲気下、ボールミルで1時間混合して原料粉末を調製した。これを黒鉛ダイスに充填し、プレス圧力20MPaで成型を行った。その後、温度1750℃、プレス圧力20MPaでホットプレスを行いセラミックス焼結体(直径200mm×高さ150mm)を製造した。このセラミックス焼結体から、長さ130mm×幅35mm×厚み10mmの直方角柱体を切り出し、その上面中央部に長さ120mm×幅31mm×深さ1.5mmのキャビティを形成させてボートとし、以下の評価を行った。なお、ボート加工にはダイヤモンドホイルを用いた。得られたセラミックス焼結体の特性は表2に示す。
【0020】
(1)二硼化チタン粉末の頻度粒度分布:レーザー回折散乱式粒度分布測定機(日機装社製商品名「マイクロトラックMT3300EX」)を用い、水と試料の混合物を超音波ホモジナイザーで200Wの出力で1分間分散処理してから測定した。粒子径チャンネルは、0.49、0.53、0.58、0.63、0.69、0.75、0.82、0.89、0.97、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.8、1.9、2.1、2.3、2.5、2.8、3.0、3.3、3.6、3.9、4.2、4.6、5.0、5.5、6.0、6.5、7.1、7.8、8.5、9.3、10、11、12、13、14、16、17、19、20、22、24、26、28、31、34、37、40、44、48、52、57、62、68、78、96、105、114、125、136、148、161、176、192μmである。
(2)セラミックス焼結体の相対密度:セラミックス焼結体を所定寸法の直方体に加工し、その外寸及び質量より求めた実測密度を組成比より算出した理論密度で除することにより求めた。
(3)セラミックス焼結体の比抵抗:室温抵抗は、市販機(アドバンテスト社製マルチメーター「型式RS6552」)を用いて測定した。1500℃比抵抗は、ボート両端をクランプで電極につなぎ、キャビティ中央部の温度が1500℃になる電圧を測定し、そのときの電圧と電流から算出した。
(4)通電特性:ボート両端をクランプで電極につなぎ、真空度5×10−2Paの真空中、キャビティ中央部の温度が1500℃になる電圧を印可した。このとき、ボートに流れる電流と電圧を1秒刻みで測定し、昇温中の比抵抗を算出した。通電特性は、式、抵抗倍率=(昇温中の比抵抗の最大値)/(1500℃での比抵抗)、により算出された抵抗倍率が、1.2未満のものは良好(○)、1.2を超えたものは不良(×)とした。
(5)アルミ浸食速度:キャビティ中央部の温度を1600℃に保持し、5×10−2Pa以下の真空下、アルミニウム線材(純度99.9質量%、直径2.0mm)を9.0g/分の速度で1hr供給する蒸着を行った後、室温まで冷却した。これを6サイクル行った後のキャビティの底面に発生した浸食の深さを市販機(キーエンス社製レーザー変位計「LB−1000」)を用いて測定した。
(6)ドライエリア部分におけるクラックの有無:図1に示すような電極にボートを取り付け、チャンバーを5×10−2Pa以下まで真空引きし、6分間で7。0kW(ボート温度1650℃)になるようボートに電力を等速で印加した。その後、アルミニウム線材(純度99.9質量%、直径1.6mm)を9.0g/分の速度で2hr供給する蒸着を行った。蒸着中の電流をスキャン間隔1秒で記録した。測定結果の一例を図2に示す。得られた電流変化記録から、下記に定義した電流変化率が5%以上のものを「クラックあり」、電流変化率が5%以下のものを「クラックなし」と判定した。
電流変化率(%)=(蒸着中における電流値の平均値−蒸着中における電流値の下限値)/蒸着中における電流値の平均値)×100
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

【0023】
実施例と比較例の対比から、本発明で製造されたセラミックス焼結体で構成されたボートは、ドライエリア部分でのクラックが著しく抑制されることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明で製造されたセラミックス焼結体は、ボートの他に、例えばアンモニア等の黒鉛ヒーターを腐食させる雰囲気下で用いる加熱ヒーターとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ドライエリアで発生するクラックの評価方法(電極とボートの位置)
【図2】蒸着時にボート中に流れる電流
【符号の説明】
【0026】
1 ボート
2 電極1
3 電極2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm未満の領域の頻度が全領域の15%以下(0%を除く)、5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の75%以上(100%を除く)、20〜62μmの領域の頻度が全領域の10%以下(0%を除く)であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
【請求項2】
二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm未満の領域の頻度が全領域の15%以下(0%を除く)、5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の85%以上(100%を除く)であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
【請求項3】
二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm以上20μm未満の領域の頻度が全領域の90%以上(100%を除く)、20〜62μmの領域の頻度が全領域の10%以下(0%を除く)であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
【請求項4】
二硼化チタン(TiB)粉末と窒化硼素(BN)粉末を含有する原料粉末を成型後、非酸化性雰囲気下で焼結する方法において、TiB粉末が、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された体積基準の粒度において、5μm以上20μm未満の領域であることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
【請求項5】
原料粉末の組成が、TiBが40〜60質量部、BNが31.5〜58.9質量部、AlNが0.3〜2.0質量部、Sr化合物が0.3〜3.0質量部及びFe又はFe化合物が0.5〜3.5質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−209004(P2009−209004A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54231(P2008−54231)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】