説明

金属酸化物及びメタロイド酸化物分散液の製造方法

要約書:
次の工程:− 場合により酸の添加により2〜4のpH値に調節された水を、ロータ/ステータ装置を介して貯蔵容器から循環させる工程、及び− 金属酸化物粉末又はメタロイド酸化物粉末を、供給装置を用いて、ロータ歯中のスロットとステータスロットとの間の剪断区域中に、連続的に又は不連続的に、ロータ/ステータ装置を作動させて、20〜40重量%の固体含有量を有する予備分散液が生じるような量で導入し、かつ、後で全ての金属酸化物粉末又はメタロイド酸化物粉末を添加する工程、− 供給装置を閉鎖し、剪断率が10000〜40000s−1の範囲内にあるように剪断を続ける工程、及び− 次いで、希釈によって、予備分散液を、分散条件を維持しながら、分散液の所望の固体含有量に調節する工程を有する、5〜25質量%の分散液中の金属酸化物又はメタロイド酸化物の含有量を有する、5〜600m/gのBET表面積を有する、熱分解により製造された金属酸化物及びメタロイド酸化物粉末の水性分散液の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱分解金属酸化物及びメタロイド酸化物の低粘度で、高充填の分散液の製造方法に関する。
【0002】
熱分解金属酸化物又はメタロイド酸化物の低粘度で、高充填の分散液は、広範囲に使用されている。例えば、シリカ及びに酸化アルミニウム分散液は、ポリシングプロセス(化学機械研磨)において使用されるか又は紙被覆の製造のための製紙工業において使用される。ガラス工業において、高充填のシリカ分散液又はケイ素−チタン混合酸化物の分散液は、成形されたガラス製品の製造のために使用される。
【0003】
US 5,116, 535、US 5,246, 624及びUS 6,248, 144は全て、熱分解された二酸化ケイ素粉末(ヒュームドシリカ)の低粘度分散液の製造方法を記載している。
【0004】
ヒュームドシリカ粉末は、他の熱分解酸化物粉末、例えばアルミナ又は二酸化チタンと同様に、有利に火炎加水分解により製造される。この方法の場合に、生じる酸化物の蒸気状の出発材料、例えば四塩化ケイ素又は塩化アルミニウムの均質な混合物は、水素、酸素及び不活性ガスと共に、バーナーを用いて冷却された燃焼室中で燃焼される。この方法の第1工程では、水が水素及び酸素の反応により製造され、かつ第2工程では、前記水が出発材料を加水分解して、熱分解酸化物を形成させる。
【0005】
この方法の場合に、一次粒子が最初に形成され、前記一次粒子は反応の進行と共に合着してアグリゲートになることができる。このアグリゲートは、相互に融合した一次粒子である。このアグリゲートは、相互に更にクラスター化されてアグロメレートを形成することができる。熱分解酸化物粒子の分散の際に、まず、わずかな分散エネルギーの作用で、アグロメレートが分離される。高い分散エネルギーを用いて、より大きなアグリゲートも小さなアグリゲートに変換される。
【0006】
刊行物のUS 5,116, 535、US 5,246, 624及びUS 6,248, 144が基づく原理は、同じであり、つまり高い剪断エネルギーの作用によりヒュームドシリカ粉末のできる限り完全な破壊を達成することである。しかしながら、高い剪断エネルギーをこの系中に導入するためには、この系は高い粘度を有していなければならない。この高い粘度は、前記の刊行物の製造方法において、シリカ粉末の高い充填レベルによって達成され、これは少なくとも40質量%、有利に50〜60質量%でなければならない。この方法におけるシリカ粉末の含有量が40質量%より低い値にまで低下した場合、分散の作用が減少して、シリカ粉末の不完全な破壊が行われ、かつ比較的大きなアグリゲートが分散液中に残ってしまう。このことは、前記分散液の沈殿又はゲル化を引き起こしかねない。この分散液は、次に希釈により所望の固体含有量に調節される。
【0007】
この方法の欠点は、必要な粘度を達成するために熱分解により製造されたシリカ粉末の時間がかかりかつエネルギーもかかる混入である。
【0008】
更に、熱分解により製造された金属酸化物を水性媒体中に分散させる方法があり、この方法の場合に、高圧下で予備分散された2つの懸濁液流を2つのノズルを介して放圧させる。これらのノズルは、分散液噴流が互いに正確に当たり、かつ結果として粒子は互いに磨砕されるように調節される。
【0009】
熱分解により製造されたシリカを含有する分散液を製造する方法は、例えばEP-A-773270に記載されている。
【0010】
