説明

銀ナノ粒子の調製方法

本発明は、界面活性剤をエタノールに溶解して第1溶液を得ること;銀前駆体を水に溶解して第2溶液を得ること;該第2溶液を第1溶液に添加して第3溶液を得ること;還元剤を水に溶解して還元剤溶液を得ること;および該還元剤溶液を第3溶液に添加して銀ナノ粒子を得ることを含む銀ナノ粒子の調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子の調製方法に関する。より詳細には、本発明は、銀ナノ粒子の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
用語「ナノ」または「ナノ粒子」は、一般に、約100nm未満の直径を有する粒子を指すのに使用される。10〜200nmの範囲の平均直径を有する金属ナノ粒子は、化学用触媒、フォトエレクトロニクス、マイクロエレクトロニクス、オプトエレクトロニクス、情報記憶、写真、画像形成、感知、生物学的標識化などで潜在的な応用を有する。銀ナノ粒子は、金より安価で、かつ銅と比較してより安定なので、電子デバイス用の伝導要素として特に重要である。
【0003】
水性および有機媒質中で銀ナノ粒子を合成するためのいくつかの方法が知られている。しかし、高モル濃度の銀ナノ粒子の合成に関する開示は限られている。特に、水性媒質中で高モル濃度の銀ナノ粒子を合成するための商業的に実現可能な方法は存在していない。米国特許出願公開第2007/0034052号に記載のようないくつかの方法は、0.75モルまでのモル濃度を開示している。しかし、これらの方法は、反応混合物を加熱および冷却することを含む複雑なステップを必要とし、このことは、このような方法を、高価で、かつ経済的に実現可能な方式で高濃度の銀ナノ粒子を製造するのに不適当なものにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0034052号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、水性媒質中で高モル濃度の銀ナノ粒子を製造するための方法を突きとめる必要性がある。しかも、銀ナノ粒子の製造が周囲温度および圧力で行われる簡単な方法を突きとめる必要性がある。形成されたナノ粒子は、安定であり、かつ凝集しないことが望ましい。また、そのように形成されたナノ粒子は、水性および有機媒質に容易に分散可能であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、界面活性剤をエタノールに溶解して第1溶液を得ること、銀前駆体を水に溶解して第2溶液を得ること、該第2溶液を第1溶液に添加して第3溶液を得ること、還元剤を水に溶解して還元剤溶液を得ること、および該還元剤溶液を第3溶液に添加して銀ナノ粒子を得ることを含む銀ナノ粒子の調製方法に関する。
【0007】
本発明は、界面活性剤を水及びエタノールに溶解して第1溶液を得ること、銀前駆体を水に溶解して第2溶液を得ること、該第2溶液を第1溶液に添加して第3溶液を得ること、還元剤を水に溶解して還元剤溶液を得ること、および該還元剤溶液を第3溶液に添加して銀ナノ粒子を得ることを含む銀ナノ粒子の調製方法に関する。
【0008】
本発明の一態様によれば、還元剤溶液を第1溶液に添加することによって得られた銀ナノ粒子は、粉末を形成するために乾燥される。
【0009】
添付の図面は、本発明の好ましい実施形態を説明するものであり、以下の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】水性媒質中で合成された銀ナノ粒子サンプルのUV−可視スペクトルを示す図である。
【図2】水性媒質に再分散された銀ナノ粒子粉末(0.4mg/mL)のUV−可視スペクトルを示す図である。
【図3】有機媒質に再分散された銀ナノ粒子粉末(1mg/mL)のUV−可視スペクトルを示す図である。
【図4】高濃度で調製された銀ナノ粒子サンプルのTEM画像(TEM画像中の縮尺は50nmに相当)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の原理の理解を促進する目的で、これより記載の実施形態を参照し、特定の術語を使用してその実施形態を説明する。しかしながら、その説明によって本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、方法におけるこのような変更形態およびさらなる修正形態、ならびにその中で考えられている本発明の原理のこのようなさらなる応用は、本発明と関連がある当業者にとって普通に想定されるように企図されることが理解されるであろう。
【0012】
前述の一般的説明および以下の詳細な説明は、本発明を例示および説明するものであって、本発明を限定するものと解釈されるものではないことが、当業者には理解されるであろう。
【0013】
以下の説明は、銀ナノ粒子の製造に適用される場合の本発明の原理を明らかにする。しかし、本明細書の教示は、金および白金などの他の族の金属に等しく適用できると考えられる。以下の説明は、また、本発明の原理を明らかにするために界面活性剤および還元剤などのいくつかの特定の化合物について考察する。しかし、等価な化合物を利用して本発明により教示されるような所望の最終結果を達成することができるので、本発明は、このような化合物に限定されるものではない。
【0014】
本発明は、銀ナノ粒子の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、水性媒質中で高モル濃度の銀ナノ粒子を製造することに関する。
【0015】
本発明の原理による方法は、水性媒質中で、界面活性剤の存在下で高濃度の銀前駆体を還元剤で還元することによって銀ナノ粒子を製造することを含む。より具体的には、該方法は、水性媒質中で、エタノールまたはエタノール−水混合物に溶解された界面活性剤の存在下で高濃度の銀前駆体を還元剤で還元することによって銀ナノ粒子を製造することを含む。
【0016】
