説明

金融機関における営業店端末の役席承認条件設定システム

【課題】窓口端末と役席端末とを接続したオペレータ処理システムにおいて、オペレータ承認条件の初期設定時に、オペレータ承認条件データベースに各オペレータの承認条件データのすべてを入力していかなければならず、大変な作業となるという問題がある。
【解決手段】各オペレータの承認条件データベースを保有するデータベースサーバをセンタに設け、各営業店の各窓口端末とLAN接続した役席端末と、これら端末を上記データベースサーバと接続し、窓口端末におけるオペレータのログインによってデータベースサーバから自己の承認条件データを取得する記憶部を有し、前記承認条件データベースに対して、各オペレータの役職区分により、役職区分に対する承認条件を設定した役職テーブルを参照して各オペレータの承認条件の初期設定を自動設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行等の金融機関における営業店端末のオペレータのランクに応じた役席承認条件設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の金融機関窓口のオペレータによる窓口端末(現金処理装置)の処理は、その操作に携わるオペレータには、その地位や身分に応じたランク付けがなされており、そのランク付けは、各営業店の役席が個々に設定しているものであり、そのランクに応じた業務範囲(承認条件設定値)内での処理作業は、役席者の承認を必要としないで行うことができ、その業務範囲外の処理については、処理毎に役席者の承認を必要としている。そして、その承認条件は初期設定時に個々のオペレータ毎にすべての承認条件データを設定している。
【0003】
ここで、ランク付けの低いオペレータが作業中に、承認が必要となった場合に、そのオペレータは、役席者を操作中に窓口端末のところに呼びに行く必要があると共に役席者は、承認操作が発生する度に窓口端末まで足を運んで承認しなければならない。
そこで、図4、図5に示す如く、窓口端末側にて、低いランクのオペレータが処理操作中に承認条件設定値以上の処理で役席者の承認を必要とするときに、承認要求を役席端末に通知する手段と、その役席端末側にて、役席者が承認必要オペレータの操作内容を確認する確認手段と、役席端末側にて役席者が上記承認必要オペレータからの承認要求を許可するとき、1回限り有効な暗証番号を発行する暗証番号発行手段とを設けた技術があり、これによって、オペレータの窓口端末と役席端末との間を送信で承認情報を通知する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−259733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、オペレータ承認条件の初期設定時に、オペレータ承認条件データベースに各オペレータの承認条件データのすべてを入力しなければならず、大変な作業となるという問題がある。
また、窓口端末に承認条件を設定する場合、一度設定した承認条件は、その後、承認条件の変更を行う場合、営業店の役席にてすべての窓口端末を個々に変更する必要があるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、各オペレータの承認条件データベースを保有するデータベースサーバをセンタに設け、各営業店の各窓口端末とLAN接続した役席端末と、これら端末を上記データベースサーバと接続し、窓口端末におけるオペレータのログインによってデータベースサーバから自己の承認条件データを取得する記憶部を有し、前記承認条件データベースに対して、各オペレータの役職区分により、役職区分に対する承認条件を設定した役職テーブルを参照して各オペレータの承認条件の初期設定を自動設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、各オペレータの承認条件データをセンタデータベースサーバに初期設定させる際に、ホストより受領した各オペレータのオペレータデータの役職区分をもとに、予め定めてある承認条件の役職テーブルを参照して自動設定することができ、これにより、承認条件の設定の誤りを防止することができることになる。
また、営業店の役席役員のいない夜間に初期設定を行うことができるので、処理効率がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による実施例を説明する。
【実施例】
【0009】
図1はオペレータ承認システムの概略説明図である。
図において、1は営業店であり、各オペレータが操作する窓口端末2と役席者が操作する役席端末3とがある。
4はセンタであり、上記営業店1と公衆網を介して接続しており、データベース(DB)サーバ5に各オペレータの承認条件データベース51を保有する。このオペレータ承認条件データベース51が保有する承認条件とは、例えば、図示する如く、各オペレータのID番号、各オペレータの役職情報、その各オペレータの支払取扱い限度額等である。
【0010】
6はホストであり、オペレータデータ61をオペレータデータベースに保有する。オペレータデータには、オペレータの役職区分に応じた共通の承認条件を格納した役職テーブル52が含まれている。
つぎに、窓口端末2と役席端末3の処理システムを図2のブロック図を用いて説明する。
【0011】
窓口端末2は、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)201により制御される。CPU201は、表示操作部202、記憶部203、通信制御部204とそれぞれ電気的に接続されることにより、各部の制御を行うようになっている。
上記記憶部203には、各部を制御する制御プログラムを格納するメモリが設けられ、この制御プログラムをCPU201に読み込むことにより、CPU201が各部の制御を行う。
【0012】
また、役席端末3は、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)301により制御される。CPU301は、表示操作部302、記憶部303、通信制御部304とそれぞれ電気的に接続されることにより、各部の制御を行うようになっている。
上記記憶部303には、各部を制御する制御プログラムを格納するメモリが設けられ、この制御プログラムをCPU301に読み込むことにより、CPU301が各部の制御を行う。
【0013】
