説明

鉄道模型

【課題】 より本物に近い雰囲気を醸し出すことが可能な鉄道模型を提供する。
【解決手段】 室内灯6(LED)、室内灯6の照度を変更するための照度変更ボリューム7、及び照度変更ボリューム7への印加電圧を一定電圧とするための定電圧回路8が表面実装された電気基板5を、天井に相当する部位に配設する。これにより、天井から室内灯6の明かりが客室1A内に拡がり、かつ、その照度を鉄道模型ファンの好みにより変更することができるとともに、照度変更ボリューム7が直接的に目に触れない客室1A内に配設された構成となるので、鉄道模型のリアリティを阻害することなく、車両モデルや風景(ジオラマ)に応じた照度とすることができ、より本物に近い雰囲気を楽しむことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道模型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の玩具では、蒸気機関車型の模型本体内にLED等の発光体及び風圧により作動する電源スイッチを配設するとともに、その電源スイッチに向けて息を吹き付けるための吹き掛け口を設け、子供等が吹き掛け口から息を吹き込むと、模型本体内のLEDが発光する仕掛けとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−352684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の玩具は、吹き掛け口から息を吹き込むと、模型本体内のLEDが発光するものであるので、鉄道模型に求められるリアリティ等の鉄道模型ファンが欲する要望を満たし難いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、より本物に近い雰囲気を醸し出すことが可能な鉄道模型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、鉄道模型であって、車室(1A)内を照らす室内灯(6)と、車両(1)に設けられ、室内灯(6)の照度を変更するための照度変更ボリューム(7)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、請求項1に記載の発明では、発光体である室内灯(6)が車室(1A)内に設けられ、かつ、室内灯(6)の照度を変更するための照度変更ボリューム(7)が車両(1)に設けられているので、より本物に近い雰囲気を醸し出すことが可能な鉄道模型を得ることが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、車両(1)は、車輪(2)が設けられたフレーム(3)、及びフレーム(3)に着脱可能に組み付けられてフレーム(3)と共に車室(1A)を構成するボディ(4)を有しており、さらに、照度変更ボリューム(7)は、車室(1A)内に設けられていることを特徴とする。
【0009】
これにより、請求項2に記載の発明では、照度変更ボリューム(7)が直接的に目に触れない部位に配設された構成となるので、鉄道模型のリアリティを阻害することなく、車両モデルや風景(ジオラマ)に応じた照度とすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、室内灯(6)及び照度変更ボリューム(7)は、共に同一の電気基板(5)上に実装されており、さらに、電気基板(5)は車室(1A)に配設されていることを特徴とする。
【0011】
これにより、請求項3に記載の発明では、照度変更ボリューム(7)を容易に鉄道模型に組み付けることができる。
請求項4に記載の発明では、電気基板(5)は、車室(1A)内のうち天井に相当する部位に配設されていることを特徴とする。
【0012】
これにより、請求項4に記載の発明では、よりリアリティの高い鉄道模型を得ることができる。
請求項5に記載の発明では、室内灯(6)には、車輪(2)を介して軌道(9)から電力が供給されており、さらに、電気基板(5)には、軌道(9)から供給される電力の電圧値を一定電圧にするための定電圧回路(8)が設けられていることを特徴とする。
【0013】
ところで、一般的な鉄道模型では、軌道(9)から走行用電動モータに電力を供給するので、鉄道模型の車速を変更すべく、軌道(9)から供給する電力の電圧を変更すると、仮に定電圧回路(8)が設けられていない場合には、車速の変化に連動して室内灯(6)の照度も変化してしまうので、鉄道模型のリアリティが著しく低下してしまう。
【0014】
これに対して、請求項5に記載の発明では、定電圧回路(8)が設けられているので、車速が変化しても室内灯(6)の照度を照度変更ボリューム(7)で設定した照度に保持することができ、鉄道模型ファンが欲するリアリティを得ることが可能となる。
【0015】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る車両1の外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係る車両1の断面図である。
【図3】本実施形態に係る電気基板5の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態は、電気機関車又はディーゼル機関車等の機関車に引かれる客車両(以下、車両という。)の鉄道模型に本発明を適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0018】
1.鉄道模型車両の構造
車両1は、図1に示すように、車輪2が設けられたフレーム3、及びこのフレーム3に着脱可能に組み付けられてフレーム3と共に客室1A(図2参照)を構成するボディ4等から構成されており、フレーム3は帯板状に形成され、ボディ4は、フレーム3側が開口した立方体状に形成されている。
【0019】
なお、フレーム3及びボディ4は共に樹脂成形品であり、フレーム3又はボディ4に一体形成された弾性変形可能な係止フック(係止爪)を他方側に形成された係止穴に係止することにより、ボディ4がフレーム3に組み付けられている。
【0020】
また、ボディ4のうち客室1Aの天井1Bに相当する部位には、図2示すように、車両1の前後方向に延びる帯状の電気基板5が配設されており、この電気基板5には、図3に示すように、客室1A内を照らす室内灯6、室内灯6の照度を変更するための照度変更ボリューム7、及び照度変更ボリューム7への印加電圧を一定電圧とするための定電圧回路8が表面実装されている。
【0021】
因みに、本実施形態では、室内灯6はLEDであり、照度変更ボリューム7はユーザにより調節可能な可変抵抗により構成され、これら照明灯6等は、リフロー方式にて電気基板5に直接的にハンダ付けされている。また、電気基板5は可撓性を有するフィルム状の薄膜であり、両面テープ等の接着手段によりボディ4の内面に接合されている。
