説明

鋼管の建入誤差の測定方法、鋼管

【課題】逆打工法により建物を構築する際に、地盤内に挿入された逆打支柱の鉛直精度を、地盤を掘削することなく測定することが可能な測定方法を提供する。
【解決手段】鋼管21からなる柱部20と、柱部20の下方に接続された杭部30と、柱部20と杭部30の間に設けられたベースプレート40とを備え、地盤1に建て入れられた逆打支柱10の建入誤差を測定する測定方法であって、ベースプレート40上の逆打支柱10が正確に建ていれられた場合に通り芯が通過する位置に蓄光材からなる目印51を付し、地上高さにおいて、地盤1に建て入れられた逆打支柱10のベースプレート40の目印51の直上の位置を鉛直器により特定し、地上高さにおいて、通り芯と、特定した目印51の直上の位置との距離を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に建て入れられた鋼管の建入誤差の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、逆打工法により建物の地下架構を構築する際には、地盤を掘削する前に建物の躯体の荷重を支持するための逆打支柱として鋼管を地盤内に埋設する。この鋼管が傾斜してしまうと、梁との取り合い、地上鉄骨の施工などに大きな影響を及ぼすため、鋼管を埋設する際には鉛直精度を確保することが重要である。
【0003】
鋼管を鉛直精度を確保しながら地盤内に挿入する方法として、例えば、特許文献1には、鋼管の外周面に取り付けられた水管と、水管内の水面に浮かぶ浮子と、水管の上面に設けられ、浮子の位置を読み取るための目印が付された目印板と、浮子の変位を監視するためのカメラと、クレーンのフック等の吊り具と水管との間に介在し、鋼管の傾きを調整するための調整手段とを備えた鉛直精度調整装置を用いて、鉛直精度を調整しながら鋼管を地盤内に挿入する方法が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1記載の方法により、鉛直精度を調整しながら鋼管を地盤内に設置しても、土圧や水圧の影響により、設置中あるいは設置後に鋼管が傾いてしまう場合がある。そして、深度により土圧や水圧が異なるため、その傾きが鋼管の全長にわたって一様ではなく、深度によって異なることが多い。そこで、通常、設置後の鉛直精度を所定の間隔毎に測定することを目的として、地下架構の構築予定箇所の地盤を各階毎に掘削し、その掘削により露出した部分の傾きを、適宜、トランシット等を用いて測定している。すなわち、各階分の地盤を掘削して傾きを測定する作業を構築予定の地下階数回だけ繰り返し行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009―84794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、地下躯体構築予定箇所の地盤を各階毎に掘削し、露出した部分の傾きを測定する方法では、以下のような問題点があった。
(1)露出した部分の測定結果に基づいて鋼管間の正確な水平距離を算出し、その水平距離に応じて長めに製作した梁の長さを調整するため、何らかの理由で梁の長さ調整が遅れると、地下架構部分の工事が停止する場合がある。
【0007】
(2)鋼管の傾きが大きくなると建物の構造的な耐力が低くなるため、補強を施す必要がある。しかし、その設計には手間と時間がかかるため、地下架構部分の工事が停止する場合がある。そして、逆打工法では、地下架構部分の工事が進まないと、地上架構部分の工事を進めることができないため、地下架構部分の工事が停止すると、地上架構部分の工事も停止し、工事全体の工程に影響を及ぼしてしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、地盤内に建て入れられた鋼管の鉛直精度を、地盤を掘削することなく測定することが可能な測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の鋼管の建入誤差の測定方法は、内部断面の少なくとも一部を塞ぐようにプレートが設けられ、地盤に建て入れられた鋼管の建入誤差を測定する測定方法であって、 前記プレートを通過する鉛直な基準軸が、前記鋼管が正確に建て入れられた場合に前記プレートを通過する位置に蓄光材又は反射材からなる目印を付する目印付与ステップと、地上高さにおいて、前記地盤に建て入れられた鋼管の前記プレートの前記目印の位置を鉛直器により特定する鉛直位置特定ステップと、地上高さにおいて、前記基準軸と、前記特定した前記目印の直上の位置との距離を測定する誤差測定ステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
