説明

釣銭機及び在高管理プログラム

【課題】機内在高を管理する複数の管理モードを切り替え可能にする釣銭機及び在高管理プログラムを提供する。
【解決手段】釣銭機200は、リジェクト貨幣を収納するリジェクト部204と、在高データを記憶する記憶部250と、収納部206内の貨幣の在高を機内在高とする第1在高管理モードと、収納部206内の貨幣及びリジェクト部204内の貨幣の在高を機内在高とする第2在高管理モードを切り替える管理モード切替部260と、前記第1在高管理モードが指定された場合、収納部206から繰り出される貨幣の金種別枚数に基づいて前記在高データを更新し、前記第2在高管理モードが指定された場合、出金部216から出金される貨幣の金種別枚数に基づいて前記在高データを更新する制御部230と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の管理モードを切り替えて機内在高を管理する釣銭機及び在高管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には、紙幣及び硬貨の入出金を行う釣銭機と、顧客の購入商品の登録や釣銭機に対する釣銭の出金指示を行うレジスタとが設けられている。
【0003】
例えば特許文献1には、貨幣を受け入れる受入部と、受け入れた貨幣を識別・計数する識別部と、この識別部で識別された貨幣を金種別に収納するとともに1枚ずつ繰り出すことができる収納部と、この収納部に収納される貨幣の金種別枚数を計数する収納枚数計数部と、この収納部から繰り出された貨幣を外部から取り出し可能に出金する出金部と、を備えた釣銭機が開示されている。また、収納部から繰り出された貨幣のうち、斜行や重送等により出金不可と判定された貨幣を収納するリジェクト部、及び出金部から出金される貨幣の金種別枚数を計数する出金枚数計数部が設けられた釣銭機も知られている。
【0004】
特許文献1に記載の釣銭機は、識別部又は収納枚数計数部の計数結果に基づいて入金額を確定し、この入金額をレジスタに通知する。レジスタは、入金額から売上額を減じて釣銭額を算出し、釣銭機に対して釣銭の出金指示を行う。釣銭機は、この出金指示に基づいて収納部から貨幣を繰り出して、釣銭を出金する。
【0005】
このような従来の釣銭機において、収納部から繰り出された貨幣の金種別枚数を機内在高から減算する場合、リジェクト部に収納された貨幣は機内在高に反映されない。そのため、釣銭機が管理している機内在高は、収納部在高と一致しているが、リジェクト部に収納された貨幣を含めた実際の機内在高とは不一致になるおそれがある。
【0006】
一方、出金枚数計数部が計数した出金部から出金される貨幣の金種別枚数を機内在高から減算する場合、リジェクト部に収納された貨幣は機内在高に含まれている。そのため、釣銭機が管理している機内在高は、実際の機内在高と一致しているが、リジェクト部に収納されている貨幣を収納部へ戻すことが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−67171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、このような複数の機内在高の管理方法(計算方法)の各々に対応した釣銭機が製造され、各店舗は、採用する機内在高管理方法に対応した釣銭機を設置していた。また、店舗によっては釣銭機の機内在高をPOSサーバ等の上位機へ通知し、複数の釣銭機の機内在高を集中管理するようになっている。店舗の既存システムに、異なる機内在高管理方法に対応した釣銭機を適用することは出来ない。このように、従来の釣銭機は、設置可能な店舗が制限されていた。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、機内在高を管理する複数の管理モードを切り替え可能にする釣銭機及び在高管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様による釣銭機は、貨幣を受け入れる受入部と、貨幣を金種別に収納するとともに1枚ずつ繰り出すことができる収納部と、貨幣を外部から取り出し可能に出金する出金部と、前記受入部が受け入れた貨幣の識別、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数の計数、出金リジェクト貨幣の検出、及び前記出金部から出金される貨幣の金種別枚数の計数を行う識別部と、前記出金リジェクト貨幣を収納するリジェクト部と、在高データを記憶する記憶部と、前記収納部に収納されている貨幣の在高を機内在高とする第1在高管理モードと、前記収納部に収納されている貨幣及び前記リジェクト部に収納されている貨幣の在高を機内在高とする第2在高管理モードを切り替える管理モード切替部と、前記識別部から計数結果を取得し、前記管理モード切替部により前記第1在高管理モードが指定された場合、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新し、前記第2在高管理モードが指定された場合、前記出金部から出金される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新する制御部と、を備える。
【0011】
本発明の一態様による釣銭機においては、預かり貨幣の入金後に釣銭を出金する入金優先モードと、釣銭の出金後に預かり貨幣を入金する出金優先モードを切り替える優先モード切替部をさらに備え、前記優先モード切替部により前記出金優先モードが指定された場合、前記制御部は、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新し、前記預かり貨幣のうち、前記識別部がリジェクト貨幣と判定した貨幣を前記リジェクト部に収納させることが好ましい。