【0022】
また、電気基板5の長手方向一端側には電極10が設けられ、一方、フレーム3のうち電極10と対向する位置には、図2に示すように、車輪2と電気的に接続された電極11が設けられており、これらの電極10、11間には、両電極10、11を電気的に接続する金属コイルバネ状の接続電極12が設けられている。このため、室内灯6への電力は、金属製の車輪2を介して金属製の軌道(線路)9から供給される。
【0023】
2.本実施形態に係る鉄道模型車両の特徴
本実施形態では、発光体である室内灯6が客室1A内に設けられ、かつ、室内灯6の照度を変更するための照度変更ボリューム7が車両1に設けられているので、より本物に近い雰囲気を醸し出すことが可能な鉄道模型を得ることが可能となる。
【0024】
つまり、特許文献1に記載の玩具では、蒸気機関車型の模型本体内にLEDを配設するとともに、その電源スイッチに向けて息を吹き付けたときに、模型本体内のLEDが発光するものであるので、実際の鉄道車両と大きく異なっており、リアリティに乏しい。
【0025】
これに対して、本実施形態に係る鉄道模型車両1では、客室1A内に室内灯6であるLEDを設け、かつ、その照度を鉄道模型ファンの好みにより変更することができるので、より本物に近い雰囲気を楽しむことが可能となる。
【0026】
ところで、本実施形態では、フレーム3とボディ4とは着脱可能であるので、ボディ4をフレーム3から取り外して、客室1A内に設けられた照度変更ボリューム7を調整して室内灯6の照度を調節することとなる。
【0027】
そして、照度変更ボリューム7が直接的に目に触れない客室1A内に配設された構成となっているので、鉄道模型のリアリティを阻害することなく、車両モデルや風景(ジオラマ)に応じた照度とすることができ、より本物に近い雰囲気を楽しむことが可能となる。
【0028】
また、本実施形態では、室内灯6、照度変更ボリューム7及び低電圧回路8は、共に同一の電気基板5上に実装されているので、照度変更ボリューム7等を容易に鉄道模型に組み付けることができる。
【0029】
また、本実施形態では、電気基板5は、客室1A内のうち天井に相当する部位に配設されているので、室内灯6が客室1A内のうち天井に相当する部位に配設され構成となり、よりリアリティの高い鉄道模型を得ることができる。
【0030】
ところで、機関車の鉄道模型(図示せず。)には、駆動用の電動モータが内蔵されており、この電動モータも本実施形態に係る鉄道模型車両1と同様に、車輪2を介して軌道9から電力が供給される。
【0031】
このため、鉄道模型の車速を変更すべく、軌道9から供給する電力の電圧を変更すると、仮に定電圧回路8が設けられていない場合には、車速の変化に連動して室内灯6の照度も変化してしまうので、鉄道模型のリアリティが著しく低下してしまう。
【0032】
これに対して、本実施形態では、定電圧回路8が設けられているので、車速が変化しても室内灯6の照度を照度変更ボリューム7で設定した照度に保持することができ、鉄道模型ファンが欲するリアリティを得ることが可能となる。
【0033】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、電動モータが無い客車に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
【0034】
また、上述の実施形態では、照度変更ボリューム7を客室1A内に設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばフレーム3の下面(軌道9)側に設けてもよい。
また、上述の実施形態では、室内灯6を天井に相当する部位に配設したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
また、上述の実施形態では、室内灯6、照度変更ボリューム7及び定電圧回路8を同一の電気基板5に表面実装したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、電極10、11を金属コイルバネ状の接続電極12にて電気的に接続したが、本発明はこれに限定されることなく、例えばボディ4に接続電極12に相当する配線を行い、ボディ4とフレーム3との連結を利用して電極10、11を電気的に接続してもよい。
【0036】
また、上述の実施形態では、フレーム3とボディ4とを弾性変形可能な係止フック(係止爪)にて係止したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばフレーム3とボディ4とをネジ固定してもよい。
【0037】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
1…車両(鉄道模型車両)、1A…客室、1B…天井、2…車輪、3…フレーム、
4…ボディ、5…電気基板、6…室内灯、7…照度変更ボリューム、
8…定電圧回路、9…軌道、10…電極、10…両電極、11…電極、12…接続電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道模型であって、
車室内を照らす室内灯と、
車両に設けられ、前記室内灯の照度を変更するための照度変更ボリュームと
を備えることを特徴とする鉄道模型。
【請求項2】
前記車両は、車輪が設けられたフレーム、及び前記フレームに着脱可能に組み付けられて前記フレームと共に前記車室を構成するボディを有しており、
さらに、前記照度変更ボリュームは、前記車室内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道模型。
【請求項3】
前記室内灯及び前記照度変更ボリュームは、共に同一の電気基板上に実装されており、
さらに、前記電気基板は前記車室に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の鉄道模型。
【請求項4】
前記電気基板は、前記車室内のうち天井に相当する部位に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の鉄道模型。
【請求項5】
前記室内灯には、前記車輪を介して軌道から電力が供給されており、
さらに、前記電気基板には、前記軌道から供給される電力の電圧値を一定電圧とするための定電圧回路が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の鉄道模型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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