説明

鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置

【課題】架空送電線用の鉄塔を構成する主柱材や腹材、また、鉄塔に設置した昇降機用のレールにステップボルトを取り付けるための、鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置は、鉄塔構成部材等に設置される複数の取付治具と、この取付治具により鉄塔構成部材等に固定されるステップボルト取付用の垂直部材から成る。また、ステップボルト取付用の垂直部材は、等辺山形鋼材を用いて長尺状のアングルにより形成され、このアングルに、ステップボルトを取り付けるための孔部を設けている。取付治具は、主柱材に固定される支持固定具と、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、架空送電線用の鉄塔を構成する主柱材や腹材、また、鉄塔に設置した昇降機用のレールにステップボルトを取り付けるための、鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
架空送電線用の鉄塔に作業員が昇降する場合、鉄塔を構成する主柱材にステップボルトを取り付け、このステップボルトを使用して作業員が昇降するのが一般的である。
【0003】
そして、従来のステップボルトとしては、例えば、図16に示すように、鉄塔を構成する主柱材Pに台形金具Wを溶接等により取り付け、この台形金具Wの前端に形成したボルト孔にステップボルトSを装着する構成のものがある。
【0004】
また、他のステップボルトSとしては、例えば、図17に示すように、鉄塔を構成する主柱材Pを挟持してネジ止め固定される締結部材Lを用いたものがある。このステップボルトSは、締結部材Lを形成する半円弧状の一対のバンドの一方に台形金具Wを溶接等により取り付け、この台形金具Wの前端に形成したボルト孔にステップボルトSを装着するものである。
【0005】
この他、例えば、特許文献1に開示されているように、ステップボルトをナット締め等によって塔脚に直接装着するものがある。
【特許文献1】特開平10−243536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図16に示すように、鉄塔を構成する主柱材Pに台形金具Wを溶接等により取り付け、この台形金具Wの前端に形成したボルト孔にステップボルトSを装着する場合、鉄塔の製作時において、亜鉛メッキ施工前の状態にある鉄塔の主柱材Pに工場溶接で台形金具Wを個別に取り付けるため、装置全体の制作費が多く掛かっていた。
【0007】
しかも、このような台形金具Wは、常温塑性加工で製造されているため、使用中に荷重が掛かると簡単に折損する等のトラブルも発生していた。
【0008】
例えば、図16に示すように、鉄塔を構成する主柱材Pに溶接等により取り付けた台形金具Wにおいて、この台形金具Wの前端に形成したボルト孔を備えている板状部材が折れてしまったり、台形金具Wの一部が欠けてしまう事態が生じていたのである。
【0009】
また、鉄塔のフランジ継手部の近辺においては、フランジ継手部が邪魔になってステップボルトS同士の間隔が広くなったり、また、狭くなってしまい、作業員が登り易い間隔にステップボルトSを配置できない事態が生じていた。
【0010】
さらに、亜鉛メッキ施工後に台形金具Wを溶接する場合、亜鉛が溶出し、これが溶接部に混入して品質低下を招く虞れがあり、しかも、これによって台形金具Wの経年劣化や損傷等が発生した場合、現場溶接で台形金具Wを改修することは困難である。
【0011】
特に、鋼管鉄塔では、山形材鉄塔と違って、主柱材Pに孔開け加工によるステップの取付改修は不可能である。
【0012】
また、図17に示すように、鉄塔を構成する主柱材Pを挟持してネジ止め固定される締結部材Lを用いたステップボルトS(締結部材Lを形成する半円弧状の一対のバンドの一方に台形金具Wを溶接等により取り付け、この台形金具Wの前端に形成したボルト孔にステップボルトSを装着する構成)においては、鉄塔を構成する主柱材Pについて、鉄塔の下部に向かうほど応力が大きく働き、上部に向かうほど応力は低下してゆくため、各応力に見合った鋼管径の材料を使用する必要がある。
【0013】
このため、各種鋼管径に合わせて締結部材Lであるバンドを製作してこれを取り付けなければならず、その製作費と取付費用が多く掛かっていた。
【0014】
しかも、鋼板バンドを使用した際にも、鋼管鉄塔特有のリブ付きフランジ継手や部材取付用プレート類が邪魔をして、ステップボルトS同士の間隔が広くなったり、また、狭くなってしまい、作業員が登り易い間隔にステップボルトSを配置できない事態が生じていた。
【0015】
このため、作業員が手や足を伸ばした自然の状態で各ステップボルトSを手で掴んだり、また、各ステップボルトSに足を掛けることができないことがあり、作業員の昇降時における安全性を欠くものとなっていた。
【0016】
さらに、鋼板バンドを略40cm間隔で多数取り付ける必要があるため、防錆塗装等の鉄塔劣化管理面からあまり好ましいものではなく、しかも、見栄えも悪くなるという諸々の問題点を有していた。
【0017】
加えて、特許文献1に開示されているように、ステップボルトを塔脚にナット締め等によって直接装着する場合、鋼管鉄塔を構成する主柱材Pへの孔開け加工はナットの締め付けができないため、ステップボルトを取り付けできなかった。
【0018】
また、鉄塔のフランジ継手部においては、ステップボルトS同士の間隔が広くなったり、また、狭くなってしまい、作業員が登り易い間隔にステップボルトSを配置できない事態が生じていた。
【0019】
この他、鋼管鉄塔に設置する昇降用墜落防止装置は、主柱材に溶接接続された取付プレート、または、主柱材に取付用鋼板バンドを介して取り付けるが、フランジ継手や部材用取付プレート類が邪魔をして、取付プレートや取付用鋼板バンドを等間隔に配置できない事態が生じていた。
