説明

金属被覆ガスケット

【課題】 シート状リングガスケットの内周面及びその近傍に薄い金属材料を被覆するグロメット加工を行う際、リングガスケットの内径毎の金型を揃える必要がなく、また如何なる内径寸法にも材料を無駄にすることのない金属被覆ガスケットの製造方法及び金属被覆ガスケットを提供すること。
【解決手段】 シート状のリングガスケットの内周側に薄い金属材料をグロメット加工して得られる金属被覆ガスケットであって、該金属材料が、テープ状金属材料の長手方向の両端を突合せ溶接したもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油化学、石油精製、鉄鋼、造船、電力等のプラント及び各種工業用機械装置、自動車など広範囲な分野で使用される金属被覆ガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種産業の配管、装置、機器等のつなぎ部分には、フランジなどの接合面間に挟み、ボルトその他の方法で締め付けられて流体の漏れを防ぐガスケットが幅広く使用されている。これらのガスケットとしては、高温、高圧の装置に用いられる金属単体を様々な形状に加工した金属ガスケット、膨張黒鉛テープ等のフィラー材と金属フープを交互に成巻した渦巻きガスケット、ゴムや樹脂単体あるいはこれらの組み合わせからなるガスケットなど、多種多様な形状のものが知られている。このうち、膨張黒鉛シートあるいはジョイントシートなどの軟質のシート状ガスケット基材を打ち抜き加工して得られる製品が汎用ガスケットとして使用されることが多い。
【0003】
膨張黒鉛シートは、例えば天然黒鉛、キッシュ黒鉛等の原料を硫酸、硝酸等の酸化剤で処理した後、高温で加熱することによって層間を膨張させて得られた薄片状の黒鉛を、ロールにて加圧成形することによって得られる膨張黒鉛単体のシートとこれに薄い金属板を貼り合わせた複合シートである。また、ジョイントシートは、基材繊維、ゴム薬品、充填材などの材料に溶剤で膨張させたゴムを配合した混合材料を、カレンダーロールで溶剤の蒸発、加硫、積層を行うことによって製造されるシートである。
【0004】
これらのシート状ガスケット基材は、フランジとの馴染みをよくするために圧縮率が高くなるような多孔質構造となっており、ガス系の流体を完全にシールすることができない。このため、ガス系の流体をシールする目的でペースト状の材料をリング状ガスケットの内周面及びその近傍に塗布したり、薄い金属材料をグロメット加工してリング状ガスケットの内周面及びその近傍に被覆する対策がとられている。
【0005】
このようなリング状ガスケットの内周面又はその近傍に薄い金属材料をグロメット加工する従来方法の一例を図5〜図8を参照して説明する。先ず、薄い金属板を開口101を有するリング形状に打ち抜きリング状シート物100を得る(図5)。次いでリング状シート物100を金型(不図示)にセットし開口101側のシート状部分104が立ち上がるように加工し、筒状部104と筒状部104の一端から外側に屈曲する鍔部102を有するL字断面のリング100aを得る(図6の下側にある部材)。この際、筒状部104の外径はグロメット加工を行うシート状リングガスケット200の内径よりやや小さい径となるようにする。次いでL字断面のリング100aの筒状部104をシート状リングガスケット200の開口201に挿入して、L字断面のリング100aの鍔部102上にシート状リングガスケット200を載せる(図7)。次いで、再度金型で筒状部104の上方部分を外側に屈曲させる、所謂かしめ加工を行い金属被覆ガスケット300を得る(図8)。なお、図8(A)は図7の断面図である。
【特許文献1】米国特許第6,565,099号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のグロメット加工を行う場合、シート状のリングガスケットの内径が大きくなると大きな金属薄板が必要となり、打ち抜いた後の内側あるいは周囲の金属薄板が無駄になる。また、内側の金属板を再利用する場合でも、適当な寸法の製品が必要となるまで、それらを保管しておく必要があり、仕掛け品が多くなることや、保管場所等の点でコストアップの要因となることが多い。また、L字型あるいはかしめ加工に必要となる多段の金型をシート状のリングガスケットの内径寸法が異なるごとに揃える必要があるため、量産品以外は採算が合わないという問題もある。