【0012】
本発明の一態様による釣銭機においては、前記優先モード切替部により前記入金優先モードが指定された場合、前記制御部は、前記預かり貨幣のうち、前記識別部がリジェクト貨幣と判定した貨幣を前記出金部から返却させることが好ましい。
【0013】
本発明の一態様による釣銭機においては、前記管理モード切替部により在高管理モードが切り替えられる場合、前記制御部は、前記収納部に収納されている貨幣を全て繰り出すように制御することが好ましい。
【0014】
本発明の一態様による釣銭機においては、前記リジェクト部から前記収納部への貨幣の戻し入れを報知する報知部をさらに備え、前記制御部は、前記管理モード切替部により前記第2在高管理モードが指定されており、かつ前記リジェクト部にリジェクト貨幣が収納されている時に、前記報知部が貨幣の戻し入れの報知を行うように制御することが好ましい。
【0015】
本発明の一態様による釣銭機は、貨幣を受け入れる受入部と、前記受入部が受け入れた貨幣を識別する識別部と、前記識別部が識別した貨幣を金種別に収納するとともに、出金指示に基づいて貨幣を1枚ずつ繰り出すことができる収納部と、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数を計数する第1計数部と、貨幣を外部から取り出し可能に出金する出金部と、前記出金指示された出金枚数と、前記第1計数部により計数結果とが異なっていた場合に、前記収納部から繰り出された貨幣を出金リジェクト貨幣として検出する検出部と、前記出金部から出金される貨幣の金種別枚数を計数する第2計数部と、在高データを記憶する記憶部と、前記収納部に収納されている貨幣の在高を機内在高とする第1在高管理モードと、前記収納部に収納されている貨幣及び前記出金リジェクト貨幣を機内在高とする第2在高管理モードを切り替える管理モード切替部と、前記収納部への貨幣の戻し入れを報知する報知部と、前記管理モード切替部により前記第1在高管理モードが指定された場合、前記第1計数部による計数結果に基づいて前記在高データを更新し、前記第2在高管理モードが指定された場合、前記第2計数部による計数結果に基づいて前記在高データを更新するとともに、前記検出部により前記出金リジェクト貨幣が検出されたときは、前記報知部を制御して、前記出金部から出金された前記出金リジェクト貨幣を前記収納部へ戻し入れるよう報知する制御部と、を備える。
【0016】
本発明の一態様による在高更新プログラムは、記憶部に釣銭機の機内在高を示す在高データを記憶するステップと、金種別に貨幣を収納する収納部に収納されている貨幣在高を前記機内在高とする第1在高管理モードと、前記収納部に収納されている貨幣及び前記釣銭機内のリジェクト部に収納されている出金リジェクト貨幣の在高を前記機内在高とする第2在高管理モードを切り替えるステップと、前記第1在高管理モードが指定された場合に、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新するステップと、前記第2在高管理モードが指定された場合に、前記釣銭機の出金部から出金される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、釣銭機の機内在高を管理する複数の管理モードを切り替え可能にすることができる。この結果、釣銭機を様々な店舗に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るレジ釣銭機システムの外観斜視図である。
【図2】同実施形態に係る硬貨釣銭機の概略構成図である。
【図3】同実施形態に係る硬貨釣銭機の機能ブロック図である。
【図4】同実施形態に係る紙幣釣銭機の概略構成図である。
【図5】同実施形態に係る紙幣釣銭機の機能ブロック図である。
【図6】同実施形態に係るレジ釣銭機システムを用いた精算処理及び在高更新処理を説明するフローチャートである。
【図7】同実施形態に係るレジ釣銭機システムを用いた精算処理及び在高更新処理を説明するフローチャートである。
【図8】同実施形態に係るレジ釣銭機システムを用いた精算処理及び在高更新処理を説明するフローチャートである。
【図9】店舗サーバと複数のレジ釣銭機とからなるシステムの一例を示す図である。
【図10】釣銭機サーバと複数のレジ釣銭機とからなるシステムの一例を示す図である。
【図11】回収処理における操作表示部の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るレジ釣銭機システムの外観斜視図である。図1に示すように、レジ釣銭機システムは、顧客から支払われた貨幣(硬貨及び紙幣)の計数や釣銭の出金を行う硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200と、顧客の購入商品の登録や釣銭額の算出を行うレジスタ300とを備えている。
【0021】
図1に示すように、レジスタ300は、ディスプレイ302、入力部304、カスタマーディスプレイ302a、及び印字部306を備えている。また、レジスタ300は、紙幣釣銭機200との通信機能を有している。また、レジスタ300にはハンディスキャナや据置型スキャナ等のスキャナ機構(図示せず)が接続されている。スキャナ機構は、商品に付されたバーコード等の読み取りを行い、商品のコード情報(商品情報)をレジスタ300に通知する。
【0022】
レジスタ300は、スキャナ機構から通知されたコード情報に基づいて顧客の購入商品の登録を行うと共に、商品の金額を取得する。顧客の購入商品の登録や金額の入力は、オペレータが入力部304を介して行ってもよい。
【0023】