【0020】
また、塔高の高い鉄塔については、自動鉄塔昇降機用のレールが設置されているが、鉄塔周辺の住宅化等で、昇降機の搬入困難化、騒音等の要因により、鉄塔昇降機の利用ができない鉄塔が出現し、昇降に制約を受ける鉄塔があった。
【0021】
さらに、狭線間鉄塔においては、主柱材を利用した昇降では、充電部との安全距離が確保できなかった。このため、腹材等を利用した塔外梯子を設置して昇降するが、塔外梯子幅が40cmあるため、取付位置に制約を受けていた。
【0022】
そこで、本発明は如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、鉄塔を構成する主柱材や腹材、また、鉄塔に設置した昇降機用のレールに取付治具を複数設置し、この取付治具により垂直部材を固定して垂直部材にステップボルトを取り付けることにより、ステップボルト同士を好ましい間隔で配置することができ、作業員の昇降時における安全性を確保し、また、ステップボルトの取付作業時間・取付費用等を大幅に削減した鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明に係る鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置は、 鉄塔構成部材等に設置される複数の取付治具と、この取付治具により鉄塔構成部材等に固定されるステップボルト取付用の垂直部材から成ることで、上述した課題を解決した。
【0024】
また、ステップボルト取付用の垂直部材は、等辺山形鋼材を用いて長尺状のアングルにより形成され、このアングルに、ステップボルトを取り付けるための孔部を設けていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0025】
さらに、ステップボルト取付用の垂直部材は、複数のステップボルトを等間隔に、また、複数のステップボルトについて、取付角度を90度ずらしながらアングルに固定可能であることで、同じく上述した課題を解決した。
【0026】
また、鉄塔構成部材等としての主柱材に、取付治具が設置されることで、同じく上述した課題を解決した。
【0027】
加えて、取付治具は、主柱材に固定される支持固定具と、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具を備えていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0028】
また、支持固定具は、主柱材に当接して固定される当接固定部と、ブラケット具を取り付ける支持台部により形成されていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0029】
この他、ブラケット具は、支持固定具の支持台部に載置して固定される載置固定部と、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成されていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0030】
また、ブラケット具は、前後に移動できるように支持固定具の支持台部に取り付けられていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0031】
さらに、ブラケット具の挟持部は、載置固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成され、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで固定することで、同じく上述した課題を解決した。
【0032】
また、鉄塔構成部材等としての腹材に、取付治具が設置されることで、同じく上述した課題を解決した。
【0033】
加えて、取付治具は、所定の間隔を開けて腹材に固定される2個の脚部と、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具により構成されていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0034】
また、ブラケット具は、載置固定部と、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成され、載置固定部は、2個の脚部の端部を掛け渡すように配置している支持掛架部に固定されていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0035】
この他、2個の脚部は、前後に移動できるように腹材に取り付けられていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0036】
また、2個の脚部の端部を掛け渡すように配置している支持掛架部は、左右に移動できるように脚部に取り付けられていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0037】
さらに、ブラケット具の挟持部は、載置固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成され、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで固定することで、同じく上述した課題を解決した。
【0038】
また、鉄塔構成部材等としての昇降機用のレールに、取付治具が設置されることで、同じく上述した課題を解決した。
【0039】
加えて、取付治具は、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具により形成されていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0040】