【0007】
従って、本発明は、上記の課題を解決するものであって、シート状リングガスケットの内周面及びその近傍に薄い金属材料を被覆するグロメット加工を行う際、リングガスケットの内径毎の金型を揃える必要がなく、また如何なる内径寸法にも材料を無駄にすることのない金属被覆ガスケットの製造方法及び金属被覆ガスケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、グロメット加工に用いる金属薄板のガスケットの径方向における長さ(被覆幅)はガスケットの径の大きさに関係なく一定であること、従って、シート状のリングガスケットの内周側に薄い金属材料をグロメット加工する際、該金属材料が、テープ状金属材料の長手方向の両端を突合せ溶接したものであれば、リングガスケットの内径毎の金型を揃える必要がなく、また如何なる内径寸法にも材料を無駄にすることがないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、シート状のリングガスケットの内周側に薄い金属材料をグロメット加工して得られる金属被覆ガスケットであって、該金属材料が、テープ状金属材料の長手方向の両端を突合せ溶接したものであることを特徴とする金属被覆ガスケットを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、テープ状金属材料の長手方向の両端を突合せ溶接してテープ巻きのリング状物を得る工程、次いで該テープ巻きのリング状物を曲げ加工して、シート状のリングガスケットの内周面及びその近傍を該金属材料で被覆する加工工程を有することを特徴とする金属被覆ガスケットの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シート状ガスケットの内周面及びその近傍に薄い金属材料を被覆するグロメット加工を行う際、リングガスケットの内径毎の金型を揃える必要がなく、また如何なる内径寸法にも材料を無駄にすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の金属被覆ガスケットにおいて、シート状のリングガスケットとしては、特に制限されず、例えば膨張黒鉛シート及びジョイントシートが挙げられる。膨張黒鉛シートは、例えば天然黒鉛、キッシュ黒鉛等の原料を硫酸、硝酸等の酸化剤で処理した後、高温で加熱することによって層間を膨張させて得られた薄片状の黒鉛を、ロールにて加圧成形することによって得られる膨張黒鉛単体のシートとこれに薄い金属板を貼り合わせた複合シートである。また、ジョイントシートは、例えば基材繊維、ゴム薬品、充填材などの材料に溶剤で膨張させたゴムを配合した混合材料を、カレンダーロールで溶剤の蒸発、加硫、積層を行うことによって製造されるものである。
【0013】
本発明の実施の形態における金属被覆ガスケットの製造方法を図1〜図3及び図6〜図8を参照して説明する。本発明の金属被覆ガスケットは、テープ状金属材料1の長手方向の両端11、12を突合せ溶接してテープ巻きのリング1bを得る工程、次いで該テープ巻きのリング1bを曲げ加工して、シート状のリングガスケット200の内周面203及びその近傍を該金属材料で被覆する加工工程を有する方法により得られる。
【0014】
テープ状金属材料1の長さ寸法は、概ねテープ巻きのリング1bの内径に円周率を乗じた長さである。従って、グロメット加工するシート状のリングガスケットの内径が定まれば容易に決定できる。また、テープ状金属材料1の幅はシート状のリングガスケットの内周面及びその近傍を被覆するに十分な寸法であればよく、また、シート状のリングガスケットの内径寸法にほとんど影響されず、通常12〜18mm程度である。また、テープ状金属材料1の厚みとしては、従来のグロメット加工で使用されている金属薄板の厚みと同じでよく、例えば0.1〜0.3mmである。また、金属材料としては、例えばSUS304、SUS316等のステンレス材料が、シール流体によって反応や腐食等を起こすことがなく、また入手が容易である点で好ましい。テープ状金属材料1の両端11、12の形状としては、両端11、12を突き合わせた際、上下及び左右対称なテープ巻きリングが形成できればいかなる形状であってもよい。
