鋼製セグメント及び合成セグメント
【課題】効率的な断面を確保しながら、部材数及び加工工数を削減することで、製作コストを削減できる鋼製セグメント及び合成セグメントを提供する。
【解決手段】少なくとも、端部に継手118を有し、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状であって、隣接する他の鋼矢板と前記継手において相互に接続される複数の鋼矢板110と、長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように前記鋼矢板と接合され、前記トンネル軸方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた主桁120と、長手方向が前記主桁の長手方向に対して垂直になるように前記主桁及び前記複数の鋼矢板と接合され、前記トンネル周方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた継手板130とを備える。
【解決手段】少なくとも、端部に継手118を有し、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状であって、隣接する他の鋼矢板と前記継手において相互に接続される複数の鋼矢板110と、長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように前記鋼矢板と接合され、前記トンネル軸方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた主桁120と、長手方向が前記主桁の長手方向に対して垂直になるように前記主桁及び前記複数の鋼矢板と接合され、前記トンネル周方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた継手板130とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼製セグメント及び合成セグメントに関し、特にシールドトンネルの覆工に適した鋼製セグメント及び合成セグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法によってトンネルを構築する際、セグメントによる覆工が順次組み立てられ管路が形成される。複数のセグメントからなる覆工は、トンネル外部からの水圧や土圧、地表の上載荷重に耐え、トンネル内部の空間を確保する。また、セグメントは、シールドマシンの推進時のジャッキ圧に対して十分な強度を有する構造を有する。
【0003】
セグメントには、例えば鋼製セグメント、ダクタイル鋳鉄セグメント等がある。鋼製セグメントは、圧延鋼材を用いて構成され、溶接によって組み立てられる。鋼製セグメントは、外面を覆うスキンプレート、荷重を受け持つ主桁、隣接するセグメントとのボルト結合に用いられる継手板、ジャッキの反力を受ける縦リブ、例えばボルト等の継手材などからなる。鋼製セグメントは、軸力に比べて曲げモーメントが卓越するトンネルに適用されるとよい。
【0004】
鋳鉄セグメントは、溶けた鉄を型枠に流し込んで冷やした後、脱型して形成される鋳鉄製のセグメントである。鋳鉄セグメントは、形状自由度が高く、フランジ等も一体的に形成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、鋼製セグメントは、一つのセグメントを構成するための部材数が多く、非常に加工の手間がかかるため、加工コストが高くなる。特に、曲げモーメントが卓越する場合、桁高を高くする必要があるが、桁高を高くするとトンネル掘削断面が増加することになり、シールドマシンの大型化や掘削廃土の処理費用の増大を招くため、工事費全体のコストが増大する。一方、主桁にフランジを付加するか、又は内側及び外側両面にスキンプレートを設置すれば、桁高を抑えられ力学上は効率的な断面にすることが出来るが、部材数が更に多くなるためにセグメントの加工コストがさらに高くなる問題がある。
【0006】
一方、鋳鉄セグメントは、溶けた鉄を型枠に流し込んで製作されるため、セグメントの断面形状を比較的自由に形成することができ、セグメントの桁高を抑えつつ大きな曲げモーメントに抵抗できるが、逆に板厚を約10mm以下にすることは困難である。その結果、断面の無駄が生じ、鋳鉄セグメントを効率的な断面にすることができない場合があり、その場合コストが結果的に高くなる問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、効率的な断面を確保しながら、部材数及び加工工数を削減することで、製作コストを削減できる鋼製セグメント及び合成セグメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、第1の発明によれば、少なくとも、端部に継手を有し、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状であって、隣接する他の鋼矢板と上記継手において相互に接続される複数の鋼矢板と、長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように上記鋼矢板と接合され、上記トンネル軸方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた主桁と、長手方向が上記主桁の長手方向に対して垂直になるように上記主桁及び上記複数の鋼矢板と接合され、上記トンネル周方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた継手板とを備える鋼製セグメントが提供される。
【0009】
また、第2の発明によれば、上記鋼製セグメントをトンネル周方向に沿って配置したとき、上記鋼矢板は、上記鋼矢板の長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるように配置されたことを特徴とする鋼製セグメントが提供される。
【0010】
また、第3の発明によれば、上記鋼製セグメントをトンネル周方向に沿って配置したとき、上記鋼矢板は、上記鋼矢板の長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように配置され、長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるように上記主桁及び上記鋼矢板と接合された縦リブを更に有することを特徴とする、第1の発明に記載の鋼製セグメントが提供される。
【0011】
また、第4の発明によれば、相互に異なる断面形状又は異なる大きさを有する上記鋼矢板が組み合わされ、相互に接続されたことを特徴とする、第1から第3の発明に記載の鋼製セグメントが提供される。
【0012】
また、第5の発明によれば、上記複数の鋼矢板が相互に接続された上記継手には、溶接又は止水材が施されたことを特徴とする、第1から第4の発明に記載の鋼製セグメントが提供される。
【0013】
また、第6の発明によれば、上記鋼製セグメントの内部空間にコンクリートが充填されたことを特徴とする、第1から第5の発明に記載の合成セグメントが提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、効率的な断面を確保しながら、部材数及び加工工数を削減することで、製作コストを削減できる鋼製セグメント及び合成セグメントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る鋼製セグメント100を示す斜視図である。
【図2】図4の1−1線で切断した側断面図である。
【図3】同実施形態に係る鋼製セグメント100を示す2−2矢視図である。
【図4】同実施形態に係る鋼製セグメント100を示す平面図である。
【図5】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント200を示す側断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る鋼製セグメント300を示す斜視図である。
【図7】同実施形態に係る鋼製セグメント300を示す側面図である。
【図8】図9の3−3線で切断した縦断面図である。