また、ブラケット具は、昇降機用のレールに当接して固定される当接固定部と、この当接固定部の先端部に取り付けられた、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成されていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0041】
この他、ブラケット具の挟持部は、当接固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成され、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで固定することで、同じく上述した課題を解決した。
【0042】
また、ステップボルト取付用の垂直部材に、昇降用墜落防止装置を取り付けたことで、同じく上述した課題を解決した。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、鉄塔を構成する主柱材や腹材、また、鉄塔に設置した昇降機用のレールに取付治具を複数設置し、この取付治具により垂直部材を固定して垂直部材にステップボルトを取り付けることにより、ステップボルト同士を好ましい間隔で配置することができ、作業員の昇降時における安全性を確保し、また、ステップボルトの取付作業時間・取付費用等を大幅に削減することができる。
【0044】
即ち、本発明に係る鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置は、鉄塔構成部材等に設置される複数の取付治具と、この取付治具により鉄塔構成部材等に固定されるステップボルト取付用の垂直部材から成ることから、鉄塔構成部材等に取付治具を介して垂直部材を簡単に固定することができる。
【0045】
そして、この垂直部材にステップボルトを取り付けることから、鉄塔構成部材等へのステップボルトの取付作業を簡単・迅速に行うことができる。
【0046】
また、ステップボルト取付用の垂直部材は、等辺山形鋼材を用いて長尺状のアングルにより形成され、このアングルに、ステップボルトを取り付けるための孔部を設けていることから、複数のステップボルトを等間隔に取り付けることができる。
【0047】
さらに、ステップボルト取付用の垂直部材は、等辺山形鋼材を用いたアングルにより形成されていることから、複数のステップボルトについて、取付角度を90度ずらしながらアングルに固定可能である。
【0048】
その結果、作業員が手や足を伸ばした自然の状態で各ステップボルトを手で掴んだり、また、各ステップボルトに足を掛けることができ、作業員の昇降時における安全性を確保することができる。
【0049】
また、ステップボルトの取り付けに際し、溶接により台形金具を個別に取り付ける必要が無いため、取付装置全体を安価に製作できる。
【0050】
加えて、各種鋼管径に合わせて締結部材であるバンドを製作する必要が無く、この点においても、取付装置全体を安価に製作できる。
【0051】
また、鉄塔構成部材等に取付治具を介してアングルを固定することから、鉄塔から若干離れた位置にアングルを配置して、このアングルにステップボルトを取り付けることができる。
【0052】
そのため、鋼管鉄塔におけるリブ付きフランジ継手や部材取付用プレート類が邪魔になることがなく、常に作業員が登り易い等間隔にステップボルトを取り付けることができる。
【0053】
さらに、鉄塔構成部材等に取付治具を介してアングルを固定し、このアングルにステップボルトを取り付けることから、防錆塗装等の鉄塔劣化管理面においても好ましいものとなり、しかも、鉄塔の見栄えも良いものとなる。
【0054】
具体的には、取付治具を鉄塔構成部材等としての主柱材に設置し、この取付治具を介してアングルを固定することから、主柱材へのステップボルトの取付作業を簡単・迅速に行うことができる。
【0055】
また、取付治具は、主柱材に固定される支持固定具と、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具を備えていることから、その構成部品が少なく、取付装置を安価に製作することができる。
【0056】
さらに、支持固定具は、主柱材に当接して固定される当接固定部と、ブラケット具を取り付ける支持台部により形成されていることから、鉄塔を構成する主柱材に当接固定部を確実に固定できると共に、支持台部にブラケット具を確実に取り付けることができる。
【0057】
また、ブラケット具は、支持固定具の支持台部に載置して固定される載置固定部と、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成されていることから、支持固定具の支持台部にブラケット具の載置固定部を密接状態に固定できると共に、挟持部によりステップボルト取付用のアングルを確実に固定することができる。
【0058】
加えて、ブラケット具は、前後に移動できるように支持固定具の支持台部に取り付けられていることから、鉄塔から離れた位置にもステップボルト取付用のアングルを固定することができる。
【0059】
そのため、鉄塔のフランジ継手部の近辺においても、このフランジ継手部が邪魔にならず、ステップボルト同士の間隔が広くなったり、また、狭くなってしまうことも無いため、作業員が登り易い間隔にステップボルトを配置できる。
【0060】
また、ブラケット具の挟持部は、載置固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成されていることから、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで確実に固定することができる。
【0061】
この他、取付治具を鉄塔構成部材等としての腹材に設置し、この取付治具を介してアングルを固定することから、腹材へのステップボルトの取付作業を簡単・迅速に行うことができる。
【0062】