上記の鋼管の建入誤差の測定方法において、前記鉛直位置特定ステップでは、前記目印を照明装置により照明すると共に、地上高さにおいて、鉛直下方を視準可能な鉛直器によって前記目印を観測することにより、前記プレートに付された前記目印の直上の位置を特定してもよい。また、前記目印は、前記プレート上面に突出するように設けられた突出部材の上部に付されていてもよい。
【0011】
また、本発明の鋼管の建入誤差の測定方法は、内部断面の少なくとも一部を塞ぐようにプレートが設けられ、地盤に建て入れられた鋼管の建入誤差を測定する測定方法であって、前記プレートを通過する鉛直な基準軸が、前記鋼管が正確に建て入れられた場合に前記プレートを通過する位置に蓄光材又は反射材からなる目印を付する目印付与ステップと、地上高さにおいて、鉛直器により前記プレート上における前記基準軸が通過する位置を特定する位置特定ステップと、前記特定された前記プレート上の前記基準軸が通過する位置と、前記目印との距離を測定する誤差測定ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の鋼管は、内部断面の少なくとも一部を塞ぐようにプレートが設けられた地盤に挿入されるべき鋼管であって、当該鋼材が地盤に挿入された際の建入誤差を測定するべく、前記プレートに突出部材が設けられ、前記突出部材の上部に基準位置を示す蓄光材又は反射材からなる目印が付されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プレートの鋼管が正確に建て込まれた際に基準軸が通過する位置に蓄光材又は反射材からなる目印を付しておくことにより、鋼管を建て入れた際に、該目印と、基準軸との距離を鉛直器を用いて求めることができるため、鋼管を地盤内に建て入れた後、地盤を掘削することなく、鋼管の建入誤差を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】地盤内に建て込まれる逆打支柱を示す図である。
【図2】第1実施形態における逆打支柱の建入誤差を測定している様子を示す図である。
【図3】鉛直視準器を通して目印を観測しているときに鉛直視準器で視準できる画像を示す図である。
【図4】第2実施形態で用いるターゲットを示す図である。
【図5】第2実施形態における逆打支柱の建入誤差を測定している様子を示す図である。
【図6】ターゲットに表示されたスポット位置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
以下、本発明の建入誤差の測定方法の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、地盤内に建て込まれる逆打支柱10を示す図である。同図に示すように、逆打支柱10は、上部の柱部20と、下部の杭部30とからなり、柱部20と杭部30の間にはベースプレート40が介在している。
【0016】
杭部30はいわゆるクロスH型鋼31からなり、フランジ31Aの下端部近傍の外面にスタッド32が打設されている。
柱部20は断面矩形の鋼管21からなり、鋼管21の内部の各階の梁が接続されるべき高さ位置にはダイヤフラム22が取り付けられている。鋼管21に取り付けられたダイヤフラム22には、円形の孔22Aが形成されており、地上架構を構築する際には、この孔22Aを通して、鋼管21の内部にコンクリートを充填することでCFT柱とする。
【0017】
以下、逆打支柱10の建入誤差の測定方法について説明する。
まず、逆打支柱10を建て入れる前に、予め、ベースプレート40の上面にボルト50を取り付けておき、このボルト50の頭部に目印51を付しておく。この目印51は、逆打支柱10を正確に建て込んだ際に、通り芯が通るような位置(本実施形態では、鋼管21の中心軸が通る位置)に付しておく。
【0018】
ここで、目印51は、蓄光塗料をボルト50の頭部に塗布し、その上に十字を記すことにより付されている。なお、蓄光塗料は、太陽光や蛍光灯等の光エネルギー(紫外線)を吸収して、暗闇で徐々に光を放出する機能を発現する塗料であり、本実施形態では、蓄光機能を持つ水性インク(例えば、商品名「ルミナイト GW」、小松プロセス社製)を用いている。なお、蓄光塗料としては、アルミナ系酸化物の無機顔料等も挙げられる。
【0019】
そして、掘削装置により地盤を掘削し、揚重装置により逆打支柱10を建て入れた後、1Fの床面の構築作業を開始する前に、建て入れた逆打支柱10の建入誤差を測定する。図2は、逆打支柱10の建入誤差を測定している様子を示す図である。同図に示すように、建入誤差を測定する際には、逆打支柱10の上部を覆うように、鋼板からなる台座プレート100を設置する。この台座プレート100は、円形の開口100Aが設けられており、開口100Aがベースプレート40に取り付けられたボルト50の略上方に位置するように、配置されている。