【図9】同実施形態に係る鋼製セグメント300を示す平面図である。
【図10】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント400を示す縦断面図である。
【図11】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント500を示す縦断面図である。
【図12】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント600を示す縦断面図である。
【図13】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント700を示す縦断面図である。
【図14】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント800を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
<1.第1の実施形態>
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る鋼製セグメント100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る鋼製セグメント100を示す斜視図である。図2は、図4の1−1線で切断した断面図である。図3は、本実施形態に係る鋼製セグメント100を示す2−2矢視図である。図4は、本実施形態に係る鋼製セグメント100を示す平面図である。
【0018】
鋼製セグメント100は、シールド工法によってトンネルを構築する際、管路を形成するために覆工として使用されるセグメントである。鋼製セグメント100は、トンネル周方向に環状に配置される。そして、環状に配置された鋼製セグメント100による覆工が順次トンネル軸方向に組み立てられることによって管路が形成される。複数の鋼製セグメント100からなる覆工は、トンネル外部からの水圧や土圧、地表の上載荷重に耐え、トンネル内部の空間を確保する。また、鋼製セグメント100は、シールド推進時のジャッキ圧に対して十分な強度を有する。
【0019】
鋼製セグメント100は、図1〜図4に示すように、複数の鋼矢板110と、主桁120と、継手板130などからなる。本実施形態では、鋼製セグメント100が覆工として設置されたとき、鋼矢板110の長手方向がトンネル軸方向と平行になるように、鋼矢板110が配置される。
【0020】
鋼矢板110は鋼製セグメント100の外面及び内面を形成する。鋼矢板110は、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状を有する鋼板である。鋼矢板110は、例えば圧延又は冷間加工によって製造される。図1〜4に示す例では、いわゆるハット形状の断面を有する鋼矢板を使用した例を示している。即ち、鋼矢板110は、図2に示すように、中間板部112と、斜板部114と、端板部116と、継手118a,118bとを有する。継手118a,118bを総称して、以下「継手118」ともいう。
【0021】
中間板部112は、鋼矢板110の中間部に位置する板状部材である。中間板部112は、長手方向に対して平行な二つの端部において、斜板部114と接続される。斜板部114は、一端側で、中間板部112に対して斜めの角度を有して中間板部112と接続され、他端側で、端板部116と接続される。端板部116は、中間板部112と平行であり、鋼矢板110の長手方向に対して平行な端部に位置する。端板部116は、一端側で斜板部114と接続され、他端側で継手118と接続される。
【0022】
継手118は、鋼矢板110の長手方向に対して平行な端部に、端板部116と接続して設けられる。継手118は、隣接して配置される他の鋼矢板110の継手118と接続される。継手118は、二つの継手118が相互に接続可能な形状を有する。継手118は、例えば、中心に形成された溝部と、接続時に他の継手の溝部に挿入可能な先端部からなる。
【0023】
鋼矢板110の一端側の端部に設けられた継手118aは、図1及び図2に示すように、トンネルの内側方向に開口した溝部を有し、他端側の端部に設けられた継手118bは、反対にトンネルの外側方向に開口した溝部を有する。なお、隣接する鋼矢板110を相互に接続できれば、一つの鋼矢板110における二つの継手118の溝部は、同一方向に開口していてもよい。
【0024】
二つの鋼矢板110が接続されているとき、鋼矢板110は継手118(118a、118b)が互いに多少の嵌合余裕を有しているため、継手118部分を中心に回転可能である。従って、鋼製セグメント100が覆工として設置されたとき、鋼矢板110の長手方向がトンネル軸方向と平行になるように、且つ継手118部分で曲率に合うように角度をつけて鋼矢板110が配置されることで、曲げ加工することなく曲面を有する鋼製セグメント100の外面及び内面を容易に形成できる。その結果、曲げ加工なしで、円又は楕円形状のトンネルの周方向に沿ったセグメントを形成できる。
【0025】
二つの鋼矢板110が接続されているときの継手118の接続部分には、止水溶接が施されるか、止水材(図示省略)が設けられる。止水材は、例えばウレタンやポリエチレン、歴青材料等であり、外部、例えば地山からの漏水を防止する。
【0026】
互いに接続された複数の鋼矢板110のうちトンネル周方向端部の鋼矢板110Pは、鋼矢板110Pの端部112aで継手板130と溶接によって接合される。鋼矢板110Pは、図1〜4に示す例では、鋼矢板110を中間付近で切断したものである。また、鋼矢板110は、トンネル軸方向端部110bで主桁120と溶接によって接合される。
【0027】
鋼矢板110は、従来の鋼製セグメントのスキンプレート及び縦リブの機能を発揮する。即ち、複数の鋼矢板110が組み合わされることによって、連続する面が形成され、土の崩壊を抑える。また、鋼矢板110は、外部から入力された荷重を主桁120に伝達する。更に、鋼矢板110は、長手方向がトンネル軸方向に対して平行に配置されるため、鋼製セグメント100はシールドマシンの推進時のジャッキ圧に耐える構造を有する。更に、鋼矢板110は、トンネル軸方向に地震力などが作用したとき、鋼製セグメント100の座屈を防止できる。
【0028】
なお、鋼矢板110は、汎用されているものを使用してもよいし、新たに設計、製造したものを使用してもよい。
【0029】
主桁120は、板状部材であり、長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように鋼矢板110と溶接によって接合される。主桁120は、鋼製セグメント100が曲面形状を有する場合、その曲面に沿った円弧形状を有する。また、主桁120は、鋼製セグメント100の主構造体であり、鋼矢板110を伝達してきた荷重を最終的に受け持つ。主桁120には、トンネル軸方向に隣接する鋼製セグメント100の主桁120と接合するための機械式の接合部材(図示省略)又は図1及び図2に示すようにボルト挿通用の孔であるボルト挿通孔122等の接合手段が一体に設けられる。
【0030】
継手板130は、板状部材であり、鋼製セグメント100を環状に配置する際、トンネル周方向に隣接する鋼製セグメント100と接合するために使用される。例えば、継手板130には、図3に示すようにボルト挿通孔132が形成される。そして、ボルト挿通孔132は、隣接する鋼製セグメント100の継手板130のボルト挿通孔132と共にボルト結合に使用され、二つの鋼製セグメント100が相互に接合される。
【0031】
また、主桁120と継手板130で囲まれる鋼製セグメント100の内部空間に、コンクリートが充填されてもよい。これにより、上述した鋼製セグメント100を、いわゆる合成セグメントにすることができる。コンクリートと鋼殻からなる合成セグメントとすることによって、コンクリートは圧縮力に対して耐力があるため、鋼構造のみの場合に比べて軸力が大きいトンネルでも薄壁化を図ることができる。
【0032】
なお、コンクリートは、鋼製セグメント100の外側、即ち地山側のみに充填されるとしてもよい。これによって、鋼製セグメント100と地山との間に後からモルタルなどを充填する、いわゆる裏込め注入量を抑えることができ、施工コストを削減することができる。