その結果、充電部との安全距離を充分に確保して、作業員の昇降時における安全性を維持することができる。
【0063】
また、従来においては、腹材に塔外梯子を設置して昇降する手法が用いられていたが、この塔外梯子の幅が40cmあり、その取付位置に制約を受けていた。
【0064】
しかし、本発明によれば、取付治具を腹材に設置し、この取付治具を介してアングルを固定することから、装置全体の幅が塔外梯子に比べて小さくなり、取付位置の選定範囲が広がるため、その取付位置に制約を受けることが無く、より安全な設備形成が可能となった。
【0065】
さらに、取付治具は、所定の間隔を開けて腹材に固定される2個の脚部と、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具により構成されていることから、腹材にブラケット具を確実に固定できる。
【0066】
また、ブラケット具は、載置固定部と、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成されていることから、ブラケット具によりステップボルト取付用のアングルを確実に固定することができる。
【0067】
加えて、載置固定部は、2個の脚部の端部を掛け渡すように配置している支持掛架部に固定されていることから、所定の間隔を開けて腹材に固定される2個の脚部に、ブラケット具を確実に固定することができる。
【0068】
また、2個の脚部は、前後に移動できるように腹材に取り付けられていることから、ステップボルト取付用のアングルの取り付け位置を前後方向に微妙に調節できる。
【0069】
さらに、2個の脚部の端部を掛け渡すように配置している支持掛架部は、左右に移動できるように脚部に取り付けられていることから、ステップボルト取付用のアングルの取り付け位置を左右方向に微妙に調節できる。
【0070】
また、ブラケット具の挟持部は、載置固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成されていることから、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで確実に固定することができる。
【0071】
一方、取付治具を鉄塔構成部材等としての昇降機用のレールに設置し、この取付治具を介してアングルを固定することから、昇降機用のレールへのステップボルトの取付作業を簡単・迅速に行うことができる。
【0072】
その結果、鉄塔における昇降機の利用が困難な箇所等においても、作業員が安全に昇降することができる。
【0073】
また、取付治具は、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具により形成されていることから、このブラケット具を介して、昇降機用のレールへステップボルト取付用のアングルを確実に固定することができる。
【0074】
さらに、ブラケット具は、昇降機用のレールに当接して固定される当接固定部と、この当接固定部の先端部に取り付けられた、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成されていることから、昇降機用のレールに当接固定部を密接状態に固定できると共に、挟持部によりステップボルト取付用のアングルを確実に固定することができる。
【0075】
また、ブラケット具の挟持部は、当接固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成されていることから、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで確実に固定することができる。
【0076】
この他、ステップボルト取付用の垂直部材に、昇降用墜落防止装置を取り付けたことから、作業員の昇降時における墜落を防止し、その安全を確保している。
【0077】
また、昇降用墜落防止装置を取り付けるために、鉄塔を構成する主柱材に所定の取付プレートを設けたり、また、主柱材に取付用鋼板バンドを取り付ける必要も無く、昇降用墜落防止装置の取付作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0079】
本発明に係る鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置は、鉄塔構成部材等に設置される複数の取付治具Aと、この取付治具Aにより鉄塔構成部材等に固定されるステップボルト取付用の垂直部材から構成されている。
【0080】
このステップボルト取付用の垂直部材は、長尺状のアングルBにより形成されている。
【0081】
また、取付治具Aは、鉄塔構成部材としての主柱材Pに設置されるものと、腹材Qに設置されるものがある。また、取付治具Aは、鉄塔に取り付けられている昇降機用のレールRに設置されるものがある。
【0082】
以下に、これを順に説明する。
【0083】
(鉄塔構成部材としての主柱材Pに設置される取付治具A)
この取付治具Aは、図1に示すように、鉄塔構成部材としての主柱材Pに設置され、主柱材Pにステップボルト取付用のアングルBを固定している。
【0084】
取付治具Aは、図2(a)・図3に示すように、鋼管鉄塔の主柱材Pに固定される支持固定具1と、前端部にステップボルト取付用のアングルBを固設できるブラケット具2を備えている。
【0085】
また、取付治具Aは、図2(b)・図3に示すように、鋼管鉄塔の主柱材Pに、例えば、Uボルト状の締結部材Lを介して固定されている。尚、取付治具Aを、バンド状の締結部材Lにより固定しても良い。また、取付治具Aの取付間隔は、2000mm±400mmを標準としている。
【0086】
取付治具Aの支持固定具1は、図3に示すように、鋼管鉄塔の主柱材Pに当接して固定される当接固定部3と、ブラケット具2を取り付ける支持台部4により形成されている。
【0087】