入力部304には、顧客が購入する商品の合計金額の算出を指示する指示手段が設けられている。指示手段は例えば小計ボタンであり、オペレータによりこの小計ボタンが押されると、レジスタ300は、登録されている購入商品の合計金額を算出する。また、レジスタ300は、入力部304を用いたオペレータの手入力、又は紙幣釣銭機200からの通知に基づいて、顧客の支払い金額を取得する。レジスタ300は、顧客の支払い金額と購入商品の合計金額の差額を計算して釣銭を求め、紙幣釣銭機200へ釣銭出金指示を出力する。
【0024】
また、レジスタ300は、紙幣釣銭機200から、紙幣釣銭機200及び硬貨釣銭機100の機内在高を取得することができる。さらに、レジスタ300は、登録した商品情報や、購入商品の合計金額、顧客の支払い金額、釣銭額、紙幣釣銭機200及び硬貨釣銭機100の機内在高等をホストコンピュータ(図示せず)へ送信してもよい。
【0025】
次に、硬貨釣銭機100の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図2は、硬貨釣銭機100の概略構成図であり、図3は硬貨釣銭機100の機能ブロック図である。
【0026】
硬貨釣銭機100は、外部から硬貨を受け入れる受入部114、受入部114から受け入れた受入硬貨の識別計数を行う識別部101、識別部101による識別結果に応じて受入硬貨を額面別に収納する収納部106、及び機内の硬貨を外部から取り出し可能に出金する出金部116を備える。
【0027】
図1に示すように、硬貨釣銭機100は前部上面に操作表示部112を有する筐体110を備える。筐体110の前部には受入部114及び出金部116が設けられている。
【0028】
受入部114は受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機内へ取り込む。図2に示すように、受入部114の後方には取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部103が延びている。
【0029】
この入金搬送部103の途中には硬貨の識別・計数を行う識別部101と、分岐部104が設けられている。分岐部104は識別部101の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨を出金搬送部108へ案内(搬送)する。
【0030】
正常硬貨等の機内に収納される硬貨は入金搬送部103により収納部106へ搬送される。収納部106は硬貨を金種別に収納し、例えば入金搬送部103の上流側から高額順に硬貨を収納する。
【0031】
出金搬送部108は収納部106から繰り出された硬貨を出金部116へ搬送する。また、出金搬送部108は、分岐部104から案内された硬貨を出金部116へ搬送する。
【0032】
収納部106の繰出口には、繰り出される硬貨の枚数を計数するセンサ120が設けられている。また、出金部116の直前の搬送部108上には、出金搬送部108から出金される硬貨の金種別枚数を計数するセンサ122が設けられている。
【0033】
図2及び図3に示すように、硬貨釣銭機100には、各部の制御を行う制御部130が設けられている。制御部130は、紙幣釣銭機200を介してレジスタ300と通信可能に接続されており、様々な情報の送受信を行う。例えば、制御部130は、釣銭硬貨の出金指示を受信したり、硬貨釣銭機100の機内在高や入金硬貨の計数結果を送信したりする。
【0034】
また、制御部130は、出金指示された金種別枚数と、センサ120の計数結果とが一致しなかった場合、エラーを検知し、そのときに収納部106から繰り出された硬貨を出金リジェクト硬貨として検出する。
【0035】
また、図3に示すように、硬貨釣銭機100は、オペレータに対してリジェクト硬貨の存在を報知する報知部140及び機内在高等を記憶する記憶部150を備えている。報知部140は、出金部116からリジェクト硬貨が払い出された場合に、ランプ等の照明部(図示せず)を点滅させたり、リジェクト硬貨が放出されたことを操作表示部112に表示させたりする。記憶部150の機内在高は制御部130により更新される。
【0036】
また、記憶部150は制御プログラムを記憶しており、制御部130は、この制御プログラムを実行して硬貨釣銭機100の全体を制御している。記憶部150は、各種プログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)またはHDD(Hard Disk Drive)、および、プログラムのロード領域やプログラム実行時における作業領域となるRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0037】
さらに、硬貨釣銭機100には、後述する管理モード切替部160及び優先モード切替部170が設けられている。
【0038】
次に、紙幣釣銭機200の構成について、図1、図4及び図5を用いて説明する。図4は、紙幣釣銭機200の概略構成図であり、図5は紙幣釣銭機200の機能ブロック図である。
【0039】
紙幣釣銭機200は、外部から紙幣を受け入れる受入部214、受入部214から受け入れた紙幣の識別計数を行う識別部201、識別部201による識別結果に応じて紙幣を金種別に収納する収納部206、及び機内の紙幣を外部に出金する出金部216を備える。
【0040】
紙幣釣銭機200は、筐体210と、この筐体210内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部203aとを備えている。また、受入部214、収納部206、出金部216、リジェクト部204、及び回収カセット207が、周回搬送部203aの外周を取り囲むように配置されている。
【0041】
また、受入部214、各収納部206、出金部216、リジェクト部204、及び回収カセット207と、周回搬送部203aとの間を接続する紙幣の接続搬送部203bがそれぞれ形成されている。周回搬送部203aには、通過する紙幣の識別・計数を行う識別部201が設けられている。
【0042】
また、周回搬送部203aと各接続搬送部203bとの間で紙幣の搬送経路を切り替える経路切替部(図示せず)が周回搬送部203aに沿って配置されている。
【0043】
筐体210の前面には受入部214の受入口214aと、出金部216の出金口216aとが設けられている。回収カセット207は筐体210に対して着脱自在に取り付けられている。また、筐体210の前部上面に操作表示部212が設けられている。
【0044】
受入部214は受入口214aに挿入された紙幣を1枚ずつ取り込んで、周回搬送部203a側へ繰り出す。各収納部206は、識別部201の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納する。出金部216は、各収納部206から取り出された紙幣を出金口216aより放出する。
【0045】
リジェクト部204は、収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等により識別部201で識別のできない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。また、受入部214から取り込まれた紙幣のうち、汚損等により識別部201で識別のできない紙幣は入金リジェクト紙幣として払出部216に返却されるか、又はリジェクト部204に収納される。入金リジェクト紙幣の搬送先は、後述する管理モード及び優先モードの設定に応じて変わる。
【0046】
また、図4及び図5に示すように、紙幣釣銭機200には、各部の制御を行う制御部230が設けられている。制御部230は、硬貨釣銭機100の制御部130及びレジスタ300と通信可能に接続されており、様々な情報の送受信を行う。例えば、制御部230は、レジスタ300から釣銭出金指示を受信し、硬貨釣銭出金指示を制御部130へ送信する。また、制御部230は、入金紙幣の計数結果や、紙幣釣銭機200の機内在高をレジスタ300へ送信する。また、制御部230は、制御部130から受信した硬貨釣銭機100の機内在高や入金硬貨の計数結果をレジスタ300へ送信する。
【0047】
また、図5に示すように、紙幣釣銭機200は、オペレータに対してリジェクト紙幣の存在を報知する報知部240及び機内在高等を記憶する記憶部250を備えている。報知部240は、例えば、リジェクト紙幣を検出したことを操作表示部212に表示させたりする。記憶部250に記憶されている機内在高は制御部230により更新される。
【0048】
また、記憶部250は制御プログラムを記憶しており、制御部230は、この制御プログラムを実行して紙幣釣銭機200の全体を制御している。記憶部250は、各種プログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)またはHDD(Hard Disk Drive)、および、プログラムのロード領域やプログラム実行時における作業領域となるRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0049】
また、紙幣釣銭機200は、機内在高の管理モードを切り替える管理モード切替部260を備えている。紙幣釣銭機200には、収納部206に収納されている紙幣の在高を機内在高とする第1在高管理モードと、収納部206に収納されている紙幣及びリジェクト部204に収納されている紙幣の合計を機内在高とする第2在高管理モードの2種類の管理モードを設定することができ、管理モード切替部260はこれら2種類の管理モードの切り替えを行う。管理モードの切り替え指示は、例えば、オペレータから操作表示部212を介して受け付けたり、レジスタ300から受け付けたりする。
【0050】
上述した管理モードの切り替え指示に基づいて、硬貨釣銭機100の管理モード切替部160が機内在高の管理モードを切り替える。硬貨釣銭機100の第1在高管理モードは、収納部106に収納されている硬貨の在高を機内在高とするものであり、第2在高管理モードは、収納部106に収納されている硬貨及び出金部116から出金リジェクト硬貨として放出された硬貨の合計を機内在高とするものである。硬貨釣銭機100は、例えば、管理モードの切り替え指示を紙幣釣銭機200の制御部230から通知される。硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200には同じ管理モードが設定される。
【0051】
図5に示すように、紙幣釣銭機200は、顧客からの預かり紙幣の入金後に釣銭紙幣を出金する入金優先モードと、釣銭紙幣の出金後に預かり紙幣を入金する出金優先モードを切り替える優先モード切替部270をさらに備えている。優先モードの切り替え指示は、例えば、オペレータから操作表示部212を介して受け付けたり、レジスタ300から受け付けたりする。
【0052】
同様に、上述した優先モードの切り替え指示に基づいて、硬貨釣銭機100の優先モード切替部270も、顧客からの預かり硬貨の入金後に釣銭硬貨を出金する入金優先モードと、釣銭硬貨の出金後に預かり硬貨を入金する出金優先モードを切り替える。硬貨釣銭機100は、例えば、優先モードの切り替え指示を紙幣釣銭機200の制御部230から通知される。
【0053】
