説明

金属製ふるい材料およびその製造方法

【課題】金属製ふるい材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明により、ふるい開口52、詳細には微小寸法のふるい開口52を備えた実質的に平らな金属製のふるい材料50が提供される。ふるい開口52は、主表面58に対して平行のふるい材料の平面に少なくとも1つの通路56を備えており、一方、入口54および出口60は、同じ主表面に開放させることも、あるいは異なる主表面に開放させることもできる。本発明により、さらに、犠牲材料が使用される電鋳技術によって、このようなふるい材料を製造するための方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様によれば、本発明は、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面を備え、ふるい開口を備えた金属製ふるい材料、詳細には微細ふるいまたは精密濾過器に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明において、「微細ふるい」という用語は、その製品の用途とは無関係に、寸法がミクロンまたはサブミクロンの範囲の開口を有する製品に対する一般的な名称として使用されている。
【0003】
微細ふるいについては当分野で知られている。このようなふるい材料は、しばしば、プラスチック材料またはセラミック材料を使用して、たとえばリソグラフィ技術を使用して構築されている。たとえばWO 02/43937 A2およびNL−1006118 Cを参照されたい。実質的に平行な2つの主表面を備えたこれらの知られている平らなふるい材料の場合、ふるい開口は、ふるい材料の一方の主表面から他方の主表面まで直線的に延在している貫通開口である。言い換えると、このようなふるい開口は、2つの主表面のうちの一方の主表面に入口を有しており、他方の主表面までそのふるい材料の厚さを貫通して直線的に延在し、他方の主表面で、出口に開放されている。
【0004】
また、当分野には、金属製の微細ふるいが必要である。スクリーン印刷技術に使用するためのふるいを製造するための従来の電鋳技術では、断面寸法が微小なふるい開口を必要な精度で得ることができないため、これらの技術は、このような金属微細ふるいの製造には適していない。というのは、ふるい開口の特性を大きく左右するフォトレジストの分布が大き過ぎる、あるいはオーバグロース(overgrowth)原理(ダイ上の絶縁領域に部分的に金属が成長する)を利用する場合、ミクロンまたはサブミクロンの範囲の開口を得るには、付着する金属の厚さの分布が大き過ぎるからである。
【特許文献1】国際公開第02/43937号パンフレット
【特許文献2】オランダ国特許出願公開第1006118号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0272764号明細書
【特許文献4】米国特許第6036832号明細書
【特許文献5】米国特許第4772540号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/028875号明細書
【非特許文献1】Safranek、Metal Finishing Guide
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、このような金属製のふるい材料を提供することであり、また、その製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、本発明により、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面を備えた金属製のふるい材料が提供される。このふるい材料は、複数の入口および出口を備えており、入口は、主表面に対して平行のふるい材料の平面に位置している少なくとも1つの通路によって少なくとも1つの出口に接続されている。言い換えると、電鋳ふるい材料であることが好ましいこのふるい材料は、以下、その用途に無関係にふるい開口とも呼ばれている複数の開口を備えており、開口は、少なくとも1つの入口、少なくとも1つの出口、および前記ふるい材料の主表面に対して平行なふるい材料の平面内で1つまたは複数の入口および1つまたは複数の出口を互いに接続している少なくとも1つの通路を有している。したがってこの通路は、入口と出口との間の前記ふるい材料の主表面に対して平行に延在している接続部分である。入口および出口は、上記主表面に対して概ね直角に延在している。入口および出口は、投影では一切重なりを示さないことが好ましい。入口および出口は、異なる主表面または同じ主表面のいずれかの主表面で開放されている。
【0007】
知られている微細ふるい材料とは異なり、本発明によるふるい材料のふるい開口は、単一の主方向に貫通していないが、このふるい開口は、その平面自体が主表面に対して平行のふるい材料の平面に通路を備えている。ふるい材料の平面の前記通路は、ふるい材料の主表面のふるい開口の少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口と連絡し、かつそれらの間を延在している。入口および出口は、同じ主表面に位置していてもよいし、あるいは実質的に平らなふるい材料の互いに反対側の主表面に位置していてもよい。通路は、必要に応じてその一方の端部または両端を、1つまたは複数のデッドエンドチャネルと連絡させることも可能である。このようなデッドエンドチャネルも、同様にふるい材料の平面に位置しているが、入口および出口の両方ではなく、そのいずれか一方にのみ隣接している。本発明によるふるい材料のふるい特性は、この通路の高さによって決まるが、ふるい材料全体の厚さ自体は、必要に応じて選択することができる。言い換えると、ふるい(分離)特性を変更することなく、特定の用途によって設定される要求事項に、ふるいの機械的な強度を適合させることができる。したがって本発明によるふるいは、圧縮にさらすことができ、また、振動および/または衝撃にさらすことができる。また、本発明による導電金属製の微細ふるいは、たとえば双極子モーメントを有する化合物と共に動作させる場合、それらに反発電荷または吸引電荷を印加することによって利点を提供することができる。