該方法は、界面活性剤をエタノールまたはエタノール−水混合物に溶解して第1溶液を得ること、該第1溶液を高濃度の銀前駆体水溶液に添加すること、および、得られた溶液を、所定の方式で還元剤を添加して還元して銀ナノ粒子を形成することを含む。
【0017】
該方法は、界面活性剤をエタノールまたはエタノール−水混合物に溶解して第1溶液を得ることによって銀ナノ粒子を製造することを含む。好ましくは、界面活性剤をエタノールに溶解する。この方法において、界面活性剤は、銀ナノ粒子を、水性媒質中でそれらの凝集を防止することによって安定化する。水性媒質中で高濃度の銀ナノ粒子を得るためには、高濃度の界面活性剤が必要とされる。エタノールは、界面活性剤のより大きな溶解性を可能にし、それによって、水性媒質中で高濃度の銀ナノ粒子を得ることを可能にする。
【0018】
銀前駆体を水に溶解して第2溶液を得る。好ましくは、銀前駆体を高モル濃度で水に溶解して第2溶液を得る。一態様によれば、銀前駆体を蒸留水に溶解する。
【0019】
第1および第2溶液を混合して第3溶液を得る。一態様によれば、第2溶液を第1溶液に添加し、そして混合物を所定の時間撹拌して均一に混合する。
【0020】
還元剤を好ましくは水に溶解して還元剤溶液を得る。一態様によれば、還元剤を蒸留水に溶解する。好ましくは、還元剤を冷蒸留水に溶解する。
【0021】
還元剤溶液を第3溶液に添加して、銀ナノ粒子を形成する。還元剤溶液は、第3溶液に、一気に投入するのではなく、滴加方式で添加することが好ましい。
【0022】
還元剤溶液を第3溶液に添加することによって得られた銀ナノ粒子を乾燥して粉末を形成する。乾燥は、限定はされないが、空気乾燥および真空オーブン中での乾燥を含む任意の周知の方法で実施することができる。
【0023】
本発明の一態様によれば、銀前駆体は、限定はされないが、AgNO、AgBF、AgPF、AgO、CHCOOAg、AgCFSO、AgClO、AgCl、AgSO、CHCOCH−COCHAgを含む、金属塩であってよい。好ましくは、銀前駆体は、硝酸銀、または硫酸銀である。一態様によれば、水中の銀塩の濃度は、0.01M〜2Mの範囲でよい。
【0024】
本発明による界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、およびそれらの混合物であってよく、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム、アルキルトリエチルアンモニウムブロミド、およびこれらの混合物によって例示される。好ましい実施形態によれば、スルホコハク酸ジ(2−エチル−ヘキシル)ナトリウムが、界面活性剤として使用される。
【0025】
一態様によれば、使用する界面活性剤の比率は、銀塩の1〜75wt%であり、好ましくは、界面活性剤の比率は銀塩の25wt%である。
【0026】
本発明の一態様によれば、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムである。使用する還元剤の量は0.1〜10wt%の範囲である。
【0027】
本発明の一態様によれば、還元剤溶液を第3溶液に添加することによって得られる銀ナノ粒子は、限定はされないが、通気乾燥および真空オーブン中での乾燥を含む任意の周知の方法によって乾燥されて、粉末を形成する。好ましくは、乾燥は真空オーブン中、所定温度で所定時間実施される。好ましい実施形態において、銀ナノ粒子の水溶液を真空オーブン中、50℃で8時間乾燥した。一態様によれば、五酸化リンを乾燥剤として使用した。そのようにして得られたナノ粒子は、さらなる使用のためにガラスバイアル瓶中に貯蔵される。
【0028】
本明細書の教示により水性媒質中で合成された銀ナノ粒子の1つのサンプルロットについてUV−可視分光法を実施した。図1に、水性媒質中で合成された銀ナノ粒子のサンプルに関するUV−可視スペクトルを示す。
【0029】
本発明の一態様によれば、水性媒質中で合成された銀ナノ粒子のサンプルについてTEM観察を実施した。図4に、高濃度で調製された銀ナノ粒子のTEM画像を示す(TEM画像中の縮尺は50nmに相当する)。
【0030】
本発明の一態様によれば、そうして得られたナノ粒子は、水性および有機媒質の双方に容易に再分散できる。
【0031】
具体例として、8mgの銀ナノ粒子粉末を20mLの蒸留水に再分散した。溶液を、銀ナノ粒子粉末が完全に再分散されるまで室温で撹拌し、その後、UV−可視スペクトルを記録した。図2に、蒸留水(水性媒質)に再分散された銀ナノ粒子粉末のUV−可視スペクトルを示す。
【0032】
類似例として、20mgの銀ナノ粒子粉末を20mLのクロロホルムに再分散した。溶液を、銀ナノ粒子粉末が完全に再分散されるまで室温で撹拌し、その後、UV−可視スペクトルを記録した。図3に、クロロホルム(有機媒質)に再分散された銀ナノ粒子粉末のUV−可視スペクトルを示す。
【0033】
一態様によれば、本発明は、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムをエタノールに溶解して第1溶液を得ること、硝酸銀を水に溶解して第2溶液を得ること、該第2溶液を第1溶液に添加して第3溶液を得ること、水素化ホウ素ナトリウムを水に溶解して還元剤溶液を得ること、該還元剤溶液を第3溶液に滴加して銀ナノ粒子を形成することを含む銀ナノ粒子の製造方法に関する。
【0034】
一実施形態によれば、本発明は、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムをエタノールに溶解して第1溶液を得ること、硫酸銀を水に溶解して第2溶液を得ること、該第2溶液を第1溶液に添加して第3溶液を得ること、水素化ホウ素ナトリウムを水に溶解して還元剤溶液を得ること、該還元剤溶液を第3溶液に滴加して銀ナノ粒子を沈殿させることを含む銀ナノ粒子の製造方法を提供する。
【0035】