紙幣釣銭機200は、出金優先モードの設定時、顧客からの預かり紙幣に含まれている入金リジェクト紙幣をリジェクト部204に収納する。つまり、リジェクト部204には入金リジェクト紙幣と出金リジェクト紙幣が混在することになり、リジェクト部204内の紙幣の正確な在高を紙幣釣銭機200側で把握することができない。そのため、釣銭機(硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200)に出金優先モードが設定された場合、機内在高の管理モードは、収納部106、206に収納されている貨幣の在高を機内在高とする第1在高管理モードが自動設定されるようにしてもよいし、第2在高管理モードを選択・設定できないようにしてもよい。
【0054】
このことから、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に設定される機内在高管理モードと優先モードの設定の組み合わせは以下の3パターンとなる。
【表1】

【0055】
なお、機内に貨幣が存在している状態で在高管理モードを切り替える場合は、収納部106、206内の貨幣を一旦全て回収(全回収)し、記憶部150、250の在高データをリセットした上で、補充することが必要となる。
【0056】
次に、このようなレジ釣銭機システムを用いた精算方法及び釣銭機の機内在高更新方法を、釣銭機の設定モード別に説明する。
【0057】
まず、釣銭機に第1在高管理モード及び出金優先モードが設定されている場合(パターン1)について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0058】
(ステップS101)顧客が購入する商品の商品情報がレジスタ300に登録され、購入金額が算出される。
【0059】
(ステップS102)顧客の支払い貨幣をオペレータが計数し、支払い金額をレジスタ300の入力部304から手入力する。
【0060】
(ステップS103)レジスタ300が、ステップS102で入力された支払い金額から、ステップS101で算出した購入金額を減じて釣銭額を算出する。そして、レジスタ300が、釣銭額に基づいて紙幣釣銭機200の制御部230へ釣銭出金指示を出力する。
【0061】
(ステップS104)紙幣釣銭機200が釣銭出金指示に基づいて釣銭紙幣を出金する。また、紙幣釣銭機200は硬貨釣銭の出金指示を硬貨釣銭機100へ通知し、硬貨釣銭機100が釣銭硬貨を出金する。オペレータは、釣銭紙幣及び釣銭硬貨を顧客へ渡す。
【0062】
このとき、出金リジェクト紙幣はリジェクト部204に収納され、出金リジェクト硬貨は釣銭硬貨とは区別して出金される。例えば、出金リジェクト硬貨の出金後、オペレータが出金リジェクト硬貨を別途保管し、操作表示部112に出金指示を与えると、改めて釣銭硬貨が出金される。
【0063】
(ステップS105)制御部130が、収納部106から繰り出された硬貨の金種別枚数をセンサ120から取得し、これを記憶部150の在高データから減じることで、在高データを更新する。また、制御部230が、収納部206から繰り出された紙幣の金種別枚数を識別部201から取得し、これを記憶部250の在高データから減じて、在高データを更新する。
【0064】
(ステップS106)顧客の支払い貨幣が硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に入金される。
【0065】
このとき、入金リジェクト紙幣はリジェクト部204に収納される。また、入金リジェクト硬貨は、出金部116から出金され、別途保管される。
【0066】
(ステップS107)制御部130が、収納部106に収納された硬貨の金種別枚数を識別部101から取得し、これを記憶部150の在高データに加えることで、在高データを更新する。収納部106に収納された硬貨とは、ステップS106で入金された正常な硬貨、すなわち入金リジェクト硬貨と判別されなかった硬貨である。
【0067】
また、制御部230が、収納部206に収納された紙幣の金種別枚数を識別部201から取得し、これを記憶部250の在高データに加えることで、在高データを更新する。収納部206に収納された紙幣とは、ステップS106で入金された正常な紙幣、すなわち入金リジェクト紙幣と判別されリジェクト部204に収納されなかった紙幣である。
【0068】
このように、リジェクト部204には入金リジェクト紙幣と出金リジェクト紙幣とが混在するが、記憶部250の在高データは、収納部206から繰り出された紙幣の金種別枚数及び収納部206に収納された紙幣の金種別枚数に基づいて更新される。第1在高管理モードは、収納部206に収納されている貨幣を機内在高とするため、記憶部250の在高データは正確なものとして扱うことができる。
【0069】
同様に、記憶部150の在高データは、収納部106から繰り出された硬貨の金種別枚数及び収納部106に収納された硬貨の金種別枚数に基づいて更新される。第1在高管理モードは、収納部106に収納されている貨幣を機内在高とするため、記憶部150の在高データは正確なものとして扱うことができる。
【0070】
第1在高管理モードでは、収納部106、206から繰り出された貨幣を機内在高として扱わないため、リジェクト貨幣の戻し入れを行う必要がない。
【0071】
次に、釣銭機に第1在高管理モード及び入金優先モードが設定されている場合(パターン2)について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0072】
(ステップS201)顧客が購入する商品の商品情報がレジスタ300に登録され、購入金額が算出される。
【0073】