【0008】
本発明によるふるい材料の通路の高さは、10ナノメートル以上の範囲にあることが有利であり、10ナノメートルから10マイクロメートルまでの範囲内にあることがより好ましい。
【0009】
本発明によるふるい材料は、実質的に平らであることが好ましい。本発明による平らなふるい材料は、必要に応じて曲げることができる。また、円筒状の電鋳ダイを直接使用して、円筒状のふるい材料を製造することも可能である。
【0010】
本発明によるふるい材料の他の実施形態では、ふるい材料の厚さ方向から見た通路の高さは、通路の長さおよび/または幅より短くなっている。通路は、以下の説明から明らかになるように、本発明によるふるい材料を製造するための好ましい方法による結果として、通常、実質的に長方形の断面を有している。
【0011】
本発明によるふるい材料の金属は、電鋳可能な金属であることが好ましく、ニッケルまたはニッケルパラジウム合金であることがより好ましい。
【0012】
本発明によるふるい製品は、ふるい開口の性質が規則的であり、詳細には1つまたは複数の通路の高さが一様である点で発泡金属とは異なっている。一方、発泡金属は、表面の入口および出口と連絡していないチャネルまたは孔、および/またはデッドエンドチャネルを備えている。これらのチャネルは、必ずしもそれらのすべてが主表面に対して平行な通路を有しているわけではない。発泡金属中のチャネルは、その高さの寸法が一様ではなく、したがって強度特性および分離特性が、場所によって変化することがある。また、本発明によるふるい材料を濾過器として使用する場合、絶対濾過が生じるが、発泡金属、陽極処理濾過器、および重合体濾過器の場合、それは深層濾過の問題である。
【0013】
第2の態様によれば、本発明により、ふるい開口を備えた金属製のふるい材料を製造するための方法が提供される。そのために、本発明による方法は、ふるい材料は、複数の入口および出口を備えており、1つの入口は、前記ふるい材料の主表面に対して平行のふるい材料の平面に位置している少なくとも1つの通路によって、少なくとも1つの出口に接続される、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面を備えた金属製のふるい材料を得るために、
・ 自由表面およびその反対側に位置している成長表面を備えた第1の金属層のアセンブリを提供するステップを含み、犠牲材料の少なくとも部分領域が、成長表面に提供され、金属層の自由表面が、ふるい材料の第1の主表面を画定し、犠牲材料の部分領域の一部が、ふるい材料の主表面に対して平行に形成される通路を画定し、方法はさらに、
・ 第1の金属層の成長表面に、および犠牲材料の部分領域を覆って第2の金属層を付加するステップを含み、形成された第2の金属層の自由表面が、ふるい材料の第2の主表面を画定し、少なくとも1つの入口が、いずれか一方の主表面に提供され、また少なくとも1つの出口が、いずれか一方の主表面に提供され、方法はさらに、
・ 通路を形成するために、入口および/または出口を介して犠牲材料の部分領域を除去するステップを含む。
【0014】
本発明による方法を使用することにより、直線的に貫通していないふるい開口を有する上記ふるい材料製品を製造することができる。言い換えると、入口および出口は、共通の長手方向軸を有していない。本発明によれば、ふるい開口の通路の最終的高さを決定しているのは、とりわけ、極めて薄い層として付着させることができる犠牲層の厚さである。通路は、第2の金属層に存在している。したがって、ふるい開口の寸法、詳細にはその通路の寸法が、サブミクロンの範囲であり、最大数ナノメートルで分布している金属ふるい製品を製造することができる。主表面に対して直角の投影で、入口および出口は重ならないことが有利であり、したがっていかなる観察角度からも直接見ることは絶対にできない。犠牲材料の1つまたは複数の部分領域は、たとえばリソグラフィなどのパターニングによって(フォトレジストをマスク露光し、現像することによって)、またはレーザによって直接金属層に付加することができ、あるいは最初に犠牲材料の連続層を金属層に付加し、次に犠牲材料を除去することにより1つまたは複数の部分領域を形成することによって間接的に金属層に付加することができる。
【0015】