この方法の場合に、水性の予備分散液は2つの部分流に分けられ、これらは高圧下で再び一緒にされる。粒子はこの方法の場合に互いに磨砕する。他の実施態様の場合には、同様に予備分散液が高圧下に置かれるが、粒子の衝突は補強された壁部領域に対して行われる。分散は全pH領域にわたり行うことができ、アルカリ領域が有利である。酸性領域において高い固体含有量を有する分散液が所望の場合には、適当な添加物を用いて粘度を低下させるのが有利である。
【0011】
予備分散された2つの分散液流を正確に調節することは、この方法の場合に問題である。正確な調節によってのみ、シリカ粉末の均質な磨砕を行うことができる。更に複雑な要因であるのは、3500kg/cmまでの圧力のノズルに対する極端な負荷の下で、前記ノズルは著しい磨耗を示し、これらは前記の調整に不利な影響を及ぼし、かつ分散液中に不純物が入り込みかねない。
【0012】
粒子の衝突が、補強された壁部領域に行われる実施態様の場合には、前記壁部領域が著しい磨耗を受け、この実施態様はヒュームドシリカの分散ために適していないことが示された。
【0013】
利用可能な装置の規模が安価に大量の分散液を製造できることにはならないことが両方の高圧プロセスにあてはまる。
【0014】
本発明の課題は、先行技術の欠点が回避された、熱分解により製造された金属酸化物を固相として含有する微細に分散された分散液を製造する方法を提供することである。特に、できる限り早く水相中に、熱分解により製造された金属酸化物又はメタロイド酸化物を混入することができ、不純物の混入は最小であり、かつ前記方法を経済的に実施できるのが好ましい。
【0015】
前記課題は、次の工程:
− 場合により酸の添加により2〜4のpH値に調節された水を、ロータ/ステータ装置を介して貯蔵容器から循環させる工程、及び
− 金属酸化物粉末又はメタロイド酸化物粉末を、供給装置を用いて、ロータ歯中のスロットとステータスロットとの間の剪断区域中に、連続的に又は不連続的に、ロータ/ステータ装置を作動させて、20〜40重量%の固体含有量を有する予備分散液が生じるような量で導入し、かつ後で全ての金属酸化物粉末又はメタロイド酸化物粉末を添加する工程、
− 供給装置を閉鎖し、剪断率が10000〜40000s−1の範囲内にあるように剪断を続ける工程、及び
− 次いで、希釈によって、予備分散液を、分散条件を維持しながら、分散液の所望の固体含有量に調節する工程
を有する、5〜25質量%の分散液中の金属酸化物又はメタロイド酸化物の含有量を有する、5〜600m/gのBET表面積を有する、熱分解により製造された金属酸化物又はメタロイド酸化物粉末の水性分散液の製造方法により達成された。
【0016】
有利な実施態様の場合には、剪断率は20000〜30000s−1の間にあることができる。
【0017】
本発明による方法は、有利にシリカ粉末、アルミナ粉末、ドープされたシリカ粉末(例えばDE-A-19847161又はDE-A- 10065028に記載されている)又はケイ素−アルミニウム混合酸化物粉末(例えばDE-A-4226711、DE-A-10135452、DE-A19919635又はUS-A-2003/22081に記載されている)を用いて行うことができる。
【0018】
更に、本発明による方法の場合には、塩基及び/又は酸を分散液及び/又は予備分散液に添加することができる。塩基として、例えばアンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、一級,二級及び三級有機アミン、水酸化ナトリウム溶液又は水酸化カリウム溶液を使用することができる。酸として、例えばリン酸、硫酸、塩化水素酸、硝酸又はカルボン酸を使用することができる。
【0019】
更に、本発明による方法の場合には、カチオン性ポリマー及び/又はアルミニウム塩を分散液及び/又は予備分散液に添加することができる。適当なカチオン性ポリマーは、少なくとも1つの四級アンモニウム基、ホスホニウム基、一級、二級もしくは三級アミン基の酸付加物を有するポリマー、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン又はポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアノジアミド縮合物、ジシアノジアミド−ポリアミン縮合物又はポリアミド−ホルムアルデヒド縮合物である。適当なアルミニウム塩は、塩化アルミニウム、一般式Al(OH)Cl[式中、x=2〜8]の水酸化塩化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、一般式Al(OH)NO[式中、x=2〜8]の水酸化硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、明礬、例えば硫酸アルミニウムカリウム又は硫酸アルミニウムアンモニウム、ギ酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酢酸水酸化アルミニウム、イソプロピル酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム及び前記の化合物の混合物であることができる。このようなアルミニウム化合物をシリカ分散液の製造において使用することは、出願番号DE 10238463.0のドイツ特許出願にすでに記載されている。