(ステップS202)顧客のからの預かり貨幣が硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に投入され、識別・計数される。このとき、入金リジェクト硬貨は出金部116から返却され、入金リジェクト紙幣は出金部216から返却される。正常な貨幣は収納部106、206に収納される。
【0074】
(ステップS203)制御部130が、収納部106に収納された硬貨の金種別枚数を識別部101から取得し、これを記憶部150の在高データに加えることで、在高データを更新する。また、制御部230が、収納部206に収納された紙幣の金種別枚数を識別部201から取得し、これを記憶部250の在高データに加えることで、在高データを更新する。
【0075】
また、紙幣釣銭機200は、硬貨釣銭機100から正常に入金処理された硬貨の金額を取得し、正常に入金処理された紙幣の金額との合計金額をレジスタ300に通知する。
【0076】
(ステップS204)レジスタ300が、ステップS203で通知された合計金額から、ステップS201で算出した購入金額を減じて、釣銭額を算出する。そして、レジスタ300が、釣銭額に基づいて紙幣釣銭機200の制御部230へ釣銭出金指示を出力する。
【0077】
(ステップS205)紙幣釣銭機200が釣銭出金指示に基づいて釣銭紙幣を出金する。また、紙幣釣銭機200は硬貨釣銭の出金指示を硬貨釣銭機100へ通知し、硬貨釣銭機100が釣銭硬貨を出金する。オペレータは、釣銭紙幣及び釣銭硬貨を顧客へ渡す。
【0078】
このとき、出金リジェクト紙幣はリジェクト部204に収納され、出金リジェクト硬貨は釣銭硬貨とは区別して出金される。例えば、出金リジェクト硬貨の出金後、オペレータが出金リジェクト硬貨を取り出し、操作表示部112に出金指示を与えると、改めて釣銭硬貨が出金される。
【0079】
(ステップS206)制御部130が、収納部106から繰り出された硬貨の金種別枚数をセンサ120から取得し、これを記憶部150の在高データから減じることで、在高データを更新する。また、制御部230が、収納部206から繰り出された紙幣の金種別枚数を識別部201から取得し、これを記憶部250の在高データから減じて、在高データを更新する。
【0080】
このように、記憶部250の在高データは、収納部206から繰り出された紙幣の金種別枚数及び収納部206に収納された紙幣の金種別枚数に基づいて更新される。第1在高管理モードは、収納部206に収納されている貨幣を機内在高とするため、記憶部250の在高データは正確なものとして扱うことができる。
【0081】
同様に、記憶部150の在高データは、収納部106から繰り出された硬貨の金種別枚数及び収納部106に収納された硬貨の金種別枚数に基づいて更新される。第1在高管理モードは、収納部106に収納されている貨幣を機内在高とするため、記憶部150の在高データは正確なものとして扱うことができる。
【0082】
上述したように、第1在高管理モードでは、収納部106、206から繰り出された貨幣を機内在高として扱わないため、リジェクト貨幣の戻し入れを行う必要がない。
【0083】
次に、釣銭機に第2在高管理モード及び入金優先モードが設定されている場合(パターン3)について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0084】
(ステップS301)顧客が購入する商品の商品情報がレジスタ300に登録され、購入金額が算出される。
【0085】
(ステップS302)顧客のからの預かり貨幣が硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に投入され、識別・計数される。このとき、入金リジェクト硬貨は出金部116から返却され、入金リジェクト紙幣は出金部216から返却される。正常な貨幣は収納部106、206に収納される。
【0086】
(ステップS303)制御部130が、収納部106に収納された硬貨の金種別枚数を識別部101から取得し、これを記憶部150の在高データに加えることで、在高データを更新する。また、制御部230が、収納部206に収納された紙幣の金種別枚数を識別部201から取得し、これを記憶部250の在高データに加えることで、在高データを更新する。
【0087】
また、紙幣釣銭機200は、硬貨釣銭機100から正常に入金処理された硬貨の金額を取得し、正常に入金処理された紙幣の金額との合計金額をレジスタ300に通知する。
【0088】
(ステップS304)レジスタ300が、ステップS303で通知された合計金額から、ステップS301で算出した購入金額を減じて、釣銭額を算出する。そして、レジスタ300が、釣銭額に基づいて紙幣釣銭機200の制御部230へ釣銭出金指示を出力する。
【0089】
(ステップS305)紙幣釣銭機200が釣銭出金指示に基づいて釣銭紙幣を出金する。また、紙幣釣銭機200は硬貨釣銭の出金指示を硬貨釣銭機100へ通知し、硬貨釣銭機100が釣銭硬貨を出金する。オペレータは、釣銭紙幣及び釣銭硬貨を顧客へ渡す。
【0090】
このとき、出金リジェクト紙幣はリジェクト部204に収納され、出金リジェクト硬貨は釣銭硬貨とは区別して出金される。例えば、出金リジェクト硬貨の出金後、操作表示部112がオペレータから指示を受け付けると、改めて釣銭硬貨が出金される。
【0091】
(ステップS306)制御部130が、釣銭硬貨として正常に出金された硬貨の金種別枚数をセンサ122から取得し、これを記憶部150の在高データから減じることで、在高データを更新する。また、制御部230が、釣銭紙幣として正常に出金された紙幣の金種別枚数を識別部201から取得し、これを記憶部250の在高データから減じて、在高データを更新する。
【0092】
(ステップS307)ステップS305において出金リジェクト貨幣があった場合はステップS308へ進む。
【0093】
