鋳型の埋没用器具
【目的】 鋳型の埋没作業においてなめらかな鋳込み口を作成できるとともに鋳型材への気泡の浸入を簡単に防げる埋没器具を得る。
【構成】 シート3は弾力性のあるスチロール樹脂製であり、ゴム製の円錐台6の鋳込み口造形部10にピッタリ覆いかぶさるとともに、鋳型枠1の下端で縁が押えつけられるように成形してある。締め付け環4は、円錐台6の鋳型枠保持部5の外周凹部に鉢巻状に装置してあり、取っ手13をつまんで留め金12をかけることにより、鋳型枠保持部5が締め付けられる構造になっている。
【効果】 締め付け環4つきのゴム製円錐台6とシート3を鋳型埋没作業に用いれば、なめらかな鋳込み口が得られ鋳型材への気泡の浸入を簡単に防止できる。
【構成】 シート3は弾力性のあるスチロール樹脂製であり、ゴム製の円錐台6の鋳込み口造形部10にピッタリ覆いかぶさるとともに、鋳型枠1の下端で縁が押えつけられるように成形してある。締め付け環4は、円錐台6の鋳型枠保持部5の外周凹部に鉢巻状に装置してあり、取っ手13をつまんで留め金12をかけることにより、鋳型枠保持部5が締め付けられる構造になっている。
【効果】 締め付け環4つきのゴム製円錐台6とシート3を鋳型埋没作業に用いれば、なめらかな鋳込み口が得られ鋳型材への気泡の浸入を簡単に防止できる。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、歯科鋳造などのロストワックス精密鋳造法における鋳型の埋没作業に使用する器具に係るものであり、詳しくは鋳込み口表面をなめらかに硬化させるとともに鋳型枠下部からの気泡の浸入を防ぐためのシートと、鋳型枠の浮き上がりを防ぐ締めつけ環とを、それぞれとりつけられるようにした円錐台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図2に示す構成による鋳型の埋没が主流として行なわれており、先ず蝋型植立凹部2にパラフィン蝋9を満たした従来型円錐台11に蝋型8を植立し、鋳型材の膨脹緩衝帯7を内張りした鋳型枠1を従来型円錐台11にそなえつけ、練った鋳型材を振動を与えながら鋳型枠1の中に流し込み、鋳型材の硬化後に従来型円錐台11を取り外し鋳造用鋳型を作成していた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来型円錐台11の鋳込み口造形部10に硬化した鋳型材がこびりつくため、鋳型の鋳込み口表面が粗造となり、鋳巣や鋳造欠陥の発生の一因となっていた。
【0004】
また、鋳型枠1が従来型円錐台11から浮き上がることによる鋳型材中への気泡の浸入がおこり、この気泡が蝋型8に付着することによる不適合が生じていた。
【0005】
本考案は、これらの欠点を除くためになされたものであり、その目的とするところは、鋳型の埋没作業においてなめらかな鋳込み口を作成できるとともに、鋳型材への気泡の浸入を簡単に防げる埋没器具を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、図1、図4、図6、図8、図9に示すように、シート3と締め付け環4を埋没器具の構成に加えた。
【0007】
ちなみに、上記シート3は弾力性のあるスチロール樹脂製であり、ゴム製の円錐台6の鋳込み口造形部10にピッタリ覆いかぶさるとともに、鋳型枠1の下端で縁が押えつけられるように成形してある。
【0008】
また、締め付け環4は、円錐台6の鋳型枠保持部5の外周凹部に鉢巻状に装置してあり、取っ手13をつまんで留め金12をかけることにより、鋳型枠保持部5が締め付けられる構造になっている。
【0009】
【作用】
シート3は、埋没作業のたびに毎回新しい物を円錐台6に取り付けて使用するので、鋳込み口の鋳型材表面をなめらかに仕上げることができる。
【0010】
また、シート3が弾力性のある材質で作られているため、シート3の縁が鋳型枠1の下端と円錐台6とに圧迫されてはさまれることにより、鋳型材への気泡の浸入を止めることができる。
【0011】
また、締め付け環4の取っ手13をつまんで留め金12をかけることにより、鋳型枠保持部5が締め付けられ、鋳型枠1が円錐台6にしっかりと固定され、上記シート3の作用をたやすく持続させることができる。
【0012】
【実施例】
実施例について図1〜図9を参考にして説明する。