【0033】
以上、本実施形態によれば、鋼矢板110がトンネル軸方向に対して平行に、且つ鋼矢板110をトンネルの曲率に合わせて容易に配置できるため、鋼矢板110の曲げ加工が不要であり製作コストを低減できる。そして、鋼矢板110を組み合わせ、鋼矢板110の継手118の接続部分に止水溶接するか、止水材を設置することによって、止水が可能である。更に、土圧等の外部の荷重を面で受けて主桁120に力を伝達できるため、従来の鋼製セグメントで使用されていたスキンプレートを省略することもできる。以上説明したように本実施形態によれば、効率的な断面を確保しながら、部材数及び加工工数を削減することでセグメントの製作コストを削減できる。
【0034】
なお、上述した説明では、同一の大きさを有しハット形状の断面を有する鋼矢板110を複数使用する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。図5は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント200を示す側断面図である。鋼製セグメント200は、断面がU形形状を有するいわゆるU形鋼矢板210を有するセグメントである。端部に位置する鋼矢板210は、図5に示す例では、鋼矢板210を継手216a,216bで切断したものである。鋼矢板210は、鋼矢板210の端部216cで継手板130と接合される。U形鋼矢板210は、中間板部212と、斜板部214と、継手216a,216bなどからなる。U形鋼矢板210は、交互に向きを変えて組み合わされる。
【0035】
また、図示しないが、例えば大きさの異なる2種類以上の鋼矢板(例えば、種々のU型矢板やZ型矢板、直線矢板)を組み合わせてもよい。このように、種々の鋼矢板の組み合わせによって、断面の無駄を減らすことができ、要求される断面性能に応じた効率的な断面を実現できる。
【0036】
<2.第2の実施形態>
次に、図6〜図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係る鋼製セグメント300の構成について説明する。図6は、本実施形態に係る鋼製セグメント300を示す斜視図である。図7は、本実施形態に係る鋼製セグメント300を示す側面図である。図8は、図9の3−3線で切断した縦断面図である。図9は、本実施形態に係る鋼製セグメント300を示す平面図である。
【0037】
鋼製セグメント300は、図6〜図9に示すように、複数の鋼矢板310と、主桁320と、継手板330と、縦リブ340などからなる。本実施形態の鋼製セグメント300は、第1の実施形態の鋼製セグメント100,200と比較して、鋼矢板310の配置方向が異なる。本実施形態では、鋼製セグメント300が覆工として設置されたとき、鋼矢板310の長手方向がトンネル軸方向と垂直に、即ちトンネル周方向と平行になるように、鋼矢板310が配置される。
【0038】
鋼矢板310は鋼製セグメント300の外面及び内面を形成する。鋼矢板310は、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状を有する鋼板である。鋼矢板310は、例えば圧延によって製造される。図6〜9に示す例では、いわゆるハット形状の断面を有する鋼矢板を使用した例を示している。即ち、鋼矢板310は、図8に示すように、中間板部312と、斜板部314と、端板部316と、継手318a,318bとを有する。継手318a,318bを総称して、以下「継手318」ともいう。
【0039】
鋼矢板310の中間板部312と、斜板部314と、端板部316と、継手318a,318bは、それぞれ第1の実施形態の中間板部112と、斜板部114と、端板部116と、継手118a,118bに相当するため詳細な説明は省略する。
【0040】
鋼矢板310は長手方向がトンネル周方向に対して平行に配置されるため、トンネルの周方向の形状が円又は楕円形状であるとき、鋼矢板は、図6に示すように、曲げ加工されて円弧形状を有する。その結果、円又は楕円形状のトンネルの周方向に沿ったセグメントを形成できる。
【0041】
二つの鋼矢板310が互いに接続されているときの継手318の接続部分には、第1の実施形態と同様に、止水溶接が施されるか、止水材(図示省略)が設けられる。
【0042】
鋼矢板310は、図6〜9に示す例では、鋼矢板310を端板部316で切断したものである。鋼矢板310は、鋼矢板310の端部316aで主桁320と溶接によって接合される。鋼矢板310は、トンネル周方向端部310bで継手板330と溶接によって接合される。
【0043】
鋼矢板310は、従来の鋼製セグメントのスキンプレートの機能を発揮する。即ち、複数の鋼矢板310が組み合わされることによって、連続する面が形成され、土の崩壊を抑える。また、鋼矢板310は、主桁320と共に外部から入力された土圧や水圧等の荷重に対してフランジとウェブを有する主構造として抵抗する。
【0044】
なお、鋼矢板310は、汎用されているものを使用してもよいし、新たに設計、製造したものを使用してもよい。
【0045】
主桁320は、板状部材であり、長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように鋼矢板310と溶接によって接合される。主桁320は、鋼製セグメント300が曲面形状を有する場合、その曲面に沿った円弧形状を有する。また、第2の実施形態では、主桁320は、鋼矢板310と共に土圧や水圧等の荷重に抵抗する鋼製セグメント300の主構造体であり、伝達してきた荷重を受け持つ。主桁320は、図7に示すように、トンネル軸方向に隣接する鋼製セグメント300の主桁320とボルト結合が可能なようにボルト挿通孔322が形成される。なお、隣接する鋼製セグメント300との接続手段は、ボルト挿通孔322ではなく、機械式の接合部材でもよい。
【0046】
継手板330は、板状部材であり、鋼製セグメント300を環状に配置する際、トンネル周方向に隣接する鋼製セグメント300と接合するために使用される。例えば、継手板330には、図3に示すようにボルト挿通孔332が形成される。そして、ボルト挿通孔332は、隣接する鋼製セグメント300の継手板330のボルト挿通孔332と共にボルト結合に使用され、二つの鋼製セグメント300が相互に接合される。
【0047】
縦リブ340は、板状部材であり、複数の鋼矢板310が接続されたときに生じる凹部の空間に、トンネル軸方向に対して平行に設置される。縦リブ340は、主桁320と鋼矢板310に接合される。縦リブ340は、長手方向がトンネル軸方向に対して平行に配置されるため、鋼製セグメント300はシールドマシンの推進時のジャッキ圧に耐える構造を有する。更に、縦リブ340は、トンネル軸方向に地震力などが作用したとき、鋼製セグメント300の座屈を防止できる。また更に、縦リブ340は、外部から入力された荷重を主桁320に伝達する。
【0048】
また、主桁120と継手板130で囲まれる鋼製セグメント100の内部空間に、コンクリートが充填されてもよい。これにより、上述した鋼製セグメント300を、いわゆる合成セグメントにすることができる。コンクリートと鋼殻からなる合成セグメントとすることによって、コンクリートは圧縮力に対して耐力があるため、鋼構造のみの場合に比べて軸力が大きいトンネルでも薄壁化を図ることができる。
【0049】
以上、本実施形態によれば、鋼矢板310がトンネル周方向に対して平行に配置されるため、鋼矢板310の中間板部312及び端板部316はフランジとして機能し、斜板部314はウェブとして機能するため、効率的に非常に大きな曲げモーメントに対しても抵抗でき、セグメントの薄肉化を図ることが可能となる。また、鋼矢板310の中間板部312、端板部316及び斜板部314が一体で形成されているため、鋼矢板310を継手318を介して互いに嵌合して組み立てるだけで鋼殻の大部分を組み立てられるため、加工コストを削減することができる。以上のように第2の実施形態によれば、非常に大きな曲げモーメントが作用するトンネルにおいても、効率的な断面を有する薄肉なセグメントを低コストで製作することが可能となる。
【0050】