本発明のこの方法によれば、犠牲材料の部分領域をその主表面に備えた第1の金属層を備えたアセンブリが、開始材料として使用される。この主表面は、連続するプロセスステップでこの主表面に第2の金属層が付加されるため、この説明の中では成長表面と呼ばれる場合もある。金属が付着されない反対側の自由表面は、最終ふるい材料の主表面と呼ばれる。第2の金属層は、第1の金属層の成長表面に付着される。この付着は、犠牲材料の部分領域が同じく金属によって覆われるまで継続される。こうして得られる中間製品の犠牲材料の部分領域は、他の材料によって完全に囲まれる。次に、入口を画定する少なくとも1つの凹所が、主表面の部分領域に構築される。同様の方法で、少なくとも1つの出口が主表面に形成される。第1の金属層の主表面に入口および/または出口を形成する場合、当該凹所(必要に応じて充填される)を、予めアセンブリに存在させることができ、あるいは第2の金属層の付着に先立って当該凹所をアセンブリに構築することも可能であることは理解されよう。前記凹所は、たとえばレーザ、エッチング等を使用した切断、せん孔によって構築することができる。この凹所は、以下で説明するように、電鋳によって形成されることが好ましい。
【0016】
好ましい実施形態では、本発明による方法は、ふるい材料はふるい開口を備えており、ふるい開口は、異なる主表面に開放された入口および出口を有し、入口と出口との間の主表面に対して平行のふるい材料の平面に少なくとも1つの通路を備えた、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面を備えた金属製のふるい材料を得るために、
a)選択的に除去することができる犠牲材料の連続層と、該連続層上に位置する、前記犠牲材料とは異なる第1の導電金属の層とのアセンブリを提供するステップを含み、導電金属の層が、該導電金属の層の厚さ方向に貫通して延在し、かつ除去可能な充填材料が充填された少なくとも1つの開口を有し、方法はさらに、
b)犠牲材料を除去するために使用される方法では除去することができない除去可能被覆材料の少なくとも1つの領域を、投影で導電金属の層の上記開口と重なる位置に、犠牲材料の層の露出側に付加しかつ形成するステップと、
c)露出した犠牲材料を選択的に除去するステップと、
d)残りの犠牲材料から除去可能被覆材料の領域を除去するステップと、
e)投影では残りの犠牲材料と重なり、かつ導電金属の第1の層の開口と重ならない位置に、除去可能な電気絶縁材料の少なくとも1つの領域を付加するステップと、
f)残りの犠牲材料の露出表面および導電金属の第1の層の成長表面に、電鋳可能な金属の第2の層を電鋳するステップと、
g)除去可能充填材料、除去可能絶縁材料、および残りの犠牲材料を除去するステップとを含む。
【0017】
本発明による方法のこの実施形態の第1のステップで、アセンブリ、詳細には犠牲材料の連続層もしくは中実層と、犠牲材料とは異なる導電金属の第1の層とを備えた平らなアセンブリが、提供される。この第1の層は、最終ふるい材料の主表面を画定している自由表面と、本発明による方法のこの段階で、犠牲材料で完全に覆われる成長表面とを有している。犠牲材料は、たとえばフォトレジストなどの熱分解可能な有機材料であり(しかしながら、この材料は、適切な溶媒中で溶解させることによって除去することも可能である)、導電性犠牲材料であることがより好ましい。また、前記犠牲材料は、たとえばその犠牲材料が金属の場合、選択エッチング剤などの選択除去剤によって、導電金属に対して選択的に除去することができる。犠牲材料のこの層上に、上記犠牲材料とは異なる導電金属の層が存在している。導電金属のこの層には、その厚さ方向に貫通して延在している少なくとも1つの開口が提供されている。前記開口には、除去可能な充填材料が充填されている。第2のステップで、犠牲材料の層の露出側、すなわち導電金属の層が存在していない側に、犠牲材料を除去する方法と同じ方法では除去することができない除去可能被覆材料の少なくとも1つの領域が付加される。この領域は、投影では、この領域が、導電金属の層の開口中の除去可能充填材料と重なるように付加されかつ形成される。後続するステップで、依然として露出している犠牲材料が、たとえば熱分解によって、あるいは選択除去剤を使用して導電金属の層まで選択的に除去される。したがってこのステップで、自由表面(ふるい材料の主表面)で開放された、充填された開口をその中に備えた導電金属の前記層を備え、導電金属の前記層の上、すなわち成長表面に、犠牲材料の上に依然として存在している除去可能被覆材料の領域に対応する犠牲材料の領域を有する中間製品が得られる。除去可能被覆材料のこの領域は、同様にその後除去される。続いて、投影では除去可能電気絶縁材料の領域と残りの犠牲材料が重なるが、この除去可能電気絶縁材料の領域と導電材料の層の開口中の除去可能充填材料が重ならないように、除去可能電気絶縁材料の領域が再度付加される。次に、残りの犠牲材料の露出導電表面および導電金属の第1の層の露出導電表面(成長表面)に、電鋳可能な金属の第2の層が、所望の厚さが得られるまで付着される。最後に、除去可能充填材料、除去可能絶縁材料、および残りの犠牲材料が、逐次除去されるか、あるいは同時に除去される。このように、ふるい開口を備えた金属製のふるい材料が得られ、この金属製ふるい材料の開口は、異なる主表面で開放されている入口と出口との間のふるい材料の平面に、少なくとも1つの通路を有している(犠牲材料を除去することによって得られる)。
【0018】
たとえば、犠牲層と該犠牲層上に電鋳される第2の層との間の望ましくない粘着を抑制しあるいは防止するために、必要に応じてパッシベーション技術を使用することができる。とりわけ金属層を活性化させるために、対応する方法でたとえばフラッシュ処理を施すことができ、一方、プラスチック製の犠牲材料を活性化について、たとえば導電金属の薄い層をスパッタリングすることが有利である場合もある。それぞれ最終製品の入口(または出口)および出口(または入口)を形成する開口を、第1の層および第2の層に形成するためには、パターン形成可能な保護材料を使用することが好ましく、光導電ラッカの比較的分厚い層を使用することがより好ましい。ここでは、付加される材料領域の高さは、電鋳される層の所望の厚さより高くなっており、したがってその領域に対する金属のオーバグロースは生じない。しかしながらオーバグロース技術は、対象外ではない。