【0020】
有利に分散液及び/又は予備分散液に非イオン性、カチオン性、アニオン性又は両性の性質を有する界面活性剤を添加することもできる。
【0021】
最終的に、1種以上の保存剤を本発明による製造のために添加することもできる。これらは、例えばBayer社の商品名Preventol(R)又はThor社の商品名Acticide(R)の下で販売されている化合物であることができる。
【0022】
実施例
解析的測定
分散液の粘度の測定:製造された分散液の粘度は、Physica社の回転レオメータ(モデル300)及びCC27測定カップを用いて25℃で測定した。この粘度値は、10s−1及び100s−1の剪断率で測定した。
【0023】
分散液中に存在する粒子サイズの測定:分散液中に存在する粒子サイズは動的光散乱法によって測定した。使用された装置はZetasizer 3000 HSa (Malvern Instruments,UK)である。体積分布の平均値d50(v)が得られる。
【0024】
剪断率の測定:本発明による方法の剪断率は、周速を表面間の距離により割った値として表される。
【0025】
周速は、ロータの速度とロータの直径とから算定することができる。使用した分散装置中のロータとステータとの間の距離は約1mmである。
【0026】
使用した分散装置:Ystral社のロータ/ステータ装置Conti-TDS 3及びConti-TDS 4が分散のために使用される。
【0027】
使用したシリカ粉末:AEROSIL(R) 90 (約90m/g)、AEROSIL(R) 130 (約130m/g)、AEROSIL(R) 200 (約200m/g)及びAEROSIL(R) 300 (約300m/g)、全てDEGUSSA AG社を使用した。
【0028】
実施例:予備分散液のpHは、熱分解により製造されたシリカの酸性の性質により及び粗製材料の品質に依存して、2〜4.5の間にある。所望の場合に、このpHは、一定の磨砕結果を達成するために、酸、例えば水性塩化水素酸、又は塩基、例えばアンモニア水溶液の添加により、異なるシリカバッチについて一定に調節することができる。
【0029】
磨砕の間に、等電点付近の予備分散液のpH値が有利である、それというのも、磨砕すべき粒子はこの場合に相互の静電気的反発力を克服する必要なしに良好に磨砕できるためである。アルカリ性のpH値が調節される場合に、アルカリ性成分の急速な添加によりほぼpH7の範囲を続けることが有利である。
【0030】
全てのこれらの実施例において、高エネルギーの導入による分散液の加熱は熱交換器によって抑制され、前記熱交換器は温度を40℃未満に制限する。
【0031】
実施例1〜3: 約20000s−1の剪断率で酸性AEROSIL(R) 200分散液の製造
脱イオン水32.5kgを、最初に60リットルのステンレス鋼の混合容器中に装入する。次いで、Ystral社Conti-TDS 3(ステータスロット:4mmリング及び1mmリング、ロータ/ステータ間隔約1mm)の吸込みチューブを用いて、剪断条件下で、13.0質量%(実施例1,比較例)、24.0質量%(実施例2)及び28.5質量%(実施例3)の予備分散液のために必要なAEROSIL(R) 200の量(表1に対応)を添加する。
【0032】
取り入れが完了した後、吸込みノズルは閉じられ、剪断を3000rpmで更に10分間続ける。この磨砕が完了した場合に、更に添加される添加物の量を考慮して、脱イオン水を、所望の最終濃度よりもわずかに高い濃度に希釈するために使用する。
【0033】
このpHは、アンモニア溶液で5.3の値に調節する。所望のpHが達成された後、12質量%の分散液の正確なシリカ最終濃度を達成するために、残りの必要な水を供給する。Conti TDS 3を使用して、なお数分間均質化を行う。
【0034】
実施例4: 約25000s−1の剪断率で酸性AEROSIL(R) 200分散液の製造
脱イオン水475kgを、最初に1600リットルのステンレス鋼の混合容器中に装入する。次いで、Ystral社Conti-TDS 4(ステータスロット:6mmリング及び1mmリング、ロータ/ステータ間隔約1mm)の吸込みチューブを用いて、剪断条件下で、AEROSIL(R) 200 190kgを取り入れる。取り入れが完了した後、吸込みノズルは閉じられ、28.5質量%の予備分散液を3000rpmで更に10分間剪断する。この予備分散液のpHは約pH3.7である。この磨砕が完了した場合に、更に添加される添加物の量を考慮して、脱イオン水を、12重量%の分散液の所望の最終濃度よりもわずかに高い濃度に希釈するために使用する。