また、当接固定部3は、図2(b)・図3に示すように、横向きコ字枠状の鋼材によって形成されている。この鋼材の上下両辺における中央に、主柱材Pの外周曲率に合致するような円弧状の当接溝部5が形成されている。
【0088】
鋼材の左右両端の上方位置には、図3に示すように、取付孔部6が形成されている。そして、鋼材の当接溝部5を主柱材Pの側面にあてがった状態で、主柱材Pに1本の締結部材Lを巻回し、主柱材Pに支持固定具1が固定されている。
【0089】
即ち、締結部材Lは、Uボルトの各両端に設けたネジ部分を、鋼材の取付孔部6に後ろ側から挿入し、鋼材の前側においてナット7で締結することにより、主柱材Pに支持固定具1が固定されるのである。
【0090】
支持固定具1の支持台部4は、図2(a)(b)・図3に示すように、上方から見て略台形状で、側面から見て略三角形状に形成された、直角アングル状に形成されている。この支持台部4により、主柱材Pから所定の距離を確保しているのである。
【0091】
また、ブラケット具2は、図2(a)(b)・図3に示すように、支持固定具1の支持台部4に載置して固定される載置固定部8と、ステップボルト取付用のアングルBを挟み込んで固定する挟持部9により形成されている。載置固定部8は、直角アングル状の鋼材により形成されている。
【0092】
このブラケット具2は、前後に移動できるように支持固定具1の支持台部4に取り付けられている。
【0093】
具体的には、図3に示すように、支持固定具1の支持台部4に、前後一対の長孔10、10が直列状に形成されている。長孔10、10は、およそ60mmの長さを備えている。
【0094】
また、支持台部4の長孔10、10に対応して、ブラケット具2の載置固定部8には、前後一対の長孔11、11が直列状に形成されている。
【0095】
即ち、支持台部4の長孔10、10と載置固定部8の長孔11、11を合致させるようにして支持台部4の上に載置固定部8を載置し、ボルト・ナット部材を介して、支持台部4の上に載置固定部8を固定するのである。
【0096】
そして、ブラケット具2の載置固定部8を前側に移動させて支持台部4に固定したときには、ブラケット具2の先端部に取り付けるステップボルト取付用のアングルBが、鉄塔のリブ付きフランジ継手や部材取付用プレート類等の付属部位よりも外側に位置することとなる。
【0097】
ブラケット具2の挟持部9は、図2(a)・図3に示すように、載置固定部8の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部12と、該受け板部12にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部13により形成されている。
【0098】
そして、ステップボルト取付用のアングルBを受け板部12と当て板部13により挟み込んで固定するのである。
【0099】
受け板部12と当て板部13のそれぞれには、図3に示すように、4個の孔部が設けられ、この孔部にボルトが挿入されて、反対側からナット7で締結されるようになっている。また、ステップボルト取付用のアングルBにも、複数の孔部16が設けられている。
【0100】
即ち、受け板部12と当て板部13により、ステップボルト取付用のアングルBを挟み込み、受け板部12と当て板部13の孔部とアングルBの孔部16を合致させて、ボルト・ナットで締結して固定するのである。
【0101】
このステップボルト取付用のアングルBは、図1・図3に示すように、等辺山形鋼材を用いて長尺状に形成されている。このアングルBは、ステップボルトSを40cmの等間隔に合計8本を取り付けるものである。また、ステップボルトSを片面ずつ交互に取り付けられる、直角アングル材による等辺山形鋼材(L65×6を標準とする)を基本構造としている。
【0102】
鋼管鉄塔に沿って上下方向に配置されたステップボルト取付用のアングルBの端部同士は、図4(b)に示すように、所定の継手部材14を介して、直列に連結されている。
【0103】
尚、ステップボルト取付用のアングルBは、図4(a)(b)に示すように、ノンクライム機構15の上下においては、互いに切り離して配置される。このとき、取付治具Aからの振り放し距離は、500mm以内としている。
【0104】
この他、図5に示すように、ステップボルト取付用のアングルBには、新設用の昇降用墜落防止装置17を取り付けることができる。
【0105】
具体的には、図5に示すように、ステップボルト取付用のアングルBに50mm間隔で設けた5つの孔部16を利用して、新設用の昇降用墜落防止装置17を取り付けている。
【0106】
この新設用の昇降用墜落防止装置17は、図5・図6(a)(b)に示すように、鋼板を円弧状に折り曲げて形成されたユニバーサル金具18でガイドレール19を支持し、2本のユニバーサル金具固定ボルトTでステップボルト取付用のアングルBに固定される。
【0107】
(鉄塔構成部材としての腹材Qに設置される取付治具A)
この取付治具Aは、図7に示すように、鉄塔構成部材としての腹材Qに設置され、腹材Qにステップボルト取付用のアングルBを固定している。
【0108】
取付治具Aは、図8(a)・図9に示すように、所定の間隔を開けて腹材Qに固定される2個の脚部20と、前端部にステップボルト取付用のアングルBを固設できるブラケット具21により構成されている。
【0109】
2個の脚部20は、図9に示すように、所定の長さを有する直角アングル状の鋼材により形成されている。また、図10に示すように、脚部20を形成するアングル鋼材の先端部には、方形状の固定板22が溶接により固定されており、この固定板22には、ボルトを挿入する孔23が設けられている。さらに、脚部20を形成するアングル鋼材の一側壁には、長孔24が設けられている。
【0110】
それぞれの脚部20は、図9・図10に示すように、長孔24が設けられているアングル鋼材の一側壁を腹材Qに当接させ、腹材QにU字型ボルト25を巻回して、腹材Qに固定されている。
【0111】