【0019】
重なる領域に関連する条件が様々な部分ステップで合致する場合、開口の形状、除去可能被覆材料の領域の形状によって決まる犠牲材料の残りの領域、および絶縁材料の形状は、自由に選択することができるが、条件が合致しない場合、様々な層に形成される孔と空洞との間の連絡は存在しないことになる。必要に応じて、入口、出口、および通路の数を選択することができることは理解されよう。入口は、複数の通路と開放連絡させることができ、一方、通路は、複数の入口および/または出口と開放連絡させることができる。
【0020】
ステップa)で開始材料として使用されるアセンブリは、たとえば上記開口を形成することになる絶縁材料の領域の周りで、ダイに通常の方法で導電金属の第1の層を電鋳し、次に第1の層の上に犠牲材料の薄い層を付着させることによって、様々な方法で得ることができる。また、開口は、前記第1の層から金属を選択的にエッチングし、除去可能な充填材料を充填することによって構築することも可能である。
【0021】
しかしながら、所望する精度および小さい許容誤差の観点から、
1)導電基板に犠牲材料の層を付加するステップと、
2)形成すべき開口の位置に絶縁材料の領域を付加するステップと、
3)犠牲材料の層の露出表面に導電金属の第1の層を電鋳するステップと、
4)導電基板から犠牲材料の層と導電金属の第1の層とのアセンブリを除去するステップとによって、アセンブリが製造される、本発明による方法が使用されることが好ましい。
【0022】
使用される基板は、基板を導電性にするために、たとえばスパッタリングによって薄い金属層が付加されたガラスなどのそれ自体が電気絶縁性の基板であってもよい。この導電層は、ステップ4で基板に残される。犠牲材料の層、詳細には実質的に一様な厚さの極めて薄い層を基板に付加するための、たとえばスパッタリング、化学気相成長法、物理蒸着法、スピン塗布方式などの様々な技術が存在している。これらの技術を使用して、たとえば厚さが最大10マイクロメートル、好ましくは10ナノメートルから5マイクロメートルの範囲の薄い犠牲材料の層を付着させることができる。特に、クロムの極めて薄い層(たとえば数ナノメートルの厚さの層)を、スパッタリングによって付着させることができる。この厚さによって、最終ふるい材料のふるい開口の通路の最終的な高さが決まる。次に、犠牲材料のこの層上に、従来の電鋳技術によって導電金属の層が付着され、続いて、このようにして得られたアセンブリが、絶縁基板から除去される。
【0023】
有利には、充填材料、除去可能被覆材料、および/または絶縁材料は、フォトレジスト(ポジ型またはネガ型)であり、したがって従来のパターニング技術を使用して、開口および犠牲層上の絶縁被覆材料の領域を形成し、最終的に最終電鋳ステップのための絶縁材料の領域を形成することができる。絶縁材料の領域をパターニングしている間、開口の充填材料として使用されているフォトレジストまでが溶解し、あるいは損傷しないことを保証するためには、その目的を達成するために、異なるタイプのフォトレジストを使用することが好ましい。フォトレジストは、通常、適切な溶媒中で溶解させることによって除去される。
【0024】
犠牲材料は、十分な導電率を付与するために、薄い活性化層を必要に応じて備えたフォトレジストであってもよい。犠牲材料は、導電金属であることが好ましく、導電金属および/または電鋳可能金属の層のための好ましい材料、すなわちニッケルおよびニッケルパラジウム合金に関連して、エッチングによる選択的な除去がより容易である、銅またはクロムであることがより好ましい。たとえば、Safranek、Metal Finishing Guideに、適切な選択エッチング剤の例が記載されている。とりわけ、フォトレジストを除去する場合、KOH、クロムに対しては、たとえばHC1を使用することができ、また、銅に対してはCr/HSOなどの薬剤を使用することができる。また、フォトレジストなどの有機犠牲材料は、熱分解によっても除去することができる。いくつかのプラスチック犠牲材料に対しては、レーザアブレーションを使用することができる。
【0025】
犠牲材料の層の厚さは、最大10マイクロメートまでの範囲であることが有利であり、10ナノメートルから5マイクロメートルまでの範囲内にあることがより好ましい。犠牲材料の層の厚さは、ステップb)で付加される除去可能材料の領域の最大長および/または最大幅の寸法未満であることが有利である。
【0026】
上で説明した方法を使用することにより、複数の入口および出口の有無にかかわらず、ふるいの特性を決定する通路を多数のパターンで配置することができる、ふるい材料を製造することができる。通路は、垂直方向の投影では、長方形、多角形、円、楕円、テーパ状、星形などの多くの異なる形状を有する通路であってもよい。ふるい材料がブロックされる危険を低減する観点からすると、通路が、入口から出口に向かって、つまり濾過方向に広くなっている高さは、通路のすべての部分で同じである)テーパ状の通路であることがとりわけ好ましい。
【0027】
上で説明した本発明による方法の本質は、その厚さによってふるい材料のふるい特性が決まる犠牲層を使用していることである。上で説明した本発明による方法の実施形態では、入口および出口は、それぞれ主表面の反対に配置されている。これは、とりわけ好ましい。
【0028】
また、同じ技術は、同じ主表面に入口および出口が配置されたふるい材料を製造することも可能である。