(ステップS308)報知部140又は240が、出金リジェクト貨幣を収納部106又は206へ戻し入れるように報知する。
【0094】
このように、記憶部250の在高データは、収納部206に収納された紙幣の金種別枚数及び出金部216から正常な紙幣として出金された紙幣の金種別枚数に基づいて更新される。つまり、リジェクト部204に収納されている出金リジェクト紙幣は在高データに含まれている。第2在高管理モードは、収納部206に収納されている紙幣及びリジェクト部204に収納されている紙幣の合計在高を機内在高とするため、記憶部250の在高データは正確なものとして扱うことができる。また、紙幣釣銭機200の機内に実際に存在する紙幣(収納部206及びリジェクト部204に収納されている紙幣)が在高データと一致する。そのため、紙幣釣銭機200の障害等により出金リジェクト紙幣が生じた場合も、実際の機内在高と在高データとが不一致になることを防止できる。
【0095】
同様に、記憶部150の在高データは、収納部106に収納された硬貨の金種別枚数及び出金部116から正常な硬貨として出金された硬貨の金種別枚数に基づいて更新される。つまり、出金リジェクト硬貨として顧客に渡されていない硬貨は在高データに含まれている。第2在高管理モードは、収納部106に収納されている硬貨及び出金部116から出金リジェクト硬貨として放出された硬貨の合計を機内在高とするため、記憶部150の在高データは正確なものとして扱うことができる。
【0096】
また、出金リジェクト硬貨が発生した場合は、報知部140が硬貨の戻し入れを促す。出金リジェクト硬貨を収納部106に戻し入れることで、実際の機内在高と在高データとが不一致になることを防止できる。
【0097】
このように、本実施形態に係る釣銭機は、機内在高を管理するための互いに異なる2つの管理モードと、顧客からの預かり貨幣の入金及び出金の優先度を決める優先モードとを切り替えることができる。
【0098】
図9に示すように、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、及びレジスタ300からなるレジ釣銭機システムを複数設け、各レジスタ300から、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200の機内在高や、顧客購入商品情報を取得する店舗サーバ400を設けてもよい。さらに、この店舗サーバ400が、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に設定する管理モード及び優先モードを指示するようにしてもよい。
【0099】
また、図10に示すように、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、及びレジスタ300からなるレジ釣銭機システムを複数設け、各釣銭機から機内在高を取得する釣銭機サーバ500を設けてもよい。さらに、この釣銭機サーバ500が、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に設定する管理モード及び優先モードを指示するようにしてもよい。
【0100】
また、店舗が採用する管理モード及び優先モードの組み合わせを、メモリカード等の記録媒体に格納し、釣銭機又はレジスタ300がこの記録媒体の内容を読み出して設定を行ってもよい。
【0101】
図11に示すように、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200は、機内の貨幣を回収する際に、収納部106、206から繰り出した貨幣の金種別枚数や合計金額、レジ番号、機内に残置してある貨幣の金種別枚数等を含む回収データを示す二次元バーコードを操作表示部112、212の画面に表示してもよい。全回収の際、収納部106から繰り出された硬貨は出金部116から出金され、収納部206から繰り出された紙幣は回収カセット207に収納される。
【0102】
このとき、硬貨釣銭機100又は紙幣釣銭機200の一方が他方へ回収データを送信し、回収した硬貨と紙幣の両方についての回収データを1つの二次元バーコードで表示することが好ましい。なお、図11は、硬貨釣銭機100の操作表示部112に回収データを示す二次元バーコードが表示される例を示している。
【0103】
オペレータは、携帯電話機等の端末の二次元バーコード読み取り機能を用いて、操作表示部112、212に表示されている二次元バーコードを読み取り、回収データを取得する。端末は、取得した回収データを、Eメールに添付して管理サーバへ送信する。また、端末と管理サーバとを有線又は無線LANで接続して、回収データを端末から管理サーバへ転送してもよい。そして、オペレータは、出金部116から出金された硬貨と回収カセット207を店舗の出納室などへ運搬する。
【0104】
このように、携帯電話機等の端末を利用して、正確な回収データを速やかに管理サーバへ送信することで、回収金額の即日決済が可能となる。
【0105】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0106】
100 硬貨釣銭機
101 識別部
106 収納部
114 受入部
116 出金部
130 制御部
160 管理モード切替部
170 優先モード切替部
200 紙幣釣銭機
201 識別部
204 リジェクト部
206 収納部
207 回収カセット
214 受入部
216 出金部
260 管理モード切替部
270 優先モード切替部
300 レジスタ
400 店舗サーバ
500 釣銭機サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣を受け入れる受入部と、