【0035】
このpHは、アンモニア溶液で5.0の値に調節する。更に脱塩水を、分散液の濃度をシリカ12質量%に調節するために使用し、その際、Conti TDS 4を使用して数分間均質化を行う。混合/均質化を、付加的に混合容器中に取り付けられたYstral社のジェットストリームミキサーにより支援した。
【0036】
実施例5: 約25000s−1の剪断率でアルカリ性AEROSIL(R) 300分散液の製造
脱イオン水475kgを、最初に1600リットルのステンレス鋼の混合容器中に装入する。次いで、Ystral社Conti-TDS 4(ステータスロット:6mmリング及び1mmリング、ロータ/ステータ間隔約1mm)の吸込みチューブを用いて、剪断条件下で、AEROSIL(R) 300 190kg(又は表に従って少量)を取り入れる。取り入れが完了した後、吸込みノズルは閉じられ、28.5質量%の予備分散液を3000rpmで更に10分間剪断する。この予備分散液のpHは約3.6である。この磨砕が完了した場合に、更に添加される添加物の量を考慮して、脱イオン水を、15%の所望の最終濃度よりもわずかに高い濃度に希釈するために使用する。
【0037】
このpHは、アンモニア溶液の急速な転化により9.5に調節される。混合/均質化を、付加的に混合容器中に取り付けられたYstral社のジェットストリームミキサーにより支援した。所望のpH9.5が達成された後、更に脱塩水を、分散液の濃度をシリカ15質量%に調節するために使用し、その際、Conti TDS 4を使用して更に数分間均質化を行う。
【0038】
実施例6〜15: 35重量%の予備分散液から出発し、かつ約20000s−1の剪断率でのAEROSIL(R)分散液の製造
脱イオン水32.5kgを、最初に60リットルのステンレス鋼の混合容器中に装入する。次いで、Ystral社Conti-TDS 3(ステータスロット:4mmリング及び1mmリング、ロータ/ステータ間隔約1mm)の吸込みチューブを用いて、剪断条件下で、表1に従った熱分解により製造されたシリカ17.5kgを取り入れる。
【0039】
取り入れが完了した後、吸込みノズルは閉じられ、35質量%の予備分散液を3000rpmで更に10分間(実施例14:30分間)剪断する。この磨砕が完了した場合に、更に添加される添加物の量を考慮して、脱イオン水を、所望の最終濃度よりもわずかに高い濃度に希釈するために使用する。
【0040】
このpHは、水酸化ナトリウム又はアンモニア溶液を用いて所望のレベルに調節される。所望のpHが達成された後、正確なシリカ最終濃度を達成するために、残りの必要な水を供給する。
【0041】
実施例16: アルミニウム塩の存在で21質量%の予備分散液から出発して酸性AEROSIL(R) 200分散液を製造
脱イオン水43.5kgを、最初に60リットルのステンレス鋼の混合容器中に装入する。次いで、Ystral社Conti-TDS 3(ステータスロット:4mmリング及び1mmリング)の吸込みチューブを用いて、剪断条件下で、AEROSIL(R) 200 11.6kgを取り入れる。取り入れが完了した後、吸込みノズルは閉じられ、21質量%の予備分散液を3000rpmで更に10分間剪断する。
【0042】
磨砕の後に、塩化アルミニウム水溶液を添加し(Alをベーストして10質量%)、使用したAEROSIL(R) 200の量をベーストして、シリカ表面積当たり1m当たりAl 0.01mgの濃度が得られる。この分散液のpHは、25質量%水酸化ナトリウム溶液を同時に添加することにより3.8〜4.5の間のpHに維持される。必要な塩化アルミニウム溶液を添加した後に、pHを水酸化ナトリウム溶液で5.0に調節し、必要な脱イオン水の残りを添加して分散液の濃度を20質量%に調節し、分散を更に5分間続ける。
【0043】
実施例17: アルミニウム塩の存在で35質量%の予備分散液から出発して酸性AEROSIL(R) 200分散液を製造
脱イオン水35.75kgを、最初に60リットルのステンレス鋼の混合容器中に装入する。次いで、Ystral社Conti-TDS 3(ステータスロット:4mmリング及び1mmリング)の吸込みチューブを用いて、剪断条件下で、AEROSIL(R) 200 19.25kgを取り入れる。取り入れが完了した後、吸込みノズルは閉じられ、35質量%の予備分散液を3000rpmで更に10分間剪断する。
【0044】