【0020】
台座プレート100の上部には、開口100Aを跨ぐように鉛直視準器110が設置されている。鉛直視準器110は、望遠鏡が内蔵され側部に接眼部が設けられ、本体の鉛直軸上に望遠鏡の視軸が設定された鉛直器であり、鉛直下方の細密な測点を判別可能に構成されている。本実施形態では、鉛直視準器110として、ライカジオシステムズ社製の自動天頂鉛直器ZL(商品名)を使用しているが、ソキア社製の鉛直器 PD3(商品名)等も使用可能である。
【0021】
また、台座プレート100の開口100Aからケーブル121が吊り下げられており、このケーブル121の先端には、下方を照明可能なライト120が取り付けられている。このライト120から照射される光を、目印51の蓄光塗料が吸収することにより、鋼管21内という暗い空間において、目印51が発光し、目印51に記された十字が視認可能になる。
【0022】
図3は、鉛直視準器110を通して目印51を観測しているときに鉛直視準器110で視準できる画像を示す図である。建入誤差を測定する際には、まず、図3に示すように、鉛直視準器110を通して鋼管21内を観測しながら、直交する二軸の交点(本体の鉛直軸が通過する点)が、目印51の十字の交点と重なるように、鉛直視準器110の水平位置を調整する。この際、ライト120の光を目印51に照射させて目印51の蓄光塗料に吸収させる。これにより、鋼管21内という暗い空間において目印51が発光し、目印51に記された十字が視認可能になる。
【0023】
ここで、鋼管21内に結露などが生じてベースプレート40上に水が溜まっていても、ベースプレート40に突出するように設けられたボルト50の頭部に目印51を付しているため、ボルト50の上部は水面から突出することとなり、目印51を確認することができる。
【0024】
次に、地上において、鉛直視準器110の本体の鉛直軸の位置と、地盤1における通り芯の位置との差を、例えば、北に5mm、西へ10mmといった形で求め、この差を、逆打支柱10の建入誤差dとする。この建入誤差dは、鉛直視準器110の鉛直軸上に付された印と、台座プレート100上の通り芯との交点に付された印との距離をスケールにより測定することにより求める。なお、視準用のプリズムやミラーを、鉛直視準器110の鉛直軸上と通り芯上とに設置し、トランシットによりこれらの距離を測定することにより、建入誤差dを求めてもよい。
【0025】
そして、上記求めた建入誤差dに基づいて、地盤1と逆打支柱10との間にジャッキを挿入し、このジャッキにより建入誤差と反対方向に力を加え、逆打支柱10の姿勢を調整する。本実施形態では、1Fの床面を構築する前に建入誤差を測定しているため、建入誤差を修正することができる。
【0026】
本実施形態では、鋼管21内に蓄光材からなる目印51を設け、そして、該目印51をライト120で照明することにより、暗い空間である鋼管21内に設置された目印51を、鉛直視準器110で視認可能とした。これにより、逆打支柱10を地盤1内に建て入れた後、地盤1を掘削することなく、逆打支柱10の建入誤差を測定することができる。このため、地盤1を掘削する前に、逆打支柱10の傾きを調整することができるため、地下構築部分の工事を停止することがない。
【0027】
また、1Fの床を構築してしまうと、逆打支柱10の建入誤差を調整することは困難であるが、本実施形態によれば、1Fの床を構築する前に建入誤差を測定するため、逆打支柱10の建入誤差を容易に調整することができる。
【0028】
また、逆打支柱10の建入誤差が大きく、地下架構部分の補強が必要となる場合であっても、逆打支柱10の建入直後に建入誤差を測定することができるため、地盤1の掘削期間中に補強の設計を行うことができ、後工程に影響を与えることがない。すなわち、補強の設計等に必要な期間を確保でき、かつ、後工程への影響を防止することができる。
また、本実施形態によれば、建入誤差を測定するためには、予め、逆打支柱10にボルト50を取り付けるのみで良いので、手間がかからない。
【0029】
なお、本実施形態では、ケーブル121を鋼管21内に垂下させ、ケーブル121の先端に接続されたライト120で照明した目印51を鉛直視準器110で観測しながら、鉛直視準器110の本体の鉛直軸が目印51の十字の交点と重なるように鉛直視準器110の位置を調整するが、これに限らず、ケーブル121の先端に接続されたカメラの撮影画像を監視しながら、レーザ鉛直器により照射されたレーザが目印51に当たるようにレーザ鉛直器110の位置を調整する等してもよい。
