説明

金微粒子の分散・固定化方法およびそれにより得られる材料

【課題】金ナノ粒子の形成が難しかった酸性担体を初めとするあらゆる担体材料上に、簡便に金ナノ粒子を分散・固定化する方法を提供する。
【解決手段】金化合物溶液にカルコゲン化物を添加して形成された金−カルコゲン系イオンを担体と接触させて担体に金−カルコゲン系イオンを吸着させる、あるいはさらに溶液を酸性とすることにより担体表面に金カルコゲナイドを沈殿析出させ、その後担体を分離後加熱することにより担体表面に金微粒子を析出させて金微粒子が表面に分散・固定化された担体を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、担体表面に金微粒子を分散・固定化する方法、特にアルカリに可溶な酸性担体をも含む担体に金微粒子を分散・固定化する方法およびそれにより得られる材料並びに金微粒子が分散・固定化された触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
貴金属は、種々の装飾材料、歯科用材料、電子回路材料、触媒材料、例えば有機物の酸化あるいは還元反応触媒、自動車排気ガスの浄化触媒や、燃料電池用の触媒などとして広く用いられている。触媒として用いる場合、貴金属は高価なことと、その性能を最大限引き出すため、貴金属をナノ粒子として露出表面積を大きくする工夫がなされている。具体的には、比表面積が大きく、熱的、化学的安定性の高いシリカやアルミナ、チタニアなどの金属酸化物、あるいは活性炭、カーボンブラックなどの炭素材料を担体に用い、その表面に貴金属がナノ粒子として分散・固定された状態で用いられている。貴金属粒子を担体上に固定化する方法としては、たとえば、含浸法(例えば、非特許文献1参照)、共沈法(例えば、特許文献1参照)、滴下中和沈澱法、還元剤添加法、pH制御中和沈澱法(これらについては、例えば特許文献2参照)、カルボン酸金属塩添加法(例えば、特許文献3参照)、析出沈澱法(例えば、特許文献4参照)、有機金錯体吸着法(例えば、特許文献5参照)、ウォッシュコート法(例えば、特許文献6参照)、コロイド焼成法(例えば、特許文献7参照)など、種々の方法が知られている。
【0003】
貴金属中、金は他の貴金属に比べれば安価であるものの、触媒活性が極めて乏しいと従来考えられていた。これに対し、本発明者らは、金を好ましくは直径10nm以下の超微粒子として種々の金属酸化物担体上に分散・固定することにより、高い触媒活性が発現されること、さらに金ナノ粒子触媒は、低温CO酸化、プロピレンの気相一段エポキシ化、低温水性ガスシフト反応、酸素と水素からの直接過酸化水素合成、炭化水素類の部分酸化など、多くの反応に対して、他の貴金属より優れた触媒活性を発現することを見出している(例えば、特許文献8および非特許文献1参照)。また、その他にも、金ナノ粒子触媒は、不飽和化合物の水添、アルコールの酸化、NOxの除去、エポキシ化合物の合成、脂肪族アミンのカルボニル化などの触媒活性についても報告されている。さらに、本発明者らは、金の粒子径が2nm以下、原子数で300個以内のクラスターになると、触媒特性がさらに激変する場合があることも見出した。
【0004】
これら金ナノ粒子を担体に分散・固定化する方法としては、従来、含浸法、共沈法、析出沈殿法、コロイド混合法、気相グラフティング法、液相グラフティング法などの方法が採られているが、金属酸化物などの無機担体に金ナノ粒子を担持させる方法としては、析出沈殿法が一般的に採用されている。この方法では、金前駆体をアルカリ水溶液中で加水分解し、金前駆体水溶液中で水酸化金(III)を担体上に析出沈殿させた後、加熱することで金の析出、固定化を行い、金ナノ粒子担持担体を得ている。この方法では、担体の種類によっては水酸化金(III)が析出しないものもあり、このため金ナノ粒子が担持できる担体が限定されていた。特に酸性担体(酸化タングステン、酸化モリブデン、Nafion(登録商標)(パーフルオロスルホン酸/ポリテトラフルオロエチレン共重合体)膜などの上には水酸化金(III)の析出沈殿が全く起きず、金ナノ粒子の担持が困難であった。また、従来の析出沈殿法では、水酸化金(III)を析出させるために、溶液の液性は中性ないしアルカリ性が必須であった。このため、中性ないしアルカリ性において溶解性のある金属の酸化物(例えば、酸化モリブデンや酸化タングステンなど)、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩などには適用できなかった。
【0005】
一方、カルコゲナイド(特にS)と金は、HSAB理論では“SOFT”であるため親和性が高く、このため金担持触媒に対して悪影響を及ぼすと考えられている。また、従来硫化金(I,III)の化学はほとんど研究されていないというのが現状である。金鉱床の生成メカニズムについての研究において、[Au(HS)2-という錯体が金生成過程で存在するのではないかと予想されていることが報告されている例が見受けられるが、これ以外では硫化金に関する報文などはほとんど見出せない。したがって、Au−S相互作用を何かに利用しようという動きはあっても、Au23をAuへ還元させようと考える“土壌”は従来存在しなかった。