この方法から得られる銀ナノ粒子は、完全に乾燥しており、凝集しない。それらの粒子は、化学的に安定であり、乾燥粉末として、またはスラリーの形態で貯蔵できる。これらのナノ粒子は、水性または有機媒質の双方に再分散される性能を有する。
【0036】
この方法から得られる銀ナノ粒子は、一般に球形状であり、大きさは1〜1000nmの範囲である。
【0037】
以下の実施例は、本発明の方法のいくつかの好ましい実施形態を説明し例示するために提供される。
【実施例1】
【0038】
1.698gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを10mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、50mLの蒸留水に溶解した33.974gの硝酸銀に添加し、連続的に10分間撹拌した。10wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。40mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例2】
【0039】
3.396gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを15mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、45mLの蒸留水に溶解した33.974gの硝酸銀に添加し、連続的に10分間撹拌した。10wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。40mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例3】
【0040】
5.094gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを20mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、40mLの蒸留水に溶解した33.974gの硝酸銀に添加し、連続的に10分間撹拌した。10wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。40mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例4】
【0041】
6.792gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを25mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、35mLの蒸留水に溶解した33.974gの硝酸銀に添加し、連続的に10分間撹拌した。10wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。40mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例5】
【0042】
8.49gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを30mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、30mLの蒸留水に溶解した33.974gの硝酸銀に添加し、連続的に10分間撹拌した。10wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。40mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例6】
【0043】
0.849gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを5mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、45mLの蒸留水に溶解した16.987gの硝酸銀に添加し、溶液を連続的に10分間撹拌した。5wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。50mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例7】
【0044】
1.698gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを10mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、40mLの蒸留水に溶解した16.987gの硝酸銀に添加し、溶液を連続的に10分間撹拌した。5wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。50mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例8】
【0045】
2.547gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを15mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、35mLの蒸留水に溶解した16.987gの硝酸銀に添加し、溶液を連続的に10分間撹拌した。5wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。50mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例9】
【0046】
3.396gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを20mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、30mLの蒸留水に溶解した16.987gの硝酸銀に添加し、溶液を連続的に10分間撹拌した。5wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。50mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。