【0029】
そのために、第1の変形態様では、方法は、ふるい開口は、同じ主表面に開放された少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有し、入口と出口との間の主表面に対して平行のふるい材料の平面に少なくとも1つの通路を備えた、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面を備えた金属製のふるい材料を得るために、
01)選択的に除去することができる犠牲材料の連続層と、連続層上の、前記犠牲材料とは異なる第1の導電金属の層とのアセンブリを提供するステップと、
02)犠牲材料の層の露出側に、犠牲材料を除去するために使用される方法では除去することができない除去可能被覆材料の少なくとも1つの領域を付加するステップと、
03)露出した犠牲材料を選択的に除去するステップと、
04)残りの犠牲材料から除去可能被覆材料の領域を除去するステップと、
05)投影で残りの犠牲材料と重なる位置に、除去可能絶縁材料の少なくとも2つの領域を付加するステップと、
06)残りの犠牲材料の露出表面および導電金属の第1の層の成長表面に電鋳可能な金属の第2の層を電鋳するステップと、
07)除去可能絶縁材料および残りの犠牲材料を除去するステップとを含む。この変形態様では、出口および入口は、第2の層に提供されている。
【0030】
第2の変形態様では、方法は、ふるい材料は、同じ主表面に開放された少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有するふるい開口を有しており、入口と出口との間の主表面に対して平行のふるい材料の平面に少なくとも1つの通路を備えた、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面を備えた金属製のふるい材料を得るために、
I)選択的に除去することができる犠牲材料の連続層と、連続層上の、前記犠牲材料とは異なる導電金属の層とのアセンブリを提供するステップを含み、導電金属の層が、その厚さ方向に貫通して延在している、除去可能な充填材料が充填された少なくとも2つの開口を有し、方法はさらに、
II)犠牲材料を除去するために使用される方法では除去することができない除去可能被覆材料の少なくとも1つの領域を、投影で導電金属の層の少なくとも2つの開口と重なる位置に、犠牲材料の層の露出側に付加するステップと、
III)露出した犠牲材料を選択的に除去するステップと、
IV)残りの犠牲材料から除去可能被覆材料を除去するステップと、
V)残りの犠牲材料の領域の露出表面および導電金属の第1の層の成長表面に電鋳可能な金属の第2の層を電鋳するステップと、
VI)除去可能充填材料および残りの犠牲材料を除去するステップとを含む。この変形態様では、入口および出口は、第1の金属層によって画定された主表面に位置している。
【0031】
方法の第1の実施形態の場合に、採択に関して上で言及した内容は、必要な変更を加えて、方法の上記の変形態様の両方に適用することができる。
【0032】
本発明によるふるい材料は、たとえばプラスチック濾過器材料および/またはセラミック濾過器材料が現在使用されている多くの目的に使用することができる。また、本発明によるふるい材料は、良好な機械特性を有しているため、前記ふるい材料は、より大きい負荷にさらすことができる。可能な適用例には、ビール、インク、ペイント、着色料、および顔料の濾過または精密濾過、粒径分離、廃棄物流の浄化および/または精製、寸法が10マイクロメートル未満、詳細には2.5マイクロメートル未満の微細塵粒子をトラップするための微細塵濾過器、詳細にはディーゼル燃焼流の煤濾過器、微小熱交換器、および食品修正および食品形成における食品成分の分離などがある。
【0033】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1〜図14は、微小寸法のふるい開口を有するふるい材料を製造するための方法を略図で示したものである。これらの図面は、説明を意図したものにすぎず、縮尺通りには描かれていない。これは、とりわけ犠牲材料の層の厚さに対して当てはまる。
【0035】
図1では、たとえば電気的に導電性されたガラス製の板状基板に、銅などの犠牲材料の薄い犠牲層12が付着されている。次に、犠牲層12の自由表面14にフォトレジストエマルジョンが塗布される。このフォトレジストエマルジョンが、マスクを介して露光され、続いて露光部分が洗い落とされ、それによりフォトレジストの非露光部分が、犠牲層12の表面に残される。示される実施形態では、フォトレジストの除去されていない部分が、断面が正方形の2本の細長いストリップ16を形成している。
【0036】
図2に示すように、この場合は本質的に導電性である犠牲層12が、電鋳槽中のカソードとして接続される電鋳によって、ここではニッケルである導電金属の第1の層18が、たとえばニッケルサルファメート槽からストリップ16の周囲の表面14に付着される。したがって第1の層18は、方法のこの段階では、依然としてフォトレジストストリップ16で充填されている2つの開口20を備えている。次のステップで、犠牲層12と、依然としてフォトレジストストリップ16で充填されている開口20を備えた第1の層18とのアセンブリが、基板10から除去され、続いて向きを変えられる。
【0037】