磨砕の後に、塩化アルミニウム水溶液を添加し(Alをベーストして10質量%)、使用したAEROSIL(R) 200 の量をベーストして、シリカ表面積当たり1m当たりAl 0.01mgの濃度が得られた。この分散液のpHは、25%水酸化ナトリウム溶液を同時に添加することにより3.8〜4.5の間のpHに維持される。必要な塩化アルミニウム溶液を添加した後に、pHを水酸化ナトリウム溶液で5.0に調節し、必要な脱イオン水の残りを添加して分散液の濃度を20質量%に調節し、分散を更に5分間続ける。
【0045】
実施例1、2、3及び6は磨砕時の高い充填レベルの重要性を示す。ロータ/ステータ装置を用いて磨砕時の高い充填レベルは、分散液の粘度の減少を引き起こす。
【0046】
実施例3、4及び6は、良好な磨砕のための剪断率の重要性を示す。高い剪断率では、予備分散液の低い濃度と同様に同じ生成物かまたはわずかに低い粘度を有する生成物を得ることができる。
【0047】
実施例10、11及び12は、シリカの高い濃度の場合に、高い粘度が得られることを示す。
【0048】
実施例13、14及び15は、磨砕の間の剪断率及び充填レベルに加えて更に、磨砕時間及び予備分散液のpHも影響を及ぼすことを示す。長期間の磨砕は、分散液の低い粘度を生じさせる。pH4.4から3.5への低下は、同様の磨砕時間において粘度の低下を生じさせる。
【0049】
実施例16及び17は、アルミニウム塩の添加がシリカを含有する分散液の粘度を明らかに低下させることを示す。本発明による製造を高い剪断率で適用する場合に、分散液の粘度を意外にも著しく減少させることができる。これは特に実施例17から明らかに推知できる。
【0050】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程:
− 場合により酸の添加により2〜4のpH値に調節された水を、ロータ/ステータ装置を介して貯蔵容器から循環させる工程、及び
− 金属酸化物粉末又はメタロイド酸化物粉末を、供給装置を用いて、ロータ歯のスロットとステータスロットとの間の剪断区域中に、連続的に又は不連続的に、ロータ/ステータ装置を作動させて、20〜40重量%の固体含有量を有する予備分散液が生じるような量で導入し、かつ後で全ての金属酸化物粉末又はメタロイド酸化物粉末を添加する工程、
− 供給装置を閉鎖し、剪断率が10000〜40000s−1の範囲内にあるように剪断を続ける工程、及び
− 次いで、希釈によって、予備分散液を、分散条件を維持しながら、分散液の所望の固体含有量に調節する工程
を有する、5〜25質量%の分散液中の金属酸化物又はメタロイド酸化物の含有量を有する、5〜600m/gのBET表面積を有する、熱分解により製造された金属酸化物及びメタロイド酸化物粉末の水性分散液の製造方法。
【請求項2】
金属酸化物粉末又はメタロイド酸化物粉末がシリカ粉末、アルミナ粉末、アルミナが添加されたシリカ粉末又はケイ素−アルミニウム混合酸化物粉末であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
塩基又は酸を分散液及び/又は予備分散液に添加することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
カチオン性ポリマー及び/又はアルミニウム塩を、分散液及び/又は予備分散液に添加することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
界面活性剤を分散液及び/又は予備分散液に添加することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
保存剤を分散液及び/又は予備分散液に添加することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2006−522731(P2006−522731A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504942(P2006−504942)
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003445
【国際公開番号】WO2004/089816
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(501073862)デグサ アクチエンゲゼルシャフト (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa AG
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【Fターム(参考)】