【0006】
【特許文献1】特開昭60−238148号公報
【特許文献2】特開昭63−252908号公報
【特許文献3】特開平2−252610号公報
【特許文献4】特開平3−97623号公報
【特許文献5】特開平7−171408号公報
【特許文献6】特開平6−182205号公報
【特許文献7】特開平11−47611号公報
【特許文献8】特公平5−49338号公報
【非特許文献1】エム ハルタ(M.Haruta)、ケミストリー レコード(Chem. Record)第3巻、第2号、第75−87頁、2003年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のとおり、析出沈殿法により担体上に金ナノ粒子を固定化するには、一般的には、まず下記反応式のように、アルカリ水溶液中で塩化金酸などの金前駆体を加水分解し、担体上に水酸化金(III)を析出沈殿させることが必要とされる。その理由は、酸性水溶液中で加水分解を行った場合には、配位子置換がうまく行かずに、例えば、[AuCl(OH)3-のような形で塩素配位子が残り、この塩素配位子を有する化合物は溶液中で安定であり、なかなか析出沈殿しないからである。
【0008】
【化1】

【0009】
しかし、WやMoなどのVI族金属の酸化物、炭酸塩、水酸化物などはアルカリ性側で溶解してしまうことから、アルカリ水溶液を用いる従来の方法では金微粒子を酸性担体に固定化することは極めて困難であった。またV、Nb、TaなどのV族金属についても同様のことがいえる。しかし、このような酸性担体にも析出沈殿法により金微粒子を固定化することができれば、新たな特性を有する金微粒子−担体複合材料を得ることができると考えられる。また、酸性担体を含む幅広い担体に対して同じ手法で金微粒子を分散・固定化することのできる新しい方法の開発も要望されている。
【0010】
したがって、本発明はこのような従来の課題を解決すべくなされたものであり、酸性担体を含む担体に沈殿析出法により金微粒子を固定化する新規な方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、このような新規方法で得られた金微粒子を固定化した担体を提供することをも目的とするものである。
さらに、本発明は、上記方法で得られた金微粒子の固定化された担体からなる触媒を提供することをも目的とするものである。
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、担体の分散された金化合物溶液に、硫化ナトリウム、硫化水素などのカルコゲン化物を加え、形成された金−カルコゲ系イオンを担体に吸着させるか、さらに酸を加えて分散液を酸性とすることによりカルコゲン化金の急激な沈殿を促し、これにより担体表面にカルコゲン化金を析出沈殿させ、その後加熱することで金−カルコゲン系イオン、例えば金−カルコゲン系錯体イオン、あるいはカルコゲン化金を析出沈殿させ、これを加熱して金を析出させることにより酸性担体上にも金微粒子を担持させることができること、驚くべきことに、形成された金ナノ粒子はカルコゲン処理が行われたにも関わらず、イオウなどによる特性劣化のない優れた触媒活性を有する触媒が得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされてものである。なお、本発明において金微粒子という場合、これには金ナノ粒子、金クラスターが包含される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以下の金微粒子を担体上に分散・固定化する方法、およびこの方法によって得られた金微粒子を表面に分散・固定化した材料、および金微粒子を表面に分散・固定化した担体からなる触媒に関する。
【0013】
(1)金化合物溶液にカルコゲン化物を添加して形成された金−カルコゲン系イオンを担体と接触させて担体に金−カルコゲン系イオンを吸着させる、あるいはさらに該溶液を酸性とすることにより担体表面に金カルコゲナイドを沈殿析出させ、その後担体を分離後加熱することにより担体表面に金微粒子を析出させることを特徴とする担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【0014】
(2)前記カルコゲン化物が、硫化ナトリウムまたは硫化水素であり、形成される金−カルコゲン系イオンが金−カルコゲン系錯体イオンであることを特徴とする上記(1)に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【0015】
(3)前記溶液が水溶液であり、金化合物水溶液にカルコゲン化物を加えたのち、粒状担体を該水溶液に分散させることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【0016】