除去可能な被覆材料の、ここでは同じくフォトレジストの長方形領域の形態である2つの領域22が、標準のパターニング技術によって、銅層12の自由表面20に付着される(図3参照)。これらの2つの領域は、開口20(図3には示されていない)または第1の層18のフォトレジストストリップ16と部分的に重なる。同じく、以下で説明する図4を参照されたい。露出している銅が、選択エッチング剤を使用して、フォトレジストストリップ22の下側を除いて、第1の層18およびストリップ16まで除去され、それにより図4に示す中間製品が得られる。この図から、除去可能な被覆材料の領域22および充填材料の領域16が、互いに部分的に重なることが明確に分かる。同じく図5に示す断面図を参照されたい。次に、同じく領域22が除去され、それにより銅層12の残りの部分領域24が、露出する(図6参照)。領域22が除去されると、フォトレジストなどの絶縁材料の領域26が、パターニング技術によって再度付加される。この絶縁材料の領域26は、この領域26と犠牲材料の残りの部分領域24とが部分的に重なるが、この領域26と導電金属の第1の層18のストリップ16とが重ならないように付加される。図7および図8に示す断面図を参照されたい。この完全なユニットは、電鋳槽、たとえば上記ニッケルサルファメート槽の中に置かれ、カソードとして接続される。それにより、電流がスイッチオンされると、残りの銅領域24の両方の露出導電表面、およびストリップ16を覆うオーバグロースを含んだ第1の層18の露出表面(成長表面)に、電鋳可能な金属の第2の層28が付加される。図9および図10を参照されたい。次に、たとえば適切な溶媒によって、ふるい材料の両側の充填材料16および絶縁材料26が除去され、それにより銅層12の部分領域24の一部が露出し、次に、先行するステップで使用された選択除去剤を使用してエッチング除去される。図12〜図14を参照されたい。このようにして得られた、参照符号50でその全体が示されているふるい材料には、ふるい開口52が存在しており、このふるい開口は、示される実施形態では、ふるい材料50の主表面58に対して直角の方向に入口54を備えている(開口20と比較されたい)。これらの入口54は、ふるい材料50の平面に位置している、つまり主表面58に対して実質的に平行に位置している通路56と連絡している。これらの通路は、ふるい材料50の他の表面58に対して垂直の方向に位置している出口60と連絡している。示される実施形態では、通路56は、入口54によってデッドエンド57と連絡している。
【0038】
図15および図16は、本発明による方法によって得ることができるふるい開口52の異なるパターンを示したものである。これらのすべての実施形態では、ふるい開口52は、ふるい材料50の平面に位置している通路56を備えている。分かり易くするために、ハッチングが施されていない方が入口54であり、ハッチングが施されている方が出口60である。
【0039】
領域16、22、および26を正しく位置決めすることにより、最終ふるい材料では、入口54から出口56を直接見通せなくなることが確実となる。
【0040】
ふるい材料の主表面に対して平行の通路によって互いに接続された入口および出口を、同じ表面で開放する必要がある場合、図6に示す状況から開始して、第1の層18の露出表面および犠牲材料の領域24に、電鋳可能な材料の第2の層を直接付着させることができ、次に領域16が除去され、続いて領域24がエッチ除去される。このようにして得られたふるい材料は、通路を介して互いに連絡している入口および出口を有する第1の金属層18にふるい開口を備えている。
【0041】
匹敵する方法で、第1の連続層18(図6参照、ただし充填材料16が充填された開口20は存在していない)と、該連続層18の上に形成された犠牲層12の領域24とのアセンブリから開始して、領域24と部分的に重なる絶縁材料の2つの領域を付着させ、次に、第1の層18の露出表面および犠牲層12の領域24の露出表面を覆って、絶縁材料のこれらの領域の周りに電鋳可能な材料の第2の層を電鋳することも可能である。絶縁体領域を除去し、引き続いて領域24を除去すると、同じ主表面に入口および出口を有する開口を備えた製品が得られる。入口および出口は、主表面に対して平行の通路によって互いに接続されている。図18を参照されたい。
【0042】
図17は、本発明によるふるい材料50の基本実施形態を示したもので、第1の主表面58で開放された入口54が、第1の金属層18に形成されている。この入口54は、第2の金属層28を主表面58に対して平行に、主表面58で開放された出口60まで延在する通路56と開放連絡している。分かり易くするために、点線で通路56の両端部が示されている。
【0043】
図18は、本発明によるふるい材料50のもう1つの基本実施形態を示したもので、入口54および出口60は、いずれも第2の金属層28の同じ主表面58で開放されており、第2の金属層28を主表面58に対して平行に延在している通路56によって、互いに連絡している。
【0044】
図19は、テーパ状の通路56の好ましい実施形態を略図で示したもので、入口(図示せず)と連絡している方の端部の幅がbであり、また出口(同じく図示せず)と連絡しているもう一方の端部の幅は、幅bより広いb’である。hで示されている高さは、全体で同じである。前記高さhによって、ふるいの特性が決まる。「l」は、通路の長さを表している。同じく図17を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す図である。