【0030】
また、本実施形態では、鉛直視準器110を用いているが、これに代えて、下げ振りを用いて、目印の上方の位置を特定してもよい。この場合、鋼管21内部において下げ振りを用いることとなるため、風の影響を受けることなく、目印の上方の位置を特定することができる。
【0031】
また、本実施形態では、ベースプレート40上にボルト50を取り付け、このボルト50の頭部に目印51を付すものとしたが、これに限らず、ベースプレート40上にスタッドなどのボルト以外の鋼材やコンクリートブロックなどを突出するように取り付け、この突出した部材の上部に目印51を付してもよい。
【0032】
<第2実施形態>
第1実施形態では、地上における通り芯と鋼管の中心軸との距離を測定しているが、これに限らず、ベースプレートの設置された高さにおける通り芯と鋼管の中心軸との距離を測定することもできる。以下、かかる場合の実施形態を説明する。なお、以下の説明においても、第1実施形態と同様に、逆打支柱が正確に建て入れられた場合には、鋼管の中心軸と通り芯とが一致するものとする。
【0033】
本実施形態では、ベースプレート40の上部に、図4に示すようなターゲット150を設置しておく。ターゲット150は、長方形状の板材からなり、その中心に基準点となる目印151が表示されるとともに、直交する二軸に平行な複数の目盛線が格子状に表示されている。なお、この直交する二軸は後述するように鋼管21内にターゲットを設置した状態で、東西及び南北に延びるように付されている。ターゲット150には、その両側部にガイド部材160が接続されており、これらガイド部材160にはワイヤーロープ161が接続されている。
【0034】
以下、本実施形態における逆打支柱10の建入誤差の測定方法について説明する。
まず、逆打支柱10を建て入れる前に、予め、鋼管21の対向する隅部にガイド部材160を沿わせて、ベースプレート40の上面にターゲット150を設置しておく。この際、鋼管21の対向する隅部にガイド部材160を沿わせることで、鋼管21の中心軸がターゲット150に表示された目印151を通るとともに、目盛線が東西及び南北方向に延びることとなる。なお、ターゲット150に接続されたワイヤーロープ161は鋼管21上部まで到達するように配置しておく。
【0035】
ここで、目印151は、反射シートをターゲット150に貼り付け、その上に直交する二軸や目盛り線を記すことにより付されている。なお、本実施形態では、光を、光源に向けて選択的に反射することができる機能を有する再帰反射シート(例えば、商品名RS00−K、ソキア社製や、商品名3Dレフシート、ニコン社製や、商品名680シリーズ、住友3M社製)を用いている。この再帰反射シートは、透明なプラスチックフィルムの中にガラスビーズを埋め込んだ構造をしている。
【0036】
ここで、一般に、反射シートは、反射塗料と比して、ガラスビーズの混入量が多いことにより、再帰反射性能が高いため、本実施形態では反射シートを用いて目印151を形成したが、所望の再帰反射性能を有する反射塗料であれば、目印151を形成するのに用いることができる。
【0037】
そして、掘削装置により地盤を掘削し、揚重装置により逆打支柱10を建て入れ、建て入れた逆打支柱10の建入誤差を測定する。図5は、逆打支柱10の建入誤差を測定している様子を示す図である。本実施形態においても、1Fの床面の構築作業を開始していない状態で建入誤差を測定する。
【0038】
地上において、逆打支柱10の上部には、鋼板からなる台座プレート100が設置されている。この台座プレート100には、円形の開口100Aが設けられており、通り芯が開口100A内に位置するように、配置されている。
【0039】
台座プレート100の上部には、開口100Aを跨ぐように鉛直視準器110が設置されている。この鉛直視準器110の接眼部には、レーザ照射装置111が装着されており、レーザ照射装置111から照射されたレーザが、鉛直下方へ出斜される。鉛直視準器110は、レーザ照射装置111から照射されたレーザが通り芯に位置するように設置されている。
【0040】
また、台座プレート100の開口100Aからケーブル121が吊り下げられており、このケーブル121の先端には、下方を照明可能なライト120が取り付けられている。ライト120の光は、目印151の反射シートにより上方へ反射される。
【0041】
建入誤差を測定する際には、鉛直視準器110を通して、ターゲット150における目印151に対するレーザの照射されたスポット位置170がどの向きにどれだけずれているか目盛り線により読み取る。例えば、図6に示すように、スポット位置170が目印151の中心点152に対して北へ5mm、西へ10mmずれている場合には、逆打支柱10の建入誤差は、ベースプレート40の高さ位置において、南へ5mm、東へ10mmずれていることとなる。