蝋型8を蝋型植立凹部2に植立する前に、弾力性のあるスチロール樹脂製のシート3を、ゴム製の円錐台6の鋳込み口造形部10にピッタリ覆いかぶさるように取り付け、蝋型植立凹部2にパラフィン蝋9を満たして蝋型8を植立した後、膨張緩衝帯7を内張りした鋳型枠1を円錐台6にはめ込み、シート3の縁が鋳型枠1の下端で圧迫されて押えられた状態になるよう片手で鋳型枠1を下に押えながら、ゴム製の円錐台6の鋳型枠保持部5の外周凹部に鉢巻状に装置した締め付け環4の留め金12をかけ鋳型の埋没準備を完了する。
【0013】
【考案の効果】
本考案は、上述のとうり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0014】
請求項1の器具を用いることにより、練った鋳型材がつねに新規でなめらかな鋳込み口造形面に接して硬化するため、鋳型の鋳込み口表面を緻密にしあげることができる。
【0015】
請求項2の器具を用いることにより、シートの縁を圧迫された状態に保つと同時に、鋳型枠を円錐台にしっかり固定したままにすることができ、埋没作業中の振動下における鋳型枠の脱落や浮き上がりの防止と気泡の浸入防止ができる。
【0016】
請求項3の器具を用いることにより、締め付け環を円錐台の鋳型枠締め付け部の外周につねにはめ込んでおくことができ、鋳型枠をとりつけ後すばやく締め付け固定ができるとともに、使用後の維持管理がらくになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案埋没用器具の組み合わせ使用例の要部断面図である。
【図2】従来の埋没用器具の組み合わせ使用例の要部断面図である。
【図3】円筒管状の鋳型枠の斜視図である。
【図4】鋳込み口の更新及び気泡浸入防止用シートの斜視図である。
【図5】シート及び締め付け環をとりつけられる円錐台の斜視図である。
【図6】締め付け環の斜視図である。
【図7】膨張緩衝帯を内張りした鋳型枠の斜視図である。
【図8】埋没準備を完了した本考案器具の斜視図である。
【図9】蝋型植立後の本考案器具の斜視図である。
【符号の説明】
1 鋳型枠
2 蝋型植立凹部
3 シート
4 締め付け環
5 鋳型枠保持部
6 円錐台
7 膨張緩衝帯
8 蝋型
9 パラフィン蝋
10 鋳込み口造形部
11 従来型円錐台
12 留め金
13 取っ手
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、歯科鋳造などのロストワックス精密鋳造法における鋳型の埋没作業に使用する器具に係るものであり、詳しくは鋳込み口表面をなめらかに硬化させるとともに鋳型枠下部からの気泡の浸入を防ぐためのシートと、鋳型枠の浮き上がりを防ぐ締めつけ環とを、それぞれとりつけられるようにした円錐台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図2に示す構成による鋳型の埋没が主流として行なわれており、先ず蝋型植立凹部2にパラフィン蝋9を満たした従来型円錐台11に蝋型8を植立し、鋳型材の膨脹緩衝帯7を内張りした鋳型枠1を従来型円錐台11にそなえつけ、練った鋳型材を振動を与えながら鋳型枠1の中に流し込み、鋳型材の硬化後に従来型円錐台11を取り外し鋳造用鋳型を作成していた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来型円錐台11の鋳込み口造形部10に硬化した鋳型材がこびりつくため、鋳型の鋳込み口表面が粗造となり、鋳巣や鋳造欠陥の発生の一因となっていた。
【0004】
また、鋳型枠1が従来型円錐台11から浮き上がることによる鋳型材中への気泡の浸入がおこり、この気泡が蝋型8に付着することによる不適合が生じていた。
【0005】
本考案は、これらの欠点を除くためになされたものであり、その目的とするところは、鋳型の埋没作業においてなめらかな鋳込み口を作成できるとともに、鋳型材への気泡の浸入を簡単に防げる埋没器具を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、図1、図4、図6、図8、図9に示すように、シート3と締め付け環4を埋没器具の構成に加えた。
【0007】
ちなみに、上記シート3は弾力性のあるスチロール樹脂製であり、ゴム製の円錐台6の鋳込み口造形部10にピッタリ覆いかぶさるとともに、鋳型枠1の下端で縁が押えつけられるように成形してある。
【0008】
また、締め付け環4は、円錐台6の鋳型枠保持部5の外周凹部に鉢巻状に装置してあり、取っ手13をつまんで留め金12をかけることにより、鋳型枠保持部5が締め付けられる構造になっている。
【0009】
【作用】
シート3は、埋没作業のたびに毎回新しい物を円錐台6に取り付けて使用するので、鋳込み口の鋳型材表面をなめらかに仕上げることができる。