即ち、U字型ボルト25は、自身の各両端に設けたネジ部分を、脚部20の長孔24に挿入し、ナット26で締結することにより、腹材Qに脚部20が固定されるのである。
【0112】
このようにして、図8(a)・図9に示すように、2個の脚部20が、所定の間隔を開けて腹材Qに固定されている。
【0113】
また、2個の脚部20は、長孔24におけるU字型ボルト25とナット26の締結位置を調節することにより、前後に移動できるように腹材Qに取り付けられている。
【0114】
ブラケット具21は、図8(b)・図9に示すように、載置固定部27と、ステップボルト取付用のアングルBを挟み込んで固定する挟持部28により形成されている。この載置固定部27は、直角アングル状の鋼材により形成されている。
【0115】
さらに、載置固定部27は、図9に示すように、2個の脚部20の端部を掛け渡すように配置している支持掛架部29に固定されている。
【0116】
この支持掛架部29は、図8(b)(c)・図9に示すように、所定の長さを有する直角アングル状の鋼材により形成されている。また、図8(c)・図9に示すように、支持掛架部29を形成するアングル鋼材の垂直壁の両端部には、それぞれ長孔30、30が設けられている。
【0117】
そして、図9に示すように、支持掛架部29を形成するアングル鋼材の水平壁の上に、ブラケット具21を固定している。具体的には、ブラケット具21を形成する載置固定部27の基端部分を、支持掛架部29を形成するアングル鋼材の水平壁の上に載せ、溶接により固定しているのである。
【0118】
また、ブラケット具21を固定している支持掛架部29は、その垂直壁を脚部20の固定板22に当接させた状態で脚部20に固定されている。
【0119】
即ち、図10に示すように、支持掛架部29の長孔30、30と脚部20の孔23を合致させ、ボルト・ナット部材を介して、脚部20に支持掛架部29を固定するのである。
【0120】
このとき、支持掛架部29の長孔30、30におけるボルト・ナット部材の締結位置を調節することにより、2個の脚部20の端部を掛け渡すように配置している支持掛架部29は、左右に移動できるように脚部20に取り付けられている。
【0121】
ブラケット具21の挟持部28は、図9に示すように、載置固定部27の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部31と、該受け板部31にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部32により形成されている。
【0122】
そして、ステップボルト取付用のアングルBを受け板部31と当て板部32により挟み込んで固定するのである。
【0123】
受け板部31と当て板部32のそれぞれには、4個の孔部が設けられ、この孔部にボルトが挿入されて、反対側からナットで締結されるようになっている。
【0124】
尚、図7乃至図10に示すそれぞれの脚部20は、鋼管状の腹材Qに固定されているものであるが、本発明はこれに限定されることはない。
【0125】
例えば、図11に示すように、脚部20を、アングル状の腹材Qに固定するものであっても差し支えない。
【0126】
このとき、それぞれの脚部20は、図12に示すように、長孔24が設けられているアングル鋼材の一側壁をアングル状の腹材Qに当接させ、腹材Qと略同形状の三角型ボルト33を巻回して、腹材Qに固定されている。
【0127】
(鉄塔に取り付けられている昇降機用のレールRに設置される取付治具A)
この取付治具Aは、図13(a)(b)・図14に示すように、鉄塔に取り付けられている昇降機用のレールRに設置され、レールRにステップボルト取付用のアングルBを固定している。
【0128】
この昇降機用のレールRは、一般的にピンラック方式を採用している。
【0129】
取付治具Aは、図15に示すように、前端部にステップボルト取付用のアングルBを固設できるブラケット具40により形成されている。
【0130】
ブラケット具40は、図14・図15に示すように、昇降機用のレールRに当接して固定される当接固定部41と、この当接固定部41の先端部に取り付けられた、ステップボルト取付用のアングルBを挟み込んで固定する挟持部42により形成されている。
【0131】
ブラケット具40の当接固定部41は、図15に示すように、直角アングル状の鋼材により形成されている。また、当接固定部41を形成するアングル鋼材の、昇降機用のレールRに当接する垂直壁には、コ字型ボルト43を挿入する一対の孔44が、2段に設けられている。
【0132】
そして、昇降機用のレールRにブラケット具40の当接固定部41を当接させ、コ字型ボルト43により昇降機用のレールRを挟み込むようにして、コ字型ボルト43の両端ネジ部分を孔44に挿入し、反対側からナットで締結して固定するのである。
【0133】
ブラケット具40の挟持部42は、図15に示すように、当接固定部41の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部45と、該受け板部45にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部46により形成されている。
【0134】
そして、図13(b)に示すように、ステップボルト取付用のアングルBを受け板部45と当て板部46により挟み込んで固定するのである。
【0135】
受け板部45と当て板部46のそれぞれには、4個の孔部が設けられ、この孔部にボルトが挿入されて、反対側からナットで締結されるようになっている。
【0136】
この他、図13(a)に示すように、取付治具Aを介して昇降機用のレールRに固定しているステップボルト取付用のアングルBには、新設用の昇降用墜落防止装置17を取り付けることができる。
【0137】