【図2】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図3】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図4】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図5】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図6】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図7】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図8】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図9】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図10】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図11】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図12】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図13】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図14】本発明による方法の好ましい実施形態および前記方法によって得られるふるい材料を示す他の図である。
【図15】本発明によるふるい材料のふるい開口のパターンの一例を示す図である。
【図16】本発明によるふるい材料のふるい開口のパターンの他の例を示す図である。
【図17】本発明によるふるい材料の基本実施形態を示す図である。
【図18】本発明によるふるい材料の基本実施形態を示す図である。
【図19】通路の好ましい実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10 導電基板
12 犠牲材料の連続層
16 充填材料
18 第1の金属層
20 開口
22 除去可能な被覆材料の領域
24 犠牲材料の部分領域
26 電気絶縁材料の領域
28 電鋳可能な金属の第2の層
50 ふるい材料
52 ふるい開口
54 入口
56 通路
57 デッドエンド
58 主表面
60 出口
b 通路の幅
l 通路の長さ
h 通路の高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに実質的に平行に位置している2つの主表面(58)を備えた金属製のふるい材料(50)であって、入口(54)および出口(60)を備え、入口(54)が、少なくとも1つの通路(56)によって少なくとも1つの出口(60)に接続され、通路(56)が、前記ふるい材料の主表面(58)に対して平行にふるい材料の平面に位置しているふるい材料(50)。
【請求項2】
通路(56)が、10ナノメートル以上の範囲の高さ(h)を有する、請求項1に記載のふるい材料。
【請求項3】
高さの範囲が、10ナノメートルから10マイクロメートルまでである、請求項2に記載のふるい材料。
【請求項4】
通路(56)の高さ(h)が、ふるい材料の厚さ方向から見た場合、通路の長さ(l)および/または幅(b)より低い、請求項1から3のいずれか一項に記載のふるい材料。
【請求項5】
金属が電鋳可能金属である、請求項1から4のいずれか一項に記載のふるい材料。
【請求項6】
金属がニッケルまたはニッケルパラジウム合金である、請求項5に記載のふるい材料。
【請求項7】
ふるい開口(52)を備えた金属製のふるい材料(50)を製造するための方法であって、ふるい材料が、入口(54)および出口(60)を備え、入口(54)が、前記ふるい材料の主表面(58)に対して平行のふるい材料の平面に位置している少なくとも1つの通路(56)によって、少なくとも1つの出口(60)に接続される、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面(58)を備えた金属製のふるい材料(50)を得るために、前記方法が、
自由表面および該自由表面の反対側に位置している成長表面を備えた第1の金属層(18)のアセンブリを提供するステップを含み、犠牲材料の少なくとも部分領域(24)が、成長表面に提供され、金属層(18)の自由表面が、ふるい材料(50)の第1の主表面(58)を画定し、犠牲材料の部分領域または一部が、ふるい材料(50)の主表面(58)に対して平行に形成される通路(56)を画定し、前記方法がさらに、
第1の金属層(18)の成長表面に、および犠牲材料の部分領域を覆って第2の金属層(28)を付加するステップを含み、第2の金属層(28)の自由表面が、ふるい材料(50)の主表面(58)を画定し、少なくとも1つの入口(54)が、いずれか一方の主表面(58)に提供され、少なくとも1つの出口(60)が、いずれか一方の主表面(58)に提供され、前記方法がさらに、
通路(56)を形成するために、入口(54)および/または出口(60)を介して犠牲材料の部分領域(24)を除去するステップを含む、方法。
【請求項8】
ふるい材料が、ふるい開口(52)を備え、ふるい開口が、異なる主表面(58)に開放された少なくとも1つの入口(54)および少なくとも1つの出口(60)を有し、入口(54)と出口(60)との間の主表面に対して平行のふるい材料の平面に少なくとも1つの通路(56)を備えた、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面(58)を備えた金属製のふるい材料(50)を得るために、方法が、