【0015】
テープ状金属材料1の長手方向の両端11、12を突合せ溶接する方法としては、プラズマ溶接機、TIG溶接機又は抵抗溶接機等を用いて、テープの両端に段差がなく、厚さが均一となる溶接方法が好ましい。抵抗溶接機としては、コンデンサ式抵抗溶接機が好ましい。一般的な溶接であるスポット溶接のような重ね合わせ溶接では、ガス系流体をシールする場合、溶接部からの漏れが生じ易く、またガスケットを締付ける際溶接部の反発力だけが高くなり、ガスケット締め付け力が均一にかからないため、シール性が不十分となる。テープ状金属材料1の端面同士を突き合わせてプラズマ溶接、TIG溶接又は抵抗溶接により接合する方法としては、公知の押さえ治具や溶接条件を適用すればよい。
【0016】
本発明において、代表的な前記加工工程としては、該接合部2を有するテープ巻きのリング1bを曲げ加工して、円筒部13と該円筒部13の一端から屈曲して外側に延出する鍔部14を有するL字断面のリングを得る第1加工工程、該第1加工工程で得られたL字断面のリングの円筒部13を、シート状のリングガスケット200の開口203に挿入する工程、該円筒部13の先端側部分を外側に更に屈曲させ、シート状のリングガスケットの内周面及びその近傍を該金属材料で被覆する工程からなる。すなわち、第1加工工程は、駒あるいは押さえ板などをあてがうことにより、該テープ巻きのリングの内径寸法を一定となるように保持しながら、L字断面のリング1cを得る。
【0017】
具体的には、図4に示すような一対の駒20と不図示の押さえ治具を備えたL字加工装置を用いて逐次折り曲げる方法が挙げられる。一対の駒20を構成する駒20a、20bは同じものであり対向する位置に置かれる。1個の駒20aは上駒21aと、下駒22aとからなる。上駒21aはリング1bの円周と略同じ曲率を有すると共にリング1bの円周の例えば1/5の円周方向の長さlを有する上鉛直部材211と、上鉛直部材211の下端で外側に直角に屈曲する上水平部材212とからなる。下駒22aは上鉛直部材211の高さに水平部材212の厚みを加えた高さhの下鉛直部材221と、下鉛直部材221の下端で外側に直角に屈曲し、上駒21aを馬乗せできる下水平部材223とからなる。一対の駒20は、鉛直部材211、221の曲率が円周の一部であることから、円筒リング1bの曲率に厳密に一致させる必要がなく、多少の寸法違いのものにも適用可能である。
【0018】
先ず、リング1bの上方部を押さえ治具により固定し、下方部の一部に一対の駒20をセットし、上鉛直部材211と下鉛直部材221で形成される隙間23でリング1bを把持し、次いで水平部材を上方へ少しの角度押し上げることで、リング1bの一部を少し曲げる。次いで駒の把持部を90度移動した位置に変え、同様に把持し、同様に少し曲げる。このような一部の位置を徐々に曲げつつ、把持位置を変え、逐次繰り返して行うことで、図3に示すうようなL字断面のリング1cを得る。
【0019】
テープ巻きのリング1bである円筒部材の先端部分を一度に外側に屈曲させると、内径寸法に変化が生じたり、鍔部が波打ちしたりするため、シール性が不十分となる。L字断面のリング1cにおける鍔部14の径方向の長さは、シート状のリングガスケットの表面又は裏面を被覆する部分であって、シート状のリングガスケットの径方向に伸びる長さであり、通常数mm程度である。
【0020】
該第1加工工程で得られたL字断面のリング1cの円筒部13を、シート状のリングガスケット200の開口201に挿入する工程、該円筒部13の先端側部分を外側に更に屈曲させ、シート状のリングガスケット200の内周面203及びその近傍を該金属材料で被覆する工程は、図6〜図8に示すような従来のグロメット加工と同様の方法で行うことができる。すなわち、L字断面のリング1cの筒状部13をシート状リングガスケット200の開口201に挿入して、L字断面のリング1cの鍔部14上にシート状リングガスケット200を載せる(図7)。次いで、再度、筒状部13の上方部分を外側に屈曲させる、所謂かしめ加工を行い金属被覆ガスケット300を得る(図8(A)、(B))。なお、再度、駒あるいは押させ板で筒状部13の上方部分を外側に屈曲させるかしめ加工においては、テープ巻きリング1bをL字断面のリング1cに加工する際と同様に、段階的に幾度かのステップに分けて変形させることが、内径寸法を変形させることがない点で好ましい。なお、このかしめ加工においては、テープ巻きリング1bを曲げ加工する際に使用する駒を同様に用いることができる。