具体的には、ステップボルト取付用のアングルBに50mm間隔で設けた5つの孔部16を利用して、新設用の昇降用墜落防止装置17を取り付けている。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明に係る鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置は、鉄塔の昇降用として利用される以外に、例えば、コンクリート柱、鋼管ポール、煙突等の如き円筒形の構造物の昇降ステップ等としても、幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】鉄塔構成部材としての主柱材に取付治具が設置され、この取付治具を介して主柱材にステップボルト取付用のアングルが固定され、このアングルにステップボルトを取り付けた状態を示す一部拡大の側面図である。
【図2】鉄塔の主柱材への取付治具の組付状態を示すもので、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図3】取付治具により鉄塔の主柱材にステップボルト取付用のアングルが固定される状態を示す分解斜視図である。
【図4】主柱材にノンクライム機構を取り付けた状態を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】取付治具を介して鉄塔の主柱材にステップボルト取付用のアングルが固定され、このアングルに昇降用墜落防止装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】昇降用墜落防止装置の具体的構成を示すもので、(a)は一部拡大の平面図、(b)は正面図である。
【図7】鉄塔構成部材としての腹材に取付治具が設置され、この取付治具を介して腹材にステップボルト取付用のアングルが固定され、このアングルにステップボルトを取り付けた状態を示す正面図である。
【図8】鋼管状の腹材に固定される取付治具の構成を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は支持掛架部の断面図である。
【図9】鉄塔構成部材としての腹材に取付治具が設置され、この取付治具を介して腹材にステップボルト取付用のアングルが固定され、このアングルにステップボルトを取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【図10】鉄塔構成部材としての腹材に取付治具が設置され、この取付治具を介して腹材にステップボルト取付用のアングルが固定され、このアングルにステップボルトを取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【図11】アングル状の腹材に取付治具が設置され、この取付治具を介して腹材にステップボルト取付用のアングルが固定され、このステップボルト取付用のアングルにステップボルトを取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【図12】アングル状の腹材に固定される取付治具の構成を示す側面図である。
【図13】昇降機用のレールへの取付治具の設置状態を示すもので、(a)はこの取付治具を介してレールにステップボルト取付用のアングルが固定され、このアングルに昇降用墜落防止装置を取り付けた状態を示す正面図、(b)はこのアングルにステップボルトを取り付けた状態を示す側面図である。
【図14】取付治具を介して昇降機用のレールにステップボルト取付用のアングルが固定され、このアングルにステップボルトを取り付けた状態を示す断面図である。
【図15】鉄塔に取り付けたレールに取付治具が設置され、この取付治具を介してレールにステップボルト取付用のアングルが固定され、このアングルにステップボルトを取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【図16】鋼管鉄塔の主柱材への、台形金具を用いたステップボルトの従来の取り付け例を示す斜視図である。
【図17】鋼管鉄塔の主柱材への、バンド部材を用いたステップボルトの従来の取り付け例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0140】
A…取付治具
B…ステップボルト取付用のアングル
P…主柱材
L…締結部材
S…ステップボルト
T…ユニバーサル金具固定ボルト
W…台形金具
1…支持固定具
2…ブラケット具
3…当接固定部
4…支持台部
5…当接溝部
6…取付孔部
7…ナット
8…載置固定部
9…挟持部
10…長孔
11…長孔
12…受け板部
13…当て板部
14…継手部材
15…ノンクライム機構
16…孔部
17…昇降用墜落防止装置(新設用)
18…ユニバーサル金具
19…ガイドレール
20…脚部
21…ブラケット具
22…固定板
23…孔
24…長孔
25…U字型ボルト
26…ナット
27…載置固定部
28…挟持部
29…支持掛架部
30…長孔
31…受け板部
32…当て板部
33…三角型ボルト
40…ブラケット具
41…当接固定部
42…挟持部
43…コ字型ボルト
45…受け板部
46…当て板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔構成部材等に設置される複数の取付治具と、この取付治具により鉄塔構成部材等に固定されるステップボルト取付用の垂直部材から成ることを特徴とする鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項2】
ステップボルト取付用の垂直部材は、等辺山形鋼材を用いて長尺状のアングルにより形成され、このアングルに、ステップボルトを取り付けるための孔部を設けている請求項1に記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項3】
ステップボルト取付用の垂直部材は、複数のステップボルトを等間隔に、また、複数のステップボルトについて、取付角度を90度ずらしながらアングルに固定可能である請求項1または2に記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項4】