a)選択的に除去することができる犠牲材料の連続層(12)と、連続層(12)上の、前記犠牲材料とは異なる第1の導電金属の層(18)とのアセンブリを提供するステップを含み、導電金属の層(18)が、その厚さ方向に貫通して延在し、かつ除去可能な充填材料(16)が充填された少なくとも1つの開口(20)を有し、前記方法がさらに、
b)犠牲材料を除去するために使用される方法では除去することができない除去可能被覆材料の少なくとも1つの領域(22)を、投影で導電金属の層(18)の前記開口(20)と重なる位置に、犠牲材料の層(12)の露出側に付加しかつ形成するステップと、
c)露出した犠牲材料を選択的に除去するステップと、
d)残りの犠牲材料(24)から除去可能被覆材料の領域(22)を除去するステップと、
e)投影で残りの犠牲材料(24)と重なり、かつ導電金属の第1の層(18)の開口(20)とは重ならない位置に、除去可能な電気絶縁材料の少なくとも1つの領域(26)を付加するステップと、
f)残りの犠牲材料(24)の露出表面および導電金属の第1の層(18)の成長表面に、電鋳可能な金属の第2の層(28)を電鋳するステップと、
g)除去可能充填材料(16)、除去可能絶縁材料(26)、および残りの犠牲材料(24)を除去するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップa)が、
1)導電基板(10)に犠牲材料の層(12)を付加する部分ステップと、
2)形成すべき開口(20)の位置に絶縁材料の領域(16)を付加する部分ステップと、
3)犠牲材料の層(12)の露出表面に導電金属の第1の層(18)を電鋳する部分ステップと、
4)導電基板(10)から犠牲材料の層(12)と導電金属の第1の層(12)のアセンブリを除去する部分ステップとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ふるい開口が、同じ主表面に開放された少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有し、入口と出口との間の主表面に対して平行のふるい材料の平面に少なくとも1つの通路を備えた、互いに実質的に平行に位置している2つの主表面を備えた金属製のふるい材料を得るために、
方法が、
01)選択的に除去することができる犠牲材料の連続層と、連続層上の、前記犠牲材料とは異なる第1の導電金属の層とのアセンブリを提供するステップと、
02)犠牲材料の層の露出面に、犠牲材料を除去するために使用される方法では除去することができない除去可能被覆材料の少なくとも1つの領域を付加するステップと、
03)露出した犠牲材料を選択的に除去するステップと、
04)残りの犠牲材料から除去可能被覆材料の領域を除去するステップと、
05)投影で残りの犠牲材料と重なる位置に除去可能絶縁材料の少なくとも2つの領域を付加するステップと、
06)残りの犠牲材料の露出表面および第1の導電金属の層の成長表面に電鋳可能な金属の第2の層を電鋳するステップと、
07)除去可能絶縁材料および残りの犠牲材料を除去するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
充填材料(16)、除去可能被覆材料(22)、および/または絶縁材料(26)が、フォトレジストである、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
充填材料および絶縁材料が、異なるタイプのフォトレジストである、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
犠牲材料が犠牲金属を含む、請求項7から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
犠牲材料が銅を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
導電金属および/または電鋳可能金属が、ニッケルおよびニッケルパラジウム合金から選択される、請求項7から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
導電金属および電鋳可能金属が、同じタイプの金属である、請求項7から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
犠牲金属を除去するステップが、エッチング処理を含む、請求項7から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
犠牲材料の層の厚さの範囲が、10ナノメートル以上である、請求項7から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
層の厚さの範囲が、10ナノメートルから10マイクロメートルまでである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
犠牲材料の層の厚さが、ステップb)で付加される除去可能被覆材料の領域の最大長および/または最大幅の寸法未満である、請求項7から19のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−98391(P2007−98391A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−266621(P2006−266621)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(506329661)
【Fターム(参考)】