そして、鋼矢板310を組み合わせ、鋼矢板310の継手318(318a、318b)の接続部分に止水溶接するか、止水材を設置することによって、止水が可能である。更に、土圧等の外部の荷重を面で受けて主桁320に力を伝達できるため、従来の鋼製セグメントで使用されていたスキンプレートを省略することもできる。
【0051】
なお、上述した説明では、同一の大きさを有しハット形状の断面を有する鋼矢板310を二つ使用する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。以下、図10〜図14を参照して、本実施形態の変形例について説明する。
【0052】
図10は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント400を示す縦断面図である。鋼製セグメント400は、三つの同一の大きさを有しハット形状の断面を有する鋼矢板310を備える。このように、鋼矢板310の数はトンネルの形状、必要とされる耐力等に応じて調節可能である。
【0053】
図11は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント500を示す縦断面図である。鋼製セグメント500は、ハット形状の断面を有する鋼矢板310の間に、直線形状の断面を有する鋼矢板510が配置される。鋼矢板510は、中間板部512と、継手514などからなる。鋼矢板310の継手318a又は継手318bと、鋼矢板510の継手514が接続される。このように、ハット形状の断面の鋼矢板310と直線形状の断面の鋼矢板510とを組み合わせることによって、必要かつ十分な断面性能を有する経済的な断面を容易に構成することができる。
【0054】
図12は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント600を示す縦断面図である。鋼製セグメント600は、大きさの異なる2種類のハット形状の鋼矢板310と鋼矢板610とを組み合わせたものである。鋼矢板610は、中間板部612と、斜板部614と、端板部616と、継手618a,618bなどからなる。鋼矢板310の継手318aと、鋼矢板610の継手618bが接続され、鋼矢板310の継手318bと、鋼矢板610の継手618aが接続される。図11および図12に示される例のように、鋼製セグメントに使用する鋼矢板は、異なる形状のものを組み合わせてもよく、必要とされる耐力等に応じて調節可能である。
【0055】
図13は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント700を示す縦断面図である。鋼製セグメント700は、いわゆるU形鋼矢板710を有するセグメントである。U形鋼矢板710は、中間板部712と、斜板部714と、継手716a,716bなどからなる。端部に位置する鋼矢板710は、図13に示す例では、鋼矢板710を継手716a,716bで切断したものである。鋼矢板710は、鋼矢板710の端部716cで主桁320と溶接によって接合される。鋼矢板710は、交互に向きを変えて組み合わされる。一方の鋼矢板710の継手716aと、他方の鋼矢板710の継手716aが接続され、一方の鋼矢板710の継手716bと、他方の鋼矢板710の継手716bが接続される。継手716a同士又は継手716b同士の接続部では、必要に応じ止水溶接又は剪断を伝達するに足る溶接がされる。剪断を伝達するに足る溶接がされることで、鋼製セグメント700の全断面が有効になる。
【0056】
図14は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント800を示す縦断面図である。鋼製セグメント800は、U形鋼矢板を2枚筒形に重ね合わせて溶接した組み合わせ鋼矢板810を有するセグメントである。組み合わせ鋼矢板810は、中間板部812と、斜板部814と、継手816a,816bなどからなる。端部に位置する組み合わせ鋼矢板810は、図14に示す例では、組み合わせ鋼矢板810を継手816a,816bで切断したものである。端部に位置する組み合わせ鋼矢板810は、組み合わせ鋼矢板810の端部816cで主桁320と接合される。一方の組み合わせ鋼矢板810の継手816aと、他方の組み合わせ鋼矢板810の継手816bが接続される。継手816a,816bの接続部では、必要に応じ止水溶接又は剪断を伝達するに足る溶接がされる。剪断を伝達するに足る溶接がされることで、鋼製セグメント800の全断面が有効になる。
【0057】
これらの変形例のように、種々の鋼矢板の組み合わせによって、要求される断面性能に応じた鋼製セグメントを形成できるので、鋼製セグメントは断面の無駄を減らすことができ効率的な断面を実現できる。以上のように第2の実施形態では、適当な鋼矢板を必要に応じて組み合わせることで、必要とされる耐力等に応じて調節可能であるので、効率的な断面を有する薄肉なセグメントを低コストで製作することができる。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0059】
例えば、上述した実施形態では、トンネルが円形状又は楕円形状を有する場合、鋼製セグメント及び合成セグメントがトンネルの周方向に沿って円弧形状である場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、鋼製セグメント及び合成セグメントは、円弧形状ではなく平面形状であってもよい。この場合、鋼製セグメント及び合成セグメントがトンネル周方向に設置されるとき、鋼矢板の長手方向がトンネル周方向に対して平行であっても、鋼矢板の曲げ加工は不要になる。このような平面形状の鋼製セグメント及び合成セグメントは、例えば矩形断面トンネルの覆工に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、鋼製セグメント及び合成セグメントに適用可能であり、特にシールドトンネルの覆工に適した鋼製セグメント及び合成セグメントに適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
100,200,300,400,500,600,700,800 鋼製セグメント
110,110P,210,310,510,610,710,810 鋼矢板
110b,112a,216c,310b,316a,716c,816c 端部
112,212,312,512,612,712,812 中間板部
114,214,314,614,714,814 斜板部
116,316,616 端板部
118,118a,118b,216a,216b,318,318a,318b,514,618a,618b,716a,716b,816a,816b 継手
120,320 主桁
130,330 継手板
122,132,322,332 ボルト挿通孔
340 縦リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼製セグメント及び合成セグメントに関し、特にシールドトンネルの覆工に適した鋼製セグメント及び合成セグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法によってトンネルを構築する際、セグメントによる覆工が順次組み立てられ管路が形成される。複数のセグメントからなる覆工は、トンネル外部からの水圧や土圧、地表の上載荷重に耐え、トンネル内部の空間を確保する。また、セグメントは、シールドマシンの推進時のジャッキ圧に対して十分な強度を有する構造を有する。
【0003】
セグメントには、例えば鋼製セグメント、ダクタイル鋳鉄セグメント等がある。鋼製セグメントは、圧延鋼材を用いて構成され、溶接によって組み立てられる。鋼製セグメントは、外面を覆うスキンプレート、荷重を受け持つ主桁、隣接するセグメントとのボルト結合に用いられる継手板、ジャッキの反力を受ける縦リブ、例えばボルト等の継手材などからなる。鋼製セグメントは、軸力に比べて曲げモーメントが卓越するトンネルに適用されるとよい。
【0004】