(4)前記担体がIII族、IV族、V族、VI族またはXIV族金属の酸化物、炭素材料または高分子材料であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【0017】
(5)前記III族、IV族、V族、VI族またはXIV族金属の酸化物がケイ素、チタン、バナジウム、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、またはセリウムの酸化物であり、炭素材料が活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、またはグラファイトであることを特徴とする上記(4)に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【0018】
(6)前記金化合物が、四塩化金酸、四塩化金酸塩、三塩化金、シアン化金、シアン化金カリウム、三塩化ジエチルアミン金酸、エチレンジアミン金錯体、ジメチル金β−ジケトン誘導体金錯体、およびジエチル金β−ジケトン誘導体金錯体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【0019】
(7)上記処理された担体の加熱が80〜800℃であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【0020】
(8)前記金微粒子の平均粒子径が20nm以下であり、金が担体に対し0.01重量%〜50重量%担持されることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の固体高分子材料表面に金微粒子を分散・固定する方法。
【0021】
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の方法により得られた、表面に金微粒子が分散・固定された担体。
【0022】
(10)上記(9)に記載の表面に金微粒子が分散・固定された担体からなる触媒。
【0023】
(11)前記触媒が酸化触媒であることを特徴とする上記(10)に記載の触媒。
【0024】
(12)前記触媒が還元触媒であることを特徴とする上記(10)に記載の触媒。
【発明の効果】
【0025】
従来の析出沈殿法では、酸性担体上には水酸化金(III)の析出沈殿が全く起きず、金ナノ粒子の担持が困難であった。本発明においては、担体上に、中性あるいは酸性下に金化合物をカルコゲン化物により金−カルコゲン系イオンあるいは金カルコゲナイドとして担体表面に吸着または析出沈澱させるという新規な方法を採用することにより、今まで水酸化金の沈澱析出ができず、このため金微粒子を表面に固定化できなかった酸性担体上にも析出沈澱法により金微粒子を分散・固定化することができる。また担体分散液は中性または酸性とされることから、担体としてアルカリに溶解する材料をも使用することができる。本発明の方法は、従来水酸化金(III)の析出沈澱により金微粒子を分散・固定化することのできる担体にも適用することができる。このように、本発明の方法は、ほぼ全ての種類の担体材料に適用できる。また、カルコゲン化物を使用するにもかかわらず、形成された金微粒子の触媒活性をはじめとする諸特性は、従来の水酸化金(III)を析出沈澱させる方法と同様の優れた特性を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の金微粒子を担体表面に分散・固定化する方法においては、先ず担体材料を金前駆体である金化合物の溶液と接触させた状態でカルコゲン化物を加え、金−カルコゲン系イオン、例えば金−カルコゲン系錯体イオンを形成し、これを担体材料に吸着させるか、もしくはこれにさらに酸を添加して金カルコゲナイドとして強制的に表面にカルコゲン化金の沈殿を促し、担体表面にカルコゲン化金を沈殿析出させた後、この担体を分離し、加熱することにより金微粒子を担体表面に析出させ担持させるものである。以下、本発明の方法に使用される金前駆体である金化合物、沈殿剤、金微粒子を担持するために用いられる担体材料、金化合物の溶媒として用いられる溶剤などについて説明し、次いでこれら材料を用いて金微粒子が表面に分散・固定化された担体の製造方法について説明する。
【0027】
本発明において、金微粒子を形成するために用いられる金前駆体である金化合物は、担体と接触した溶液に溶解された状態で用いられることから、これら溶液に溶解するものであって、カルコゲン化物により金−カルコゲン系のイオンまたは金カルコゲナイドを形成するものであればよく、これ以外に特に制限されるものではない。例えば、溶液として水が用いられる場合、金化合物は水溶性のものであればよい。水溶性金化合物としては、金の水酸化物、塩化物、カルボン酸塩、および硝酸塩、塩化金酸およびその塩、金錯体化合物などが挙げられる。これら水溶性金化合物を具体的に例示すると、例えば、四塩化金酸(HAuCl4)、四塩化金酸塩(例えば、NaAuCl4)、三塩化金(AuCl3)、シアン化金(AuCN)、シアン化金カリウム{K〔Au(CN)2〕}、三塩化ジエチルアミン金酸〔(C252NH・AuCl3〕、エチレンジアミン金錯体(例えば、塩化物錯体(Au[C24(NH22]Cl3))、ジメチルまたはジエチル金β−ジケトン誘導体金錯体(例えば、ジメチル金アセチルアセトナート((CH32Au[CH3COCHCOCH3])、(CH32Au(CF3COCHCOCH3)、(CH32Au(CF3COCHCOCF3)、(C252Au(CH3COCHCOCH3)、(CH32Au(C65COCHCOCF3))などを挙げることができる。なお、本発明で用いることができる金化合物がこれら例示されたものに限定されるものでないことは言うまでもないことである。これらの化合物は単独で用いられてもよいし、必要であれば2種以上を併用してもよい。また、上記化合物はエタノールのような非水溶剤にも溶解することから非水性溶剤が用いられる場合にも、上記例示した化合物を適宜使用することができる。
【0028】
一方、金化合物の溶媒として用いられる溶剤は、水でも良いし、水以外の非水溶剤であってもよい。また、水と非水溶剤との混合物、例えば水と水溶性溶剤との混合物であってもよい。溶剤として用いられる水は、水であればどのようなものでもよく特に限定されるものではないが、形成された金微粒子への不純物の混入、付着を防ぐ意味からも、蒸留、イオン交換処理、フィルター処理、各種吸着処理等により有機不純物、金属イオンを除去したものが好ましい。また非水溶剤としては、エタノール、メタノールなど水溶性有機溶剤が挙げられる。これら溶剤の中では、経済上の理由、環境上の理由から水が好ましい。
【0029】
本発明において沈殿剤として用いられる前記溶剤に溶解可能なカルコゲン化物は、イオウ、セレン、またはテルル化物であり、溶剤に溶解して金化合物が溶解された溶液に加えられる。沈殿剤として好ましい化合物は、例えば硫化水素(H2S)、硫化ナトリウム(Na2S)、硫化カリウム(K2S)、硫化水素ナトリウム(NaHS)、硫化水素カリウム(KHS)、チオアセトアミド(CH3CSNH2)などを挙げることができる。
【0030】
本発明において金微粒子の担体材料として用いられるものは、アルカリ溶液と接した際に溶解する無機化合物、例えばVまたはVI族金属の酸化物が挙げられる。VまたはVI族金属の代表的なものとしては、W、Mo、V、Nb、Taなどが挙げられる。また、中性での金−カルコゲン系イオンの吸着を利用するような場合には、使用する溶剤に対し溶解性が低ければ、酸に溶解するような金属炭酸塩、塩基性炭酸塩または水酸化物なども利用できる。酸化物の代表的なものは、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、三酸化モリブデン(MoO3)、三酸化タングステン(WO3)、五酸化二ニオブ(Nb25)、二酸化セリウム(CeO2)、Nafionコーティングシリカなどを挙げることができる。その他の無機材料としては、五酸化二タンタル(Ta25)なども使用することができる。また、金−カルコゲン系のイオンを吸着する担体としては、ナノポーラスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラファイトなどの炭素材料が挙げられる。その他、担体材料として、有機高分子材料なども用いることもできる。高分子材料は、高分子材料上に沈着したカルコゲン化金を加熱析出させるための温度に耐えるものであればよく、特に限定されるものではないが、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジエン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂など従来知られた種々の樹脂が挙げられる。
【0031】
担体は、膜状でもよいし、粒子状であってもよい。粒子状である場合、その平均粒径は、例えば、2nm〜10mmであることが挙げられ、また膜状である場合、例えば、平均膜厚10nm〜10mmであるものが挙げられる。さらに、粒子は中実体、中空体、多孔体などいずれの形態のものであってもよい。触媒、着色剤などを初めとする種々の用途を考えれば、通常粒子形状が好ましく、その粒子径は目的・用途によって異なるものの、一般的には平均粒子径2nm〜1mm、より好ましくは平均粒子径1mμ〜1mm程度である。本発明においては、平均粒子径は、球状粒子の場合は直径、楕円形粒子の場合は長径であり、例えば微細な粒径を有する場合、走査型電子顕微鏡(SEM)観察あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)観察から粒子径分布を作り、平均値を求めたものである。また、ミクロンオーダーの粒子の粒径については、コールターカウンターなどにより測定することもできるし、さらに大きい場合には、篩法によることもできる。
【0032】
次に、本発明の金微粒子を分散・固定化する方法について説明する。以下では、金微粒子担体材料が微粒子材料である場合を例に挙げて説明するが、担体材料が薄膜などである場合においては、担体材料が液中に分散されないことを除けば以下に説明する方法と同様の方法でその表面への金微粒子の分散・固定化を行うことができる。また、以下においては、金化合物溶解液が水溶液である場合について説明するが、水溶性有機溶剤などの非水溶剤あるいは水と非水溶剤の混合液である場合にも、水溶液と同様に実施できる。
【0033】
先ず、金化合物を水に溶解し金化合物水溶液を形成し、この水溶液に沈澱剤である硫化ナトリウム、硫化水素などのカルコゲン化物を加える。これにより金−カルコゲン系イオンが形成される。硫化ナトリウム、硫化水素などは水に溶かして滴下されればよく、硫化水素などガス状のものについては、水溶液に吹き込んでもよい。その後、この液に担体を加えて分散させる。なお、水に担体を分散させ、この担体分散液に金化合物および沈澱剤を加えてもよい。この場合、担体分散液に金化合物を直接加えて水溶液中で金化合物を溶解させてもよいし、予め金化合物の濃厚水溶液を作成しておき、これを水溶液に加えてもよい。担体材料が金−カルコゲン系イオンを吸着することができるものであれば、金−カルコゲン系イオンを吸着した担体を分離し、加熱して担体上に金微粒子を析出させ、金微粒子が分散・固定化された担体を形成することができる。また、そうでない場合、あるいは金−カルコゲン系イオンが吸着される担体であっても、カルコゲン化物を滴下した後、さらに酸を加えて酸性とすることにより、強制的に金カルコゲナイド(例えば、Au23、Au2S、AuSeなど)を担体表面に析出沈澱させ、金カルコゲナイドを担持する担体を分離した後、これを加熱して担体上に金微粒子を析出させ、金微粒子が分散・固定化された担体を形成することができる。
【0034】
酸性水溶液とするために用いられる酸としては、塩酸が好ましいが、必要であれば他の酸が用いられてもよい。液のpHは7以下とされ、好ましくはpH1〜2程度の強酸性とすることが好ましい。また、金化合物の水溶液中の濃度は、あまりにも希薄すぎると金が担体上に析出できなくなるという問題があり、またあまり高濃度になると液相で金硫化物の生成が起きてしまい、結果的に粗大な金粒子になってしまう。従って微粒子の形成が難しくなるという問題があることから、通常0.005mmol/L〜1mmol/L、より好ましくは0.05mmol/L〜0.5mmol/L、更に好ましくは0.05mmol/L〜0.2mmol/L程度とされる。10nm以下のナノ粒子を形成するためには0.1mmol/L程度であることが通常好ましい。また金化合物の使用量は、一般的には、沈殿剤分子/Au原子=1〜1000程度とされる。
【0035】
さらに、金化合物の担体材料に対する量は、分散・固定化される金微粒子の大きさ、並びに担体材料表面にどの程度の量の金を分散・固定化するかにより異なる。金の担体材料への担持量は水溶液の濃度と量により、例えば0.01重量%〜50重量%までの範囲で調整することができる。したがって、金担持量に応じて、水溶液の金化合物濃度や溶液の使用量を決めればよい。触媒として用いる場合、どのような反応に関与する触媒であるかにより金担持量は異なるが、たとえば、グルコースの酸化触媒として用いられる場合、金の担持量は0.01重量%〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは、0.05重量%〜0.5重量%である。
【0036】
担体材料として活性炭などの炭素材料を用いる場合には、必要であれば過酸化水素水などでの前処理がされてもよい。また、担体の分散は、攪拌機による攪拌、超音波による分散など何れの方法によってもよい。反応系を構成する担体分散金化合物水溶液の温度は、使用する担体材料の種類およびその量、使用する金化合物の種類および濃度、沈殿剤として添加されるカルコゲン化物の種類と量、液のpHなど種々の条件を勘案して適宜の温度で行えばよく、一般的には10〜80℃程度が好ましい。
【0037】
沈殿剤であるカルコゲン化物は、通常水溶液として担体が懸濁された金化合物水溶液に加えられるが、懸濁液を攪拌しつつ適宜のスピードで加えられればよく、通常、連続的な短時間での滴下によればよい。また、酸の添加も同様である。酸を添加した後、攪拌を続け、反応を完結させる。攪拌は、通常5分〜24時間程度の時間行われるが、1時間程度がのぞましい。その後、金−カルコゲン系イオンが吸着した、あるいは金カルコゲナイドの沈着した担体を分離する。この分離方法としては従来公知の何れの方法によってもよい。通常、ろ過により分離がなされるが、その際繰り返しデカンテーションを行った後ろ過するなど、担体の洗浄を行うことが好ましい。こうして得られた金−カルコゲン系のイオンまたは金カルコゲナイドが吸着あるいは沈着した担体粒子は、金析出のために加熱される。加熱は金が析出される温度で、担体が耐え得る温度であればよく特に限定されないが、通常80〜800℃とされる。
【0038】
高分子材料あるいは炭素材料表面に担持された金微粒子の平均粒子径は、触媒として用いる場合は20nm以下、好ましくは5nm以下であるが、必要であればこれら以外の粒径であってもよい。
【0039】
図1に、本発明の一方法を示す。図1の方法においては、金化合物としてHAuCl4を用い、これの20ppm(金換算)水溶液500mLに1M Na2S水溶液0.3mLを加え、これに担体1.0gを加えて担体を分散させ、懸濁液を作成する。Na2S水溶液の添加により、液の色は薄い黄色から黄土色となる。この懸濁液に濃塩酸5mLを加え液のpHを1程度の強酸性とする。これにより液の色が濃くなった。1時間攪拌を続け、Au23を担体上に析出沈澱させた。担体を分離後十分に乾燥し、300℃で4時間(空気中)あるいは230℃で6時間(真空中)加熱して、表面に金微粒子が分散・固定化された担体が形成される。
【0040】
本発明により得られた金微粒子を担持する担体材料は、酸化触媒、還元触媒、水添触媒などの触媒として有用である他、担体材料が高分子材料の場合、金の粒子径の違い、担持量、担体となる固体高分子材料の材質の違いにより、ピンク色、赤紫ないし紫色に着色した粒子が得られる。得られた粒子は、耐久性に優れ、また化粧品、各種用途の塗料の着色剤としてすぐれた特性を有している。したがって、本発明において、前記各条件を適宜設定することにより、所望の色をした着色剤を調製することができる。さらに、本発明の金微粒子を担持する材料は、導電性材料、がん治療用マーカー、高感度DNA検出素子、センサーなどとして優れた機能を有することが期待できる。また、還元性官能基の選択により、同一反応での触媒活性や異種反応に対する触媒活性の異なるものを得ることができる。
【0041】
本発明の金微粒子が分散・固定された担体材料は、グルコースをグルコン酸に酸化する際の酸化触媒として極めて優れた特性を有している。従来グルコースの酸化触媒としてCeO2、TiO2、活性炭(M.Commotti,C.D.Pina,R.Matarrese,M.Rossi,A.Siani,Appl.Catal.A:General 2005,291,204−209参照)などが優れたものとして知られているが、本発明の材料は、これら従来グルコースの酸化触媒として優れているとして知られたものより、更に特性の良好なものを提供することができる。また、本発明の材料は、特性が幾分落ちてくるものの繰り返し使用が可能である。
【0042】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0043】
〔金ナノ粒子担持酸化チタンの製造(HCl不使用、吸着)〕
1000ppm Au(5mmol/L(リットル))の四塩化金酸水溶液から10mLとり、500mLに定容して、20ppm Au(0.1mmol/L)の金(III)水溶液を調製した。これに酸化チタン(日本アエロジル(株)製、P25)1gを加え、ここに1mol/Lの硫化ナトリウム水溶液を6滴(0.3mL,0.3mmol相当)加えよく撹拌した。このときの溶液のpHは7であった。1時間後、反応をやめ、デカンテーションを繰り返しながら洗浄し、吸引ろ過によってろ取物を得た。ろ取物は、真空乾燥の後、半分を電気炉で300℃、4時間か焼し、残りを230℃6時間で真空加熱した。一方、分離して得られた液体(ろ液)の金濃度をICP−AESを用いて決定し、元の金溶液との差分から金の担持量を見積もった。金の担持量は、1重量%であった。また、金微粒子の平均粒子径は2.1nmであった(図2参照)。
これら2種の金微粒子担持担体について、一酸化炭素の二酸化炭素への酸化触媒活性を調べたところ、触媒活性の指標値であるT1/2が両方のサンプルとも10℃前後となった。
【実施例2】
【0044】
〔金ナノ粒子担持シリカ(SiO2)の製造〕
1000ppm Au(5mmol/L)の四塩化金酸水溶液から10mLとり、500mLに定容して、20ppm Au(0.1mmol/L)の金(III)水溶液を調製した。ここに1mol/Lの硫化ナトリウム水溶液を6滴(0.3mL,0.3mmol相当)加えよく撹拌した所、黄橙色の溶液となった。これにシリカ(Aldrich)を1g加え、その後、濃塩酸5mL(およそ60mmol)を加え溶液のpHをおよそ1にしたところ、懸濁溶液の色が薄茶色から茶色になった。1時間後、反応をやめ、吸引ろ過し、その上から100mLの蒸留水を通水して洗浄し、ろ取物を得た。ろ取物は、80℃で一晩乾燥のあと、電気炉で300℃、4時間か焼した。
【実施例3】
【0045】
〔金ナノ粒子担持三酸化モリブデン(MoO3)の製造〕
