説明

鉄道用電力変換装置に搭載される整流制御装置

【課題】鉄道用電力変換装置搭載の整流装置によるバッテリ充電動作において、整流装置出力電圧とバッテリ間の電圧差が大きい場合、充電電流が過大となり、バッテリのメンテナンス周期が短くなり、バッテリ寿命が短くなる。
【解決手段】整流装置出力電流と出力電圧から整流装置出力電圧を演算する方法に加えて、充電電流を検出する検出器を設置して充電電流から整流装置出力電圧を演算し、整流装置出力電圧とバッテリ電圧の差を小さくすることで、バッテリ充電電流を一定の電流以下に制御する。負荷変動等による外部環境の変化に左右されず、バッテリを一定の電流以下で充電することができ、バッテリの寿命に影響を与えない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道用電力変換装置に搭載される整流装置の制御方法等に関するもので、特に、バッテリの充電電流を制御するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両にはバッテリが搭載されており、バッテリの充電のために整流装置を設けてバッテリの充電を行なっている。
整流装置の回路方式として、ダイオードブリッジ、サイリスタブリッジ、混合ブリッジなどの回路を使用した方法が採用されている。
整流装置の出力電圧はバッテリを含めた負荷全体へ供給する電流値で決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−275532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術においては、以下に示す問題点がある。
鉄道用電力変換装置搭載の整流装置は、バッテリの充電量と無関係に全体の負荷量で出力電圧を決定している。
そのため、バッテリの充電が不充分な場合、出力電圧とバッテリ電圧間の差が大きくなり、充電電流が過大になる場合がある。
充電電流が過大になると、バッテリ寿命が短くなり、バッテリのメンテナンス周期が短くなる。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の問題点を解決するために、請求項1の発明によれば、電圧検出器と電流検出器と出力電圧を演算する演算器やバッテリを具備し、直流を出力する装置において、該バッテリの充電電流検出手段を具備し、該充電電流検出手段を該演算器に接続し、出力電流を制限するように出力電圧指令値を演算し、充電電流を一定以下の値に制御することを特徴とする。
【0006】
すなわち、充電電流を検出する検出器と充電電流から出力電圧を演算する演算器を追加し、充電電流から出力電圧を演算する。
【発明の効果】
【0007】
負荷変動等による外部環境の変化に左右されず、バッテリを一定の電流以下で充電することができ、バッテリの寿命に影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例を示す回路図である。
【図2】従来例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
充電電流検出器8の出力を演算装置9に加える充電電流演算手段を新たに追加することにより、バッテリ4に充電される電流を演算することが可能となり、最終的にバッテリ4への充電電流を制御することができる。
【実施例1】
【0010】
バッテリ4を含めた負荷全体の電流による出力電圧の演算に、バッテリ充電電流による出力電圧の演算方法を追加する。
バッテリ4への充電電流を検出し、既定の充電電流値を超えた場合に出力電圧を下げ、整流装置出力電圧とバッテリ電圧の差を小さくすることによりバッテリ4への充電電流を一定以下に抑制する。
【産業上の利用可能性】
【0011】
バッテリへの充電電流を制限することにより、バッテリの寿命に影響を与えることがなくなり、交換周期が長くなることになり、メンテナンスに置いて非常に有用である。
【符号の説明】
【0012】
1 3相正弦波交流入力
2 整流回路
3 直流フィルタ回路
4 バッテリ
5 バッテリ以外の負荷
6 整流装置・出力電圧検出器
7 整流装置・出力電流検出器
8 充電電流検出器
9 演算装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧検出器と電流検出器と出力電圧を演算する演算器とバッテリ等を具備し、直流を出力する装置において、該バッテリの充電電流検出手段を具備し、該充電電流検出手段を該演算器に接続し、出力電流を制限するように出力電圧指令値を演算し、充電電流を一定以下の値に制御することを特徴とする整流制御装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−31251(P2013−31251A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164078(P2011−164078)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)
【Fターム(参考)】