鋳鉄セグメントは、溶けた鉄を型枠に流し込んで冷やした後、脱型して形成される鋳鉄製のセグメントである。鋳鉄セグメントは、形状自由度が高く、フランジ等も一体的に形成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、鋼製セグメントは、一つのセグメントを構成するための部材数が多く、非常に加工の手間がかかるため、加工コストが高くなる。特に、曲げモーメントが卓越する場合、桁高を高くする必要があるが、桁高を高くするとトンネル掘削断面が増加することになり、シールドマシンの大型化や掘削廃土の処理費用の増大を招くため、工事費全体のコストが増大する。一方、主桁にフランジを付加するか、又は内側及び外側両面にスキンプレートを設置すれば、桁高を抑えられ力学上は効率的な断面にすることが出来るが、部材数が更に多くなるためにセグメントの加工コストがさらに高くなる問題がある。
【0006】
一方、鋳鉄セグメントは、溶けた鉄を型枠に流し込んで製作されるため、セグメントの断面形状を比較的自由に形成することができ、セグメントの桁高を抑えつつ大きな曲げモーメントに抵抗できるが、逆に板厚を約10mm以下にすることは困難である。その結果、断面の無駄が生じ、鋳鉄セグメントを効率的な断面にすることができない場合があり、その場合コストが結果的に高くなる問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、効率的な断面を確保しながら、部材数及び加工工数を削減することで、製作コストを削減できる鋼製セグメント及び合成セグメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、第1の発明によれば、少なくとも、端部に継手を有し、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状であって、隣接する他の鋼矢板と上記継手において相互に接続される複数の鋼矢板と、長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように上記鋼矢板と接合され、上記トンネル軸方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた主桁と、長手方向が上記主桁の長手方向に対して垂直になるように上記主桁及び上記複数の鋼矢板と接合され、上記トンネル周方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた継手板とを備える鋼製セグメントが提供される。
【0009】
また、第2の発明によれば、上記鋼製セグメントをトンネル周方向に沿って配置したとき、上記鋼矢板は、上記鋼矢板の長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるように配置されたことを特徴とする鋼製セグメントが提供される。
【0010】
また、第3の発明によれば、上記鋼製セグメントをトンネル周方向に沿って配置したとき、上記鋼矢板は、上記鋼矢板の長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように配置され、長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるように上記主桁及び上記鋼矢板と接合された縦リブを更に有することを特徴とする、第1の発明に記載の鋼製セグメントが提供される。
【0011】
また、第4の発明によれば、相互に異なる断面形状又は異なる大きさを有する上記鋼矢板が組み合わされ、相互に接続されたことを特徴とする、第1から第3の発明に記載の鋼製セグメントが提供される。
【0012】
また、第5の発明によれば、上記複数の鋼矢板が相互に接続された上記継手には、溶接又は止水材が施されたことを特徴とする、第1から第4の発明に記載の鋼製セグメントが提供される。
【0013】
また、第6の発明によれば、上記鋼製セグメントの内部空間にコンクリートが充填されたことを特徴とする、第1から第5の発明に記載の合成セグメントが提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、効率的な断面を確保しながら、部材数及び加工工数を削減することで、製作コストを削減できる鋼製セグメント及び合成セグメントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る鋼製セグメント100を示す斜視図である。
【図2】図4の1−1線で切断した側断面図である。
【図3】同実施形態に係る鋼製セグメント100を示す2−2矢視図である。
【図4】同実施形態に係る鋼製セグメント100を示す平面図である。
【図5】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント200を示す側断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る鋼製セグメント300を示す斜視図である。
【図7】同実施形態に係る鋼製セグメント300を示す側面図である。
【図8】図9の3−3線で切断した縦断面図である。
【図9】同実施形態に係る鋼製セグメント300を示す平面図である。
【図10】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント400を示す縦断面図である。
【図11】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント500を示す縦断面図である。
【図12】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント600を示す縦断面図である。
【図13】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント700を示す縦断面図である。
【図14】同実施形態の変形例に係る鋼製セグメント800を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
<1.第1の実施形態>
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る鋼製セグメント100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る鋼製セグメント100を示す斜視図である。図2は、図4の1−1線で切断した断面図である。図3は、本実施形態に係る鋼製セグメント100を示す2−2矢視図である。図4は、本実施形態に係る鋼製セグメント100を示す平面図である。
【0018】
鋼製セグメント100は、シールド工法によってトンネルを構築する際、管路を形成するために覆工として使用されるセグメントである。鋼製セグメント100は、トンネル周方向に環状に配置される。そして、環状に配置された鋼製セグメント100による覆工が順次トンネル軸方向に組み立てられることによって管路が形成される。複数の鋼製セグメント100からなる覆工は、トンネル外部からの水圧や土圧、地表の上載荷重に耐え、トンネル内部の空間を確保する。また、鋼製セグメント100は、シールド推進時のジャッキ圧に対して十分な強度を有する。
【0019】
鋼製セグメント100は、図1〜図4に示すように、複数の鋼矢板110と、主桁120と、継手板130などからなる。本実施形態では、鋼製セグメント100が覆工として設置されたとき、鋼矢板110の長手方向がトンネル軸方向と平行になるように、鋼矢板110が配置される。
【0020】
鋼矢板110は鋼製セグメント100の外面及び内面を形成する。鋼矢板110は、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状を有する鋼板である。鋼矢板110は、例えば圧延又は冷間加工によって製造される。図1〜4に示す例では、いわゆるハット形状の断面を有する鋼矢板を使用した例を示している。即ち、鋼矢板110は、図2に示すように、中間板部112と、斜板部114と、端板部116と、継手118a,118bとを有する。継手118a,118bを総称して、以下「継手118」ともいう。
【0021】
中間板部112は、鋼矢板110の中間部に位置する板状部材である。中間板部112は、長手方向に対して平行な二つの端部において、斜板部114と接続される。斜板部114は、一端側で、中間板部112に対して斜めの角度を有して中間板部112と接続され、他端側で、端板部116と接続される。端板部116は、中間板部112と平行であり、鋼矢板110の長手方向に対して平行な端部に位置する。端板部116は、一端側で斜板部114と接続され、他端側で継手118と接続される。