本発明の処理システムによる承認機能は、図1に示す如くである。すなわち、本発明の処理システムにおいて、支店内LANには、複数の窓口端末2が接続されていると共に少なくとも1台の役席端末3が接続されているものとする。
上述した構成による承認条件設定処理を図3を用いて説明する。
夜間に、ホスト6より、オペレータデータ61をセンタのデータベースサーバ5にファイル転送する。
【0014】
センタのデータベースサーバ5の制御部は、受領したオペレータデータについて、役職区分毎の承認条件を定めてある役職テーブル52を参照して、各行員IDの役職区分により、自動で承認条件を初期設定する。
この初期設定したオペレータ情報を、オペレータ承認条件データベースに登録する。
このように初期設定されたオペレータ承認条件データは、営業店の役席端末3よりメンテナンスが可能である。役席端末3からメンテナンスを行って、個別に変更を行った場合は、個別変更フラグが立てられる。夜間に行う前記の初期設定動作は、すべてのオペレータに対して一律に行って必ず共通の条件にクリアされるようにしてもよいし、個別変更フラグが立っているオペレータについては、夜間の更新を行わないように制御すれば、一旦変更した条件は共通の承認条件に自動更新されないようにすることができる。
【0015】
オペレータは、窓口端末2に自己のID番号等を入力してログインすると、センタ4のデータベース(DB)サーバ5に保有されているそのオペレータのオペレータ承認条件データを取り出すことができる。
取得した承認条件データは、その窓口端末2の記憶部203に記憶される。
そこで、オペレータは、営業店に訪れた顧客からの取引依頼に応じて、取引伝票等に記載された取引内容を表示操作部202に入力すると、その入力条件と記憶部203の上記承認条件とを比較し、CPU201によって承認条件内と判断されると、オペレータはその取引を直ちに実行することができる。
【0016】
CPU201によってその入力条件が承認条件外、すなわち、取引金額の閾値に一致するかあるいは超えた場合であると判断されると、当該取引の処理画面は続行不可能な状態となり、画面に承認依頼画面を表示し、オペレータの承認依頼操作によって通信制御部204を介してLANにより承認情報を役席端末3に送信する。
役席端末3から窓口端末2にその承認結果を送信し、承認が可であれば当該取引の処理画面が続行可能な状態となり、オペレータは直ちに取引を実行する。
【0017】
役席端末3からの窓口端末2への承認結果が不可であれば、オペレータは直ちに取引を行うことはできず、役席役員の直接の判断をあおいで取引を実行する。このとき、必要に応じて役員は役席端末3から、窓口端末2に記憶されたオペレータ承認条件データをメンテナンスすることができ、これによって、オペレータは当該取引を可能とすることができるし、役席承認不可の理由を解消した後、再度、役席承認依頼を行わせるようにしてもよい。
【0018】
以上説明した本実施例によると、各オペレータの承認条件データをセンタデータベースサーバに初期設定させる際に、ホストより受領した各オペレータのオペレータデータの役職区分をもとに、予め定めてある役職毎の承認条件の役職テーブルを参照して自動設定することができ、これにより、営業店の役席役員のいない夜間に初期設定を行うことができると共に承認条件の設定の誤りを防止することができることになる。
【0019】
また、オペレータの承認条件を役席端末から変更することができるので、承認条件の変更の利便性が向上する。
また、センタのデータベースサーバに承認条件データを保有するために、営業店の役席者は、メンテナンスが必要な場合のみ変更することが可能となると共にオペレータは、営業店のどの窓口端末を使用してもその承認条件を取得することができ、同条件で取引が可能となる。
【0020】
また、各オペレータの承認条件をセンタのデータベースサーバに保有させたことにより、オペレータは、営業店のどの窓口端末を使用してもその承認条件を取得することができ、同条件で取引が可能となる。
また、承認条件を変更する場合は、センタのデータベースサーバのデータを変更すればよいために、役席端末からのデータベースの変更が可能となり、従来のようなすべての窓口端末を個々に変更するような大変な作業は必要となくなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例を示す概略説明図
【図2】窓口端末と役席端末の説明図
【図3】オペレータ承認システムの処理流れ図
【図4】従来技術の概略説明図
【図5】従来のオペレータ承認システムの処理流れ図
【符号の説明】
【0022】
1 営業店
2 窓口端末
3 役席端末
4 センタ
5 データベースサーバ
51 承認条件データベース
52 役職テーブル
6 ホスト
61 オペレータデータ
201 CPU
202 表示操作部
203 記憶部
204 通信制御部
301 CPU
302 表示操作部
303 記憶部
304 通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各オペレータの承認条件データベースを保有するデータベースサーバをセンタに設け、
各営業店の各窓口端末とLAN接続した役席端末と、これら端末を上記データベースサーバと接続し、
窓口端末におけるオペレータのログインによってデータベースサーバから自己の承認条件データを取得する記憶部を有し、
前記承認条件データベースに対して、各オペレータの役職区分により、役職区分に対する承認条件を設定した役職テーブルを参照して各オペレータの承認条件の初期設定を自動設定することを特徴とする金融機関おける営業店端末の役席承認条件設定システム。
【請求項2】
請求項1において、夜間にホストより役職テーブルを転送し、センタで役職テーブルを参照して各オペレータの承認条件の初期設定を自動設定することを特徴とする金融機関おける営業店端末の役席承認条件設定システム。
【請求項3】
請求項1において、データベースサーバに保有されているオペレータの承認条件を役席端末から変更することができることを特徴とする金融機関おける営業店端末の役席承認条件設定システム。
【請求項4】
請求項3において、オペレータ毎に、オペレータの承認条件を役席端末から変更したことを示す情報を有し、当該情報がオペレータの承認条件を役席端末から変更したことを示す場合には、当該オペレータに対して承認条件の自動設定を行わないことを特徴とする金融機関おける営業店端末の役席承認条件設定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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