鉄塔構成部材等としての主柱材に、取付治具が設置される請求項1乃至3のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項5】
取付治具は、主柱材に固定される支持固定具と、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具を備えている請求項4に記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項6】
支持固定具は、主柱材に当接して固定される当接固定部と、ブラケット具を取り付ける支持台部により形成されている請求項4または5に記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項7】
ブラケット具は、支持固定具の支持台部に載置して固定される載置固定部と、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成されている請求項4乃至6のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項8】
ブラケット具は、前後に移動できるように支持固定具の支持台部に取り付けられている請求項4乃至7のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項9】
ブラケット具の挟持部は、載置固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成され、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで固定する請求項4乃至8のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項10】
鉄塔構成部材等としての腹材に、取付治具が設置される請求項1乃至3のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項11】
取付治具は、所定の間隔を開けて腹材に固定される2個の脚部と、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具により構成されている請求項10に記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項12】
ブラケット具は、載置固定部と、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成され、載置固定部は、2個の脚部の端部を掛け渡すように配置している支持掛架部に固定されている請求項10または11に記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項13】
2個の脚部は、前後に移動できるように腹材に取り付けられている請求項10乃至12のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項14】
2個の脚部の端部を掛け渡すように配置している支持掛架部は、左右に移動できるように脚部に取り付けられている請求項10乃至13のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項15】
ブラケット具の挟持部は、載置固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成され、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで固定する請求項10乃至14のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項16】
鉄塔構成部材等としての昇降機用のレールに、取付治具が設置される請求項1乃至3のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項17】
取付治具は、前端部にステップボルト取付用のアングルを固設できるブラケット具により形成されている請求項16に記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項18】
ブラケット具は、昇降機用のレールに当接して固定される当接固定部と、この当接固定部の先端部に取り付けられた、ステップボルト取付用のアングルを挟み込んで固定する挟持部により形成されている請求項16または17に記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項19】
ブラケット具の挟持部は、当接固定部の先端部に固定された等辺山形鋼材を用いた受け板部と、該受け板部にあてがわれる等辺山形鋼材を用いた当て板部により形成され、ステップボルト取付用のアングルを受け板部と当て板部により挟み込んで固定する請求項16乃至18のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。
【請求項20】
ステップボルト取付用の垂直部材に、昇降用墜落防止装置を取り付けた請求項1乃至19のいずれかに記載の鉄塔構成部材等における昇降用ステップボルトの取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−253091(P2008−253091A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93519(P2007−93519)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(592233174)株式会社デンロコーポレーション (22)
【Fターム(参考)】