【0022】
継手118は、鋼矢板110の長手方向に対して平行な端部に、端板部116と接続して設けられる。継手118は、隣接して配置される他の鋼矢板110の継手118と接続される。継手118は、二つの継手118が相互に接続可能な形状を有する。継手118は、例えば、中心に形成された溝部と、接続時に他の継手の溝部に挿入可能な先端部からなる。
【0023】
鋼矢板110の一端側の端部に設けられた継手118aは、図1及び図2に示すように、トンネルの内側方向に開口した溝部を有し、他端側の端部に設けられた継手118bは、反対にトンネルの外側方向に開口した溝部を有する。なお、隣接する鋼矢板110を相互に接続できれば、一つの鋼矢板110における二つの継手118の溝部は、同一方向に開口していてもよい。
【0024】
二つの鋼矢板110が接続されているとき、鋼矢板110は継手118(118a、118b)が互いに多少の嵌合余裕を有しているため、継手118部分を中心に回転可能である。従って、鋼製セグメント100が覆工として設置されたとき、鋼矢板110の長手方向がトンネル軸方向と平行になるように、且つ継手118部分で曲率に合うように角度をつけて鋼矢板110が配置されることで、曲げ加工することなく曲面を有する鋼製セグメント100の外面及び内面を容易に形成できる。その結果、曲げ加工なしで、円又は楕円形状のトンネルの周方向に沿ったセグメントを形成できる。
【0025】
二つの鋼矢板110が接続されているときの継手118の接続部分には、止水溶接が施されるか、止水材(図示省略)が設けられる。止水材は、例えばウレタンやポリエチレン、歴青材料等であり、外部、例えば地山からの漏水を防止する。
【0026】
互いに接続された複数の鋼矢板110のうちトンネル周方向端部の鋼矢板110Pは、鋼矢板110Pの端部112aで継手板130と溶接によって接合される。鋼矢板110Pは、図1〜4に示す例では、鋼矢板110を中間付近で切断したものである。また、鋼矢板110は、トンネル軸方向端部110bで主桁120と溶接によって接合される。
【0027】
鋼矢板110は、従来の鋼製セグメントのスキンプレート及び縦リブの機能を発揮する。即ち、複数の鋼矢板110が組み合わされることによって、連続する面が形成され、土の崩壊を抑える。また、鋼矢板110は、外部から入力された荷重を主桁120に伝達する。更に、鋼矢板110は、長手方向がトンネル軸方向に対して平行に配置されるため、鋼製セグメント100はシールドマシンの推進時のジャッキ圧に耐える構造を有する。更に、鋼矢板110は、トンネル軸方向に地震力などが作用したとき、鋼製セグメント100の座屈を防止できる。
【0028】
なお、鋼矢板110は、汎用されているものを使用してもよいし、新たに設計、製造したものを使用してもよい。
【0029】
主桁120は、板状部材であり、長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように鋼矢板110と溶接によって接合される。主桁120は、鋼製セグメント100が曲面形状を有する場合、その曲面に沿った円弧形状を有する。また、主桁120は、鋼製セグメント100の主構造体であり、鋼矢板110を伝達してきた荷重を最終的に受け持つ。主桁120には、トンネル軸方向に隣接する鋼製セグメント100の主桁120と接合するための機械式の接合部材(図示省略)又は図1及び図2に示すようにボルト挿通用の孔であるボルト挿通孔122等の接合手段が一体に設けられる。
【0030】
継手板130は、板状部材であり、鋼製セグメント100を環状に配置する際、トンネル周方向に隣接する鋼製セグメント100と接合するために使用される。例えば、継手板130には、図3に示すようにボルト挿通孔132が形成される。そして、ボルト挿通孔132は、隣接する鋼製セグメント100の継手板130のボルト挿通孔132と共にボルト結合に使用され、二つの鋼製セグメント100が相互に接合される。
【0031】
また、主桁120と継手板130で囲まれる鋼製セグメント100の内部空間に、コンクリートが充填されてもよい。これにより、上述した鋼製セグメント100を、いわゆる合成セグメントにすることができる。コンクリートと鋼殻からなる合成セグメントとすることによって、コンクリートは圧縮力に対して耐力があるため、鋼構造のみの場合に比べて軸力が大きいトンネルでも薄壁化を図ることができる。
【0032】
なお、コンクリートは、鋼製セグメント100の外側、即ち地山側のみに充填されるとしてもよい。これによって、鋼製セグメント100と地山との間に後からモルタルなどを充填する、いわゆる裏込め注入量を抑えることができ、施工コストを削減することができる。
【0033】
以上、本実施形態によれば、鋼矢板110がトンネル軸方向に対して平行に、且つ鋼矢板110をトンネルの曲率に合わせて容易に配置できるため、鋼矢板110の曲げ加工が不要であり製作コストを低減できる。そして、鋼矢板110を組み合わせ、鋼矢板110の継手118の接続部分に止水溶接するか、止水材を設置することによって、止水が可能である。更に、土圧等の外部の荷重を面で受けて主桁120に力を伝達できるため、従来の鋼製セグメントで使用されていたスキンプレートを省略することもできる。以上説明したように本実施形態によれば、効率的な断面を確保しながら、部材数及び加工工数を削減することでセグメントの製作コストを削減できる。
【0034】
なお、上述した説明では、同一の大きさを有しハット形状の断面を有する鋼矢板110を複数使用する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。図5は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント200を示す側断面図である。鋼製セグメント200は、断面がU形形状を有するいわゆるU形鋼矢板210を有するセグメントである。端部に位置する鋼矢板210は、図5に示す例では、鋼矢板210を継手216a,216bで切断したものである。鋼矢板210は、鋼矢板210の端部216cで継手板130と接合される。U形鋼矢板210は、中間板部212と、斜板部214と、継手216a,216bなどからなる。U形鋼矢板210は、交互に向きを変えて組み合わされる。
【0035】
また、図示しないが、例えば大きさの異なる2種類以上の鋼矢板(例えば、種々のU型矢板やZ型矢板、直線矢板)を組み合わせてもよい。このように、種々の鋼矢板の組み合わせによって、断面の無駄を減らすことができ、要求される断面性能に応じた効率的な断面を実現できる。
【0036】
<2.第2の実施形態>
次に、図6〜図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係る鋼製セグメント300の構成について説明する。図6は、本実施形態に係る鋼製セグメント300を示す斜視図である。図7は、本実施形態に係る鋼製セグメント300を示す側面図である。図8は、図9の3−3線で切断した縦断面図である。図9は、本実施形態に係る鋼製セグメント300を示す平面図である。
【0037】
鋼製セグメント300は、図6〜図9に示すように、複数の鋼矢板310と、主桁320と、継手板330と、縦リブ340などからなる。本実施形態の鋼製セグメント300は、第1の実施形態の鋼製セグメント100,200と比較して、鋼矢板310の配置方向が異なる。本実施形態では、鋼製セグメント300が覆工として設置されたとき、鋼矢板310の長手方向がトンネル軸方向と垂直に、即ちトンネル周方向と平行になるように、鋼矢板310が配置される。
【0038】
鋼矢板310は鋼製セグメント300の外面及び内面を形成する。鋼矢板310は、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状を有する鋼板である。鋼矢板310は、例えば圧延によって製造される。図6〜9に示す例では、いわゆるハット形状の断面を有する鋼矢板を使用した例を示している。即ち、鋼矢板310は、図8に示すように、中間板部312と、斜板部314と、端板部316と、継手318a,318bとを有する。継手318a,318bを総称して、以下「継手318」ともいう。
【0039】