1000ppm Au(5mmol/L)の四塩化金酸水溶液から10mLとり、500mLに定容して、20ppm Au(0.1mmol/L)の金(III)水溶液を調製した。ここに1mol/Lの硫化ナトリウム水溶液を6滴(0.3mL,0.3mmol相当)加えよく撹拌した所、黄橙色の溶液となった。これに三酸化モリブデン(関東化学(株)製)1gを加え、その後、濃塩酸5mL(およそ60mmol)を加え溶液のpHをおよそ1にした。1時間後、反応をやめ、デカンテーションを繰り返しながら洗浄し、吸引ろ過によってろ取物を得た。ろ取物は、80℃で一晩乾燥の後、電気炉で300℃、4時間か焼した。一方、分離して得られた液体(ろ液)の金濃度をICP−AESを用いて決定し、元の金溶液との差分から金の担持量を見積もった。金の担持量は、1重量%であった。
【実施例4】
【0046】
〔金ナノ粒子担持三酸化タングステン(WO3)の製造〕
1000ppm Au(5mmol/L)の四塩化金酸水溶液から10mLとり、500mLに定容して、20ppm Au(0.1mmol/L)の金(III)水溶液を調製した。ここに1mol/Lの硫化ナトリウム水溶液を6滴(0.3mL,0.3mmol相当)加えよく撹拌した所、黄橙色の溶液となった。これに三酸化タングステン(関東化学(株)製)1gを加え、その後、濃塩酸5mL(およそ60mmol)を加え溶液のpHをおよそ1にした。1時間後、反応をやめ、デカンテーションを繰り返しながら洗浄し、吸引ろ過によってろ取物を得た。ろ取物は、80℃で一晩乾燥の後、電気炉で300℃、4時間か焼した。一方、分離して得られた液体(ろ液)の金濃度をICP−AESを用いて決定し、元の金溶液との差分から金の担持量を見積もった。金の担持量は、1重量%であった。得られた金担持三酸化タングステンの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図3に示す。
【実施例5】
【0047】
〔金ナノ粒子担持Nafionコーティングシリカの製造〕
1000ppm Au(5mmol/L)の四塩化金酸水溶液から10mLとり、500mLに定容して、20ppm Au(0.1mmol/L)の金(III)水溶液を調製した。ここに1mol/Lの硫化ナトリウム水溶液を6滴(0.3mL,0.3mmol相当)加えよく撹拌した所、黄橙色の溶液となった。これにNafionコーティングシリカ(Nafion(登録商標) SAC−13、Aldrich)1gを加え、その後、濃塩酸5mL(およそ60mmol)を加え溶液のpHをおよそ1にした。1時間後、反応をやめ、デカンテーションを繰り返しながら洗浄し、吸引ろ過によってろ取物を得た。ろ取物は、真空乾燥の後、240℃で6時間真空加熱した。得られた金担持Nafionコーティングシリカの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図4に示す。
【実施例6】
【0048】
〔金ナノ粒子担持五酸化二ニオブ(Nb25)の製造〕
1000ppm Au(5mmol/L)の四塩化金酸水溶液から10mLとり、500mLに定容して、20ppm Au(0.1mmol/L)の金(III)水溶液を調製した。ここに1mol/Lの硫化ナトリウム水溶液を6滴(0.3mL,0.3mmol相当)加えよく撹拌した所、黄橙色の溶液となった。これに五酸化二ニオブ(和光純薬工業(株)製)を1g加え、その後、濃塩酸5mL(およそ60mmol)を加え溶液のpHをおよそ1にした。1時間後、反応をやめ、デカンテーションを繰り返しながら洗浄し、吸引ろ過によってろ取物を得た。ろ取物は、80℃で一晩乾燥の後、電気炉で300℃、4時間か焼した。
【実施例7】
【0049】
〔金ナノ粒子担持二酸化セリウム(CeO2)の製造〕
1000ppm Au(5 mmol/L)の四塩化金酸水溶液から10mLとり、500mLに定容して、20ppm Au(0.1mmol/L)の金(III)水溶液を調製した。ここに1mol/Lの硫化ナトリウム水溶液を6滴(0.3mL,0.3mmol相当)加えよく撹拌した所、黄橙色の溶液となった。これに二酸化セリウム(信越化学工業(株)製)を1g加え、その後、濃塩酸5mL(およそ60mmol)を加え溶液のpHをおよそ1にした。1時間後、反応をやめ、デカンテーションを繰り返しながら洗浄し、吸引ろ過によってろ取物を得た。ろ取物は、80℃で一晩乾燥の後、電気炉で300℃、4時間か焼した。
【実施例8】
【0050】
(金ナノ粒子担持活性炭の製造)
1000ppm Au(5mmol/L)の四塩化金酸水溶液から10mLとり、500mLに定容して、20ppm Au(0.1mmol/L)の金(III)水溶液を調製した。ここに1mol/Lの硫化ナトリウム水溶液を6滴(0.3mL,0.3mmol相当)加えよく撹拌した所、黄橙色の溶液となった。これに活性炭(マックスソーブ(登録商標) 関西熱化学(株)製)を1g加え、その後、濃塩酸5mL(およそ60mmol)を加え溶液のpHをおよそ1にした。1時間後、反応をやめ、デカンテーションを繰り返しながら洗浄し、吸引ろ過によってろ取物を得た。ろ取物は、80℃で一晩乾燥の後、半分を電気炉で300℃、4時間か焼し、残りを230℃6時間で真空加熱した。得られた金担持活性炭の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図5に示す。