貨幣を金種別に収納するとともに1枚ずつ繰り出すことができる収納部と、
貨幣を外部から取り出し可能に出金する出金部と、
前記受入部が受け入れた貨幣の識別、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数の計数、出金リジェクト貨幣の検出、及び前記出金部から出金される貨幣の金種別枚数の計数を行う識別部と、
前記出金リジェクト貨幣を収納するリジェクト部と、
在高データを記憶する記憶部と、
前記収納部に収納されている貨幣の在高を機内在高とする第1在高管理モードと、前記収納部に収納されている貨幣及び前記リジェクト部に収納されている貨幣の在高を機内在高とする第2在高管理モードを切り替える管理モード切替部と、
前記識別部から計数結果を取得し、前記管理モード切替部により前記第1在高管理モードが指定された場合、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新し、前記第2在高管理モードが指定された場合、前記出金部から出金される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新する制御部と、
を備える釣銭機。
【請求項2】
預かり貨幣の入金後に釣銭を出金する入金優先モードと、釣銭の出金後に預かり貨幣を入金する出金優先モードを切り替える優先モード切替部をさらに備え、
前記優先モード切替部により前記出金優先モードが指定された場合、前記制御部は、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新し、前記預かり貨幣のうち、前記識別部がリジェクト貨幣と判定した貨幣を前記リジェクト部に収納させることを特徴とする請求項1に記載の釣銭機。
【請求項3】
前記優先モード切替部により前記入金優先モードが指定された場合、前記制御部は、前記預かり貨幣のうち、前記識別部がリジェクト貨幣と判定した貨幣を前記出金部から返却させることを特徴とする請求項2に記載の釣銭機。
【請求項4】
前記管理モード切替部により在高管理モードが切り替えられる場合、前記制御部は、前記収納部に収納されている貨幣を全て繰り出すように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の釣銭機。
【請求項5】
前記リジェクト部から前記収納部への貨幣の戻し入れを報知する報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記管理モード切替部により前記第2在高管理モードが指定されており、かつ前記リジェクト部にリジェクト貨幣が収納されている時に、前記報知部が貨幣の戻し入れの報知を行うように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の釣銭機。
【請求項6】
貨幣を受け入れる受入部と、
前記受入部が受け入れた貨幣を識別する識別部と、
前記識別部が識別した貨幣を金種別に収納するとともに、出金指示に基づいて貨幣を1枚ずつ繰り出すことができる収納部と、
前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数を計数する第1計数部と、
貨幣を外部から取り出し可能に出金する出金部と、
前記出金指示された出金枚数と、前記第1計数部により計数結果とが異なっていた場合に、前記収納部から繰り出された貨幣を出金リジェクト貨幣として検出する検出部と、
前記出金部から出金される貨幣の金種別枚数を計数する第2計数部と、
在高データを記憶する記憶部と、
前記収納部に収納されている貨幣の在高を機内在高とする第1在高管理モードと、前記収納部に収納されている貨幣及び前記出金リジェクト貨幣を機内在高とする第2在高管理モードを切り替える管理モード切替部と、
前記収納部への貨幣の戻し入れを報知する報知部と、
前記管理モード切替部により前記第1在高管理モードが指定された場合、前記第1計数部による計数結果に基づいて前記在高データを更新し、前記第2在高管理モードが指定された場合、前記第2計数部による計数結果に基づいて前記在高データを更新するとともに、前記検出部により前記出金リジェクト貨幣が検出されたときは、前記報知部を制御して、前記出金部から出金された前記出金リジェクト貨幣を前記収納部へ戻し入れるよう報知する制御部と、
を備える釣銭機。
【請求項7】
記憶部に釣銭機の機内在高を示す在高データを記憶するステップと、
金種別に貨幣を収納する収納部に収納されている貨幣在高を前記機内在高とする第1在高管理モードと、前記収納部に収納されている貨幣及び前記釣銭機内のリジェクト部に収納されている出金リジェクト貨幣の在高を前記機内在高とする第2在高管理モードを切り替えるステップと、
前記第1在高管理モードが指定された場合に、前記収納部から繰り出される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新するステップと、
前記第2在高管理モードが指定された場合に、前記釣銭機の出金部から出金される貨幣の金種別枚数の計数結果に基づいて前記在高データを更新するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする在高管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−16058(P2013−16058A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148983(P2011−148983)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】