鋼矢板310の中間板部312と、斜板部314と、端板部316と、継手318a,318bは、それぞれ第1の実施形態の中間板部112と、斜板部114と、端板部116と、継手118a,118bに相当するため詳細な説明は省略する。
【0040】
鋼矢板310は長手方向がトンネル周方向に対して平行に配置されるため、トンネルの周方向の形状が円又は楕円形状であるとき、鋼矢板は、図6に示すように、曲げ加工されて円弧形状を有する。その結果、円又は楕円形状のトンネルの周方向に沿ったセグメントを形成できる。
【0041】
二つの鋼矢板310が互いに接続されているときの継手318の接続部分には、第1の実施形態と同様に、止水溶接が施されるか、止水材(図示省略)が設けられる。
【0042】
鋼矢板310は、図6〜9に示す例では、鋼矢板310を端板部316で切断したものである。鋼矢板310は、鋼矢板310の端部316aで主桁320と溶接によって接合される。鋼矢板310は、トンネル周方向端部310bで継手板330と溶接によって接合される。
【0043】
鋼矢板310は、従来の鋼製セグメントのスキンプレートの機能を発揮する。即ち、複数の鋼矢板310が組み合わされることによって、連続する面が形成され、土の崩壊を抑える。また、鋼矢板310は、主桁320と共に外部から入力された土圧や水圧等の荷重に対してフランジとウェブを有する主構造として抵抗する。
【0044】
なお、鋼矢板310は、汎用されているものを使用してもよいし、新たに設計、製造したものを使用してもよい。
【0045】
主桁320は、板状部材であり、長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように鋼矢板310と溶接によって接合される。主桁320は、鋼製セグメント300が曲面形状を有する場合、その曲面に沿った円弧形状を有する。また、第2の実施形態では、主桁320は、鋼矢板310と共に土圧や水圧等の荷重に抵抗する鋼製セグメント300の主構造体であり、伝達してきた荷重を受け持つ。主桁320は、図7に示すように、トンネル軸方向に隣接する鋼製セグメント300の主桁320とボルト結合が可能なようにボルト挿通孔322が形成される。なお、隣接する鋼製セグメント300との接続手段は、ボルト挿通孔322ではなく、機械式の接合部材でもよい。
【0046】
継手板330は、板状部材であり、鋼製セグメント300を環状に配置する際、トンネル周方向に隣接する鋼製セグメント300と接合するために使用される。例えば、継手板330には、図3に示すようにボルト挿通孔332が形成される。そして、ボルト挿通孔332は、隣接する鋼製セグメント300の継手板330のボルト挿通孔332と共にボルト結合に使用され、二つの鋼製セグメント300が相互に接合される。
【0047】
縦リブ340は、板状部材であり、複数の鋼矢板310が接続されたときに生じる凹部の空間に、トンネル軸方向に対して平行に設置される。縦リブ340は、主桁320と鋼矢板310に接合される。縦リブ340は、長手方向がトンネル軸方向に対して平行に配置されるため、鋼製セグメント300はシールドマシンの推進時のジャッキ圧に耐える構造を有する。更に、縦リブ340は、トンネル軸方向に地震力などが作用したとき、鋼製セグメント300の座屈を防止できる。また更に、縦リブ340は、外部から入力された荷重を主桁320に伝達する。
【0048】
また、主桁120と継手板130で囲まれる鋼製セグメント100の内部空間に、コンクリートが充填されてもよい。これにより、上述した鋼製セグメント300を、いわゆる合成セグメントにすることができる。コンクリートと鋼殻からなる合成セグメントとすることによって、コンクリートは圧縮力に対して耐力があるため、鋼構造のみの場合に比べて軸力が大きいトンネルでも薄壁化を図ることができる。
【0049】
以上、本実施形態によれば、鋼矢板310がトンネル周方向に対して平行に配置されるため、鋼矢板310の中間板部312及び端板部316はフランジとして機能し、斜板部314はウェブとして機能するため、効率的に非常に大きな曲げモーメントに対しても抵抗でき、セグメントの薄肉化を図ることが可能となる。また、鋼矢板310の中間板部312、端板部316及び斜板部314が一体で形成されているため、鋼矢板310を継手318を介して互いに嵌合して組み立てるだけで鋼殻の大部分を組み立てられるため、加工コストを削減することができる。以上のように第2の実施形態によれば、非常に大きな曲げモーメントが作用するトンネルにおいても、効率的な断面を有する薄肉なセグメントを低コストで製作することが可能となる。
【0050】
そして、鋼矢板310を組み合わせ、鋼矢板310の継手318(318a、318b)の接続部分に止水溶接するか、止水材を設置することによって、止水が可能である。更に、土圧等の外部の荷重を面で受けて主桁320に力を伝達できるため、従来の鋼製セグメントで使用されていたスキンプレートを省略することもできる。
【0051】
なお、上述した説明では、同一の大きさを有しハット形状の断面を有する鋼矢板310を二つ使用する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。以下、図10〜図14を参照して、本実施形態の変形例について説明する。
【0052】
図10は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント400を示す縦断面図である。鋼製セグメント400は、三つの同一の大きさを有しハット形状の断面を有する鋼矢板310を備える。このように、鋼矢板310の数はトンネルの形状、必要とされる耐力等に応じて調節可能である。
【0053】
図11は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント500を示す縦断面図である。鋼製セグメント500は、ハット形状の断面を有する鋼矢板310の間に、直線形状の断面を有する鋼矢板510が配置される。鋼矢板510は、中間板部512と、継手514などからなる。鋼矢板310の継手318a又は継手318bと、鋼矢板510の継手514が接続される。このように、ハット形状の断面の鋼矢板310と直線形状の断面の鋼矢板510とを組み合わせることによって、必要かつ十分な断面性能を有する経済的な断面を容易に構成することができる。
【0054】
図12は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント600を示す縦断面図である。鋼製セグメント600は、大きさの異なる2種類のハット形状の鋼矢板310と鋼矢板610とを組み合わせたものである。鋼矢板610は、中間板部612と、斜板部614と、端板部616と、継手618a,618bなどからなる。鋼矢板310の継手318aと、鋼矢板610の継手618bが接続され、鋼矢板310の継手318bと、鋼矢板610の継手618aが接続される。図11および図12に示される例のように、鋼製セグメントに使用する鋼矢板は、異なる形状のものを組み合わせてもよく、必要とされる耐力等に応じて調節可能である。
【0055】
図13は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント700を示す縦断面図である。鋼製セグメント700は、いわゆるU形鋼矢板710を有するセグメントである。U形鋼矢板710は、中間板部712と、斜板部714と、継手716a,716bなどからなる。端部に位置する鋼矢板710は、図13に示す例では、鋼矢板710を継手716a,716bで切断したものである。鋼矢板710は、鋼矢板710の端部716cで主桁320と溶接によって接合される。鋼矢板710は、交互に向きを変えて組み合わされる。一方の鋼矢板710の継手716aと、他方の鋼矢板710の継手716aが接続され、一方の鋼矢板710の継手716bと、他方の鋼矢板710の継手716bが接続される。継手716a同士又は継手716b同士の接続部では、必要に応じ止水溶接又は剪断を伝達するに足る溶接がされる。剪断を伝達するに足る溶接がされることで、鋼製セグメント700の全断面が有効になる。
【0056】
図14は、本実施形態の変形例に係る鋼製セグメント800を示す縦断面図である。鋼製セグメント800は、U形鋼矢板を2枚筒形に重ね合わせて溶接した組み合わせ鋼矢板810を有するセグメントである。組み合わせ鋼矢板810は、中間板部812と、斜板部814と、継手816a,816bなどからなる。端部に位置する組み合わせ鋼矢板810は、図14に示す例では、組み合わせ鋼矢板810を継手816a,816bで切断したものである。端部に位置する組み合わせ鋼矢板810は、組み合わせ鋼矢板810の端部816cで主桁320と接合される。一方の組み合わせ鋼矢板810の継手816aと、他方の組み合わせ鋼矢板810の継手816bが接続される。継手816a,816bの接続部では、必要に応じ止水溶接又は剪断を伝達するに足る溶接がされる。剪断を伝達するに足る溶接がされることで、鋼製セグメント800の全断面が有効になる。
【0057】
これらの変形例のように、種々の鋼矢板の組み合わせによって、要求される断面性能に応じた鋼製セグメントを形成できるので、鋼製セグメントは断面の無駄を減らすことができ効率的な断面を実現できる。以上のように第2の実施形態では、適当な鋼矢板を必要に応じて組み合わせることで、必要とされる耐力等に応じて調節可能であるので、効率的な断面を有する薄肉なセグメントを低コストで製作することができる。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0059】
例えば、上述した実施形態では、トンネルが円形状又は楕円形状を有する場合、鋼製セグメント及び合成セグメントがトンネルの周方向に沿って円弧形状である場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、鋼製セグメント及び合成セグメントは、円弧形状ではなく平面形状であってもよい。この場合、鋼製セグメント及び合成セグメントがトンネル周方向に設置されるとき、鋼矢板の長手方向がトンネル周方向に対して平行であっても、鋼矢板の曲げ加工は不要になる。このような平面形状の鋼製セグメント及び合成セグメントは、例えば矩形断面トンネルの覆工に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、鋼製セグメント及び合成セグメントに適用可能であり、特にシールドトンネルの覆工に適した鋼製セグメント及び合成セグメントに適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
100,200,300,400,500,600,700,800 鋼製セグメント
110,110P,210,310,510,610,710,810 鋼矢板
110b,112a,216c,310b,316a,716c,816c 端部
112,212,312,512,612,712,812 中間板部
114,214,314,614,714,814 斜板部
116,316,616 端板部
118,118a,118b,216a,216b,318,318a,318b,514,618a,618b,716a,716b,816a,816b 継手
120,320 主桁
130,330 継手板
122,132,322,332 ボルト挿通孔
340 縦リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、端部に継手を有し、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状であって、隣接する他の鋼矢板と前記継手において相互に接続される複数の鋼矢板と、
長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように前記鋼矢板と接合され、前記トンネル軸方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた主桁と、
長手方向が前記主桁の長手方向に対して垂直になるように前記主桁及び前記複数の鋼矢板と接合され、前記トンネル周方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた継手板と
を備える、鋼製セグメント。
【請求項2】
前記鋼製セグメントをトンネル周方向に沿って配置したとき、前記鋼矢板は、前記鋼矢板の長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるように配置された、請求項1に記載の鋼製セグメント。
【請求項3】
前記鋼製セグメントをトンネル周方向に沿って配置したとき、前記鋼矢板は、前記鋼矢板の長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように配置され、
長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるように前記主桁及び前記鋼矢板と接合された縦リブを更に有する、請求項1に記載の鋼製セグメント。
【請求項4】
相互に異なる断面形状又は異なる大きさを有する前記鋼矢板が組み合わされ、相互に接続された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼製セグメント。
【請求項5】
前記複数の鋼矢板が相互に接続された前記継手には、溶接又は止水材が施された、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼製セグメント。
【請求項6】
前記鋼製セグメントの内部空間にコンクリートが充填された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の合成セグメント。
【請求項1】
少なくとも、端部に継手を有し、長手方向に対して垂直方向に切断した断面が凹凸形状であって、隣接する他の鋼矢板と前記継手において相互に接続される複数の鋼矢板と、
長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように前記鋼矢板と接合され、前記トンネル軸方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた主桁と、
長手方向が前記主桁の長手方向に対して垂直になるように前記主桁及び前記複数の鋼矢板と接合され、前記トンネル周方向に隣接する他の鋼製セグメントと接合するための接合手段が設けられた継手板と
を備える、鋼製セグメント。
【請求項2】
前記鋼製セグメントをトンネル周方向に沿って配置したとき、前記鋼矢板は、前記鋼矢板の長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるように配置された、請求項1に記載の鋼製セグメント。
【請求項3】
前記鋼製セグメントをトンネル周方向に沿って配置したとき、前記鋼矢板は、前記鋼矢板の長手方向がトンネル周方向に対して平行になるように配置され、
長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるように前記主桁及び前記鋼矢板と接合された縦リブを更に有する、請求項1に記載の鋼製セグメント。
【請求項4】
相互に異なる断面形状又は異なる大きさを有する前記鋼矢板が組み合わされ、相互に接続された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼製セグメント。
【請求項5】
前記複数の鋼矢板が相互に接続された前記継手には、溶接又は止水材が施された、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼製セグメント。
【請求項6】
前記鋼製セグメントの内部空間にコンクリートが充填された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の合成セグメント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−157755(P2011−157755A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21288(P2010−21288)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】
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