【0010】
また、シート3が弾力性のある材質で作られているため、シート3の縁が鋳型枠1の下端と円錐台6とに圧迫されてはさまれることにより、鋳型材への気泡の浸入を止めることができる。
【0011】
また、締め付け環4の取っ手13をつまんで留め金12をかけることにより、鋳型枠保持部5が締め付けられ、鋳型枠1が円錐台6にしっかりと固定され、上記シート3の作用をたやすく持続させることができる。
【0012】
【実施例】
実施例について図1〜図9を参考にして説明する。
蝋型8を蝋型植立凹部2に植立する前に、弾力性のあるスチロール樹脂製のシート3を、ゴム製の円錐台6の鋳込み口造形部10にピッタリ覆いかぶさるように取り付け、蝋型植立凹部2にパラフィン蝋9を満たして蝋型8を植立した後、膨張緩衝帯7を内張りした鋳型枠1を円錐台6にはめ込み、シート3の縁が鋳型枠1の下端で圧迫されて押えられた状態になるよう片手で鋳型枠1を下に押えながら、ゴム製の円錐台6の鋳型枠保持部5の外周凹部に鉢巻状に装置した締め付け環4の留め金12をかけ鋳型の埋没準備を完了する。
【0013】
【考案の効果】
本考案は、上述のとうり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0014】
請求項1の器具を用いることにより、練った鋳型材がつねに新規でなめらかな鋳込み口造形面に接して硬化するため、鋳型の鋳込み口表面を緻密にしあげることができる。
【0015】
請求項2の器具を用いることにより、シートの縁を圧迫された状態に保つと同時に、鋳型枠を円錐台にしっかり固定したままにすることができ、埋没作業中の振動下における鋳型枠の脱落や浮き上がりの防止と気泡の浸入防止ができる。
【0016】
請求項3の器具を用いることにより、締め付け環を円錐台の鋳型枠締め付け部の外周につねにはめ込んでおくことができ、鋳型枠をとりつけ後すばやく締め付け固定ができるとともに、使用後の維持管理がらくになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案埋没用器具の組み合わせ使用例の要部断面図である。
【図2】従来の埋没用器具の組み合わせ使用例の要部断面図である。
【図3】円筒管状の鋳型枠の斜視図である。
【図4】鋳込み口の更新及び気泡浸入防止用シートの斜視図である。
【図5】シート及び締め付け環をとりつけられる円錐台の斜視図である。
【図6】締め付け環の斜視図である。
【図7】膨張緩衝帯を内張りした鋳型枠の斜視図である。
【図8】埋没準備を完了した本考案器具の斜視図である。
【図9】蝋型植立後の本考案器具の斜視図である。
【符号の説明】
1 鋳型枠
2 蝋型植立凹部
3 シート
4 締め付け環
5 鋳型枠保持部
6 円錐台
7 膨張緩衝帯
8 蝋型
9 パラフィン蝋
10 鋳込み口造形部
11 従来型円錐台
12 留め金
13 取っ手
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 鋳型の鋳込み口表面をなめらかに硬化させるためと、鋳型枠(1)の下端に密接させ気泡の浸入を防ぐためのシート(3)
【請求項2】 鋳型枠(1)の浮き上がりを防ぐための締めつけ環(4)
【請求項3】 シート(3)と締めつけ環(4)をとりつけられるようにした円錐台(6)
【請求項1】 鋳型の鋳込み口表面をなめらかに硬化させるためと、鋳型枠(1)の下端に密接させ気泡の浸入を防ぐためのシート(3)
【請求項2】 鋳型枠(1)の浮き上がりを防ぐための締めつけ環(4)
【請求項3】 シート(3)と締めつけ環(4)をとりつけられるようにした円錐台(6)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【登録番号】第3009688号
【登録日】平成7年(1995)2月1日
【発行日】平成7年(1995)4月11日
【考案の名称】鋳型の埋没用器具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−12270
【出願日】平成6年(1994)8月29日
【出願人】(393009770)
【登録日】平成7年(1995)2月1日
【発行日】平成7年(1995)4月11日
【考案の名称】鋳型の埋没用器具
【国際特許分類】
【出願番号】実願平6−12270
【出願日】平成6年(1994)8月29日
【出願人】(393009770)
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