【0021】
このような方法で得られた金属被覆ガスケットの構造は、シート状のリングガスケットの内周側にグロメット加工された薄い金属材料が、軸方向に溶接による接合部が形成されていること以外は、従来の金属被覆ガスケットの構造と同じである。しかも、当該金属被覆ガスケットを製造する方法は、リングガスケットの内径毎の金型を揃える必要がなく、また如何なる内径寸法にも材料を無駄にすることのない点で金属被覆ガスケットを安価に製造できる。
【0022】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【実施例1】
【0023】
(シート状のリングガスケットの作製)
先ず、天然黒鉛を硫酸(酸化剤)で処理した後、高温で加熱することによって層間を膨張させて得られた薄片状の黒鉛を、ロールにて加圧成形することによって膨張黒鉛単体のシートを作製した。次いで2枚の膨張黒鉛単体シート間に薄いSUS304BA材を貼り合わせた複合シートを作製した。更に、内径218mm、外径270mmのリング状になるように打ち抜いて、シート状のリングガスケットを得た。
【0024】
(金属被覆ガスケットの作製)
厚さ0.12mm、幅15mmのSUS304BA材のステンレス鋼帯を長さ685mmに切断し、長手方向の両端をプラズマ溶接機で接合してテープ巻きリングを得た。次いで、図4に示すような駒を用いて曲げ加工を行い図3に示すようなL字断面のリングを得た。L字断面のリングの筒状部をシート状リングガスケットの開口に挿入して、L字断面のリングの鍔部上にシート状リングガスケットを載置した。次いで、図4に示す駒を用いて筒状部の上方部分を外側に屈曲させる、所謂かしめ加工を行い図8(B)に示すような金属被覆ガスケットを得た。得られた金属被覆ガスケットのシール性及びその製造に必要な設備と材料の使用量を評価した。シール性はJIS10Kのフランジに金属被覆ガスケットを面圧34MPaで締付け、0.7MPaの窒素ガスを負荷し、10分間放置後、水中に入れ発生した気泡を10分間捕集し、1分間当たりの漏洩量を算出した。その結果を表1に示す。
【実施例2】
【0025】
内径218mm、外径270mmのリング状に代えて、内径321mm、外径378mmのリング状になるように打ち抜いた以外は、実施例1と同様の方法によりシート状のリングガスケットを得、同様の評価を行った。
(金属被覆ガスケットの作製)
厚さ0.12mm、幅15mmのSUS304BA材のステンレス鋼帯を長さ1008mmに切断し、長手方向の両端をプラズマ溶接機で接合してテープ巻きリングを得た。次いで、図4に示すような駒を用いて図3に示すようなL字断面のリングを得た。その後は、実施例1と同様の方法により金属被覆ガスケットを得、同様の評価を行った。なお最後のかしめ加工で用いた駒は、テープ巻きリングを曲げ加工する際に使用した駒と同様のものを用いた。
【実施例3】
【0026】
膨張黒鉛複合シートの代わりに、以下のジョイントシートを用いた以外は、実施例1と同様の方法で金属被覆ガスケットを得、同様の評価を行った。
(ジョイントシートの作製)
芳香族ポリアミド繊維24重量%、ゴム薬品5重量%、カオリンクレー46重量%及びタルク15重量%及び溶剤で膨張させたNBRゴム10重量%を配合した混合材料を、カレンダーロールで溶剤の蒸発、加硫、積層を行うことによりジョイントシートを作製した。更に、内径218mm、外径270mmのリング状になるように打ち抜いて、シート状のリングガスケットを得た。
【0027】
比較例1
厚さ0.12mm、幅15mmのSUS304BA材のステンレス薄板から内径211mm、外径225mmのリングを打ち抜いた。これを専用金型A1、A2、A3で変形加工してL字断面のリングを得た。次いで、L字断面のリングの筒状部を実施例1と同様のシート状リングガスケットの開口に挿入して、L字断面のリングの鍔部上にシート状リングガスケットを載置した。次いで、専用金型B1、B2、B3で筒状部の上方部分を外側に屈曲させる、所謂かしめ加工を行い図8(B)に示すような金属被覆ガスケットを得た。得られた金属被覆ガスケットのシール性及びその製造に必要な設備と材料の使用量を評価した。