【実施例10】
【0047】
4.245gのスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを25mLのエチルアルコールに28℃で溶解した。溶液を、サンプルが完全に溶解するまで、連続的に撹拌した。この溶液を、25mLの蒸留水に溶解した16.987gの硝酸銀に添加し、溶液を連続的に10分間撹拌した。5wt%の水素化ホウ素ナトリウム溶液を、冷蒸留水で調製し、還元剤として使用した。50mLの水素化ホウ素ナトリウム溶液を、前記溶液に、銀ナノ粒子の形成を示す深暗黄色の濃厚スラリーが観察されるまで滴加した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤をエタノールに溶解して第1溶液を得る段階と、銀前駆体を水に溶解して第2溶液を得る段階と、該第2溶液を該第1溶液に添加して第3溶液を得る段階と、還元剤を水に溶解して還元剤溶液を得る段階と、該還元剤溶液を該第3溶液に添加して銀ナノ粒子を得る段階と、を含む、銀ナノ粒子の調製方法。
【請求項2】
界面活性剤を水およびエタノールに溶解して第1溶液を得る段階と、銀前駆体を水に溶解して第2溶液を得る段階と、該第2溶液を該第1溶液に添加して第3溶液を得る段階と、還元剤を水に溶解して還元剤溶液を得る段階と、該還元剤溶液を該第3溶液に添加して銀ナノ粒子を得る段階と、を含む、銀ナノ粒子の調製方法。
【請求項3】
前記銀ナノ粒子を、粉末を形成するために乾燥する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記銀ナノ粒子が、1〜1000nmの範囲の大きさを有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2溶液を前記第1溶液に添加し、均一混合のためにこの混合物を撹拌する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
還元剤溶液を前記第3溶液に滴加する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
室温で実施する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記銀前駆体が、AgNO、AgBF、AgPF、AgO、CHCOOAg、AgCFSO、AgClO、AgCl、AgSO、CHCOCH−COCHAgなどの銀をベースにした塩であり、好ましくは、前記銀前駆体がAgNOまたはAgSOである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
銀塩のモル濃度が、0.01M〜2Mの範囲である。請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記銀前駆体のモル濃度が、少なくとも0.5Mである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記界面活性剤が、スルホコハク酸ジ(2−エチル)ナトリウムである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
界面活性剤の比率が、銀塩の1〜75wt%であり、好ましくは、界面活性剤の比率が銀前駆体の25wt%である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウムである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
前記還元剤を好ましくは冷蒸留水に溶解する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項15】
還元剤の濃度が、0.1〜10wt%である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項16】
スルホコハク酸ジ(2−エチル)ナトリウムをエタノールに溶解して第1溶液を得る段階と、硝酸銀を蒸留水に溶解して第2溶液を得る段階と、該第2溶液を該第1溶液に添加して第3溶液を得る段階と、水素化ホウ素ナトリウムを水に溶解して還元剤溶液を得る段階と、該還元剤溶液を該第3溶液に添加して銀ナノ粒子を得る段階と、を含む、銀ナノ粒子の調製方法。
【請求項17】
スルホコハク酸ジ(2−エチル)ナトリウムをエタノールに溶解して第1溶液を得る段階と、硫酸銀を蒸留水に溶解して第2溶液を得る段階と、該第2溶液を該第1溶液に添加して第3溶液を得る段階と、水素化ホウ素ナトリウムを水に溶解して還元剤溶液を得る段階と、該還元剤溶液を該第3溶液に添加して銀ナノ粒子を得る段階と、を含む、銀ナノ粒子の調製方法。
【請求項18】
前記銀ナノ粒子を、粉末を形成するために乾燥する、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
実質的に添付の図を参照して本明細書中で説明されるような、および添付の図で例示されるような銀ナノ粒子の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−518254(P2011−518254A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504566(P2011−504566)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005401
【国際公開番号】WO2009/133446
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(510242211)タタ ケミカルズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】