【0051】
これら2種の金微粒子担持担体についてグルコースのグルコン酸への酸化触媒活性を調べたところ、Turnover Frequency(TOF)の値は、300℃のもので12000h-1、230℃のもので210h-1となった。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の方法により製造された表面に金微粒子が分散・固定された担体材料は、酸化触媒、水添触媒、顔料、着色剤、導電剤、その他各種検出素子材料として有用に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の方法の一例を説明する説明図である。
【図2】図面代用写真であり、本発明の実施例1で得られた金ナノ粒子担持酸化チタンのTEM写真である。
【図3】図面代用写真であり、本発明の実施例4で得られた金ナノ粒子担持三酸化タングステンのTEM写真である。
【図4】図面代用写真であり、本発明の実施例5で得られた金ナノ粒子担持NafionコーティングシリカのTEM写真である。
【図5】図面代用写真であり、本発明の実施例8で得られた金ナノ粒子担持活性炭のTEM写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金化合物溶液にカルコゲン化物を添加して形成された金−カルコゲン系イオンを担体と接触させて担体に金−カルコゲン系イオンを吸着させる、あるいはさらに該溶液を酸性とすることにより担体表面に金カルコゲナイドを沈殿析出させ、その後担体を分離後加熱することにより担体表面に金微粒子を析出させることを特徴とする担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【請求項2】
前記カルコゲン化物が、硫化ナトリウムまたは硫化水素であり、形成される金−カルコゲン系イオンが金−カルコゲン系錯体イオンであることを特徴とする請求項1に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【請求項3】
前記溶液が水溶液であり、金化合物水溶液にカルコゲン化物を加えたのち、粒状担体を該水溶液に分散させることを特徴とする請求項1または2に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【請求項4】
前記担体がIII族、IV族、V族、VI族またはXIV族金属の酸化物、炭素材料または高分子材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【請求項5】
前記III族、IV族、V族、VI族またはXIV族金属の酸化物が、ケイ素、チタン、バナジウム、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、またはセリウムの酸化物であり、炭素材料が活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、またはグラファイトであることを特徴とする請求項4に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【請求項6】
前記金化合物が、四塩化金酸、四塩化金酸塩、三塩化金、シアン化金、シアン化金カリウム、三塩化ジエチルアミン金酸、エチレンジアミン金錯体、ジメチル金β−ジケトン誘導体金錯体、およびジエチル金β−ジケトン誘導体金錯体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【請求項7】
上記担体の加熱が80〜800℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。
【請求項8】
前記金微粒子の平均粒子径が20nm以下であり、金が担体に対し0.01重量%〜50重量%担持されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定する方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法により得られた、表面に金微粒子が分散・固定された担体。
【請求項10】
請求項9に記載の表面に金微粒子が分散・固定された担体からなる触媒。
【請求項11】
前記触媒が酸化触媒であることを特徴とする請求項10に記載の触媒。
【請求項12】
前記触媒が還元触媒であることを特徴とする請求項10に記載の触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−240951(P2009−240951A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−91587(P2008−91587)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【Fターム(参考)】