【0028】
比較例2
厚さ0.12mm、幅15mmのSUS304BA材のステンレス薄板から内径314mm、外径328mmのリングを打ち抜いた。これを専用金型C1、C2、C3で曲げ加工してL字断面のリングを得た。次いで、L字断面のリングの筒状部を実施例2と同様のシート状リングガスケットの開口に挿入して、L字断面のリングの鍔部上にシート状リングガスケットを載置した。次いで、専用金型D1、D2、D3で筒状部の上方部分を外側に屈曲させる、所謂かしめ加工を行い図8(B)に示すような金属被覆ガスケットを得た。得られた金属被覆ガスケットのシール性及びその製造に必要な設備と材料の使用量を評価した。
【0029】
【表1】

【0030】
表1から明らかなように、実施例の金属被覆ガスケットは、比較例に比べてステンレス板の使用量が少なく、ガスケットの内径毎に金型が必要となることがない。すなわち、実施例の場合、L字断面のリングを得る第1曲げ加工と最後のかしめ加工で使用する曲げ加工装置は共に同じ装置を用いることができると共に、ガスケットの内径が異なっても同様の装置を使用することができる。しかし、比較例1はL字断面のリングを得る第1曲げ加工と最後のかしめ加工で使用する曲げ加工装置は別装置であり、更に内径が異なる場合、更に別装置が必要となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の金属被覆ガスケットで用いるテープ状物の正面図である。
【図2】本発明の金属被覆ガスケットで用いるリング状物の斜視図である。
【図3】図2のリング状物を屈曲加工したL字断面のリングの斜視図である。
【図4】図3のL字断面のリングを作製する駒の簡略図である。
【図5】従来のグロメット加工で用いる中心に開口を有する金属円板の斜視図である。
【図6】シート状リングガスケットにL字断面のリングを挿入する状況を示す図である。
【図7】図6の後工程で、シート状リングガスケットにL字断面のリングが嵌め込まれた断面図である。
【図8】(A)は図7の断面図、(B)は本発明の金属被覆ガスケットのグロメット加工部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 テープ状金属材料
1b テープ巻きのリング
1c L字断面のリング
13 円筒部
14 鍔部
11、12 テープ状金属材料の長手方向の両端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のリングガスケットの内周側に薄い金属材料をグロメット加工して得られる金属被覆ガスケットであって、該金属材料が、テープ状金属材料の長手方向の両端を突合せ溶接したものであることを特徴とする金属被覆ガスケット。
【請求項2】
前記突合せ溶接が、プラズマ溶接、TIG溶接又は抵抗溶接であることを特徴とする請求項1記載の金属被覆ガスケット。
【請求項3】
テープ状金属材料の長手方向の両端を突合せ溶接してテープ巻きのリング状物を得る工程、次いで該テープ巻きのリング状物を曲げ加工して、シート状のリングガスケットの内周面及びその近傍を該金属材料で被覆する加工工程を有することを特徴とする金属被覆ガスケットの製造方法。
【請求項4】
前記加工工程は、該テープ巻きのリング状物を曲げ加工して、円筒部と該円筒部の一端から屈曲して外側に延出する鍔部を有するL字断面のリングを得る第1加工工程、該第1加工工程で得られたL字断面のリングの円筒部を、シート状のリングガスケットの開口に挿入する工程、該円筒部の先端側部分を外側に更に屈曲させ、シート状のリングガスケットの内周面及びその近傍を該金属材料で被覆する工程からなることを特徴とする請求項3記載の金属被覆ガスケットの製造方法。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−118528(P2006−118528A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303896(P2004−303896)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】