【0042】
そして、上記求めた建入誤差に基づいて、地盤1と逆打支柱10との間にジャッキを挿入し、このジャッキにより建入誤差と反対方向に力を加え、逆打支柱10の姿勢を調整する。
【0043】
以上の工程により、逆打支柱10の建入誤差を測定し、これに基づいて逆打支柱10の姿勢を調整することができる。なお、逆打支柱10の建入誤差の測定後、ターゲット150はワイヤーロープ161により回収すればよい。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0044】
なお、上記の各実施形態では、杭部30をクロスH型鋼31により構成したが、これに限らず、H型鋼や角鋼管など適宜な鋼材を用いることができる。また、上記の各実施形態では、柱部20を角鋼管21により構成したが、これに限らず、丸鋼管を用いることもできる。
【0045】
また、上記の各実施形態では、地盤1に建て込んだ逆打支柱10の建入誤差を測定する場合について説明したが、これに限らず、下端にベースプレート40が接続された鋼管を建て込む場合であれば本発明を適用できる。また、必ずしも、ベースプレート40を備える必要はなく、鋼管の内部を塞ぐようにプレートが取り付けられていれば、本発明を適用できる。
また、上記の各実施形態では、建入誤差を測定する基準となる基準軸として、通り芯を用いたがこれに限らず、適宜、基準軸を設定してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 地盤 10 逆打支柱
20 柱部 21 鋼管
22 ダイヤフラム 30 杭部
31 H型鋼 31A フランジ
32 スタッド 40 ベースプレート
50 ボルト 51 目印
100 台座プレート 110 鉛直視準器
111 レーザ照射装置 120 ライト
121 ケーブル 150 ターゲット
151 目印 152 中心点
160 ガイド部材 161 ワイヤーロープ
170 スポット位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部断面の少なくとも一部を塞ぐようにプレートが設けられ、地盤に建て入れられた鋼管の建入誤差を測定する測定方法であって、
前記プレートを通過する鉛直な基準軸が、前記鋼管が正確に建て入れられた場合に前記プレートを通過する位置に蓄光材又は反射材からなる目印を付する目印付与ステップと、
地上高さにおいて、前記地盤に建て入れられた鋼管の前記プレートの前記目印の位置を鉛直器により特定する鉛直位置特定ステップと、
地上高さにおいて、前記基準軸と、前記特定した前記目印の直上の位置との距離を測定する誤差測定ステップとを備えることを特徴とする鋼管の建入誤差の測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の鋼管の建入誤差の測定方法であって、
前記鉛直位置特定ステップでは、
前記目印を照明装置により照明すると共に、地上高さにおいて、鉛直下方を視準可能な鉛直器によって前記目印を観測することにより、前記プレートに付された前記目印の直上の位置を特定することを特徴とする鋼管の建入誤差の測定方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の鋼管の建入誤差の測定方法であって、
前記目印は、前記プレート上面に突出するように設けられた突出部材の上部に付されていることを特徴とする鋼管の建入誤差の測定方法。
【請求項4】
内部断面の少なくとも一部を塞ぐようにプレートが設けられ、地盤に建て入れられた鋼管の建入誤差を測定する測定方法であって、
前記プレートを通過する鉛直な基準軸が、前記鋼管が正確に建て入れられた場合に前記プレートを通過する位置に蓄光材又は反射材からなる目印を付する目印付与ステップと、
地上高さにおいて、鉛直器により前記プレート上における前記基準軸が通過する位置を特定する位置特定ステップと、
前記特定された前記プレート上の前記基準軸が通過する位置と、前記目印との距離を測定する誤差測定ステップとを備えることを特徴とする鋼管の建入誤差の測定方法。
【請求項5】
内部断面の少なくとも一部を塞ぐようにプレートが設けられた地盤に挿入されるべき鋼管であって、
当該鋼材が地盤に挿入された際の建入誤差を測定するべく、前記プレートに突出部材が設けられ、前記突出部材の上部に基準位置を示す蓄光材又は反射材からなる目印が付されていることを特徴とする鋼管。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate